JP5461724B1 - 配線用プルボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】 建物のコーナ部において曲げられて配線される電線を覆うことができるようにするとともに、建物の壁面への支持を確実にして、外観品質の向上を図る。
【解決手段】 建物の壁面Sに付設される外側面を有した底壁3を備え、且つ、底壁3の外周縁から底壁3の内側面3b側に立設されて開口2を形成するとともに電線Wが挿通される挿通孔4が形成される側壁5を備えたボックス本体1と、ボックス本体1の開口2を塞ぐ蓋体20とを備え、底壁3を、折曲線Qを境にして折曲形成され折曲線Qの両側に所定角度で連設される一方底壁10Aと他方底壁10Bとを有した形状に形成した。また、底壁3の内側面3b側に折曲線Qに沿って突出し電線Wを支持可能な枕部17を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の屋内外においてその壁面に電線を分岐管に挿通して配線する際に用いられる配線用プルボックスに係り、特に、電線を分岐させたり曲げたりする際に配線を容易にすることができる配線用プルボックスに関する。
一般に、図7に示すように、従来からある配線用プルボックスBaは、開口101を有した矩形箱型のボックス本体100と、この開口101を塞ぐ蓋体102とを備えて構成されている。この配線用プルボックスBaを用いるときは、例えば、直線状に配線された2本の電線Wのうち一方の電線W(a)をそのまま直線状にして配線し他方の電線W(b)を垂直方向に直角に曲げて方向変換させる場合で説明すると、現場において、所謂ホールソーといわれる穴開け工具(図示せず)により、ボックス本体の側壁105に電線管103を接続するための挿通孔104を形成する。それから、このボックス本体100をその底壁106においてビス等で建物の壁面Sに付設するとともに、電線管103の端部をこの挿通孔104にネジ手段107等で固定する。そして、この状態で、一方側の電線管103から他方側の電線管103に電線Wを引き通し、最後に蓋体102を取り付けて開口101を覆う。この場合、ボックス本体100では、一方側の電線管103から挿通された電線Wを一度このボックス本体100内に露出させてから、他方側の電線管103に引き通すことができるので、引き通し作業が極めて容易に行われる。また、ボックス本体100内では電線Wは露出するが、蓋体102で覆われるので、電線Wを保護することができる(例えば、実用新案登録第3100707号公報(特許文献1)等参照)。
実用新案登録第3100707号公報
ところで、図8に示すように、一方の建物壁面SAと他方の建物壁面SBとが直角に折れ曲がってなる建物の壁面Sのコーナ部C(角部)において、電線Wを曲げて方向変換する際には、電線管103による保護が難しいので、多くの場合、この曲り部分Wcは露出させたままにしている実情がある。その理由は、例えば、電線管103として直角に曲がったエルボ管(図示せず)を用いることが可能であるが、エルボ管を付設した後の電線Wの引き通しが極めてやりにくく容易ではないので、実質的に採用しにくいからである。
また、従来から用いられている上記の配線用プルボックスBaを用いることも可能である。その場合には、図9に示すように、ボックス本体100の一方の建物壁面SA側に向く側壁105に挿通孔104を設け、この側壁105に対向する側壁105に近い側の底壁106にも挿通孔104を設け、この底壁106の挿通孔104が他方の建物壁面SB側に向くように一方の建物壁面SAにボックス本体100の底壁106をビス等で取り付ける。そして、上記と同様に、電線管103の端部をこの挿通孔104にネジ手段107等で固定し、一方側の電線管103から他方側の電線管103に電線Wを引き通し、最後に蓋体102を取り付けて開口101を覆う。これにより、一応、電線Wの曲り部分Wcを覆うことができ、保護を図ることができる。
しかしながら、この方法だと、電線Wの曲り部分Wcを覆うことができても、ボックス本体100の略半分が建物壁面Sから突出してしまうので、支持が不安定になるという問題がある。また、建物壁面Sからの突出した部分には底壁106が露出することになることもあって、外観品質が著しく劣ってしまうという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、建物のコーナ部において曲げられて配線される電線を覆うことができるようにするとともに、建物の壁面への支持を確実にして、外観品質の向上を図った配線用プルボックスを提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の配線用プルボックスは、建物の壁面に付設される外側面を有した底壁を備え、且つ、該底壁の外周縁から該底壁の内側面側に立設されて開口を形成するとともに電線が挿通される挿通孔が形成される側壁を備えたボックス本体と、該ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えた配線用プルボックスにおいて、上記底壁を、折曲線を境にして折曲形成され該折曲線の両側に所定角度で連設される一方底壁と他方底壁とを有した形状に形成した構成としている。
本発明の配線用プルボックスは、建物の一方の建物壁面と他方の建物壁面とが折れ曲がってなるコーナ部(角部)において、取付けられる。そのため、所定角度は、建物のコーナ部の角度に合わせて設定すればよい。
これによれば、建物のコーナ部において、例えば、一方の建物壁面に直線状に配線された電線を他方の建物壁面に沿わせるように曲げて方向変換させる場合で説明すると、現場において、所謂ホールソーといわれる穴開け工具により、ボックス本体の一方の建物壁面側を向く側壁に電線管を接続するための挿通孔を形成するとともに、他方の建物壁面側を向く側壁に電線管を接続するための挿通孔を形成する。それから、このボックス本体を、その一方底壁を一方の建物壁面に当接させ、他方底壁を他方の建物壁面に当接させて建物のコーナ部の壁面にビス等で付設するとともに、電線管の端部をこれらの挿通孔にネジ手段等で固定する。そして、この状態で、一方側の電線管から電線を引き通しボックス本体内で曲げて更に他方側の電線管に電線を引き通し、最後に蓋体を取り付けて開口を覆う。この場合、ボックス本体では、一方側の電線管から挿通された電線を一度このボックス本体内に露出させてから、他方側の電線管に引き通すことができるので、引き通し作業が極めて容易に行われる。また、ボックス本体内では電線は露出するが、蓋体で覆われるので、電線を保護することができる。
更に、ボックス本体の底壁が建物壁面に当接させられるので、支持が確実になる。また、配線用プルボックスは、建物のコーナ部から突出して取り付けられることになるが、その底壁の外側面は建物の壁面に当接して外部に露出することがなく、そのため、外観品質を向上させることができる。
そして、必要に応じ、上記底壁の一方底壁及び他方底壁を夫々矩形状に形成するとともに、該一方底壁の外側面と他方底壁の外側面とのなす角度θを、θ=90°若しくはθ=270°にし、上記底壁を、上記折曲線に平行で互いに対向する直線状の一対の直線外側辺と、上記折曲線に直交しL字状に形成された一対のL字外側辺とを備えた形状に形成した構成としている。一方底壁の外側面と他方底壁の外側面とのなす角度θを、θ=90°にしたものは、建物の一方の建物壁面と他方の建物壁面との表面側のなす角度が270°の突出したコーナ部用のものであり、θ=270°にしたものは、建物の一方の建物壁面と他方の建物壁面との表面側のなす角度が90°の凹んだコーナ部用のものである。これにより、ほとんどの建物の壁のコーナ部は直角に折れ曲がっているので、この一般的な建物に用いることができ、汎用性が向上させられる。
また、必要に応じ、上記側壁を、上記各直線外側辺から夫々立設され所定高さで矩形状の一対の矩形側壁と、上記各L字外側辺から夫々立設され両端縁が上記矩形側壁と同じ所定高さに形成されて該矩形側壁に連設されるとともに上縁が上記L字外側辺に対応した略L字状に形成され全体が略L字形の一対のL字形側壁とを備えて構成し、上記矩形側壁の上縁及びこれに連続する上記L字形側壁の上縁により開口を形成した構成としている。これにより、ボックス本体全体がL字形状に形成され、出っ張りを最小限に抑えることができるので、コンパクトになって外観品質を向上させることができる。
この場合、必要に応じ、上記蓋体を、上記開口を塞ぐ大きさで上記一方底壁に平行な一方蓋壁と上記他方底壁に平行な他方蓋壁とを備え全体を略L字形に形成した構成としている。これにより、蓋体全体がL字形に形成され、出っ張りを最小限に抑えることができるので、コンパクトになって外観品質を向上させることができる。
そしてまた、必要に応じ、上記底壁の内側面側に上記折曲線に沿って突出し電線を支持可能な枕部を設けた構成としている。電線を一方側の電線管から電線を引き通しボックス本体内で曲げて更に他方側の電線管に電線を引き通す際、電線を他方側で引っ張ることを行うが、この際、電線は枕部に支持されるので、電線に無理な力が生じることが抑制され、電線を引き通し易くなる。
この場合、必要に応じ、上記枕部の表面を横断面円弧状に形成した構成としている。電線が引っ張られて枕部を摺接する際、滑りが良くなるので、電線の損傷を防止することができる。
また、必要に応じ、上記枕部の表面に、上記折曲線に沿って突出し横断面円弧状の凸条を複数設けた構成としている。電線が引っ張られて枕部を摺接する際、電線が複数の凸条に当接するが、凸条に対して略点接触になるので、より一層滑りが良くなり、確実に電線の損傷を防止することができる。
更に、必要に応じ、上記ボックス本体及び蓋体を夫々樹脂で型成形により形成した構成としている。樹脂で一体形成するので、製造が容易になり、安価に提供できるようになる。
本発明によれば、建物のコーナ部において、電線を曲げて方向変換させて配線する場合、ボックス本体をコーナ部の壁面に付設して配線を行うことができる。そのため、ボックス本体では、一方側の電線管から挿通された電線を一度このボックス本体内に露出させてから、他方側の電線管に引き通すことができるので、引き通し作業を極めて容易に行なうことができる。また、ボックス本体内では電線は露出するが、蓋体で覆われるので、電線を保護することができる。更に、ボックス本体の底壁が建物壁面に当接させられるので、支持が確実になる。更にまた、配線用プルボックスは、建物のコーナ部から突出して取り付けられることになるが、その底壁の外側面は建物の壁面に当接して外部に露出することがなく、そのため、外観品質を向上させることができる。
本発明の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスをその取付け状態で示す一部切欠き分解斜視図である。 本発明の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスをその取付け状態で示す横断面図である。 本発明の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスをその取付け状態で示す縦断面図である。 本発明の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスをその取付け状態で示す斜視図である。 本発明の第二の実施の形態に係る配線用プルボックスをその取付け状態で示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係る配線用プルボックスの変形例を示す分解斜視図である。 従来からある配線用プルボックスをその取付け状態で示す一部切欠き分解斜視図である。 建物のコーナ部における一般的な配線状態を示す斜視図である。 建物のコーナ部において従来からある配線用プルボックスを用いて配線した場合の状態を示す一部切欠き斜視図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る配線用プルボックスについて詳細に説明する。
図1乃至図4には、本発明の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスBを示している。第一の実施の形態に係る配線用プルボックスBは、建物の壁面Sのうち、一方の建物壁面SAと他方の建物壁面SBとが直角に折れ曲がってなるコーナ部C(角部)であって、一方の建物壁面SAと他方の建物壁面SBとの表面側のなす角度が270°の突出したコーナ部用のものである。
この実施の形態に係る配線用プルボックスBは、開口2を有したボックス本体1と、開口2を塞ぐ蓋体20とからなり、夫々、樹脂で型成形により形成されている。ボックス本体1は、建物の壁面Sに付設される外側面3aを有した底壁3と、底壁3の外周縁から底壁3の内側面3b側に立設されて開口2を形成するとともに電線Wが挿通される挿通孔4(図2)が形成される側壁5とを備えて構成されている。
挿通孔4には、電線Wが挿通される電線管Kの端部が取付けられる。図2に示すように、電線管Kの端部Kaには、挿通孔4の開口縁に当接するフランジ6が設けられており、このフランジ6より先端側の外周には雄ネジ7が形成されている。挿通孔4は、この電線管Kの端部Kaの雄ネジ7部分が挿通できる大きさに形成されている。雄ネジ7には、ボックス本体1の内部からナット8がねじ込まれ、このナット8を締め付けて、ナット8とフランジ6とで挿通孔4の開口縁を挾持することにより、電線管Kはボックス本体1の側壁5に取付けられる。
底壁3は、折曲線Qを境にして折曲形成され該折曲線Qの両側に所定角度で連設される一方底壁10Aと他方底壁10Bとを有した形状に形成されている。詳しくは、底壁3において、一方底壁10A及び他方底壁10Bは、夫々同形状の矩形状に形成されている。そして、一方底壁10Aの外側面3aと他方底壁10Bの外側面3aとのなす角度θは、θ=90°に設定され、底壁3全体は、折曲線Qに平行で互いに対向する直線状の一対の直線外側辺11と、折曲線Qに直交しL字状に形成された一対のL字外側辺12とを備えた形状に形成されている。
側壁5は、底壁3の各直線外側辺11から該底壁3に対して直角に夫々立設され所定高さHで矩形状の一対の矩形側壁13Aと、全体が略L字形の一対のL字形側壁13Bとを備えて構成されている。L字形側壁13Bは、底壁3の各L字外側辺12から夫々立設され両端縁が矩形側壁13Aと同じ所定高さHに形成されて矩形側壁13Aに連設されるとともに、上縁が上記L字外側辺12に対応したL字状に形成されている。そして、矩形側壁13Aの上縁及びこれに連続するL字形側壁13Bの上縁により開口2が形成されている。これにより、ボックス本体1全体がL字形状に形成される。
また、矩形側壁13AとL字形側壁13Bとの各接合部には内側に突設されたボス14が一体形成されており、その上面側から後述の蓋体20を取り付けるためのビス16の雄ネジが螺合する雌ネジ15が形成されている。
更に、底壁3の内側面3b側には、折曲線Qに沿って突出し電線Wを支持可能な枕部17が一体形成されている。枕部17の表面には、折曲線Qに沿って突出し横断面円弧状の凸条18が複数(実施の形態では3本)設けられている。
また、蓋体20は、開口2を塞ぐ大きさであって、一方底壁10Aに平行な矩形状の一方蓋壁21Aと、他方底壁10Bに平行な矩形状の他方蓋壁21Bとを備え、全体がL字形に形成されている。この蓋体20のコーナ部には、ボックス本体1に形成した雌ネジ15に対応して、ビス16の雄ネジが挿通可能な取付け孔22が形成されている。
従って、この実施の形態に係る配線用プルボックスBを用いるときは以下のようになる。図1乃至図4に示すように、ここでは、例えば、一方の建物壁面SAに水平方向に配線された2本の電線Wのうち、一方の電線W(a)を他方の建物壁面SBに沿わせるように曲げて方向変換させ、他方の電線W(b)をこの一方の建物壁面SAに沿わせて垂直方向に垂下させて曲げて方向変換させる場合で説明する。現場において、所謂ホールソーといわれる穴開け工具(図示せず)により、ボックス本体1の一方の建物壁面SA側を向く矩形側壁13Aに電線管Kを接続するための2つの挿通孔4を形成するとともに、下側のL字形側壁13Bであって一方の建物壁面SA側にある部分に同様に電線管Kを接続するための挿通孔4を形成する。また、他方の建物壁面SB側を向く矩形側壁13Aに電線管Kを接続するための挿通孔4を形成する。
それから、このボックス本体1を、その一方底壁10Aを一方の建物壁面SAに当接させ、他方底壁10Bを他方の建物壁面SBに当接させて建物のコーナ部Cの壁面Sに付設する。この付設は、例えば、底壁3にビス23(図3)をねじ込むことにより行う。次に、これらの各挿通孔4に電線管Kの端部Kaを挿通し、端部Kaに形成した雄ネジ7に、ボックス本体1の内部からナット8をネジ込み、このナット8を締め付けて、ナット8とフランジ6とで挿通孔4の開口縁を挾持することにより、電線管Kをボックス本体1の側壁5に取付け固定する。
そして、この状態で、一方の電線W(a)においては、一方の建物壁面SA側の上側の電線管Kから電線W(a)を引き通し、ボックス本体1内で曲げて、更に、他方の建物壁面SB側の電線管Kに電線W(a)を引き通す。この場合、電線W(a)を引っ張るが、電線W(a)は枕部17に支持されるので、電線W(a)に無理な力が生じることが抑制され、電線W(a)を引き通し易くなる。特に、枕部17の表面に、凸条18が複数設けられ、電線W(a)はこの複数の凸条18に当接するが、凸条18に対して略点接触になるので、より一層滑りが良くなり、確実に電線W(a)の損傷を防止することができる。
また、他方の電線W(b)においては、一方の建物壁面SA側の下側の電線管Kから電線W(b)を引き通し、ボックス本体1内で曲げて、更に、一方の建物壁面SA側のL字形側壁13Bに設けた電線管Kに電線W(b)を引き通す。
この場合、ボックス本体1では、一方側の電線管Kから挿通された電線Wを一度このボックス本体1内に露出させてから、他方側の電線管Kに引き通すことができるので、引き通し作業が極めて容易に行われる。
最後に、蓋体20を開口2に取り付け、この開口2を覆う。蓋体20は、蓋体20の取付け孔22からビス16を挿通して雌ネジ15にねじ込んで固定する。ボックス本体1内では電線Wは露出するが、蓋体20で覆われるので、電線Wを保護することができる。
この状態においては、ボックス本体1の底壁3が建物の壁面Sに当接させられるので、支持が確実になる。また、配線用プルボックスBは、建物のコーナ部Cから突出して取り付けられることになるが、その底壁3の外側面3aは建物の壁面Sに当接して外部に露出することがなく、そのため、外観品質を向上させることができる。また、ボックス本体1全体がL字形状に形成されているので、出っ張りを最小限に抑えることができ、コンパクトになって、より一層外観品質を向上させることができる。更に、蓋体20全体もL字形に形成され、出っ張りを最小限に抑えることができるので、コンパクトになってこの点でも外観品質を向上させることができる。
次に、図5に示すように、本発明の第二の実施の形態に係る配線用プルボックスBについて説明する。第二の実施の形態に係る配線用プルボックスBは、建物の一方の建物壁面SAと他方の建物壁面SBとの表面側のなす角度が90°の凹んだコーナ部C(角部)用のものである。
この配線用プルボックスBは、開口2を有したボックス本体1と、開口2を塞ぐ蓋体20とからなり、夫々、樹脂で型成形により形成されており、上記の第一の実施の形態に係る配線用プルボックスBとは、底壁3と蓋体20を入れ変えたような構成になっている。即ち、底壁3において、一方底壁10Aの外側面3aと他方底壁10Bの外側面3aとのなす角度θは、θ=270°に設定され、底壁3全体は、折曲線Qに平行で互いに対向する直線状の一対の直線外側辺11と、折曲線Qに直交しL字状に形成された一対のL字外側辺12とを備えた形状に形成されている。尚、この別の例では、枕部は特に設けなくても良い。
従って、この実施の形態に係る配線用プルボックスBを用いるときは以下のようになる。ここでは、例えば、一方の建物壁面SAに水平方向に配線された2本の電線W(a),W(b)の何れも、他方の建物壁面SBに沿わせるように曲げて方向変換させる場合で説明する。現場において、所謂ホールソーといわれる穴開け工具(図示せず)により、ボックス本体1の一方の建物壁面SA側を向く矩形側壁13Aに電線管Kを接続するための2つの挿通孔4を形成するとともに、他方の建物壁面SB側を向く矩形側壁13Aに電線管Kを接続するための2つの挿通孔4を形成する。
それから、このボックス本体1を、その一方底壁10Aを一方の建物壁面SAに当接させ、他方底壁10Bを他方の建物壁面SBに当接させて建物のコーナ部Cの壁面Sに付設する。次に、これらの各挿通孔4に電線管Kの端部Kaを挿通して上記と同様のネジ手段により電線管Kをボックス本体1の側壁5に取付け固定する。
そして、この状態で、一方の電線W(a)を一方の建物壁面SA側の上側の電線管Kから引き通し、ボックス本体1内で曲げて、更に、他方の建物壁面SB側の電線管Kに引き通す。また、他方の電線W(b)についても同様に行う。この場合、ボックス本体1では、一方側の電線管Kから挿通された電線Wを一度このボックス本体1内に露出させてから、他方側の電線管Kに引き通すことができるので、引き通し作業が極めて容易に行われる。他の作用,効果は、上記と同様である。
尚、上記実施の形態において、底壁3,側壁5及び蓋体20の形状として、例えば、図6に示すように、略L字形の一対のL字形側壁13Bの角部を円弧形成し、これに合わせて略L字形の蓋体20の角部を円弧形成する等、適宜変更して差し支えない。
また、上記実施の形態において、枕部17には凸条18を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図6に示すように、凸条18を設けずに、その表面を単に横断面円弧状に形成しても良く、適宜変更して差し支えない。
更に、上記実施の形態において、ボックス本体1に接続する電線管Kの数や、その位置は、上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差し支えない。
尚また、上記実施の形態では、ボックス本体1及び蓋体20を夫々樹脂で型成形したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、鈑金により金属板を折曲形成して溶接で接合するように形成しても良く、適宜変更して差し支えない。また、側壁5に形成する挿通孔4は、予め形成して、取り外し可能な蓋で覆っておき、使用時に必要な挿通孔4の蓋を取り外して、これに電線管Kを接続するようにしても良く、適宜変更して差し支えない。
B 配線用プルボックス
S 建物の壁面
SA 一方の建物壁面
SB 他方の建物壁面
W,W(a),W(b) 電線
K 電線管
Ka 端部
C コーナ部
1 ボックス本体
2 開口
3 底壁
3a 外側面
3b 内側面
4 挿通孔
5 側壁
6 フランジ
7 雄ネジ
8 ナット
Q 折曲線
10A 一方底壁
10B 他方底壁
11 直線外側辺
12 L字外側辺
13A 矩形側壁
13B L字形側壁
14 ボス
15 雌ネジ
16 ビス
17 枕部
18 凸条
20 蓋体
21A 一方蓋壁
21B 他方蓋壁
22 取付け孔
23 ビス

Claims (6)

  1. 建物の壁面に付設される外側面を有した底壁を備え、且つ、該底壁の外周縁から該底壁の内側面側に立設されて開口を形成するとともに電線が挿通される挿通孔が形成される側壁を備えたボックス本体と、該ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えた配線用プルボックスにおいて、
    上記底壁を、折曲線を境にして折曲形成され該折曲線の両側に所定角度で連設される一方底壁と他方底壁とを有した形状に形成し、
    上記底壁の一方底壁及び他方底壁を夫々矩形状に形成するとともに、該一方底壁の外側面と他方底壁の外側面とのなす角度θを、θ=90°若しくはθ=270°にし、上記底壁を、上記折曲線に平行で互いに対向する直線状の一対の直線外側辺と、上記折曲線に直交しL字状に形成された一対のL字外側辺とを備えた形状に形成し、
    上記側壁を、上記各直線外側辺から夫々立設され所定高さで矩形状の一対の矩形側壁と、上記各L字外側辺から夫々立設され両端縁が上記矩形側壁と同じ所定高さに形成されて該矩形側壁に連設されるとともに上縁が上記L字外側辺に対応した略L字状に形成され全体が略L字形の一対のL字形側壁とを備えて構成し、上記矩形側壁の上縁及びこれに連続する上記L字形側壁の上縁により開口を形成し、
    上記蓋体を、上記開口を塞ぐ大きさで上記一方底壁に平行な一方蓋壁と上記他方底壁に平行な他方蓋壁とを備え全体を略L字形に形成したことを特徴とする配線用プルボックス。
  2. 上記底壁の内側面側に上記折曲線に沿って突出し電線を支持可能な枕部を設けたことを特徴とする請求項1記載の配線用プルボックス。
  3. 建物の壁面に付設される外側面を有した底壁を備え、且つ、該底壁の外周縁から該底壁の内側面側に立設されて開口を形成するとともに電線が挿通される挿通孔が形成される側壁を備えたボックス本体と、該ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えた配線用プルボックスにおいて、
    上記底壁を、折曲線を境にして折曲形成され該折曲線の両側に所定角度で連設される一方底壁と他方底壁とを有した形状に形成し、
    上記底壁の内側面側に上記折曲線に沿って突出し電線を支持可能な枕部を設けたことを特徴とする配線用プルボックス。
  4. 上記枕部の表面を横断面円弧状に形成したことを特徴とする請求項2または3記載の配線用プルボックス。
  5. 上記枕部の表面に、上記折曲線に沿って突出し横断面円弧状の凸条を複数設けたことを特徴とする請求項2または3記載の配線用プルボックス。
  6. 上記ボックス本体及び蓋体を夫々樹脂で型成形により形成したことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の配線用プルボックス。
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