JP2014169575A - ゴム堰 - Google Patents

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Abstract

【課題】起状態の水流による振動を低減できるゴム堰を提供する。
【解決手段】流路を開閉するよう水路の幅方向に沿って設置され、流体の流入及び排出により起伏可能な筒状の可撓性袋体2を備えるゴム堰1であって、上記可撓性袋体の上流側に一方の長辺側が固定され、起状態における可撓性袋体の少なくとも上流側を覆うよう設置される略帯状の保護シート3を備え、上記保護シートの他方の長辺が変調していることを特徴とする。上記保護シートが、幅が大きい凸域4と幅が小さい凹域5とを長手方向に交互に有しているとよい。上記保護シートの他方の長辺が、凸域で起状態における可撓性袋体の下流側最突出線より下方に位置し、凹域で起状態における可撓性袋体の最上線及び下流側最突出線間に位置するとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム堰に関する。
水の貯留や取水のために河川等の水路に設置される堰として、図4に示すような空気や水等の流体を供給及び排出することで起立及び倒伏するゴム製の袋体102を有するゴム堰101が普及している。上記袋体102は、長方形状のゴムシートを端部同士が密着するように折り曲げて川床等にアンカーボルト110等の手段によって固定することで形成されており、内部に密閉空間を有する。このゴム堰101は、起状態では袋体102が略円筒状に膨張して堰として機能し、倒伏状態では袋体102が略シート状に萎縮して水を流下させる。なお、袋体102を保護するために袋体102の上面側に帯状の保護シートが備えられる場合もある。
上記袋体が起立した状態において、この袋体に対する水脈の付着及び剥離や水脈の不均一性に起因する圧力の変動によって袋体に振動が発生する。この振動が大きくなると、騒音、水位の変動、堰の破損等の不具合が生じる。この振動は、袋体の下流側面における水脈の付着又は剥離によって生じるものと推測される。そこで、この水脈の剥離をより高い位置で強制的に発生させるために袋体又は保護シートにデフレクタ(スポイラ)と呼ばれる突起を設けて振動を抑制するゴム堰が考案されている(特開平11−303049号公報参照)。
しかしながら、袋体を形成するゴムシートで上記デフレクタを形成する場合、ゴムシートの厚さを大きくする必要や構造を変更する必要があるため製造コストが増大する。一方で、デフレクタを別途袋体に装着する場合も、装着の手間が増加するため製造コストの増加を免れない。
特開平11−173384号公報
本発明の目的は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、起状態の水流による振動を抑制できるゴム堰を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
流路を開閉するよう水路の幅方向に沿って設置され、流体の流入及び排出により起伏可能な筒状の可撓性袋体を備えるゴム堰であって、
上記可撓性袋体の上流側に一方の長辺側が固定され、起状態における可撓性袋体の少なくとも上流側を覆うよう設置される略帯状の保護シートを備え、
上記保護シートの他方の長辺が変調していることを特徴とする。
従来のゴム堰においては、可撓性袋体からの越流が可撓性袋体の下流側に流れ込み、可撓性袋体の下流側下方で付着と剥離とが周期的に繰り返され、その繰り返しにより可撓性袋体が共振して振動を発生させていると推定される。当該ゴム堰は、上記保護シートの他方の長辺、つまり越流側の端辺が変調しているため、保護シート上面の越流が起こす付着と剥離との周期が変調し、共振を抑制することができ、振動の発生を抑制することができる。
上記保護シートが、幅が大きい凸域と幅が小さい凹域とを長手方向に交互に有しているとよい。このように保護シートに凸域及び凹域を長手方向に交互に設けることで、容易に保護シートの他方の長辺を変調し、上述の越流が起こす付着と剥離との周期を変え、共振を簡易かつ効果的に抑制することができる。
上記保護シートの他方の長辺が、凸域で起状態における可撓性袋体の下流側最突出線より下方に位置し、凹域で起状態における可撓性袋体の最上線及び下流側最突出線間に位置するとよい。このように保護シートの他方の長辺(下流側長辺)を凸域で可撓性袋体の下流側最突出線より下方に位置させ、凹域で可撓性袋体の最上線及び下流側最突出線間に位置させることで、凸域及び凹域での越流の付着と剥離とのタイミングを凸域及び凹域で異ならせ、上述の越流が起こす付着と剥離との周期を凸域及び凹域で変え、共振をより効果的に抑制することができる。
上記保護シートが、他方の長辺側かつ凸域と凹域との間に切り込みを有するとよい。このように保護シートの他方の長辺側かつ凸域と凹域との間に切り込みを有することで、短い凹域の他の長辺側がその材料の弾性により可撓性袋体外面から跳ね上がることとなり、この可撓性袋体外面から跳ね上がった凹域が越流に対してスポイラとして機能し、凹域での越流の剥離をさらに促進する結果、上述の付着と剥離による共振をより効果的に抑制することができる。
上記保護シートの凸域の長手方向平均幅としては、0.8m以上1.2m以下が好ましい。また、凹域の長手方向平均幅としては、0.4m以上0.6m以下が好ましい。このように凸域及び凹域の長手方向平均幅をそれぞれ上記範囲内とすることで、越流が起こす付着と剥離との周期を容易かつ確実に変えることができる。
また上記凸域の長手方向平均幅の凹域の長手方向平均幅に対する比としては、1.5以上2.5以下が好ましい。このように凸域と凹域との比を上記範囲内とすることでも、越流が起こす付着と剥離との周期を容易かつ確実に変えることができる。
上記保護シートの他方の長辺の両側が凹域になっているとよい。このように保護シートの他方の長辺の両側を凹域とすることで、可撓性袋体の長手方向両端部の下方領域において水量の減少による低圧力領域が発生することを防止できるため、振動の発生をより効果的に防止することができる。
上記保護シートの凸域における下流側最突出線より下方への突出平均長さとしては、上記下流側最突出線の平均高さの5%以上50%以下が好ましい。このように保護シートの凸域における下流側最突出線より下方への突出平均長さを上記下流側最突出線の平均高さの5%以上50%以下とすることで、凸域に沿った水流を鉛直方向に誘導できるため、上述の付着と剥離による振動をより効果的に抑制することができる。
ここで、「凸域(凹域)の長手方向平均幅」とは、保護シートの長手方向両側に形成される凸域(凹域)を除く凸域(凹域)の長手方向平均幅を意味する。「突出平均長さ」とは、可撓性袋体の下流側最突出線の高さと各凸域の最下点の高さとの差の平均値を意味する。
以上説明したように、本発明のゴム堰は、起状態の水流による振動を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るゴム堰を水路の下流側から見た模式的正面図である。 図1のゴム堰を示す模式的端面図であり、(a)は図1のAA線での端面図、(b)は図1のBB線での端面図である。 図1の実施形態とは異なる実施形態に係るゴム堰を水路の下流側から見た模式的正面図である。 従来のゴム堰を水路の下流側から見た模式的正面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳説する。
図1に示すゴム堰1は、流体の流入及び排出により起伏可能な筒状の可撓性袋体2と、この可撓性袋体2の上流側に一方の長辺側が固定され、起状態における可撓性袋体2の少なくとも上流側を覆うよう設置される略帯状の保護シート3とを備える。当該ゴム堰1は、流路を開閉するよう水路の幅方向に沿って設置される。
<可撓性袋体>
可撓性袋体2は、長方形状のゴムシートから形成され、このゴムシートの端部が内部に密閉空間を形成するようアンカーボルト10等の固定手段で水路の底面に固定される。可撓性袋体2は、このゴムシートに囲まれる密閉空間内に空気、水等の流体を供給することで筒状に膨張し起立する。また可撓性袋体2は、この起状態から内部の流体を排出することでゴムシートが帯状に折り畳まれた状態に萎縮し倒伏する。
可撓性袋体2は、1枚の連続したゴムシートで形成されていてもよく、2枚以上のゴムシートを接合することで形成されていてもよい。
可撓性袋体2を形成するゴムシートは、強度を持たせるために複数の層を積層して形成される。このゴムシートの構成としては、例えば内側ゴム層、内側帆布層、外側帆布層及び外側ゴム層をこの順に積層した構成を用いることができる。
上記内側ゴム層及び外側ゴム層に用いるゴム組成物のベースゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム(NBR、NIR等)等が挙げられる。これらの中でも耐候性に優れるエチレン−プロピレンゴムが好ましい。
上記ゴム組成物には、硫黄系、有機過酸化物系、金属酸化物系、フェノール樹脂、キノンジオキシム等の加硫剤が添加される。硫黄系の加硫剤としては、例えば粉末硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられる。有機過酸化物系の加硫剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が挙げられる。金属酸化物系の加硫剤としては、例えば亜鉛華、酸化マグネシウム等が挙げられる。
上記組成物には、上記加硫剤の他に、例えば加硫促進剤、加硫助剤、加硫遅延剤、カーボンブラック、シリカなどの補強剤、炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤(フィラー)、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、アロマオイル等のオイル類、ポリマー類、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変成付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、加工助剤等の配合剤を一種又は複数種配合することができる。
上記内側帆布層、外側帆布層に用いる帆布としては、耐屈曲性及び耐衝撃性の観点から、ポリアミド繊維やアラミド繊維等を織った布が好ましく、例えばナイロン製帆布が好ましい。
また、可撓性袋体2を形成するゴムシートの構成は上述のものに限定されず、ゴムシートがゴム層のみで構成されていてもよく、補強層として金属又は化学繊維製の補強コードを埋設したゴム層を積層してもよい。また、ゴムシートは単層であってもよい。
可撓性袋体2を形成するゴムシートの平均厚さとしては、例えば6mm以上20mm以下とすることができる。
可撓性袋体2の萎縮状態(内部空間に流体が供給されていない状態)での幅(水流方向の長さ)としては、特に限定されないが例えば1m以上20m以下とすることができる。
上記ゴムシートから可撓性袋体2を形成する方法は特に限定されないが、例えば以下の方法で可撓性袋体2を形成することができる。まず、ゴムシートを形成する各層を積層する。このときゴム層は未加硫のままとする。次に、最も内側の層にゴムシートよりも幅(短手長さ)が小さい離形シートを積層し、この離型シートを挟むように各層の積層体を内側に折り曲げて重ねる。その後、この積層体を加硫することで長手の端部同士が重ねられた状態のゴムシートが得られる。このゴムシートの端部を重ねた部分をアンカーボルト10で密着させつつ当該ゴム堰1を設置する水路の底面に固定することで可撓性袋体2が得られる。なお、水路の法面に対しても同様にアンカーボルト等の固定手段でゴムシートの短手の端部同士が重ねられた状態で固定することで、固定した可撓性袋体2の内部に密閉空間が形成される。
<保護シート>
保護シート3は、可撓性袋体2の水路上流側を被覆する略帯状のシートであり、下流側長辺が変調している。具体的には、保護シート3は、幅が大きい凸域4と幅が小さい凹域5とを長手方向に交互に有している。この複数の凸域4及び凹域5は、例えばゴム製のシートを任意の形状に切断することにより形成できる。
上記複数の凸域4の構成を具体的に説明すると、水流方向の位置が異なる直線状の辺(凸域4の下流側辺及び凹域5の下流側辺)が、水流方向に沿った直線状の辺で交互に接続されている。凸域4及び凹域5の下流側辺は水路の幅方向と略平行(水流方向と略垂直)に形成されている。また、保護シート3の下流側長辺は、凸域4で起状態における可撓性袋体2の下流側最突出線より下方に位置し、凹域5で起状態における可撓性袋体2の最上線及び下流側最突出線間に位置している。なお、保護シート3の下流側長辺の両側には凹域5が形成されている。さらに、凹域5をスポイラとして機能させるために凸域4と凹域5との間に切り込みを設けてもよい。
また、可撓性袋体2の倒伏状態において保護シート3が可撓性袋体2を完全に被覆できるように、保護シート3の下流側長辺は、凸域4及び凹域5で倒伏状態の可撓性袋体2の下流側最突出線(折り返し部)よりも下流側に位置することが好ましい。
保護シート3が有する凸域4及び凹域5の数は特に限定されないが、凸域4の数を2以上とすることが好ましい。凸域4の数が上記下限未満の場合、当該ゴム堰1の振動低減効果が十分発揮されないおそれがある。
保護シート3の凸域4の長手方向平均幅w1の下限としては、0.8mが好ましく、0.9mがより好ましく、0.95mがさらに好ましい。一方、凸域4の長手方向平均幅w1の上限としては、1.2mが好ましく、1.1mが好ましく、1.05mがさらに好ましい。凸域4の長手方向平均幅w1が上記下限未満の場合、保護シート3上面の越流が起こす付着と剥離との周期が十分変調できないおそれがある。逆に、凸域4の長手方向平均幅w1が上記上限を超える場合、遠方に誘導する水脈が大きくなり過ぎて、可撓性袋体2の近傍の圧力が相対的に減少し、圧力変動に起因して振動が大きくなるおそれがある。
保護シート3の凹域5(両側の凹域5を除く)の長手方向平均幅w2の下限としては、0.4mが好ましく、0.45mがより好ましく、0.48mがさらに好ましい。一方、凹域5の長手方向平均幅w2の上限としては、0.6mが好ましく、0.55mが好ましく、0.52mがさらに好ましい。凹域5の長手方向平均幅w2が上記下限未満の場合、可撓性袋体2の近傍に誘導する水脈が小さくなることで可撓性袋体2の近傍の圧力が相対的に減少し、圧力変動に起因して振動が大きくなるおそれがある。逆に、凹域5の長手方向平均幅w2が上記上限を超える場合、保護シート3上面の越流が起こす付着と剥離との周期が十分変調できないおそれがある。
保護シート3の下流側長辺両側の凹域5の長手方向平均幅w3の下限としては、0.1mが好ましく、0.15mがより好ましい。一方、下流側長辺両側の凹域5の長手方向平均幅w3の上限としては、0.6mが好ましく、0.5mがより好ましい。下流側長辺両側の凹域5の長手方向平均幅w3が上記下限未満の場合、両側において可撓性袋体2の下方領域の水量が減少し、この領域の圧力が相対的に減少し、圧力変動に起因して振動が大きくなるおそれがある。逆に、下流側長辺両側の凹域5の長手方向平均幅w3が上記上限を超える場合、保護シート3上面の越流が起こす付着と剥離との周期が十分変調できないおそれがある。
また凸域4の長手方向平均間隔w1の凹域5の長手方向平均間隔w2に対する比の下限としては、1.5が好ましく、1.8がより好ましい。一方、凸域4の長手方向平均間隔w1の凹域5の長手方向平均間隔w2に対する比の上限としては、2.5が好ましく、2.3がより好ましい。凸域4の長手方向平均間隔w1の凹域5の長手方向平均間隔w2に対する比が上記下限未満の場合、保護シート3上面の越流が起こす付着と剥離との周期が十分変調できないおそれがある。逆に、凸域4の長手方向平均間隔w1の凹域5の長手方向平均間隔w2に対する比が上記上限を超える場合、遠方に誘導する水脈が大きくなり過ぎて、可撓性袋体2の近傍の圧力が相対的に減少し、圧力変動に起因して振動が大きくなるおそれがある。
保護シート3の凸域4における可撓性袋体2の下流側最突出線より下方への突出平均長さd1の下限としては、可撓性袋体2の下流側最突出線の平均高さHの5%が好ましく、10%がより好ましい。一方、凸域4における突出平均長さd1の上限としては、可撓性袋体2の下流側最突出線の平均高さHの50%が好ましく、40%がより好ましい。凸域4における突出平均長さd1が上記下限未満の場合、当該ゴム堰1の振動低減効果が十分発揮されないおそれがある。逆に、凸域4における突出平均長さd1が上記上限を超える場合、凸域4に誘導される水脈と凹域5に誘導される水脈との間隔が大きくなりすぎて圧力変動に起因する振動が発生するおそれがある。
保護シート3の凹域5における可撓性袋体2の下流側最突出線からの平均高低差d2の下限としては、可撓性袋体2の下流側最突出線の平均高さHの10%が好ましく、20%がより好ましい。一方、凹域5における可撓性袋体2の下流側最突出線からの平均高低差d2の上限としては、可撓性袋体2の下流側最突出線の平均高さHの100%が好ましく、80%がより好ましい。凹域5における平均高低差d2が上記下限未満の場合、凹域5に誘導される水脈が可撓性袋体2の近傍ではなく比較的遠方に誘導されるため、当該ゴム堰1の振動低減効果が十分発揮されないおそれがある。逆に、凹域5における平均高低差d2が上記上限を超える場合、倒伏状態で保護シート3が可撓性袋体2を完全に被覆できず保護シート3を十分保護できないおそれがある。
保護シート3の長手方向幅としては、当該ゴム堰1が設置される河床幅又は水路床幅の80%以上100%以下が好ましい。保護シート3の長手方向幅が上記下限未満の場合、当該ゴム堰1の振動低減効果が十分奏されないおそれがある。また、可撓性袋体2を十分保護できないおそれがある。
保護シート3は、ゴム層単層、又はゴム層、帆布層等の複数の層の積層体で構成される。保護シート3に用いるゴム層、帆布層等は、上述した可撓性袋体2を形成するゴムシートと同じものを用いることができる。
保護シート3の平均厚さとしては、例えば、6mm以上20mm以下とすることができる。
<ゴム堰>
当該ゴム堰1は、上記可撓性袋体2を図2(a)及び(b)に示すようにアンカーボルト10で閉じ部(ゴムシートの長手端同士を重ね合わせた部分)を水路の底面(堰基礎部分)に固定し、さらにこの可撓性袋体2の上流側(図中左側)の面を被覆するように上記保護シート3の一端を水路底面に固定することで得られる。なお、図示していないが、可撓性袋体2は、短手端が水路の法面(両壁)にアンカーボルト等で固定され内部に密閉空間が形成される。また、可撓性袋体2には流体の供給口及び排出口が設けられており、例えばポンプ等によって水や空気等の流体が可撓性袋体2の内部に供給又は内部から排出される。なお、可撓性袋体2を形成するゴムシートの2つの長手端を重ね合わせずに個別に水路底面に密着固定させてもよいが、密着性及び作業性の観点から上述のように長手端を重ね合わせて固定することが好ましい。
なお、図2では、保護シート3を固定する水路底面を可撓性袋体2を固定する水路底面よりも高くしているが、この構成は必須ではなく、保護シート3及び可撓性袋体2を同じ水平高さで固定してもよい。また、コスト低減のために保護シート3と可撓性袋体2とを同じアンカーボルトで固定してもよい。ただし、保護シート3の取り換え等の観点から、保護シート3と可撓性袋体2とは別々に固定することが好ましい。また、可撓性袋体2及び保護シート3を固定する手段はアンカーボルトに限定されず、板状の固定部材を用いてもよい。
<利点>
当該ゴム堰1は、保護シート3の下流側長辺、つまり越流側の端辺が幅が大きい凸域4と幅が小さい凹域5とを長手方向に交互に有して変調しているため、保護シート3上面の越流が起こす付着と剥離との周期が変調し、共振を抑制することができ、振動の発生を抑制することができる。
さらに当該ゴム堰1は、凸域4及び凹域5の下流側長辺を水路の幅方向と略平行、つまり水流と略垂直となるように形成しているため、水脈の蛇行等を低減しつつ水脈を誘導することができ、乱流の発生を抑えて圧力の変動をさらに低減し、振動をより効果的に低減することができる。また、保護シート3の下流側長辺両側を凹域5としているため、可撓性袋体2の両端部において下方領域に一定の水脈を誘導でき、この領域において水量の減少による低圧力領域が発生することに起因する振動を防止できる。
[その他の実施形態]
本発明のゴム堰は、上述の実施形態に限定されるものではなく、以下のような実施形態とすることもできる。
上記実施形態では、保護シートの凸域及び凹域での下流側長辺を直線で構成したが、図3に示すゴム堰11のように保護シート13が有する凸域14及び凹域15での下流側長辺が曲線で構成されていてもよい。また、保護シートの下流側長辺が凸域及び凹域において頂点を有する形状であってもよい。ただし、より確実に水脈を可撓性袋体の遠方と近傍とに分離誘導するために保護シートの下流側長辺は連続的な辺になっていることが好ましい。
また、複数の凸域及び凹域は、保護シートの下流側長辺に複数の板状のフィンを接合することで形成してもよい。
なお、当該ゴム堰は、河川の堰としての使用のほか、可撓性の防潮堤として使用することができる。
本発明のゴム堰は、効果的に振動を防止できるため、河川の堰として好適に用いることができる。
1、11 ゴム堰
2 可撓性袋体
3、13 保護シート
4、14 凸域
5、15 凹域
10 アンカーボルト

Claims (8)

  1. 流路を開閉するよう水路の幅方向に沿って設置され、流体の流入及び排出により起伏可能な筒状の可撓性袋体を備えるゴム堰であって、
    上記可撓性袋体の上流側に一方の長辺側が固定され、起状態における可撓性袋体の少なくとも上流側を覆うよう設置される略帯状の保護シートを備え、
    上記保護シートの他方の長辺が変調していることを特徴とするゴム堰。
  2. 上記保護シートが、幅が大きい凸域と幅が小さい凹域とを長手方向に交互に有している請求項1に記載のゴム堰。
  3. 上記保護シートの他方の長辺が、凸域で起状態における可撓性袋体の下流側最突出線より下方に位置し、凹域で起状態における可撓性袋体の最上線及び下流側最突出線間に位置する請求項2に記載のゴム堰。
  4. 上記保護シートが、他方の長辺側かつ凸域と凹域との間に切り込みを有する請求項2又は請求項3に記載のゴム堰。
  5. 上記保護シートの凸域の長手方向平均幅が0.8m以上1.2m以下、凹域の長手方向平均幅が0.4m以上0.6m以下である請求項2、請求項3又は請求項4に記載のゴム堰。
  6. 上記凸域の長手方向平均幅の凹域の長手方向平均幅に対する比が1.5以上2.5以下である請求項2、請求項3又は請求項4に記載のゴム堰。
  7. 上記保護シートの他方の長辺の両側が凹域になっている請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のゴム堰。
  8. 上記保護シートの凸域における下流側最突出線より下方への突出平均長さが上記下流側最突出線の平均高さの5%以上50%以下である請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のゴム堰。
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