JP2014169039A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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    • B60T8/1755Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve

Abstract

【課題】 ブースタの非定常状態の判定精度を向上できるブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】 第1通信ラインL1と第2通信ラインL2を介して送られた信号の通信状態に基づいて電動ブースタ5の非定常状態を判定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ブレーキ制御装置に関する。
従来のブレーキ制御装置では、1本の通信ラインを介して電動ブースタの非定常状態をコントローラへ送信し、コントローラにてバックアップ制御を実施している。上記説明の技術に関係する一例は、特許文献1に記載されている。
特開2009-45982号公報
上述の従来技術において、ブースタの非定常状態の判定精度を高めて欲しいとのニーズがある。
本発明の目的は、ブースタの非定常状態の判定精度を向上できるブレーキ制御装置を提供することにある。
本発明のブレーキ制御装置では、第1通信ラインと第2通信ラインを介して送られた信号の通信状態に基づいてブースタの非定常状態を判定する。
よって、本発明のブレーキ制御装置では、ブースタの非定常状態の判定精度を向上できる。
ブレーキ制御装置の全体構成を示す図である。 ブースタコントローラの電気回路構成図である。 実施例1の液圧コントローラの制御ブロック図である。 一方の通信ラインに通信異常が発生した場合の動作を示す図である。 実施例1の比較例として、各通信ラインからの信号が同時途絶したとき、バックアップ制御実施履歴を記憶しない場合の動作を示す図である。 実施例1のブースタ非定常状態判定作用を示す図である。 実施例2の液圧コントローラの制御ブロック図である。 実施例2のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例3のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例4のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例5のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例6のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例7のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例8のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例9のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例10のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例11のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例12のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例13のブースタ異常状態判定作用を示す図である。 実施例14のブースタ異常状態判定作用を示す図である。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施例は、多くのニーズに適応できるように検討されており、ブースタの非定常状態の判定精度を向上できることは検討されたニーズの1つである。以下の実施例では、さらに、非定常状態で必要な制動力を確保できる他、ブースタの作動異常を検出できるとのニーズにも対応している。
〔実施例1〕
まず、構成を説明する。
[ブレーキ制御装置の構成]
図1は、実施例1のブレーキ制御装置1の全体構成を示す図である。FL輪は左前輪、FR輪は右前輪、RL輪は左後輪、RR輪は右後輪である。また、矢印付きの破線は信号線であり、矢印の向きによって信号の流れを表す。
ブレーキ制御装置1は、マスタシリンダ2と、リザーバタンクRESと、液圧制御装置3と、各輪FL,FR,RL,RRに設けられたホイルシリンダ4a〜4dと、マスタシリンダ2に接続して設けられた電動ブースタ5およびインプットロッド6と、ストロークセンサ7と、電動ブースタ5を制御するブースタコントローラ8と、液圧制御装置3を制御する液圧コントローラ9と、を有している。
インプットロッド6は、ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)BPと共にマスタシリンダ2内の液圧(以下、マスタシリンダ液圧Pmc)を加減圧する。電動ブースタ5およびブースタコントローラ8は、マスタシリンダ2のプライマリピストン2bと共にマスタシリンダ液圧Pmcを加減圧する。
以下、説明のため、マスタシリンダ2の軸方向にx軸を設定し、ブレーキペダルBPの側を負方向と定義する。マスタシリンダ2はいわゆるタンデム型であり、シリンダ2a内にプライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cを有している。シリンダ2aの内周面と、プライマリピストン2bのx軸正方向側の面およびセカンダリピストン2cのx軸負方向側の面との間で、加圧室としてのプライマリ液室2dが形成されている。シリンダ2aの内周面とセカンダリピストン2cのx軸正方向側の面との間で、加圧室としてのセカンダリ液室2eが形成されている。
プライマリ液室2dは、ブレーキ回路10と連通可能に接続され、セカンダリ液室2eは、ブレーキ回路20と連通可能に接続されている。プライマリ液室2dの容積は、プライマリピストン2bおよびセカンダリピストン2cがシリンダ2a内で摺動することで変化する。プライマリ液室2dには、プライマリピストン2bをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2fが設置されている。セカンダリ液室2eの容積は、セカンダリピストン2cがシリンダ2a内で摺動することで変化する。セカンダリ液室2eには、セカンダリピストン2cをx軸負方向側に付勢する戻しバネ2gが設置されている。
インプットロッド6のx軸正方向側の一端6aは、プライマリピストン2bの隔壁2hを貫通し、プライマリ液室2d内に設置されている。インプットロッド6の一端6aとプライマリピストン2bの隔壁2hとの間はシールされ、液密性が保たれていると共に、一端6aは隔壁2hに対してx軸方向に摺動可能に設けられている。一方、インプットロッド6のx軸負方向側の他端6bは、ブレーキペダルBPに連結されている。ブレーキペダルBPが踏まれるとインプットロッド6はx軸正方向側に移動し、ブレーキペダルBPが戻されるとインプットロッド6はx軸負方向側に移動する。
プライマリ液室2dの作動液は、インプットロッド6または(駆動モータ50により駆動される)プライマリピストン2bがx軸正方向側へ推進することによって加圧される。加圧された作動液は、ブレーキ回路10を経由して液圧制御装置3に供給される。また、加圧されたプライマリ液室2dの圧力により、セカンダリピストン2cがx軸正方向側へ推進する。セカンダリ液室2eの作動液は、セカンダリピストン2cの上記推進によって加圧され、ブレーキ回路20を経由して液圧制御装置3に供給される。
このようにインプットロッド6がブレーキペダルBPと連動して移動し、プライマリ液室2dを加圧する構成により、万一、故障により駆動モータ50が停止した場合にも、運転者のブレーキ操作によってマスタシリンダ液圧Pmcを上昇でき、所定のブレーキ力が確保される。また、マスタシリンダ液圧Pmcに応じた力がインプットロッド6を介してブレーキペダルBPに作用し、ブレーキペダル反力として運転者に伝達されるため、上記構成を採らない場合に必要な、ブレーキペダル反力を生成するバネ等の装置が不要となる。よって、ブレーキ制御装置の小型化、軽量化が図られ、車両への搭載性が向上する。
インプットロッド6の他端6b側には、ブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサ(ストローク検出部)7が設けられている。ストロークセンサ7は、インプットロッド6のx軸方向変位量を検出する変位センサである。実施例1では、2つの変位センサ7a,7bが設けられており、これらにより検出された変位量はそれぞれブースタコントローラ8に入力される。このように複数個の変位センサを組み合わせることにより、万一、故障により1つのセンサからの信号が途絶えた場合にも、残りのセンサによって運転者のブレーキ要求が検出、認知されるため、フェールセーフが確保される。
リザーバタンクRESは、隔壁によって互いに仕切られた少なくとも2つの液室を有している。各液室はそれぞれブレーキ回路10j,20jを介して、マスタシリンダ2のプライマリ液室2dおよびセカンダリ液室2eと連通可能に接続されている。
液圧制御装置3は、ABS制御や車両挙動安定化制御等を実行可能な液圧制御ユニットであり、マスタシリンダ2等で加圧された作動液を、液圧コントローラ9の制御指令に従って、各ホイルシリンダ4a〜4dへ供給する。
ホイルシリンダ4a〜4dは、シリンダ、ピストン、パッド等を有しており、液圧制御装置3から供給された作動液によって上記ピストンが推進され、このピストンに連結されたパッドがディスクロータ40a〜40dに押圧される周知のものである。なお、ディスクロータ40a〜40dはそれぞれ車輪FL,FR,RL,RRと一体回転し、ディスクロータ40a〜40dに作用するブレーキトルクは、車輪FL,FR,RL,RRと路面との間に作用するブレーキ力となる。
電動ブースタ5は、プライマリピストン2bの変位量すなわちマスタシリンダ液圧Pmcを、ブースタコントローラ8の制御指令に従って制御するものであり、駆動モータ50と、減速装置51と、回転−並進変換装置55と、を有している。
ブースタコントローラ8は演算処理回路であり、ストロークセンサ7や駆動モータ50からのセンサ信号等に基づいて、駆動モータ50の作動を制御する。
液圧コントローラ9は演算処理回路であり、先行車との車間距離や道路情報、および車両状態量(例えば、ヨーレート、前後加速度、横加速度、ハンドル舵角、車輪速、車体速等)に基づき、各輪FL,FR,RL,RRで発生させるべき目標ブレーキ力を算出する。そして、この算出結果に基づき、液圧制御装置3の各アクチュエータ(ソレノイドバルブやポンプ)の作動を制御する。
なお、ブースタコントローラ8と液圧コントローラ9とは2系統の通信ラインL1,L2で結線されて通信可能である。
[液圧制御装置]
以下、液圧制御装置3の油圧回路構成を説明する。
ブレーキ回路は独立した2つのブレーキ系統を有し、プライマリ系統およびセカンダリ系統に分かれている。プライマリ系統は、プライマリ液室2dから作動液の供給を受け、ブレーキ回路10を介してFL輪とRR輪のブレーキ力を制御する。セカンダリ系統は、セカンダリ液室2eから作動液の供給を受け、ブレーキ回路20を介してFR輪とRL輪のブレーキ力を制御する。このようにいわゆるX配管構造であるため、一方のブレーキ系統が失陥した場合でも、他方の正常なブレーキ系統によって対角2輪分のブレーキ力が確保され、車両の挙動が安定に保たれる。以下、プライマリ系統を例にとって説明する。
ブレーキ回路10のマスタシリンダ2側(以下、上流という)からホイルシリンダ4a,4b側(以下、下流という)に向かう途中には、アウト側ゲート弁11が設けられている。アウト側ゲート弁11は、マスタシリンダ2で加圧された作動液をホイルシリンダ4a,4bに供給する際に開弁される。
アウト側ゲート弁11が設けられたブレーキ回路10Kの下流はブレーキ回路10a,10bに分岐し、ブレーキ回路10a,10bは、それぞれブレーキ回路10l,10mを介してホイルシリンダ4a,4bに接続している。ブレーキ回路10a,10b上には、それぞれ増圧弁12,13が設けられている。増圧弁12,13は、マスタシリンダ2または後述のポンプPで加圧された作動液をホイルシリンダ4a,4bに供給する際に開弁される。
ブレーキ回路10a,10bには、増圧弁12,13の下流側で、リターン回路10c,10dがそれぞれ接続している。リターン回路10c,10d上にはそれぞれ減圧弁14,15が設けられている。減圧弁14,15は、ホイルシリンダ4a,4b内の圧力(以下、ホイルシリンダ液圧Pwc)を減圧する際に開弁される。リターン回路10c,10dは合流してリターン回路10eを形成し、リターン回路10eはリザーバ16に接続している。
一方、ブレーキ回路10はアウト側ゲート弁11の上流で分岐し、吸入回路10gを形成している。吸入回路10g上には、吸入回路10gの連通、遮断を切り替えるイン側ゲート弁17が設けられている。イン側ゲート弁17は、例えば、マスタシリンダ2で加圧された作動液を後述のポンプPで昇圧してホイルシリンダ4a,4bに供給する際に開弁される。吸入回路10gは、リザーバ16からのリターン回路10fと合流して吸入回路10hを形成している。
ブレーキ回路10には、マスタシリンダ2以外の液圧源として、作動液の吸入、吐出を行うポンプPが接続されている。ポンプPはギヤ式のポンプであって、第1ポンプP1および第2ポンプP2を備えている。ポンプPは、例えば、車両挙動安定化制御等の自動ブレーキ制御を行う際、マスタシリンダ2の作動圧を超える圧力が必要な場合に、マスタシリンダ液圧Pmcを昇圧してホイルシリンダ4a,4bに供給する。第1ポンプP1は、吸入回路10hおよび吐出回路10iと接続し、吐出回路10iを介してブレーキ回路10Kと接続している。
モータMは、DC(直流)ブラシレスモータであり、その出力軸にはポンプP1,P2が連結されている。モータMは、液圧コントローラ9の制御指令に基づき供給される電力によって作動し、ポンプP1,P2を駆動する。
アウト側ゲート弁11、イン側ゲート弁17、増圧弁12,13、および減圧弁14,15は、ソレノイドへの通電により弁の開閉が行われる電磁式のものであり、液圧コントローラ9が出力する駆動信号に応じた大きさの駆動電流が通電されることで、弁の開閉量が各弁個々に制御される。
なお、アウト側ゲート弁11および増圧弁12,13は常開弁であり、イン側ゲート弁17および減圧弁14,15は常閉弁である。これにより万一、故障によりいずれかの弁への電力供給が停止した場合であっても、マスタシリンダ2で加圧された作動液が全てホイルシリンダ4a,4bに到達する回路構成となるため、運転者の要求通りのブレーキ力を発生させることができる。ただし、アウト側ゲート弁11および増圧弁12,13を常閉弁とし、イン側ゲート弁17および減圧弁14,15を常開弁とすることとしてもよく、特に限定しない。
ブレーキ回路20側の油圧回路も、上記ブレーキ回路10側と同様に構成されている。
ブレーキ回路10(マスタシリンダ2と液圧制御装置3との間)、およびブレーキ回路20(液圧制御装置3内)には、それぞれ、マスタシリンダ液圧Pmc(プライマリ液室2dおよびセカンダリ液室2eの圧力)を検出する圧力センサであるマスタシリンダ液圧センサ(マスタシリンダ液圧検出部)3a,3bが設けられている。マスタシリンダ液圧センサ3a,3bが検出したマスタシリンダ液圧Pmcの情報は、ブースタコントローラ8および液圧コントローラ9に入力される。なお、マスタシリンダ液圧センサ3a,3bの個数および設置位置に関しては、制御性やフェールセーフ等を考慮して任意に決定できる。
以下、ブレーキ制御時の液圧制御装置3の動作を説明する。
通常制御時には、マスタシリンダ2の作動液がブレーキ回路10,20を介して各ホイルシリンダ4a〜4dに供給され、ブレーキ力が発生する。
ABS制御時には、車輪FLを例にとると、ホイルシリンダ4aに接続されている減圧弁14を開弁させると共に増圧弁12を閉弁させ、ホイルシリンダ4aの作動液をリザーバ16に戻すことで減圧を行う。また、車輪FLがロック傾向から回復したら、増圧弁12を開弁させると共に減圧弁14を閉弁させることで増圧を行う。このときポンプPは、リザーバ16に逃がした作動液をブレーキ回路10Kに戻す。
車両挙動安定化制御等の自動ブレーキ制御時には、アウト側ゲート弁11,21を閉弁させる一方で、イン側ゲート弁17,27を開弁させる。同時にポンプPを作動させ、吸入回路10g,10h,20g,20h、吐出回路10i,20iを介してマスタシリンダ2からブレーキ回路10K,20Kに向けて作動液を吐出させる。さらに、ホイルシリンダ液圧Pwcが必要なブレーキ力に応じた目標圧となるようにアウト側ゲート弁11,21または増圧弁12,13,22,23を制御する。
(液圧制御装置における倍力制御構成)
運転者がブレーキペダルを踏み込むと、マスタシリンダ液圧が発生する。通常、倍力システムでは、ブレーキペダルの軸力(インプットロッド6の推力に相当)を増幅する機構(電動ブースタ5やブースタコントローラ8に相当)を備えることで高いマスタシリンダ液圧を発生させる。しかし、上記機構が故障した場合は、マスタシリンダ液圧自体を高くすることができなくなる。
ここで、運転者のブレーキペダル踏力が発生させるマスタシリンダ液圧に比べてホイルシリンダ液圧が高くなれば、倍力していることと等価である。よって、マスタシリンダ液圧に対して所定の倍力比に応じた差圧分だけ高い目標ホイルシリンダ液圧を設定し、ホイルシリンダ液圧がこの目標ホイルシリンダ液圧に維持される状況を達成すれば、倍力システムを実現できる。よって、実施例1のブレーキ制御装置1では、液圧制御装置3において、上記差圧を維持する機能をアウト側ゲート弁11,21の制御により達成する(下記のバックアップ制御)。
以下、液圧制御装置3を用いた倍力制御構成について説明する。液圧制御装置3では、ポンプP、イン側ゲート弁17,27、およびアウト側ゲート弁11,21の制御によって倍力システムを実現する。概要としては、イン側ゲート弁17,27を開弁してモータMの駆動制御によりポンプPが所定液圧を吐出可能な状態としておき、アウト側ゲート弁11,21を差圧制御することで倍力システムを実現する。以下、ブレーキ回路10側を例にとって、各構成の詳細について説明する。
(アウト側ゲート弁の制御について)
アウト側ゲート弁11は、電磁吸引力を発生するコイルと、この電磁吸引力に応じて作動し開弁量を調節する可動子と、ブレーキ回路10Kおよびブレーキ回路10が接続されたバルブボディから構成されている。
可動子には、ホイルシリンダ4a,4b側の圧力に応じた開弁方向の力Fwcと、マスタシリンダ液圧Pmcに応じた閉弁方向の力Fmcと、電磁吸引力に応じた閉弁方向の力Fbが作用する。なお、アウト側ゲート弁11は常開弁であるため実際にはスプリングにより開弁方向の力が作用しているが、ここでは無視して考える(考慮する場合はオフセット値等を与えればよい)。
可動子は、これらの力の釣り合いが取れた位置で停止する。言い換えると、可動子は、Fmc+Fb-Fwc=0(Fb=Fwc−Fmc)のとき停止し、Fmc+Fb-Fwc>0(Fb>Fwc-Fmc)のとき閉弁方向に移動し、Fmc+Fb-Fwc<0(Fb<Fwc-Fmc)のとき開弁方向に移動する。Fmcはマスタシリンダ液圧Pmcと相関する値であり、Fwcはホイルシリンダ液圧Pwcと相関する値であることから、倍力制御によって達成すべきマスタシリンダ液圧Pmcとホイルシリンダ液圧Pwcとの差圧である目標差圧ΔPは、(Fwc-Fmc)と相関がある。一方、上記のようにFbと(Fwc-Fmc)との大小関係によって可動子の位置が決まる。よって、目標差圧ΔPに相当する(Fwc-Fmc)と同じ大きさの電磁吸引力Fbを設定すれば、目標差圧ΔPを確保できる可動子の位置が自動的に決定される。
目標差圧ΔPは、マスタシリンダ液圧センサ3a,3bにより検出されたマスタシリンダ液圧Pmcと目標倍力比とに基づき設定される。なお、ストロークセンサ7により検出されたブレーキ操作量をブースタコントローラ8から受信し、これを用いて目標差圧ΔPを設定してもよい。
液圧制御装置3を用いて倍力制御を実現することを考えると、アウト側ゲート弁11よりもホイルシリンダ4a,4b側でポンプP1等を用いて高い圧力を発生させ、マスタシリンダ液圧Pmcよりホイルシリンダ液圧Pwcが高い状態を設定することとなる。このとき、電磁吸引力Fbを、目標差圧ΔPに相当する値に設定しておけば、ホイルシリンダ4a,4b側で行われる増圧作用に応じて自動的に可動子の位置が変更され、目標とするホイルシリンダ液圧Pwcを得ることができる。例えば、ホイルシリンダ液圧Pwcが目標値より高いときは可動子が開弁側に移動して、目標差圧ΔPが実現されるまで自動的にホイルシリンダ4a,4bのブレーキ液をマスタシリンダ2側に排出し、ホイルシリンダ液圧Pwcを減圧する。すなわち、ホイルシリンダ液圧Pwcの検出センサ等を用いたフィードバック制御を行わなくとも、自動的にホイルシリンダ液圧Pwcが所望の値に制御される。
これにより、複雑なフィードバック制御が不要となると共に、モータMの制御誤差をアウト側ゲート弁11で吸収することが可能となる。言い換えると、運転者のブレーキペダル踏力に相当するマスタシリンダ液圧Pmcに基づき、フィードフォワード的に目標差圧ΔPに相当する電磁吸引力Fbが与えられれば、アウト側ゲート弁11は目標差圧ΔPを達成し、機械的フィードバック機構と同様の機能を発揮する。このため、電子的フィードバック制御機構で必要となる制御対象の状態を検出するセンサ等が不要であり、制御安定性が非常に高い。
(モータ駆動制御について)
アウト側ゲート弁11を上記のように制御している間は、基本的にイン側ゲート弁17を開弁してポンプP1を駆動させる。ポンプP1はモータMにより駆動されることから、例えば、マスタシリンダ液圧Pmcに応じて設定される倍力されたホイルシリンダ液圧Pwcを供給可能な吐出圧を実現する最低回転数等を設定し、その最低回転数になるようにモータMを駆動する。すると、ポンプP1から必要な液圧が確保されるため、ホイルシリンダ液圧Pwcを所望の液圧に制御することができる。
なお、上記のように、ポンプP1は、ブレーキ回路10g,10hを介してマスタシリンダ2のブレーキ液を吸入し、ホイルシリンダ4a,4d側に吐出する。よって、ストロークシミュレータ等を備えることなく、運転者のブレーキペダルストロークを確保することができる。また、マスタシリンダ液圧Pmcのみ検出すればよいため、ストロークセンサ(ストロークセンサ7)等が故障した場合であっても、倍力システムを実現することができる(後述するバックアップ制御を実行可能である)。
[電動ブースタ]
以下、電動ブースタ5の構成と動作について説明する。
駆動モータ50は三相DCブラシレスモータであり、ブースタコントローラ8の制御指令に基づき供給される電力によって動作し、所望の回転トルクを発生する。
減速装置51は、駆動モータ50の出力回転をプーリ減速方式により減速する。減速装置51は、駆動モータ50の出力軸に設けられた小径の駆動側プーリ52と、回転−並進変換装置55のボールネジナット56に設けられた大径の従動側プーリ53と、駆動側および従動側プーリ52,53に巻き掛けられたベルト54と、を有している。減速装置51は、駆動モータ50の回転トルクを、減速比(駆動側および従動側プーリ52,53の半径比)分だけ増幅させて、回転−並進変換装置55に伝達する。
なお、駆動モータ50の回転トルクが十分に大きく、減速によるトルク増幅が必要でない場合には、減速装置51を省略して、駆動モータ50と回転−並進変換装置55とを直結することとしてもよい。この場合、減速装置51の介在に起因して発生する、信頼性や静粛性、および搭載性等に関する諸問題を回避できる。
回転−並進変換装置55は、駆動モータ50の回転動力を並進動力に変換し、この並進動力によりプライマリピストン2bを押圧する。実施例1では、動力変換機構としてボールネジ方式を採用しており、回転−並進変換装置55は、ボールネジナット56と、ボールネジ軸57と、可動部材58と、戻しバネ59と、を有している。
マスタシリンダ2のx軸負方向側には第1ハウジング部材HSG1が接続され、第1ハウジング部材HSG1のx軸負方向側には第2ハウジング部材HSG2が接続されている。ボールネジナット56は、第2ハウジング部材HSG2内に設けられたベアリングBRGの内周に、軸回転可能に設置されている。ボールネジナット56のx軸負方向側の外周には、従動側プーリ53が嵌合されている。ボールネジナット56の内周には、中空のボールネジ軸57が螺合している。ボールネジナット56とボールネジ軸57との間の隙間には、複数のボールが回転移動可能に設置されている。
ボールネジ軸57のx軸正方向側の端には、可動部材58が一体に設けられている。可動部材58のx軸正方向側の面には、プライマリピストン2bが接合している。プライマリピストン2bは、第1ハウジング部材HSG1内に収容されている。プライマリピストン2bのx軸正方向側の端は第1ハウジング部材HSG1から突出してマスタシリンダ2のシリンダ2aの内周に嵌合している。
第1ハウジング部材HSG1内では、プライマリピストン2bの外周に、戻しバネ59が設置されている。戻しバネ59のx軸正方向側の端は第1ハウジング部材HSG1内部のx軸正方向側の面Aに固定される一方、x軸負方向側の端は可動部材58に係合している。戻しバネ59は、面Aと可動部材28との間でx軸方向に押し縮められて設置され、可動部材58およびボールネジ軸57をx軸負方向側に付勢している。
従動側プーリ53が回転するとボールネジナット56が一体に回転し、このボールネジナット56の回転運動により、ボールネジ軸57がx軸方向に並進運動する。x軸正方向側へのボールネジ軸57の並進運動の推力により、可動部材58を介して、プライマリピストン2bがx軸正方向側に押圧される。なお、図1では、ブレーキ非操作時にボールネジ軸57がx軸負方向側に最大変位した初期位置にある状態を示す。
一方、ボールネジ軸57には、上記x軸正方向側への推力と反対方向(x軸負方向側)に、戻しバネ59の弾性力が作用する。これによりブレーキ中、すなわちプライマリピストン2bがx軸正方向側に押圧されマスタシリンダ液圧Pmcが加圧されている状態で、万一、故障により駆動モータ50が停止し、ボールネジ軸57の戻し制御が不能となった場合でも、戻しバネ59の反力によりボールネジ軸27が初期位置に戻される。これによりマスタシリンダ液圧Pmcがゼロ付近まで低下するため、ブレーキ力の引きずりの発生が防止され、この引きずりに起因して車両挙動が不安定になる事態が回避される。
また、インプットロッド6とプライマリピストン2bとの間に画成された環状空間Bには、一対のバネ6d,6eが配設されている。一対のバネ6d,6eは、その各一端がインプットロッド6に設けられたフランジ部6cに係止され、バネ6dの他端がプライマリピストン2bの隔壁2hに係止され、バネ6eの他端が可動部材58に係止されている。一対のバネ6d,6eは、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢し、ブレーキ非作動時にインプットロッド6とプライマリピストン2bとを相対移動の中立位置に保持する機能を有している。また、インプットロッド6とプライマリピストン2bとが中立位置からいずれかの方向に相対変位したとき、一対のバネ6d,6eにより、プライマリピストン2bに対してインプットロッド6を中立位置に戻す付勢力が作用する。
なお、駆動モータ50には回転角検出センサ50aが設けられており、これにより検出されるモータ出力軸の位置信号がブースタコントローラ8に入力される。ブースタコントローラ8は、入力された位置信号に基づき駆動モータ50の回転角を算出し、この回転角に基づき回転−並進変換装置55の推進量、すなわちプライマリピストン2bのx軸方向変位量を算出する。
また、駆動モータ50には温度センサ50bが設けられており、検出された駆動モータ50の温度情報はブースタコントローラ8に入力される。
(倍力制御処理)
次に、電動ブースタ5とブースタコントローラ8による、インプットロッド6の推力の増幅作用について説明する。
電動ブースタ5およびブースタコントローラ8は、運転者のブレーキ操作によるインプットロッド6の変位量に応じて、プライマリピストン2bを変位させる。これによりプライマリ液室2dが、インプットロッド6の推力に加えてプライマリピストン2bの推力によって加圧され、マスタシリンダ液圧Pmcが調整される。すなわちインプットロッド6の推力が増幅される。増幅比(以下、倍力比α)は、プライマリ液室2dにおけるインプットロッド6とプライマリピストン2bの軸直方向断面積(以下、それぞれ受圧面積AIRおよびAPP)の比等により、以下のように決定される。
マスタシリンダ液圧Pmcの液圧調整は、式(1)で示される圧力平衡関係をもって行われる。
Pmc = (FIR+K×△x)/AIR = (FPP-K×△x)/APP …(1)
ここで、Pmcはプライマリ液室2dの液圧(マスタシリンダ液圧)、FIRはインプットロッド6の推力、FPPはプライマリピストン2bの推力、AIRはインプットロッド6の受圧面積、APPはプライマリピストン2bの受圧面積、Kはバネ6d,6eのバネ定数、Δxはインプットロッド6とプライマリピストン2bとの相対変位量である。
ここで相対変位量Δxは、インプットロッド6の変位をxIR、プライマリピストン2bの変位をxPPとして、Δx=xPP-xIRと定義する。よって、Δxは、相対移動の中立位置では0、インプットロッド6に対してプライマリピストン2bが前進(x軸正方向側へ変位)する方向では正符号、その逆方向では負符号となる。なお、圧力平衡式(1)ではシールの摺動抵抗を無視している。プライマリピストン2bの推力FPPは、駆動モータ50の電流値から推定できる。
一方、倍力比αは、下記(2)式のように表わされる。
α = PM/C×(APP+AIR)/FIR …(2)
よって、この(2)式に上記(1)式のPM/Cを代入すると、倍力比αは下記(3)式のようになる。
α = (1+K×Δx/FIR)×(AIR+APP)/AIR …(3)
倍力制御では、目標のマスタシリンダ液圧特性が得られるように、駆動モータ50(プライマリピストン2bの変位xPP)を制御する。ここでマスタシリンダ液圧特性とは、インプットロッド6の変位xIRに対するマスタシリンダ液圧Pmcの変化の特性を指す。インプットロッド6の変位xIRに対するプライマリピストン2bの変位xPPを示すストローク特性と、上記目標マスタシリンダ液圧特性とに対応して、インプットロッド6の変位xIRに対する相対変位量Δxの変化を示す目標変位量算出特性が得られる。検証により得られた目標変位量算出特性データに基づき、相対変位量Δxの目標値(以下、目標変位量Δx*)が算出される。
すなわち、目標変位量算出特性は、インプットロッド6の変位xIRに対する目標変位量Δx*の変化の特性を示し、インプットロッド6の1つの変位量xIRに対応して1つの目標変位量Δx*が定まる。検出されたインプットロッド6の変位量xIRに対応して決定される目標変位量Δx*を実現するように駆動モータ50の回転(プライマリピストン2bの変位量xPP)を制御すると、目標変位量Δx*に対応する大きさのマスタシリンダ液圧Pmcがマスタシリンダ2で発生する。
ここで、上記のようにインプットロッド6の変位量xIRはストロークセンサ7により検出され、プライマリピストン2bの変位量xPPは回転角検出センサ50aの信号に基づき算出され、相対変位量Δxは上記検出(算出)された変位量の差により求められる。倍力制御では、具体的には、上記検出した変位量xIRと目標変位量算出特性とに基づいて目標変位量Δx*を設定し、上記検出(算出)された相対変位量Δxが目標変位量Δx*と一致するように駆動モータ50を制御(フィードバック制御)する。なお、プライマリピストン2bの変位量xPPを検出するストロークセンサを別途設けることとしてもよい。
このように踏力センサを用いることなく倍力制御を行った場合、その分、コストを低減できる。また、相対変位量Δxが任意の所定値となるように駆動モータ50を制御することにより、受圧面積比(AIR+APP)/AIRで定まる倍力比よりも大きな倍力比や小さな倍力比を得ることができ、所望の倍力比に基づく制動力を得ることができる。
一定倍力制御は、インプットロッド6およびプライマリピストン2bを一体的に変位させる、すなわちインプットロッド6に対してプライマリピストン2bが常に上記中立位置となり相対変位量Δx=0で変位するように、駆動モータ50を制御するものである。このようにΔx=0となるようにプライマリピストン2bを変位させた場合、上記(3)式により、倍力比αは、α=(AIR+APP)/AIRとして一意に定まる。よって、必要な倍力比に基づいてAIRおよびAPPを設定し、変位量xPPがインプットロッド6の変位量xIRに等しくなるようにプライマリピストン2bを制御することで、常に一定の(上記必要な)倍力比を得ることができる。
一定倍力制御における目標マスタシリンダ液圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ液圧Pmcが2次曲線、3次曲線、あるいはこれらにそれ以上の高次曲線等が複合した多次曲線(以下、これらを総称して多次曲線という。)状に大きくなる。また、一定倍力制御は、インプットロッド6の変位xIRと同じ量だけプライマリピストン2bが変位する(xPP=xIR)ストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ液圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、インプットロッド6のあらゆる変位xIRに対して目標変位量Δx*が0となる。
これに対して、倍力可変制御は、目標変位量Δx*を正の所定値に設定し、相対変位量Δxがこの所定値となるように駆動モータ50を制御する。これにより、マスタシリンダ液圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が前進移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが大きくなるようにするものである。上記(3)式により、倍力比αは、(1+K×Δx/FIR)倍の大きさとなる。すなわち、インプットロッド6の変位量xIRに比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)を乗じた量だけプライマリピストン2bを変位させることと同義となる。このようにΔxに応じて倍力比αが可変となり、電動ブースタ5が倍力源として働いて、運転者の要求通りのブレーキ力を発生させつつペダル踏力の大きな低減を図ることができる。
すなわち、制御性の観点からは上記比例ゲイン(1+K×Δx/FIR)は1であることが望ましいが、例えば緊急ブレーキ等により運転者のブレーキ操作量を上回るブレーキ力が必要な場合には、一時的に、1を上回る値に上記比例ゲインを変更することができる。これにより、同量のブレーキ操作量でも、マスタシリンダ液圧Pmcを通常時(上記比例ゲインが1の場合)に比べて引き上げることができるため、より大きなブレーキ力を発生させることができる。ここで、緊急ブレーキの判定は、例えば、ストロークセンサ7の信号の時間変化率が所定値を上回るか否かで判定できる。
このように倍力可変制御は、インプットロッド6の前進に対してプライマリピストン2bの前進をより進め、インプットロッド6に対するプライマリピストン2bの相対変位量Δxがインプットロッド6の前進に伴い大きくなり、これに対応してインプットロッド6の前進に伴うマスタシリンダ液圧Pmcの増加が一定倍力制御よりも大きくなるように駆動モータ50を制御する方法である。
倍力可変制御における目標マスタシリンダ液圧特性は、インプットロッド6の前進(x軸正方向側への変位)に伴い発生するマスタシリンダ液圧Pmcの増加が一定倍力制御よりも大きくなる(多次曲線状に増加するマスタシリンダ液圧特性がより急峻になる)。また、倍力可変制御は、インプットロッド6の変位xIRの増加に対するプライマリピストン2bの変位xPPの増加分が1よりも大きいストローク特性を有している。このストローク特性と上記目標マスタシリンダ液圧特性とに基づき得られる目標変位量算出特性では、インプットロッド6の変位xIRが増加するに応じて目標変位量Δx*が所定の割合で増加する。
また、倍力可変制御として、上記制御〔マスタシリンダ液圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが大きくなるように駆動モータ50を制御すること〕に加え、マスタシリンダ液圧Pmcを増加する方向へインプットロッド6が移動するに従い、インプットロッド6の変位量xIRに比べてプライマリピストン2bの変位量xPPが小さくなるように駆動モータ50を制御することを含めてもよい。このように1を下回る値に上記比例ゲインを変更することで、ハイブリッド車両の回生ブレーキ力分だけ液圧ブレーキを減圧する回生協調ブレーキ制御に適用することも可能である。
また、相対変位量Δxに基づく上記倍力可変制御に換えて、マスタシリンダ液圧センサ3a,3bで検出したマスタシリンダ液圧Pmcが目標マスタシリンダ液圧と一致するように、電動ブースタ5(駆動モータ50)をフィードバック制御することで倍力可変制御を行うこととしてもよい。これらの倍力可変制御方法の切り替えは、状況に応じて行うことができる。
なお、相対変位量Δxに基づく上記倍力可変制御では、検出されたマスタシリンダ液圧Pmcに直接基づいて制御を行わないため、正常に所期のマスタシリンダ液圧Pmcが発生しているか否かをチェックするために、別途、検出したマスタシリンダ液圧Pmcを目標マスタシリンダ液圧特性におけるxIRに応じたマスタシリンダ液圧(目標マスタシリンダ液圧)と照合することで、フェール(失陥)対策を行う。
[ブースタコントローラの電気回路構成]
図2は、ブースタコントローラ8の電気回路構成図である。図2で太線枠8内は、ブースタコントローラ8の電気回路を示し、点線枠5内は、電動ブースタ5側の電気回路を示す。太線枠9は液圧コントローラ9(の電気回路)であり、例えばVDC等のECUを示す。
なお、VDCとはビークル・ダイナミクス・コントロールの略であり、車両姿勢等をセンサによって感知し、オーバーステアと判断するとコーナー外側の前輪にブレーキをかけ、逆にアンダーステアと判断した場合は、エンジンパワーを落とすと共に後輪のコーナー内側のタイヤにブレーキをかける等のコントロールを、運転状況に応じて自動的に制御するものである。
ブースタコントローラ8の電気回路は、中央演算処理装置(以下、CPU80と、リレー回路81a,81bと、5V電源回路82a,82bと、監視用制御回路83と、三相モータ駆動回路84aと、相電流モニタ回路84bと、相電圧モニタ回路84cと、記憶回路85と、インターフェイス回路(以下、I/F回路)86a〜86fと、を有している。
ブースタコントローラ8には、車両内の電源ラインからECU電源リレー回路81aを介して12V電源が供給される。供給された12V電源は5V電源回路82a,82bに入力される。5V電源回路82a,82bは、それぞれ安定した5V電源(以下、Vcc1およびVcc2)を発生する。Vcc1は、CPU80や、温度センサI/F回路86b、変位センサI/F回路86c,86d、マスタシリンダ液圧センサI/F回路86e等に供給される。一方、Vcc2は監視用制御回路83に供給される。
なお、ECU電源リレー回路81aは、ブースタコントローラ8の外部から入力される所定のW/U(起動)信号によりオン作動する。起動信号は、ドアスイッチ信号、ブレーキスイッチ信号、IGN(イグニッション)スイッチ信号等を使用することができる。これらの複数を使用する場合は、これらの信号を全てブースタコントローラ8に取り込んだ上で、これらのいずれか1つのスイッチ信号がオンとなったときにECU電源リレー回路81aをオン側に作動させる回路構成とする。
また、車両内の電源ラインからの12V電源は、フィルタ回路87によりノイズが除去された上で、フェールセーフリレー回路81bを介して三相モータ駆動回路84aに供給される。フェールセーフリレー回路81bは、上記電源ラインと三相モータ駆動回路84aとの接続を遮断可能に設けられており、CPU80および監視用制御回路83によりそのオンオフが制御される。これにより、三相モータ駆動回路84aへの電源の供給と遮断が制御される。なお、オンオフ信号出力部88bは、CPU80または監視用制御回路83からオフ指令が入力されたときにフェールセーフリレー回路81bをオフ側に作動させる回路構成とする。
CPU80と液圧コントローラ9は、第1通信ラインL1と第2通信ラインL2との2系統の通信ラインにより冗長的に接続されている。第1通信ラインL1は信号I/F回路86fを介して液圧コントローラ9と接続され、第2通信ラインL2は信号I/F回路86gを介して液圧コントローラ9と接続されている。また、CPU80には、電動ブースタ5側に配置された各種センサ、すなわち回転角検出センサ50a、温度センサ50b、変位センサ7a,7b、およびマスタシリンダ液圧センサ3a,3bからの信号が、それぞれ回転角検出センサI/F回路86a、温度センサI/F回路86b、変位センサI/F回路86c,86d、およびマスタシリンダ液圧センサI/F回路86eを介して入力される。
なお、上記マスタシリンダ液圧センサ3a,3bから入力された信号は、相対変位量Δxに基づく上記倍力可変制御の際、検出したマスタシリンダ液圧Pmcを目標マスタシリンダ液圧と照合させるために用いられる。
CPU80は、上記のような外部制御装置からの信号および各センサの検出値に基づき、駆動モータ50に接続された三相モータ駆動回路84aに適切な信号を出力し、駆動モータ50を制御する。三相モータ駆動回路84aの三相出力の各相には、相電流モニタ回路84bおよび相電圧モニタ回路84cが備えられ、各相の電流および電圧がモニタされる。各モニタ値はCPU80に出力され、CPU80はそれらの情報に基づき三相モータ駆動回路84aを適切に動作させる。
このようにCPU80は、現時点での電動ブースタ5の状況等に関する情報に基づき、電動ブースタ5(駆動モータ50)を制御する。また、CPU80は、各モニタ値が正常範囲外となった場合や、制御指令どおりに駆動モータ50を制御できていない場合等に、電動ブースタ5の故障を検出、判断するよう構成されている。
監視用制御回路83は、CPU80との間で信号の送受を行い、CPU80の故障、およびCPU80の電源となる5V電源回路82aやVcc1の異常を監視する。これらの故障や異常を検出した場合は、速やかにフェールセーフリレー回路81bに対して信号を出力してオフ動作させ、三相モータ駆動回路84aへの電源供給を遮断する。
なお、監視用制御回路83の故障、および監視用制御回路83の電源となる5V電源回路82bやVcc2の異常の監視は、CPU80が行う。
記憶回路85は、CPU80との間で信号の送受を行うEEPROM(不揮発性メモリ)であり、例えば故障情報等を格納する。CPU80は、検出した故障情報と、電動ブースタ5の制御で用いる学習値(例えば制御ゲインや各種センサのオフセット値等)等を、記憶回路85に記憶させる。
CPU80で電動ブースタ5の故障を検出した場合、または監視用制御回路83でCPU80の故障を検出した場合には、信号I/F回路86f,86gから各通信ラインL1,L2を介して液圧コントローラ9に異常信号を出力する。CPU80は、電動ブースタ5の状態を検出し対応した信号を送信するブースタ状態検出部である。
信号I/F回路86fが液圧コントローラ9へ出力する信号の具体例として、例えば、正常時はHIレベルの信号を出力する一方、故障検出時はLOレベルの信号を出力する方法がある。また、正常時は一定周期でHIレベルとLOレベルを繰り返すクロック信号を出力する一方、故障検出時はHIまたはLOレベルに固定する方法、または故障検出前(正常時)と異な周期でのクロック信号を出力する方法等がある。
[バックアップ制御]
図3は、バックアップ制御を実施するための実施例1の液圧コントローラ9の制御ブロック図である。液圧コントローラ9は、通信異常記憶部9a、ブースタ非定常状態判定部9bおよびバックアップ制御部9cを備える。
通信異常記憶部9aは、各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを通信異常履歴として記憶する。また、バックアップ制御を実施したことをバックアップ制御実施履歴として記憶する。これらの履歴は更新されるまでの間、イグニッションのオンオフにかかわらず保持される。
ブースタ非定常状態判定部9bは、電動ブースタ5が定常状態か非定常状態かを判定する。非定常状態とは以下に示す条件の少なくとも1つが成立した場合とする。
1.ブースタコントローラ8から異常信号を入力した場合
2.各通信ラインL1,L2からの信号が同時に途絶えた場合
3.イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶されている場合
すなわち、非定常状態とは、電動ブースタ5やブースタコントローラ8の異常状態に加え、コネクタ外れ等による各通信ラインL1,L2の断線、短絡等の通信異常状態を含む。
ブースタ非定常状態判定部9bは、非定常状態と判定した場合、ワーニングランプ91を点灯させて運転者に警告を行う。
バックアップ制御部9cは、ブースタ非定常状態判定部9bにより非定常状態と判定された場合、液圧制御装置3により運転者のブレーキ操作量に応じたホイルシリンダ4a〜4dの液圧を制御して倍力システムを実現するバックアップ制御を実施する。バックアップ制御では、まず、マスタシリンダ液圧センサ3a,3bの信号入力(マスタシリンダ液圧Pmc)に基づきブレーキ操作量を検出し、次に、検出したブレーキ操作量を用いて運転者のブレーキ操作の有無を判断する。そして、ブレーキ操作量が上記所定値(例えば0)より大きい場合には運転者がブレーキ操作を行っていると判断し、ブレーキ操作量に基づき目標ホイルシリンダ液圧Pwc*を算出し、目標ホイルシリンダ液圧Pwc*に基づきイン側ゲート弁17,27とアウト側ゲート弁11,21、およびモータM(ポンプP)を駆動制御することでホイルシリンダ液圧Pwcを増圧させる倍力制御を行う。このバックアップ制御により、ブレーキ操作がないときはブレーキ力を発生せず、ブレーキ操作があった場合には、直ちに、ホイルシリンダ液圧Pwcを制御してブレーキ操作量に応じたブレーキ力を発生させることができる。
次に、作用を説明する。
[ブースタ非定常状態判定作用]
図4は、一方の通信ラインに通信異常が発生した場合の動作を示す図である。実施例1では、液圧コントローラ9とブースタコントローラ8とを2系統の通信ラインL1,L2で冗長的に接続しているため、第1通信ラインL1に通信異常が発生した場合であっても、第2通信ラインL2を介してブースタコントローラ8から信号を得ることができる。よって、1系統の通信ラインしか持たないものと比較して、電動ブースタ5の非定常状態の判定精度を向上できる。図4の例では、第2通信ラインL2から得られる信号が正常信号であるため、液圧制御装置3により倍力を行うバックアップ制御には移行せず、電動ブースタ5により倍力を行う通常制御を継続する。
図5は、実施例1の比較例として、各通信ラインからの信号が同時途絶したとき、バックアップ制御実施履歴を記憶しない場合の動作を示す図である。各通信ラインL1,L2が同時途絶した場合、通常制御からバックアップ制御へと移行する。その後、イグニッションがオフされ、次にイグニッションがオンされたとき、各通信ラインL1,L2は途絶した状態であるため、液圧コントローラ9からは電動ブースタ5が正常復帰したか否かを判断できず、バックアップ制御を実施できない。バックアップ制御を実施すると、仮に電動ブースタ5が正常復帰している場合には、電動ブースタ5と液圧制御装置3の双方でマスタシリンダ液圧を昇圧することになり、破損等の不具合が懸念されるからである。よって、比較例では、運転者は踏力ブレーキとなり、必要な制動力が得られないという問題があった。
これに対し、実施例1では、バックアップ制御を実施した際にはバックアップ制御実施履歴を記憶し、イグニッションオン時にバックアップ制御履歴が記憶されている場合には非定常状態と判定してバックアップ制御を実施する。図6は、実施例1のブースタ非定常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じ、バックアップ制御を実施した場合、通信異常記憶部9aには通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶される。ブースタ非定常状態判定部9bは、次のイグニッションオン時、通信異常記憶部9aに各通信ラインL1,L2の通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている場合、非定常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の状態を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、非定常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例1のブレーキ制御装置は、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 運転者によるブレーキペダルBPの操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダ4a〜4dの液圧を創生するための電動ブースタ5と、電動ブースタ5の状態を検出し対応した信号を送信するCPU80と、ホイルシリンダ4a〜4dの液圧を発生するための液圧制御装置3と、液圧制御装置3を制御するための液圧コントローラ9と、信号を液圧コントローラ9へ送信するための第1通信ラインL1と、第1通信ラインL1と並列に設けられ、信号を液圧コントローラ9へ送信するための第2通信ラインL2と、液圧コントローラ9に設けられ、第1通信ラインL1と第2通信ラインL2を介して送られた信号の通信状態に基づいて電動ブースタ5の非定常状態を判定するブースタ非定常状態判定部9bと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の非定常状態の判定精度を向上できる。
(2) ブースタ非定常状態判定部9bは、各通信ラインL1,L2からの信号が同時に途絶えた場合に電動ブースタ5の非定常状態と判定する。
これにより、確実に非定常状態の判定を行うことができる。
(3) 液圧コントローラ9は、ブースタ非定常状態判定部9bにより非定常状態と判定されると液圧制御装置3により運転者のブレーキ操作量に応じたホイルシリンダ4a〜4dの液圧を制御するバックアップ制御部9cを備えた。
これにより、非定常状態で必要な制動力を確保できる。
(4) 各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aを備え、ブースタ非定常状態判定部9bは、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶されているときには、電動ブースタ5は非定常状態であると判定する。
これにより、前回の状態を保持することで誤動作を防止できる。
(5) 運転者によるブレーキペダルBPの操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダ4a〜4dの液圧を創生するための電動ブースタ5と、電動ブースタ5を制御するためのブースタコントローラ8と、ブースタコントローラ8に備えられ、電動5ブースタの異常状態を検出し異常信号を送信するCPU80と、ホイルシリンダ4a〜4dの液圧を発生するための液圧制御装置3と、液圧制御装置3を制御するための液圧コントローラ9と、異常信号を液圧コントローラ9へ送信するための第1通信ラインL1と、第1通信ラインL1と並列に設けられ、異常信号を前記液圧コントローラ9へ送信するための第2通信ラインL2と、液圧コントローラ9に設けられ、第1通信ラインL1と第2通信ラインL2を介して送られた異常信号が共に異常状態を示すときに電動ブースタ5の非定常状態を判定するブースタ非定常状態判定部9bと、を備え、液圧コントローラ9は、ブースタ非定常状態判定部9bにより非定常状態と判定されると液圧制御装置3により運転者のブレーキ操作量に応じたホイルシリンダ4a〜4dの液圧を制御するバックアップ制御部9cを備えた。
これにより、電動ブースタ5の非定常状態の判定精度を向上できると共に、非定常状態で必要な制動力を確保できる。
(6) 運転者によるブレーキペダルBPの操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダ4a〜4dの液圧を創生するための電動ブースタ5と、電動ブースタ5を制御するためのブースタコントローラ8と、電動ブースタ5の状態を検出し対応した信号を送信するCPU80と、ホイルシリンダ4a〜4dの液圧を発生するための液圧制御装置3と、液圧制御装置3を制御するための液圧コントローラ9と、を備え、各コントローラ8,9間に信号を送信するための通信ラインL1,L2を冗長的に設け、各通信ラインL1,L2の通信状態に基づいて電動ブースタ5の非定常状態を判定する。
これにより、電動ブースタ5の非定常状態の判定精度を向上できる。
〔実施例2〕
図7は、実施例2の液圧コントローラの制御ブロック図であり、実施例2では、図3に示した実施例1の構成に対して、ブースタ異常状態判定部9dを追加した点で異なる。
ブースタ非定常状態判定部9bは、以下に示す条件の少なくとも一方が成立した場合に非定常状態と判定する。
1.ブースタコントローラ8から異常信号を入力した場合
2.各通信ラインL1,L2からの信号が同時に途絶えた場合
ブースタ異常状態判定部9dには、異常状態記憶部9aに記憶された通信異常履歴およびバックアップ制御実施履歴、マスタシリンダ液圧センサ3a,3bからのマスタシリンダ液圧信号、ストロークセンサ7からのストローク信号、ブレーキスイッチ92からのブレーキスイッチ信号、ブレーキペダルBPに作用する運転者のペダル踏力を検出する踏力センサ(踏力検出部)93からのペダル踏力信号、車両の前後加速度(前後G)を検出する前後Gセンサ(前後加速度検出部)94からの前後G信号、車輪毎に設けられた車輪速センサ95a〜95dからの各車輪速信号が入力される。
実施例2のブースタ異常状態判定部9dは、ブレーキスイッチがオンであり、かつ、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する。ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定した場合、ワーニングランプ91を点灯させて運転者に警告を行う。
バックアップ制御部9cは、ブースタ非定常状態判定部9bにより非定常状態と判定された場合、または、ブースタ異常状態判定部9dにより電動ブースタ5が異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施する。
なお、他の構成については実施例1と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図8は、実施例2のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92がオンとなるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例2のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(7) ブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、ブレーキスイッチ92がオンし、かつ、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例3〕
実施例3のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているが、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図9は、実施例3のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施し、通信異常記憶部9aには通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶される。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92がオンとなるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例3のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(8) 各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例4〕
実施例4のブースタ異常状態判定部9dは、ストロークセンサ7によりストロークが検出されているが、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図10は、実施例4のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキペダルBPのストロークが立ち上がるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例4のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(9) ブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサ7と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、ストロークセンサ7によりストロークが検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例5〕
実施例5のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、ストロークセンサ7によりストロークが検出されているが、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図11は、実施例5のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施し、通信異常記憶部9aには通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶される。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキペダルBPのストロークが立ち上がるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例5のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(10) 各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、ブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサ7と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、ブレーキペダルBPのストロークが検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例6〕
実施例6のブースタ異常状態判定部9dは、踏力センサ93により踏力が検出されているが、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図12は、実施例6のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ペダル踏力が立ち上がるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例6のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(11) ブレーキペダルBPに作用する踏力を検出する踏力センサ93と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、踏力センサ93により踏力が検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例7〕
実施例7のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、踏力センサ93により踏力が検出されているが、マスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図13は、実施例7のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施し、通信異常記憶部9aには通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶される。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ペダル踏力が立ち上がるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりマスタシリンダ液圧はほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例7のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(12) 各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、ブレーキペダルBPに作用する踏力を検出する踏力センサ93と、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧センサ3a,3bと、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、踏力センサ93により踏力が検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例8〕
実施例8のブースタ異常状態判定部9dは、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPのストローク量が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図14は、実施例8のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92がオンとなるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりブレーキペダルBPのストロークはほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例8のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(13) 運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、ブレーキペダルBPのストロークを検出するストロークセンサ7と、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPのストローク量が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例9〕
実施例9のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPのストローク量が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図15は、実施例9のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施し、通信異常記憶部9aには通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶される。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92がオンとなるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりブレーキペダルBPのストロークはほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例9のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(14) 各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、ブレーキペダルBPのストローク量を検出するストロークセンサ7と、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ストローク量が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例10〕
実施例10のブースタ異常状態判定部9dは、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPの踏力が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図16は、実施例10のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92はオンであるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりブレーキペダルBPの踏力はほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例10のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(15) 運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、ブレーキペダルBPに作用する踏力を検出する踏力センサ93と、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPの踏力が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例11〕
実施例11のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているが、ブレーキペダルBPの踏力が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図17は、実施例11のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92はオンであるのに対し、電動ブースタ5の作動異常によりブレーキペダルBPの踏力はほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例11のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(16) 運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、ブレーキペダルBPに作用する踏力を検出する踏力センサ93と、各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、ブレーキスイッチ92がオンしているがブレーキペダルBPの踏力が増加しない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例12〕
実施例12のブースタ異常状態判定部9dは、車両走行中にブレーキスイッチ92がオンしているが、前後Gが減速側の加速度を示さない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図18は、実施例12のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92はオンであるのに対し、電動ブースタ5の作動異常により前後Gセンサ94により検出される前後Gは減速側にほとんど立ち上がらないため、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を精度良く判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例12のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(17) 運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、車両に作用する前後Gを検出する前後Gセンサ94と、ブースタ非定常状態判定部9bにより電動ブースタ5が定常と判定されても、車両走行中にブレーキスイッチ92がオンしているが、前後Gが減速側の加速度を示さない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を検出できる。
〔実施例13〕
実施例13のブースタ異常状態判定部9dは、イグニッションオン時、通信異常記憶部9aに通信異常およびバックアップ制御の実施が記憶され、かつ、車両走行中にブレーキスイッチ92がオンしているが、前後Gが減速側の加速度を示さない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例2と相違する。
なお、他の構成は実施例2と同様であるため、図示ならびに説明は省略する。
次に、作用を説明する。
[ブースタ異常状態判定作用]
図19は、実施例13のブースタ異常状態判定作用を示す図であり、コネクタ外れや同時途絶により各通信ラインL1,L2に通信異常が生じた場合、ブースタ非定常状態判定部9bは非定常状態と判定し、バックアップ制御部9cは、バックアップ制御を実施する。その後イグニッションがオフされ、次のイグニッションオン時には、異常信号の入力も各通信ラインL1,L2の同時途絶の発生もないため、ブースタ非定常状態判定部9bでは定常状態と判定する。
ここで、電動ブースタ5に異常が発生している場合、運転者がブレーキを踏み込んだとき、ブレーキスイッチ92はオンであるのに対し、電動ブースタ5の作動異常により前後Gセンサ94により検出される前後Gは減速側にほとんど立ち上がらない。また、通信異常記憶部9aには、通信異常履歴とバックアップ制御実施履歴が記憶されている。よって、ブースタ異常状態判定部9dは、電動ブースタ5が異常状態と判定する。これにより、各通信ラインL1,L2に通信異常が発生している場合であっても電動ブースタ5の異常を確実に判定できる。そして、バックアップ制御部9cは、異常状態と判定された場合、バックアップ制御を実施するため、非定常状態で必要な制動力の確保が可能となる。
実施例13のブレーキ制御装置は、実施例1の効果(1),(2),(5),(6)に加え、以下の効果を奏する。
(18) 運転者によるブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキスイッチ92と、車両に作用する前後Gを検出する前後Gセンサ94と、各通信ラインL1,L2からの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部9aと、イグニッションのオン時に通信異常記憶部9aに信号が途絶えたことが記憶され、かつ、車両走行中にブレーキスイッチ92がオンしているが、前後Gが減速側の加速度を示さない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定するブースタ異常状態判定部9dと、を備えた。
これにより、電動ブースタ5の作動異常を確実に判定できる。
〔実施例14〕
実施例14のブースタ異常状態判定部9dは、車輪速センサ95a〜95dにより検出された各車輪速から前後G換算値を求め、車両走行中にブレーキスイッチ92がオンしているが、前後G換算値が減速側の加速度を示さない場合は電動ブースタ5が異常状態と判定する点で実施例12と相違する。
よって、実施例14のブレーキ制御装置は、実施例13と同様の作用効果を奏する。
以下に、実施例から把握される特許請求の範囲に記載した発明以外の技術的思想について説明する。
(a) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、前記ブレーキスイッチがオンし、かつ、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(b) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
運転者による前記ブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、前記ブレーキスイッチがオンしているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(c) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ操作部材のストローク量を検出するストローク検出部と、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、前記ストローク検出部によりストロークが検出されているが、前記検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(d) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
前記ブレーキ操作部材のストローク量を検出するストローク検出部と、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、前記ストローク量が検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(e) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブレーキ操作部材に作用する踏力を検出する踏力検出部と、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、前記踏力が検出されているが、前記マスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(f) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
前記ブレーキ操作部材に作用する踏力を検出する踏力検出部と、
前記マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ液圧検出部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、前記踏力が検出されているが、検出されたマスタシリンダ液圧が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(g) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記ブレーキ操作部材のストローク量を検出するストローク検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、前記ブレーキスイッチがオンしているが、前記ストローク量が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(h) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記ブレーキ操作部材のストローク量を検出するストローク検出部と、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、前記ブレーキスイッチはオンしているが、前記ストローク量が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(i) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記ブレーキ操作部材に作用する踏力を検出する踏力検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、前記ブレーキスイッチがオンしているが、前記踏力が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(j) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
前記ブレーキ操作部材に作用する踏力を検出する踏力検出部と、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、前記ブレーキスイッチがオンしているが、前記踏力が増加しない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(K) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
車両に作用する前後加速度を算出する前後加速度検出部と、
前記ブースタ非定常状態判定部により前記ブースタが定常と判定されても、車両走行中に前記ブレーキスイッチがオンしているが、前記前後加速度が減速側の加速度を示さない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を検出できる。
(l) 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
運転者によるブレーキ操作部材の操作の有無を検出するブレーキスイッチと、
車両に作用する前後加速度を算出する前後加速度検出部と、
前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部と、
イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶され、かつ、車両走行中に前記ブレーキスイッチがオンしているが、前記前後加速度が減速側の加速度を示さない場合は前記ブースタが異常状態と判定するブースタ異常状態判定部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、ブースタの作動異常を確実に判定できる。
(m) 請求項4に記載のブレーキ制御装置において、
前記ブースタ非定常状態判定部は、前記各通信ラインからの信号が同時に途絶えた場合に前記ブースタの非定常状態と判定することを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、確実に非定常状態の判定を行うことができる。
(n) 請求項5に記載のブレーキ制御装置において、
前記通信ラインは、前記信号を前記液圧コントローラへ送信するための第1通信ラインと、前記第1通信ラインと並列に設けられ、前記信号を前記液圧コントローラへ送信するための第2通信ラインと、で構成され、
前記液圧コントローラに備えられ、前記第1通信ラインと前記第2通信ラインを介して送られた前記信号が同時に途絶えた場合に前記ブースタの非定常状態と判定することを特徴とするブレーキ制御装置。
よって、確実に非定常状態の判定を行うことができる。
BP ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)
L1 第1通信ライン
L2 第2通信ライン
1 ブレーキ制御装置
2 マスタシリンダ
3 液圧制御装置
4a〜4d ホイルシリンダ
5 電動ブースタ(ブースタ)
8 ブースタコントローラ
9 液圧コントローラ
9a 通信異常記憶部
9b ブースタ非定常状態判定部
9c バックアップ制御部
9d ブースタ異常状態判定部
80 CPU(ブースタ状態検出部)

Claims (6)

  1. 運転者によるブレーキ操作部材の操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダの液圧を創生するためのブースタと、
    前記ブースタの状態を検出し対応した信号を送信するブースタ状態検出部と、
    前記ホイルシリンダの液圧を発生するための液圧制御装置と、
    前記液圧制御装置を制御するための液圧コントローラと、
    前記信号を前記液圧コントローラへ送信するための第1通信ラインと、
    前記第1通信ラインと並列に設けられ、前記信号を前記液圧コントローラへ送信するための第2通信ラインと、
    前記液圧コントローラに設けられ、前記第1通信ラインと前記第2通信ラインを介して送られた前記信号の通信状態に基づいて前記ブースタの非定常状態を判定するブースタ非定常状態判定部と、
    を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記ブースタ非定常状態判定部は、前記各通信ラインからの信号が同時に途絶えた場合にブースタの非定常状態と判定することを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記液圧コントローラは、前記ブースタ非定常状態判定部により非定常状態と判定されると前記液圧制御装置により運転者のブレーキ操作量に応じた前記ホイルシリンダの液圧を制御するバックアップ制御部を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記各通信ラインからの信号が途絶えたことを記憶する通信異常記憶部を備え、
    前記ブースタ非定常状態判定部は、イグニッションのオン時に前記通信異常記憶部に信号が途絶えたことが記憶されているときには、前記ブースタは非定常状態であると判定することを特徴とするブレーキ制御装置。
  5. 運転者によるブレーキ操作部材の操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダの液圧を創生するための電動ブースタと、
    前記電動ブースタを制御するためのブースタコントローラと、
    前記ブースタコントローラに備えられ、前記電動ブースタの異常状態を検出し異常信号を送信するブースタ状態検出部と、
    前記ホイルシリンダの液圧を発生するための液圧制御装置と、
    前記液圧制御装置を制御するための液圧コントローラと、
    前記異常信号を前記液圧コントローラへ送信するための第1通信ラインと、
    前記第1通信ラインと並列に設けられ、前記異常信号を前記液圧コントローラへ送信するための第2通信ラインと、
    前記液圧コントローラに設けられ、前記第1通信ラインと前記第2通信ラインを介して送られた前記異常信号が共に異常状態を示すときに前記電動ブースタの非定常状態を判定するブースタ非定常状態判定部と、
    を備え、
    前記液圧コントローラは、前記ブースタ非定常状態判定部により非定常状態と判定されると前記液圧制御装置により運転者のブレーキ操作量に応じた前記ホイルシリンダの液圧を制御するバックアップ制御部を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 運転者によるブレーキ操作部材の操作力を増大しマスタシリンダ液圧を発生させてホイルシリンダの液圧を創生するためのブースタと、
    前記ブースタを制御するためのブースタコントローラと、
    前記ブースタの状態を検出し対応した信号を送信するブースタ状態検出部と、
    前記ホイルシリンダの液圧を発生するための液圧制御装置と、
    前記液圧制御装置を制御するための液圧コントローラと、
    を備え、
    前記各コントローラ間に前記信号を送信するための通信ラインを冗長的に設け、
    前記各通信ラインの通信状態に基づいて前記ブースタの非定常状態を判定することを特徴とするブレーキ制御装置。
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