JP2014163219A - 建設機械の材料コンベヤシステムのためのコンベヤスクリュー - Google Patents

Abstract

【課題】摩耗の低減または完全になくすための改良型コンベヤスクリューを提供する。
【解決手段】材料コンベヤシステムのためのコンベヤスクリュー５は、バルク材を搬送するように構成されたコンベヤ部６と、駆動トルクまたは駆動力を受けて、それをコンベヤ部６に伝達するように設計された駆動部７とを備える。コンベヤ部６と駆動部７とが、摩擦溶接によって相互に結合されている。
【選択図】図２

Description

本発明は、請求項１の前提部に係る建設機械の材料コンベヤシステムのためのコンベヤスクリュー、および、それが用いられた材料コンベヤシステムならびに建設機械に関する。

そのようなコンベヤスクリューは、実際の現場において知られている。それらは、主としてバルク材を搬送するために使用される。そのプロセスにおいて、コンベヤスクリューは回動される。一般的に、この回動に必要な駆動トルクは、コンベヤスクリューシャフトに固定された力印加要素から伝達される。この力印加要素をコンベヤスクリューシャフトに取り付けるために、通常様々なシャフト−ハブ結合が用いられる。これら結合としては、例えばスプラインシャフト歯部、圧入、またはキー・スロット結合などが挙げられる。このタイプの結合では、製造や組み立てのコストと労力が増大する。複数の部品からなる設計およびその結果生じる部品間の摩擦によりさらなる摩耗が生じる。

したがって、本発明は、上述の不都合を低減または完全になくすために考え得る最も単純な方法で設計上の改良がなされた、建設機械の材料コンベヤシステムのための改良型コンベヤスクリューを提供することを目的とする。

この目的は、請求項１の特徴によって達成される。さらなる有利な発展形は、従属請求項に列記されている。

本発明のコンベヤスクリューは、バルク材を搬送するように構成されたコンベヤ部と、
駆動トルクまたは駆動力を受けてコンベヤ部に伝達するように設計された駆動部とを備え、コンベヤ部および駆動部は、摩擦溶接によって相互に結合されていることを特徴とする。摩擦溶接による２つの部の結合により、いくつかの利点がもたらされる。まず、材料の結合により部品間の相対運動が防止されるため摩擦による摩耗が低減する。他方、スプラインシャフト、圧入、またはキー・スロット結合等の複雑なシャフト−ハブ結合が不要となる。結果的に、これらの結合に係る製造の労力も除去される。

コンベヤ部と駆動部とは、異なる材料から作られることが有利となり得る。ここで、２つの部位を摩擦溶接によって結合したことによりさらなる利点が生ずる。材料の結合を行う他の方法と異なり、最も広汎な材料の組み合わせを実質的に結合することが可能となる。これにより、一方のコンベヤ部と他方の駆動部とを、それぞれ所望の用途に対して最適化することができる。これらの材料は、具体的には、硬度、表面硬度、密度、重量、コスト、耐腐食性、および選択に応じて用いられる潤滑剤または搬送するバルク材に対する耐性について異なるものであってよい。両材料は金属であってもよい。

コンベヤ部が作られる材料が、駆動部が作られる材料より高い強度を有することが考えられる。

コンベヤ部が作られる材料が、駆動部が作られる材料より高い硬度または表面硬度を有することが好ましい。このようにすることで、その表面と搬送されるバルク材との間の摩擦によって生じるコンベヤ部の摩耗の増加を、駆動部に対して高額となり得る同様の硬質化手順を同時に施すことなく防止することが可能となる。

コンベヤスクリューは、高い使用温度に対応していること、好ましくは１５０℃超の使用温度に対応していること、特に好ましくは２００℃超の温度に対応していることが有利である。したがって、コンベアスクリューは、コンベヤスクリューの部品および／または材料の特性が、その温度範囲において不利に変化しない場合に、そのような使用温度に対応したものとなる。そのような不利な変化として、例えば、強度の大幅な低下、変形、コンベヤスクリューの酸化の加速、スクリュー材料の脆化、またはコンベヤスクリューの耐用年数を短くする老朽化プロセスの加速等が挙げられる。

有利な点として、コンベヤスクリューは、０ｍｍ〜１８０ｍｍの粒径、好ましくは０ｍｍ〜１２０ｍｍの粒径、特に好ましくは０ｍｍ〜８０ｍｍの粒径を有するバルク材を搬送するのに適している。ここで、ある粒径のバルク材を搬送するのに適しているかは、基本的にはコンベヤスクリューの幾何学的パラメータ、例えばリード、表面の仕上げ、ブレード径、その他スクリューのねじ山のピッチ等に左右される。

コンベヤスクリューは、０ｒｐｍ（毎分回転数）〜２５０ｒｐｍの範囲、好ましくは０ｒｐｍ〜１２５ｒｐｍの範囲内の速度のために設計されているのが有利であることが分かっている。そのような速度が有利であることは実地において既に判明している。したがって、コンベヤスクリューの部品のパラメータ、例えばコンベヤスクリューの慣性モーメントまたは共振周波数などは、この速度範囲に合わせて変更されることが好ましい。

さらに、コンベヤスクリューは、１０⁵〜１０¹⁸ｍＰａ・ｓ（ミリパスカル秒）の範囲内の粘度を有するバルク材を搬送するのに適していると考えられる。この目的のため、スクリューは、上記粘度を有するバルク材に対応する強度を有していなければならない。さらに、適切な表面仕上げ、特に、適切な表面粗度が与えられていなければならない。ここで、異なる非付着性手段、例えばコーティングも考えられる。そのような材料に対応するねじ山のピッチが材料の搬送に対する適合性に良い影響を及ぼすこともあり得る。

コンベヤスクリューが、瀝青質の混合材料、特にアスファルトを搬送するのに適していることは特に有利である。ここで、そのような材料の靱性のため、コンベヤスクリューにはそれに対応する強度も与えられていなければならない。瀝青質の混合材料の付着傾向を、例えば対応する表面仕上げや粗度を与えることによって妨ぐことも、同様に有利である。ここで同様に、抗付着性手段、例えばコーティングが考えられる。また、スクリューのねじ山のピッチを適合させることも、瀝青質の混合材料、特にアスファルトを搬送するための適合性に良い影響を与える。

一変形形態では、バルク材を処理または運搬する建設機械のための材料コンベヤシステムが、本発明のコンベヤスクリューを少なくとも１つ備えること、ここでは、いくつかのコンベヤスクリューを使用することも、比較的大きい機械または行程容積に特に適切なものとなる。完全な混合のプロセスに、いくつかのコンベヤスクリューを使用することも有利である。

少なくとも１つのコンベヤスクリューの速度を、連続的に変更できることが好適であることが分かっている。このようにすることで、放出も意図したものとなる。いくつかのコンベヤスクリューが用いられるとき、異なる方向への材料の流れを、より意図した通りに制御できる。いくつかのコンベヤスクリューが用いられるとき、各コンベヤスクリューの速度が独立して調節可能であれば特に有利である。

作動中にコンベアスクリューの速度の調節が可能であることもさらに有利である。

さらなる変形形態では、これらのコンベヤスクリューは、いくつかのコンベヤスクリューを用いる材料コンベヤシステムにおいて独立して操作可能であってもよい。これにより、材料の流れに、意図した通りの影響を与えられるようになる。さらに、生じ得る温度または粒径分布に関する材料の不均一性は、選択的に用いられる完全混合プロセスによって相殺することができる。

さらに、バルク材を処理または運搬する建設機械が、上述の材料コンベヤシステムを備えることも考えられる。

一変形形態では、この建設機械は路面仕上げ機またはフィーダである。

前記材料コンベヤシステムは、横送りコンベヤシステムとして、または縦送りコンベヤシステムとして上記建設機械に使用可能である。

以下、本発明の有利な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

本発明による材料コンベヤシステムと本発明によるコンベヤスクリューが取り付けられた、ここでは道路仕上げ機である、建設機械の斜視図である。 本発明によるコンベヤスクリューを示す図である。

図１は、この実施形態では路面仕上げ機である建設機械１を、進行方向に右後方からみた斜視図として表す。本実施形態ではアスファルトであるバルク材３は、進行方向前側に配置された材料バンカ２に配置される。配置されたバルク材３は、縦送りコンベヤシステム（図示せず）によって進行方向に対して後側に搬送される。そこで、以下、横送りコンベヤシステム４と称するさらなる材料コンベヤシステム４によって建設機械の進行方向に対して横向きに分配される。このため、図示する実施形態では、本発明のコンベヤスクリュー５が２つ用いられている。そのとき、アスファルトは図示しないスクリードによって平坦化、圧縮され、それにより平坦なアスファルトの層が形成される。

この実施形態は、材料コンベヤシステム４を、例示として横送りコンベヤシステム４としたことを示している。しかしながら、材料コンベヤシステム４を、縦送りコンベヤシステムとして使用することも可能である。さらに材料コンベヤシステム４が２つよりも多くのコンベヤスクリュー５、またはただ１つのコンベヤスクリュー５を備えることも可能である。加えて、本発明によるコンベヤスクリュー５は、本実施形態において記載されるように、アスファルトの搬送のみならず、あらゆるバルク材３の搬送に適したものとなり得る。

図２は、本発明によるコンベヤスクリュー５を示している。コンベヤスクリュー５は、コンベヤ部６と駆動部７とを備える。コンベヤ部６は、バルク材３を搬送するために設けられる。駆動部７は、駆動トルクまたは駆動力を受けて、それをコンベヤ部に伝達し、もってコンベア部を回動させるべく構成される。図示する実施形態では、駆動部７は、この目的で歯車８を備えている。コンベア部は、図示しないさらなる歯車によって、または同様に図示しないチェーンによって駆動されてもよい。しかし、歯車８の代わりに、異なるタイプの伝達要素、例えばベルトディスクを用いることも同様に想定される。駆動部７は、摩擦溶接部位９でコンベヤ部６と結合される。図２においては、コンベヤ部６が２つのフランク要素１０を備え、これはさらにスクリュー５の回転によってバルク材３を搬送する。しかし、コンベヤ部６が連続したフランクを備えることも想定される。

コンベヤ部６が第１の材料１１から作られ、駆動部７が第２の材料１２から作られる。材料１１、１２は、同じ材料であってもよい。しかし、第１の材料１１はコンベヤ部６の要求に合わせて選択され、第２の材料１２は駆動部７の要求に合わせて選択されるのが好ましい。例えば、バルク材３との摩擦による摩耗を防止するために、第１の材料１１は、第２の材料１２より高い硬度もしくは高い表面硬度を有していてもよい。さらに、材料１１、１２は、それらの密度、コスト、耐腐食性、および潤滑剤または搬送するバルク材に対する耐性、付着性、または摩耗性について異なるものであってもよい。

歯車８がさらなる歯車によって駆動される場合、例えば、歯車８が作られる材料１２が、他の歯車を作る材料によって摩耗しないようにするのは非常に重要である。しかし、コンベヤ部６が作られる材料１１が、他の歯車を作る材料によって摩耗するか否かは、これらの材料は相互に接触し合わないので重要ではない。逆に、コンベヤ部６が作られる材料１１が、バルク材３に耐性を有し、かつ、バルク材３に対して低い付着傾向を有することは非常に重要である。これに対して、駆動部７が作られる材料１２がバルク材３に耐性を有するか否か、バルク材３に対して低い付着傾向を有するか否かは、通常は材料１２とバルク材３とは接触していないため重要ではない。

本実施形態では、コンベヤスクリューが２００℃超の使用温度に対応している。しかし、この値は、各バルク材３の処理温度に適合され得るものである。例えば、高温の混合アスファルトまたは冷温の混合アスファルトが用いられる場合、コンベヤスクリューは、その特性に本質的な変化を生じることなく、１００℃または１５０℃の使用温度に耐えられれば十分である。各用途温度において影響を受けてはならない重要な特性は、特に強度、酸化傾向、および材料の脆性等である。さらに、コンベヤスクリューの耐用年数を短くする老朽化プロセスが加速されてはならない。

本実施形態においてコンベヤスクリューは、０ｍｍ〜１８０ｍｍの範囲内の粒径を有するバルク材を搬送するのに適したものである。これは、コンベヤスクリューが、例えば最大のバルク材粒子を受け取るためには十分大きいが、効率的な搬送を確保し得る狭いリードを有することを意味する。さらに、その表面はバルク材粒子がフランク要素１０に付着しないようになっている。さらに、コンベヤスクリュー５からバルク材３の粒子が意図せず離れないようなスクリューフランクの径とすることも有利である。さらに、選択されたリードに応じて、スクリューのねじ山に適切なピッチを与えることも好適である。

本実施形態のコンベヤスクリュー５は、０ｒｐｍ〜２５０ｒｐｍの範囲内の速度に合わせて設計されたものである。しかし、他の速度範囲、例えば０ｒｐｍ〜１２５ｒｐｍの範囲内のものを提供することも可能である。このために、例えばコンベアスクリュー５に対して対応する慣性モーメントが与えられる。さらに、回動するコンベヤスクリュー５の共振周波数を、与えられた速度範囲外にすることは有利である。

コンベヤスクリュー５の速度は、動作中に連続的に変えることができる。これにより、コンベヤスクリュー５の行程容積は、要求に合わせるために変更することができる。

材料コンベヤシステム４または建設機械１は、任意の数のコンベヤスクリュー５を備えてもよい。図示した実施形態においては、２つのコンベヤスクリュー５ａおよび５ｂが設けられている。これらは独立して運転することができる。すなわち、コンベヤスクリュー５ａの速度は、コンベヤスクリュー５ｂの速度とは独立して調節可能であり、また逆もできる。これにより、路面仕上げ機１がカーブを通って進むとき、路面仕上げ機の２つの側の間での材料の要求の相違を考慮に入れることが可能となる。コンベヤスクリュー５ａが、例えばカーブの外側に位置している場合、カーブの内側に位置するコンベヤスクリュー５ｂよりも高速で作動しなければならない。カーブの外側ではより長い距離を通過しなければならず、したがって材料に対する要求も高くなるからである。さらに、後の道路舗装の質に好ましくない影響をもたらす不要な材料の蓄積も、カーブの内側のコンベヤスクリュー５ｂにおいて防止できる。

上述の実施形態では、本発明を路面仕上げ機を参照して説明した。しかしながら、所望のあらゆる建設機械、特にフィーダにおいても本発明を同様に実施可能である。

材料コンベヤシステム４は、建設機械１の進行方向に対して任意の方向、例えば実施形態に記載のように進行方向と同じ方向または進行方向を横切る方向にバルク材３を搬送できる。

Claims (15)

1. 建設機械（１）の材料コンベヤシステム（４）のためのコンベヤスクリュー（５）であって、
   バルク材（３）を搬送するように構成されたコンベヤ部（６）と、
   駆動トルクまたは駆動力を受けて前記コンベヤ部（６）に伝達するために設計された駆動部（７）と、を備え、
   前記コンベヤ部（６）と前記駆動部（７）とは、摩擦溶接によって相互に結合されている、
   ことを特徴とするコンベヤスクリュー。
2. 前記コンベヤ部（６）と前記駆動部（７）とは、異なる材料（１１、１２）から作られる、
   ことを特徴とする請求項１に記載のコンベヤスクリュー。
3. 前記コンベヤ部（６）が作られる材料（１１）は、前記駆動部（７）が作られる材料（１２）より高い強度を有する、
   ことを特徴とする請求項１または２に記載のコンベヤスクリュー。
4. 前記コンベヤ部（６）が作られる前記材料（１１）は、前記駆動部（７）が作られる前記材料（１２）より高い表面硬度を有する、
   ことを特徴とする請求項１から３のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
5. 前記コンベヤスクリュー（５）は、１００℃超の使用温度に対応している、
   ことを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
6. 前記コンベヤスクリュー（５）は、０〜１８０ｍｍの粒径を有するバルク材（３）を搬送するのに適している、
   ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
7. 前記コンベヤスクリュー（５）は、０〜２５０ｒｐｍの範囲内の速度用に設計されている、
   ことを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
8. 前記コンベヤスクリュー（５）は、１０⁵〜１０¹⁸ｍＰａ・ｓの範囲内の粘度を有するバルク材（３）を搬送するのに適している、
   ことを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
9. 前記コンベヤスクリュー（５）は、瀝青質の混合材料、特にアスファルトを搬送するのに適している、
   ことを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載のコンベヤスクリュー。
10. バルク材（３）を処理または運搬する建設機械のための材料コンベヤシステム（４）において、
    前記材料コンベヤシステム（４）が、請求項１から９のいずれか一項に記載のコンベヤスクリューを少なくとも１つ備える、
    ことを特徴とする材料コンベヤシステム。
11. 少なくとも１つの前記コンベヤスクリュー（５）の速度は、前記コンベヤスクリュー（５）の動作中に連続的に変更できる、
    ことを特徴とする請求項１０に記載の材料コンベヤシステム。
12. 前記材料コンベアシステム（４）は複数のコンベヤスクリュー（５ａ、５ｂ）を備え、
    複数の前記コンベヤスクリュー（５ａ、５ｂ）は、独立して動作することができる、ことを特徴とする請求項１０または１１に記載の材料コンベヤシステム。
13. バルク材を処理または運搬する建設機械（１）において、
    前記建設機械（１）は、請求項１０から１２のいずれか一項に記載の材料コンベヤシステム（４）を少なくとも１つ備える、
    ことを特徴とする建設機械。
14. 前記建設機械（１）が、路面仕上げ機またはフィーダである、
    ことを特徴とする請求項１３に記載の建設機械。
15. 前記建設機械（１）は、少なくとも１つの前記材料コンベヤシステム（４）を備え、
    前記材料コンベヤシステムは、横送りコンベヤシステム（４）または縦送りコンベヤシステムとして使用することができる、
    ことを特徴とする請求項１３または１４に記載の建設機械。

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