JPH0835751A - 肉盛り溶接したジャーナル部を有する回転軸の製造方法 - Google Patents
肉盛り溶接したジャーナル部を有する回転軸の製造方法Info
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- JPH0835751A JPH0835751A JP7110412A JP11041295A JPH0835751A JP H0835751 A JPH0835751 A JP H0835751A JP 7110412 A JP7110412 A JP 7110412A JP 11041295 A JP11041295 A JP 11041295A JP H0835751 A JPH0835751 A JP H0835751A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転軸(例えばオーガ)のジャーナル部に対
する肉盛り溶接後に肉盛り層に発生する割れを防止す
る。 【構成】 オーガ本体1と、これとは別体であるジャー
ナル部2、3とからなり、中空状のジャーナル部基材2
a、3aの外周面に肉盛り溶接することによって合金層
を形成したのち、ジャーナル部2、3の端面とオーガ本
体1の対向する端面とを互いに摩擦圧接によって接合す
る。
する肉盛り溶接後に肉盛り層に発生する割れを防止す
る。 【構成】 オーガ本体1と、これとは別体であるジャー
ナル部2、3とからなり、中空状のジャーナル部基材2
a、3aの外周面に肉盛り溶接することによって合金層
を形成したのち、ジャーナル部2、3の端面とオーガ本
体1の対向する端面とを互いに摩擦圧接によって接合す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に、外周面に肉
盛り溶接により形成した合金層を有するジャーナル部を
備えた回転軸の製造方法に関し、該肉盛り溶接用合金の
選択によって耐摩耗、耐食性に優れたジャーナル部を有
する回転軸の製造が可能であり、特にオーガ式製氷機等
のオーガとして有用な回転軸の製造方法に関するもので
ある。
盛り溶接により形成した合金層を有するジャーナル部を
備えた回転軸の製造方法に関し、該肉盛り溶接用合金の
選択によって耐摩耗、耐食性に優れたジャーナル部を有
する回転軸の製造が可能であり、特にオーガ式製氷機等
のオーガとして有用な回転軸の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、オーガ式製氷機に用いられるオ
ーガのような回転軸においては、軸受によって支承され
るジャーナル部の耐摩耗、耐食性を高めるために、この
部位の外周面に耐摩耗、耐食性を有する溶射皮膜を形成
することが行われてきた。しかし、この溶射皮膜は一般
的に膜厚が薄く、かつ回転軸を構成する基材との間に溶
け込みが少ないために、特にアフターフューズ工程が不
完全であると剥離しやすいという欠点がある。このた
め、溶射の代わりに、ジャーナル部の外周面に耐摩耗、
耐食性合金を用いて肉盛り溶接を施すという方法が採用
されるようになった。この方法によれば工程が安定して
おり、自動化を図りやすいという利点がある。
ーガのような回転軸においては、軸受によって支承され
るジャーナル部の耐摩耗、耐食性を高めるために、この
部位の外周面に耐摩耗、耐食性を有する溶射皮膜を形成
することが行われてきた。しかし、この溶射皮膜は一般
的に膜厚が薄く、かつ回転軸を構成する基材との間に溶
け込みが少ないために、特にアフターフューズ工程が不
完全であると剥離しやすいという欠点がある。このた
め、溶射の代わりに、ジャーナル部の外周面に耐摩耗、
耐食性合金を用いて肉盛り溶接を施すという方法が採用
されるようになった。この方法によれば工程が安定して
おり、自動化を図りやすいという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
肉盛り溶接では、皮膜を厚くし、かつ剥離を防止できる
反面、耐摩耗、耐食性合金を肉盛り溶接する前に、ジャ
ーナル部の被溶接部位を十分に予熱しなければ、肉盛り
した合金層に割れが発生するという問題があった。この
問題を解決するために、回転軸を、回転軸本体と、この
回転軸本体とは別体であるジャーナル部基材とから構成
し、このジャーナル部基材の外周面に肉盛り溶接を施す
ことによってジャーナル部を形成し、ついでこのジャー
ナル部の端面と回転軸本体の対向する端面とを互いに摩
擦圧接によって接合する方法も試みられたが、ジャーナ
ル部基材の予熱なしでは肉盛り合金層における割れの発
生を防ぐことは依然として不可能であった。本発明はこ
のような問題を解決することを目的とする。
肉盛り溶接では、皮膜を厚くし、かつ剥離を防止できる
反面、耐摩耗、耐食性合金を肉盛り溶接する前に、ジャ
ーナル部の被溶接部位を十分に予熱しなければ、肉盛り
した合金層に割れが発生するという問題があった。この
問題を解決するために、回転軸を、回転軸本体と、この
回転軸本体とは別体であるジャーナル部基材とから構成
し、このジャーナル部基材の外周面に肉盛り溶接を施す
ことによってジャーナル部を形成し、ついでこのジャー
ナル部の端面と回転軸本体の対向する端面とを互いに摩
擦圧接によって接合する方法も試みられたが、ジャーナ
ル部基材の予熱なしでは肉盛り合金層における割れの発
生を防ぐことは依然として不可能であった。本発明はこ
のような問題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による回転軸製造
方法は、回転軸本体と、この回転軸本体の両端部にそれ
ぞれ同軸的に連接した一対のジャーナル部とからなる回
転軸の製造方法において、該ジャーナル部の少なくとも
一方については、該回転軸本体と別体とし、かつ中空状
としたジャーナル部基材の外周面に肉盛り溶接すること
によって合金層を形成したのち、このジャーナル部の端
面と前記回転軸本体の対向する端面とを互いに摩擦圧接
によって接合することを特徴とする。ジャーナル部基材
に形成する中空は、ジャーナル部と同軸の円筒状空孔と
することが好ましい。
方法は、回転軸本体と、この回転軸本体の両端部にそれ
ぞれ同軸的に連接した一対のジャーナル部とからなる回
転軸の製造方法において、該ジャーナル部の少なくとも
一方については、該回転軸本体と別体とし、かつ中空状
としたジャーナル部基材の外周面に肉盛り溶接すること
によって合金層を形成したのち、このジャーナル部の端
面と前記回転軸本体の対向する端面とを互いに摩擦圧接
によって接合することを特徴とする。ジャーナル部基材
に形成する中空は、ジャーナル部と同軸の円筒状空孔と
することが好ましい。
【0005】また、本発明による回転軸製造方法の別の
態様は、前記の製造方法において、該ジャーナル部の少
なくとも一方を該回転軸本体と一体的に、かつ中空状に
形成し、外周面に肉盛り溶接することによって合金層を
形成することを特徴とする。この場合にも、ジャーナル
部に形成する中空は、ジャーナル部と同軸の円筒状空孔
とすることが好ましく、さらにこの空孔を該ジャーナル
部と回転軸本体とを貫通する空孔とすることも好まし
い。
態様は、前記の製造方法において、該ジャーナル部の少
なくとも一方を該回転軸本体と一体的に、かつ中空状に
形成し、外周面に肉盛り溶接することによって合金層を
形成することを特徴とする。この場合にも、ジャーナル
部に形成する中空は、ジャーナル部と同軸の円筒状空孔
とすることが好ましく、さらにこの空孔を該ジャーナル
部と回転軸本体とを貫通する空孔とすることも好まし
い。
【0006】ジャーナル部基材又はジャーナル部外周面
の肉盛り溶接は、レーザ溶接法、又は粉体プラズマ溶接
法によって行うことができる。
の肉盛り溶接は、レーザ溶接法、又は粉体プラズマ溶接
法によって行うことができる。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明の回転軸の製造方法におい
ては、回転軸本体とジャーナル部又はジャーナル部基材
(以下この項においては単にジャーナル部と呼ぶ)とが
一体的であると別体であるとを問わず、ジャーナル部を
中空状としたので、ジャーナル部と肉盛り溶接層との熱
容量の差が少なくなり、肉盛り溶接の際にジャーナル部
に移動する熱量を減らして肉盛り層の温度を高め、結果
として肉盛り溶接後の冷却の際のジャーナル部と肉盛り
層との間の温度差を縮めて肉盛り層に割れが発生するこ
とを防止した。本発明の方法によれば、割れを防止する
ために溶接施工前にジャーナル部を予熱する必要がなく
なるので、溶接加工が簡単になり作業時間が短くなると
ともに予熱設備が不要となる。
ては、回転軸本体とジャーナル部又はジャーナル部基材
(以下この項においては単にジャーナル部と呼ぶ)とが
一体的であると別体であるとを問わず、ジャーナル部を
中空状としたので、ジャーナル部と肉盛り溶接層との熱
容量の差が少なくなり、肉盛り溶接の際にジャーナル部
に移動する熱量を減らして肉盛り層の温度を高め、結果
として肉盛り溶接後の冷却の際のジャーナル部と肉盛り
層との間の温度差を縮めて肉盛り層に割れが発生するこ
とを防止した。本発明の方法によれば、割れを防止する
ために溶接施工前にジャーナル部を予熱する必要がなく
なるので、溶接加工が簡単になり作業時間が短くなると
ともに予熱設備が不要となる。
【0008】さらに、回転軸本体とジャーナル部とを一
体として構成すれば、回転軸本体とジャーナル部とを接
合するという工程が省略できる。また、ジャーナル部の
中空をこれと同軸の円筒状空孔とすれば工作上有利であ
る。
体として構成すれば、回転軸本体とジャーナル部とを接
合するという工程が省略できる。また、ジャーナル部の
中空をこれと同軸の円筒状空孔とすれば工作上有利であ
る。
【0009】ジャーナル部の肉盛り溶接に対して、レー
ザ溶接法を適用すれば、肉盛り層の基材による希釈が少
なく、また粉末プラズマ溶接法を適用すれば溶接設備が
安価になるという利点がある。
ザ溶接法を適用すれば、肉盛り層の基材による希釈が少
なく、また粉末プラズマ溶接法を適用すれば溶接設備が
安価になるという利点がある。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例は、回転軸としてオーガ式製氷機用オー
ガについて例示するもので、図1に示すオーガは、オー
ガ本体1と、このオーガ本体とは別体であるジャーナル
部2及び3とから構成されており、回転軸本体1の両端
面とジャーナル部2、3の対向する端面とはそれぞれ摩
擦圧接によって同軸的に接合される。ジャーナル部2、
3は、製氷機本体の軸受け部(図略)に回転可能に支承
されており、またジャーナル部3の他端はオーガの駆動
機構(図略)に連接可能となっている。ジャーナル部
2、3の外周面は摩耗と腐食を受けやすいので、ステン
レス鋼SUS304からなるジャーナル部基材2a、3aの表
面にさらに耐摩耗、耐食性の肉盛り用合金を肉盛り溶接
するが、本実施例では溶接施工前に、ジャーナル部基材
2a、3aにこれらと同軸的な円筒状空孔2a1、3a
1を穿孔することによってそれぞれ中空とした。さら
に、基材の外周面に軸方向の断面が船底型のアンダカッ
ト部2a2、3a2をそれぞれ加工して形成した。アン
ダカット部の深さは、ジャーナル部の直径、所望の肉盛
り厚さ等によって決定されるが、本実施例においてはそ
れぞれ0.8mmとした。肉盛り用合金としては、Cr 29.0%,
Mo 4.0%, Co 3.0%, Fe 3.0%, Mn 1.0%, W 2.0%, B 0.6
%, Si 1.0%, C 1.1%, 残部 Niの粉末を使用し、下記の
条件でアンダカット部を埋めるように炭酸ガスレーザ法
により肉盛り溶接を施した。
する。本実施例は、回転軸としてオーガ式製氷機用オー
ガについて例示するもので、図1に示すオーガは、オー
ガ本体1と、このオーガ本体とは別体であるジャーナル
部2及び3とから構成されており、回転軸本体1の両端
面とジャーナル部2、3の対向する端面とはそれぞれ摩
擦圧接によって同軸的に接合される。ジャーナル部2、
3は、製氷機本体の軸受け部(図略)に回転可能に支承
されており、またジャーナル部3の他端はオーガの駆動
機構(図略)に連接可能となっている。ジャーナル部
2、3の外周面は摩耗と腐食を受けやすいので、ステン
レス鋼SUS304からなるジャーナル部基材2a、3aの表
面にさらに耐摩耗、耐食性の肉盛り用合金を肉盛り溶接
するが、本実施例では溶接施工前に、ジャーナル部基材
2a、3aにこれらと同軸的な円筒状空孔2a1、3a
1を穿孔することによってそれぞれ中空とした。さら
に、基材の外周面に軸方向の断面が船底型のアンダカッ
ト部2a2、3a2をそれぞれ加工して形成した。アン
ダカット部の深さは、ジャーナル部の直径、所望の肉盛
り厚さ等によって決定されるが、本実施例においてはそ
れぞれ0.8mmとした。肉盛り用合金としては、Cr 29.0%,
Mo 4.0%, Co 3.0%, Fe 3.0%, Mn 1.0%, W 2.0%, B 0.6
%, Si 1.0%, C 1.1%, 残部 Niの粉末を使用し、下記の
条件でアンダカット部を埋めるように炭酸ガスレーザ法
により肉盛り溶接を施した。
【0011】レーザ溶接条件: レーザ出力: 4.5 kW(CW(マルチモード)), 発振波長:1
0.6 μm,焦点外し距離: +40 mm: 照射ビーム径: 6.2 m
m(アクリルバーンパターン), 送りピッチ: 5 mm試料と
して直径49 mmのジャーナル部基材を加工して中空と
し、上記条件により肉盛り溶接を実施した。肉盛り溶接
施工後、肉盛り層表面を注意深く観察したが、何らの割
れも発見されなかった。肉盛り溶接の終わったジャーナ
ル部2、3は、ついでオーガ本体1とそれぞれの対向端
面を摩擦圧接によって接合して一体とした。ジャーナル
部基材2a、3aの接合される側の端部には、圧接の際
の掴み代及び縮み代として基材と同径で適宜な長さを有
する部位2a3、3a3をそれぞれ予め設けた。
0.6 μm,焦点外し距離: +40 mm: 照射ビーム径: 6.2 m
m(アクリルバーンパターン), 送りピッチ: 5 mm試料と
して直径49 mmのジャーナル部基材を加工して中空と
し、上記条件により肉盛り溶接を実施した。肉盛り溶接
施工後、肉盛り層表面を注意深く観察したが、何らの割
れも発見されなかった。肉盛り溶接の終わったジャーナ
ル部2、3は、ついでオーガ本体1とそれぞれの対向端
面を摩擦圧接によって接合して一体とした。ジャーナル
部基材2a、3aの接合される側の端部には、圧接の際
の掴み代及び縮み代として基材と同径で適宜な長さを有
する部位2a3、3a3をそれぞれ予め設けた。
【0012】上記実施例と比較するために、同一の直径
を有する中実のジャーナル部基材を用い、同様のアンダ
カット部を有する試料を作製して、上記と同一の条件の
もとで外周面に肉盛り溶接を施した。この場合には、試
料を予熱しないで直接に肉盛り溶接を施したものは肉盛
り層表面に割れが発生した。割れの発生を防止するため
には、溶接前に基材を予熱し、かつ肉盛り用合金粉末の
供給量を減らし溶接加工速度を低下させる必要があっ
た。
を有する中実のジャーナル部基材を用い、同様のアンダ
カット部を有する試料を作製して、上記と同一の条件の
もとで外周面に肉盛り溶接を施した。この場合には、試
料を予熱しないで直接に肉盛り溶接を施したものは肉盛
り層表面に割れが発生した。割れの発生を防止するため
には、溶接前に基材を予熱し、かつ肉盛り用合金粉末の
供給量を減らし溶接加工速度を低下させる必要があっ
た。
【0013】一般的に肉盛り溶接の場合には、被溶接基
材と溶接により形成される肉盛り層との両者の熱容量の
大きさの関係が常に問題となる。しかして、従来の中実
のジャーナル部を有するオーガでは、たとえジャーナル
部基材をオーガ本体と別体としても、基材の方が肉盛り
層よりも熱容量が遥かに大きい。このため、肉盛り溶接
によって発生した熱は大量が基材内部に移動するので、
肉盛り層及びその直下の基材の温度の上昇は制限され、
そのうえ肉盛り層は基材の外側にあり、かつ熱容量が小
さいので基材内部よりも速く冷却するので、肉盛り層と
基材内部との間には大きな温度差を生じる。この結果、
早く低温となる肉盛り層の方が収縮も早く、冷却途中で
ここに割れが発生する。このため、中実基材では、溶接
前に基材を予熱して温度を上昇させることによって、基
材による溶接熱の吸収量を減らして、溶接後の肉盛り層
及びその直下の基材の温度を高め、冷却時の基材内部と
の温度差を低減して割れの発生を防止する必要がある。
これに対して、本発明によるジャーナル部基材は中空状
としたので、肉盛り層との間の熱容量の差は小さくな
り、基材による溶接熱の吸収量は減って、肉盛り層及び
その直下の基材の温度は上がり、冷却時の基材内部との
温度差が縮まったために、基材を予熱しなくても肉盛り
層に割れの発生は見られない。
材と溶接により形成される肉盛り層との両者の熱容量の
大きさの関係が常に問題となる。しかして、従来の中実
のジャーナル部を有するオーガでは、たとえジャーナル
部基材をオーガ本体と別体としても、基材の方が肉盛り
層よりも熱容量が遥かに大きい。このため、肉盛り溶接
によって発生した熱は大量が基材内部に移動するので、
肉盛り層及びその直下の基材の温度の上昇は制限され、
そのうえ肉盛り層は基材の外側にあり、かつ熱容量が小
さいので基材内部よりも速く冷却するので、肉盛り層と
基材内部との間には大きな温度差を生じる。この結果、
早く低温となる肉盛り層の方が収縮も早く、冷却途中で
ここに割れが発生する。このため、中実基材では、溶接
前に基材を予熱して温度を上昇させることによって、基
材による溶接熱の吸収量を減らして、溶接後の肉盛り層
及びその直下の基材の温度を高め、冷却時の基材内部と
の温度差を低減して割れの発生を防止する必要がある。
これに対して、本発明によるジャーナル部基材は中空状
としたので、肉盛り層との間の熱容量の差は小さくな
り、基材による溶接熱の吸収量は減って、肉盛り層及び
その直下の基材の温度は上がり、冷却時の基材内部との
温度差が縮まったために、基材を予熱しなくても肉盛り
層に割れの発生は見られない。
【0014】上記の説明から明らかなように、本発明に
よるオーガは、肉盛り溶接層の割れを防止するために、
溶接前にジャーナル部基材を予熱する必要がない。この
ため、予熱設備は不要であり、肉盛り加工の時間も全体
として節約できる。また、ジャーナル部が中空であるた
めに、オーガ本体との摩擦圧接の際の推力も小さくてよ
いという利点がある。このほか、従来の溶射による耐摩
耗、耐食性皮膜に対する肉盛り溶接層自体の利点、すな
わち層の厚さと強度の増加、層の基材への密着性の向上
等が達成されることは言うまでもない。
よるオーガは、肉盛り溶接層の割れを防止するために、
溶接前にジャーナル部基材を予熱する必要がない。この
ため、予熱設備は不要であり、肉盛り加工の時間も全体
として節約できる。また、ジャーナル部が中空であるた
めに、オーガ本体との摩擦圧接の際の推力も小さくてよ
いという利点がある。このほか、従来の溶射による耐摩
耗、耐食性皮膜に対する肉盛り溶接層自体の利点、すな
わち層の厚さと強度の増加、層の基材への密着性の向上
等が達成されることは言うまでもない。
【0015】ジャーナル部基材の中空の形成について
は、上記実施例のように同軸の円筒状空孔とすること
が、機械加工、溶接等の工作上好ましいが、これには限
定されない。また、上記実施例ではこの空孔を透通孔と
したが、有底孔とすることも、またオーガ本体内まで達
する空孔とすることもできる。
は、上記実施例のように同軸の円筒状空孔とすること
が、機械加工、溶接等の工作上好ましいが、これには限
定されない。また、上記実施例ではこの空孔を透通孔と
したが、有底孔とすることも、またオーガ本体内まで達
する空孔とすることもできる。
【0016】上記実施例は、ジャーナル部の肉盛り溶接
に対して、炭酸ガスレーザ粉末肉盛り溶接法を適用した
場合についてのものであって、この方法には肉盛り層の
基材による希釈が少なく、かつ自動化が可能であるとい
う利点もある。
に対して、炭酸ガスレーザ粉末肉盛り溶接法を適用した
場合についてのものであって、この方法には肉盛り層の
基材による希釈が少なく、かつ自動化が可能であるとい
う利点もある。
【0017】ジャーナル部の肉盛り溶接を、前記の炭酸
ガスレーザ粉末溶接法の代わりに粉体プラズマ溶接法に
より行うことによって、本発明を実施することもでき
る。その実施例における溶接条件を下に示すが、ジャー
ナル部基材の寸法、溶接施工前の加工、肉盛り用合金
等、他の条件は上記実施例と同様とした。この場合に
も、基材の予熱なしで、前記と同様に肉盛り溶接層に割
れの発生は全く認められなかった。ただし、炭酸ガスレ
ーザ溶接法と比較して、溶接設備が安価で所要スペース
が小さくできるという特徴がある。
ガスレーザ粉末溶接法の代わりに粉体プラズマ溶接法に
より行うことによって、本発明を実施することもでき
る。その実施例における溶接条件を下に示すが、ジャー
ナル部基材の寸法、溶接施工前の加工、肉盛り用合金
等、他の条件は上記実施例と同様とした。この場合に
も、基材の予熱なしで、前記と同様に肉盛り溶接層に割
れの発生は全く認められなかった。ただし、炭酸ガスレ
ーザ溶接法と比較して、溶接設備が安価で所要スペース
が小さくできるという特徴がある。
【0018】プラズマ溶接条件: 電流: 70→55 A,合金粉末送給量 10 g/min:,回転速
度: 3.5 rpm,全回転数: 8,送りピッチ: 1回転につ
き3 mm:,アークタイム: 2.6 min また、前記実施例ではいずれも、回転軸は回転軸本体1
の両端部にそれぞれ本発明によるジャーナル部2、3を
備えた構成としたが、回転軸に要求される耐摩耗、耐食
性がいずれか一方のジャーナル部に限られる場合には、
そのジャーナル部のみに本発明の方法を適用することも
できる。
度: 3.5 rpm,全回転数: 8,送りピッチ: 1回転につ
き3 mm:,アークタイム: 2.6 min また、前記実施例ではいずれも、回転軸は回転軸本体1
の両端部にそれぞれ本発明によるジャーナル部2、3を
備えた構成としたが、回転軸に要求される耐摩耗、耐食
性がいずれか一方のジャーナル部に限られる場合には、
そのジャーナル部のみに本発明の方法を適用することも
できる。
【0019】さらに、前記実施例では、オーガ本体1と
ジャーナル部2、3を別体として構成し、ジャーナル部
基材2a、3aの外周面に肉盛り溶接を施したのち、ジ
ャーナル部の端面とオーガ本体の対向する端面とを互い
に摩擦圧接によって接合することとしたが、図2に示す
ように、オーガ本体10とジャーナル部20及び30と
を一体的に構成し、ジャーナル部20、30とオーガ本
体10を透通する空孔10aを設けたものとすることも
でき、ジャーナル部20、30の外周面には前記実施例
と同様に肉盛り溶接を施す。この場合には、前記実施例
と同様の効果のほかに、オーガ本体とジャーナル部とを
摩擦圧接するという工程が不要となる。空孔としては、
図2に示すような透通孔は必ずしも必要とせず、少なく
ともジャーナル部の肉厚を薄くするような空孔であれば
よい。また、この場合にも本発明の方法の適用は、耐摩
耗、耐食性が要求される側のジャーナル部に限定するこ
ともできる。
ジャーナル部2、3を別体として構成し、ジャーナル部
基材2a、3aの外周面に肉盛り溶接を施したのち、ジ
ャーナル部の端面とオーガ本体の対向する端面とを互い
に摩擦圧接によって接合することとしたが、図2に示す
ように、オーガ本体10とジャーナル部20及び30と
を一体的に構成し、ジャーナル部20、30とオーガ本
体10を透通する空孔10aを設けたものとすることも
でき、ジャーナル部20、30の外周面には前記実施例
と同様に肉盛り溶接を施す。この場合には、前記実施例
と同様の効果のほかに、オーガ本体とジャーナル部とを
摩擦圧接するという工程が不要となる。空孔としては、
図2に示すような透通孔は必ずしも必要とせず、少なく
ともジャーナル部の肉厚を薄くするような空孔であれば
よい。また、この場合にも本発明の方法の適用は、耐摩
耗、耐食性が要求される側のジャーナル部に限定するこ
ともできる。
【0020】上記の説明は全て、本発明の方法をオーガ
式製氷機用オーガに適用した場合について行ったが、こ
の方法は、ジャーナル部に対して耐摩耗、耐食性が要求
される各種の回転軸に対して適用可能なことは明らかで
ある。
式製氷機用オーガに適用した場合について行ったが、こ
の方法は、ジャーナル部に対して耐摩耗、耐食性が要求
される各種の回転軸に対して適用可能なことは明らかで
ある。
【図1】 本発明の方法によるオーガの、ジャーナル部
基材に対する肉盛り溶接前で、かつオーガ本体への圧接
前の部分縦断面図である。
基材に対する肉盛り溶接前で、かつオーガ本体への圧接
前の部分縦断面図である。
【図2】 本発明の方法の別の態様によるオーガの、ジ
ャーナル部に対する肉盛り溶接前の部分縦断面図であ
る。
ャーナル部に対する肉盛り溶接前の部分縦断面図であ
る。
1(10)…オーガ本体、2(20),3(30)…ジ
ャーナル部、2a,3a…ジャーナル部基材。
ャーナル部、2a,3a…ジャーナル部基材。
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
Claims (7)
- 【請求項1】 回転軸本体と、この回転軸本体の両端部
にそれぞれ同軸的に連接した一対のジャーナル部とから
なる回転軸の製造方法において、該ジャーナル部の少な
くとも一方については、該回転軸本体と別体とし、かつ
中空状としたジャーナル部基材の外周面に肉盛り溶接す
ることによって合金層を形成したのち、このジャーナル
部の端面と前記回転軸本体の対向する端面とを互いに摩
擦圧接によって接合することを特徴とする回転軸製造方
法。 - 【請求項2】 前記ジャーナル部基材の中空が、前記ジ
ャーナル部と同軸の円筒状空孔であることを特徴とする
請求項1に記載の回転軸製造方法。 - 【請求項3】 回転軸本体と、この回転軸本体の両端部
にそれぞれ同軸的に連接した一対のジャーナル部とから
なる回転軸の製造方法において、該ジャーナル部の少な
くとも一方を該回転軸本体と一体的に、かつ中空状に形
成し、外周面に肉盛り溶接することによって合金層を形
成することを特徴とする回転軸製造方法。 - 【請求項4】 前記ジャーナル部の中空が、該ジャーナ
ル部と同軸の円筒状空孔であることを特徴とする請求項
3に記載の回転軸製造方法。 - 【請求項5】 前記ジャーナル部の円筒状空孔が、該ジ
ャーナル部と回転軸本体とを貫通する空孔であることを
特徴とする請求項4に記載の回転軸製造方法。 - 【請求項6】 前記肉盛り溶接を、レーザ溶接法により
行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の回転軸製
造方法。 - 【請求項7】 前記肉盛り溶接を、粉体プラズマ溶接法
により行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の回
転軸製造方法。
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---|---|---|---|
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JP6-101133 | 1994-05-16 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1995
- 1995-05-09 JP JP11041295A patent/JP3601798B2/ja not_active Expired - Fee Related
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