JP2014162194A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気に起因するトラブルが改善され、湿度依存性が低く、安全性の高い帯電防止層を有する可逆感熱記録材料を提供する。
【解決手段】可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層の反対側に、リチウム塩系帯電防止剤と活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を設ける。
【選択図】なし
【解決手段】可逆性感熱記録材料の可逆性感熱記録層の反対側に、リチウム塩系帯電防止剤と活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を設ける。
【選択図】なし
Description
本発明は可逆性感熱記録材料に関し、より詳しくは静電気に起因するトラブルがなく、湿度依存性が低く、安全性の高い可逆性感熱記録材料に関する。
樹脂中に長鎖脂肪族炭化水素基を持つ有機リン酸化合物及び脂肪族カルボン酸の組み合わせにより透明度が変化する材料(例えば、特許文献1参照)もしくは、通常無色ないし淡色の電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物(可逆性顕色剤)の組み合わせにより色調が変化する材料(例えば、特許文献2参照)を用いることで、熱エネルギーを制御することによって可逆的に画像形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料が知られている。
このような可逆性感熱記録材料は、磁気記録層を設けたポリエチレンテレフタレートカード等の反対面に設けられ、ポイントカード、プリペイドカード等で繰り返し表示内容を書き換えることができる表示部材として広く使用されている。一方、比較的薄い支持体を用いた可逆性感熱記録材料において、記録層に対して反対面に加熱プレス等の手法により別な基材に貼り合わせて、場合によっては接触式、非接触式のICチップを間に封入するなどして、ポイントカード等として使用する用途も拡大している。
さらに近年では上記ポイントカード、プリペイドカード等の範囲を超えた用途として、工程管理用カード、工程管理用帳票、ラベル、一般文書記録といったものが拡大しており、より可逆性感熱記録材料の大判化が進んでいる。このことは画像形成装置での搬送、その他一般的取り扱いにおいて、シート同士の接触、剥離、および摩擦による静電気帯電をより引き起こしやすくなり、シート同士の貼り付きによる装置搬送不良が起こりやすいことに加え、埃や塵等を吸い寄せることによる印字不良をも誘発しやすくなるため、帯電防止特性が求められている。
これらの対策のうち、帯電防止効果を得るための方法が報告されている。例えば、特許文献3では、可逆性感熱記録層もしくはオーバーコート層に高分子カチオン系導電剤を含有させる方法が示されているが、高分子カチオン系導電剤は塗工層中での相溶性が低く、結果的に十分な帯電防止効果を得ることが難しかった。また、特許文献4では、いずれかの層にイオン性液体を含有させる方法が提案されているが、イオン性液体は層中からブリードアウトする問題があり、安定性の点で不充分であった。
特許文献5では、導電性の金属酸化物半導体粉末として、アンチモン含有の酸化スズ粉末を使用しているが、アンチモンは毒性が問題視されている。
本発明の課題は、静電気に起因するトラブルがなく、かつ湿度依存性が低く、安全性の高い可逆感熱記録材料を提供することである。
本発明者らは、活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を可逆性感熱記録材料に使用する際に問題であった帯電防止効果の湿度依存性および安全性の問題に取り組み、該帯電防止層の配合検討を行った。その結果、該帯電防止層にリチウム塩系帯電防止剤を含有させることによって上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、支持体上の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆性顕色剤とを少なくとも含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録材料の該記録層と反対側に、リチウム塩系帯電防止剤と活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録材料により、上記の問題を解決するものである。
本発明によって静電気に起因するトラブルが改善され、かつ湿度依存性が低く、安全性の高い可逆性感熱記録材料を提供することが可能となる。
本発明の効果である静電気に起因するトラブル改善作用は、主に本発明の帯電防止層に含有されるリチウム塩系帯電防止剤による導電性であり、リチウムイオンがポリマー中を移動することで帯電防止に必要な導電性を得ることができる。
また、本発明の効果である湿度依存性の低い帯電防止効果は、リチウムイオンの移動がイオン結合を伴うため、水の影響が少ないことで得ることができる。
以下に、本発明の可逆性感熱記録材料について詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録材料は、支持体の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより該染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆性顕色剤とを少なくとも含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、可逆性記録材料の該記録層の反対側に、リチウム塩系帯電防止剤と活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を設けたことを特徴とする。
本発明に係わる帯電防止層に含有されるリチウム塩系帯電防止剤は、カルボン酸リチウム塩である脂肪族モノカルボン酸リチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸リチウム塩などや、スルホン酸リチウム塩であるジアルキルスルホコハク酸リチウム塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩、硫酸エステルリチウム塩であるアルキル硫酸エステルリチウム塩、リン酸エステルリチウム塩であるアルキルリン酸エステルリチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸リチウム塩、窒化リチウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが挙げられるが、湿度依存性の低い帯電防止層を得るためには、特にトリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好適である。また、リチウム塩系帯電防止剤が重合性モノマーのリチウム塩、殊に(メタ)アクリル酸またはその誘導体のリチウム塩であれば、後述する活性エネルギー線で硬化され得るバインダー樹脂の構成モノマーとしても用いることができるので、好ましい。
本発明に係わる帯電防止層は活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有することが、帯電防止層の機械的強度および生産性の面から好ましい。かかるバインダー樹脂に含有される活性エネルギー線硬化性の材料としては、ポリブタジエン系化合物、不飽和ポリエステル系化合物、ポリエン−ポリチオール系などの非アクリル系のビニル基を含有する化合物の他、(メタ)アクリル系モノマー、オリゴマーおよびプレポリマーなどの(メタ)アクリル系の化合物が挙げられる。(メタ)アクリル系オリゴマーおよびプレポリマーとしては、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系、アルキッド系の(メタ)アクリレートオリゴマーおよびプレポリマーなどが挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化性のバインダー樹脂の種類は特に制限されず、複数の化合物を併用しても良いが、原料の供給のしやすさおよびコストなどのバランスから、(メタ)アクリル系化合物が好適に用いられる。
活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリル系化合物(アクリレート)としては、分子内にエーテル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミド基、ウレア基、ウレタン基、アミノ基などの極性基を含有する化合物をバインダー樹脂の構成単位の少なくとも1種として用いることがリチウム塩系帯電防止剤の分散安定化の面から好ましく、分散安定化とリチウム塩系耐電防止剤の安定性とのバランスの面からエトキシ基、プロポキシ基等のエーテル基および/またはヒドロキシル基を含有するものは特に好ましい。
例えば、単官能(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−プロパノイル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの(ポリ)カプロラクトンジオール変性物、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートの脂肪酸付加物、グリシジル(メタ)アクリレートのアルコール付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルアダマンタン等、
多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−ポリエチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、1,6−ビス〔3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル〕ヘキシルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸付加物、グリシジル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート付加物等の2官能性(メタ)アクリレート;
グリセリントリ(エトキシ(メタ)アクリレート)、グリセリントリ(プロポキシ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(プロポキシ(メタ)アクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸(メタ)アクリレートエステル等の3官能(メタ)アクリレート;更にはジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(エトキシ(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらは単独、2種以上の混合物、単独重合体、2種以上の単独重合体の混合物、共重合体およびこれらの2種以上の混合物として使用することができ、更に前記極性基を含有しないアクリレートモノマー、オリゴマーおよびプレポリマーとの化合物との混合物および共重合体として用いることもできる。
また、ヒドロキシル基を含有するオリゴマーおよびプレポリマーとしては、前記に例示したアクリレート化合物等の重合体の他にも、カルボキシル基とグリシジル基の付加反応によって生成される水酸基を含有するアクリレート系オリゴマーおよびプレポリマーを用いることができ、例えば、カルボキシル基を含有するアクリル系オリゴマーまたはポリマーのグリシジル(メタ)アクリレート付加物、グリシジル基を含有するアクリル系オリゴマーまたはポリマーの(メタ)アクリル酸付加物等を挙げることができ、より具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート重合体、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルドエポキシ等の(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられ、オリゴマーおよびプレポリマーが1分子中に平均1個以上の活性エネルギー硬化型二重結合と(メタ)アクリル酸付加反応により生成するβ位水酸基とを含有していれば良い。これらのアクリレート系オリゴマーおよびプレポリマーは、前記の(メタ)アクリル系化合物の単量体、単独重合体、2種類以上の単独重合体の混合物、共重合体およびこれらの誘導体と必要に応じて併用できる。
上記の活性エネルギー線硬化性のバインダー樹脂には、必要に応じて反応性希釈剤を含有することができる。反応性希釈剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの他にも、スチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシ末端ポリエチレングリコールスチリルエーテル、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等の分子中に不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート以外の化合物等も、反応性希釈剤として使用することができる。
本発明に係わる帯電防止層は、光ラジカル発生剤、熱ラジカル発生剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、酸無水物、有機スズ化合物、加水分解性ケイ素化合物、チオール、酸、アルカリ、水などの、硬化を促進する添加剤を含んでいても良く、これらの硬化を促進する添加剤は、帯電防止層を形成する塗工液に添加することができる。
上記の光ラジカル発生剤としては、紫外線によりラジカルを発生して重合を開始させるものであれば、特に限定されず、例えばベンゾフェノン系化合物およびチオキサントン系化合物などの水素引き抜き型光ラジカル発生剤や、ベンゾインエーテル系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α−アミノアルキルフェノン系化合物およびα−アシルフォスフィンオキサイド系化合物などの分子内開裂型光ラジカル発生剤に例示されるような材料を用いることができ、具体的には、「イルガキュア184」、「イルガキュア500」、「イルガキュア907」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)等の市販品を用いることができる。
本発明に係わる帯電防止層に含有されるリチウム塩系帯電防止剤の含有量は1〜40質量%であり、好ましくは5〜30質量%で充分な帯電防止性能が得られる。1質量%未満の場合は、帯電防止性能が不充分である。また、40質量%を超えて含有させても、帯電防止性能は頭打ちとなり、リチウム塩系帯電防止剤によるコストアップおよび帯電防止層の着色による外観品質への影響から好ましくない場合がある。
本発明に係わる帯電防止層を形成するための塗工液には、必要に応じて溶剤等の分散媒を用いることもできる。該分散媒としては、特に限定されず公知のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を用いることができる。塗工液中の分散安定性の点より、アルコール類および/またはケトン類が好ましい。なお、これらの分散媒は1種を単独で使用することもできるし、または2種以上を併用して使用することもできる。
本発明に係わる帯電防止層を形成するための塗工液を製造する方法としては、リチウム塩系帯電防止剤を活性エネルギー線硬化性のバインダー樹脂および溶剤などの分散媒に分散する方法が用いられる。分散方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。例えば、高速インペラー撹拌機、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を使用した分散や、超音波分散等が挙げられる。
本発明に係わる帯電防止層に硬化処理を行うための活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合には、光源としてキセノンランプや高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整される。なお、高圧水銀灯を使用する場合には、通常60〜160W/cm程度の光量のランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合には、通常10〜300kVの加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分で硬化させるのが好ましい。
本発明に係わる帯電防止層の膜厚は、乾燥硬化された状態で0.1〜30μmの範囲が好ましく、0.5〜25μmがより好ましい。膜厚が0.1μmに満たないと帯電防止性能が不充分になることがあり、30μmを超えると帯電防止層が着色してくる傾向がある。
本発明に用いられる支持体は、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができ、透明、半透明あるいは不透明のいずれであっても良い。また、内部に空洞を持たない構造、あるいは内部に空洞を含有する構造のいずれであっても良い。合成樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムが耐熱性の点で好ましい。
本発明に用いられるポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリキシリレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のフィルムが挙げられる。好ましいポリエステルフィルムとしては、強靱性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、透明性、電気絶縁性に優れるPETフィルムまたはPENフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂フィルム内に空洞を含有しても良く、表面にコロナ処理等により易接着加工が施されていても良い。
本発明に係わる可逆性感熱記録層には、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆性顕色剤とを少なくとも含有する可逆性感熱記録層等が用いられる。また、可逆性感熱記録層は発色色調の異なる可逆性感熱記録層を複数層重ねても良い。
本発明に係わる通常無色ないし淡色の染料前駆体に可逆的な色調変化を与える可逆性顕色剤は、加熱による画像形成だけでなく、記録画像の消去も考慮された顕色剤であり、可逆性顕色剤を使用した感熱記録層は繰り返し表示内容を書き換えることが可能である。可逆性顕色剤としては下記一般式1で示される化合物が好ましく使用されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式1において、X1及びX2はそれぞれ同じであっても、異なっても良い酸素原子、硫黄原子または両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を表す。R1は単結合または炭素数1から12の二価の炭化水素基を表す。R2は炭素数1から18の二価の炭化水素基を表す。好ましくは炭素数1から4の二価の炭化水素基である。R3は炭素数1から50の一価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6から36の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数8から24の炭化水素基である。R1及びR2は主として、アルキレン基またはアルケニレン基を表し、R3は主としてアルキル基またはアルケニル基を表す。R2は、炭素数が1から18の範囲内であれば芳香環を含んでいても良い。fは0から4の整数を表し、fが2以上のとき繰り返されるR2及びX2は同一であっても異なっていても良い。
一般式1中のX1、X2は両末端に炭化水素原子団を含まない−CONH−結合を最小構成単位とする二価の基を含むが、その具体例としては、アミド(−CONH−、−NHCO−)、尿素(−NHCONH−)、ジアシルアミン(−CONHCO−)、ジアシルヒドラジン(−CONHNHCO−)、しゅう酸ジアミド(−NHCOCONH−)、アシル尿素(−CONHCONH−、−NHCONHCO−)、セミカルバジド(−NHCONHNH−、−NHNHCONH−)、アシルセミカルバジド(−CONHNHCONH−、−NHCONHNHCO−)、ジアシルアミノメタン(−CONHCH2NHCO−)、1−アシルアミノ−1−ウレイドメタン(−CONHCH2NHCONH−、−NHCONHCH2NHCO−)、マロンアミド(−NHCOCH2CONH−)、3−アシルカルバジン酸エステル(−CONHNHCOO−、−OCONHNHCO−)等の基が挙げられるが、好ましくはアミド、尿素、ジアシルヒドラジン、しゅう酸ジアミド、アシルセミカルバジドである。
本発明に係わる可逆性顕色剤の具体的な例としては以下の構造式(1−1)から構造式(1−16)に挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
可逆性顕色剤の具体例の中で、特に好ましい化合物は(1−3)、(1−4)、(1−5)、(1−6)、(1−7)、(1−9)及び(1−16)である。
本発明に係わる可逆性顕色剤はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用しても良く、通常無色ないし淡色の染料前駆体に対する使用量は、5〜5000質量%、好ましくは10〜3000質量%である。
本発明に用いられる通常無色ないし淡色の染料前駆体としては、一般に感圧記録紙や感熱記録紙等に用いられるものを用いることができる。具体例としては、例えば下記に挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、これら染料前駆体は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用しても良い。
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−メチルアニリノ)フルオラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)トリルアミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−メチルアニリノ)フルオラン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)イソアミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル)シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル)テトラヒドロフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等が挙げられる。
本発明で用いられる可逆性感熱記録層を得るために使用されるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、ポリスチレン、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等及びこれらの水酸基、カルボキシル基がイソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等の架橋剤と反応し、硬化するポリウレタン等の熱架橋性樹脂が挙げられ、更に電子線架橋性樹脂、紫外線架橋性樹脂などの活性エネルギー線硬化性の樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオール樹脂をイソシアネート化合物で架橋して得られる熱架橋性樹脂が好ましい。
可逆性感熱記録層におけるバインダーの使用量としては、該可逆性感熱記録層全質量に対する該バインダー成分の質量百分率が35%以上65%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲より大きくなると著しく発色濃度が低下し、逆にこの範囲より小さくなると可逆性感熱記録層の耐熱性や機械的強度が低下し、層の変形や発色濃度の低下が起きる。可逆性感熱記録層における該バインダー成分の質量百分率は、40%以上60%以下がより好ましく、45%以上55%以下がなお一層好ましい。
また、可逆性感熱記録層の発色感度及び消色温度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆性感熱記録層中に含有させることができる。60〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80〜180℃の融点を有するものが好ましい。一般の感熱記録紙に用いられている増感剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等のワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、しゅう酸ジベンジル、しゅう酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはしゅう酸ジエステル誘導体等を併用して添加することができる。
本発明に係わる可逆性感熱記録層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、3〜15μmがより好ましい。
本発明の可逆性感熱記録材料の層構成は、少なくとも支持体上の可逆性感熱記録層と該可逆性感熱記録層の反対側に形成される帯電防止層からなるが、必要に応じて、保護層、各層の間に中間層を設けることや、支持体と可逆性感熱記録層の間に下引き層を設けることもできる。さらに、可逆性感熱記録層が設けられている面及び/または反対側の面に、電気的、磁気的、光学的に情報が記録可能な材料を含んでも良い。
本発明に係わる帯電防止層を可逆性感熱記録層に対して反対側の面の最表層に設ける場合、支持体上に直接設けても良いし、帯電防止層と支持体との間に下引き層や、磁気記録層、およびカール防止を目的としたバックコート層などを設けても良い。
可逆性感熱記録層、保護層、必要に応じて用いる中間層や下引き層のいずれの層において、ブロッキング防止のために、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、澱粉粒、尿素−ホルマリン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン粒子等の顔料や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、単独もしくは2種以上含有させることができる。また、レベリング剤、分散剤、界面活性剤、蛍光染料等を1種以上含有させることもできる。
本発明に係わる保護層としては、硬化性樹脂を主成分とし、顔料等を含有していても良い。硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、水酸基やカルボキシル基等の架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または水酸基やカルボキシル基等を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂等が挙げられる。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂が特に好ましい。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類等が挙げられる。
電子線及び紫外線硬化性樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等が挙げられるが、特に紫外線硬化の際には光重合開始剤、光重合促進剤を用いても良い。
アクリル系モノマーの例としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等が挙げられる。
保護層の厚みは0.5〜10μmが好ましい。これより薄いと記録画像の形成と消去を多数回にわたって繰り返すことができない場合があり、また厚いと記録感度が低下することがある。保護層は2層以上の多層構成であっても良い。
また、可逆性感熱記録層、保護層、必要に応じて用いる中間層や下引き層のいずれの層においても各種添加剤を添加することができる。添加剤の例としては、レベリング剤、分散剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、硬膜剤、防腐剤、フィラー、着色染顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、pH調節剤、消泡剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−シアノ−3,3―ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル系紫外線吸収剤、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、または2種類以上を併用しても良い。
酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β′−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等の硫黄系酸化防止剤、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド等のりん系酸化防止剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、または2種類以上を併用しても良い。
本発明の可逆性感熱記録材料を構成する帯電防止層および前記の各層を支持体上に形成する方法は特に制限されるものではなく、公知の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアロールおよびトランスファロールコーター、ロールコーター、コンマコーター、スムージングコーター、マイクログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップコーター、ロッドコーター、キスコーター、ゲートロールコーター、スクイズコーター、スライドコーター、ダイコーター等の塗工装置や、平板、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等を用いることができる。さらにこれらの方法には乾燥工程の他、加熱エージング工程や、紫外線照射・電子線などの活性エネルギー線照射工程により各層を硬化させることもできる。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に塗工、印刷することができる。
可逆性感熱記録材料の支持体を複層として、その層間にICチップを封入することもできる。このような場合は、例えば、プラスチックフィルムの層間または紙基材とプラスチックフィルムの層間に封入することができる。好ましくは、可逆性感熱記録層から離れた層間に封入することが印字品質の点で好ましい。非接触のICチップを封入する場合は、アンテナと共に封入することができる。封入する際の圧力によりICチップが破損することを防ぐ目的で、クッション層を設けることができる。クッション層の厚みとしては、10μmに満たないとクッション性が不充分であるため10μm以上が好ましい。また、ICチップとアンテナとの接合部に負荷がかかるため、クッション層の面積はICチップとアンテナ接合部を十分覆い隠せる大きさが好ましい。クッション層は、片面もしくは両面に設けることができる。両面にクッション層を設けることがより好ましい。クッション層としては、熱可塑性の樹脂が好ましく、発泡樹脂であれば、よりクッション性が良いため、ICチップの破損を防ぐことができる。
本発明の可逆性感熱記録材料において、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急速な冷却が起これば良く、記録画像の消去を行うためには加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に直ちに冷却するため、発色状態を保持させることができる。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、およびタングステンランプやハロゲンランプ等の光源等からの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、記録層だけでなく支持体等も加熱されるために熱源を除いても冷却する速度が遅いため消色状態になる。従って、同じ加熱温度、同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することにより発色状態および消色状態を任意に発現させることができる。
加熱に使用するレーザーとしては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーを挙げることができるが、これらに限定されない。半導体レーザー、YAGレーザーによる加熱を効率よく行うためには、可逆性感熱記録層中に近赤外部に吸収を有する光熱変換材料を含有させるか、あるいは、光熱変換材料を含有する光熱変換層を可逆性感熱記録層に直接隣接して設けることが好ましい。近赤外部に吸収を有する光熱変換材料としては、例えば白金、チタン、シリコン、クロム、ニッケル、ゲルマニウム、アルミニウム等の金属または半金属の層、インモニウム化合物、金属錯体化合物、シアニン色素、スクワリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の部数および百分率は、特に断りがない場合、質量基準である。
(1)可逆性感熱記録層塗工液の調製
染料前駆体として3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、可逆性顕色剤として例示化合物(1−3)を100部、バインダーとしてポリエステルポリオール(商品名「タケラックU−21」、不揮発分70%、酸価<4.2、樹脂OH価350mgKOH/g、三井化学ポリウレタン(株)製)100部、メチルエチルケトン溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間粉砕し分散液を得た。この分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学ポリウレタン(株)製)144部を加えてよく混合し、可逆性感熱記録層塗工液を調製した。
染料前駆体として3−(ジ−n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、可逆性顕色剤として例示化合物(1−3)を100部、バインダーとしてポリエステルポリオール(商品名「タケラックU−21」、不揮発分70%、酸価<4.2、樹脂OH価350mgKOH/g、三井化学ポリウレタン(株)製)100部、メチルエチルケトン溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで24時間粉砕し分散液を得た。この分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学ポリウレタン(株)製)144部を加えてよく混合し、可逆性感熱記録層塗工液を調製した。
(2)中間層塗工液の調製
紫外線吸収剤(商品名「チヌビン328」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50部、ポリエステルポリオール(商品名「バーノック11−408」、不揮発分70%、DIC(株)製)100部、メチルエチルケトン溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。こうして得た分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学ポリウレタン(株)製)140部を加えてよく混合し、中間層塗工液を調製した。
紫外線吸収剤(商品名「チヌビン328」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50部、ポリエステルポリオール(商品名「バーノック11−408」、不揮発分70%、DIC(株)製)100部、メチルエチルケトン溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで5時間粉砕し分散液を得た。こうして得た分散液にイソシアネート化合物(商品名「タケネートD−110N」、不揮発分75%、三井化学ポリウレタン(株)製)140部を加えてよく混合し、中間層塗工液を調製した。
(3)保護層塗工液の調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して保護層塗工液を得た。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で20%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して保護層塗工液を得た。
(4)塗工液Aの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が1%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Aを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が1%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Aを調製した。
(5)塗工液Bの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が5%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Bを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が5%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Bを調製した。
(6)塗工液Cの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Cを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Cを調製した。
(7)塗工液Dの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が40%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Dを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウム塩系帯電防止剤(商品名「サンコノールA600−50R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が40%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Dを調製した。
(8)塗工液Eの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名「サンコノール0862−20R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Eを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名「サンコノール0862−20R」、不揮発分50%、三光化学工業(株)製)を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Eを調製した。
(9)塗工液Fの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して塗工液Fを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して塗工液Fを調製した。
(10)塗工液Gの調製
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、第4級アンモニウム塩系帯電防止剤(商品名「サフトマーST−2100」、不揮発分40%、三菱化学(株))を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Gを調製した。
紫外線硬化性のアクリレート化合物を含有する塗工剤(商品名「ビームセット3702」、荒川化学工業(株)製、不揮発分59%)169部、シリカ粒子(商品名「アエロジル300」、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)10部、酢酸エチル溶媒で40%に希釈した混合物をガラスビーズと共にペイントシェーカーで4時間粉砕して、第4級アンモニウム塩系帯電防止剤(商品名「サフトマーST−2100」、不揮発分40%、三菱化学(株))を全固形分中の帯電防止剤含有量が30%になるように加え、ホモジナイザーで攪拌混合し、塗工液Gを調製した。
実施例1
可逆性感熱記録材料の作製
(1)で調製した可逆性感熱記録層塗工液を、厚さ125μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥膜厚が10μmとなるように塗工し、120℃で1分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を形成した。可逆性感熱記録層上に、(2)で調製した中間層塗工液を、乾燥膜厚が1μmとなるように塗工し、120℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、中間層を形成した。中間層上に、(3)で調製した保護層塗工液を乾燥硬化後の膜厚が3μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化後、更に50℃にて48時間加温し保護層を形成した。(4)で調整した塗工液Aを可逆性感熱記録層と反対側の面に乾燥硬化後の膜厚が5μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて帯電防止層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
可逆性感熱記録材料の作製
(1)で調製した可逆性感熱記録層塗工液を、厚さ125μmの白色ポリエチレンテレフタレート(PET)シートに、乾燥膜厚が10μmとなるように塗工し、120℃で1分乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、可逆性感熱記録層を形成した。可逆性感熱記録層上に、(2)で調製した中間層塗工液を、乾燥膜厚が1μmとなるように塗工し、120℃で1分間乾燥後、さらに50℃にて48時間加温し、中間層を形成した。中間層上に、(3)で調製した保護層塗工液を乾燥硬化後の膜厚が3μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化後、更に50℃にて48時間加温し保護層を形成した。(4)で調整した塗工液Aを可逆性感熱記録層と反対側の面に乾燥硬化後の膜厚が5μmになるように塗工し、80℃で1分間乾燥後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を10m/分の搬送速度で通して硬化させて帯電防止層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を得た。
実施例2
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Bに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Bに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例3
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Cに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Cに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例4
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Dに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Dに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
実施例5
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Eに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Eに変更した以外は、実施例1と同様にして本発明の可逆性感熱記録材料を作製した。
比較例1
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Fに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例の可逆性感熱記録材料を得た。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Fに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例の可逆性感熱記録材料を得た。
比較例2
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Gに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例の可逆性感熱記録材料を得た。
可逆性感熱記録材料の作製
実施例1における塗工液Aを塗工液Gに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例の可逆性感熱記録材料を得た。
以上のように作製した可逆性感熱記録材料について評価試験を行った。結果は表1に示すとおりとなった。各評価項目は、下記のように実施した。
[表面抵抗率]
実施例および比較例の可逆性感熱記録材料の表面抵抗率を、抵抗率測定セル(商品名「16008A」、横川ヒューレットパッカード(株)製)を接続した高抵抗率測定器(商品名「4329A」、横川ヒューレットパッカード(株)製)で測定した。印加電圧は100Vとし、加電時間は60秒とした。測定は可逆性感熱記録材料の反対面(ウラ面)に対して行った。測定環境を23℃、50%RH(相対湿度)と23℃、20%RHの2環境で実施した。
実施例および比較例の可逆性感熱記録材料の表面抵抗率を、抵抗率測定セル(商品名「16008A」、横川ヒューレットパッカード(株)製)を接続した高抵抗率測定器(商品名「4329A」、横川ヒューレットパッカード(株)製)で測定した。印加電圧は100Vとし、加電時間は60秒とした。測定は可逆性感熱記録材料の反対面(ウラ面)に対して行った。測定環境を23℃、50%RH(相対湿度)と23℃、20%RHの2環境で実施した。
[シートの貼り付き難さ]
プリンター(商品名「B−SX8R−TS15」、東芝TEC(株)製)を用いて同一の可逆性感熱記録材料のA4シート10枚を連続して消去印字を行った。ここで消去印字とは、可逆性感熱記録材料に対して最初に消去、次いで印字の順に処理をして画像が書き換えられるもので、消去は熱ロール、印字は約305dpiのサーマルヘッドで行う。条件は消去温度170℃、印字速度2インチ/秒とした。消去印字が終了したシートは、印字面(オモテ側)とその反対面(ウラ側)が互いに密着するように重ね合わせた。10分間静置後、重ね合わせたシートを1枚ずつに引き離し、引き離し時の引き離し易さを評価した。消去印字から評価までは、23℃、50%RHと23℃、20%RHの2環境で行った。結果を表1の貼り付き難さの欄に示した。表1中、◎は全く貼り付かない、○はやや貼り付きがあるものの、容易に引き離すことができる、△は引き離す際にやや抵抗感がある、×は引き離し時の抵抗が大きいことを示す。
プリンター(商品名「B−SX8R−TS15」、東芝TEC(株)製)を用いて同一の可逆性感熱記録材料のA4シート10枚を連続して消去印字を行った。ここで消去印字とは、可逆性感熱記録材料に対して最初に消去、次いで印字の順に処理をして画像が書き換えられるもので、消去は熱ロール、印字は約305dpiのサーマルヘッドで行う。条件は消去温度170℃、印字速度2インチ/秒とした。消去印字が終了したシートは、印字面(オモテ側)とその反対面(ウラ側)が互いに密着するように重ね合わせた。10分間静置後、重ね合わせたシートを1枚ずつに引き離し、引き離し時の引き離し易さを評価した。消去印字から評価までは、23℃、50%RHと23℃、20%RHの2環境で行った。結果を表1の貼り付き難さの欄に示した。表1中、◎は全く貼り付かない、○はやや貼り付きがあるものの、容易に引き離すことができる、△は引き離す際にやや抵抗感がある、×は引き離し時の抵抗が大きいことを示す。
表1から明らかなように、実施例1〜5の可逆性感熱記録材料は、23℃、50%RHおよび23℃、20%RHの2環境下で、帯電防止層を設けた面の表面抵抗率が1012Ω/□未満であり、帯電防止特性として充分な値を示した。また、シート同士が貼り付き難く、少ない力で引き剥がすことができた。
本発明の可逆性感熱記録材料は、静電気による帯電を防ぐことにより、画像形成装置における搬送不良、印字不良が少ない可逆性感熱記録材料として利用することができるだけでなく、安全に優れた可逆性感熱記録材料としてより幅広い利用が可能となる。
Claims (1)
- 支持体上の少なくとも片面に、通常無色ないし淡色の染料前駆体と、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に可逆的な色調変化を生じさせる可逆性顕色剤とを少なくとも含有する可逆性感熱記録層を設けた可逆性感熱記録材料において、可逆性感熱記録材料の該記録層の反対側に、リチウム塩系帯電防止剤と活性エネルギー線で硬化されたバインダー樹脂を含有する帯電防止層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013037513A JP2014162194A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 可逆性感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013037513A JP2014162194A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 可逆性感熱記録材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014162194A true JP2014162194A (ja) | 2014-09-08 |
Family
ID=51613258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013037513A Pending JP2014162194A (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 可逆性感熱記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014162194A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017030041A1 (ja) * | 2015-08-14 | 2017-08-24 | 大阪ガスケミカル株式会社 | 機能発現粒子およびその製造方法 |
-
2013
- 2013-02-27 JP JP2013037513A patent/JP2014162194A/ja active Pending
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JPWO2017030041A1 (ja) * | 2015-08-14 | 2017-08-24 | 大阪ガスケミカル株式会社 | 機能発現粒子およびその製造方法 |
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