JP2014160849A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示装置の製造方法の簡略化等を課題の一とする。
【解決手段】薄膜トランジスタの作製工程において、第1の導電膜と、絶縁膜と、半導体
膜と、不純物半導体膜と第2の導電膜をこの順に積層した積層体を形成し、第1のエッチ
ングにより第1の導電膜を露出させ、第2のエッチングにより第1の導電膜のパターンを
形成する。また、薄膜トランジスタの形成後、薄膜トランジスタなどに起因する凹凸を緩
和するようにカラーフィルタ層を形成することで、画素電極層の被形成面の段差を低減す
る。または、薄膜トランジスタなどに起因する凹凸を利用して、選択的にカラーフィルタ
層を形成する
【選択図】図3

Description

液晶表示装置及びその製造方法、該液晶表示装置を用いた電子機器に関する。
近年、ガラス基板等の絶縁性表面を有する基板上に形成された、厚さ数nm〜数百nm
程度の半導体薄膜により構成される薄膜トランジスタが注目されている。薄膜トランジス
タは、集積回路(IC:Integrated Circuit)や電気光学装置などの
電子デバイスに広く応用されている。薄膜トランジスタは、特に、液晶表示装置やEL(
Electro Luminescence)表示装置などに代表される画像表示装置の
スイッチング素子として開発が急がれている。アクティブマトリクス型液晶表示装置では
、具体的には、スイッチング素子に接続された画素電極と、該画素電極に対応する対向電
極の間に電圧が印加されることにより、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の
光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。ここで、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置とは、マトリクス状に配置された画素電極をスイッチ
ング素子により駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される方式を採用し
た液晶表示装置をいう。
上記のようなアクティブマトリクス型液晶表示装置の用途は拡大しており、該液晶表示
装置における画面の大型化、高精細化、高開口率化などの要求が高まっている。また、ア
クティブマトリクス型液晶表示装置には高い信頼性と共に、高い生産性、低い製造コスト
などが求められている。生産性を高め、製造コストを低減する方法の一つに、工程の簡略
化が挙げられる。
アクティブマトリクス型液晶表示装置では、スイッチング素子として主に薄膜トランジ
スタが用いられている。薄膜トランジスタの作製工程簡略化のためには、フォトリソグラ
フィに用いるフォトマスクの枚数を低減することが効果的である。例えばフォトマスクが
一枚増加すると、レジスト塗布、プリベーク、露光、現像、ポストベークなどの工程と、
その前後の工程における被膜の形成やエッチング工程、更にはレジスト剥離、洗浄、乾燥
工程などが必要になる。そのため、作製工程に使用するフォトマスクが一枚増加するだけ
で、工程数が大幅に増加する。このように、フォトマスクの枚数によって、工程が大幅に
簡略化され又は複雑化するため、作製工程におけるフォトマスクを低減すべく、数多くの
技術開発がなされている。
フォトマスクの枚数を低減させる従来の技術としては、裏面露光、レジストリフロー又
はリフトオフ法といった複雑な技術を用いるものが多く、また、特殊な装置を必要とする
ものが多い。このような複雑な技術を用いることで、これに起因する様々な問題が生じ、
歩留まりの低下が懸念されていた。また、薄膜トランジスタの電気的特性を犠牲にせざる
を得ないことも多かった。
薄膜トランジスタの作製工程における、フォトマスクの枚数を減らすための代表的な手
段として、多階調マスク(ハーフトーンマスク又はグレートーンマスクと呼ばれるもの)
を用いた技術が広く知られている。多階調マスクを用いて作製工程を低減する技術として
、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2003−179069号公報
薄膜トランジスタの作製工程を簡略化し、液晶表示装置の製造方法を簡略化することを
課題の一とする。または、上記製造方法により生じる問題を解決した液晶表示装置の製造
方法を提供することを課題の一とする。または、上記製造方法の特徴を有効に利用した液
晶表示装置の製造方法を提供することを課題の一とする。
上記課題を解決すべく、開示する発明では、第1の導電膜と、絶縁膜と、半導体膜と、
不純物半導体膜と第2の導電膜をこの順に積層した積層体を形成し、第1のエッチングに
より第1の導電膜を露出させ、第2のエッチングにより第1の導電膜のパターンを形成す
る。第2のエッチングの際に、第1の導電膜がサイドエッチングされることにより、第1
のエッチングにより形成されるパターン(絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜、第2の導
電膜によるパターン)と、第2のエッチングにより形成されるパターン(第2の導電膜に
よるパターン)を異ならせることができる。これにより、フォトマスクの枚数が低減され
、工程が簡略化される。また、薄膜トランジスタの形成後、薄膜トランジスタなどに起因
する凹凸を緩和するようにカラーフィルタ層を形成することで、画素電極層の被形成面の
段差を低減する。または、薄膜トランジスタなどに起因する凹凸を利用して、選択的にカ
ラーフィルタ層を形成する。より具体的な解決手段を以下に示す。
開示する発明の液晶表示装置の製造方法の一は、第1の導電膜、第1の絶縁膜、半導体
膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、第2の導電膜上に凹部を有
するレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて第1の絶縁膜、半導体膜、不純物
半導体膜及び第2の導電膜に第1のエッチングを行って少なくとも第1の導電膜を露出さ
せ、第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行ってゲート電極
層を形成し、第1のレジストマスクを後退させて(または、第1のレジストマスクの縁を
除去し、また、第1のレジストマスクの凹部を除去して)第1のレジストマスクの凹部と
重畳する領域の第2の導電膜を露出させ、後退させたレジストマスクを用いて第2の導電
膜、不純物半導体膜及び半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレ
イン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成し、レジストマスクを
除去した後、ソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導
体層を含む薄膜トランジスタを覆うように第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜上にカラ
ーフィルタ層を形成し、カラーフィルタ層上に画素電極層を形成し、カラーフィルタ層に
よって、画素電極層の被形成面の段差が低減されることを特徴としている。
また、開示する発明の液晶表示装置の製造方法の他の一は、第1の導電膜、第1の絶縁
膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、第2の導電膜上
に第1のレジストマスクを形成し、第1のレジストマスクを用いて第1の導電膜、第1の
絶縁膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜に第1のエッチングを行って少なく
とも第1の導電膜を露出させ、第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッ
チングを行ってゲート電極層を形成し、第1のレジストマスクを除去した後、第2のレジ
ストマスクを形成し、第2のレジストマスクを用いて第2の導電膜、不純物半導体膜及び
半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域
及びドレイン領域層並びに半導体層を形成し、第2のレジストマスクを除去した後、ソー
ス電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を含む薄膜ト
ランジスタを覆うように第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜上にカラーフィルタ層を形
成し、カラーフィルタ層上に画素電極層を形成し、カラーフィルタ層によって、画素電極
層の被形成面の段差が低減されることを特徴としている。
また、開示する発明の液晶表示装置の製造方法の他の一は、第1の導電膜、第1の絶縁
膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、第2の導電膜上
に凹部を有するレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて第1の絶縁膜、半導体
膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜に第1のエッチングを行って少なくとも第1の導電
膜を露出させ、第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行って
ゲート電極層を形成し、第1のレジストマスクを後退させて(または、第1のレジストマ
スクの縁を除去し、また、第1のレジストマスクの凹部を除去して)第1のレジストマス
クの凹部と重畳する領域の第2の導電膜を露出させ、後退させたレジストマスクを用いて
第2の導電膜、不純物半導体膜及び半導体膜の一部に第3のエッチングを行ってソース電
極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を形成し、レジス
トマスクを除去した後、ソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領域層
並びに半導体層を含む薄膜トランジスタを覆うように第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁
膜上に選択的にカラーフィルタ層を形成し、カラーフィルタ層上に画素電極層を形成する
ことを特徴としている。
また、開示する発明の液晶表示装置の製造方法の他の一は、第1の導電膜、第1の絶縁
膜、半導体膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜を順に積層して形成し、第2の導電膜上
に第1のレジストマスクを形成し、第1のレジストマスクを用いて第1の絶縁膜、半導体
膜、不純物半導体膜及び第2の導電膜に第1のエッチングを行って少なくとも第1の導電
膜を露出させ、第1の導電膜の一部にサイドエッチングを伴う第2のエッチングを行って
ゲート電極層を形成し、第1のレジストマスクを除去した後、第2のレジストマスクを形
成し、第2のレジストマスクを用いて第2の導電膜、不純物半導体膜及び半導体膜の一部
に第3のエッチングを行ってソース電極及びドレイン電極層、ソース領域及びドレイン領
域層並びに半導体層を形成し、第2のレジストマスクを除去した後、ソース電極及びドレ
イン電極層、ソース領域及びドレイン領域層並びに半導体層を含む薄膜トランジスタを覆
うように第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜上に選択的にカラーフィルタ層を形成し、
カラーフィルタ層上に画素電極層を形成することを特徴としている。
なお、上記において、上面に凹部を有するレジストマスクは多階調マスクを用いて形成
されることが好ましい。また、カラーフィルタ層は、印刷法、インクジェット法などを用
いて選択的に形成しても良い。
なお、サイドエッチングにより、第1の絶縁層の側面から所定の距離だけ内側に側面を
有するゲート電極層を形成することができる。また、第1のエッチングをドライエッチン
グにより行い、第2のエッチングをウエットエッチングにより行うことが好ましい。これ
は、第1のエッチングによる加工は高精度に行うことが好ましく、第2のエッチングによ
る加工はサイドエッチングを伴う必要があるためである。
上記液晶表示装置の製造方法を用いて、液晶表示装置及び液晶表示装置を有する電子機
器を提供することができる。
なお、第1の導電膜のパターンとは、例えば、ゲート電極及びゲート配線並びに容量電
極及び容量配線を形成する金属配線の上面レイアウトをいう。
なお、本明細書中において、「食刻」とは、エッチングによる加工の際の意図しないエ
ッチングをいう。すなわち、「食刻」が極力生じない条件によりエッチングを行うことが
好ましい。
なお、本明細書中において、「ゲート配線」とは、薄膜トランジスタのゲート電極に接
続される配線をいう。ゲート配線は、ゲート電極層により形成される。また、ゲート配線
は走査線と呼ばれることがある。
なお、本明細書中において、「ソース配線」とは、薄膜トランジスタのソース電極及び
ドレイン電極に接続される配線をいう。ソース配線は、ソース電極及びドレイン電極層に
より形成される。また、ソース配線は信号線と呼ばれることがある。
開示する発明により、薄膜トランジスタの作製に係る工程数を大幅に低減することがで
きる。つまり、液晶表示装置の製造工程を簡略化することができる。なお、フォトマスク
枚数の低減を目的とした従来の技術では、電気的特性を犠牲にせざるを得ないことも少な
くなかったが、開示する発明により、電気的特性を維持しつつ、薄膜トランジスタの作製
に係る工程数を低減することができる。すなわち、性能の良い液晶表示装置を、低コスト
にて提供することができる。
また、薄膜トランジスタなどに起因する凹凸を緩和するようにカラーフィルタ層を形成
することで、画素電極層の被形成面の段差を低減することができる。これにより、液晶に
印加される電圧を均一にすることができるため、配向の乱れを抑制し、良好な表示が実現
される。印刷法やインクジェット法などを用いて選択的にカラーフィルタ層を形成する場
合には、薄膜トランジスタなどに起因する凹凸(例えば、ソース配線に係る凹凸)を利用
してカラーフィルタの塗り分けを行うことができるため、カラーフィルタの塗り分け精度
が向上する。すなわち、特別な構成を採用することなく、カラーフィルタを良好に形成す
ることができる。
なお、開示する発明の一態様に係る作製方法により作製した薄膜トランジスタは、ゲー
ト電極層端部に接して空洞を有するため、ゲート電極とドレイン電極との間に生じるリー
ク電流が小さいものとなる。また、空洞が設けられることによってゲート電極端部近傍を
低誘電率化(low−k)できる。
薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図である。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図である。 アクティブマトリクス基板の接続部を説明する図である。 多階調マスクを説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 薄膜トランジスタ及び表示装置の作製方法の一例を説明する図である。 表示装置を用いた電子機器を説明する斜視図である。 表示装置を用いた電子機器を説明する図である。 表示装置を用いた電子機器を説明する図である。
発明の実施の形態について、図面を参照して以下に説明する。但し、開示する発明の一
態様は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、発明の趣旨から逸脱することなく
形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の
形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することができる。なお、以下に説明する発明
の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り
返しの説明は省略する。また、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じくし、特に
符号を付さない場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、液晶表示装置の製造方法の一例について、図1乃至図25を参照し
て説明する。
なお、図16乃至図20には本実施の形態に係る薄膜トランジスタの平面図を示し、図
20は画素電極まで形成した図である。図1乃至図3は、図16乃至図20に示すA−A
’における断面図である。図4乃至図6は、図16乃至図20に示すB−B’における断
面図である。図7乃至図9は、図16乃至図20に示すC−C’における断面図である。
図10乃至図12は、図16乃至図20に示すD−D’における断面図である。図13乃
至図15は、図16乃至図20に示すE−E’における断面図である。
まず、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不
純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これらの膜は、単層で形成して
もよいし、複数の膜を積層した積層膜であってもよい。
基板100には、絶縁性基板を用いることができる。絶縁性基板には、例えば、ガラス
基板や石英基板がある。本実施の形態においては、基板100としてガラス基板を用いる
第1の導電膜102は、導電性材料により形成する。第1の導電膜102は、例えば、
チタン、モリブデン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、
ニオブ若しくはスカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料等の導電性
材料を用いて形成することができる。ただし、後の工程(第1の絶縁膜104の形成等)
に耐えうる程度の耐熱性は必要であり、後の工程(第2の導電膜110のエッチング等)
で食刻又は腐食されにくい材料を選択することを要する。この限りにおいて、第1の導電
膜102は特定の材料に限定されるものではない。
なお、第1の導電膜102は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又は
プラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定
されるものではない。
第1の絶縁膜104は、ゲート絶縁膜として機能するものであり、絶縁性材料により形
成する。第1の絶縁膜104は、例えば、シリコンの酸化膜、窒化膜、酸化窒化膜、窒化
酸化膜等を用いて形成することができる。ただし、第1の導電膜102と同様に、ある程
度の耐熱性が必要であり、後の工程にて食刻又は腐食されにくい材料を選択することを要
する。この限りにおいて、第1の絶縁膜104は特定の材料に限定されるものではない。
なお、第1の絶縁膜104は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を
含む)又はスパッタリング法等により形成することができるが、特定の方法に限定される
ものではない。
半導体膜106は、半導体材料により形成する。半導体膜106は、例えば、シランガ
スにより形成される非晶質シリコン等を用いて形成することができる。ただし、第1の導
電膜102等と同様に、ある程度の耐熱性が必要であり、後の工程において食刻又は腐食
されにくい材料を選択することを要する。この限りにおいて、半導体膜106は特定の材
料に限定されるものではない。従って、ゲルマニウム等を用いても良い。なお、半導体膜
106の結晶性についても特に限定されない。
なお、半導体膜106は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等を含む
)又はスパッタリング法等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定され
るものではない。
不純物半導体膜108は、一導電性を付与する不純物元素を含む半導体膜であり、一導
電性を付与する不純物元素が添加された半導体材料ガス等により形成される。例えば、フ
ォスフィン(化学式:PH)又はジボラン(化学式:B)を含むシランガスを用
いて形成される、リンまたはボロンを含むシリコン膜である。ただし、第1の導電膜10
2等と同様に、ある程度の耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されにくい材料
を選択することを要する。この限りにおいて、不純物半導体膜108は、特定の材料に限
定されるものではない。なお、不純物半導体膜108の結晶性についても特に限定される
ものではない。
なお、n型の薄膜トランジスタを作製する場合には、添加する一導電性を付与する不純
物元素として、リン又はヒ素等を用いればよい。すなわち、不純物半導体膜108の形成
に用いるシランガスにはフォスフィン又はアルシン(化学式:AsH)等を所望の濃度
で含ませればよい。または、p型の薄膜トランジスタを作製する場合には、添加する不純
物元素として、ボロン等を用いればよい。すなわち、不純物半導体膜108の形成に用い
るシランガスにはジボラン等を所望の濃度で含ませればよい。
なお、不純物半導体膜108は、例えばCVD法(熱CVD法又はプラズマCVD法等
を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定されるものではない
第2の導電膜110は、導電性材料(第1の導電膜102として列挙した材料等)であ
って、第1の導電膜102とは異なる材料により形成する。ここで、「異なる材料」とは
、主成分が異なる材料をいう。具体的には、後に説明する第2のエッチングによりエッチ
ングされにくい材料を選択すればよい。また、第1の導電膜102等と同様に、ある程度
の耐熱性が必要であり、後の工程で食刻又は腐食されにくい材料を選択することを要する
。従って、この限りにおいて、第2の導電膜110は特定の材料に限定されるものではな
い。
なお、第2の導電膜110は、例えばスパッタリング法又はCVD法(熱CVD法又は
プラズマCVD法等を含む)等により形成することができる。ただし、特定の方法に限定
されるものではない。
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク112を形成する(図1(A)、
図4(A)、図7(A)、図10(A)、図13(A)を参照)。第1のレジストマスク
112は凹部又は凸部を有するレジストマスクである。厚さの異なる(ここでは二種類の
厚さ)複数の領域からなるレジストマスクということもできる。以下において、第1のレ
ジストマスク112の厚い部分を第1のレジストマスク112の凸部と呼び、薄い部分を
第1のレジストマスク112の凹部と呼ぶこととする。
第1のレジストマスク112において、後にソース電極及びドレイン電極層が形成され
る領域には凸部が形成され、後にソース電極及びドレイン電極層を有さず、半導体層が露
出して形成される領域には凹部が形成される。
第1のレジストマスク112は、多階調マスクを用いることで形成することができる。
ここで、多階調マスクについて図25を参照して以下に説明する。
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には
、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行う。多階調マスクを用
いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有す
るレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フ
ォトマスクの枚数を削減することができる。
図25(A−1)及び図25(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図である。図
25(A−1)にはグレートーンマスク140を示し、図25(B−1)にはハーフトー
ンマスク145を示している。
図25(A)に示すグレートーンマスク140は、透光性を有する基板141上に遮光
膜により形成された遮光部142、及び遮光膜のパターンにより設けられたスリット部1
43で構成されている。
スリット部143は露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット(ド
ットやメッシュ等を含む)を有することで、光の透過率を制御する。なお、スリット部1
43に設けられるスリットは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであっても
よい。
透光性を有する基板141としては、石英等を材料とする基板を用いることができる。
遮光部142及びスリット部143を構成する遮光膜は、金属材料を用いて形成すればよ
く、好ましくはクロム又は酸化クロム等により形成される。
グレートーンマスク140に露光のための光を照射した場合、図25(A−2)に示す
ように、遮光部142に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部142及びス
リット部143が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、スリッ
ト部143における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、スリットの間隔等により
調整可能である。
図25(B−1)に示すハーフトーンマスク145は、透光性を有する基板146上に
半透光膜により形成された半透光部147、及び遮光膜により形成された遮光部148で
構成されている。
半透光部147は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の
材料を用いて形成することができる。遮光部148は、グレートーンマスクの遮光膜と同
様の金属材料を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により形成さ
れる。
ハーフトーンマスク145に露光するための光を照射した場合、図25(B−2)に示
すように、遮光部148に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部148また
は半透光部147が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、半透
光部147における透光率は、概ね10%〜70%の範囲であり、用いる材料やその膜厚
等により調整可能である。
多階調マスクを用いて露光し、現像を行うことで、膜厚の異なる領域を有する第1のレ
ジストマスク112を形成することができる。
次に、第1のレジストマスク112を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1
の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110をエッ
チングし、薄膜積層体114を形成する(図1(B)、図4(B)、図7(B)、図10
(B)、図13(B)、図16を参照)。このとき、少なくとも第1の導電膜102を露
出させることが好ましい。本明細書において、このエッチング工程を第1のエッチングと
よぶ。第1のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングのいずれかを用い
ればよいが、異方性の高いエッチング法により行うことが好ましい。第1のエッチングに
異方性の高いエッチング法を用いることで、パターンの加工精度を向上させることができ
る。なお、第1のエッチングをドライエッチングにより行う場合には、一の工程にて行う
ことが可能であるが、第1のエッチングをウエットエッチングにより行う場合には、複数
の工程により第1のエッチングを行うことになる。従って、第1のエッチングには、ドラ
イエッチングを用いることが好ましい。
次に、第1のレジストマスク112を用いて第2のエッチングを行う。すなわち、第1
の導電膜102をエッチングし、ゲート電極層116を形成する(図1(C)、図4(C
)、図7(C)、図10(C)、図13(C)、図17を参照)。本明細書において、こ
のエッチング工程を第2のエッチングとよぶ。
なお、ゲート電極層116は、ゲート配線、容量配線、支持部を構成しているが、ゲー
ト電極層116Aと表記する場合にはゲート配線を構成するゲート電極層を指し、ゲート
電極層116B又はゲート電極層116Dと表記する場合には支持部を構成するゲート電
極層を指し、ゲート電極層116Cと表記する場合には容量配線を構成するゲート電極層
を指す。そして、これらを総括してゲート電極層116と呼ぶ。
第2のエッチングは、第1の導電膜102により形成されるゲート電極層116の側面
が、薄膜積層体114の側面より内側に形成されるエッチング条件により行う。換言すれ
ば、ゲート電極層116の側面が、薄膜積層体114の底面に接して形成されるようにエ
ッチングを行う(A−A’断面においてゲート電極層116の幅が薄膜積層体114の幅
より小さくなるようにエッチングを行う)。ゲート電極層116の側面が、パターニング
された第1の絶縁膜104(すなわちゲート絶縁層)などの側面より内側に形成されると
言っても良い。更には、第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第
1の導電膜102に対するエッチングレートが大きい条件により行う。換言すると、第2
の導電膜110に対する第1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件により行う
。このような条件で第2のエッチングを行うことにより、ゲート電極層116を形成する
ことができる。
第2のエッチングは、ドライエッチング又はウエットエッチングのいずれかを用いれば
よいが、等方性のエッチングが支配的なエッチング法(化学的エッチング)により行うこ
とが好ましい。第2のエッチングに等方性のエッチングが支配的なエッチング法(化学的
エッチング)を用いることで、第1の導電膜をサイドエッチングすることができる。すな
わち、第2のエッチングには、ウエットエッチングを用いることが好ましい。
なお、ゲート電極層116の側面の形状は特に限定されない。例えば、テーパ形状であ
っても良い。ゲート電極層116の側面の形状は、第2のエッチングにおいて用いる薬液
等の条件によって決められるものである。
ここで、「第2の導電膜110に対するエッチングレートが小さく、且つ第1の導電膜
102に対するエッチングレートが大きい条件」、又は「第2の導電膜110に対する第
1の導電膜102のエッチング選択比が大きい条件」とは、以下の第1の要件及び第2の
要件を満たすものをいう。
第1の要件は、ゲート電極層116が必要な箇所に残存することである。ゲート電極層
116の必要な箇所とは、図17乃至図20に点線で示される領域をいう。すなわち、第
2のエッチング後に、ゲート電極層116がゲート配線、容量配線及び支持部を構成する
ように残存することが必要である。ゲート電極層がゲート配線及び容量配線を構成するた
めには、これらの配線が断線しないように第2のエッチングを行う必要がある。図1及び
図20に示されるように、薄膜積層体114の側面から間隔dだけ内側にゲート電極層
116の側面が形成されることが好ましく、間隔dは実施者がレイアウトに従って適宜
設定すればよい。
第2の要件は、ゲート電極層116により構成されるゲート配線及び容量配線の幅d
、並びにソース電極及びドレイン電極層120Aにより構成されるソース配線の最小幅d
が適切なものとなることである(図20を参照)。第2のエッチングによりソース電極
及びドレイン電極層120Aがエッチングされるとソース配線の最小幅dが小さくなり
、ソース配線の電流密度が過大となり、電気的特性が低下するためである。そのため、第
2のエッチングは、第1の導電膜102のエッチングレートが過大にならず、且つ第2の
導電膜110のエッチングレートが可能な限り小さい条件で行う。加えて、後に説明する
第3のエッチングにおける第1の導電膜102のエッチングレートが可能な限り小さい条
件で行う。
また、ソース配線の最小幅dは大きくすることが困難である。ソース配線の最小幅d
はソース配線と重畳する半導体層の最小幅dにより決まり、ソース配線の最小幅d
を大きくするためには半導体層の最小幅dを大きくせねばならず、隣接するゲート配線
と容量配線とを絶縁させることが困難になるためである。開示する発明において、半導体
層の最小幅dは、前記した間隔dの概ね2倍よりも小さくする。換言すると、間隔d
は半導体層の最小幅dの約半分よりも大きくする。
なお、ソース配線と重畳する半導体層の幅を最小幅dとする部分は、ゲート配線と、
該ゲート配線と互いに隣接する容量配線との間に少なくとも一箇所あればよい。好ましく
は、図20に示すように、ゲート配線に隣接する領域及び容量配線に隣接する領域の半導
体層の幅を最小幅dとすればよい。
なお、ソース電極及びドレイン電極層により形成される、画素電極層と接続される部分
の電極の幅はソース配線の最小幅dとすることが好ましい。
上述のように、開示する発明において、サイドエッチングを伴う条件により第2のエッ
チングを行うことは非常に重要である。第2のエッチングが第1の導電膜102のサイド
エッチングを伴うことによって、ゲート電極層116により構成される、隣接するゲート
配線と容量配線とを絶縁させることができるためである(図17を参照)。
ここで、サイドエッチングとは、被エッチング膜の厚さ方向(基板面に垂直な方向又は
被エッチング膜の下地膜の面に垂直な方向)のみならず、厚さ方向に対して垂直な方向(
基板面に平行な方向又は被エッチング膜の下地膜の面に平行な方向)にも被エッチング膜
が削られるエッチングをいう。サイドエッチングされた被エッチング膜の端部は、被エッ
チング膜に対するエッチングガス又はエッチングに用いる薬液のエッチングレートによっ
て様々な形状となるように形成されるが、端部が曲面となるように形成されることが多い
なお、図17に示すように、第1のエッチングにより形成される薄膜積層体114は、
ゲート電極層116B及びゲート電極層116Dにより構成される支持部に接する部分で
は細くなるように設計される(図17において両矢印で示す部分を参照)。このような構
造とすることで、第2のエッチングによりゲート電極層116Aと、ゲート電極層116
B又はゲート電極層116Dとを分断して絶縁させることができる。
なお、図17に示すゲート電極層116B及びゲート電極層116Dは、薄膜積層体1
14を支える支持部として機能する。支持部を有することで、ゲート電極層より上に形成
されるゲート絶縁膜等の膜剥がれを防止することができる。更には支持部を設けることで
、第2のエッチングによりゲート電極層116に接して形成される、空洞の領域が必要以
上に広くなることを防止できる。なお、支持部を設けることで、薄膜積層体114が自重
によって破壊され、又は破損することをも防止でき、歩留まりが向上するため好ましい。
ただし、開示する発明の一態様は支持部を有する形態に限定されず、支持部を有しない構
成とすることもできる。支持部を有しない形態の平面図(図20に対応)の一例を図21
に示す。
以上のように、第2のエッチングは、ウエットエッチングにより行うことが好ましい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、第1の導電膜102として
アルミニウム又はモリブデンを形成し、第2の導電膜110としてチタン又はタングステ
ンを形成し、エッチングには硝酸、酢酸及びリン酸を含む薬液を用いればよい。または、
第1の導電膜102としてモリブデンを形成し、第2の導電膜110としてチタン、アル
ミニウム又はタングステンを形成し、エッチングには過酸化水素水を含む薬液を用いれば
よい。
第2のエッチングをウエットエッチングによって行う場合、最も好ましくは、第1の導
電膜102としてネオジムを添加したアルミニウム上にモリブデンを形成した積層膜を形
成し、第2の導電膜110としてタングステンを形成し、エッチングには硝酸を2%、酢
酸を10%、リン酸を72%含む薬液を用いる。このような組成比の薬液を用いることで
、第2の導電膜110がエッチングされることなく、第1の導電膜102がエッチングさ
れる。なお、第1の導電膜102に添加したネオジムは、アルミニウムの低抵抗化とヒロ
ック防止を目的として添加されたものである。
なお、図17に示すように、平面図におけるゲート電極層116は角部(例えば、角部
151)を有する。これは、ゲート電極層116を形成する第2のエッチングが概略等方
的であるために、ゲート電極層116の側面と薄膜積層体114の側面との間隔dが概
略等しくなるようにエッチングされるためである。
次に、第1のレジストマスク112を後退させて、第2の導電膜110を露出させつつ
、第2のレジストマスク118を形成する。第1のレジストマスク112を後退させて(
または、第1のレジストマスクの縁を除去し、また、第1のレジストマスクの凹部を除去
して)、第2のレジストマスク118を形成する手段としては、例えば酸素プラズマを用
いたアッシングが挙げられる。しかし、第1のレジストマスク112を後退させて第2の
レジストマスク118を形成する手段はこれに限定されるものではない。なお、ここでは
第2のエッチングの後に第2のレジストマスク118を形成する場合について説明したが
、開示する発明の一態様はこれに限定されず、第2のレジストマスク118を形成した後
に第2のエッチングを行ってもよい。
次に、第2のレジストマスク118を用いて、薄膜積層体114における第2の導電膜
110をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極層120を形成する(図2(D)、
図5(D)、図8(D)、図11(D)、図14(D)、図18を参照)。ここでエッチ
ング条件として、第2の導電膜110以外の膜に対する食刻及び腐食が生じず、又は生じ
難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い
条件により行うことが重要である。
なお、ソース電極及びドレイン電極層120は、ソース配線、薄膜トランジスタと画素
電極とを接続する電極、又は保持容量として機能する容量素子の一方の電極を構成してい
るが、ソース電極及びドレイン電極層120A又はソース電極及びドレイン電極層120
Cと表記する場合にはソース配線を構成する電極層を指し、ソース電極及びドレイン電極
層120Bと表記する場合には薄膜トランジスタのドレイン電極と画素電極とを接続する
電極層を指し、ソース電極及びドレイン電極層120Dと表記する場合には容量配線との
間で容量素子を形成する一方の電極層を指す。そして、これらを総括してソース電極及び
ドレイン電極層120と呼ぶ。
なお、薄膜積層体114における第2の導電膜110のエッチングは、ウエットエッチ
ング又はドライエッチングのどちらを用いても良い。
続いて、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(
バックチャネル部)をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域122を形成する(
図2(E)、図5(E)、図8(E)、図11(E)、図14(E)、図19を参照)。
ここでエッチング条件としては、不純物半導体膜108及び半導体膜106以外の膜に対
する食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件を選択する。特に、ゲート電極層116の
食刻及び腐食が生じず、又は生じ難い条件により行うことが重要である。
なお、薄膜積層体114における不純物半導体膜108及び半導体膜106の上部(バ
ックチャネル部)のエッチングはドライエッチング又はウエットエッチングにより行うこ
とができる。
その後、第2のレジストマスク118を除去し(図2(F)、図5(F)、図8(F)
、図11(F)、図14(F)を参照)、薄膜トランジスタが完成する(図2(F)を参
照)。上述のように、薄膜トランジスタを一枚のフォトマスクにより形成することができ
る。
なお、本明細書中において、上記の図2(D)及び図2(E)を参照して説明した工程
を一括して第3のエッチングとよぶ。第3のエッチングは、上述のように、複数の段階に
分けて行っても良いし、一括して行っても良い。
以上のようにして形成した薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成する。ここで
は、保護膜126を第2の絶縁膜として用いる例について示すが、このような単層構造に
限らず、2層以上の積層構造を用いても良い。第1の保護膜126は、第1の絶縁膜10
4と同様に形成することができる。その後、第2の絶縁膜上にカラーフィルタ層128を
形成する(図3(G)、図6(G)、図9(G)、図12(G)、図15(G)を参照)
カラーフィルタ層128は、薄膜積層体114などに起因する表面の凹凸が低減される
ように形成する。より具体的には、後の画素電極層の被形成面の平坦性が向上するように
カラーフィルタ層を形成する。本実施の形態においては、薄膜積層体114などが形成さ
れていない領域に埋め込むようにカラーフィルタ層128を形成しているが、薄膜積層体
114などに起因する凹凸を低減することができれば、該構成に限定して解釈されるもの
ではない。
上述のように、カラーフィルタ層を用いて画素電極の被形成面の凹凸を低減させること
により、一の工程で、カラーフィルタ層を形成し、平坦性の向上を図ることができる。こ
れにより画素電極の平坦性が向上するため、液晶の配向乱れを防止し、表示画質が向上す
る。また、カラーフィルタ層と平坦性の向上を図るための層と別に形成する必要が無くな
るため、より一層の工程簡略化につながる。
なお、カラーフィルタ層128は、例えば、印刷法やインクジェット法、フォトリソグ
ラフィ法などを用いて適宜形成すればよい。例えば、R(赤)G(緑)B(青)に対応す
る顔料を含む樹脂を、スピンコート法などを用いて成膜した後、フォトリソグラフィ法を
用いてパターニングすることによってカラーフィルタ層128を形成することができる。
カラーフィルタの配列としては、ストライプ配列、デルタ配列、正方配列などを用いるこ
とができる。
なお、フォトリソグラフィ法によりカラーフィルタを形成することで、フォトマスクを
一枚使用することになる。もちろん、フォトマスクを使用しない他の方法を用いてカラー
フィルタを形成しても良い。
次に、第2の絶縁膜に第1の開口部130及び第2の開口部131を形成する(図3(
H)、図6(H)、図9(H)、図12(H)、図15(H)を参照)。第1の開口部1
30及び第2の開口部131は、ソース電極及びドレイン電極層の少なくとも表面に達す
るように形成する。第1の開口部130及び第2の開口部131の形成方法は、特定の方
法に限定されず、第1の開口部130の径などに応じて実施者が適宜選択すればよい。例
えば、フォトリソグラフィ法によりドライエッチングを行うことで第1の開口部130及
び第2の開口部131を形成することができる。
なお、フォトリソグラフィ法によって開口部を形成することで、フォトマスクを一枚使
用することになる。
次に、第2の絶縁膜上に画素電極層132を形成する(図3(I)、図6(I)、図9
(I)、図12(I)、図15(I)、図20を参照)。画素電極層132は、開口部を
介してソース電極及びドレイン電極層120に接続されるように形成する。具体的には、
画素電極層132は、第1の開口部130を介してソース電極及びドレイン電極層120
Bに接続され、第2の開口部131を介してソース電極及びドレイン電極層120Dに接
続されるように形成される。画素電極層132は、透光性を有する導電性材料により形成
することが好ましい。ここで、透光性を有する導電性材料としては、インジウム錫酸化物
(以下、ITOという)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステン
を含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むイ
ンジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、又は酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物
等が挙げられる。透光性を有する導電性材料の膜の形成はスパッタリング法又はCVD法
等により行えばよいが、特定の方法に限定されるものではない。また、画素電極層132
についても単層で形成しても良いし、複数の膜を積層した積層膜としてもよい。
なお、本実施の形態においては、画素電極層132のみに透光性を有する導電性材料を
用いたが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。第1の導電膜102及び第2の
導電膜110の材料として、透光性を有する導電性材料を用いることもできる。
なお、フォトリソグラフィ法によって画素電極層132を形成することで、フォトマス
クを一枚使用することになる。
以上により、液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス基板が完成する。本実施の形
態にて説明したように、サイドエッチングを利用してゲート電極層を形成し、更には多階
調マスクを用いてソース電極及びドレイン電極層を形成することで、一枚のマスクによる
薄膜トランジスタの作製が可能となる。また、カラーフィルタを用いて画素電極の被形成
面の凹凸を低減させることにより、一の工程で、カラーフィルタ層を形成し、平坦性の向
上を図ることができる。つまり、より一層の工程簡略化につながる。
なお、本実施の形態においては示していないが、カラーフィルタ層を形成した後、画素
電極層の形成前にオーバーコート層を形成しても良い。オーバーコート層を形成すること
で画素電極の被形成面の平坦性を一層向上させることが可能である。また、カラーフィル
タ層に含まれる材料の一部が液晶材料中に侵入することを防ぐこともできる。オーバーコ
ート層としては、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂をベースとした熱硬化性材料を用いると
よい。
開示する発明の一態様に係る作製方法を適用して作製した薄膜トランジスタは、ゲート
電極層上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上
にソース領域及びドレイン領域を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極
及びドレイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞を有する構造となる(図
3(I)を参照)。ゲート電極層の側面に接して空洞を有するように形成することで、ゲ
ート電極層端部におけるリーク電流の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
ここで、上記の工程により作製したアクティブマトリクス基板の端子接続部について図
22乃至図24を参照して説明する。
図22乃至図24は、上記の工程により作製した、アクティブマトリクス基板における
ゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部の平面図及び断面図である。
図22には、ゲート配線側の端子接続部及びソース配線側の端子接続部における、画素
部から延伸したゲート配線及びソース配線の平面図を示す。
図23には、図22のX−X’における断面図を示す。すなわち、図23は、ゲート配
線側の端子接続部における断面図である。図23では、ゲート電極層116のみが露出さ
れている。このゲート電極層116が露出された領域に、端子部が接続される。
図24には、図22のY−Y’における断面図を示す。すなわち、図24は、ソース配
線側の端子接続部における断面図である。図24のY−Y’において、ゲート電極層11
6と、ソース電極及びドレイン電極層120は画素電極層132を介して接続されている
。図24にはゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120の様々な接続
形態を示している。開示する発明の一態様に係る表示装置の端子接続部には、これらのい
ずれを用いても良いし、図24に示すもの以外の接続形態を用いても良い。ソース電極及
びドレイン電極層120をゲート電極層116に接続させることで、端子の接続部の高さ
を概ね等しくすることができる。
なお、開口部の数は、図24に示す開口部の数に限定されない。一の端子に対して一の
開口部を設けるのみならず、一の端子に対して複数の開口部を設けても良い。一の端子に
対して複数の開口部を設けることで、開口部を形成するエッチング工程が不十分である等
の理由で開口部が良好に形成されなかったとしても、他の開口部により電気的接続を実現
することができる。更には、全ての開口部が問題なく開口された場合であっても、接触面
積を広くすることができるため、コンタクト抵抗を低減することができ、好ましい。
図24(A)では、保護膜126の端部がエッチング等により除去され、ゲート電極層
116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画
素電極層132を形成することで電気的な接続を実現している。図22に示す平面図は、
図24(A)の平面図に相当する。
なお、ゲート電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出された領
域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができ
る。
図24(B)では、保護膜126に第3の開口部160Aが設けられ、第1の保護膜1
26及びカラーフィルタ層128の端部がエッチング等により除去されることで、ゲート
電極層116と、ソース電極及びドレイン電極層120とが露出され、この露出された領
域に画素電極層132を形成することで電気的な接続を実現している。
なお、第3の開口部160Aの形成、及びゲート電極層116が露出された領域の形成
は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時に行うことができる。
図24(C)では、保護膜126及びカラーフィルタ層128に第3の開口部160B
及び第4の開口部161が設けられることで、ゲート電極層116と、ソース電極及びド
レイン電極層120とが露出され、この露出された領域に画素電極層132を形成するこ
とで電気的な接続を実現している。ここで、図24(A)及び(B)と同様に、保護膜1
26及びカラーフィルタ層128の端部はエッチング等により除去されているが、この領
域は端子の接続部として用いられる。
なお、第3の開口部160B及び第4の開口部161の形成、並びにゲート電極層11
6が露出された領域の形成は、第1の開口部130及び第2の開口部131の形成と同時
に行うことができる。
次に、上記のアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を製造する方法について
説明する。すなわち、セル工程及びモジュール工程について説明する。ただし、開示する
発明の一態様に係る液晶表示の製造方法において、セル工程及びモジュール工程は特に限
定されない。
セル工程では、上記した工程により作製したアクティブマトリクス基板と、これに対向
する基板(以下、対向基板という)とを貼り合わせて液晶を注入する。まず、対向基板の
作製方法について、以下に簡単に説明する。なお、特に説明しない場合であっても、対向
基板上に形成する膜は単層構造又は積層構造で形成することができる。
まず、基板上に遮光層を形成し、その後、電極層を選択的に形成し、電極層上にリブを
形成する。なお、遮光層を形成した後、電極層を形成する前に、平坦性向上のための絶縁
膜を形成すると好ましい。平坦性向上のための絶縁膜を形成することで電極層の被形成面
の平坦性が向上するため、液晶の配向乱れを抑制することができる。
遮光層としては、遮光性を有する材料の膜を選択的に形成する。遮光性を有する材料と
しては、例えば、黒色樹脂(カーボンブラック)を含む有機樹脂を用いることができる。
または、クロムを主成分とする材料膜の積層膜を用いても良い。クロムを主成分とする材
料膜とは、例えば、クロム、酸化クロム又は窒化クロムなどをいう。遮光層に用いる材料
は遮光性を有するものであれば特に限定されない。遮光性を有する材料の膜を選択的に形
成するにはフォトリソグラフィ法等を用いる。
平坦性向上のための絶縁膜を形成する場合には、例えば、感光性ポリイミド、アクリル
又はエポキシ樹脂などの材料を用いて、スピンコーティング法などにより形成すればよい
。ただし、これらの材料又は形成方法に限定されるものではない。
電極層は、アクティブマトリクス基板が有する画素電極層132と同様に形成すること
ができる。ただし、選択的に形成する必要がないため、全面に形成すればよい。
電極上に形成するリブとは、視野角を拡げることを目的として形成される、パターン形
成された有機樹脂膜である。なお、特に必要のない場合には形成しなくてもよい。
また、リブの形成前又は形成後にスペーサとしてポストスペーサ(柱状スペーサ)を形
成しても良い。ポストスペーサとは、アクティブマトリクス基板と対向基板との間のギャ
ップを一定に保つことを目的として、対向基板上に一定の間隔で形成する構造物をいう。
ビーズスペーサ(球状スペーサ)を用いる場合には、ポストスペーサを形成しなくても良
い。
次に、配向膜をアクティブマトリクス基板及び対向基板に形成する。配向膜の形成は、
例えば、ポリイミド樹脂等を有機溶剤に溶かし、これを印刷法又はスピンコーティング法
等により塗布し、その後、これを乾燥して焼成することにより行う。形成される配向膜の
膜厚は、一般に、約50nm以上100nm以下程度とする。配向膜には、液晶分子があ
る一定のプレチルト角を持って配向するようにラビング処理を施す。ラビング処理は、例
えば、ベルベット等の毛足の長い布により配向膜を擦ることで行う。
次に、アクティブマトリクス基板と、対向基板をシール材により貼り合わせる。対向基
板にポストスペーサが設けられていない場合には、ビーズスペーサを所望の領域に分散さ
せて貼り合わせるとよい。
次に、貼り合わせられたアクティブマトリクス基板と、対向基板との間に、液晶材料を
注入する。液晶材料を注入した後、注入口は紫外線硬化樹脂等で封止する。または、液晶
材料を滴下した後に、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせても良い。
次に、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた液晶セルの両面に偏光板
を貼り付けてセル工程が完了する。
次に、モジュール工程として、端子部の入力端子(図24において、ゲート電極層11
6の露出された領域)にFPC(Flexible Printed Circuit)
を接続する。FPCはポリイミド等の有機樹脂フィルム上に導電膜により配線が形成され
ており、異方性導電性ペースト(Anisotropic Conductive Pa
ste。以下、ACPという)を介して入力端子と接続される。ACPは接着剤として機
能するペーストと、金等がメッキされた数十〜数百μm径の導電性表面を有する粒子によ
り構成される。ペースト中に混入された粒子が、入力端子上の導電層と、FPCに形成さ
れた配線に接続された端子上の導電層に接触することで、電気的な接続を実現する。なお
、FPCの接続後にアクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板を貼り付けてもよい。
以上により、液晶表示装置を製造することができる。
開示する発明の一態様により、液晶表示装置の製造工程数を大幅に削減することができ
る。一枚のフォトマスク(多階調マスク)を用いて薄膜トランジスタを作製することがで
きるためである。また、カラーフィルタを平坦性向上のために用いることで、別途絶縁膜
等を形成する必要がなくなるため、工程数の削減につながる。また、薄膜トランジスタに
起因する凹凸を低減することで画素電極の平坦性が向上し、液晶の配向乱れを抑制するこ
とができる。
開示する発明の一態様では、裏面露光、レジストリフロー、リフトオフなどの複雑な方
法を用いることなく薄膜トランジスタの作製工程数を大幅に削減することができる。その
ため、複雑な工程を用いることなく、液晶表示装置の製造工程数を大幅に削減することが
できる。
また、薄膜トランジスタの電気的特性を維持しつつ、液晶表示装置の製造工程を大幅に
削減することができる。また、製造コストを大幅に削減することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る薄膜トランジスタの作製方法及び表示
装置の製造方法であって、実施の形態1とは異なるものについて説明する。具体的には、
多階調マスクを用いることなく、実施の形態1と同様の薄膜トランジスタを作製する方法
について図26乃至図30を参照して説明する。
なお、図26は実施の形態1における図1及び図2に対応するものである。図27は実
施の形態1における図10及び図11に対応するものである。図28、図29及び図30
は実施の形態1における図16、図17及び図18に対応するものである。また、図28
乃至図30に示すA−A’における断面図が図26に相当し、図28乃至図30に示すD
−D’断面図が図27に相当する。
まず、実施の形態1と同様に、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜10
4、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これら
に用いることのできる材料及びこれらの形成に適用することのできる方法は実施の形態1
と同様である。
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク170を形成する(図26(A)
及び図27(A)を参照)。第1のレジストマスク170は、実施の形態1における第1
のレジストマスク112とは異なるものであり、凸部が設けられておらず、全面が概略同
一の厚さとなるように形成されている。すなわち、第1のレジストマスク170は多階調
マスクを用いることなく形成される。
次に、第1のレジストマスク170を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1
の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2
の導電膜110をエッチングによりパターニングし、第1の導電膜102上に薄膜積層体
114を形成する(図28を参照)。
次に、実施の形態1と同様に第2のエッチングを行うことで、ゲート電極層116を形
成する(図26(C)、図27(C)及び図29を参照)。
ここで、第2のエッチングの条件は、実施の形態1における第2のエッチングと同様で
ある。そして、第2のエッチングの後、第1のレジストマスク170を除去する。
次に、薄膜積層体114上に第2のレジストマスク171を形成し、第2のレジストマ
スク171を用いてソース電極及びドレイン電極層120を形成する。エッチング条件等
は、実施の形態1と同様である。また、その後の工程は実施の形態1と同様である。
以上、本実施の形態にて説明したように、多階調マスクを用いることなく薄膜トランジ
スタを作製することができる。また、液晶表示装置を製造することができる。ただし、使
用するマスク数は、実施の形態1と比較すると一枚増加することになる。
なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの作製方法及び液晶表示装置の製造方法は
、上記説明した点を除き、実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1に係る薄
膜トランジスタの作製方法及び表示装置の製造方法と同様の効果を有することは勿論であ
るが、使用するマスクの数は一枚増加する。すなわち、本実施の形態によれば、二枚のフ
ォトマスクを用いて薄膜トランジスタを作製することができる。従って、従来の方法と比
較して用いるフォトマスクの枚数が低減され、薄膜トランジスタの作製工程数を削減する
ことができる。また、液晶表示装置の製造工程数を削減することができる。更には、高い
歩留まりで製造することができ、コストを低く抑えることも可能である。
なお、本実施の形態の作製方法を適用して作製した薄膜トランジスタも、ゲート電極層
上にゲート絶縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上に半導体層を有し、前記半導体層上にソー
ス領域及びドレイン領域を有し、前記ソース領域及びドレイン領域上にソース電極及びド
レイン電極を有し、前記ゲート電極層の側面に接して空洞を有する構造となる。ゲート電
極層の側面に接して空洞を有するように形成することで、ゲート電極層端部におけるリー
ク電流の小さい薄膜トランジスタを作製することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る薄膜トランジスタの作製方法及び液晶
表示装置の製造方法であって、実施の形態1及び実施の形態2とは異なるものについて説
明する。具体的には、実施の形態1及び実施の形態2にて説明した第1のエッチングによ
り、第1の導電膜102をエッチングする態様について図31乃至図36を参照して説明
する。
なお、図31は実施の形態1における図1に対応するものである。図32は実施の形態
1における図4に対応するものである。図33は実施の形態1における図7に対応するも
のである。図34は実施の形態1における図10に対応するものである。図35は実施の
形態1における図13に対応するものである。図36は実施の形態1における図16に対
応するものである。
まず、実施の形態1と同様に、基板100上に第1の導電膜102、第1の絶縁膜10
4、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2の導電膜110を形成する。これら
に用いることのできる材料及びこれらの形成に適用することのできる方法は実施の形態1
と同様である。
次に、第2の導電膜110上に第1のレジストマスク112を形成する(図31(A)
、図32(A)、図33(A)、図34(A)、図35(A)を参照)。第1のレジスト
マスク112の特徴は、実施の形態1と同様である。
次に、第1のレジストマスク112を用いて第1のエッチングを行う。すなわち、第1
の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及び第2
の導電膜110をエッチングによりパターニングし、薄膜積層体114及びエッチングさ
れた第1の導電膜115を形成する(図31(B)、図32(B)、図33(B)、図3
4(B)、図35(B)、図36を参照)。
上記のように、本実施の形態では、第1のエッチングにより第1の導電膜102を加工
し、エッチングされた第1の導電膜115を形成することが実施の形態1と異なる点であ
る。
次に、第2のエッチングにより、エッチングされた第1の導電膜115を加工してゲー
ト電極層116を形成する(図31(C)、図32(C)、図33(C)、図34(C)
、図35(C)を参照)。
ここで、第2のエッチングの条件等は、実施の形態1における第2のエッチングと同様
である。ただし、以下の点が異なる。
実施の形態1では、第2のエッチングのみによって第1の導電膜102の除去すべき領
域を完全に除去する必要がある。ここで、第1の導電膜102の除去すべき領域とは、ゲ
ート電極層116を形成する領域以外の領域をいう。
ここで、薄膜積層体114の側面とゲート電極層116の側面との間隔dは、第1の
導電膜102の厚さに依存する。第2のエッチングは、サイドエッチングを伴うエッチン
グであり、概略等方的なエッチング(所謂、化学的なエッチング)である。そのため、実
施の形態1に示す方法では、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さより小さくする場
合に第1の導電膜102の除去すべき領域を完全に除去することは困難である。
一方、上述のように、第1のエッチングにより第1の導電膜102を加工してエッチン
グされた第1の導電膜115を形成し、第2のエッチングによりゲート電極層116を形
成することで、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さより小さくすることが可能であ
る。つまり、前記間隔dを第1の導電膜102の厚さに対して独立に設計することがで
きるため、レイアウト設計の自由度が向上する。
なお、第2のエッチング後の工程は、実施の形態1と同様である。すなわち、実施の形
態1と本実施の形態にて説明した方法とを組み合わせて薄膜トランジスタを作製すること
ができる。具体的には、サイドエッチングを利用してゲート電極層を形成し、更には多階
調マスクを用いてソース電極及びドレイン電極層を形成することで、一枚のフォトマスク
により薄膜トランジスタが作製される。
以上、本実施の形態において説明したように、第1のエッチングにより第1の導電膜1
02を加工することで、薄膜積層体114の側面とゲート電極層116の側面との間隔d
は第1の導電膜102の厚さに対して独立に設計することができ、レイアウト設計の自
由度が向上する。
なお、本実施の形態に係る薄膜トランジスタの作製方法及び液晶表示装置の製造方法は
、上述した点を除き、実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1に係る薄膜ト
ランジスタの作製方法及び液晶表示装置の製造方法と同様の効果を有することは勿論であ
る。
なお、実施の形態2と本実施の形態を組み合わせても良い。
(実施の形態4)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る薄膜トランジスタの作製方法及び液晶
表示装置の製造方法であって、カラーフィルタ層の作製方法に特徴を有するものについて
説明する。具体的には、実施の形態1乃至実施の形態3などで説明したカラーフィルタ層
の作製工程において、印刷法やインクジェット法などを用いて選択的にカラーフィルタを
形成する態様について、図37及び図38を参照して説明する。
なお、図37(A)は図3(G)に対応するものであり、図37(B)は図6(G)に
対応するものであり、図37(C)は図9(G)に対応するものである。また、図38(
A)は図12(G)に対応するものであり、図38(B)は図15(G)に対応するもの
である。
まず、実施の形態1と同様に、所望の形状の薄膜積層体114及びゲート電極層116
を形成し、第2のレジストマスク118を除去する(図2(F)、図5(F)、図8(F
)、図11(F)、図14(F)を参照)。
そして上記により形成した薄膜トランジスタを覆って第2の絶縁膜を形成する。ここで
は、保護膜126を第2の絶縁膜として用いるが、このような単層構造に限らず、2層以
上の積層構造を用いても良い。その後、第2の絶縁膜上にカラーフィルタ層128を形成
する(図37(A)、図37(B)、図37(C)、図38(A)、図38(B)を参照
)。
既に述べたように、本実施の形態においては印刷法やインクジェット法を用いてカラー
フィルタ層128を形成する。ここで、開示する発明の一態様に係る薄膜積層体114は
、第1の導電膜102、第1の絶縁膜104、半導体膜106、不純物半導体膜108及
び第2の導電膜110の積層構造となっている。このため、従来の作製方法を用いる場合
と比較して、ソース配線やゲート配線となる薄膜積層体114の厚みが大きくなる。これ
を利用することで、カラーフィルタ層128の作り分けが容易になる。
例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色のカラーフィルタ層128がソース配線
に平行な方向に伸びるように形成する場合、ソース配線に挟まれた領域(以下、ソース配
線間領域と呼ぶ)に、ある色のカラーフィルタ層128を形成し、隣接するソース配線間
領域には別の色のカラーフィルタ層128を形成することができる。印刷法やインクジェ
ット法は、液滴を滴下することにより形成する方法であるが、薄膜積層体114によるソ
ース配線の存在により、液滴の不要な広がりを防止してカラーフィルタ層128の作り込
み精度を向上させることができる。
なお、カラーフィルタ層128は、薄膜積層体114などに起因する表面凹凸低減の効
果を有する。この効果を有効に活用するため、本実施の形態においては、後に画素電極層
132が形成される領域以外の領域にもカラーフィルタ層128を形成する構成とした。
しかしながら、表面凹凸低減の効果を重視しないのであれば、画素電極層132が形成さ
れる直下の領域にのみカラーフィルタ層128を形成する構成としても良い。
また、カラーフィルタ層を形成した後、画素電極層の形成前にオーバーコート層を形成
しても良い。オーバーコート層を形成することで画素電極の被形成面の平坦性を一層向上
させることが可能である。また、カラーフィルタ層に含まれる材料の一部が液晶材料中に
侵入することを防ぐこともできる。オーバーコート層としては、アクリル樹脂又はエポキ
シ樹脂をベースとした熱硬化性材料を用いるとよい。
上述のように、薄膜積層体114による凹凸を利用してカラーフィルタ層128を作り
分けることにより、カラーフィルタ層128の塗り分け精度が向上する。また、画素電極
の被形成面の凹凸を低減させることができるため、一の工程で、カラーフィルタ層を形成
し、且つ、平坦性の向上を図ることができる。画素電極の平坦性を向上させることにより
、液晶の配向乱れを防止し、表示画質が向上する。また、カラーフィルタ層128を形成
するためのパターニングなどの工程が不要であるため、より一層の工程数低減につながる
以降の工程については、実施の形態1乃至実施の形態3などに示した方法と同様である
ため、ここでは省略する。本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態3と適宜組み合
わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態1乃至実施の形態4において説明した方法を用いて製造し
た液晶表示装置を表示部として組み込んだ電子機器について、図39乃至図41を参照し
て説明する。このような電子機器としては、例えば、ビデオカメラやデジタルカメラ等の
カメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、プロジェクタ、カー
ナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコン
ピュータ、携帯電話または電子書籍等)が挙げられる。
図39(A)にテレビジョン装置を示す。開示する発明の一態様を適用して製造した液
晶表示装置を筐体に組み込むことで、図39(A)に示すテレビジョン装置を完成させる
ことができる。実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した製造方法を適用した液晶表示
装置により主画面223が形成され、その他付属設備としてスピーカ部229、操作スイ
ッチ等が備えられている。
図39(A)に示すように、筐体221に実施の形態1乃至実施の形態3にて説明した
製造方法を適用した液晶表示装置222が組み込まれ、受信機225により一般のテレビ
放送の受信をはじめ、モデム224を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続
することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者
間同士)の情報通信をすることもできる。
テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は筐体とは別個のリモコン
操作機226により行うことが可能であり、このリモコン操作機226にも、出力する情
報を表示する表示部227が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面223の他にサブ画面228を設け、チャネルや
音量などを表示する構成が付加されていても良い。
図40は、テレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図を示している。表示領域は
、画素部251が形成されている。信号線駆動回路252と走査線駆動回路253はCO
G方式により実装されていても良い。
外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ254で受信した信号のうち
、映像信号を増幅する映像信号増幅回路255と、そこから出力される信号を赤、緑、青
の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路256と、その映像信号を駆動回路
の入力仕様に変換するためのコントロール回路257等を有している。コントロール回路
257は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、
信号線側に信号分割回路258を設け、入力デジタル信号を整数個に分割して供給する構
成としても良い。
チューナ254で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路259に送られ
、その出力は音声信号処理回路260を経てスピーカ263に供給される。制御回路26
1は受信局(受信周波数)、音量の制御情報を入力部262から受け、チューナ254及
び音声信号処理回路260に信号を送出する。
主画面223、サブ画面228に、実施の形態1乃至実施の形態3で説明した製造方法
を適用した液晶表示装置を用いることで、テレビジョン装置の生産性を高めることができ
る。
なお、上記の構成はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタ
をはじめとして、駅や空港などにおける情報表示盤、街頭における広告表示盤などの大面
積の表示媒体にも適用することができる。開示する発明の一態様を用いることにより、こ
れらの表示媒体の生産性を向上させることができる。
図39(B)に示す携帯型のコンピュータは、本体231及び表示部232等を有する
。表示部232に、実施の形態1乃至実施の形態3で示した方法による液晶表示装置を用
いることで、コンピュータの生産性を高めることができる。
図41は、電話としての機能と、情報端末としての機能を併せ持った携帯電子機器30
0の構成の一例である。ここで、図41(A)は正面図、図41(B)は背面図、図41
(C)は展開図である。携帯電子機器300は、電話と情報端末の双方の機能を備えてお
り、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な、いわゆるスマートフォンと呼ばれる電
子機器である。
携帯電子機器300は、筐体301及び筐体302で構成されている。筐体301は、
表示部311、スピーカ312、マイクロフォン313、操作キー314、ポインティン
グデバイス315、カメラ用レンズ316、外部接続端子317等を備え、筐体302は
、キーボード321、外部メモリスロット322、カメラ用レンズ323、ライト324
、イヤフォン端子325等を備えている。また、アンテナは筐体301内部に内蔵されて
いる。上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
表示部311には、開示する発明の一態様に係る半導体装置が組み込まれている。なお
、表示部311に表示される映像(及びその表示方向)は、携帯電子機器300の使用形
態に応じて様々に変化する。また、表示部311と同一面にカメラ用レンズ316を備え
ているため、映像を伴う音声通話(いわゆるテレビ電話)が可能である。なお、スピーカ
312及びマイクロフォン313は音声通話に限らず、録音、再生等に用いることが可能
である。カメラ用レンズ323(及び、ライト324)を用いて静止画及び動画の撮影を
行う場合には、表示部311はファインダーとして用いられることになる。操作キー31
4は、電話の発信や着信、電子メール等の情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等
に用いられる。
重なり合った筐体301と筐体302(図41(A))は、スライドし、図41(C)
のように展開し、情報端末として使用できる。この場合には、キーボード321、ポイン
ティングデバイス315を用いた円滑な操作が可能である。外部接続端子317はACア
ダプタやUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電やコンピュータ等との
データ通信を可能にしている。また、外部メモリスロット322に記録媒体を挿入し、よ
り大容量のデータの保存及び移動に対応できる。上記機能に加えて、赤外線などの電磁波
を用いた無線通信機能や、テレビ受信機能等を有していても良い。
本実施の形態にて説明した各種電子機器は、実施の形態1乃至実施の形態3にて説明し
た液晶表示装置の製造方法を適用して作製することができるため、これら電子機器の生産
性を向上させることができる。
従って、開示する発明の一態様を適用することで、これらの電子機器の製造コストを大
幅に削減することができる。
100 基板
102 導電膜
104 絶縁膜
106 半導体膜
108 不純物半導体膜
110 導電膜
112 レジストマスク
114 薄膜積層体
115 導電膜
116 ゲート電極層
116A ゲート電極層
116B ゲート電極層
116C ゲート電極層
116D ゲート電極層
118 レジストマスク
120 ドレイン電極層
120A ドレイン電極層
120B ドレイン電極層
120C ドレイン電極層
120D ドレイン電極層
122 ドレイン領域
126 保護膜
128 カラーフィルタ層
130 開口部
131 開口部
132 画素電極層
140 グレートーンマスク
141 基板
142 遮光部
143 スリット部
145 ハーフトーンマスク
146 基板
147 半透光部
148 遮光部
151 角部
160A 開口部
160B 開口部
161 開口部
170 レジストマスク
171 レジストマスク
221 筐体
222 液晶表示装置
223 主画面
224 モデム
225 受信機
226 リモコン操作機
227 表示部
228 サブ画面
229 スピーカ部
231 本体
232 表示部
251 画素部
252 信号線駆動回路
253 走査線駆動回路
254 チューナ
255 映像信号増幅回路
256 映像信号処理回路
257 コントロール回路
258 信号分割回路
259 音声信号増幅回路
260 音声信号処理回路
261 制御回路
262 入力部
263 スピーカ
300 携帯電子機器
301 筐体
302 筐体
311 表示部
312 スピーカ
313 マイクロフォン
314 操作キー
315 ポインティングデバイス
316 カメラ用レンズ
317 外部接続端子
321 キーボード
322 外部メモリスロット
323 カメラ用レンズ
324 ライト
325 イヤフォン端子

Claims (1)

  1. ゲート電極と、
    前記ゲート電極上のゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上の半導体層と、
    前記半導体層上のソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及びドレイン電極、並びに半導体を覆う絶縁膜と、を有し、
    前記ゲート電極の側面と、前記ゲート絶縁膜と、前記絶縁膜とに囲まれた空洞を有することを特徴する薄膜トランジスタ。
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