JP2014156855A - 燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃料供給装置1は、燃料タンクに設けられた開口を塞ぐフランジ10と、モータの回転より燃料タンク内の燃料を吐出通路に吐出する燃料ポンプ20と、フランジ10と燃料ポンプ20との間に設けられたレギュレータ30を備える。燃料ポンプ20のモータの回転軸P1とレギュレータ30の弁部材の移動方向R1とは、フランジ10の下端面を含む第1仮想平面αに対し平行である。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の燃料供給装置は、燃料タンクの開口を塞ぐフランジに燃料ポンプが取り付けられている。燃料ポンプからフランジに設けられた吐出通路に吐出された燃料は、その吐出通路に設けられたレギュレータにより圧力調節される。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、体格を小型化することの可能な燃料供給装置を提供することを目的とする。
これにより、燃料供給装置は、第1仮想平面に対して垂直方向の体格を小型化することができる。したがって、燃料供給装置は、高さの低い燃料タンクに取り付けることができる。
また、一般に、燃料ポンプの体格よりもレギュレータの体格は小さいので、レギュレータの反吐出通路側に空間が形成される。その空間を利用して、燃料供給装置を燃料タンクの内側に容易に組み付けることが可能である。
なお、本発明において「平行」とは、燃料ポンプ、レギュレータ、フランジ及び後述するハウジングを、同一方向から組付けることが可能な程度に略平行であることをいう。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料供給装置を図1〜図11に示す。本実施形態の燃料供給装置1は、自動二輪車の燃料タンク内に設けられるタービンポンプである。
自動二輪車の燃料タンク2を図2及び図3に示す。燃料タンク2は鞍型に形成され、その中央部に設けられた窪み3には、自動二輪車のフレームが通される。燃料供給装置1は、タンクの重力方向下側に設けられた開口4から燃料タンク2の内側へ挿入されている。燃料供給装置1によって燃料タンク2から汲み上げられた燃料は、図示しない内燃機関に供給される。
フランジ10は、蓋部11、取付部12および吐出通路13などを有する。
蓋部11は、燃料タンク2の開口4に沿って延びており、燃料タンク2の開口4を閉塞可能である。蓋部11は、燃料タンク2の開口4の外側に被さる環状部111、及びその環状部111から燃料タンク2内側へ入り込む皿部112を有する。
本実施形態において、フランジの環状部111の下端面110を含む面を第1仮想平面αと称し、その第1仮想平面αに垂直な面を第2仮想平面βと称する。図4に、第1仮想平面α及び第2仮想平面βを概念的に示す。
フロントカバー22とエンドカバー23との間にインペラ25およびモータ24が収容される。インペラ25は、モータ24と同軸に設けられ、モータ24の駆動力により回転する。
ここで、燃料ポンプ20は、モータ24の回転軸P1が第1仮想平面αに対し平行、且つ、第2仮想平面βに対し平行である。また、燃料ポンプ20は、ケース21の中心軸P2が第1仮想平面αに対し平行、且つ、第2仮想平面βに対し平行である。なお、本実施形態では、モータ24の回転軸P1とケース21の中心軸P2とが同軸であるが、これらは必ずしも同軸でなくてもよい。
エレメント61は、燃料タンク2から吸入口26に吸入される燃料に含まれる異物を捕獲する。
接続部材62は、その中央部63がフロントカバー22から軸方向に突出した吸入管29の外側に嵌め込まれる。また、接続部材62は、その中央部63から径外方向に延びる腕部64を有する。その腕部64に設けられた穴65は、ハウジング40の外壁に設けられた突起45にスナップフィットにより係合する。
サクションフィルタ60は、反燃料ポンプ側の先端部が、燃料タンク2の重力方向最下部に位置するように、第1仮想平面αに対し傾斜して設けられる。そのため、サクションフィルタ60は、レギュレータ30の反吐出通路側に位置する。
ボール弁32は、レギュレータケース31の内壁に設けられた弁座36に着座または離座可能に設けられる。ボール弁32は、スプリング33により、所定の荷重で弁座側へ付勢されている。
レギュレータ30は、吐出通路13の燃料圧力が所定圧よりも高くなるとボール弁32が弁座36から離座することで開弁する。これにより、吐出通路13の燃料は、レギュレータ30内の燃料通路34を通り燃料タンク内に排出される。
図9に示すように、レギュレータ30と燃料ポンプ20とを第1仮想平面αに投影した際、燃料ポンプ20の領域内にレギュレータ30は存在する。また、図10に示すように、レギュレータ30と燃料ポンプ20とを第2仮想平面βに投影した際、これらは並列に配置される。つまり、図5に示されるように、第1仮想平面αに対し垂直方向から見ると、レギュレータ30は、燃料ポンプ20の内側に隠れている。これにより、フランジ10において第2仮想平面βに垂直な方向、即ちフランジ10の幅を小さくすることが可能になる。したがって、燃料供給装置1は、中央部の窪み3の幅が狭く開口4の小さい鞍型の燃料タンク2に取り付けることができる。
まず、燃料ポンプ20にリード線50を接続する。
次に、矢印Aに示すように、サクションフィルタ60の接続部材62の中央部63を、燃料ポンプ20の吸入管29の外側に嵌め込む。
続いて、矢印Bに示すように、ハウジング40の内側に燃料ポンプ20を挿入する。このとき、接続部材62の腕部64の穴65と、ハウジング40の外壁の突起45とを係合する。
続いて、矢印Dに示すように、フランジ10のポンプ挿入孔14に燃料ポンプ20を挿入し、ハウジング40の小径部44の内側にレギュレータ30を挿入し、それと共にフランジ10の取付部12の突起18,19と第1係合部41及び第2係合部42とを係合する。
最後に、フランジ10の皿部112に設けられたコネクタ17にリード線50を接続し、燃料供給装置1が完成する。
図11(A)に示すように、燃料タンク2の開口4から燃料供給装置1のサクションフィルタ60と燃料ポンプ20を収容したハウジング40を挿入する。
次に、図11(B)に示すように、レギュレータの反吐出通路側に形成された空間Sを利用して、燃料供給装置1を燃料タンク2の内側で回転させる。つまり、燃料供給装置1が空間Sを有することで、燃料供給装置1を回転する際、燃料タンク2の開口4の縁にハウジング40及びフランジ10の取付部12が干渉することが防がれる。
続いて、図11(C)に示すように、フランジ10を燃料タンク2の開口4の外側に取り付ける。
図7では、フランジ10の蓋部11および吐出通路13を成形する図示しない金型の抜き方向が矢印Xに示されている。また、フランジ10のポンプ挿入孔14およびレギュレータ挿入孔15を成形する図示しない金型の抜き方向が矢印Yに示されている。
ここで、矢印Xに示す金型の抜き方向を「第1抜き方向X」と称し、矢印Y示す金型の抜き方向を「第2抜き方向Y」と称する。
吐出通路13を形成するための第1抜き方向Xは、第1仮想平面αに対し垂直である。また、ポンプ挿入孔14及びレギュレータ挿入孔15を形成するための第2抜き方向Yは、第1仮想平面α及び第2仮想平面βに対し平行である。
このように、フランジ10は、樹脂射出成形に用いられる金型の抜き方向が、第1抜き方向Xと第2抜き方向Yの2方向のみとなる。したがって、分割金型を使用して樹脂射出成形を行う際、その金型の構成を簡素なものとすることが可能である。
(1)第1実施形態では、燃料供給装置は、フランジ10と燃料ポンプ20との間にレギュレータ30を備えており、燃料ポンプ20のモータ24の回転軸P1とレギュレータ30のボール弁32の移動方向R1とが、第1仮想平面αに対し平行である。
これにより、燃料供給装置1は、フランジ10が延びる第1仮想平面αに対し垂直方向の体格を小型化することが可能となる。したがって、燃料供給装置1は、高さの低い燃料タンク2に取り付けることができる。
その空間Sを利用して、燃料供給装置1を燃料タンク2の内側で回転することが可能になるので、燃料供給装置1を燃料タンク2に容易に組み付けることが可能である。
また、燃料供給装置1を燃料タンク2の内側で回転するための空間Sの吐出通路側の領域にレギュレータ30を設けることで、燃料供給装置1の高さを低くすることができる。
これにより、フランジ10に対する燃料ポンプ20の組み付け方向とレギュレータ30の組み付け方向とが同一となる。したがって、フランジ10とハウジング40に対する燃料ポンプ20とレギュレータ30の組み付けを容易に行うことができる。
これにより、第1仮想平面αと、燃料ポンプ20のケース21の中心軸P2と、レギュレータ30の中心軸R2が平行になる。したがって、燃料供給装置1は、フランジ10が延びる第1仮想平面αに対し垂直方向の体格を小型化することができる。
これにより、ケース21の中心軸P2と、レギュレータ30とが同一方向になるので、フランジ10とハウジング40に対するケース21およびレギュレータ30の組み付けを容易に行うことができる。
これにより、吐出管16の開口とポンプ挿入孔14とレギュレータ挿入孔15とを1本のみの吐出通路13によって連通することが可能になる。したがって、フランジ10に吐出通路13を形成するための加工工数を低減することができる。
さらに、燃料供給装置1を第1仮想平面αに対し垂直な方向から見た場合、燃料ポンプ20とレギュレータ30とが重なる。これにより、燃料供給装置1は、フランジ10の蓋部11における第2仮想平面βに垂直な方向、即ちフランジ10の幅が小さくなる。したがって、燃料供給装置1は、中央部の窪み3の幅の狭い鞍型の燃料タンク2に取り付けることができる。
これにより、1個のハウジング40を用いて、燃料ポンプ20およびレギュレータ30をフランジ10に対し簡素な工程で組み付けることが可能になる。したがって、燃料供給装置1の部品点数を少なくすると共に、その組付け工数を低減することができる。
これにより、ハウジング40と燃料ポンプ20とレギュレータ30とフランジ10との組付けを、全て一方向から容易に行うことが可能になる。したがって、燃料供給装置1の組付け工数を低減することができる。
これにより、燃料ポンプ20のポンプ挿入孔14への挿入、レギュレータ30のレギュレータ挿入孔15への挿入、およびハウジング40とフランジ10との係合を、一方向から容易に行うことが可能になる。したがって、燃料供給装置1の組付け工数を低減することができる。
これにより、フランジ10の樹脂射出成形に用いられる金型の抜き方向が2方向のみとなる。したがって、この金型の構成を簡素なものとすることができる。
これにより、フランジ10において第2仮想平面βに垂直な方向、即ちフランジ10の幅を小さくすることが可能になる。したがって、燃料供給装置1は、中央部の窪み3の幅の狭い鞍型の燃料タンク2に取り付けることができる。
これにより、フランジ10に対し、燃料ポンプ20とレギュレータ30とハウジング40を容易に組み付けることが可能になる。
本発明の第2実施形態による燃料供給装置の模式図を図12に示す。第2実施形態では、フランジ10の上に燃料ポンプ20が配置され、燃料ポンプ20の上にレギュレータ30が配置される。
第2実施形態においても、上述した第1実施形態とほぼ同一の作用効果を奏することができる。
本発明の第3実施形態による燃料供給装置の模式図を図13及び図14に示す。第3実施形態では、フランジ10の上に燃料ポンプ20が配置され、燃料ポンプ20の横にレギュレータ30が配置される。この場合、燃料供給装置の横幅は上述した第1、第2実施形態のものよりも大きくなるが、高さ方向の体格を低くすることができる。
上述した実施形態では、インペラの回転により燃料を汲み上げる燃料ポンプを例に説明した。これに対し、他の実施形態では、燃料ポンプは、モータ駆動のものであれば、渦巻きポンプ、プロペラポンプ、または回転ポンプなど、種々のポンプを使用することが可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10・・・フランジ
13・・・吐出通路
20・・・燃料ポンプ
24・・・モータ
30・・・レギュレータ
32・・・ボール弁(弁部材)
α ・・・第1仮想平面
β ・・・第2仮想平面
Claims (14)
- 燃料タンク(2)に貯留された燃料を汲み上げる燃料供給装置(1)において、
前記燃料タンクの内側と外側とを通じる吐出通路(13)を有し、前記燃料タンクに設けられた開口(4)を塞ぐフランジ(10)と、
筒状のケース(21)の内側に設けられたモータ(24)の回転により前記燃料タンク内の燃料を前記吐出通路に吐出する燃料ポンプ(20)と、
前記フランジと前記燃料ポンプとの間に設けられ、前記吐出通路の燃料圧力が所定圧よりも高くなると開弁する弁部材(32)を有し、前記吐出通路から前記燃料タンク内に燃料を戻すレギュレータ(30)と、を備え、
前記燃料ポンプの前記モータの回転軸(P1)と前記レギュレータの前記弁部材の移動方向(R1)とは、前記フランジの下端面(110)を含む第1仮想平面(α)に対し平行であることを特徴とする燃料供給装置。 - 前記レギュレータの反吐出通路側、且つ、前記燃料ポンプのフランジ側に空間(S)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
- 前記レギュレータの反吐出通路側の端部(301)は、前記燃料ポンプの反吐出通路側の端部(201)よりも吐出通路側に位置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給装置。
- 前記燃料ポンプの前記モータの回転軸と前記レギュレータの前記弁部材の移動方向とは、前記第1仮想平面に垂直な第2仮想平面(β)に対し平行であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記燃料ポンプの前記ケースの中心軸(P2)と筒状に形成された前記レギュレータの中心軸(R2)とは、前記第1仮想平面に対し平行であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記燃料ポンプの前記ケースの中心軸と筒状に形成された前記レギュレータの中心軸とは、第1仮想平面に垂直な第2仮想平面に対し平行であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記フランジは、前記第1仮想平面に対して垂直に延びる前記吐出通路、その吐出通路に連通し燃料ポンプが挿入されるポンプ挿入孔(14)、および前記吐出通路に連通し前記レギュレータが挿入されるレギュレータ挿入孔(15)を有し、
前記ポンプ挿入孔の中心軸(P0)と前記レギュレータ挿入孔の中心軸(R0)とは、前記第1仮想平面に対し平行、且つ、前記第1仮想平面に垂直な第2仮想平面に対し平行であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料供給装置。 - 前記燃料ポンプを収容する筒状の大径部(43)、前記レギュレータを収容する有底筒状の小径部(44)、及び前記フランジに係合される係合部(41,42)が一体で形成されたハウジング(40)を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記ハウジングは、前記大径部の中心軸(H1)と、前記小径部の中心軸(H2)と、前記係合部の係合方向(H3)とが平行であることを特徴とする請求項8に記載の燃料供給装置。
- 前記燃料ポンプを前記ポンプ挿入孔に挿入する方向(B)と、前記レギュレータを前記レギュレータ挿入孔に挿入する方向(C)と、前記ハウジングの前記係合部を前記フランジに係合する方向(H3,D)とが平行であることを特徴とする請求項8または9に記載の燃料供給装置。
- 前記フランジは、樹脂射出成形の際、前記第1仮想平面に対し垂直な第1抜き方向(X)により前記吐出通路が形成され、前記第1仮想平面及び前記第2仮想平面に対し平行な第2抜き方向(Y)により前記ポンプ挿入孔及び前記レギュレータ挿入孔が形成されることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記レギュレータと前記燃料ポンプとを前記第1仮想平面に投影した際、前記レギュレータは、前記燃料ポンプの領域内に存在することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 前記レギュレータと前記燃料ポンプとを前記第1仮想平面に垂直な第2仮想平面に投影した際、前記レギュレータと前記燃料ポンプとは並列に配置されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
- 燃料タンクに貯留された燃料を汲み上げる燃料供給装置において、
前記燃料タンクの内側と外側とを通じる吐出通路を有し、前記燃料タンクに設けられた開口を塞ぐフランジと、
筒状のケースの内側に設けられたモータの回転により前記燃料タンク内の燃料を前記吐出通路に吐出する燃料ポンプと、
前記フランジと前記燃料ポンプとの間に設けられ、前記吐出通路の燃料圧力が所定圧よりも高くなると開弁する弁部材を有し、前記吐出通路から前記燃料タンク内に燃料を戻すレギュレータと、を備え、
前記レギュレータの前記弁部材の移動方向は、前記燃料ポンプの前記モータの回転軸と同じ方向であることを特徴とする燃料供給装置。
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