JP2014156517A - ポリエステルの製造方法及びポリエステル成形体の製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法及びポリエステル成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ポリエステル中の環状オリゴマーの除去効率が高く、しかも処理時間を従来に比して短縮できるポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るポリエステルの製造方法は、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルを、アルコールを含む処理溶媒と接触させ、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態に温度及び圧力を制御して環状オリゴマーを除去処理することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルの製造方法に関し、特に粗製ポリエステル中に含まれる環状オリゴマーを除去処理してポリエステルを製造する方法に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールの縮合反応により形成されるポリエステルの一種である。ポリエチレンテレフタレートは、芳香環を有する上、分子鎖が直線になりやすいことから、該芳香環や分子鎖に配向が生じやすく、結晶部分が形成されやすい。この結晶性の特性を生かして、ポリエチレンテレフタレートは、PETボトルやフィルムをはじめとする各種用途に使用されている。
このようなポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルには、重合時に生成するオリゴマー(例えば、ジカルボン酸とジオールからなるユニットを3つ有する環状三量体や、これらを4つ有する環状四量体等)や、残存モノマー等の不純物が、多いもので約5質量%含まれている。例えば、ポリエステルをフィルムに加工する際の加熱により、これらの不純物はフィルム表面に析出し、フィルム表面が白くなるといったフィルム品位低下の問題が生じてしまう。特に、この問題は高温条件になると顕著になる傾向にあった。更に、これらの不純物が空気中を浮遊すると、ゴミやチリとなり、製品を汚してしまう虞もある。また、不純物を含むポリエステルを用いて食品用途の製品を製造すると、これらの不純物は人に苦みを生じさせることがあり、食品の味を低下させてしまうといった問題も生じていた。
このような問題に対処した例として、物理的にオリゴマーの析出を防止する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、アクリル樹脂及び架橋剤からなる組成物の塗布層を形成して、オリゴマー析出量を1.0mg/m2以下に低減したことを特徴とするポリエステルフィルムが記載されている。
一方で、ポリエステルの原料中に残存するオリゴマーを更に重合することにより低減する方法がある。例えば、特許文献2には、ゲルマニウム化合物を触媒とする溶融重合法によって得られたポリエチレンテレフタレートを、ポリマー融点より5℃低い温度以下であって200℃以上の温度で、少なくとも30分間加熱して、オリゴマー含量を低減させる方法が記載されている。また、特許文献3には、水分量が1000ppm以下、酸素濃度が1000ppm以下の不活性ガス雰囲気中に、ポリエステルをその融点ないしその融点より80℃低い範囲の温度で、加熱処理時の圧力を1.05〜5.0kg/cm2の微加圧下に制御して加熱処理する方法が記載されている。
特開2005−89622号公報 特開昭53−101092号公報 特開平2−298512号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、塗布層を設けることにより、一定のオリゴマーのブロック効果はあるものの、ポリエステルを剥き出しの状態で使用する用途には適用できない。また、特定の塗布層を積層せねばならず、塗布層の設計において自由度が低いといった問題もある。
更に特許文献2〜3に記載される方法では、低分子量のオリゴマーだけでなく、ポリエステル自体も重合してしまうため、ポリエステルの分子量が増加し、成形が困難になるといった問題が存在していた。加えて、特許文献2に記載の方法では、熱処理時間が少なくとも30分以上、特許文献3に記載の方法では、熱処理時間が2時間以上も必要となるため、短時間で環状オリゴマー等の不純物を除去することができなかった。
また、特許文献2に開示されるような固相重合法では、低分子量のオリゴマー量を、8時間程度の処理により4500ppm程度、20時間もの処理を行っても3000ppm程度までしか低減させることができず、このような方法では3000ppm付近で除去処理が平衡に達することが分かった。
この様な状況下、本発明は、ポリエステル中の環状オリゴマーの除去効率が高く、しかも処理時間を従来に比して短縮できるポリエステルの製造方法を提供することを課題として掲げた。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルを、超臨界状態又は亜臨界状態のアルコールを含む処理溶媒と接触させると、環状オリゴマー(特に環状三量体)を短時間で、効率良く除去できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るポリエステルの製造方法は、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルを、アルコールを含む処理溶媒と接触させ、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態に温度及び圧力を制御して環状オリゴマーを除去処理することを特徴とする。環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度は、0.1dL/g以上であることが望ましい。また、前記亜臨界状態では、温度が、アルコールの大気圧下における沸点Tb以上臨界温度Tc未満であり、且つ、圧力が、各温度におけるアルコールの飽和蒸気圧Psatを超えている。加えて、前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。更に前記処理溶媒は、アルコール単独溶媒又はアルコール−水混合溶媒であり、前記アルコールはメタノールであることが好ましい。加えて、環状オリゴマー除去処理前のポリエステル中の環状三量体量をA1としたとき、環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状三量体量A2がA1の92%以下であり、更には、A1は2500ppm以上であることが好ましい態様である。また、前記環状オリゴマー除去処理時間は1時間以内であることが好ましい。加えて、不純物として環状オリゴマーを含有する前記ポリエステルは、ポリエステルのチップであることが好ましく、一方で、不純物として環状オリゴマーを含有する前記ポリエステルは、ポリエステル成形体であることも本発明には好ましい。
更に本発明は、アルコールを含む処理溶媒の存在下、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルチップを、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態で加熱混練し、得られた混練物を成形することを特徴とするポリエステル成形体の製造方法も包含する。
また本発明は、ジカルボン酸とジオールからなる繰り返し単位が2以上であり、カルボキシル基末端がC1〜C6の低級アルコールとエステル結合した直鎖状のオリゴマーを、10ppm以上含有することを特徴とするポリエステルをも包含する。
本発明によれば、環状オリゴマーを含有するポリエステルを、アルコールを含む処理溶媒と接触させるときに、前記アルコールを超臨界状態又は亜臨界状態に調整することにより、極めて短時間でポリエステル中の環状オリゴマーを除去することができる。また、本発明では、環状オリゴマーを除去することによりこれらの含有率を低減させているため、除去処理をせしめる限り、環状オリゴマーを平衡状態で飽和させることなく、環状オリゴマー量をより一層低減させることが可能となる。
本発明のポリエステルの製造方法は、不純物として環状オリゴマー(特に環状三量体)を含有するポリエステルを、アルコールを含む処理溶媒と接触させ、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態に温度及び圧力を制御して環状オリゴマーを除去処理するものである。本発明によれば、ポリエステルの主鎖の分解を防ぎながら、ポリエステルに含まれる環状オリゴマー等の不純物を効率よく除去することができる。そのため、ポリエステルを含む製品の原料として有用なポリエステルのチップや、不純物の除去されたポリエステル成形品を提供することが可能となる。
本発明においてポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合により得られる主鎖にエステル結合を有する高分子化合物をいい、重縮合反応直後のポリエステルからポリエステル製品(成形品)などまで広く包含される。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、それらの誘導体等が挙げられる。一方、ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、それらの誘導体等が挙げられる。本発明に好適なポリエステルは、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を用いて得られるポリエステルであり、その具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレートが特に好適である。
上記環状オリゴマー除去処理を施す前のポリエステルの固有粘度は、例えば、0.3dL/g以上が好ましく、より好ましくは0.4dL/g以上、更に好ましくは0.5dL/g以上である。また前記固有粘度は、例えば、2dL/g以下が好ましく、より好ましくは1.5dL/g以下、更に好ましくは1dL/g以下である。
本発明において環状オリゴマーとは、ポリエステルを構成するモノマーを構成ユニットに有する環状の低分子量物であり、具体的にはジカルボン酸とジオールからなるユニットを2〜10程度を有する環状の低分子量物をいう。本発明は、特に、ジカルボン酸とジオールユニットを3つ有する環状三量体、及びこれらを4つ有する環状四量体の低減に有用であり、より好適には環状三量体の低減に有用である。環状三量体は、環状オリゴマーの中でも表面への析出性が高いが、本発明によれば、この様な環状三量体を、析出性の低い他の化合物(例えば、環状三量体が開環した直鎖状のオリゴマー)に変換することができ、オリゴマー型不純物の表面析出を低減することが可能となる。
また本発明において、「環状オリゴマーの除去」とは、文字通り、環状オリゴマーを物理的に除去する態様の他に、環状オリゴマーが開環して直鎖状オリゴマーとなることにより、環状オリゴマーが低減される態様や、環状オリゴマーを構成するジカルボン酸とジオールとのユニットが分解され、ジカルボン酸成分とジオール成分にそれぞれ分解し、結果的に、環状オリゴマーが低減される態様も含まれる。
処理溶媒としては、アルコールを含む溶媒を使用するとよく、該アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のC1〜C6の低級アルコールが例示でき、中でも、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のC1〜C3の低級脂肪族アルコールが好ましく、より好ましくはメタノール、エタノールであり、特に好ましくはメタノールである。処理溶媒としてアルコールを使用することにより、ポリエステル中の環状オリゴマーの除去効率をより高めることが可能となる。また、アルコールを用いることにより、環状オリゴマー除去処理後に、ポリエステル中に残留する溶媒を、少ないエネルギーで揮発・乾燥させて除去することが可能となる。これらのアルコールは、単独でも、混合して使用してもよい。
アルコールを混合して使用する場合、質量基準で最も量の多いアルコール(主成分アルコール)の量は、アルコール全体に対して、例えば、60質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
また、前記処理溶媒は、少なくともアルコールを含んでいれば、他の溶媒を包含してもよい。他の溶媒としては、特に水が好ましい。他の溶媒の割合は、処理溶媒全体に対して、例えば、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。本発明においては、前記処理溶媒が、アルコール単独溶媒又はアルコール−水混合溶媒であることがより望ましい態様である。
本発明では、上述したように、上記処理溶媒中に含まれるアルコールが超臨界又は亜臨界となる状態でポリエステルを処理する。アルコールを複数組み合わせて使用する場合は、質量基準で最も量の多いアルコールが超臨界又は亜臨界となる状態でポリエステルを処理する。
本発明において超臨界状態とは、物質のp−T線図を描いたときに、臨界点(すなわち、物質の蒸気圧曲線が消滅する点)での臨界圧力Pcよりも圧力が高く、且つ、臨界点での臨界温度Tcよりも温度の高い領域における物質の状態をいう。例えば、メタノール(純物質)の場合、臨界温度Tcは239.5℃、臨界圧力Pcは8.08MPaであるため、メタノールの超臨界状態とは、温度が239.5℃よりも高く、且つ、圧力が8.08MPaよりも高い領域における物質の状態をいう。超臨界状態では、物質は、液体でも気体でもない特殊な状態を有する。
本環状オリゴマー除去処理を超臨界状態で実施する場合、圧力は、臨界圧力Pc以上、好ましくはPcの1.1倍以上、より好ましくはPcの1.2倍以上にしてもよい。また温度は、臨界温度Tc以上、好ましくはTc+10(℃)以上、より好ましくはTc+30(℃)以上、最も好ましくはTc+50(℃)以上にしてもよい。
一方、亜臨界状態とは、温度が、アルコールの大気圧(1気圧)下における沸点Tb以上臨界温度Tc未満であり、且つ、圧力が、各温度におけるアルコールの飽和蒸気圧Psatを超えていること(すなわち、圧力P>Psat)を満足する状態をいう。前記領域において、アルコールは液体である。なお、亜臨界状態での圧力及び温度は、その両方が臨界点を超えて物質が超臨界状態にならない限り、圧力だけが臨界圧力Pcを超えていてもよく、温度だけが臨界温度Tcを超えていてもよい。圧力の好ましい範囲は、例えば、Pcの0.7倍以上が好ましく、0.8倍以上がより好ましく、Pcの1.5倍以下が好適である。また温度は、例えば、Tc−70(℃)以上が好ましく、Tc−50(℃)以上がより好ましく、Tc+100(℃)以下が好適である。
環状オリゴマーの除去処理工程における温度は、上記超臨界状態又は亜臨界状態を達成可能な限り、好ましい範囲を設定してもよい。該温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上であってもよく、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは260℃以下であってもよい。処理温度を適切にすることで、ポリエステル主鎖の加水分解抑制と、環状オリゴマーの除去を、より優れたレベルでバランスさせることができる。
環状オリゴマーの除去処理工程における圧力も、上記超臨界状態又は亜臨界状態を達成可能な限り、より好ましい範囲を設定してもよい。該圧力は、好ましくは5MPa以上、より好ましくは7MPa以上、更に好ましくは8MPa以上であってもよく、好ましくは15MPa以下、より好ましくは13MPa以下、更に好ましくは11MPa以下であってもよい。処理圧力を適切にすることで、ポリエステル主鎖の加水分解抑制と、環状オリゴマーの除去を、より優れたレベルでバランスさせることができる。
また、環状オリゴマーの除去処理工程における時間(上記超臨界状態又は亜臨界状態の維持時間)は、好ましくは3分間以上、より好ましくは5分間以上、更に好ましくは7分間以上である。処理時間を長くするほど、環状オリゴマーを除去できる。なお、本発明の方法は、環状オリゴマーの除去効率に優れており、前記除去処理時間は従来に比して、大幅に短縮可能である。除去処理時間は、好ましくは1時間以下、より好ましくは45分以下、更に好ましくは30分以下、最も好ましくは20分以下である。処理時間を短くするほど、ポリエステル主鎖の分解を抑制できるため好ましい。
本発明の処理対象となるポリエステルは、不純物として環状オリゴマーを含有する。環状オリゴマー除去処理前のポリエステル中の、前記カルボン酸とジオールからなるユニットを3つ有する環状三量体の含有量(A1)は、例えば、質量基準で2500ppm以上、又は5000ppm以上、更には7000ppm以上である。このように、環状三量体の含有量が多くても、本発明によれば、環状三量体の量の低減が可能である。環状三量体の含有量について、その上限は特に限定されないが、通常、質量基準で20000ppm以下、好ましくは15000ppm以下、更に好ましくは10000ppm以下である。
また、処理対象となるポリエステルは、実質的に非晶質であることが望ましい。ポリエステルが非晶質であれば、ポリエステル表面に露出していないポリエステル内部の環状オリゴマーが表面に移動しやすくなるため、処理溶媒と接触できる環状オリゴマー量が増加するからである。溶媒が加圧や加熱をしていない液体状態のときは、処理溶媒が、ポリエステルの内部(例えばチップ内部)に浸透するまでに、一定の時間を要する。これに対し、超臨界状態や亜臨界状態等の加圧・加熱条件下では、処理溶媒がポリエステルの内部にまで浸透するための時間は短縮される傾向にある。特に、ポリエステルの非晶性が高い場合には、ポリエステルをガラス転移温度以上の条件下でアルコール処理したときに、マトリックスであるポリマーのモビリティが高まり、ポリエステル中に混在している環状オリゴマーが遊離しやすくなる。すなわち、ポリエステルの非晶性を高めると、処理溶媒がポリエステル内部へ浸透するために要する時間が短縮され、しかもポリエステル中の環状オリゴマーと処理溶媒がより接触し易くなるため、環状オリゴマーの除去を、効率良く実施することが可能となるのである。なお、ポリエステルの結晶性については、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱的挙動の測定により確認することができる(例えば、非晶質ポリエチレンテレフタレートは、100〜180℃の範囲に、再結晶化に伴う顕著な発熱ピークが観測される)。
ポリエステルと、アルコールを含む処理溶媒と接触方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルと処理溶媒を密閉した容器内にセットし、容器内を、所定の温度及び圧力に制御することにより、アルコールを超臨界状態又は亜臨界状態とする方法;ポリエステルに、超臨界状態又は亜臨界状態のアルコールを流通させる方法;等が挙げられる。ポリエステルと超臨界状態又は亜臨界状態のアルコールとの接触に際しては、容器内を攪拌したり、振動させたりしてもよい。
上記処理を行った結果、本発明によれば、環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状三量体量A2が前記A1の92%以下にまで低減させることが可能となる。更に、処理条件(例えば、アルコール種、処理温度、処理圧力等)を調整することにより、環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状三量体量A2をA1の80%以下にまで低減することもできる。
また本発明によれば、ポリエステル中の環状オリゴマーは大きく減少し、環状オリゴマーが開環した、ジカルボン酸とジオールからなる繰り返し単位を2以上有する直鎖状オリゴマーの含有量が増加する。直鎖状オリゴマーの末端カルボキシル基は、処理溶媒として用いられるアルコール(アルコールの詳細については、前記の通り)とエステル結合を形成していることがある。例えば、処理溶媒としてC1〜C6の低級アルコールを含む溶媒を採用すると、カルボキシル基末端がC1〜C6の低級アルコールとエステル結合した直鎖状のオリゴマーを含むポリエステルが得られる。具体的にアルコールとしてメタノールを用いる場合には、カルボキシル基末端がメチルエステル基で置換された直鎖状のオリゴマーを含むポリエステルが得られる。なお、前記直鎖状オリゴマーのジカルボン酸とジオールからなる繰り返し単位の上限は、特に限定されるものではないが、例えば10以下、更には5以下である。
前記直鎖状のオリゴマーの含有量は、ポリエステル中に10ppm以上であり、更には500ppm以上、環状オリゴマーの分解除去の進行度合いによっては、1000ppm以上にまで増加することもある。環状オリゴマーは結晶性が高いため、環状オリゴマーがポリエステル表面で白化する傾向にあるが、開環後の直鎖状オリゴマーは結晶性が低いため、この白化現象を抑制することができるため好ましい。
環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状三量体量は、質量基準で、好ましくは7000ppm以下、より好ましくは5000ppm以下、更に好ましくは4000ppm以下である。本発明によれば、処理条件を最適化することにより、前記環状三量体量を、3000ppm以下にすることも可能である。なお本発明では、環状三量体量を0ppmにしても不具合はなく、例えば、1000ppm以上でもよく、更には2000ppm以上であってもよい。
更に本発明によれば、極めて短時間で、ポリエステル中の環状オリゴマーを除去できる。下記式(i)で定義される除去速度は、環状三量体の場合、6.5〜70%/10分(更には、15〜70%/10分)を達成することができ、また、環状四量体の場合では、6〜60%/10分(更には、15〜70%/10分)を達成できる。
[除去速度(%/10分)]=(環状オリゴマーの低減率)/(除去処理時間) …式(i)
なお、本願明細書において、「環状オリゴマーの低減率」は、環状オリゴマー除去処理前のポリエステル中の環状オリゴマー量A3、及び、環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状オリゴマー量A4を用いて、(A3−A4)/A3×100(%)で定義される。
また、本発明によれば、環状オリゴマーを除去した後であっても、ポリエステル主鎖が完全に分解されることなく維持できている。環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度は、該処理前の固有粘度に対して、好ましくは0.2倍以上、より好ましくは0.25倍以上、更に好ましくは0.3倍以上である。一方、ポリエステル主鎖の分解を完全に回避することは難しい。環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度は、該処理前の固有粘度に対して、例えば、0.6倍以下、特に0.4倍以下であっても、実用上差し支えない。
また環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度は、例えば0.1dL/g以上、好ましくは0.15dL/g以上、更には0.2dL/g以上である。
更には、例えば処理前のポリエステルの固有粘度が高い場合(例えば、固相重合後に環状オリゴマーの除去処理を実施する場合等)は、固相重合後の固有粘度は、0.65dL/g以上、好ましくは0.75dL/g以上、より好ましくは0.9dL/g以上にしてもよい。なお該固相重合後に環状オリゴマーの除去処理を実施する場合、環状オリゴマーの除去処理によりポリエステルの固有粘度を低くして成形性を高めることにも利点があるため、このような場合は、環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度は、例えば、0.75dL/g以下、好ましくは0.7dL/g以下、更に好ましくは0.65dL/g以下である。
前述のように、本発明によれば、ポリエステルの主鎖を維持しながら、環状オリゴマーを除去できる。例えば、下記式(ii)で表される、ポリエステル主鎖の分解と、環状オリゴマーの分解の関係性を表す「固有粘度低下率に対する環状オリゴマーの低減率」は、本発明によれば、0.3以上(つまり、固有粘度が1%低下するときに環状オリゴマーが0.3%以上低下する)、更には0.5以上を達成しうる。
[固有粘度低下率に対する環状オリゴマーの低減率]=(環状オリゴマーの低減率)/(固有粘度の低減率) …式(ii)
なお、本願明細書において、「固有粘度の低減率」は、環状オリゴマー除去処理前のポリエステルの固有粘度IV、及び、環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度IV’を用いて、(IV−IV’)/IV×100(%)で定義される。
前記環状オリゴマー除去処理は、ポリエステルの重合からポリエステル製品の製造の適当な段階で適用できる。例えば、ポリエステルの一種であるポリエチレンテレフタレートは、後述する直接エステル化法やエステル交換法により製造される。そして、得られたポリエステルは、チップ化工程、成形工程等によって製品とされる。また必要に応じて、チップ化工程の前、又はチップ化工程と成形工程の間において、固相重合工程を実施することもできる。前記環状オリゴマー除去処理は、特に、重縮合以降の任意の段階に好ましく適用できる。
前記環状オリゴマー除去処理は、チップ化工程に適用することもできる。チップ化工程とは、重合後のポリエステルを溶融し、ダイヘッドより該溶融ポリエステルをストランド状に吐出し、冷却・固化した後、得られたストランドを適当な長さに切断することによりチップ(ペレット)を製造する工程である。すなわち、該チップ化工程において製造された、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルのチップ(ペレット)に対して環状オリゴマー除去処理を施すことにより、ポリエステル製品の原料段階での環状オリゴマーの除去が可能となる。
また、前記環状オリゴマー除去処理は、任意で実施される固相重合工程後に得られるチップに対しても実施することができる。固相重合はそれ自身、環状オリゴマーを低減することに有用な技術であるが、この固相重合と前記環状オリゴマー除去処理を組み合わせて実施することで、ポリエステル中の環状オリゴマー量をより低減することが可能となる。更に、固相重合法には、ポリエステルの高分子量化による成形性低下という欠点が存在するが、環状オリゴマー除去処理と組み合わせることで、この高分子量化の問題を軽減できる。その結果、環状オリゴマーを高いレベルで低減しつつ、ポリエステルの高分子量化を回避できるという新たな効果をもたらすことができるため好ましい。固相重合としては、例えば、減圧下又は不活性ガス雰囲気下において、170℃〜ポリエステルの融点(例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合230℃程度)の温度において、30分〜4時間加熱する方法を採用するとよい。
また、環状オリゴマー除去処理は、成形工程に適用することもできる。成形工程とは、ポリエステルの樹脂チップをホッパーにセットし、前記樹脂チップを加熱シリンダー内において溶融(軟化)・混練し、各種成形方法により所定の形状に成形する工程をいう。この様な一連の成形工程のうち、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルチップを溶融(軟化)・混練する際に、前記処理溶媒を加え、アルコールが超臨界状態・亜臨界状態となるように加熱シリンダー内の圧力・温度を所望の範囲に調整することにより、処理溶媒の存在下、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態で加熱混練し、得られた混練物を成形することができ、環状オリゴマーの除去と製品の成形が一度に実施することができるため経済的である。
更に、環状オリゴマー除去処理は、成形工程により得られるポリエステル成形体に直接施すことも可能である。処理対象となるポリエステルは、精製前の組成状態の樹脂、精製状態の樹脂、組成物、成形体、再生品(リサイクル品)等、いかなる形態であってもよい。
成形工程により得られるポリエステル成形体とは、ポリエステル又はポリエステルを含む組成物を種々の方法により成形したものであり、例えば、ポリエステル繊維(例えば、ステープルやフィラメント)、ポリエステルフィルム、ポリエステルシート、ポリエステルの中空成形体(例えば、ボトル等)、ポリエステル成形体原料等が挙げられる。具体的には、例えば、衣料用繊維;カーテン、カーペット、布団綿等に代表されるインテリア・寝装用繊維;タイヤコード、ロープ等に代表される産業資材用繊維;織物、編物、短繊維不織布、長繊維不織布等の各種布用繊維;包装用フィルム、工業用フィルム、光学用フィルム、磁気テープ用フィルム、写真用フィルム、缶ラミネート用フィルム、コンデンサ用フィルム、熱収縮フィルム、ガスバリアフィルム、白色フィルム、易カットフィルム等の各種フィルム;A−PET、C−PET等の各種シート;非耐熱延伸ボトル、耐熱延伸ボトル、ダイレクトブローボトル、ガスバリアボトル、耐圧ボトル、耐熱ボトル等の中空成形体;ガラス繊維強化ポリエステル、ポリエステルエラストマー等に代表されるエンジニアリングプラスチックの各種成形体;ポリエステルチップ、ストランド状のポリエステル等のポリエステル成形体原料;等が挙げられる。また、ポリエステル成形体は、ポリエステルと他の素材とを複合又は結合させたものであってもよい。
更に、前記ポリエステル成形体には、最終用途に応じて、例えば、安定剤、顔料、染料、核剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤等の添加剤を配合していてもよい。
前述したポリエステルの製造条件は公知の範囲で適宜設定できる。以下、ポリエチレンテレフタレートを例にとって説明する。ポリエチレンテレフタレートの製造方法としては、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール(及び必要により他の共重合成分)を直接反応させて水を留去してエステル化した後、減圧下において重縮合を行う直接エステル化法;ジメチルテレフタレートとエチレングリコール(及び必要により他の共重合成分)を反応させてメタノールを留去しエステル交換した後、減圧下において重縮合を行うエステル交換法;等が挙げられる。製造方法はこれらに限定されるものではなく、任意の製造方法を用いてもよい。
重合触媒としては、慣用の種々の触媒が使用でき、例えば、チタン系触媒、アンチモン系触媒、ゲルマニウム系触媒、スズ系触媒、コバルト系触媒、マンガン系触媒等、好ましくはチタン系触媒(チタニウムテトラブトキシド等)、アンチモン系触媒(三酸化アンチモン等)、ゲルマニウム系触媒(二酸化ゲルマニウム等)、コバルト系触媒(酢酸コバルト等)等が挙げられる。
またポリエステルには、着色やゲル発生等の不具合を防止するため、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩;酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩;酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩;塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩;塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩;を、添加してもよい。
エステル交換反応は、温度120〜230℃の条件下で実施するとよい。また、重縮合反応は、温度250〜300℃の条件下で、30〜240分で実施するとよい。
また、必要に応じて、ポリエステルには、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実施例・比較例で得られた環状オリゴマー除去処理後のポリエチレンテレフタレートは、以下のようにして評価した。
(1)固有粘度IV
PETの固有粘度を、JIS K 7367−5に準拠して測定した。溶媒としてはフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)との混合溶媒を用い、測定温度を30℃とした。単位はdL/gである。
(2)オリゴマー成分の定量
試料中の各オリゴマー成分の定量は以下の方法で行った。
試料100mgを精秤し、試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解させ、更にクロロホルム20mlを加えて希釈した。これに、メタノール10mlを加えてポリマーを沈殿させた後濾過し、濾液を蒸発・乾固して、ジメチルホルムアミド10mlで定容とした。この溶液を、液体クロマトグラフ/質量分析法(LC/MS)に供して、各オリゴマー成分の定性を行った。
次いで、高速液体クロマトグラフ法により、各オリゴマー成分の定量を行った。標準物質として、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)、及びジメチルテレフタレート(DMT)、PET環状三量体(C3)を用いた。直鎖状オリゴマー(C3−MeES、C4−MeES)は、BHETで換算、環状オリゴマーはC3で換算し、予め作成した検量線を用いて定量計算を行った。測定条件は以下の通りである。
[LC条件]
装置:Waters ACQUITY UPLC
カラム:Waters BEH−C18 2.1×150mm
移動相:A 0.1%ギ酸, B アセトニトリル
0min(5%B)−40(98)−45(98)
流速:0.2ml/min
カラム温度:40℃
注入量:5μl
検出波長:UV258nm
[MS条件]
装置:BRUKER DALTONICS micrOTOF
イオン化法:ESI正イオン測定および負イオン測定、APCI正イオン測定
製造例1
ジメチルテレフタレート1,000質量部、エチレングリコール700質量部、酢酸亜鉛・2水和物0.3質量部をエステル交換反応缶に仕込み、温度120〜210℃でエステル交換を行い、生成するメタノールを留去した。エステル交換が終了した時点で、リン酸0.13質量部および三酸化アンチモン0.3質量部を加え、系内を徐々に減圧にし、75分間で1mmHg以下とした。同時に、徐々に昇温して、温度280℃とした。同条件で70分間重縮合反応を行い、溶融ポリマーを吐出ノズルより水中に押し出し、カッターにより切断して、直径約3mm、長さ約5mmの円柱チップ状の粗製PETを得た。
比較例1
環状オリゴマー除去処理を実施せず、「(2)オリゴマー成分の定量」に従い、製造例1で得られた粗製PET中の各成分を定量した。
実施例1〜4、比較例2
内容積8.8mlのバッチ式反応器内に、ポリエチレンテレフタレート0.5gと、容器内の圧力が反応時に10MPaになるように純メタノールを調整して加え、次に反応器を所定の温度に加熱しておいた反応炉にセットし、表1に示す温度・圧力・条件で、PET中の環状オリゴマーの除去処理を行った。
比較例3
製造例1で得られた粗製PETレジンを、回転型真空重合装置を用いて、0.5mmHgの減圧下、220℃で所定時間、固相重合を行い、ポリエステルチップを作製した。
実施例及び比較例で得られた環状オリゴマー除去処理後のPETの固有粘度及びPET中に残存するオリゴマー量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014156517
表1より明らかな様に、超臨界状態又は亜臨界状態のアルコールでPETを処理した実施例1〜4では、速やかに環状三量体オリゴマー(C3)を低減できている。また、除去処理後であっても、実用上十分な固有粘度(IV)を確保できていることが分かる。

Claims (13)

  1. 不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルを、アルコールを含む処理溶媒と接触させ、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態に温度及び圧力を制御して環状オリゴマーを除去処理することを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 環状オリゴマー除去処理後のポリエステルの固有粘度が、0.1dL/g以上である請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 前記亜臨界状態では、温度が、アルコールの大気圧下における沸点Tb以上臨界温度Tc未満であり、且つ、圧力が、各温度におけるアルコールの飽和蒸気圧Psatを超えている請求項1又は2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 前記処理溶媒が、アルコール単独溶媒又はアルコール−水混合溶媒である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 前記アルコールがメタノールである請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  7. 環状オリゴマー除去処理前のポリエステル中の環状三量体量をA1としたとき、環状オリゴマー除去処理後のポリエステル中の環状三量体量A2がA1の92%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  8. 前記A1が2500ppm以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  9. 前記環状オリゴマー除去処理時間が1時間以内である請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  10. 不純物として環状オリゴマーを含有する前記ポリエステルが、ポリエステルのチップである請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  11. 不純物として環状オリゴマーを含有する前記ポリエステルが、ポリエステル成形体である請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステルの製造工程を含み、アルコールを含む処理溶媒の存在下、不純物として環状オリゴマーを含有するポリエステルチップを、前記アルコールの超臨界状態又は亜臨界状態で加熱混練し、得られた混練物を成形することを特徴とするポリエステル成形体の製造方法。
  13. ジカルボン酸とジオールからなる繰り返し単位が2以上であり、カルボキシル基末端がC1〜C6の低級アルコールとエステル結合した直鎖状のオリゴマーを、10ppm以上含有することを特徴とするポリエステル。
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