JP2014153386A - 光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents

光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】分光精度が高い光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器を提供する。
【解決手段】光学フィルターデバイス600は、光干渉フィルター5と、筐体601と、を具備する。光干渉フィルター5は、固定基板51、固定基板51と接合された可動基板52、固定基板51に設けられた固定反射膜、可動基板52に設けられた可動反射膜を備える。筐体601は、ベース基板610と、ベース基板610との間に内部空間を形成するリッド620とを備える。可動基板52は、平面視において、光干渉領域の外側で、固定基板51とは反対側の面に設けられた保持部522を備え、ベース基板610は、光通過領域に対応した光通過孔611を備え、光通過孔611の外周縁は、保持部522に対向し、可動基板52の固定基板51とは反対側の面が、ベース基板610に接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器に関する。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜を所定のギャップを介して対向配置した波長可変干渉フィルターが知られている。また、このような波長可変干渉フィルターを筐体内に収納した光学フィルターデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光学フィルターデバイスは、板状の台座(ベース基板)、及び円筒状のキャップを有するパッケージ(筐体)を備えている。この筐体は、ベース基板の周縁部分と、キャップの円筒一端部とが溶接または接着されて接続されており、ベース基板とキャップとの間に、波長可変干渉フィルターを収納する空間が設けられる。また、キャップは、台座部に対向する上面に孔が設けられ、この孔に、光を通過させる窓部が設けられている。
特開2008−70163号公報
ところで、上述した特許文献1のように、筐体に光通過孔を設けるだけでなく、ベース基板にも光透過用の孔を形成することがある。しかし、光通過孔などを形成するための加工によって、ベース基板の平行性が悪化する場合があった。例えば、光通過孔の外周縁付近に反りや突起等が生じていた。平行性が悪化したベース基板と波長可変干渉フィルターとを接合すると、反り部分や突起部分が局所的に波長可変干渉フィルターの接合面に接触するため、波長可変干渉フィルターが水平に固定されず、結果として、分解能が悪化するという課題があった。
本発明は、分光精度が高い光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の光学フィルターデバイスは、第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、及び、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜を備えた光干渉フィルターと、前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体と、を備え、前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されていることを特徴とする。
本発明では、光通過孔の外周縁が環状の凹部に対向する形で、ベース基板に光干渉フィルターが接合されている。このような構成では、例えば、光通過孔の外周縁付近に反りや突起等が生じて平行性が悪化したベース基板と光干渉フィルターとを接合する場合であっても、光通過孔の外周縁周辺は環状の凹部と対向しているので、光干渉フィルターの接合面への、反り部分や突起部分との局所的な接触を避けることができる。したがって、ベース基板に光干渉フィルターを水平に接合することができ、高い分光精度を実現することができる。
本発明の光学フィルターデバイスは、前記光干渉フィルターは、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えることが好ましい。
本発明では、光干渉フィルターが、ギャップ変更部を備えている。ギャップ変更部に印加する電圧を変化させることで反射膜間のギャップ寸法が変動し、取り出される光の波長を変化させることができる。
本発明の光学フィルターデバイスは、前記第二基板と前記ベース基板とが接着層を介して接合されていることが好ましい。
本発明では、第二基板とベース基板とが接着層を介して接合されている。このような構成では、接着層の厚み分だけベース基板と第二基板との間に間隔が生じるので、ベース基板の形状に基づく応力が第二基板に伝達されない。
本発明の光学フィルターデバイスは、前記ベース基板の光通過孔が、前記第二基板と対向する面側と、前記第二基板とは反対の面側とでその大きさが異なり、前記光通過孔の前記第二基板と対向する面側の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、前記環状の凹部は、前記光通過孔の前記第二基板とは反対の面側の外周縁よりも、前記平面視で外側に位置することが好ましい。
本発明では、光通過孔の第二基板と対向する面側の外周縁が環状の凹部に対向し、環状の凹部が、光通過孔の第二基板とは反対の面側の外周縁よりも、平面視で外側に位置する形で、ベース基板に光干渉フィルターが接合されている。
このような構成では、第二基板と対向する面側の外周縁が環状の凹部と対向しているので、光干渉フィルターの接合面への、反り部分や突起部分との局所的な接触を避けることができる。また、環状の凹部が外側に位置するように第二基板とは反対の面側の外周縁を配置しているので、デバイスに光が入射しても、環状の凹部には光が入らない。そのため、環状の凹部に光が入射することによる迷光の発生を防止することができ、所望の目的波長の光を取り出すことが可能となる。
本発明の光学フィルターデバイスは、前記ベース基板の前記第二基板とは反対側の面に設けられ、前記光通過孔を覆うカバーガラスを備え、前記カバーガラスは、前記ベース基板と対向する面に設けられた前記光通過孔よりも大きい凹部を備え、前記凹部内に前記光通過孔の外周縁が位置することが好ましい。
本発明では、ベース基板の平行性が保たれておらず、例えば、光通過孔の外周縁に反りや突起等が生じていた場合でも、カバーガラスに設けられた凹部によって、反り部分や突起部分との局所的な接触を避けることができるため、ベース基板にカバーガラスを水平に接合することができ、結果として、カバーガラスと光干渉フィルターとを平行に配置することができる。
本発明の光学フィルターデバイスは、前記カバーガラスは、スペーサーを介して前記ベース基板と接合されたことが好ましい。
本発明では、カバーガラスとベース基板とがスペーサを介して接合されている。このような構成では、例えば、ベース基板の平行性が悪化して、カバーガラスの凹部に反り部分や突起部分との局所的な接触が生じてしまう場合でも、スペーサーによって高さ調整をすることで、局所的な接触を避けることが可能となる。
本発明の光学モジュールは、第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えた光干渉フィルターと、前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体と、前記光干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、を備え、前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されていることを特徴とする。
本発明では、上述した発明と同様、ベース基板に光干渉フィルターを水平に接合することができ、高い分光精度を実現することができる。したがって、光干渉フィルターから取り出された光を検出部に検出することで、所望の特定波長の光の光量を精度よく検出することができる。
本発明の電子機器は、第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えた光干渉フィルターと、前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体とを備え、前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されていることを特徴とする。
本発明では、上述した発明と同様、ベース基板に光干渉フィルターを水平に接合することができ、高い分光精度を実現することができる。したがって、光干渉フィルターにより目的波長の光を高分解能で取り出すことができ、取り出された光により、精度の高い電子処理(例えば色度測定や成分分析等)を実施することができる。
本発明に係る第一実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す斜視図。 第一実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 第一実施形態の光学フィルターデバイスに収納された干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 第一実施形態の干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 第二実施形態における測色装置の概略構成を示すブロック図。 変形例の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 変形例の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 本発明の光学フィルターデバイスを備えたガス検出装置を示す概略図。 図8のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図。 本発明の光学フィルターデバイスを備えた食物分析装置の概略構成を示す図。 本発明の光学フィルターデバイスを備えた分光カメラの概略構成を示す模式図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.光学フィルターデバイスの構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態の光学フィルターデバイス600の概略構成を示す斜視図である。図2は、光学フィルターデバイス600の断面図である。
光学フィルターデバイス600は、入射した検査対象光から、所定の目的波長の光を取り出して射出させる装置であり、筐体601と、筐体601の内部に収納される波長可変干渉フィルター5(図2参照)を備えている。このような光学フィルターデバイス600は、例えば測色センサー等の光学モジュールや、測色装置やガス分析装置等の電子機器に組み込むことができる。なお、光学フィルターデバイス600を備えた光学モジュールや電子機器の構成については、後述の第二実施形態において説明する。
[2.波長可変干渉フィルターの構成]
波長可変干渉フィルター5は、本発明の光干渉フィルターを構成する。図3は、光学フィルターデバイス600に設けられた波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図であり、図4は、図3におけるIV−IV線を断面した際の波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、例えば矩形板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、本発明の第一基板である固定基板51、および本発明の第二基板である可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、本発明の第一反射膜を構成する固定反射膜54が設けられ、可動基板52には、本発明の第二反射膜を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54および可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。そして、波長可変干渉フィルター5には、この反射膜間ギャップG1の距離(寸法)を調整するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562とにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップG2(G2>G1)を介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップG2よりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップG2よりも大きく形成してもよい。
フィルター平面視において、固定基板51の一辺側(例えば、図3における頂点C1−頂点C2間の辺)は、可動基板52よりも外側に突出する。この突出部分のうち、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に露出する面は、第一電装面514を構成する。
また、フィルター平面視において、可動基板52の辺のうち、第一電装面514に対向する一辺側(頂点C3−頂点C4間の辺)は、固定基板51よりも外側に突出する。この突出部分のうち、波長可変干渉フィルター5を固定基板51側から見た際に露出する面は、第二電装面524を構成する。
(2−1.固定基板の構成)
固定基板51は、厚みが例えば500μmに形成されたガラス基材を加工することで形成される。具体的には、図4に示すように、固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511および反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561および可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、波長可変干渉フィルター5の中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。ここで、電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、第一電装面514及び第二電装面524に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
電極配置溝511の電極設置面511Aには、固定電極561が設けられている。この固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、電極引出溝511Bを通り、第一電装面514まで延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C1に位置する部分)は、第一電装面514において固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面51A(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
更に、固定基板51の光入射面51Aには、例えばCr等により形成される非透光性部材515が設けられる。この非透光性部材515は、環状に形成され、好ましくは円環状に形成される。そして、非透光性部材515の環内周径は、固定反射膜54及び可動反射膜55により光干渉させるための有効径に設定されている。これにより、非透光性部材515は、光学フィルターデバイス600に入射した入射光を絞るアパーチャーとして機能する。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び電極引出溝511Bが形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(2−2.可動基板の構成)
可動基板52は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材を例えば、エッチング等により加工することで形成されている。
具体的には、可動基板52は、図3に示すようなフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521の外側に設けられ、可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、電極間ギャップG2を介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁から第二電装面524に向かって延出する可動引出電極564を備えている。この可動引出電極564の延出先端部(可動基板52の頂点C4に位置する部分)は、第二電装面524において可動電極パッド564Pを構成する。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54と反射膜間ギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、フィルター平面視において環状に形成されている。保持部522は、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。また、保持部522は、後述するベース基板610の光通過孔611の外周縁が対向する位置に形成されている。
このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
基板外周部525は、上述したように、フィルター平面視において保持部522の外側に設けられている。この基板外周部525の固定基板51に対向する面は、第一接合部513に対向する第二接合部523を備えている。そして、この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合されている。
[3.筐体の構成]
図1及び図2に戻り、筐体601は、ベース基板610と、リッド620と、ベース側ガラス基板630(カバーガラス)と、リッド側ガラス基板640と、を備える。
ベース基板610は、例えば単層セラミック基板により構成される。このベース基板610には、波長可変干渉フィルター5の可動基板52が設置される。ベース基板610への可動基板52の設置は、例えば接着層610Aを介して配置されている。また、他の固定部材等に嵌合等されることで配置されるものであってもよい。
ベース基板610には、波長可変干渉フィルター5の反射膜(固定反射膜54,可動反射膜55)に対向する領域に、光通過孔611が開口形成されている。また、光通過孔611は、光通過孔611の外周縁が前述した可動基板52の保持部522と対向する位置に形成されている。
このベース基板610のリッド620に対向するベース内側面612(リッド対向面)には、波長可変干渉フィルター5の第一電装面514、第二電装面524上の各電極パッド563P,564Pと接続される内側端子部615が設けられている。なお、各電極パッド563P,564Pと内側端子部615との接続は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)615Aを用いることができ、例えばAgペースト、ACF(Anisotropic Conductive Film)、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等により接合する。なお、内部空間650を真空状態に維持するためにデガス(ガスの放出)が少ないAgペーストを用いることが好ましい。なお、FPC615Aによる接続に限られず、例えばワイヤーボンディング等による配線接続を実施してもよい。
また、ベース基板610は、各内側端子部615が設けられる位置に対応して、貫通孔614が形成されており、各内側端子部615は、貫通孔614を介して、ベース基板610のベース内側面612とは反対側のベース外側面613に設けられた外側端子部616に接続されている。ここで、貫通孔614には、内側端子部615及び外側端子部616を接続する金属部材(例えばAgペースト等)が充填され、筐体601の内部空間650の気密性が維持される。
そして、ベース基板610の外周部には、リッド620に接合されるベース接合部617が設けられている。
リッド620は、図1及び図2に示すように、ベース基板610のベース接合部617に接合されるリッド接合部624と、リッド接合部624から連続し、ベース基板610から離れる方向に立ち上がる側壁部625と、側壁部625から連続し、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側を覆う天面部626とを備えている。このリッド620は、例えばコバール等の合金または金属により形成することができる。
このリッド620は、リッド接合部624と、ベース基板610のベース接合部617とが、接合されることで、ベース基板610に密着接合されている。
この接合方法としては、例えば、レーザー溶着の他、銀ロウ等を用いた半田付け、共晶合金層を用いた封着、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス付着、ガラスフリット接合、エポキシ樹脂による接着等が挙げられる。これらの接合方法は、ベース基板610及びリッド620の素材や、接合環境等により、適宜選択することができる。
本実施形態では、ベース基板610のベース接合部617上に、例えばNiやAu等により構成された接合用パターン617Aを形成し、接合用パターン617A及びリッド接合部624に対して、高出力レーザー(例えばYAGレーザー等)を照射してレーザー接合する。
リッド620の天面部626は、ベース基板610に対して平行となる。この天面部626には、波長可変干渉フィルター5の各反射膜54,55に対向する領域に、光通過孔621が開口形成されている。
ここで、本実施形態では、リッド620の光通過孔621から光が入射し、波長可変干渉フィルター5により取り出された光はベース基板610の光通過孔611からか射出される。このような構成では、光通過孔621から入射された光のうち、波長可変干渉フィルター5の光入射面51Aに設けられた非透光性部材515の有効径の光のみが固定反射膜54、可動反射膜55に入射する。特に、波長可変干渉フィルター5の各基板51,52は、エッチングによる形状形成が行われ、エッチング部分はサイドエッチングの影響により曲面部が形成される。このような曲面部に光が入射すると、当該光が迷光となって光通過孔611から射出される場合がある。これに対して、本実施形態では、非透光性部材515によりこのような迷光の発生を防止することができ、所望の目的波長の光を取り出すことが可能となる。
ベース側ガラス基板630は、ベース基板610のベース外側面613側に、光通過孔611を覆って接合されるガラス基板である。ベース側ガラス基板630は、光通過孔611よりも大きいサイズに形成され、当該ベース側ガラス基板630の平面中心点Oが光通過孔611の平面中心点Oと一致するように配置される。なお、この平面中心点Oは、波長可変干渉フィルター5の平面中心点Oと一致し、固定反射膜54及び可動反射膜55、非透光性部材515の環内周縁の平面中心点Oと一致する。そして、ベース側ガラス基板630は、光学フィルターデバイス600をベース基板610(ベース側ガラス基板630)の厚み方向から見た平面視において、光通過孔611の外周縁611Aより外側の領域(外周縁611Aからベース側ガラス基板630の基板端縁631までの領域)がベース基板610に接合される。
同様に、リッド側ガラス基板640は、リッド620のベース基板610に対向する光通過孔621とは反対側のリッド内側面622側に、光通過孔621を覆って接合されるガラス基板である。リッド側ガラス基板640は、光通過孔621よりも大きいサイズに形成され、当該リッド側ガラス基板640の平面中心点Oが光通過孔621の平面中心点Oと一致するように配置される。そして、リッド側ガラス基板640は、光学フィルターデバイス600をベース基板610(リッド側ガラス基板640)の厚み方向から見た平面視において、光通過孔621の外周縁621Aより外側の領域(外周縁621Aからリッド側ガラス基板640の基板端縁641までの領域)がリッド620に接合される。
ベース基板610及びベース側ガラス基板630の接合、リッド620及びリッド側ガラス基板640の接合としては、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリットを用いたガラスフリット接合を用いることができる。このようなガラスフリット接合では、接合部分に隙間が生じることがなく、また、デガス(ガス放出)の少ないガラスフリットを用いることで、内部空間650を真空状態に維持することができる。なお、ガラスフリット接合に限られず、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス封着などによる接合を行ってもよい。また、エポキシ樹脂等による接着を行ってもよい。
以上のように、本実施形態の光学フィルターデバイス600では、筐体601は、ベース基板610及びリッド620の接合、ベース基板610及びベース側ガラス基板630の接合、リッド620及びリッド側ガラス基板640の接合により、筐体601の内部空間650が気密に維持されている。
[光学フィルターデバイスの製造方法]
次に、上述したような光学フィルターデバイス600の製造方法について説明する。
光学フィルターデバイス600の製造では、まず、光学フィルターデバイス600を構成する波長可変干渉フィルター5を製造するフィルター準備工程、ベース基板準備工程、リッド準備工程をそれぞれ実施する。
(フィルター準備工程)
フィルター準備工程では、まず、波長可変干渉フィルター5を製造するフィルターを形成する。
まず、固定基板51及び可動基板52を適宜エッチング処理等により形成する。ここで、可動基板52の保持部522は、後述するベース基板610の光通過孔611の外周縁が対向する位置に形成する。そして、固定基板51に対しては、固定電極561及び固定引出電極563を成膜した後、非透光性部材515を成膜し、その後、固定反射膜54を成膜する。また、可動基板52に対しては、可動電極562を成膜した後、可動反射膜55を成膜する。
この後、固定基板51及び可動基板52を、接合膜53を介して接合することで波長可変干渉フィルター5が得られる。
次に、得られた波長可変干渉フィルター5の固定電極パッド563P,可動電極パッド564Pに対して、FPC615Aを接続する。FPC615Aと各電極パッド563P,564Pとの接続では、例えばAgペースト、ACF(Anisotropic Conductive Film)、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等により接合する。なお、内部空間650を真空状態に維持する場合は、アウトガスが少ないAgペーストを用いることが好ましい。
(ベース基板準備工程)
ベース基板準備工程では、まず、ベース外形を形成する。セラミック基板の形成素材であるシートを積層した焼成前基板を適宜切削等し、光通過孔611を有するベース基板610の形状を成形する。ここで、光通過孔611は、光通過孔611の外周縁が前述した可動基板52の保持部522と対向する位置に形成する。そして、焼成前基板を焼成することで、ベース基板610を形成する。
なお、焼成形成されたベース基板610に対して、例えばYAGレーザー等の高出力レーザーを利用した加工により、光通過孔611を形成してもよい。
次に、ベース基板610に貫通孔614を形成する。微細な貫通孔614を形成するために、例えばYAGレーザー等を用いたレーザー加工を実施する。また、形成した貫通孔614に、密着性が高い導電性部材を充填する。
この後、ベース基板610に内側端子部615,外側端子部616を形成する。
例えば、Ni/Au等の金属を用いたメッキ加工を実施して、貫通孔614及び内側端子部615を形成する。また、ベース接合部617及びリッド接合部624を、レーザー溶接により接合する場合では、ベース接合部617にNi等のメッキを施し、接合用パターン617Aを形成する。
この後、ベース基板610に、光通過孔611を覆うベース側ガラス基板630を接合する。ベース側ガラス基板630の接合方法としては、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリットを用いたガラスフリット接合、低融点ガラスを用いた溶着、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。
(リッド準備工程)
リッド準備工程では、まず、リッド620を形成する。コバール等により構成された金属基板をプレス加工して、光通過孔621を有するリッド620を形成する。
この後、リッド620に、光通過孔621を覆うリッド側ガラス基板640を接合する。リッド側ガラス基板640の接合方法としては、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリットを用いたガラスフリット接合、低融点ガラスを用いた溶着、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。
(デバイス組み立て工程)
次に、上記得られた波長可変干渉フィルター5,ベース基板610,リッド620を接合して光学フィルターデバイス600を形成するデバイス組み立て工程を実施する。
このデバイス組み立て工程では、まず、ベース基板610に対して波長可変干渉フィルター5を固定する。固定反射膜54,可動反射膜55の平面中心点Oが、光通過孔611の平面中心点Oに一致し、ベース基板610の光通過孔611の外周縁が、波長可変干渉フィルター5の可動基板52の保持部522と対向するようにアライメント調整を実施する。そして、例えば接着剤等を用いて、可動基板52の基板外周部525をベース基板610に接着固定する。
この後、配線を接続する。フィルター準備工程で波長可変干渉フィルター5に接続されたFPC615Aの他端部を、ベース基板610の内側端子部615に貼り付けることで、内側端子部615と、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pとを接続する。この接続においても、デガスの少ないAgペーストを用いることが好ましい。
この後、ベース基板610及びリッド620を接合する。例えば真空チャンバー装置等において、真空雰囲気に設定された環境下でベース基板610及びリッド620を重ね合わせ、ベース基板610及びリッド620を例えばYAGレーザー等を用いたレーザー接合により接合する。このようなレーザー接合では、接合部のみを局所的に高温化して接合するため、内部空間650の温度上昇を抑制できる。したがって、波長可変干渉フィルター5の各反射膜54,55が高温により劣化する不都合を防止することができる。
以上により、光学フィルターデバイス600が製造される。
〔実施形態の作用効果〕
本実施形態では、光学フィルターデバイス600は、波長可変干渉フィルター5と、筐体601と、を備える。波長可変干渉フィルター5は、固定基板51、固定基板51と接合された可動基板52、固定基板51に設けられた固定反射膜、可動基板52に設けられた可動反射膜、及び各反射膜間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備える。筐体601は、ベース基板610と、ベース基板610との間に内部空間を形成するリッド620とを備える。そして、可動基板52は、平面視において、光干渉領域の外側で、固定基板51とは反対側の面に設けられた保持部522を備え、ベース基板610は、光通過領域に対応した光通過孔611を備え、光通過孔611の外周縁は、保持部522に対向し、可動基板52の固定基板51とは反対側の面が、ベース基板610に接合されている。
このような構成では、例えば、光通過孔611の外周縁付近に反りや突起等が生じて平行性が悪化したベース基板610と波長可変干渉フィルター5とを接合する場合であっても、光通過孔611の外周縁周辺は保持部522と対向しているので、波長可変干渉フィルター5の接合面への、反り部分や突起部分との局所的な接触を避けることができる。したがって、ベース基板610に波長可変干渉フィルター5を水平に接合することができ、高い分光精度を実現することができる。
本実施形態では、ベース基板610への可動基板52の設置が、接着層610Aを介して配置されている。このような構成では、接着層610Aの厚み分だけベース基板610と可動基板52との間に間隔が生じるので、ベース基板610の形状に基づく応力が可動基板52に伝達されない。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
第二実施形態では、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600が組み込まれた光学モジュールである測色センサー3、及び光学フィルターデバイス600が組み込まれた電子機器である測色装置1を説明する。
〔1.測色装置の概略構成〕
図5は、第一実施形態の測色装置1の概略構成を示すブロック図である。
測色装置1は、本発明の電子機器である。この測色装置1は、図5に示すように、検査対象Xに光を射出する光源装置2と、測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備える。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を検査対象Xにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Xの色を分析して測定する装置である。
〔2.光源装置の構成〕
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図5には1つのみ記載)を備え、検査対象Xに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Xに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば検査対象Xが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
〔3.測色センサーの構成〕
測色センサー3は、本発明の光学モジュールを構成し、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600を備えている。この測色センサー3は、図5に示すように、光学フィルターデバイス600と、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光する検出部31と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部32とを備える。
また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、検査対象Xで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、光学フィルターデバイス600内の波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
検出部31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。ここで、検出部31は、例えば回路基板311を介して、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
また、この回路基板311には、ベース基板610のベース外側面613に形成された外側端子部616が接続されており、回路基板311に形成された回路を介して、電圧制御部32に接続されている。
このような構成では、回路基板311を介して、光学フィルターデバイス600及び検出部31を一体的に構成でき、測色センサー3の構成を簡略化することができる。
電圧制御部32は、回路基板311を介して光学フィルターデバイス600の外側端子部616に接続される。そして、電圧制御部32は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564P間に所定のステップ電圧を印加することで、静電アクチュエーター56を駆動させる。これにより、電極間ギャップG2に静電引力が発生し、保持部522が撓むことで、可動部521が固定基板51側に変位し、反射膜間ギャップG1を所望の寸法に設定することが可能となる。
〔4.制御装置の構成〕
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図5に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、および測色処理部43などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター56への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、検査対象Xの色度を分析する。
〔5.実施形態の作用効果〕
本実施形態の測色装置1は、上記第一実施形態のような光学フィルターデバイス600を備えている。上述したように、光学フィルターデバイス600は、ベース基板610に波長可変干渉フィルター5を水平に接合することができ、高い分光精度を実現することができる。したがって、測色センサー3においても、高分解能で取り出された目的波長の光を検出部31により検出することができ、所望の目的波長の光に対する正確な光量を検出することができる。これにより、測色装置1は、検査対象Xの正確な色分析を実施することができる。
また、検出部31は、ベース基板610に対向して設けられ、当該検出部31及びベース基板610のベース外側面613に設けられた外側端子部616は、1つの回路基板311に接続されている。すなわち、光学フィルターデバイス600のベース基板610は光射出側に配置されているため、光学フィルターデバイス600から射出された光を検出する検出部31と近接して配置することができる。したがって、上述のように、1つの回路基板311に配線することで、配線構造を簡略化でき、基板数も削減することができる。
また、電圧制御部32を回路基板311上に配置してもよく、この場合、更なる構成の簡略化を図ることができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
図6は、一変形例における光学フィルターデバイスを示す断面図である。
図6に示すように、この光学フィルターデバイス600Aは、ベース基板610の光通過孔611が、可動基板52と対向する面側と、可動基板52とは反対の面側とでその大きさが異なるように構成されている。そして、光通過孔611の可動基板52と対向する面側の外周縁611Bは保持部522に対向し、保持部522は、光通過孔611の可動基板52とは反対の面側の外周縁611Cよりも、平面視で外側に位置するように構成されている。
上記構造のベース基板610は、光通過孔の径の大きさがそれぞれ異なる2枚の基板を積層した積層構造により形成することができる。具体的には、可動基板52と対向する面側となるベース形成用第一基板610Bの光通過孔611の径を、その外周縁611Bが保持部522に対向するような大きさにする。そして、可動基板52とは反対の面側となるベース形成用第二基板610Cの光通過孔611の径を、保持部522が、その外周縁611Cよりも、平面視で外側に位置するような大きさにする。
上記第一実施形態では、ベース基板610の光通過孔611の外周縁と可動基板52の保持部522を対向させていたが、このような構成のデバイスに光が入射すると、当該光が迷光となって光通過孔611から射出される場合がある。それは、保持部522はエッチング等により加工することで形成されているため、保持部522と可動部521との境界は曲面で形成されており、この曲面に光が入射することによって乱反射などが生じるためである。
これに対して、本実施形態では、迷光を考慮して、保持部522が外側に位置するように可動基板52とは反対の面側の外周縁611Cを配置しているので、デバイスに光が入射しても、保持部522には光が入らない。そのため、保持部522に光が入射することによる迷光の発生を防止することができ、所望の目的波長の光を取り出すことが可能となる。
図7は、一変形例における光学フィルターデバイスを示す断面図である。
図7に示すように、この光学フィルターデバイス600Bは、ベース側ガラス基板630Aがベース基板610と接合する面に設けられた光通過孔611よりも大きい凹部632を備えている。そして、この凹部632は、光通過孔611の外周縁が位置するように形成されている。
このような光学フィルターデバイス600Bでは、ベース基板610の平行性が保たれておらず、例えば、光通過孔611の外周縁に反りや突起等が生じていた場合でも、ベース側ガラス基板630Aに設けられた凹部632によって、反り部分や突起部分との局所的な接触を避けることができるため、ベース基板610にベース側ガラス基板630Aを水平に接合することができ、ベース側ガラス基板630Aと波長可変干渉フィルター5とが平行になる。
また、上記実施形態では、ベース側ガラス基板630Aは、スペーサを介してベース基板610と接合される構成としてもよい。このような構成では、例えば、ベース基板610の平行性が悪化して、ベース側ガラス基板630Aの凹部632に反り部分や突起部分との局所的な接触が生じてしまう場合でも、スペーサーによって高さ調整をすることで、局所的な接触を避けることが可能となる。
また、上記第一実施形態において、光学フィルターデバイス600は、固定電極561及び可動電極562に電圧を印加することで、静電引力により反射膜間ギャップG1の大きさを変更可能な波長可変干渉フィルター5が収納される例を示したがこれに限定されない。例えば、反射膜間ギャップG1を変更するギャップ変更部として、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイルまたは永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
さらに、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、および上部電極層を積層配置させ、下部電極層および上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
また、リッド620は、リッド接合部624、側壁部625、及び天面部626を備え、天面部626がベース基板610に対して平行となる構成を示したがこれに限定されない。リッド620の形状としては、ベース基板610との間に波長可変干渉フィルター5を収納可能な内部空間650を形成できれば、いかなる形状であってもよく、例えば天面部626が曲面形状に形成されていてもよい。ただし、この場合、内部空間650の気密性を維持するために、リッド620に接合するリッド側ガラス基板640をリッド620に合わせて曲面状に形成し、かつ、光通過孔621を閉塞する部分のみ、屈折等が生じないように平面状に形成する必要がある等、製造が煩雑になることが考えらえる。したがって、上記第一実施形態のように天面部626がベース基板610と平行となるリッド620を用いることが好ましい。
上記第一実施形態では、内側端子部615及び外側端子部616を、ベース基板610に設けられた貫通孔614内に導電性部材を介して接続する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ベース基板610の貫通孔614に棒状の端子を圧入し、端子の先端部と、固定電極パッド563Pや可動電極パッド564P等と、を接続する構成としてもよい。
上記第一実施形態では、波長可変干渉フィルター5に設けられる本発明の電極部として、静電アクチュエーターを構成する固定電極561及び可動電極562(及びこれらの電極561,562に接続された電極パッド563P,564P)を例示したが、これに限定されない。
本発明の電極の他の例としては、例えば、固定反射膜54及び可動反射膜55の電荷保持量の変化から反射膜間ギャップG1の大きさを測定するための静電容量検出電極や、各基板51,52や、固定反射膜54,可動反射膜55に保持された電荷を逃がし、基板間のクーロン力を除去するための帯電除去電極等が挙げられる。
上記第一実施形態において、固定基板51の光入射面に非透光性部材515を設ける構成としたが、例えば、入射側のリッド側ガラス基板640に非透光性部材515を設ける構成などとしてもよい。
また、上記第一実施形態では、リッド620側から入射された光を波長可変干渉フィルター5に多重干渉させ、波長可変干渉フィルター5を透過した光をベース側ガラス基板630から射出する光学フィルターデバイス600を例示したが、例えばベース基板610側から光を入射させる構成としてもよい。この場合、可動基板52にアパーチャとして機能させる非透光性部材を設けてもよく、あるいは、非透光性部材が設けられた固定基板51をベース基板610に固定する構成等としてもよい。
また、本発明の電子機器として、第二実施形態において測色装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器を用いることができる。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図8は、波長可変干渉フィルターを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図9は、図8のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図8に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、および排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、光学フィルターデバイス600、および受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図9に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図9に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、および排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気などが除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、およびレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光学フィルターデバイス600に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、上記図8及び図9において、ラマン散乱光を光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図10は、光学フィルターデバイス600を利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図10に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する光学フィルターデバイス600と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って光学フィルターデバイス600に入射する。光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5は電圧制御部222の制御により所望の波長を分光可能な電圧が印加されており、分光された光が、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部222を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、およびその含有量を求める。また、得られた食物成分および含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。さらに、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、さらには、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図10において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、本発明の波長可変干渉フィルター、光学モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の波長可変干渉フィルターにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図11は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図11に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図11に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた光学フィルターデバイス600を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
さらには、本発明の波長可変干渉フィルターをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
さらには、光学モジュールおよび電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の波長可変干渉フィルター、光学モジュール、および電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の波長可変干渉フィルターは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光学モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1…測色装置、2…光源装置、3…測色センサー、4…制御装置、5…波長可変干渉フィルター、21…光源、22…レンズ、31…検出部、32…電圧制御部、41…光源制御部、42…測色センサー制御部、43…測色処理部、51…固定基板、52…可動基板、53…接合膜、54…固定反射膜、55…可動反射膜、56…静電アクチュエーター、100…ガス検出装置、110…センサーチップ、120…流路、130…本体部、131…センサー部カバー、133…排出手段、134…筐体、135…光学部、136…フィルター、137…受光素子、138…制御部、139…電力供給部、140…操作パネル、141…表示部、142…接続部、143…接続部、144…信号処理部、145…光源ドライバー回路、146…電圧制御部、147…受光回路、148…センサーチップ検出器、149…センサーチップ検出回路、150…排出ドライバー回路、200…食物分析装置、210…検出器、211…光源、212…撮像レンズ、213…撮像部、220…制御部、221…光源制御部、222…電圧制御部、223…検出制御部、224…信号処理部、225…記憶部、230…表示部、300…分光カメラ、310…カメラ本体、311…回路基板、320…撮像レンズユニット、321…対物レンズ、322…結像レンズ、330…撮像部、511…電極配置溝、512…反射膜設置部、513…第一接合部、514…第一電装面、515…非透光性部材、521…可動部、522…保持部、523…第二接合部、524…第二電装面、525…基板外周部、531…第一接合膜、532…第二接合膜、561…固定電極、562…可動電極、563…固定引出電極、564…可動引出電極、600…光学フィルターデバイス、601…筐体、610…ベース基板、611…光通過孔、612…ベース内側面、613…ベース外側面、614…貫通孔、615…内側端子部、616…外側端子部、617…ベース接合部、620…リッド、621…光通過孔、624…リッド接合部、625…側壁部、626…天面部、630…ベース側ガラス基板、631…基板端縁、632…凹部、640…リッド側ガラス基板、641…基板端縁、650…内部空間、120A…吸引口、120A1…除塵フィルター、120B…吸引流路、120C…排出流路、120D…排出口、135A…光源、135B…ビームスプリッター、135C…レンズ、511A…電極設置面、511B…電極引出溝、512A…反射膜設置面、51A…光入射面、521A…可動面、563P…固定電極パッド、564P…可動電極パッド、600A…光学フィルターデバイス、600B…光学フィルターデバイス、610A…接着層、610B…ベース形成用第一基板、610C…ベース形成用第二基板、611A…外周縁、611B…外周縁、611C…外周縁、617A…接合用パターン、621A…外周縁、630A…ベース側ガラス基板、C1…頂点、C2…頂点、C3…頂点、C4…頂点、G1…反射膜間ギャップ、G2…電極間ギャップ、O…平面中心点、X…検査対象。

Claims (8)

  1. 第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、及び、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜を備えた光干渉フィルターと、
    前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体と、を備え、
    前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、
    前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、
    前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、
    前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されている
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  2. 請求項1に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
    前記光干渉フィルターは、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えることを特徴とする光学フィルターデバイス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
    前記第二基板と前記ベース基板とが接着層を介して接合されている
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学フィルターデバイスにおいて、
    前記ベース基板の光通過孔が、前記第二基板と対向する面側と、前記第二基板とは反対の面側とでその大きさが異なり、
    前記光通過孔の前記第二基板と対向する面側の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、
    前記環状の凹部は、前記光通過孔の前記第二基板とは反対の面側の外周縁よりも、前記平面視で外側に位置する
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学フィルターデバイスにおいて、
    前記ベース基板の前記第二基板とは反対側の面に設けられ、前記光通過孔を覆うカバーガラスを備え、前記カバーガラスは、前記ベース基板と対向する面に設けられた前記光通過孔よりも大きい凹部を備え、前記凹部内に前記光通過孔の外周縁が位置する
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  6. 請求項5に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
    前記カバーガラスは、スペーサーを介して前記ベース基板と接合された
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  7. 第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えた光干渉フィルターと、
    前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体と、
    前記光干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、を備え、
    前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、
    前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、
    前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、
    前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されている
    ことを特徴とする光学モジュール。
  8. 第一基板、前記第一基板に対向する第二基板、前記第一基板上に設けられ、入射光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板上に設けられ、前記第一反射膜に対向し、入射光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部を備えた光干渉フィルターと、
    前記光干渉フィルターを固定するベース基板、前記ベース基板に接合され、前記ベース基板との間に前記光干渉フィルターを収納可能な内部空間を形成するリッドとを備えた筐体とを備え、
    前記第二基板は、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なる光干渉領域の外側で、前記第一基板とは反対側の面に設けられた環状の凹部を備え、
    前記ベース基板は、光通過領域に対応した光通過孔を備え、
    前記光通過孔の外周縁は、前記環状の凹部に対向し、
    前記第二基板の前記第一基板とは反対側の面が、前記ベース基板に接合されている
    ことを特徴とする電子機器。

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