JP5987618B2 - 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のファブリペローフィルター(波長可変干渉フィルター)は、固定基板と、スペーサーを介して固定基板と対向配置された可動基板とを備え、固定基板に固定鏡が設けられ、可動基板に可動鏡が設けられている。また、可動基板は、ダイヤフラムと、ダイヤフラムに囲われた突起部とを備え、突起部に可動鏡が配置されている。そして、この波長可変干渉フィルターでは、ダイヤフラムと、固定基板との間に電圧を印加して発生した静電引力により、可動基板のダイヤフラムを固定基板側に撓ませて、固定鏡と反射鏡との間の寸法を変更する構成が採られている。
したがって、上記のように、波長可変干渉フィルターにより取り出す光を長波長側から短波長側にシフトさせると、可動鏡の撓みの影響と、固定鏡や可動鏡の反射率特性の影響とにより、さらに分解能が不均一になるという課題がある。
本発明では、初期状態において、第二基板における少なくとも第二反射膜が設けられる領域がなだらかに第一基板から離れる方向に湾曲するので、可動反射膜もなだらかに撓んだ状態となっている。そして、本発明の波長可変干渉フィルターでは、ギャップ変更部は、第二基板を第一基板側に撓ませる。すなわち、ギャップ変更部は、第二基板が第一基板から離れる方向に湾曲した初期状態から、第二基板及び第一基板が平行となる近接状態に近づくように、ギャップの大きさを変化させる。このような場合では、反射膜間のギャップの大きさが小さくなるに従って、すなわち、長波長側から短波長側に向かうに従って、反射膜の撓みが減少し、第一反射膜及び第二反射膜の平行度が向上する。
一方、第一反射膜及び第二反射膜の反射率特性は、第一波長の第一反射率と、第一波長より長い第二波長の第二反射率とを比較した際に、第一反射率が第二反射率よりも低くなる。すなわち、長波長側から短波長側に向かうに従って、反射率が低くなる。
つまり、後で詳述するように、本発明では、波長可変干渉フィルターにより長波長の光を取り出す場合では、第一反射膜及び第二反射膜の反射率は高いが、第二基板の湾曲による第二反射膜の撓みの影響が大きくなり、短波長の光を取り出す場合では、第一反射膜及び第二反射膜の反射率は低いが、第二基板の湾曲による第二反射膜の撓みの影響を小さくできる。したがって、測定波長域内の各波長の分解能を均一に近付けることができ、各波長の光を均一に近い分解能で取り出すことが可能となる。
本発明では、第二基板に湾曲形成部を設けることで、第二基板を湾曲させている。この場合、例えば、第二基板に対してエッチングやプレス等の加工処理を実施することなく、第二基板に対して湾曲形成部を設けるだけで容易に第二基板を湾曲させることができる。
本発明では、湾曲形成部が膜状部材であり、内部応力によって第二基板を撓ませている。このため、湾曲形成部の形成が容易であり、また、湾曲形成部が膜状であるため、第二基板の厚みが増大することもない。すなわち、波長可変干渉フィルターの構成の簡略化、小型化に対応することができる。
本発明では、透光性を有する湾曲形成部が、平面視において第一反射膜及び第二反射膜と重なる光干渉領域に設けられている。湾曲形成部が透光性を有するため、第一反射膜や第二反射膜に入射する光、又は第一反射膜及び第二反射膜により取り出された光を透過させることができ、波長可変干渉フィルターにより取り出される光の光量の減少を抑えることができる。また、湾曲形成部が光干渉領域に設けられることで、初期状態において、第二基板の第二反射膜が設けられている領域を適切に湾曲させることができ、長波長側における半値幅を広げることができる。
本発明では、湾曲形成部は、第二基板の第一反射膜と対向しない面(外面)に設けられている。この場合、湾曲形成部を帯電しにくい素材により構成することで、第二基板の外面の帯電を防止することも可能となる。また、第二基板の広い範囲に湾曲形成部を設けることができ、湾曲形成部自体の厚み寸法を小さくできる。
本発明では、湾曲形成部は、第二基板を湾曲させるとともに、第二反射膜の保護膜としても機能させることができ、第二反射膜の光学特性の低下を抑制することができる。
本発明では、湾曲形成部が、第二基板と第二反射膜との間に設けられている。この場合、湾曲形成部により第二反射膜の密着性を向上させることができる。
本発明では、湾曲形成部は、可動部に設けられているので、湾曲形成部が保持部に設けられる構成に比べて、保持部が撓み易くなる。つまり、保持部上に湾曲形成部が設けられる場合、保持部の厚み寸法が増大して撓みにくくなり、ギャップ変更部により強い力を付与する必要が生じる。これに対して、本実施形態では、上記のように、保持部上には湾曲形成部が設けられないので、僅かな力で容易に保持部を撓ませてギャップの大きさを変更することができる。
また、可動部に湾曲形成部が設けられているので、保持部に湾曲形成部が設けられる場合に比べて、可動部を効果的に湾曲させることができ、第二反射膜を撓ませることができる。
本発明では、上述した発明と同様に、測定波長域内の各波長の分解能を均一にでき、各波長の光を略同じ分解能で取り出すことが可能となる。これに加え、波長可変干渉フィルターが筐体内に収納されるため、例えば運搬時における衝撃等から波長可変干渉フィルターを保護することができ、また、波長可変干渉フィルターの第一反射膜や第二反射膜への異物(例えば水滴や帯電物質等)の付着を抑制することができる。
本発明では、上述した発明と同様に、測定波長域内の各波長の光を均一な分解能で取り出すことが可能となる。したがって、検出部において、測定波長域内の各波長に対して均一な分解能で取り出された光を検出することができ、波長によらず、均一な精度で光量測定を実施することができる。
本発明では、上述した発明と同様に、測定波長域内の各波長の光を均一な分解能で取り出すことが可能となる。したがって、電子機器において、均一な分解能で取り出された各波長の光を用いた精度の高い各種処理を実施することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、本発明の電子機器であり、測定対象Xで反射された測定対象光に基づいて、測定対象光のスペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、制御部20と、を備えている。
次に、光学モジュール10の構成について、以下に説明する。
光学モジュール10は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御部15とを備えて構成される。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5は、いわゆるファブリーペローエタロンである。この波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、固定基板51と、可動基板52とを備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶、シリコンなどにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
図3は、図2のIII-III線における波長可変干渉フィルター5の断面図である。この図3は、静電アクチュエーター56に電圧が印加されていない初期状態、つまり反射膜間ギャップG1が最大となる状態を示す図である。
固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、静電アクチュエーター56による静電引力や、固定基板51上に形成される膜部材(例えば固定反射膜54等)の内部応力による固定基板51の撓みはない。
この固定基板51は、図3に示すように、例えばエッチング等により形成された電極配置溝511および反射膜設置部512を備える。また、固定基板51の外周縁の一部(頂点C1)には、図2に示すように、切欠部514が設けられており、この切欠部514から後述する可動電極パッド564Pが波長可変干渉フィルター5の表面に露出される構成となる。
この電極配置溝511の溝底面は、静電アクチュエーター56の固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、固定反射膜54が配置される反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の各頂点C1,C2に向かって延出する電極引出溝511B(図2参照)が設けられている。
また、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2に向かう電極引出溝511Bに沿って、頂点C2まで延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、電圧制御部15に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
この固定電極561としては、導電性を有していればいかなる素材により構成されていてもよい。具体的には、固定電極561は、金属膜や合金膜に対して密着性が良好な金属酸化物により構成されており、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜や、Cr層及びAu層の積層体等により構成されている。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。
図4は、固定反射膜54(可動反射膜55)としてAgC単層膜を用いた場合の反射率特性を示す図である。
この固定反射膜54としては、図4に示すように、少なくとも可視波長域内において、短波長側から長波長側に向かうに従って反射率が高くなる反射率特性を有している。すなわち、固定反射膜54の反射率特性は、可視波長域(例えば380nm〜780nm)内の第一波長の第一反射率と、第一波長よりも長い第二波長の第二反射率とを比較した場合に、第一反射率が第二反射率よりも小さくなる。
このような反射率特性を有する固定反射膜54として、例えばAg等の金属膜や、AgC合金等の合金膜等、を用いることが好ましい。本実施形態では、固定反射膜54がAgC合金膜である構成を例示する。
可動基板52は、図2及び図3に示すように、フィルター平面視で、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
そして、可動基板52は、図3に示すように、静電アクチュエーター56に電圧を印加していない初期状態において、保持部522及び可動部521が固定基板51から離れる方向に、凸状に湾曲している。
また、可動基板52には、図2に示すように、頂点C2に切欠部524が設けられ、上述したように、この切欠部524から固定電極パッド563Pの先端部が露出する。
そして、可動電極562には、頂点C1方向に延出し、固定基板51の頂点C1に向かう電極引出溝511Bに対向して配置される可動引出電極564が設けられている。この可動引出電極564の延出先端部(可動基板52の頂点C1に位置する部分)は、電圧制御部15に接続される可動電極パッド564Pを構成する。この可動電極562としては、固定電極561と同様に、導電性を有していればよく、例えばITO膜や、Cr層にAu層を積層した積層体等を用いることができる。
上述したような電極構成では、フィルター平面視において、固定電極561及び可動電極562が重なる円環領域により、静電アクチュエーター56が構成される。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
なお、図3に示す例では、湾曲形成膜57は、固定反射膜54及び可動反射膜55が対向する光干渉領域Ar0(フィルター平面視において、固定反射膜54と可動反射膜55とが重なり合う領域)にのみ形成されているが、これに限定されない。例えば、湾曲形成膜57は、外面521B全体に形成されていてもよい。この場合、湾曲形成膜57により内部応力を作用させる面積が増大するので、可動基板52を所定量湾曲させるために必要な膜厚寸法を小さくすることができる。すなわち、湾曲形成膜57自体の膜厚寸法が小さくなり、湾曲形成膜57における光損失を抑制できる。
電圧制御部15は、波長可変干渉フィルター5の固定引出電極563(固定電極パッド563P)、可動引出電極564(可動電極パッド564P)に接続されている。
そして、電圧制御部15は、制御部20から測定対象波長に対応した電圧指令信号を受信すると、対応する電圧を固定引出電極563及び可動引出電極564間に印加する。これにより、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56(固定電極561及び可動電極562間)に、印加電圧に基づいた静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位して、反射膜間ギャップG1の大きさが変化する。
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、フィルター駆動部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備える。
また、制御部20は、各種データを記憶する記憶部30を備え、記憶部30には、静電アクチュエーター56を制御するためのV−λデータが記憶される。
このV−λデータには、静電アクチュエーター56に印加する電圧に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光のピーク波長が記録されている。
光量取得部22は、ディテクター11により取得された光量に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量を取得する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
分光測定部23における分光測定方法としては、例えば、測定対象波長に対してディテクター11により検出された光量を、当該測定対象波長の光量として分光スペクトルを測定する方法や、複数の測定対象波長の光量に基づいて分光スペクトルを推定する方法等が挙げられる。
分光スペクトルを推定する方法としては、例えば、複数の測定対象波長に対する光量のそれぞれを行列要素とした計測スペクトル行列を生成し、この計測スペクトル行列に対して、所定の変換行列を作用させることで、測定対象となる光の分光スペクトルを推定する。この場合、分光スペクトルが既知である複数のサンプル光を、分光測定装置1により測定し、測定により得られた光量に基づいて生成される計測スペクトル行列に変換行列を作用させた行列と、既知の分光スペクトルとの偏差が最小となるように、変換行列を設定する。
次に、上述したような波長可変干渉フィルター5の光学特性について、図面に基づいて説明する。
一般に、波長可変干渉フィルター5のようなファブリーペローエタロンにおける光学特性は、反射膜の撓み、及び反射膜の反射率特性に応じて変化する。
図5は、反射膜の撓みがないと仮定した場合において、図4に示すような反射率特性を有する反射膜を固定反射膜54及び可動反射膜55として用いた波長可変干渉フィルター5の光学特性(ピーク波長に対する半値幅(FWHM))を示す図である。また、図6は、反射膜の反射率特性が、測定波長域の各波長に対して同一反射率であると仮定した場合における、波長可変干渉フィルター5の光学特性を示す図である。
このため、反射膜の撓みがないと仮定した場合では、静電アクチュエーター56に電圧を印加して、反射膜間ギャップG1の大きさを初期状態から小さくすると、図5の矢印Y1に示すように、透過光の半値幅が変動する。
一方、固定反射膜54及び可動反射膜55の撓みが小さい場合、光干渉領域Ar0において反射膜間ギャップG1の大きさが均一となるため、半値幅が小さく、分解能が向上する。
本実施形態では、図3に示すように、反射膜間ギャップG1の大きさが最大となる初期状態において、可動基板52が固定基板51から離れる方向に凸状に湾曲している。つまり、初期状態において、可動反射膜55は湾曲した状態となる。そして、静電アクチュエーター56に印加する電圧を大きくし、可動部521を固定基板51側に変位させると、可動部521の撓みは小さくなる。そして、本実施形態では、所定の最短測定対象波長の光を取り出す際、つまり、最大電圧を印加して、反射膜間ギャップG1の大きさを最も小さくした際に、図7に示すように、可動部521の可動面521Aが平坦となり、固定反射膜54及び可動反射膜55が平行となる。
したがって、反射膜の反射特性が一様であると仮定した場合、本実施形態の波長可変干渉フィルター5において、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、反射膜間ギャップG1を初期状態から小さくしていくと、図6の矢印Y2に示すように、透過光の半値幅が変動する。
言い換えれば、本実施形態では、図8に示すように、測定波長域内の各波長に対して半値幅が一定となるように、初期状態における可動基板52の撓み量を決定し、当該撓み量で可動基板52を湾曲させる湾曲形成膜57を可動基板52に対して形成する。これにより、波長可変干渉フィルター5は、少なくとも測定波長域において、均一な分解能で各波長の光を取り出すことが可能となる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター5は、静電アクチュエーター56に電圧が印加されていない初期状態において、可動基板52が固定基板51から離れる方向に湾曲しており、静電アクチュエーター56に電圧を印加することで、可動部521を固定基板51側に変位させて反射膜間ギャップの大きさを変更する。また、固定反射膜54及び可動反射膜55は、短波長側から長波長側に向かうに従って反射率が高くなる反射率特性を有している。
このような構成の波長可変干渉フィルター5では、初期状態において、可動反射膜55が撓んでおり、反射膜間ギャップの大きさが小さくなるに従って、可動反射膜55の撓み量が小さくなる。したがって、波長可変干渉フィルター5により取り出す光を、長波長側から短波長側にシフトさせることで、透過光の半値幅が小さくなり、分解能が高くなる。一方、反射膜54,55は、長波長側から短波長側に向かうに従って反射率が低下する。
このため、本実施形態の波長可変干渉フィルター5では、測定波長域内の各測定対象波長に対する半値幅を均一にできる。すなわち、波長可変干渉フィルター5は、測定対象波長によらず同じ分解能で光を取り出すことができる。
また、波長によって分解能が異なる場合では、例えば測定対象波長によって、測定誤差が変動してしまうが、本実施形態では測定誤差も一様となるため、容易に誤差の補正を行うことができ、精度の高い光量検出、分光測定を実施することができる。
このような構成では、可動基板52に対して、湾曲形成膜57を形成するだけで、容易に可動基板52を固定基板51から離れる方向に湾曲させることができ、構成の簡略化を図れ、製造効率性も向上させることができる。
次に、本発明に係る第二実施形態について、以下説明する。
上述した第一実施形態では、湾曲形成膜57を可動部521の外面521Bに設ける構成を例示した。これに対して、第二実施形態では、湾曲形成膜を、可動部521の可動面521A側に設ける点で上記第一実施形態と相違する。
図9に示すように、本実施形態では、湾曲形成膜57Aは、可動部521に設けられた可動反射膜55を覆って形成されている。
この場合、湾曲形成膜57Aとしては、引張応力を有する膜を用いる。そして、上述したように、波長可変干渉フィルター5Aの光学特性が、測定波長域内の各波長に対して略一定の半値幅となるように、初期状態における可動基板52の撓み量を決定し、当該撓み量に応じて、可動基板52を湾曲させる湾曲形成膜57Aの形成方法や、膜厚等のパラメータを設定する。
さらに、湾曲形成膜57Aを例えばITO膜等の導電性膜により構成してもよい。この場合、湾曲形成膜57Aを、GNDに接続することで、例えば帯電防止用電極等として機能させることができる。また、反射膜54,55が金属膜や合金膜等により構成されている場合や、固定反射膜54上にITO膜等の導電性膜を形成する場合では、湾曲形成膜57A及び固定反射膜54を、静電容量検出量電極として機能させてもよく、駆動用電極として機能させることもできる。
次に、本発明に係る第三実施形態について、以下説明する。
上述した第二実施形態では、湾曲形成膜57Aで、可動反射膜55の表面を覆う構成を例示した。これに対して、第三実施形態では、湾曲形成膜を、可動基板52と可動反射膜55との間に設ける点で、上記第二実施形態と相違する。
図10に示すように、本実施形態では、湾曲形成膜57Bは、可動部521の可動面521A上に設けられ、この湾曲形成膜57B上に可動反射膜55が設けられている。
この場合、第二実施形態と同様に、湾曲形成膜57Bは、引張応力を有する膜を用いる。これにより、可動基板52を、固定基板51から離れる方向に凸状に湾曲させることができる。
次に、本発明に係る第四実施形態について、以下説明する。
上述した第一実施形態では、可動部521の外面521Bにおける光干渉領域Ar0に湾曲形成膜57を設ける構成、又は、外面521B全体を湾曲形成膜57で覆う構成を例示した。
これに対して、第四実施形態では、湾曲形成膜を、可動部521の光干渉領域Ar0の外側に設ける点で上記第一実施形態から第三実施形態と相違する。
図11に示すように、本実施形態では、湾曲形成膜57Cは、可動部521の外面521B上に、円環状に形成される。このような湾曲形成膜57Cとしては、第一実施形態と同様に、圧縮応力を有する膜材を用いる。これにより、可動基板52を固定基板51から離れる方向に凸状に湾曲させることができる。
次に、本発明の第五実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態の分光測定装置1では、光学モジュール10に対して、波長可変干渉フィルター5が直接設けられる構成とした。しかしながら、光学モジュールとしては、複雑な構成を有するものもあり、特に小型化の光学モジュールに対して、波長可変干渉フィルター5を直接設けることが困難な場合がある。本実施形態では、そのような光学モジュールに対しても、波長可変干渉フィルター5を容易に設置可能にする光学フィルターデバイスについて、以下に説明する。
図12は、本発明に係る第五実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図である。
筐体601は、ベース基板610と、リッド620と、ベース側ガラス基板630と、リッド側ガラス基板640と、を備える。
また、ベース基板610は、各内側端子部615が設けられる位置に対応して、貫通孔614が形成されており、各内側端子部615は、貫通孔614に充填された導電性部材を介して、ベース基板610のベース内側面612とは反対側のベース外側面613に設けられた外側端子部616に接続されている。
そして、ベース基板610の外周部には、リッド620に接合されるベース接合部617が設けられている。
このリッド620は、リッド接合部624と、ベース基板610のベース接合部617とが、接合されることで、ベース基板610に密着接合されている。
この接合方法としては、例えば、レーザー溶着の他、銀ロウ等を用いた半田付け、共晶合金層を用いた封着、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス付着、ガラスフリット接合、エポキシ樹脂による接着等が挙げられる。これらの接合方法は、ベース基板610及びリッド620の素材や、接合環境等により、適宜選択することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、可動基板52の形成時において、エッチングやプレス加工により、可動基板52を湾曲形状に形成してもよい。
また、第五実施形態のような光学フィルターデバイス600では、例えば、電極引出溝511Bを封止部材により封止して、固定基板51及び可動基板52間の空間を密閉空間とし、筐体601内部の圧力を、固定基板51及び可動基板52間の密閉空間の圧力よりも小さくすることで、可動基板52を湾曲させる構成としてもよい。
さらに、湾曲形成部として、内部応力により可動基板52を湾曲させる湾曲形成膜57,57A,57B,57Cを例示したがこれに限定されない。例えば、自然状態において、凸状に湾曲した可撓性部材を可動基板52の外面521Bに固定し、可撓性部材の湾曲形状に沿って可動基板52を湾曲させる構成としてもよい。
さらには、これら可動反射膜55や可動電極562を本発明の湾曲形成部として機能させてもよい。例えば、可動反射膜55や、可動電極562を、内部応力(引張応力)を有する膜材により構成し、これらの内部応力により可動基板52を固定基板51から離れる方向に凸状に湾曲させてもよい。
また、上記実施形態では、可動部521の可動面521A及び外面521Bのいずれか一方に湾曲形成膜57,57A,57B,57Cを設ける構成を例示したが、例えば、可動面521A及び外面521Bの双方に設ける構成としてもよい。
例えば、ギャップ変更部としては、固定基板51に設けられる第一誘電コイルと、可動基板52に設けられる第二誘電コイルまたは永久磁石とにより構成される誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
更に、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
さらには、電圧印加により反射膜間ギャップG1の大きさを変化させる構成に限られず、例えば、固定基板51及び可動基板52の間の空気圧を変化させることで、反射膜間ギャップG1の大きさを調整する構成なども例示できる。
図13は、波長可変干渉フィルター5を備えた測色装置400の一例を示すブロック図である。
この測色装置400は、図13に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置410と、測色センサー420(光学モジュール)と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430(制御部)とを備える。そして、この測色装置400は、光源装置410から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光し、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図13に示すように、光源制御部431、測色センサー制御部432、および測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部431は、光源装置410に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力して、所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の指令信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420の電圧制御部15は、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、ディテクター11により検出された受光量から、検査対象Aの色度を分析する。また、測色処理部433は、上記第一及び第二実施形態と同様、ディテクター11により得られた光量を計測スペクトルDとして、推定行列Msを用いて分光スペクトルSを推算することで検査対象Aの色度を分析してもよい。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図15は、図14のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図14に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5B,5Cを用いてもよく、光学フィルターデバイス600を用いてもよい。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図15に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図15に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。また、ガス検出装置100には、V−λデータを記憶する記憶部(図示略)を備える。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146に対して制御信号を出力する。これにより、電圧制御部146は、上記第一実施形態に示すように、記憶部から測定対象波長に対応する電圧値を読み込み、その電圧を波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を精度よく取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
この食物分析装置200は、図16に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5A,5B,5Cを用いてもよく、光学フィルターデバイス600を用いてもよい。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルター5により特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
図17は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図17に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図17に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
Claims (11)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向して配置された第二基板と、
前記第一基板に設けられ、入射した光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に対向して配置され、入射した光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜と、
前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップの大きさを変更するギャップ変更部と、を備え、
前記第二基板は、前記ギャップ変更部により前記ギャップの大きさを変更していない初期状態において、前記第一基板が配置された側とは反対側に凸となるように湾曲し、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、可視波長域内の第一波長に対する第一反射率と、前記第一波長よりも長い前記可視波長域内の第二波長に対する第二反射率とを比較した場合に、前記第一反射率が前記第二反射率よりも低い
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第二基板に設けられ、当該第二基板を前記第一基板が配置された側とは反対側に湾曲させる湾曲形成部を備えた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記湾曲形成部は、膜状部材であり、前記初期状態において、当該湾曲形成部に生じた内部応力により前記第二基板を湾曲させている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2又は請求項3に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記湾曲形成部は、前記第一反射膜と前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長域の光に対して透光性を有し、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なり合う光干渉領域に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記湾曲形成部は、前記第二基板の前記第一基板に対向しない面に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記湾曲形成部は、前記第二基板の前記第一基板に対向する面に設けられた前記第二反射膜を覆って配置されている
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記湾曲形成部は、前記第二基板と、前記第二反射膜との間に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2から請求項7のいずれかに記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第二基板は、前記第二反射膜が設けられる可動部と、前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記可動部の外に設けられ、当該可動部を前記第一基板に対して進退可能に保持する保持部と、を備え、
前記湾曲形成部は、前記可動部に設けられた
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられ、入射した光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に対向して配置され、入射した光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップの大きさを変更するギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターを収納する筐体と、を備え、
前記第二基板は、前記ギャップ変更部により前記ギャップの大きさを変更していない初期状態において、前記第一基板が配置された側とは反対側に凸となるように湾曲し、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、可視波長域内の第一波長に対する第一反射率と、前記第一波長よりも長い前記可視波長域内の第二波長に対する第二反射率とを比較した場合に、前記第一反射率が前記第二反射率よりも低い
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 第一基板と、
前記第一基板に対向して配置された第二基板と、
前記第一基板に設けられ、入射した光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に対向して配置され、入射した光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜と、
前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップの大きさを変更するギャップ変更部と、
前記第一反射膜と前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長の光を検出する検出部と、を備え、
前記第二基板は、前記ギャップ変更部により前記ギャップの大きさを変更していない初期状態において、前記第一基板が配置された側とは反対側に凸となるように湾曲し、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、可視波長域内の第一波長に対する第一反射率と、前記第一波長よりも長い前記可視波長域内の第二波長に対する第二反射率とを比較した場合に、前記第一反射率が前記第二反射率よりも低い反射率特性を有する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられ、入射した光の一部を反射し一部を透過する第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に対向して配置され、入射した光の一部を反射し一部を透過する第二反射膜、及び前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の間のギャップの大きさを変更するギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、
前記第二基板は、前記ギャップ変更部により前記ギャップの大きさを変更していない初期状態において、前記第一基板が配置された側とは反対側に凸となるように湾曲し、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜は、可視波長域内の第一波長に対する第一反射率と、前記第一波長よりも長い前記可視波長域内の第二波長に対する第二反射率とを比較した場合に、前記第一反射率が前記第二反射率よりも低い
ことを特徴とする電子機器。
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