JP5884393B2 - 波長可変干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents
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Description
これに対し、本発明では、部分アクチュエーターが、電気的に直列に接続されているので、2つの電圧印加用部分電極間で電圧Vを印加すると、それぞれ容量リアクタンスに応じた分圧が印加されることとなり、かつ、各部分アクチュエーターにおいて保持される電荷量は同一となる。また、各部分アクチュエーターは、平面視において同一面積を有しているため、これらの各部分アクチュエーターで作用する静電引力は、電極の面積、及び保持される電荷量が同値となるため、同一の大きさとなる。
また、本発明では、2つの電圧印加用部分電極間に駆動電圧を印加するだけで、上述のように、各部分アクチュエーターに作用させる静電引力を均一にすることができ、分解能の低下を抑えることができる。このため、各部分アクチュエーターに印加する電圧を制御するための複雑な回路を不要にでき、各部分アクチュエーターに対する個別の電圧制御をも行う必要がないので、静電アクチュエーターの制御も容易に実施できる。
このような構成では、各部分アクチュエーターの面積を精度よく同一面積に揃えることができる。つまり、例えば第一部分電極及び第二部分電極が同一形状に形成され、平面視において、これらの外周縁を一致させて部分アクチュエーターを形成する場合、平面視において、第一部分電極の外周縁と第二部分電極の外周縁とを一致するように、アライメント調整する必要があり、高精度なアライメント調整工程が必要となる。
これに対して、本発明では、第一部分電極及び第二部分電極のうち、一方の外周縁が他方の外周縁よりも内側に位置する構成であるため、サイズが小さい一方の外周縁が他方の外周縁の内側に位置するようにアライメント調整すればよく、各部分アクチュエーターの平面視における面積を容易に揃えることができる。
本発明によれば、各第一部分電極が同一形状であり、各第二部分電極が同一形状であるため、第一部分電極及び第二部分電極の位置合わせ(アライメント調整)がより容易となる。したがって、より製造効率性を向上させることができる。
例えば、2つの部分アクチュエーターにより構成された静電アクチュエーターを2つ並列接続する波長可変干渉フィルターと、4つの部分アクチュエーターにより構成された1つの静電アクチュエーターとを比較した場合、前者の波長可変干渉フィルターは、後者の波長可変干渉フィルターの略半分の駆動電圧で、後者の波長可変干渉フィルターと同じ静電引力を得ることができる。
この発明では、電子機器は、上述したような波長可変干渉フィルターと同様の構成を備えている。したがって、第一反射膜及び第二反射膜間のギャップの寸法を変更した場合でも、各部分アクチュエーターに均一な静電引力を作用させることができ、高分解能で所望の光を取り出すことができる。したがって、電子機器において、このような高分解能で取り出された光に基づいて、高精度な各種処理を実施することができる。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔測色装置の全体構成〕
図1は、本発明に係る実施形態の測色装置(電子機器)の概略構成を示す図である。
この測色装置1は、本発明の電子機器であり、図1に示すように、測定対象Aに光を射出する光源装置2と、本発明の光学モジュールである測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4とを備えている。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出される光を測定対象Aにて反射させ、反射された測定対象光を測色センサー3にて受光し、測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、測定対象光の色度、すなわち測定対象Aの色を分析して測定する装置である。
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図1には1つのみ記載)を備え、測定対象Aに対して白色光を射出する。複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれていてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから測定対象Aに向かって射出する。
なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば測定対象Aが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
測色センサー3は、本発明の光学モジュールを構成する。この測色センサー3は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光して検出する検出部31と、波長可変干渉フィルター5に駆動電圧を印加する電圧制御部32と、を備えている。また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、測定対象Aで反射された反射光(測定対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した測定対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
検出部31は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、検出部31は、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図であり、図3は、図2をIII−III線で断面した波長可変干渉フィルター5の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、例えば平面正方形状の板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、本発明の第一基板である固定基板51、及び本発明の第二基板である可動基板52を備えている。これらの2枚の基板51,52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
さらに、固定基板51と可動基板52との間には、固定反射膜56及び可動反射膜57の間のギャップの寸法を調整するために用いられる静電アクチュエーター54が設けられている。この静電アクチュエーター54は、固定基板51側に設けられる本発明の第一電極としての固定電極541と、可動基板52側に設けられる本発明の第二電極としての可動電極542とを備えている。ここで、これらの電極541,542は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すような平面視において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜56及び可動反射膜57の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致する。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
図4は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター5における固定基板51を可動基板52側から見た平面図である。
固定基板51は、厚みが例えば500μmに形成されるガラス基材を加工することで形成される。具体的には、図3に示すように、固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極541及び可動電極542間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極541の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点T1(図2参照)には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド547Pが露出する。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点T1,頂点T2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
この固定電極541は、図4に示すように、平面中心点Oを中心とした仮想円Pの円周に沿う円弧状の複数の固定部分電極543(543A,543B,543C)により構成されている。これらの固定部分電極543は、本発明の第一部分電極を構成する。
本実施形態では、フィルター平面視において、各固定部分電極543の仮想円Pの円周方向に沿う長さ寸法L1が同一寸法に形成され、仮想円Pの接線に直交する方向(仮想円Pの径方向)に沿う幅寸法D1が同一寸法に形成される。また、固定部分電極543A,543B,543Cは、それぞれの重心点Ga1,Gb1,Gc1が仮想円Pの円周上において等角度間隔(120度間隔)となるように配置される。また、各固定部分電極543の厚み寸法は、同一厚み寸法に設定されることが好ましい。
また、固定部分電極543B及び固定部分電極543Cは、固定電極接続線546により接続されている。
そして、これらの固定部分電極543上には、固定電極541及び可動電極542の間の放電を防止するための絶縁膜(図示略)が積層されている。
図5は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター5における可動基板52を固定基板51側から見た平面図である。
可動基板52は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。
具体的には、可動基板52は、図2、図5に示すようなフィルター平面視において、基板中心点(平面中心点O)を中心とした円形の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。ここで、可動部521及び保持部522により本発明の可動領域が構成され、当該可動領域の重心点は、平面中心点Oと一致する。
また、可動基板52は、図2及び図5に示すように、頂点T2の位置に切欠部524を備えており、波長可変干渉フィルター5の可動基板52側に、固定電極パッド545Pが露出する。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
この可動電極542は、図5に示すように、仮想円Pに沿った円弧状の複数の可動部分電極544(544A,544B,544C)により構成されている。これらの可動部分電極544は、本発明の第二部分電極を構成する。
本実施形態では、フィルター平面視において、各可動部分電極544の仮想円Pの円周方向に沿う長さ寸法L2は同一寸法に形成されており、この長さ寸法L2は、固定部分電極543の長さ寸法L1よりも小さい寸法となる。また、フィルター平面視において、各可動部分電極544の仮想円Pの径方向に沿う幅寸法D2は同一寸法に形成されており、この幅寸法D2は、固定部分電極543の幅寸法D1よりも小さい寸法となる。また、各可動部分電極544の厚み寸法は、同一厚み寸法に形成されることが好ましい。
そして、フィルター平面視において、これらの可動部分電極544A,544B,544Cは、それぞれの重心点Ga2,Gb2,Gc2が仮想円Pの円周上において等角度間隔(120度間隔)となるように配置される。また、これらの各重心点Ga2,Gb2,Gc2は、それぞれ、固定部分電極543A,543B,543Cの重心点Ga1,Gb1,Gc1と一致する。すなわち、フィルター平面視において、各可動部分電極544の外周縁は、各固定部分電極543の外周縁の内側に位置する。言い換えれば、各可動部分電極544は、各固定部分電極543よりも小さいサイズに形成されている。
そして、フィルター平面視において、可動部分電極544と、固定部分電極543とが重なる領域により、本発明の部分アクチュエーター55が構成される。
さらに、可動部分電極544A及び可動部分電極544Bは、可動電極接続線548により接続されている。
このため、保持部522は可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により固定基板51側に撓ませることが可能となる。この際、可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、静電引力により可動基板52を撓ませる力が作用した場合でも、可動部521の撓みはほぼなく、可動部521に形成された可動反射膜57の撓みも防止できる。
図6は、第一実施形態の静電アクチュエーター54の配線図である。
静電アクチュエーター54は、図2に示すように、フィルター平面視において、固定部分電極543A及び可動部分電極544Aが重なる領域により構成される部分アクチュエーター55Aと、固定部分電極543B及び可動部分電極544Bが重なる領域により構成される部分アクチュエーター55Bと、固定部分電極543C及び可動部分電極544Cが重なる領域により構成される部分アクチュエーター55Cとを備えている。
ここで、上述したように、フィルター平面視において、可動部分電極544の外周縁は、当該可動部分電極544に対向する固定部分電極543の外周縁よりも内側に位置しているため、フィルター平面視における部分アクチュエーター55の面積は、可動部分電極544の面積と同じ面積となる。また、本実施形態では、各可動部分電極544が同一形状に形成されるので、各部分アクチュエーター55のフィルター平面視における面積も同一面積となる。さらに、フィルター平面視における各可動部分電極544の重心点Ga2,Gb2,Gc2は、各部分アクチュエーター55における重心点Ga,Gb,Gcと一致し、仮想円Pの円周上で、等角度間隔(120度間隔)に配置される構成となる。
そして、部分アクチュエーター55A,55Bは、可動電極接続線548により接続され、部分アクチュエーター55B,55Cは、固定電極接続線546により接続されている。つまり、静電アクチュエーター54を構成する各部分アクチュエーター55(55A,55B,55C)は、図6に示すように、電気的に直列接続されている。
また、各部分アクチュエーター55A,55B,55Cにおける固定部分電極543と可動部分電極544との間の寸法(部分電極間ギャップ)をそれぞれd1、d2、d3、フィルター平面視における各部分アクチュエーター55A,55B,55Cの面積をS、誘電率をεとすると、各部分アクチュエーター55A,55B,55Cの静電容量C1,C2,C3はそれぞれ、以下の式(1)〜(3)で表される。
C1=εS/d1 …(1)
C2=εS/d2 …(2)
C3=εS/d3 …(3)
Q=C1V1=C2V2=C3V3 …(4)
したがって、静電引力F1,F2,F3は、上記式(1)〜(4)を代入すると、以下の式(5)〜(7)のように表せる。
F1=E1Q=Q2/εS …(5)
F2=E2Q=Q2/εS …(6)
F3=E3Q=Q2/εS …(7)
したがって、例えば、初期ギャップにおいて、部分電極間ギャップd1、d2、d3の値に、例えば測定精度に影響しない程度の僅かな差があり、静電アクチュエーター54に電圧を印加した場合であっても、これらの部分電極間ギャップd1、d2、d3の差が開くことがなく、保持部522を均一に撓ませることができる。
電圧制御部32は、制御装置4からの入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター54に印加する電圧を制御する。
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置4は、図1に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び本発明の分析処理部を構成する測色処理部43などを備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター54への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、測定対象Aの色度を分析する。
上述したように、上記実施形態の波長可変干渉フィルター5は、可動部521を固定基板51に向かって進退させるための静電引力を発生させる静電アクチュエーター54を備えている。そして、この静電アクチュエーター54は、複数の固定部分電極543により構成された固定電極541と、複数の可動部分電極544により構成された可動電極542とを備えている。そして、フィルター平面視において、これらの固定部分電極543及び可動部分電極544が重なる領域により構成される部分アクチュエーター55が構成される。これらの部分アクチュエーター55は、フィルター平面視において同一面積を有する。そして、各部分アクチュエーター55の重心点Ga,Gb,Gcは、平面中心点Oを中心とした仮想円Pの円周上で等角度間隔に配置され、電気的に直列接続されている。
このような構成では、静電アクチュエーター54に駆動電圧を印加した際に、上記式(5)〜(7)に示すように、各部分アクチュエーター55に同一大きさの静電引力が作用する。また、上述のように、各部分アクチュエーター55が等角度間隔に配置されているので、保持部522は、等角度間隔に配置されたこれらの部分アクチュエーター55により、均一な静電引力を受けて、固定基板51側に均一に撓み、可動部521も、初期状態の姿勢を保ったまま固定基板51側に移動可能となる。
したがって、固定反射膜56及び可動反射膜57間のギャップを変動させた場合でも、固定反射膜56及び可動反射膜57の平行性を維持することができ、分解能の低下を抑えることができる。
また、このような波長可変干渉フィルター5を備えた測色センサー3では、検出部31にて、高分解能で分光された光を検出することができ、正確な光量検出結果を得ることができる。さらに、測色装置1では、この測色センサー3により検出された光量により、測定対象Aの測色を行うことで、精度の高い測色処理を行うことができる。
このような構成では、固定電極接続線546、可動電極接続線548の距離を短くすることができ、抵抗の増大を防止することができる。特に、静電アクチュエーター54を構成する部分アクチュエーターの個数が4つ以上となり、部分アクチュエーターの個数が増えるほど、各部分アクチュエーターを接続する接続線の本数が増える。このような場合、部分アクチュエーターが、不規則な順番で電気的に直列に接続される場合、固定電極接続線546や可動電極接続線548の構成も複雑化し、抵抗が増大するが、上記のように、仮想円Pの周方向に沿って配置される順に電気的に直列に接続される場合、効果的に抵抗増大を防止することができる。
このような構成では、各部分アクチュエーター55の面積を精度よく同一面積に設定することができる。
本発明では、例えば、固定部分電極543と可動部分電極544とを同一形状に形成してもよく、このような場合であっても、フィルター平面視においてこれらの外周縁が一致するようにアライメント調整を行うことで、本発明の波長可変干渉フィルターを構成することができる。しかしながら、この場合、フィルター平面視において、固定部分電極543の外周縁と、可動部分電極544の外周縁との位置を一致させるアライメント調整が困難となることが考えられる。これに対して、本実施形態のように、固定部分電極543のサイズを可動部分電極544のサイズより大きくすることで、フィルター平面視において、可動部分電極544が固定部分電極543の内側に位置するようにアライメント調整を実施すればよく、容易に同一面積を有する各部分アクチュエーター55を形成することができる。したがって、製造効率性を向上させることができる。
したがって、上記のように、可動部分電極544の外周縁が、固定部分電極543の外周縁の内側に位置する構成では、可動部分電極544の形状や位置を精度よく形成することで、固定部分電極543の形状や位置に製造誤差等が含まれる場合であっても、各部分アクチュエーター55の位置や面積を正確に設定することができる。
このような構成では、部分アクチュエーター55を形成するための、固定部分電極543及び可動部分電極544の位置合わせが容易となり、製造効率性をより向上させることができる。
次に、本発明の第二実施形態について図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態の波長可変干渉フィルター5では、複数の部分アクチュエーター55が電気的に直列接続された静電アクチュエーター54を1つ設ける構成例を示した。
これに対して、第二実施形態の波長可変干渉フィルター5Aでは、複数の静電アクチュエーター(第一静電アクチュエーター54A,第二静電アクチュエーター54B)が設けられ、これらが電気的に並列接続される構成となる。以下、このような波長可変干渉フィルター5Aの構成について詳述する。
図7は、第二実施形態の波長可変干渉フィルター5Aの概略構成を示す平面図である。図8は、波長可変干渉フィルター5Aの固定基板51を可動基板52側から見た平面図である。図9は、波長可変干渉フィルター5Aの可動基板52を固定基板51側から見た平面図である。図10は、波長可変干渉フィルター5Aにおける配線図である。なお、上記第一実施形態と同一の構成については同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
波長可変干渉フィルター5Aの固定基板51には、第一実施形態と同様に、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。また、第二実施形態の固定基板51には、切欠部514が形成されない。
第一固定電極541Aは、図8に示すように、仮想円Pに沿った円弧状の複数(第二実施形態では2つ)の第一固定部分電極543D(543D1,543D2)により構成されている。これらの第一固定部分電極543Dは、第一静電アクチュエーター54Aにおける本発明の第一部分電極を構成する。
第二固定電極541Bは、図8に示すように、仮想円Pに沿った円弧状の複数(第二実施形態では2つ)の第二固定部分電極543E(543E1,543E2)により構成されている。これらの第二固定部分電極543Eは、第二静電アクチュエーター54Bにおける本発明の第一部分電極を構成する。
第二固定部分電極543Eも、それぞれ、同一形状、同一厚み寸法に形成される。そして、これらの第二固定部分電極543Eは、フィルター平面視において、仮想円Pの円周に沿って配置され、かつ、各第二固定部分電極543Eの重心点Ge11,Ge12が仮想円P上で、等角度間隔(180度間隔)で配置されている。
また、第一固定部分電極543D及び第二固定部分電極543Eは、それぞれ、フィルター平面視における平面形状が同一であり、同一厚み寸法に形成されることが好ましい。さらに、これらの第一固定部分電極543D及び第二固定部分電極543Eは、仮想円Pの円周方向に沿って等角度間隔(90度間隔)で配置されることが好ましい。
また、第一固定部分電極543D2と第二固定部分電極543E2とは、固定電極接続線545Bにより接続されている。この固定電極接続線545Bからは、頂点T1(図7、図8における右上方向)に向かって固定電極引出線546Bが延出形成されている。この固定電極引出線546Bの先端部には、電圧制御部32に接続される電極パッド546P2が設けられている。
さらに、これらの第一及び第二固定部分電極543D,543E上には、絶縁性を確保するための絶縁膜が積層されている。
波長可変干渉フィルター5Aの可動基板52は、第一実施形態と同様、エッチングにより形成される可動部521と、保持部522とを備えている。
また、波長可変干渉フィルター5Aの可動基板52は、図7及び図9に示すように、固定基板51の電極パッド546P1、546P2に対応する位置に、それぞれ切欠部524を備えている。これらの切欠部524により、波長可変干渉フィルター5Aの可動基板52側の面に電極パッド546P1、546P2が露出する。
第二可動電極542Bも、同様に、円弧状の複数(第二実施形態では2つ)の第二可動部分電極544E(544E1,544E2)により構成されている。これらの第二可動部分電極544Eは、第二静電アクチュエーター54Bにおける本発明の第二部分電極を構成する。
第二可動部分電極544Eも、同様に、それぞれ、フィルター平面視における平面形状が同一であり、同一厚み寸法に形成され、仮想円Pに沿って配置される。また、第二可動部分電極544E1,544E2の重心点Ge21,Ge22は、仮想円P上において等角度間隔(180度間隔)で配置され、第二固定部分電極543E1,543E2の重心点Ge11,Ge12と重なる。
なお、第一可動部分電極544D及び第二可動部分電極544Eは、それぞれ、フィルター平面視における平面形状が同一形状に形成されることが好ましい。
内側可動接続電極547Aは、仮想円Pの内周側に形成され、第一可動部分電極544D1及び第一可動部分電極544D2を接続する。外側可動接続電極548Aは、仮想円Pの外周側に形成され、第二可動部分電極544E1及び第二可動部分電極544E2を接続する。
図10は、第二実施形態の静電アクチュエーター54A,54Bの配線図である。
第一静電アクチュエーター54A及び第二静電アクチュエーター54Bは、図10に示すように、電気的に並列に接続される。したがって、電極パッド546P1,546P2間に駆動電圧を印加すると、これらの第一静電アクチュエーター54A及び第二静電アクチュエーター54Bに同じ駆動電圧が印加される。
第二静電アクチュエーター54Bにおいても同様であり、互いに対向する第二固定部分電極543E(543E1,543E2)及び第二可動部分電極544E(544E1,544E2)により、第二部分アクチュエーター55E(55E1,55E2)が構成される。そして、これらの第二部分アクチュエーター55E1及び第二部分アクチュエーター55E2は、上記第一実施形態と同様、電気的に直列に接続されている。
これにより、例えば、初期ギャップにおいて、部分電極間ギャップの値に、例えば測定精度に影響しない程度の僅かな差があり、静電アクチュエーター54A,54Bに電圧を印加した場合であっても、これらの部分電極間ギャップの差が開くことがなく、保持部522を均一に撓ませることができる。
第二実施形態の波長可変干渉フィルター5Aは、第一静電アクチュエーター54A及び第二静電アクチュエーター54Bを備え、これらが電気的に並列に接続されている。また、第一静電アクチュエーター54Aは、第一部分アクチュエーター55D1,55D2が直列に接続されることで構成され、第二静電アクチュエーター54Bは、第二部分アクチュエーター55E1,55E2が直列に接続されることで構成されている。また、第一部分アクチュエーター55D1,55D2は180度間隔で配置され、すなわち、基板中心に対して点対称となる位置に配置されている。同様に、第二部分アクチュエーター55E1,55E2は、180度間隔で配置され、すなわち、基板中心に対して点対称となる位置に配置されている。さらに、第一部分アクチュエーター55D1,55D2を構成する第一固定部分電極543D1、543D2及び第一可動部分電極544D1,544D2は、フィルター平面視において、同一形状に形成されており、第一固定部分電極543D1と第一可動部分電極544D1とが互いに対向し、第一固定部分電極543D2と第一可動部分電極544D2とが互いに対向して配置されている。第二部分アクチュエーター55E1,55E2を構成する第二固定部分電極543E(543E1,543E2)及び第二可動部分電極544E(544E1,544E2)も、フィルター平面視において、同一形状に形成され、互いに対向して配置されている。
また、このような波長可変干渉フィルター5を備えた測色センサー3では、検出部31にて、高分解能で分光された光を検出することができ、正確な光量検出結果を得ることができる。さらに、測色装置1では、この測色センサー3により検出された光量により、測定対象Aの測色を行うことで、精度の高い測色処理を行うことができる。
次に、本発明の第四実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態の測色装置1では、光学モジュールである測色センサー3に対して、波長可変干渉フィルター5が直接設けられる構成とした。しかしながら、光学モジュールとしては、複雑な構成を有するものもあり、特に小型化の光学モジュールに対して、波長可変干渉フィルター5を直接設けることが困難な場合がある。本実施形態では、そのような光学モジュールに対しても、波長可変干渉フィルター5を容易に設置可能にする光学フィルターデバイスについて、以下に説明する。
図11は、本発明の第三実施形態に係る光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図である。
筐体601は、ベース基板610と、リッド620と、ベース側ガラス基板630と、リッド側ガラス基板640と、を備える。
また、ベース基板610は、各内側端子部615が設けられる位置に対応して、貫通孔614が形成されており、各内側端子部615は、貫通孔614に充填された導電性部材を介して、ベース基板610のベース内側面612とは反対側のベース外側面613に設けられた外側端子部616に接続されている。
そして、ベース基板610の外周部には、リッド620に接合されるベース接合部617が設けられている。
このリッド620は、リッド接合部624と、ベース基板610のベース接合部617とが、接合されることで、ベース基板610に密着接合されている。
この接合方法としては、例えば、レーザー溶着の他、銀ロウ等を用いた半田付け、共晶合金層を用いた封着、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス付着、ガラスフリット接合、エポキシ樹脂による接着等が挙げられる。これらの接合方法は、ベース基板610及びリッド620の素材や、接合環境等により、適宜選択することができる。
本実施形態の光学フィルターデバイス600では、筐体601により波長可変干渉フィルター5が保護されているため、異物や大気に含まれるガス等による波長可変干渉フィルター5の特性変化を防止でき、また、外的要因による波長可変干渉フィルター5の破損を防止できる。また、帯電粒子の侵入を防止できるため、固定電極541や可動電極542の帯電を防止できる。したがって、帯電によるクーロン力の発生を抑制でき、反射膜56,57の平行性をより確実に維持することができる。
また、光学フィルターデバイス600は、筐体601の外周面に露出する外側端子部616が設けられているため、光学モジュールや電子機器に対して組み込む際にも容易に配線を実施することが可能となる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
また、本発明では、各部分アクチュエーター55のフィルター平面視における面積が同一面積で、かつ、各部分アクチュエーター55の重心点が仮想円Pの円周上において等角度間隔で配置される条件が満たされていれば、固定電極541や可動電極542の形状は特に限定されない。
例えば、固定部分電極543の長さ寸法L1が可動部分電極544の長さ寸法L2よりも大きく、固定部分電極543の幅寸法D1が可動部分電極544の幅寸法D2より小さい構成であってもよい。また、各固定部分電極543がそれぞれ異なる形状に形成され、各可動部分電極544がそれぞれ異なる形状に形成される構成であってもよい。これらの場合でも、上記条件が満たされていれば、各部分アクチュエーターに作用する静電引力Fを均一にすることができ、可動部521の傾斜を抑制できる。
この場合、梁状保持部が等角度間隔で配置される構成とすることで、保持部が撓んだ際の応力バランスを均一にでき、可動部の傾斜を抑えることができる。また、この場合、静電アクチュエーターは、各梁状保持部の位置に対応して部分アクチュエーターが配置される構成とすればよい。
同様に、第二実施形態において、第一静電アクチュエーター54A及び第二静電アクチュエーター54Bが、それぞれ2つの部分アクチュエーター55を有する例を示すが、例えば、図13に示すように、さらに多くの部分アクチュエーター55を有する構成としてもよい。図13に示す例では、第一静電アクチュエーター54Aは、第一固定部分電極543D1及び第一可動部分電極544D1により構成される第一部分アクチュエーター55D1、第一固定部分電極543D2及び第一可動部分電極544D2により構成される第一部分アクチュエーター55D2、及び第一固定部分電極543D3及び第一可動部分電極544D3により構成される第一部分アクチュエーター55D3を有する。また、第二静電アクチュエーター54Bは、第二固定部分電極543E1及び第二可動部分電極544E1により構成される第二部分アクチュエーター55E1、第二固定部分電極543E2及び第二可動部分電極544E2により構成される第二部分アクチュエーター55E2、及び第二固定部分電極543E3及び第二可動部分電極544E3により構成される第二部分アクチュエーター55E3を有する。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図16は、図15のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図15に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、波長可変干渉フィルター5Aや光学フィルターデバイス600を配置してもよい。
また、図16に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図16に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
この食物分析装置200は、図17に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。なお、波長可変干渉フィルター5に代えて、波長可変干渉フィルター5Aや光学フィルターデバイス600が配置されてもよい。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
図18は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図18に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図18に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5に代えて、波長可変干渉フィルター5Aや光学フィルターデバイス600が配置されてもよい。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
Claims (7)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向して配置された第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜とギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記第一基板に設けられた第一電極、及び前記第二基板に設けられて前記第一電極に対向する第二電極を備えた静電アクチュエーターと、を具備し、
前記第一電極は、複数の第一部分電極を備え、
前記第二電極は、複数の第二部分電極を備え、
前記第二部分電極は、それぞれ、前記複数の第一部分電極のいずれか一つに対応して設けられており、
前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第二部分電極は、少なくとも一部が対応する前記第一部分電極に重なり、
前記静電アクチュエーターは、前記平面視において、前記第一部分電極及び当該第一部分電極に対応する前記第二部分電極が重なる領域により構成された部分アクチュエーターを複数備え、前記複数の部分アクチュエーターが電気的に直列に接続され、
前記平面視において、前記部分アクチュエーターを構成する前記第一部分電極及び前記第二部分電極のうちいずれか一方の外周縁は、他方の外周縁の内側に位置する
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
複数の前記第一部分電極は、前記平面視においてそれぞれ同一形状であり、
複数の前記第二部分電極は、前記平面視においてそれぞれ同一形状である
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1又は請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一部分電極及び前記第二部分電極のうちのいずれか2つにより電圧印加用部分電極が構成され、
前記2つの電圧印加用部分電極は、前記第二基板に設けられて前記第一基板に対して進退可能な可動領域の重心点を中心とした仮想円上で、互いに隣り合って配置され、
前記静電アクチュエーターにおいて、2つの前記電圧印加用部分電極間で、前記仮想円の周方向に沿って配列された前記部分アクチュエーターが順に電気的に直列に接続された
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1又は請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記静電アクチュエーターが複数設けられ、これらの静電アクチュエーターが電気的に並列に接続された
ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜とギャップを介して対向する第二反射膜、及び前記第一基板に設けられた第一電極及び前記第二基板に設けられて前記第一電極に対向する第二電極を備えた静電アクチュエーターを備えた波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターを収納する筐体と、
を具備し、
前記第一電極は、複数の第一部分電極を備え、
前記第二電極は、複数の第二部分電極を備え、
前記第二部分電極は、それぞれ、前記複数の第一部分電極のいずれか一つに対応して設けられており、
前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第二部分電極は、少なくとも一部が対応する前記第一部分電極に重なり、
前記静電アクチュエーターは、前記平面視において、前記第一部分電極及び当該第一部分電極に対応する前記第二部分電極が重なる領域により構成された部分アクチュエーターを複数備え、前記複数の部分アクチュエーターが電気的に直列に接続され、
前記平面視において、前記部分アクチュエーターを構成する前記第一部分電極及び前記第二部分電極のうちいずれか一方の外周縁は、他方の外周縁の内側に位置する
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜とギャップを介して対向する第二反射膜、及び、前記第一基板に設けられた第一電極及び前記第二基板に設けられて前記第一電極に対向する第二電極を備えた静電アクチュエーターを備えた波長可変干渉フィルターと、
前記波長可変干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、
を具備し、
前記第一電極は、複数の第一部分電極を備え、
前記第二電極は、複数の第二部分電極を備え、
前記第二部分電極は、それぞれ、前記複数の第一部分電極のいずれか一つに対応して設けられており、
前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第二部分電極は、少なくとも一部が対応する前記第一部分電極に重なり、
前記静電アクチュエーターは、前記平面視において、前記第一部分電極及び当該第一部分電極に対応する前記第二部分電極が重なる領域により構成された部分アクチュエーターを複数備え、前記複数の部分アクチュエーターが電気的に直列に接続され、
前記平面視において、前記部分アクチュエーターを構成する前記第一部分電極及び前記第二部分電極のうちいずれか一方の外周縁は、他方の外周縁の内側に位置する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 第一基板と、
前記第一基板に対向して配置された第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜とギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記第一基板に設けられた第一電極、及び前記第二基板に設けられて前記第一電極に対向する第二電極を備えた静電アクチュエーターと、を具備し、
前記第一電極は、複数の第一部分電極を備え、
前記第二電極は、複数の第二部分電極を備え、
前記第二部分電極は、それぞれ、前記複数の第一部分電極のいずれか一つに対応して設けられており、
前記第一基板及び前記第二基板を基板厚み方向から見た平面視において、前記第二部分電極は、少なくとも一部が対応する前記第一部分電極に重なり、
前記静電アクチュエーターは、前記平面視において、前記第一部分電極及び当該第一部分電極に対応する前記第二部分電極が重なる領域により構成された部分アクチュエーターを複数備え、前記複数の部分アクチュエーターが電気的に直列に接続され、
前記平面視において、前記部分アクチュエーターを構成する前記第一部分電極及び前記第二部分電極のうちいずれか一方の外周縁は、他方の外周縁の内側に位置する
ことを特徴とする電子機器。
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