JP2015049276A - 干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び光学部材 - Google Patents

干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで、小型化が可能であり、かつ、環境による性能低下を抑制可能な干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び光学部材を提供すること。【解決手段】波長可変干渉フィルター5は、入射する光を透過する固定基板51と、固定基板51に設けられた固定反射膜54と、固定反射膜54に対向する可動反射膜55と、複数の貫通孔571が設けられ、貫通孔571により固定基板51に入射する光の角度を規制する光学部材5Bと、を備え、光学部材5Bは、固定基板51に接合されている。【選択図】図2

Description

本発明は、干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び光学部材に関する。
従来、第一反射膜、及び、第一反射膜に対向する第二反射膜を備え、第一反射膜と第二反射膜との間に入射した光が干渉し、この干渉により選択される波長の光を透過する干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変干渉フィルターは、対向配置された一対の基板と、一対の基板の互いに対向する面にそれぞれ設けられた反射膜とを備え、反射膜間のギャップの大きさを外力により変化させる。そして、この波長可変干渉フィルターは、当該ギャップの大きさに応じた波長の光を選択的に透過させる。
このような干渉フィルターでは、入射光の角度(入射角)によって、透過波長が異なってしまうため、波長分解能を向上させるには、入射角が揃っていることが望ましい。
これに対して、入射角を揃えるために、例えば、干渉フィルターの光入射側にレンズや光ファイバープレートを配置する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−94312号公報 特開2000−162043号公報
しかしながら、干渉フィルターの光入射側にレンズを用いた光学系を設ける場合、装置全体が大型化してしまう。また、光ファイバープレートを用いる場合、ファイバーとしてガラスを使用すると高価であり、装置コストが高くなる。ファイバーとして樹脂を用いる場合では、耐熱性が低く、例えば環境等によって変質し、性能低下を招くおそれがあるという課題がある。
本発明は、低コストで、小型化が可能であり、かつ、環境による性能低下を抑制可能な干渉フィルター、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及び光学部材を提供することを目的とする。
本発明の干渉フィルターは、入射する光を透過する基板と、前記基板に設けられた第一反射膜と、前記第一反射膜に対向する第二反射膜と、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材と、を備え、前記光学部材は、前記基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、光学部材の貫通孔に入射する光のうち、所定の入射角よりも大きい入射光は、貫通孔の内側面に当たって吸収及び散乱されるため、貫通孔を通過しない。そして、所定の入射角以下の入射光のみが、貫通孔を通過する。
つまり、入射角をθ、貫通孔の深さ寸法をd、貫通孔の開口寸法をL、とした場合、tanθ>L/dの関係を満たす入射光は、貫通孔の内側面に当たって吸収及び散乱され、貫通孔を通過しない。そして、tanθ≦L/dの関係を満たす光のみが貫通孔を通過する。ここで、例えば、光学部材が、貫通孔が設けられた光学基板で構成されている場合、貫通孔の深さ寸法とは、光学基板の厚さ寸法に相当する。
そして、貫通孔を通過した光のみが、前記基板に入射する。
これにより、前記基板に入射する光の入射角を、所定の入射角以下に揃えることができる。従って、干渉フィルターの透過波長のばらつきを低減でき、干渉フィルターの波長分解能を向上できる。
また、本発明では、光学部材は、前記基板に接合されている。すなわち、前記基板と光学部材とが一体的に設けられている。
このため、例えば、前記基板の光入射側に、入射角を規制するレンズ等の別部品を位置合わせして配置する場合と比べて、小型化できる。また、光ファイバー等の高価な部材や樹脂性ファイバー等の変質しやすい部材を用いないため、低コストであり、変質による性能低下(例えば光透過率低下等)も抑制できる。
ここで、第一反射膜及び第二反射膜と光学部材との距離が離れるほど、貫通孔を通過した光が、第一反射膜及び第二反射膜に到達するまでに、第一反射膜及び第二反射膜の平面方向に広がる範囲も大きくなる。
これに対して、本発明では、光学部材は前記基板に接合されているため、前記基板と光学部材とが離間している場合と比べて、第一反射膜及び第二反射膜と光学部材との距離を短くでき、貫通孔を通過した光が第一反射膜及び第二反射膜に到達するまでに前記平面方向に広がる範囲を低減できる。
このため、例えば、迷光を防止する目的で貫通孔を通過した光をすべて第一反射膜及び第二反射膜に入射させるため、複数の貫通孔を第一反射膜及び第二反射膜の外縁に対して所定距離以上内側に配置させる場合に、前記所定距離を短くできる。これにより、貫通孔の形成領域を大きくでき、複数の貫通孔を通過する光量を増大できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、前記複数の貫通孔の各内側面を覆う反射防止層を備えていることが好ましい。
本発明によれば、貫通孔の内側面に当たった光が反射することを防止でき、反射した光が貫通孔を通過することを防止できる。
これにより、所定の入射角以下の入射光のみを精度よく通過させることができる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、前記基板に接合される面側に、前記複数の貫通孔を覆う透明膜を備えていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、光学部材と前記基板とをプラズマ重合膜等の接合膜を用いて接合させる場合、貫通孔を覆う透明膜上に接合膜を形成することで、接合膜を容易に形成できる。これにより、製造コストを低減でき、干渉フィルターのコストを低減できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、前記複数の貫通孔を覆い、所定の波長域の光を透過させるバンドパスフィルター膜を備えていることが好ましい。
本発明によれば、光学部材に入射する光は、バンドパスフィルター膜を透過して干渉フィルター本体に入射する。
これにより、前記基板に入射させる光を所望の波長域に設定でき、不要な波長成分の光を除去できる。
また、例えば、バンドパスフィルター膜を前記基板に設けた場合には、膜応力によって前記基板に撓みが生じ、干渉フィルターの波長分解能が低下する可能性がある。
これに対して、本発明によれば、バンドパスフィルター膜を前記基板に設ける必要がないため、干渉フィルターの波長分解能の低下を抑制できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、前記基板に接合される面側に反射防止膜を備えていることが好ましい。
本発明によれば、貫通孔を通過した光は、反射防止膜を透過して前記基板に入射する。
この際、反射防止膜により、前記基板の表面での反射を抑制できるため、前記基板に入射させる光の光量の損失を抑制できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なり、前記複数の貫通孔が設けられた第一領域と、前記第一領域を取り囲み、前記貫通孔が設けられていない非透光性の第二領域とを備えていることが好ましい。
本発明では、貫通孔は第一領域に設けられ、第二領域には設けられていない。これによれば、第二領域から前記基板への光の入射がなく、これによる迷光等を防止できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記複数の貫通孔のうち前記平面視において最も外側に位置する貫通孔を通過する最大角度の光が、前記第一反射膜及び前記第二反射膜に入射するように、前記最も外側に位置する貫通孔は、前記平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の外縁に対して所定距離以上内側に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、複数の貫通孔を通過する光はすべて第一反射膜及び第二反射膜に入射するため、迷光をさらに低減できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材と前記基板とは、プラズマ重合膜を介して接合されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、光学部材にプラズマ重合膜を容易に形成することができ、光学部材と前記基板とを容易に接合できる。これにより、製造コストを低減でき、干渉フィルターのコストを低減できる。
本発明の干渉フィルターでは、前記光学部材は、シリコンにより構成されていることが好ましい。
本発明によれば、微細加工が可能な半導体プロセスを用いて光学部材に貫通孔を形成できる。
このため、光学部材に貫通孔を寸法精度よく形成でき、所定の入射角以下の入射光のみを、精度よく通過させることができる。
本発明の干渉フィルターでは、前記複数の貫通孔は、光の通過方向に向かって徐々に開口径が大きくなるテーパー状であることが好ましい。
本発明によれば、貫通孔の内側面で反射した光が貫通孔を通過してしまう事があっても、その反射光の角度は、貫通孔の内側面に傾斜がない場合に比べて、前記基板に対して入射角度が減少する方向に変化する。よって、干渉フィルターの透過波長のばらつきを低減でき、干渉フィルターの波長分解能を向上できる。
本発明の光学フィルターデバイスは、入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、を備え、前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、前記光学部材は、前記透光性基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、透光性基板から入射し、光学部材の貫通孔を通過した光のみが、干渉フィルター本体に入射する。
この構成によれば、上記干渉フィルターの発明と同様、干渉フィルター本体に入射する光の入射角を、所定の入射角以下に揃えることができる。従って、光学フィルターデバイスの波長分解能を向上できる。
また、本発明では、光学フィルターデバイスに光学部材が一体的に設けられているので、例えば、光学フィルターデバイスの光入射側に、入射角を規制するレンズ等の別部品を位置合わせして配置する場合と比べて、小型化できる。また、光ファイバー等の高価な部材や樹脂性ファイバー等の変質しやすい部材を用いないため、低コストであり、変質による性能低下(例えば光透過率低下等)も抑制できる。
本発明の光学モジュールは、入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、前記第一反射膜に対向する第二反射膜、及び、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材を備えた干渉フィルターと、前記第一反射膜及び前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長の光を検出する検出部と、を備え、前記光学部材は、前記基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記干渉フィルターの発明と同様、干渉フィルターの波長分解能を向上できる。これにより、干渉フィルターを透過した光を検出部で検出することで、所望の波長の光の光量を精度よく検出できる。また、前記基板と光学部材とが一体的に設けられているので、光学モジュールを小型化できる。
本発明の光学モジュールは、入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、前記第一反射膜及び前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長の光を検出する検出部と、を備え、前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、前記光学部材は、前記透光性基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記光学フィルターデバイスの発明と同様、干渉フィルター本体の波長分解能を向上できる。これにより、干渉フィルター本体を透過した光を検出部で検出することで、所望の波長の光の光量を精度よく検出できる。また、透光性基板に光学部材が一体的に設けられているので、光学モジュールを小型化できる。
本発明の電子機器は、入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、前記第一反射膜に対向する第二反射膜、及び、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材を備えた干渉フィルターと、前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、前記光学部材は、前記基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記干渉フィルターの発明と同様、干渉フィルターの波長分解能を向上できる。これにより、干渉フィルターを透過した光により精度の高い電子処理を実施できる。また、前記基板と光学部材とが一体的に設けられているので、電子機器を小型化できる。
本発明の電子機器は、入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、前記干渉フィルター本体を制御する制御部と、を備え、前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、前記光学部材は、前記透光性基板に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、上記光学フィルターデバイスの発明と同様、干渉フィルター本体の波長分解能を向上できる。これにより、干渉フィルター本体を透過した光により精度の高い電子処理を実施できる。また、透光性基板に光学部材が一体的に設けられているので、電子機器を小型化できる。
本発明の光学部材は、光を通過させる複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔の各内側面を覆う反射防止層と、前記複数の貫通孔を覆う透明膜とを備え、前記貫通孔により、通過する光の角度を規制することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、干渉フィルターの基板に光学部材を接合することで、上記干渉フィルターの発明と同様に、前記基板に入射する光の入射角を、所定の入射角以下に揃えることができる。また、前記基板と光学部材とを一体的に設けることができるので、小型化できる。また、貫通孔の内側面に当たった光が反射することを防止でき、反射した光が貫通孔を通過することを防止できるので、所定の入射角以下の入射光のみを精度よく通過させることができる。また、例えば、光学部材と前記基板とをプラズマ重合膜等の接合膜を用いて接合させる場合、貫通孔を覆う透明膜上に接合膜を形成することで、接合膜を容易に形成できる。これにより、製造コストを低減でき、干渉フィルターのコストを低減できる。
本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。 本実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 図2における光学部材の拡大図。 本実施形態の光学部材の製造工程を示す工程図。 本発明に係る第二実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図。 本発明に係るその他の実施形態の光学部材の一例を示す断面図。 本発明に係るその他の実施形態の光学部材のその他の一例を示す断面図。 本発明に係る電子機器である測色装置の一例を示すブロック図。 本発明に係る電子機器であるガス検出装置の一例を示す概略図。 図9のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図。 本発明に係る電子機器である食物分析装置の概略構成を示す図。 本発明に係る電子機器である分光カメラの概略構成を示す模式図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、本発明に係る電子機器の一例であり、測定対象Xで反射された測定対象光に基づいて、測定対象光のスペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、制御部20と、を備えている。
[光学モジュールの構成]
次に、光学モジュール10の構成について、以下に説明する。
光学モジュール10は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御部15とを備えて構成される。
ディテクター11は、光学モジュール10の波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光し、受光した光の光強度に応じた検出信号(電流)を出力する。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
(波長可変干渉フィルターの構成)
波長可変干渉フィルター5は、本発明における干渉フィルターを構成する波長可変型ファブリーペローエタロン素子である。
図2は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、干渉フィルター本体5Aと、干渉フィルター本体5Aに入射する光の入射角を規制する光学部材5Bとを備えている。
(干渉フィルター本体の構成)
干渉フィルター本体5Aは、ガラス基板などの透明部材を用い、厚み寸法が例えば500μm程度に形成される本発明における基板である固定基板51と、厚み寸法が例えば200μm程度に形成される可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
固定基板51は、エッチングにより形成された電極配置溝511および反射膜設置部512を備えている。そして、電極配置溝511には、固定電極561が設けられ、反射膜設置部512には、本発明における第一反射膜を構成する固定反射膜54が設けられている。
固定電極561は、電極配置溝511において、例えば、フィルター平面視において、反射膜設置部512を囲う環状に形成されている。フィルター平面視とは、固定反射膜54及び可動反射膜55の厚み方向から見た平面視のことである。
この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(または合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(または合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(または合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
可動基板52は、図2に示すように、可動部521と、可動部521の外に設けられ、可動部521を保持する保持部522とを備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置部512の外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び本発明における第二反射膜を構成する可動反射膜55が設けられている。
可動電極562は、固定電極561に対向する位置に設けられている。また、可動反射膜55は、固定反射膜54に対向する位置に、反射膜間ギャップG1を介して配置されている。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。これにより、固定反射膜54及び可動反射膜55の平行度を維持した状態で、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法を変更することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、可動部521の平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
以上のような干渉フィルター本体5Aでは、固定電極561及び可動電極562により静電アクチュエーター56が構成されており、これらの電極561,562が電圧制御部15に接続されている。そして、電圧制御部15から静電アクチュエーター56に電圧が印加されることで、電圧(V)に応じた静電引力が電極561,562間に作用し、反射膜間ギャップG1のギャップ寸法が変更される。これにより、干渉フィルター本体5Aを透過する光の波長(λ)を変化させることが可能となる。
(光学部材の構成)
図2に示すように、光学部材5Bは、干渉フィルター本体5Aの固定基板51に対して、光入射側に設けられている。光学部材5Bは、シリコン基板である非透光性の光学基板57と、SiO膜である透明膜58とを備えている。
光学基板57は、フィルター平面視において、固定反射膜54及び可動反射膜55と重なる本発明の第一領域を構成する中央領域57Aと、中央領域57Aを取り囲む本発明の第二領域を構成する周辺領域57Bとを備えている。
そして、中央領域57Aには、光学基板57を厚み方向に貫通する複数の貫通孔571が設けられている。一方、周辺領域57Bには、貫通孔571は設けられていない。
さらに詳しく説明すると、貫通孔571を通過する入射光がすべて固定反射膜54及び可動反射膜55に入射するように、複数の貫通孔571は配置されている。すなわち、複数の貫通孔571のうちフィルター平面視において最も外側に位置する貫通孔571を通過する最大角度の入射光L1が、固定反射膜54及び可動反射膜55に入射するように、前記最も外側に位置する貫通孔571は、フィルター平面視において、固定反射膜54及び可動反射膜55の外縁に対して所定距離以上内側に配置されている。
図3は、図2における光学部材を拡大した図である。
図2では図示を省略したが、図3に示すように、貫通孔571の内側面571A、光学基板57の光入射側の面、及び貫通孔571に露出した透明膜58の光入射側の面には、反射防止層572が設けられている。反射防止層572の材料は、例えば、SiN,TiO,SiO等を挙げることができ、また、これらを積層した積層体を用いてもよい。
図2,3に示すように、透明膜58は、光学基板57における光入射側とは反対側の面に、複数の貫通孔571を覆って設けられている。
そして、図2に示すように、光学基板57は、透明膜58と固定基板51との間に配置されたプラズマ重合膜である接合膜59を介して固定基板51に接合されている。
このような光学部材5Bでは、図3に示すように、貫通孔571に入射する光のうち、所定の入射角よりも大きい入射光は、貫通孔571の内側面571Aに当たって吸収及び散乱されるため、貫通孔571を通過しない。そして、所定の入射角以下の入射光のみが、貫通孔571を通過する。
つまり、入射角をθ、光学基板57の厚み方向の寸法(貫通孔571の深さ寸法)をd、貫通孔571の開口寸法をL、とした場合、tanθ>L/dの関係を満たす入射光は、内側面571Aに当たって吸収及び散乱されるため、貫通孔571を通過しない。そして、tanθ≦L/dの関係を満たす入射光のみが貫通孔571を通過する。
そして、貫通孔571を通過した光のみが、干渉フィルター本体5Aに入射する。
例えば、dを400μm及びLを70μmに設定することで、入射角が10°以下の入射光のみ、貫通孔571を通過させることができる。なお、この場合、貫通孔571間のピッチは、例えば、100μmに設定できる。
(制御部の構成)
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、フィルター駆動部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備える。
また、制御部20は、各種データを記憶する記憶部(図示略)を備え、記憶部には、静電アクチュエーター56を制御するためのV−λデータが記憶される。
このV−λデータには、静電アクチュエーター56に印加する電圧(V)に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光のピーク波長(λ)が記録されている。
フィルター駆動部21は、波長可変干渉フィルター5により取り出す光の目的波長を設定するとともに、記憶部に記憶されたV−λデータから設定した目的波長に対応する目標電圧値を読み込む。そして、フィルター駆動部21は、読み込んだ目標電圧値を印加させる旨の制御信号を電圧制御部15に出力する。これにより、電圧制御部15から静電アクチュエーター56に目標電圧値の電圧が印加される。
光量取得部22は、ディテクター11により取得された光量に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量を取得する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
分光測定部23における分光測定方法としては、例えば、測定対象波長に対してディテクター11により検出された光量を、当該測定対象波長の光量として分光スペクトルを測定する方法や、複数の測定対象波長の光量に基づいて分光スペクトルを推定する方法等が挙げられる。
分光スペクトルを推定する方法としては、例えば、複数の測定対象波長に対する光量のそれぞれを行列要素とした計測スペクトル行列を生成し、この計測スペクトル行列に対して、所定の変換行列を作用させることで、測定対象となる光の分光スペクトルを推定する。この場合、分光スペクトルが既知である複数のサンプル光を、分光測定装置1により測定し、測定により得られた光量に基づいて生成される計測スペクトル行列に変換行列を作用させた行列と、既知の分光スペクトルとの偏差が最小となるように、変換行列を設定する。
[光学部材の製造方法]
次に、上述したような光学部材5Bの製造方法について、図面に基づいて説明する。
図4は、光学部材5Bの製造工程を示す工程図である。
まず、図4(A)に示すように、シリコン(Si)基板である光学基板57の表面を酸化処理し、光学基板57の両面(全面)に、SiO膜である透明膜58を形成する。
次に、図4(B)に示すように、光学基板57の一方の面側に形成されている透明膜58をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、貫通孔571を形成する領域を開口する。
次に、図4(C)に示すように、パターニングされた透明膜58をマスクにして、ドライエッチングを行うことで、光学基板57に貫通孔571を形成する。このとき、パターニングされた透明膜58とは反対側の透明膜58がエッチングストッパーとして機能する。なお、ドライエッチングに、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)のボッシュプロセスを用いることで、貫通孔571の内側面571Aが基板の厚さ方向と平行になるように制御できる。
次に、図4(D)に示すように、貫通孔571の内側面571A及び底面(貫通孔571に露出した透明膜58の表面)を覆うように、光学基板57の一方の面側に反射防止層572を形成する。このとき、図示していないが、マスクとして用いたパターニングされた透明膜58が残っていてもよい。
このようにして、光学部材5Bを形成できる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター5は、光学基板57を備えた光学部材5Bを備え、光学基板57に、干渉フィルター本体5Aに入射する光を通過させる複数の貫通孔571が設けられている。
この構成によれば、貫通孔571に入射する光のうち、所定の入射角よりも大きい入射光は、貫通孔571の内側面571Aに当たって吸収及び散乱されるため、貫通孔571を通過しない。そして、所定の入射角以下の入射光のみが、貫通孔571を通過する。そして、貫通孔571を通過した光のみが、干渉フィルター本体5Aに入射する。これにより、干渉フィルター本体5Aに入射する光の入射角を、所定の入射角以下に揃えることができる。従って、干渉フィルター本体の透過波長のばらつきを低減でき、波長可変干渉フィルター5の波長分解能を向上できる。
また、本実施形態では、光学基板57は、干渉フィルター本体5Aの固定基板51に接合されている。すなわち、干渉フィルター本体5Aと光学部材5Bとが一体的に設けられている。
このため、例えば、干渉フィルター本体5Aの光入射側に、入射角を規制するレンズ等の別部品を位置合わせして配置する場合と比べて、小型化できる。また、光ファイバー等の高価な部材や樹脂性ファイバー等の変質しやすい部材を用いないため、低コストであり、変質による性能低下(例えば光透過率低下等)も抑制できる。
ここで、固定反射膜54及び可動反射膜55と光学部材5Bとの距離が離れるほど、貫通孔571を通過した光が、固定反射膜54及び可動反射膜55に到達するまでに、固定反射膜54及び可動反射膜55の平面方向に広がる範囲も大きくなる。
これに対して、本実施形態では、光学部材5Bは固定基板51に接合されているため、固定基板51と光学部材5Bとが離間している場合と比べて、固定反射膜54及び可動反射膜55と光学部材5Bとの距離を短くでき、貫通孔571を通過した光が固定反射膜54及び可動反射膜55に到達するまでに前記平面方向に広がる範囲を低減できる。
このため、複数の貫通孔571を固定反射膜54及び可動反射膜55の外縁に対して所定距離以上内側に配置させる場合に、前記所定距離を短くできる。これにより、貫通孔571の形成領域を大きくでき、複数の貫通孔571を通過する光量を増大できる。
また、本実施形態では、貫通孔571の内側面571Aには、反射防止層572が設けられている。
この構成によれば、内側面571Aに当たった光が反射することを防止でき、反射した光が貫通孔571を通過することを防止できる。これにより、所定の入射角以下の入射光のみを精度よく通過させることができる。
また、反射防止層572は、透明膜58の貫通孔571に露出した光入射側の面にも設けられている。
この構成によれば、貫通孔571を通過した光が、固定基板51の表面で反射することを抑制できるため、干渉フィルター本体5Aに入射させる光の光量の損失を抑制できる。
また、本実施形態では、光学基板57の固定基板51に接合される面側には、複数の貫通孔571を覆う透明膜58が設けられている。
この構成によれば、光学基板57と固定基板51とを接合させる際、例えば、貫通孔571を覆う透明膜58上に接合膜59を形成することで、接合膜59を容易に形成できる。これにより、製造コストを低減でき、波長可変干渉フィルター5のコストを低減できる。
また、本実施形態では、光学基板57に設けられた貫通孔571は、中央領域57Aに設けられ、周辺領域57Bには設けられていない。
この構成によれば、周辺領域57Bから干渉フィルター本体5Aへの光の入射がなく、これによる迷光等を防止できる。
また、本実施形態では、複数の貫通孔571のうちフィルター平面視において最も外側に位置する貫通孔571を通過する最大角度の入射光L1が、固定反射膜54及び可動反射膜55に入射するように、前記最も外側に位置する貫通孔571は、フィルター平面視において、固定反射膜54及び可動反射膜55の外縁に対して所定距離以上内側に配置されている。
この構成によれば、複数の貫通孔571を通過する光はすべて固定反射膜54及び可動反射膜55に入射するため、迷光をさらに低減できる。
また、本実施形態では、光学基板57と固定基板51とは、プラズマ重合膜である接合膜59を介して接合されている。
この構成よれば、例えば、光学基板57にプラズマ重合膜を容易に形成することができ、光学基板57と固定基板51とを容易に接合できる。これにより、製造コストを低減でき、波長可変干渉フィルター5のコストを低減できる。
また、本実施形態では、光学基板57は、シリコンにより構成されている。
この構成によれば、微細加工が可能な半導体プロセスを用いて光学基板57に貫通孔571を形成できる。このため、光学基板57に貫通孔571を寸法精度よく形成でき、所定の入射角以下の入射光のみを、精度よく通過させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態の分光測定装置1では、光学モジュール10に対して、干渉フィルター本体5Aが直接設けられる構成とした。しかしながら、光学モジュールとしては、複雑な構成を有するものもあり、特に小型化の光学モジュールに対して、干渉フィルター本体5Aを直接設けることが困難な場合がある。本実施形態では、そのような光学モジュールに対しても、干渉フィルター本体5Aを容易に設置可能にする光学フィルターデバイスに関するものである。
図5は、本発明に係る第二実施形態の光学フィルターデバイスの概略構成を示す断面図である。
図5に示すように、光学フィルターデバイス600は、干渉フィルター本体5Aと、第一実施形態と同じ構成の光学部材5Bと、干渉フィルター本体5A及び光学部材5Bを収納する筐体601と、を備えている。
筐体601は、ベース基板610と、リッド620と、ベース側ガラス基板630と、本発明における透光性基板を構成するリッド側ガラス基板640と、を備える。
ベース基板610は、例えば単層セラミック基板により構成される。このベース基板610には、干渉フィルター本体5Aの可動基板52が設置される。ベース基板610への可動基板52の設置としては、例えば接着層等を介して配置されるものであってもよく、他の固定部材等に嵌合等されることで配置されるものであってもよい。また、ベース基板610には、出射光が通過する光通過孔611が開口形成される。光通過孔611は、フィルター平面視において、干渉フィルター本体5Aの固定反射膜54及び可動反射膜55(図5では図示を省略)と重なる領域に設けられている。そして、この光通過孔611を覆うように、ベース側ガラス基板630が接合される。ベース側ガラス基板630の接合方法としては、例えば、ガラス原料を高温で熔解し、急冷したガラスのかけらであるガラスフリットを用いたガラスフリット接合、エポキシ樹脂等による接着などを利用できる。
このベース基板610のリッド620に対向するベース内側面612には、干渉フィルター本体5Aの各引出電極のそれぞれに対応して内側端子部615が設けられている。なお、各引出電極と内側端子部615との接続は、例えばFPC615Aを用いることができ、例えばAgペースト、ACF(Anisotropic Conductive Film)、ACP(Anisotropic Conductive Paste)等により接合する。また、FPC615Aによる接続に限られず、例えばワイヤーボンディング等による配線接続を実施してもよい。
また、ベース基板610は、各内側端子部615が設けられる位置に対応して、貫通孔614が形成されており、各内側端子部615は、貫通孔614に充填された導電性部材を介して、ベース基板610のベース内側面612とは反対側のベース外側面613に設けられた外側端子部616に接続されている。
そして、ベース基板610の外周部には、リッド620に接合されるベース接合部617が設けられている。
リッド620は、図5に示すように、ベース基板610のベース接合部617に接合されるリッド接合部624と、リッド接合部624から連続し、ベース基板610から離れる方向に立ち上がる側壁部625と、側壁部625から連続し、干渉フィルター本体5Aの固定基板51側を覆う天面部626とを備えている。このリッド620は、例えばコバール等の合金または金属により形成することができる。
このリッド620は、リッド接合部624と、ベース基板610のベース接合部617とが、接合されることで、ベース基板610に密着接合されている。
この接合方法としては、例えば、レーザー溶着の他、銀ロウ等を用いた半田付け、共晶合金層を用いた封着、低融点ガラスを用いた溶着、ガラス付着、ガラスフリット接合、エポキシ樹脂による接着等が挙げられる。これらの接合方法は、ベース基板610及びリッド620の素材や、接合環境等により、適宜選択することができる。
リッド620の天面部626は、ベース基板610に対して平行となる。この天面部626には、入射光が通過する光通過孔621が開口形成されている。光通過孔621は、フィルター平面視において、固定反射膜54及び可動反射膜55と重なる領域に設けられている。そして、この光通過孔621を覆うように、リッド側ガラス基板640が接合される。リッド側ガラス基板640の接合方法としては、ベース側ガラス基板630の接合と同様に、例えばガラスフリット接合や、エポキシ樹脂等による接着などを用いることができる。
リッド側ガラス基板640における筐体601の内側を向く面(干渉フィルター本体5Aに対向する面)側には、光学部材5Bの光学基板57が、プラズマ重合膜である接合膜660を介して接合されている。
光学フィルターデバイス600では、リッド側ガラス基板640を介して光通過孔621に入射し、光学部材5Bの貫通孔571を通過した光のみが、干渉フィルター本体5Aに入射する。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態の光学フィルターデバイス600では、リッド側ガラス基板640から入射し、光学基板57の貫通孔571を通過した光のみが干渉フィルター本体5Aに入射する。
この構成によれば、第一実施形態と同様に、干渉フィルター本体5Aに入射する光の入射角を、所定の入射角以下に揃えることができる。従って、光学フィルターデバイス600の波長分解能を向上できる。
また、この構成によれば、光学フィルターデバイス600に光学部材5Bが一体的に設けられているので、例えば、光学フィルターデバイス600の光入射側に、入射角を規制するレンズ等の別部品を位置合わせして配置する場合と比べて、小型化できる。また、光ファイバー等の高価な部材や樹脂性ファイバー等の変質しやすい部材を用いないため、低コストであり、変質による性能低下(例えば光透過率低下等)も抑制できる。
また、本実施形態では、光学基板57は、リッド側ガラス基板640における干渉フィルター本体5Aに対向する面側に接合されている。
この構成によれば、例えば、光学基板57が、リッド側ガラス基板640における干渉フィルター本体5Aに対向する面とは反対側に接合されている場合と比べて、光学フィルターデバイス600を薄型化できる。また、干渉フィルター本体5Aと近い位置に光学部材5Bを配置でき、干渉フィルター本体5Aに入射させる光を精度よく所望の入射角に揃えることができる。
また、本実施形態では、光学基板57とリッド側ガラス基板640とは、プラズマ重合膜である接合膜660を介して接合されている。
この構成よれば、例えば、光学基板57にプラズマ重合膜を容易に形成することができ、光学基板57とリッド側ガラス基板640とを容易に接合できる。これにより、製造コストを低減でき、光学フィルターデバイス600のコストを低減できる。
また、本実施形態では、筐体601により干渉フィルター本体5Aが保護されているため、外的要因による干渉フィルター本体5Aの破損を防止できる。また、光学フィルターデバイス600の内部が密閉された構成となるため、水滴や帯電物質等の異物の侵入を抑制でき、固定反射膜54や可動反射膜55にこれらの異物が付着する不都合も抑制することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態において、例えば、図6に示すように、光学部材5Bの透明膜58上に、複数の貫通孔571を覆い、所定の波長域の光を透過させるバンドパスフィルター膜71が設けられていてもよい。バンドパスフィルター膜71は、例えば、TiO及びSiOの積層膜、または、Nb及びSiOの積層膜である。
この場合、光学部材5Bに入射する光は、バンドパスフィルター膜71を透過して干渉フィルター本体5Aに入射する。これにより、干渉フィルター本体5Aに所定の波長域の光を入射できる。従って、測定対象となる波長以外の不要な光成分を、バンドパスフィルター膜71によりカットすることができ、波長可変干渉フィルター5及び光学フィルターデバイス600から測定対象波長域の光を透過させることができる。これにより、不要な光成分による光量増加を抑制できる。
なお、バンドパスフィルター膜71は、光学基板57における透明膜58が設けられている面とは反対側の面に設けられていてもよい。また、透明膜58を、バンドパスフィルター膜71で構成してもよい。また、透明膜58を、バンドパスフィルター膜71を構成する積層膜の1つとしてもよい。
上記第一実施形態において、例えば、光学部材5Bの透明膜58上に、反射防止膜が設けられていてもよい。この場合、図6に示されるバンドパスフィルター膜71を、反射防止膜で置き換えた状態となる。反射防止膜には、例えば、SiN,TiO,SiO膜が用いられる。
この場合、貫通孔571を通過した光は、反射防止膜を透過して固定基板51に入射する。これにより、貫通孔571を通過した光が、固定基板51の表面で反射することを抑制できるため、干渉フィルター本体5Aに入射させる光の光量の損失を抑制できる。
なお、透明膜58を、反射防止膜で構成してもよい。
上記実施形態では、光学基板57の貫通孔571の内側面571Aは、光学基板57の厚さ方向と平行であるが、図7に示すように、貫通孔571は、光の通過方向に向かって徐々に開口径が大きくなるテーパー状であってもよい。
この場合、光学基板57の厚み方向の寸法がd、貫通孔571の光の通過方向の端の開口寸法がLとなる。すなわち、貫通孔571の光の通過方向の端の開口寸法は、図3に示す貫通孔571の開口寸法と同じであり、貫通孔571の光の通過方向の端とは反対側の端の開口寸法は、図3に示す貫通孔571の開口寸法よりも短くなる。
この場合、貫通孔571の内側面571Aで反射した光が貫通孔571を通過してしまう事があっても、その反射光の角度は、貫通孔571の内側面571Aに傾斜がない場合に比べて、干渉フィルター本体5Aに対して入射角度が減少する方向に変化する。よって、干渉フィルター本体5Aの透過波長のばらつきを低減でき、波長可変干渉フィルター5の波長分解能を向上できる。
上記実施形態において、例えば、光学基板57の貫通孔571の内側面571Aと反射防止層572との間に、酸化クロム等の光吸収膜を設けてもよい。この場合、内側面571Aに当たる角度の入射光を光吸収膜によって好適に吸収できるため、この入射光が光学基板57を透過して干渉フィルター本体5Aに入射することを確実に防止できる。
なお、光吸収膜は、図4に示す光学部材5Bの製造工程において、図4(C)に示すように光学基板57に貫通孔571を形成した後、透明膜58を剥離し、貫通孔571が露出した光学基板57に対して、光吸収膜を成膜することで形成できる。
また、貫通孔571の内側面571Aに、微小な凹凸構造を設けてもよい。この場合、内側面571Aに当たる角度の入射光を凹凸構造によって好適に散乱できる。
上記第二実施形態では、光学基板57は、リッド側ガラス基板640における干渉フィルター本体5Aと対向する面側に接合されているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、光学基板57は、リッド側ガラス基板640における干渉フィルター本体5Aと対向する面とは反対側に接合されていてもよい。また、光学基板57は、干渉フィルター本体5Aの固定基板51に接合されていてもよい。また、入射光が、ベース基板610側、すなわち、光通過孔611を介して入射される場合は、光学基板57は、ベース側ガラス基板630に接合されていてもよい。
また、上記第二実施形態とは異なる筐体601の構造として、ベース基板610を凹部を有する形状とし、リッド620を平板形状のガラス基板として、これらをガラスフリット接合によって接合した構造を適用してもよい。この場合、リッド620が、上記第二実施形態におけるリッド側ガラス基板640、すなわち本発明における透光性基板を構成する。この構造において、リッド620における筐体601の内側を向く面に光学部材5Bの光学基板57が、プラズマ重合膜である接合膜660を介して接合される。この時、光学基板57に設けられた貫通孔571は、中央領域57Aに設けられ、周辺領域57Bには設けられていない構成が望ましい。
上記実施形態では、光学基板57の貫通孔571の内側面571Aには、反射防止層572が設けられているが、内側面571Aでの反射が少ない場合には無くてもよい。
上記実施形態では、光学基板57には、透明膜58が設けられているが、光学基板57に接合膜59,660を好適に形成できる場合には無くてもよい。
上記第一実施形態では、光学基板57と固定基板51とはプラズマ重合膜である接合膜59を介して接合されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、耐熱性を必要としなければ、光学基板57と固定基板51とをエポキシ系接着剤により接合してもよい。また、固定基板51が硼珪酸ガラスであれば、光学基板57と固定基板51とを陽極接合させてもよい。
また、上記第二実施形態では、光学基板57とリッド側ガラス基板640とはプラズマ重合膜である接合膜660を介して接合されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、耐熱性を必要としなければ、光学基板57とリッド側ガラス基板640とをエポキシ系接着剤により接合してもよい。また、リッド側ガラス基板640が硼珪酸ガラスであれば、光学基板57とリッド側ガラス基板640とを陽極接合させてもよい。
上記実施形態では、光学基板57はシリコン基板であるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、非透光性を有していれば、他の基板を用いてもよい。
また、本発明の電子機器として、上記各実施形態では、分光測定装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学モジュール、及び電子機器を適用することができる。
例えば、図8に示すように、本発明の電子機器を、色を測定するための測色装置に適用することもできる。
図8は、波長可変干渉フィルターを備えた測色装置400の一例を示すブロック図である。
この測色装置400は、図8に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置410と、測色センサー420(光学モジュール)と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430とを備える。そして、この測色装置400は、光源装置410から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光し、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
光源装置410は、光源411、複数のレンズ412(図8には1つのみ記載)を備え、検査対象Aに対して例えば基準光(例えば、白色光)を射出する。また、複数のレンズ412には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置410は、光源411から射出された基準光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Aに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置410を備える測色装置400を例示するが、例えば検査対象Aが液晶パネルなどの発光部材である場合、光源装置410が設けられない構成としてもよい。
測色センサー420は、本発明の光学モジュールであり、図8に示すように、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過する光を受光するディテクター11と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長を可変する電圧制御部15とを備える。また、測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光をディテクター11にて受光する。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
制御装置430は、測色装置400の全体動作を制御する。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図8に示すように、光源制御部431、測色センサー制御部432、及び測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部431は、光源装置410に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力して、所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420の電圧制御部15は、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、ディテクター11により検出された受光量から、検査対象Aの色度を分析する。
また、本発明の電子機器の他の例として、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムが挙げられる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の光学モジュールを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図9は、本発明の光学モジュールを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図10は、図9のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図9に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置(光学モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138(処理部)、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図10に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図10に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部15、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気などが除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部15に対して制御信号を出力する。これにより、電圧制御部15は、上記第一実施形態と同様にして波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56を駆動させ、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を精度よく取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、上記図9及び図10において、ラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示したが、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図11は、本発明の光学モジュールを利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図11に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部15と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って波長可変干渉フィルター5に入射する。波長可変干渉フィルター5は電圧制御部15の制御により、上記第一実施形態に示すような駆動方法で駆動される。これにより、波長可変干渉フィルター5から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部15を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、及びその含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、更には、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図11において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、本発明の光学モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の光学モジュールにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機などにも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図12は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図12に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図12に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。なお、波長可変干渉フィルター5の代わりに、光学フィルターデバイス600が設けられる構成としてもよい。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。この時、各波長に対して、駆動制御部(図示略)が上記第一実施形態に示すような本発明の駆動方法により波長可変干渉フィルター5を駆動させることで、精度よく目的波長の分光画像の画像光を取り出すことができる。
更には、本発明の光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
更には、光学モジュール及び電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の光学モジュール、及び電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、本発明の光学モジュールは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光学モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
1…分光測定装置(電子機器)、5…波長可変干渉フィルター(干渉フィルター)、5A…干渉フィルター本体、5B…光学部材、10…光学モジュール、11…ディテクター(検出部)、20…制御部、51…固定基板(基板)、54…固定反射膜(第一反射膜)、55…可動反射膜(第二反射膜)、57…光学基板、57A…中央領域(第一領域)、57B…周辺領域(第二領域)、58…透明膜、59…接合膜、100…ガス検出装置(電子機器)、137…受光素子(検出部)、138…制御部、200…食物分析装置(電子機器)、213…撮像部(検出部)、220…制御部、300…分光カメラ(電子機器)、330…撮像部(検出部)、400…測色装置(電子機器)、430…制御装置(制御部)、571…貫通孔、571A…内側面、572…反射防止層、601…筐体、621…光透過孔、640…リッド側ガラス基板(透光性基板)、660…接合膜。

Claims (16)

  1. 入射する光を透過する基板と、
    前記基板に設けられた第一反射膜と、
    前記第一反射膜に対向する第二反射膜と、
    複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材と、を備え、
    前記光学部材は、前記基板に接合されている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  2. 請求項1に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、前記複数の貫通孔の各内側面を覆う反射防止層を備えている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  3. 請求項1または請求項2に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、前記基板に接合される面側に、前記複数の貫通孔を覆う透明膜を備えている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、前記複数の貫通孔を覆い、所定の波長域の光を透過させるバンドパスフィルター膜を備えている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、前記基板に接合される面側に反射防止膜を備えている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なり、前記複数の貫通孔が設けられた第一領域と、前記第一領域を取り囲み、前記貫通孔が設けられていない非透光性の第二領域とを備えている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  7. 請求項6に記載の干渉フィルターにおいて、
    前記複数の貫通孔のうち前記平面視において最も外側に位置する貫通孔を通過する最大角度の光が、前記第一反射膜及び前記第二反射膜に入射するように、前記最も外側に位置する貫通孔は、前記平面視において、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の外縁に対して所定距離以上内側に配置されている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材と前記基板とは、プラズマ重合膜を介して接合されている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記光学部材は、シリコンにより構成されている
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の干渉フィルターにおいて、
    前記複数の貫通孔は、光の通過方向に向かって徐々に開口径が大きくなるテーパー状である
    ことを特徴とする干渉フィルター。
  11. 入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、
    前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、
    複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、を備え、
    前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、
    前記光学部材は、前記透光性基板に接合されている
    ことを特徴とする光学フィルターデバイス。
  12. 入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、前記第一反射膜に対向する第二反射膜、及び、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材を備えた干渉フィルターと、
    前記第一反射膜及び前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長の光を検出する検出部と、を備え、
    前記光学部材は、前記基板に接合されている
    ことを特徴とする光学モジュール。
  13. 入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、
    前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、
    複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、
    前記第一反射膜及び前記第二反射膜との間に入射した光が干渉して選択された波長の光を検出する検出部と、を備え、
    前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、
    前記光学部材は、前記透光性基板に接合されている
    ことを特徴とする光学モジュール。
  14. 入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、前記第一反射膜に対向する第二反射膜、及び、複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記基板に入射する光の角度を規制する光学部材を備えた干渉フィルターと、
    前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備え、
    前記光学部材は、前記基板に接合されている
    ことを特徴とする電子機器。
  15. 入射する光を透過する基板、前記基板に設けられた第一反射膜、及び前記第一反射膜に対向する第二反射膜を備えた干渉フィルター本体と、
    前記干渉フィルター本体を内部に収納する筐体と、
    複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記干渉フィルター本体に入射する光の角度を規制する光学部材と、
    前記干渉フィルター本体を制御する制御部と、を備え、
    前記筐体は、前記第一反射膜及び前記第二反射膜の膜厚方向から見た平面視において前記第一反射膜及び前記第二反射膜と重なる領域に設けられた光通過孔、及び前記光通過孔を塞ぐ透光性基板を有し、
    前記光学部材は、前記透光性基板に接合されている
    ことを特徴とする電子機器。
  16. 光を通過させる複数の貫通孔と、前記複数の貫通孔の各内側面を覆う反射防止層と、前記複数の貫通孔を覆う透明膜とを備え、
    前記貫通孔により、通過する光の角度を規制する
    ことを特徴とする光学部材。
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