JP2009048009A - ミラーデバイス - Google Patents

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Yasuhiro Hamaguchi
康博 濱口
Toshiki Kida
年紀 木田
Mitsuyasu Furusawa
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Abstract

【課題】 ミラー(特にミラー反射面)の破損を防止することで、ミラーの反射特性を維持するミラーデバイスを提供する。
【解決手段】 積層された複数(3枚以上)の基板を構成要素にもつミラーデバイスにおいて、前記複数の基板の一枚がミラーを有するミラー基板であり、前記ミラーは前記ミラー基板と支持部材で接続され回動可能であり、前記ミラー反射面と前記枠は前記ミラーの同一面側に配置されており、前記ミラーは前記ミラー基板と該ミラーデバイスを構成する他の基板で形成された閉空間内に配置され、前記複数の基板の少なくとも一枚が、少なくとも部分的に光学的に透明な材料で形成され、前記光学的に透明な材料部分を介し、ミラーデバイス外部の空間と前記ミラーが光学的に接続されているミラーデバイス。
【選択図】図16

Description

本発明は電磁波、ミリ波、可視光、赤外光、紫外光、あるいは音波を反射するミラーデバイスに関する。具体的には光通信システムや照明装置等において用いられるミラーデバイスに関するものである。より具体的には光通信システムにおける、1×2光スイッチ、ON/OFF光スイッチ、およびそれらを有する装置に適用するミラーデバイスに関する。
静電駆動を利用してミラーを動作させ光信号の伝播方向を切り換えるミラーデバイスが提案されている。特許文献1では、ミラー上部に配置した基板とミラー下部に配置した基板を利用してミラー姿勢を規定する。具体的には、ミラーはミラー上部の基板とミラー下部の基板の両方と同時に接触する状態で光の伝播方向を切り換える。
特開2004−78136号公報
上記従来技術では、光の伝播方向を切り換える時に、ミラーはミラー上部に設けた基板とミラー反射面で接触する。このため、スイッチング動作を長期的に繰り返し行った場合には、ミラー反射面の破損や、ミラーとミラー上部の基板との接触で生じたゴミが反射面に乗り上げることが起こる。その結果、ミラー反射面での反射特性が低下するという課題が生じる。また振動や衝撃によってミラー反射面が破損した場合にも、反射特性の低下が生じる。
本発明の目的は、スイッチング動作を長期的に繰り返し行った場合、あるいは振動や衝撃によりミラー位置が強制的に変位した場合に、ミラー、特にミラー反射面、の破損を防止することで、ミラーの反射特性を維持するミラーデバイスを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のミラーデバイスは、光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
前記ミラーを可動させるための電極を有する第一の基板と、前記第一の基板の上側に設けられた第二の基板と、前記第二の基板及び前記ミラーより上側に設けられると共に前記光を通過させる開口を有する第三の基板と、前記第三の基板より上側に設けられると共に前記光を透過させる第四の基板とを備え、
前記ミラーと前記第三の基板との距離は、前記ミラーと前記第一の基板との距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の他のミラーデバイスは、光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
前記ミラーを可動させるための電極を有する第一の基板と、前記第一の基板の上側に設けられた第二の基板と、前記第二の基板及び前記ミラーより上側に設けられると共に前記光を透過させる第三の基板とを備え、
前記ミラーと前記第三の基板との距離は、前記ミラーと前記第一の基板との距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の他のミラーデバイスは、光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
前記ミラーの反射面側に設けられると共に前記光を通過させる開口を有する反射面側基板と、前記ミラーの反射面とは反対側に設けられると共に前記ミラーが可動する力を付与する電極を有する電極基板と、前記反射面側基板の開口を覆うように設けられると共に前記光を透過させる透過基板とを備え、
前記反射面から前記反射面側基板までの距離は、前記ミラーから前記反射面側基板までの距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の他のミラーデバイスは、光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
前記ミラーの反射面側に設けられると共に前記光を透過させる反射面側基板と、前記ミラーの反射面とは反対側に設けられると共に前記ミラーが可動する力を付与する電極を有する電極基板とを備え、
前記反射面から前記反射面側基板までの距離は、前記ミラーから前記反射面側基板までの距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の他のミラーデバイスは、積層された複数(3枚以上)の基板を備えるミラーデバイスにおいて、
前記複数の基板の1枚がミラーを有するミラー基板であり、
前記ミラーは、ミラー反射面及び枠を有し、前記ミラー基板と支持部材で回動可能に接続され、
前記ミラー反射面と前記枠は前記ミラーの同一面側に配置されており、
前記複数の基板の他の1枚が前記ミラー基板に対して前記ミラー反射面とは反対側に積層された第一の基板であり、
前記複数の基板の更に他の1枚が前記ミラー基板に対して前記ミラー反射面側に積層された第二の基板であり、
前記ミラーは複数(2つ以上)の安定動作姿勢を有し、
前記ミラーは前記安定動作姿勢において前記ミラーのミラー反射面の反対側の複数箇所で前記第一の基板と当接し、
前記ミラーと前記第一の基板との距離が前記枠と前記第二の基板との距離よりも大きく、
前記第二の基板は第一のストッパ開口部と前記第一のストッパ開口部より小さな第二のストッパ開口部を有し、
前記第一のストッパ開口部は前記ミラーより大であり、
前記第二のストッパ開口部は前記ミラー反射面より大で前記ミラーより小であり、
前記ミラーは、前記複数の基板で形成された閉空間内に配置され、
前記複数の基板の少なくとも1つは、ミラーデバイス外部の空間と前記ミラーを光学的に接続するために、一部又は全体が光透過性部材で構成されていることを特徴とする。
該構成によれば、長期的に繰り返し行なう切り換え動作に対して、ミラーはミラー反射面を有する側で他の部材と接触することがないので、ミラー反射面の破損や汚染を回避することができ、結果としてミラーの反射特性を長期的に維持することができる。さらに、ミラーに振動や衝撃が加えられた場合も、ミラーはミラー反射面で他の部材と接触することがないので、ミラーの反射特性を維持することができる。同時に、ミラーをミラー基板と接続する支持部材の変形量も制限できるので、支持部材の破損を回避しミラーの機能を維持することができる。さらに、ミラーが閉空間に収められているので外部からの異物の侵入を防止することができ、ミラーの機能を長期的に維持できる。
本発明によれば、長期的に繰り返し行なう切り換え動作、あるいは振動や衝撃によるミラーの破損を防止し、ミラー反射面での反射特性を維持するミラーデバイスを提供できる。
次に、図1〜図19を参照して、本発明によるミラーデバイスの実施例を説明する。なお、本発明はこれら実施例に必ずしも限定されるものではない。
本発明の説明に先立ち図1〜15を用いて本発明のミラーデバイスの予備検討例を説明する。
[予備検討例1]
本発明の予備検討例を図1〜図6を用いて説明する。図1は予備検討対象としたミラーデバイス100の主要部分の断面図である。図2(a)は予備検討対象としたミラーデバイスを2個アレイ化した状態の上面図である。図1は図2(a)のA−A’断面図に相当する。図2(b)の破線はストッパ基板103の裏面の概略形状を示している。図2(c)の破線はミラー基板102の概略形状を示している。該ミラー基板102はストッパ基板103の下に配置される。図2(d)の破線は電極基板101の概略形状を示している。該電極基板はミラー基板102の下に配置される。
ミラーデバイスは、下から電極基板101、ミラー基板102、ストッパ基板103の順に積層した基板に空間を形成し、この空間にミラー106を配置して形成される。最下層の電極基板101は、ピボット107を有し、ピボット107の両側に電極104a,104bを有する。電極基板101の上にはミラー基板102を配置する。ミラー106は、ミラー基板102を加工して形成される。ここで図2を用いてミラー106とミラー基板102の接続関係を説明する。ミラー106は可動軸を有し、該可動軸に沿って一対の梁123を有する。該一対の梁123は、ミラー106をミラー基板102に対して支持する支持部材であり、ミラー基板102に対してミラー106を回動可能に接続している。
ミラー基板102の上には、ストッパ基板103が備えられている。ストッパ基板103は、ミラー106上方の基板厚が薄くなっており、電極基板101、ミラー基板102とともにミラー106を収容するための空間を形成し、ミラー106は、電極基板101、ミラー基板102およびストッパ基板103によって周囲を囲まれた構造となっている。なお、本予備検討においてはストッパ基板103に開口部131を有しているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の予備検例、例えば予備検討例11、に示すように該開口部は貫通孔でなくても良い。
本予備検討例1ではストッパ基板103はシリコンウェハを異方性エッチングして加工して開口部を設けた例である。開口部131は結晶方位に依存した傾斜を持つ。該開口部131の形成方法は異方性エッチング以外の方法、例えばドライエッチング、でも良い。ミラー反射面106aで反射された光は開口部131を通過してミラーデバイス外部へ伝播する。ミラー反射面106aで反射される光の光源はミラーデバイス内部に有する場合もあれば、ミラーデバイス外部に有する場合もある。開口部131はミラー反射面106aよりも大きくする。ストッパ基板103は、ミラー反射面106aの周囲に設けられた枠108がストッパ基板103と接触した時に梁123が壊れない範囲の大きさのストッパ段差105を持つ。段差量の決定方法は後述する。
図3(a)にミラー106及びミラー基板102の平面図を示す。ミラー106は、基板部106b、枠108、ミラー反射面106aを構成要素として有する。ミラー106は各種材料を用いて形成して良いが、本予備検討例ではSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用いた。梁123は基板部106b(図1参照)側からのエッチングで作製する。このとき中間酸化膜106c(図1参照)をエッチングストップ層とする。ミラー106は1枚のウェハから複数個同時作成することが望ましい。この場合、複数のミラーはそれぞれが独立したミラーデバイスを形成してもよく、複数個のミラーをアレイ化した状態で1組のミラーデバイスを形成してもよい。いずれの場合においても、1枚のウェハに複数個のミラーを同時形成した場合、梁203の厚さが異なると、各ミラーの梁剛性が異なることとなる。その結果、個々のミラーに同じ外部動力、例えば駆動電圧を供給した時の個々のミラー特性が変わることになるので、特性ばらつきの抑制の意味で望ましくない。ここで、梁203をSOIウェハの一方の側のシリコン層を利用して作製することは、梁203の厚さばらつき管理が、SOIウェハのシリコン層のばらつき管理で行えることを意味するので、ミラー特性のばらつき抑制に有効である。
一方、ミラー106が重いと、ミラー106を支える梁の剛性を高くする必要があるので、ミラー動作に要する電圧、すなわち駆動電圧、が高くなる。大きな駆動電圧の供給は電気回路への負荷を大きくするので、これを避けるためにミラー106の軽量化を図った。具体的には、ミラー106に他の領域よりも薄くなるミラー加工段差106dを設けた。該ミラー加工段差106dの外側にはミラー加工段差106dよりも厚い枠108を設け、ミラー106の剛性を保った。また前記ミラー加工段差106dよりも厚い枠108はミラー反射面106aと、ストッパ基板103との接触の防止にも寄与する。枠108がストッパとして機能するので、ミラー支持部材である梁123の破損を防止する効果も得られる。
ミラー106はN個(複数個)並べて配置させ、1組のミラーデバイスとすることもできる。ミラー106をミラー基板102と接続するための支持部材である梁123は、図3に示した例に関わらず、折り返し数が増減しても良く、あるいは直梁であっても良い。
電源接続パッド121a,121b(図2参照)は電圧を印加する装置に接続するためのパッドである。例えば電源接続パッド121a,121bにワイヤーボンディングを施し電圧を供給する装置と接続する。
図3(b)の平面図に示すように、電極基板101の電極104a及び104bはピボット107の両側に配置され、電源接続パッド121a及び121bと配線124a,124bで接続している。電極、電源接続パッド、および配線は電極基板表面の絶縁膜(例えばSiO膜)上に形成することで、各々の絶縁を確保する。
次に、本予備検討例におけるストッパ基板103、ミラー基板102及び電極基板101の加工プロセスの一例について説明する。ミラーデバイス100はストッパ基板103、ミラー基板102、および電極基板101をそれぞれ個別に加工した後に組み立てる。各基板の加工はフォトリソグラフィを用いることが望ましい。ストッパ基板103は、両面にフォトリソグラフィを行ない、異方性エッチング溶液、例えばKOH40%水溶液、で両面から同時にウェットエッチングを行って加工する。ストッパ基板103の材質としては、加工が容易であることと、ミラー106の母材にシリコンを利用した場合に線膨張係数がミラーと同じであることからシリコンが望ましい。シリコン基板に対しKOH等を用いた異方性ウェットエッチングを行なうことで、ストッパ基板103の寸法管理を高精度に行なうことができる。またシリコン基板を両面から同じ深さウェットエッチングする製法は生産性向上の効果を有する。
ただし、ストッパ基板103の材料として、シリコン以外の半導体、アルミニウムや真鍮などの金属、ガラス、樹脂なども用いることができる。また、等方性ウェットエッチングや各種ガスを用いたドライエッチング、あるいはマイクロ機械加工や、射出形成およびモールディングを用いて加工することができる。
ミラー基板102にはSOIウェハを用いた。SOIウェハにフォトリソグラフィでミラー106のパターンを形成し、両面からエッチングを行ってミラー106を形成した。また、ミラー反射面106aは、ミラー106との密着性を確保し、使用する光に対する反射率を高くするために、チタンと金の多層膜を被覆して構成した。該多層膜はチタンがベース(下地)となるように、チタン、金の順にスパッタリングを用いて形成した。シリコンウェハ上への金属膜の成膜は、スパッタリング以外にも、例えば蒸着やメッキで行なうことができる。金のベースとなる薄膜は、クロムなど他の金属でも良い。また、チタンと金の間に、例えば白金など別の金属を入れて、3層以上の多層にしても良い。使用する光に対する反射率が高ければ、表面は金でなくても良い。例えばアルミニウムが適用できる。またミラー106との密着性が確保でき、使用する光に対する反射率が高いのであれば誘電体多層膜を用いても良い。
電極基板101はシリコン基板に対して異方性ウェットエッチングを施すことで形成する。異方性ウェットエッチングは複数のウェハを同時処理できるので生産性に優れると同時に、結晶の特性を活かした加工であるので加工精度の均一性に優れる。
図1に示した電極基板101はミラー基板と接する部分(ミラー支持突起150a,150b)、ピボット107の頂部、電極104a,104bの形成面で異なる高さを有する。これらの高さの差は異方性ウェットエッチングを複数回施すことで形成する。第一の異方性ウェットエッチングでは電極基板101に、ミラー基板と接する部分(ミラー支持突起150a,150b)とピボット107の頂部との高低差を形成する。第二の異方性ウェットエッチングではピボット107の頂部と電極104a,104bの形成面との高低差を形成する。
電極104a,104bは第二の異方性ウェットエッチング後のシリコンウェハ表面に熱酸化膜(SiO膜)を形成した後、クロム膜をベース(下地)として形成し、その上に金膜をスパッタリングで形成し、不要な部分の金膜とクロム膜をエッチング除去する方法で形成した。電極104a,104bの金のベース(下地)となる薄膜はクロム以外、例えばチタン、白金、ニッケルあるいはこれらの多層膜、でも良い。シリコンウェハ上へのクロムや金の成膜は、スパッタリング以外にも、例えば蒸着やメッキで行なうことができる。電極104a,104bの形成は上述したエッチング以外にも、イオンミリングやリフトオフ等の方法が適用できる。配線124a,124b、および電源接続パッド121a,121bは電極104a,104b、と同時に形成して良い。
また、クロム膜と金膜の間に、例えば白金膜など別の金属の膜を入れて、3層以上の多層の薄膜にしても良い。電極104a,104bに使用する材料は導電性があり薄膜形成可能な金属、例えば銅、アルミ、白金、チタン、コバルト、モリブデン、タングステンなどでも良い。これらの金属は高温で溶融あるいは拡散しないことが望ましい。高温で溶融あるいは拡散しない材料とすることで、ミラーデバイスの製造工程に高温工程を含ませることができ、製造工程の選択肢が広がるからである。例えば製造工程に金−錫(Au−Sn)はんだを用いる工程を有する場合、耐熱温度が約300℃以上となる膜を用いる。このような多層膜構造としては、例えば、下地層にチタン(Ti)、中間層にニッケル(Ni)、最表面層に金(Au)とする多層膜構造が適用できる。電極104a,104bの厚さは、ミラー106と電極104a,104bが接触するのを避けるため、1μm以下とすることが望ましい。
ミラーデバイス100はストッパ基板103、ミラー基板102及び電極基板101を加工した後に、全ての基板を組み合わせて形成する。このとき各基板に位置決め用の孔(図9に示す位置決め用の孔122と同様の孔)を形成しておき、該位置決め用の孔に同等な寸法のピンなどを挿入することによって基板同士の位置合わせを行なうことができる。ただしこの組み立て方法は一例であり、別の方法を用いて各基板の位置合わせを行っても良い。例えば各基板の外形寸法で位置合わせを行っても良い。あるいは、別途形成した位置合わせマーク(図示せず)を用いて各基板の位置合わせを行っても良い。
次に本ミラーデバイスの動作について図4を用いて説明する。図4は本予備検討例のミラーデバイスを駆動した時の断面図である。図4(a)は、電極104bとミラー106との電位差を電極104aとミラー106との電位差より大きく与えた時の状態を示した図である。このとき、ミラー106は梁123を中心にした回動と電極基板101側への移動を行ない、ミラー106の裏側がピボット107と電極基板101に接触した状態で停止する。この状態で、入射光161はミラー反射面106aにより反射され、反射光162となる。
ここで入射光161はミラーデバイス100内部からミラー反射面106aへ向かう光であっても良い(図示せず)。すなわちミラーデバイス100内部に光源を有する構造であっても良い。あるいは反射光162はミラーデバイス100内部へ反射される光であっても良い(図示せず)。すなわちミラーデバイス100内部に受光器を有する構造であっても良い。本ミラーデバイスはミラー106の裏側をミラー下部に形成したピボット107と電極基板101に接触させてミラーの姿勢を固定するので、ミラー106の姿勢を固定するときにミラー106はミラー上部に配置したストッパ基板103に接触しない。
図4(b)は、電極104aとミラー106との電位差を、電極104bとミラー106との電位差より大きくしたときの状態を示す図である。電極104a、104bとミラー106との電位差の大小関係を反対にすると、ミラー106は図4(b)のように図4(a)とは逆方向に動作し、入射光161を別の方向へ反射させる。ミラー106が静止した時、ミラー106とストッパ基板103が接触しないように、ストッパ基板103は部分的にストッパ段差105だけストッパ基板表面から後退させている。つまりミラー反射面106a側ではミラー106と他の基板との接触はないので、ミラーを繰り返し動作させてもミラー反射面106aの破損や汚れは生じ難い。
このように、ミラー106は、電極104a、104bによって駆動力を付与され、光を反射させる状態では、電極基板101及びピボット107に当接することによって位置及び角度を決める。なお、ミラー106の姿勢はピボット107および電極基板101との当接でなされるので、ミラーを中空に保持する場合と異なり姿勢の安定性に優れる。ミラー基板102とストッパ基板103の間のストッパ段差105は、ミラー106の大きさおよび梁123の形状を考慮して与えることが望ましい。
本予備検討例においてはミラー106の素材を単結晶シリコンとし、梁123の幅を10μm、厚さを10μm、長さを600μm、片側の梁の折れ曲がり回数を6回(ここで、図3(a)の例では折れ曲がり数を4回と数える)とし、ミラーの長さを1700μm、幅を500μm、ミラーの枠108の幅を50μmとし、ミラー反射面106aの大きさを400μm×300μmとし、ミラー加工段差106dを300μmとし、基板部106bの厚さを10μmとした。該ミラー106に対しミラー106がストッパ基板103に動作する方向の衝撃加速度を与えたときのミラー変位量を図6に示す。例えば500Gの衝撃加速度を加えた場合、ミラーの変位量は約420μmとなる。衝撃加速度が470G以上のとき、梁の最大主応力はシリコンの破壊応力である1000MPa(=1GPa)に達する。従って梁123の破損を回避するためにストッパ段差105は560μm以下とすることが望ましい。
一方、ストッパ段差105がミラー裏面段差109をわずかに上回る大きさしかなければ、わずかな衝撃加速度が与えられた場合にも、ミラー106とストッパ基板103が衝突する。ミラー106とストッパ基板103の衝突頻度が多ければ、ミラー106あるいはストッパ基板103に破損が生じる可能性が高くなる。よってミラー106とストッパ基板103の衝突頻度は少ない方が望ましい。標準的に加えられる衝撃加速度を250Gと見込むとミラーは200μm変位することになる。この変位量に対してミラー106とストッパ基板103が接触しないようにすることが望ましいので、ストッパ段差105は200μm以上とすることが望ましい。本予備検討例ではストッパ段差105をおよそ260μmとした。
ミラー106がストッパ基板103に多数回衝突すると、ミラー106が破損する可能性がある。特にミラー反射面106aが直接ストッパ基板103に衝突すると、反射膜として形成した薄膜がはく離する可能性がある。あるいは、ミラー106を形成するシリコンが欠けてゴミを生じミラー反射面106aを汚染する可能性がある。ミラー反射面106aの薄膜はく離や汚染が起こるとミラー反射面106aの反射率は低下する。すなわちミラーデバイス100の反射特性が低下する。本予備検討例のミラーデバイス100はストッパ段差105をミラー裏面段差109より大とすることで、ミラー106は外部から過大な振動および衝撃が加えられたときにのみ、ストッパ基板103と接触する構造とした。ミラー106に外部から過大な振動および衝撃が加えられたときは、ストッパ基板103がミラー106の移動する範囲を制限することで、梁123に加わる曲げ応力を規定範囲内に抑え、梁123の破損を回避する。さらに図5の断面図に示すように、ストッパの開口部131の幅をミラー反射面106aより大とすることで、枠108がストッパ基板103と衝突する構造とした。該構造とすることで、過大な振動や衝撃がミラー106に加えられたときもミラー反射面106aは保護されるので、ミラー反射面106aの薄膜はく離や汚染の可能性を低減しミラー反射面106aの反射率低下を回避できる。すなわちミラーデバイス100の反射特性の低下を回避できる。
[予備検討例2]
他の予備検討例を、図7を用いて説明する。本予備検討例の大部分は予備検討例1と同様である。ただし、ミラー反射面206aをミラーの枠108よりも低くした点が予備検討例1と異なる。図7(a)に示したミラー206は、ミラー206の材料としたSOI基板の一方のシリコン層に対しエッチングを複数回行なうことにより、ミラー反射面206aをミラーの枠108よりも低くしたミラーである。ミラーデバイス200が外部から振動および衝撃を受けた場合、ミラーの枠108がストッパ基板103に接触するがミラー反射面206aは保護されるのでミラー206の反射特性は低下しない。
さらに振動あるいは衝撃によりミラー206に反り等の変形が生じることを見込んでミラー反射面206aは枠108より十分に低くすることが望ましい。例えば、図7(b)にように、ミラー306には、ミラー反射面306aを活性層(基板部)106b、すなわち枠108とは反対側のシリコン層、に形成してミラーデバイス300を構成してもよい。ストッパ基板303には図7(a)より幅広の開口部331を形成する。
図7(a),(b)の場合にストッパ基板103又は303に設けた開口部231又は331は、光の入反射を妨げない範囲でミラー反射面206a又は306aよりも小さくしても良い。
[予備検討例3]
他の予備検討例を、図8を用いて説明する。図8に示したミラーデバイス400は、ミラー基板402の材料をSOIよりも安価な単層基板、例えばシリコン基板、としたミラーデバイスである。本予備検討例においてミラー406の梁(図示せず)はミラー基板402の材料である単層の基板に対し厚さを調整するエッチングと形状を形成するエッチングを施すことで形成する。ここで厚さを調整するエッチングとして、例えばKOHの40%水溶液を用いた異方性ウェットエッチングを用い、形状を形成するエッチングとして、例えばドライエッチングを用いることができる。ストッパ基板403に設けた開口部431はミラー反射面116aよりも大とし、ミラー406よりは小とする。これにより、ミラー406に外部からの過大な振動および衝撃が加えられたとき、ミラー側面の斜面407とストッパ基板403が接触することにより、ミラーの反射面406aおよび梁123の破損を防止する。
[予備検討例4]
他の予備検討例を、図9を用いて説明する。図9(b)は、ストッパ基板103の開口部の設計を簡便にするために、ミラー全てに共通な共通開口部531をひとつ設けたストッパ基板503の図である。該共通開口部111以外の構造は予備検討例1のストッパ基板103と共通とする。図2に示した予備検討例1のストッパ基板103は、図9(a)に示すようにミラー106ごとに開口部131を有していたが、本予備検討例では複数のミラーが共通開口部531を使用するストッパ基板503とした。
ここで、全てのミラーに共通する共通開口部をひとつ設けるのでは無く、N個のミラーのうち、いくつかのミラーで共通する共通開口部を数個設けても良い。共通開口部531は、ミラーの長手方向、即ち可動軸に直交する方向の大きさ、よりも小さいことが望ましく、ミラー反射面106aよりも大きくすることが望ましい。符号122は位置決め用の孔である。
[予備検討例5]
他の予備検討例を、図10を用いて説明する。図10に示したミラーデバイス600は、ストッパ基板103とミラーの枠108が接触する部分に緩衝材621,622を設けたミラーデバイスである。ミラー606はミラー106に上部緩衝材621を付加した構成となっている。この図ではストッパ基板103の下面に緩衝材621を、ミラーの枠108上部緩衝材622を設けた。しかし、これらはどちらか一方でも構わない。緩衝材621,622はストッパ基板103及びミラーの枠108よりも弾性率が小さいことが望ましい。ストッパ基板103は予備検討例1と同様に作製する。加工が容易であることから、ストッパ基板103にのみ緩衝材621を設ける方式が望ましい。緩衝材621,622は、ミラーの枠108およびストッパ基板103と固着を起こしにくい部材が望ましいので、表面エネルギーの小さい材料、例えばポリイミドが適用できる。また、緩衝材621,622に光を吸収する部材を用いると、不要な散乱孔光の拡散を防止できる。
[予備検討例6]
他の予備検討例を、図11を用いて説明する。図11に示したミラーデバイス700はストッパ基板745に第一のストッパ段差734と第二のストッパ段差735を設けたミラーデバイスである。本発明のミラーデバイス700において、枠108からストッパ基板745までの距離を第一のストッパ段差734で規定する。第一のストッパ段差734は第二のストッパ基板735より小さくする。さらにストッパ基板745に設けた第一のストッパ開口部732はミラー反射面106aより大とする。該構造とすると、ミラーが外部から振動および衝撃を受けた場合、ミラーの枠108がストッパ基板745に設けた第一のストッパ段差734と接触するので、ミラー反射面106aは保護される。このときストッパ基板745に設けた第二のストッパ開口部733は、光の入反射を妨げない範囲で、ミラー反射面106aよりも小さくても良い。なお、第一のストッパ段差734の代わりに、ストッパ基板745のミラーの枠108に接触する位置に、突起を設けても良い。
[予備検討例7]
他の予備検討例を、図12を用いて説明する。図12に示したミラーデバイス800は、電極基板101、ミラー基板102、スペーサ841、およびストッパ基板842を構成要素に持つミラーデバイスである。前述の予備検討例1では、ストッパ基板103のミラーと対向する面を加工してミラー反射面106aを保護するが、本予備検討例ではスペーサ841とストッパ基板842を用いてミラー反射面106aを保護する。本構成とすることでストッパ基板の加工負荷が低減できる。スペーサ841とストッパ基板842の材料は、シリコンやその他の半導体、アルミニウムや真鍮などの金属、ガラス、および樹脂などを用いることができるが、ミラー106の主材料としてシリコンを用いた場合は、線膨張係数が同じであるシリコンを材料とすることが望ましい。スペーサ841の厚さは、ストッパ基板942とミラー106との距離805がミラー106から電極基板101までの距離よりも大きくなる厚さを選択する。さらに通常の振動や衝撃ではミラー106とストッパ基板842が接触しない厚さとすることが望ましい。該厚さの選択は予備検討例1の事例と同様の手順で、図6を参照して決定する。ストッパ基板842の加工は(ドライ)エッチングや機械加工などで行なう。電極基板101および、ミラー基板102は予備検討例1と同様の方法で作製する。ストッパ基板842の開口部831はミラー反射面106よりも大とする。
[予備検討例8]
本発明のミラーデバイスに適用するミラー基板として、前述の予備検討例と異なる形状のミラー基板を有するミラー906,1006の部分図を13(a),(b)に示す。本ミラーを用いたミラーデバイスにおいて、ミラー形状以外の要素は前述した予備検討例1〜7のいずれかと共通である。図13(a)に示したミラー906は、基板部906bを介してミラー反射面906aとミラーの枠908を分離した構造のミラーである。該構造とすることでミラーは軽量化できる。特にミラー906全体に対しミラー反射面906aを小さくできるほど、該構造の効果は顕著となる。
本発明のミラーデバイスのミラー形状は、例えば図13(b)に示した形状とすることも出来る。図13(a)に示した寸法比の場合、ミラー反射面と枠の隙間部分で加工面積が狭く、その他の部分で加工面積が広い。ミラー906全体に対しミラー反射面906aをそれほど小さく出来ない場合、加工面積の差が激しくなるので、それらの部分間で加工の一様性が低下する。加工の一様性の低下は意図したミラー形状実現の困難にする可能性があり望ましくない。図13(b)の形状は加工の一様性を確保するために、加工面積の狭い部分を与えない構造とした例である。該構造のミラーは、ミラー1006全体に対しミラー反射面1006aをそれほど小さく出来ない場合に、加工の一様性を維持しつつミラーの軽量化を図ることができる。
[予備検討例9]
本発明のミラーデバイスに適用するミラー1106として、前述の予備検討例1と異なる形状のミラーを有するミラーの部分図を14に示す。本ミラーを用いたミラーデバイスにおいて、ミラー形状と電極基板101上のピボット107や電極104a,104b以外の要素は前述した予備検討例1〜7のいずれかと共通である。
図14に示したミラー1106はミラー形状を長方形から多角形に変形したミラーである。図14においては、ミラー反射面1016とミラーの枠1018を同じ高さにしたので、前述のいずれかの予備検討例で示した方法、例えばストッパ基板のストッパ開口部をミラー反射面1016より大とするなど、で振動や衝撃に対してミラー反射面1016を保護する。前述のいずれかの予備検討例で示した方法で振動や衝撃に対してミラー反射面1016を保護するであれば、ミラー反射面1016とミラーの枠1018の高低関係は問わない。ミラーの形状は、別の多角形でも円形でも良い。予備検討例1で示したミラーデバイスは安定した光の反射方向が2方向に限定されるが、本予備検討例のミラーを用いたミラーデバイスは、ミラーを構成する多角形の辺の数、あるいはミラーを駆動させる駆動源、本予備検討例では駆動電極数に応じて、複数の光の反射方向を安定して形成できる。
[予備検討例10]
別の予備検討例を図15(a),(b)を用いて説明する。図15(a),(b)に示したミラーデバイス1200は、スペーサ841を用いてミラー基板102の上部に光学的に透明な部材を構成要素に持つ蓋1223を配置したミラーデバイスである。前記蓋1223は予備検討例2におけるストッパ基板103の機能を有する。その他の構成は予備検討例2と同様である。例えば本予備検討例におけるミラー206は、過大な振動や衝撃によってミラー206が上方に変位したとき、前記蓋1223とミラー反射面206aが接触することを防ぐために、予備検討2で示したようなミラーの枠108よりもミラー反射面206aが低いミラー206を用いる。枠108と蓋1223のストッパ段差1205は段差105と同様にする。蓋を設けることで、外部からミラーへの異物の侵入を防止することができる。
図15(b)はさらに別の予備検討例である。図15(b)に示した予備検討例では、ミラー基板102および電極基板101を光学的に透明な部材を構成要素に持つ蓋1323とアルミやコバールなどの金属またはアルミナなどのセラミック(表面に金属膜を成膜したものを含む)などで構成された筐体1329で覆う。全体を覆うことにより、ミラーデバイス内にゴミやほこりの侵入を防ぐことができる。このとき蓋1323の端と受け部1324を金属または受け部1324の表面に金属膜を形成したものとすることで、両者を溶接などで容易に組立てることができる。このとき筐体1329内部の気密性を保つことで、外部からの湿度の侵入によりミラー106が劣化することを回避できる。なお、組み立て方法は溶接に限定されるものではなく、接着剤やはんだを用いても良い。
以上の予備検討例1〜10を参照して、以下に本発明のミラーデバイスを説明する。
[実施例1]
本発明のミラーデバイス1400を図16(a)、(b)を用いて説明する。また、本発明のミラーデバイスを構成するミラー基板と電極基板の説明には、図3(a)および図18を利用する。本発明のミラーデバイス1400は、積層された複数(3枚以上)の基板を構成要素にもつミラーデバイスである。前記複数の基板の一枚はミラー106を有するミラー基板102である。前記ミラー106は前記ミラー基板102と支持部材である梁123で接続され、前記梁123で規定される軸に対し回動可能である。また前記ミラー106はミラー反射面106aと枠108を有しており、前記ミラー反射面106aと前記枠108は前記ミラー106の同一面側に配置されている。前記ミラー106は前記ミラー基板102と該ミラーデバイス1400を構成する他の基板、具体的には電極基板101、ストッパ基板103、および蓋1423で形成された閉空間内に配置されている。
前記複数の基板の一枚は前記ミラー基板102に対して前記ミラー反射面106aとは反対側、つまり図16(a)、(b)における下側、に積層された第一の基板(電極基板101)である。また前記複数の基板の一枚は前記ミラー基板に対して前記ミラー反射面106a側、つまり図16(a)、(b)における上側、に積層された第二の基板(ストッパ基板103)である。前記ミラー106は複数(2つ以上)の安定動作姿勢を有する。該安定状態は予備検討例として図4に示した状態と同様である。前記ミラー106は前記安定動作姿勢において前記ミラー106のミラー反射面106aの反対側の複数箇所で前記第一の基板(電極基板101)と当接する。
このとき、前記ミラー106と前記第一の基板(電極基板101)との距離、すなわちミラー裏面段差109、が前記枠108と前記第二の基板(ストッパ基板103)との距離、すなわち第一のストッパ段差1434、よりも大きい。さらに、前記第二の基板(ストッパ基板103)は第一のストッパ開口部1432と前記第一のストッパ開口部より小さな第二のストッパ開口部1433を有し、前記第一のストッパ開口部1432は前記ミラー106より大であり、前記第二のストッパ開口部1433は前記ミラー反射面106aより大で前記ミラー106より小である。蓋1423は少なくとも部分的に光学的に透明な部材で構成する。蓋1423はストッパ基板103と共通の部材で作製する、あるいは一体に形成する、こともできる。前記ミラー106は本発明のミラーデバイス1400外部の空間と光学的に接続されている。
以下、本発明のミラーデバイス1400をさらに詳しく説明する。本発明のミラーデバイス1400は上述した予備検討例1あるいは図1で説明したミラーデバイスにおいてストッパ基板に開口部を与えない構造に類似する。ミラーデバイスの動作については、予備検討例1において図4を用いて説明した動作と同じ動作を行う。ミラーとストッパ基板との距離関係については、同じく予備検討例1において図6を用いて説明した手順で決定する。
本実施例ではミラー基板102の上部にストッパ基板103を介し蓋1423を配置する。該ストッパ基板103はミラー基板102と蓋1423との隙間を確保する機能を有する。前記蓋1423は一部または全部を光学的に透明な材料で構成する。ミラー反射面106aで反射した光は、該蓋1423の光学的に透明な材料で構成された領域を通過して、ミラーデバイス1400の外部に射出される。ミラー反射面106aで反射される光の光源はミラーデバイス内部に有する場合もあれば、ミラーデバイス外部に有する場合もある。前記光学的に透明な材料は使用する光の波長によって選択できる材料が異なる。例えば、可視光の場合石英、パイレックス(登録商標)、BK7、ホウケイ酸ガラス等を用いる。赤外光の場合、前記材料例に加えてシリコン等の材料が選択できる。前記蓋1423の光が通過する部分には表裏面に反射防止膜を形成することが望ましい。反射防止膜を形成することで、ミラー反射面106aで反射した光はより多くミラーデバイス1400の外部へ射出できる。
ミラー基板102の下部には電極基板101を配置する。電極基板101に形成した電極104a,104bとミラー106との間に電位差を発生させることでミラー106を駆動させる。ミラー106の動作時の姿勢は、ミラー106の裏側の中央付近がピボット107と端部が電極基板101と接触する姿勢とする。ストッパ基板103に形成する第一のストッパ段差1434はミラー裏面段差109より大とする。ミラー106は動作時にミラー反射面106a側でストッパ基板103と接触しないので、ミラー106を繰返し動作させても、ミラー106とストッパ基板103との接触に起因するミラー反射面106aの破損や汚れは生じ難い。その結果、ミラー反射面106aの反射率低下、すなわちミラー106の反射特性の低下を回避できる。
さらに、第一のストッパ開口部をミラー106より大とし、第二のストッパ開口部303をミラー反射面106aより大とすることで、振動や衝撃が加わった際のミラー106とストッパ基板103の接触部を枠108に限定することが望ましい。このときミラー反射面106aは保護されることになるので、ミラー反射面106aの破損や汚れによる反射率低下、すなわちミラー106の反射特性の低下を回避できる。このとき第二のストッパ開口部1433は、光の入反射を妨げない範囲で、ミラー反射面106aよりも小さくても良い。
またミラー106に振動や衝撃が加わった際には、枠108とストッパ基板103が接触したままの状態となり、ミラー106が動作不能となる可能性がある。枠108とストッパ基板103とを引き付ける力は、静電気力やメニスカス力や分子間力であるので、ストッパ基板103と枠108が接触する部位には帯電防止膜や疎水性膜を形成し、表面を粗面化することが望ましい。上記帯電防止膜、疎水性膜あるいは、表面の粗面化は、ストッパ基板103と枠108のどちらか一方に形成しても良いし、両方に形成しても良い。
なお、接触状態が意図せずに保たれる状態は通常のミラー動作時にも発生し得る。これを回避するために電極基板101に帯電防止膜1465を形成し、疎水性膜(図示せず)で表面状態を疎水化し、ミラー106との接点付近を粗面化領域(1455a,1455b)とすることのいずれか、あるいはそれらの組み合わせ、を施すことが望ましい。
帯電防止膜1465は例えば外部電源と接続(または接地)した導電性膜とする。このとき該導電性膜の電位はミラー106の電位と共通にする。電極基板の粗面化はピボット107あるいはミラー支持突起1450(または1550)を形成する工程に組み込むことが、工程数増加を防止する上で、望ましい。例えば、ピボット107やミラー支持突起1450(または1550)をKOH水溶液を用いたSi(シリコン)の異方性エッチングで作製する場合、同じ工程で微小パターンをエッチングして電極基板を粗面化する。前記微小パターンを適切に小さくすることで該微小パターンは過剰にエッチングされる。最終的に該微小パターンは初期のパターン形状を維持出来ずに電極基板表面を粗面化することとなる。このときの微小パターン寸法はミラー支持突起1450(または1550)の高さ18μmに対しφ35μm程度以下が望ましい。
さらにミラー106に剥離用ばね170を形成することで、通常のミラー動作時にミラー106と電極基板101との間で意図しない接触状態が保たれることを有効に回避できる。剥離用ばね170は図19に示す。ミラー106が電極基板101と接触するとき、最初に剥離用ばね170の先端が電極基板101と接触する。その後、剥離用ばね170が変形することでミラーの端部180が電極基板101と接触し、ミラー106の姿勢を規定する。ミラー106の姿勢を変化させるとき、変形していた剥離用ばね170の復元力でミラーの端部180が電極基板101から剥離される。このとき剛性の高いミラーの端部180がミラー姿勢を規定するが剛性の低い剥離用ばね170はミラー姿勢の規定には関与しないので、ミラー106の姿勢を安定に保つことができる。
さらに、ストッパ基板103と蓋1423を同一の部材から一体に形成することは、両者の貼り合わせ工程が削減されるので望ましい。このようなストッパ基板を用いたミラーデバイス1500を図16(b)に示した。ストッパ基板103と蓋の一体形成は、例えばシリコンの多段エッチングで形成する。このときストッパ基板103には第一のストッパ段差1534と第二のストッパ段差1535を形成する。第一のストッパ段差1534はミラー裏面段差109より大とする。ミラー106は動作時にミラー反射面106a側でストッパ基板103と接触しないので、ミラー106を繰返し動作させてもミラー106とストッパ基板103との接触に起因するミラー反射面106aの破損や汚れは生じ難い。その結果、ミラー反射面106aの反射率低下、すなわちミラー106の反射特性の低下を回避できる。
さらに枠108からストッパ基板103までの距離を第一のストッパ段差1534で規定し、第一のストッパ開口部をミラー106より大とし、第二のストッパ開口部1533をミラー反射面106aより大とすることで、振動や衝撃が加わった際のミラー106とストッパ基板103の接触部を枠108に限定することが望ましい。このときミラー反射面106aは保護されることになるので、ミラー反射面106aの破損や汚れによる反射率低下、すなわちミラー106の反射特性の低下を回避できる。このとき第二のストッパ開口部1533は、光の入反射を妨げない範囲で、ミラー反射面106aよりも小さくても良い。
またミラー106に振動や衝撃が加わった際には、枠108とストッパ基板103が接触したままの状態となり、ミラー106が動作不能となる可能性がある。枠108とストッパ基板103とを引き付ける力は、静電気力やメニスカス力や分子間力であるので、ストッパ基板103と枠108が接触する部位には帯電防止膜や疎水性膜を形成し、表面を粗面化することが望ましい。上記帯電防止膜、疎水性膜あるいは、表面の粗面化は、ストッパ基板103と枠108のどちらか一方に形成しても良いし、両方に形成しても良い。
ミラー106は電極基板101、ミラー基板102、ストッパ基板103、および蓋1423で閉じられた空間(閉空間)に配置することが望ましい。該閉空間は電極基板101、ミラー基板102、ストッパ基板103、および蓋1423(ただし、上述の通り、ストッパ基板103と蓋1423が同一基板である場合もある)を接合することで形成する。該接合方法には、はんだ、低融点ガラス、接着剤等の接合剤を用いた接合、陽極接合、共晶接合等の基板直接接合が適用できる。はんだ、低融点ガラス、接着剤等の接合剤を用いた接合の場合、接合部に接合材収容溝(図示せず)を形成することが望ましい。該接合材収容溝は過剰な接合剤を収容することで接合剤層の均一化を行う。接合剤層を均一化することで、接合の安定性が向上し、接合された基板の反り等の変形が抑制できる。
該接合材収容溝は接合する基板にプロセス負荷を与えずに形成することが望ましい。例えば、SOI基板の薄いSi層側に梁123を形成し、該薄いSi層側を電極基板101と接合するミラー基板102においては、梁123と前記接合材収容溝を同時工程で作成することが望ましい。このとき、SOI基板の薄いSi層の厚さが10μmであり、梁123をSOI基板の中間酸化膜をエッチストップ層として機能させたドライエッチングで作成するのであれば、同時に作成した前記接合材収容溝の深さは10μmとなる。すなわち、該構造においては、前記接合剤収容溝はミラー基板102側に形成することが望ましい。
一方、電極ミラー基板101にミラー基板102を支持する突起(ミラー支持突起1450)を形成し、該突起上を電極配線が乗り越える構造とした。該配線を絶縁膜でカバーした上で該絶縁膜上で電極基板101とミラー基板102とを接合するとミラーデバイスにおいては、該突起上に前記接合材収容溝を形成することは、該接合材収容溝を横断して配線は形成されることになるので、配線の断線や短絡などの不具合の危険性が高くなるので望ましくない。また、ミラー基板102とストッパ基板103の接合においては、前記接合材収容溝はストッパ基板102に第一のストッパ段差あるいは第二のストッパ段差と形成する工程と同時に形成することが望ましい。例えばストッパ基板103を単結晶Si基板で作製し、前記第一のストッパ段差あるいは第二のストッパ段差を異方性エッチングで形成する場合、該異方性エッチングと同時に前記接合材収容溝を作成することで、プロセス負荷を高めることなく前記接合層収容溝を作成できる。この場合、前記接合材収容溝の深さを前記第一のストッパ段差あるいは第二のストッパ段差以下とすると、前記接合材収容溝の深さは該接合材収容溝の幅で制御できる。
前記接合材がはんだ接合の場合、接合部に接合材、例えば金−錫(Au−Sn)はんだを塗布しておき、接合する基板を加熱加圧することで接合を行なう。はんだを塗布して形成したはんだ層は接合する基板の一方に存在すればよい。はんだ層の形成は接合する基板のどちら側でも良いが、電極基板101やストッパ基板103に比べて、ミラー基板102は壊れやすいので、電極基板101とミラー基板102の接合においては電極基板101側にはんだ層を形成し、ストッパ基板103とミラー基板102の接合においてはストッパ基板103側にはんだ層を形成することが望ましい。ただし、はんだの密着性を高くするためにミラー基板102の接合部分には、はんだ下地金属層を形成しておくことが望ましい。
さらに、はんだ層あるいは該はんだの下地金属層を利用してミラーを外部装置と電気的に接続することが望ましい。例えば、ミラーが静電駆動ミラーである場合、ミラーの電位を制御するまたは一定化する必要がある。このとき、例えば、閉空間に配置したミラーをミラー基板102と電気的に接続させ、ミラー基板102と前記はんだ層と電気的に接続させ、前記はんだ層あるいは該はんだの下地金属層を電極基板101に形成した電極と電気的に接続させることで、ミラーを外部装置と電気的に接続可能とすることができる。該構造はミラーへの電気的接続を容易にする。前記はんだ層あるいは該はんだの下地金属層がミラーデバイスの表面に露出しているのであれば、電極基板101に形成した電極と前記はんだ層あるいは該はんだの下地金属層が接続されていなくても構わない。
ミラーを収容した前記閉空間は気密封止されていることが望ましい。さらに望ましくは該閉空間を乾燥雰囲気または真空状態で封止する。該閉空間を乾燥雰囲気または真空状態で封止することでミラーと電極基板101の接点に水分が凝集することによるミラー動作不良を回避できる。
該構成のミラーデバイスは、長期的に繰り返し行なう動作に対して、ミラーはミラー反射面を有する側で他の部材と接触することがないので、ミラー反射面の破損や汚染を回避することができ、結果としてミラーの反射特性を長期的に維持することができる。さらに、ミラーに振動や衝撃が加えられた場合も、ミラーはミラー反射面で他の部材と接触することがないので、ミラーの反射特性を維持することができる。同時に、ミラーをミラー基板と接続する支持部材の変形量も制限できるので、支持部材の破損を回避しミラーの機能を維持することができる。さらに、ミラーが閉空間に収められているので外部からの異物の侵入を防止することができ、ミラーの機能を長期的に維持できる。
前記電極基板101、ミラー基板102、ストッパ基板103、蓋はそれぞれ別のウェハに複数個一括形成し、ウェハ状態で一体化(ウェハレベルパッケージング)した後、ダイシングやエッチングあるいは研磨等の方法で個片化することが望ましい。そのために前記電極基板101とミラー基板102とストッパ基板103および蓋は共通の配置ピッチとする。前記電極基板101とミラー基板102とストッパ基板103および蓋を形成したウェハは1枚ずつ順次接合しておくこともできるし、多数枚を同時接合することもできる。
ここでミラーデバイスを個片化し、かつ電源接続パッド121a,121b上に空間を確保する方法としてダイシングを用いた例を図16と図17を用いて説明する。前述の通り、ミラーデバイスはウェハ状態で一体化した後、個片化することが望ましい。本発明のミラーデバイスは、電極基板101にミラー106を駆動させるための電極104a,104bと該電極に外部から電圧を供給するための電源接続パッド121a,121bを有する。該電極は前記閉空間に位置し、該電源接続パッド121a,121bは前記閉空間外に位置するので、該電極と該電源接続パッドは多層配線や貫通配線を用いて接続する。電源接続パッド121a,121bと外部電源との接続をワイヤーボンディングで行なう場合、電源接続パッド121a,121b上は空間を確保する必要が生じる。このとき、該電源接続パッド121a,121b上からミラー基板102、ストッパ基板103、および蓋を形成したウェハを排除し空間を確保する必要がある。
ミラーデバイスの個片化にはダイシンングを3度行なう。第一のダイシング工程では、電源接続パッド121a,121b上あるいはそれよりも内側、すなわちミラーが存在する側、の位置をダイシングライン306とし蓋からミラー基板102までを切断する。該工程でダイシングブレードは電極基板101表面に形成した電源接続パッド121a,121bあるいは配線124a,124b(図2参照)を切断してはいけない。第一のダイシング工程におけるダイシングブレードと電源接続パッド121a,121bあるいは配線124a,124bとの間隙は図16(a)においてはミラー基板102と接している電極基板101のミラー支持突起1450又は1550の高さで与えられる。
ここで、ダイシングブレードと電源接続パッド121a,121bあるいは配線124a,124bとの間隙が大きいほど作業性が向上する。該間隙を拡大するためにミラー基板102の電極基板101と対向する面にダイシングラインに沿ったダイシング溝を形成することが望ましい。図17(a)にミラー基板102の断面図を用いて、該ダイシング溝241を例示した。
さらに望ましくは前記溝をミラー基板102を貫くダイシング貫通孔242とすることである。この場合、第一のダイシング工程におけるミラー106への振動、衝撃といった負荷を低減することになるのでダイシング時のミラー破損の危険性が低下する。該ダイシング貫通孔242を図17(b)に例示した。さらに望ましくはストッパ基板103および蓋223に前記ダイシング貫通孔と同様の貫通孔を形成することである。この場合、第一のダイシング工程が不要になるので作業効率が一段と向上する。例えば、シリコン基板を材料としてストッパ基板103と蓋を一体化したミラーデバイスの場合、ストッパ基板103のダイシング貫通孔を異方性ウェットエッチングで作製することができる。この場合、ストッパ基板103のダイシング貫通孔の加工寸法管理が容易である。
第二のダイシング工程では電源接続パッド121a,121bよりも外側の位置をダイシングライン307とし蓋から電極基板101までを切断する。ここで、ミラー基板102、ストッパ基板103、蓋に第一のダイシングと第二のダイシングを不要とする幅のダイシング貫通孔を形成し、かつ、電極基板101に第二のダイシングを不要とする幅のダイシング貫通孔を形成することで、第一のダイシング工程と第二のダイシング工程を不要とすることができる。これにより、作業効率が大幅に向上する。
第三のダイシング工程では前記第一、第二のダイシング工程と直交する方向にダイシングライン308を引いて蓋から電極基板101までを切断し個片化する。ただし、上述した工程順序は一例に過ぎず、例えば、前記第三のダイシング工程を最初に行ない、次いで第一、第二のダイシング工程を行なうことも可能である。
なお、ダイシングに際してはダイシング条件を適性化することでダイシング端面でのチッピングを回避または抑制することが必要であるが、ダイシング貫通孔を利用する場合、チッピングへの対応が不要になり、作業性が向上する。あるいはダイシング時応力の残留を回避することもできるので、デバイスの特性安定化にも有効である。
以上の工程で本発明のミラーデバイスを基板上に一括形成した後で個片化することが可能となる。従って、本発明のミラーデバイス、すなわち長期的に繰り返し行なう切り換え動作、および振動や衝撃によるミラーおよびミラー支持部材(梁)の破損を防止し、かつ外部からミラーへの異物の侵入ミラー反射面での反射特性を維持する機構を有するミラーデバイスを安定に製造することが可能となる。
なお、先に説明した予備検討例で開口が開放されているミラーデバイスについても、ウェハの段階で、開口を覆うように光透過性の基板を付加することにより、ミラーを閉空間内に配置し(すなわちパッケージ化し)、本発明のミラーデバイスとすることができる。
本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図であり、図2(a)のA−A’断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの上面図である。 本発明の予備検討例にかかる(a)ミラー基板の平面図及び(b)電極基板の平面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの動作を示す断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスに衝撃が加わった際の状態を示す断面図である。 ミラーに加えられた衝撃加速度とミラーの変位量および梁の最大主応力の関係を示したグラフである。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスのストッパ基板の平面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスのミラー基板の平面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスのミラー基板の平面図である。 本発明の予備検討例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明の一実施例にかかるミラーデバイスの断面図である。 本発明のミラーデバイスのダイシング工程を説明する図である。 本発明の一実施例にかかる電極基板の上面図である。 本発明の一実施例にかかるミラーの上面図である。
符号の説明
100:ミラーデバイス、 101:電極基板、
102,402:ミラー基板、
103,403,123,745,842,303:ストッパ基板、
104a,104b:電極、
105,805,1205,1305:ストッパ段差、 106,206,306,406,606,906,1006,1106:ミラー、
106a,206a,306a,406a,906a,1006a,1016:ミラー反射面(反射面)
106b,906b,1006b:基板部、 106c:中間酸化膜
106d:ミラー加工段差、
107:ピボット、 108,908,1008,1018:枠(ミラーの枠)、
109:ミラー裏面段差、
531:共通開口部、 407:ミラー側面の斜面、
621,622:緩衝材、
841:スペーサ、
200,300,400,600,700,800,1200,1300,1400,1500:ミラーデバイス、
121a、121b:電源接続パッド、
122:位置決め用の孔、
123,1023:梁、 124a,124b:配線、
1223,1323,1423:蓋、
1324:受け部、 1329:筐体、
241:ダイシング溝、 242:ダイシング貫通孔、
131,231,331,431,831:開口部、732,1432,1532:第一のストッパ開口部、 733,1433,1533:第二のストッパ開口部、
734,1434,1534:第一のストッパ段差、 735,1435,1535:第二のストッパ段差、
306:第一のダイシングライン、 307:第二のダイシングライン、
308:第三のダイシングライン、
531:共通開口部、
161:入射光、 162:反射光、
150a,150b,1450,1550:ミラー支持突起、
1455a,1455b:粗面化領域、
1460a,1460b:絶縁膜、
1465:帯電防止膜、
170:剥離用ばね、
180:ミラーの端部

Claims (5)

  1. 光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
    前記ミラーを可動させるための電極を有する第一の基板と、前記第一の基板の上側に設けられた第二の基板と、前記第二の基板及び前記ミラーより上側に設けられると共に前記光を通過させる開口を有する第三の基板と、前記第三の基板より上側に設けられると共に前記光を透過させる第四の基板とを備え、
    前記ミラーと前記第三の基板との距離は、前記ミラーと前記第一の基板との距離よりも大きいことを特徴とするミラーデバイス。
  2. 光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
    前記ミラーを可動させるための電極を有する第一の基板と、前記第一の基板の上側に設けられた第二の基板と、前記第二の基板及び前記ミラーより上側に設けられると共に前記光を透過させる第三の基板とを備え、
    前記ミラーと前記第三の基板との距離は、前記ミラーと前記第一の基板との距離よりも大きいことを特徴とするミラーデバイス。
  3. 光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
    前記ミラーの反射面側に設けられると共に前記光を通過させる開口を有する反射面側基板と、前記ミラーの反射面とは反対側に設けられると共に前記ミラーが可動する力を付与する電極を有する電極基板と、前記反射面側基板の開口を覆うように設けられると共に前記光を透過させる透過基板とを備え、
    前記反射面から前記反射面側基板までの距離は、前記ミラーから前記反射面側基板までの距離よりも大きいことを特徴とするミラーデバイス。
  4. 光を反射させる反射面を有し、可動に保持されるミラーを備え、前記光が反射する方向を切り替えるミラーデバイスにおいて、
    前記ミラーの反射面側に設けられると共に前記光を透過させる反射面側基板と、前記ミラーの反射面とは反対側に設けられると共に前記ミラーが可動する力を付与する電極を有する電極基板とを備え、
    前記反射面から前記反射面側基板までの距離は、前記ミラーから前記反射面側基板までの距離よりも大きいことを特徴とするミラーデバイス。
  5. 積層された複数(3枚以上)の基板を備えるミラーデバイスにおいて、
    前記複数の基板の1枚がミラーを有するミラー基板であり、
    前記ミラーは、ミラー反射面及び枠を有し、前記ミラー基板と支持部材で回動可能に接続され、
    前記ミラー反射面と前記枠は前記ミラーの同一面側に配置されており、
    前記複数の基板の他の1枚が前記ミラー基板に対して前記ミラー反射面とは反対側に積層された第一の基板であり、
    前記複数の基板の更に他の1枚が前記ミラー基板に対して前記ミラー反射面側に積層された第二の基板であり、
    前記ミラーは複数(2つ以上)の安定動作姿勢を有し、
    前記ミラーは前記安定動作姿勢において前記ミラーのミラー反射面の反対側の複数箇所で前記第一の基板と当接し、
    前記ミラーと前記第一の基板との距離が前記枠と前記第二の基板との距離よりも大きく、
    前記第二の基板は第一のストッパ開口部と前記第一のストッパ開口部より小さな第二のストッパ開口部を有し、
    前記第一のストッパ開口部は前記ミラーより大であり、
    前記第二のストッパ開口部は前記ミラー反射面より大で前記ミラーより小であり、
    前記ミラーは、前記複数の基板で形成された閉空間内に配置され、
    前記複数の基板の少なくとも1つは、ミラーデバイス外部の空間と前記ミラーを光学的に接続するために、一部又は全体が光透過性部材で構成されていることを特徴とするミラーデバイス。
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