JP2014152966A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線センサを用いて被加熱物の温度を検知する精度を向上させることのできる加熱調理器を得る。
【解決手段】加熱室4と、加熱室4内を加熱する加熱手段と、加熱室4内の赤外線を受光する赤外線センサ18と、赤外線センサ18が検知した赤外線量に基づいて、加熱手段を制御する制御手段と、加熱室4内に載置される収納容器30と、収納容器30が加熱室4内に載置されるべき位置を示す設置位置指示表示5aとを備え、収納容器30の一部に温度検知面34はその全域の放射率εが一定であり、温度検知面34は、収納容器30が設置位置指示表示5aに従って加熱室4内に載置された状態において、赤外線センサ18の検知視野の全領域を覆う。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理器に関する。
従来、赤外線センサが検出した赤外線に基づいて、調理物又は鍋等の被加熱物の温度を検知する加熱調理器が提案されている。このような加熱調理器は、被加熱物に対して投光する発光手段と、被加熱物からの反射光を受光する受光手段を備え、受光手段の出力から換算された被加熱物の放射率、及び赤外線センサの受光量から被加熱物の温度を換算していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−225881号公報(第4頁)
従来の加熱調理器は、非接触式の温度検知手段である赤外線センサを用いて被加熱物から放射される赤外線量を検知し、赤外線量を温度に換算することで被加熱物の「概略温度」を検知し、加熱出力の調整及び加熱停止等の加熱制御を実施している。
ここであえて「概略温度」と記載したのは、次の理由からである。つまり、従来の加熱調理器は、温度を検知すべき対象である検知対象物の形状及び寸法によっては、赤外線センサの検知領域における検知対象物の占有率が異なる可能性があるが、従来の加熱調理器はその占有率について考慮されていないから、正しい温度を検知できない場合があるためである。また、検知対象物の放射率は加熱調理器にとって未知であって、おおよその検知対象物の放射率を仮設定して温度に換算している場合があり、検知した温度の精度が高くない場合があるためである。
例えば、コップに水を入れて電子レンジ(加熱調理器)で加熱する場合を考える。コップの放射率は未知であるため、電子レンジは、仮の放射率を用いて赤外線量を温度に換算することとなる。また、コップの寸法は電子レンジの加熱室の容積に対して寸法が小さく、また加熱室内のどこにコップが置かれるか分からない。したがって、赤外線センサの検知視野には、コップ以外にもコップの背景となる加熱室の底板及び壁面等が入り込んでいる可能性があり、温度換算に用いる赤外線量は必ずしも検知対象物であるコップのみから放射されたものではない。このため、被加熱物の概略温度は把握できても、正確な温度を検知するのは大変困難である。
本来、赤外線輻射量から検知対象物の温度を推測(検知)するには、以下の式(1)に示すように検知対象物から放射される赤外線の割合を示す一つの指標である放射率を正確に把握する必要がある。さらに、検知対象物の表面から放射される赤外線量を検知するために、赤外線センサの検知視野には加熱室の底板及び壁面等の検知対象物以外の部品が入らないようにする必要がある。
Figure 2014152966
なお、式(1)において、εは検知対象物の放射率、Tsは放射率εを1とした場合の赤外線量を便宜的に温度で表したもの(以下、センサ検知温度という)であり、通常は赤外線センサに内蔵されているセンサ素子部の雰囲気温度Taと合わせ、ε、Ts、Taが正しくなければ、温度は正確に把握できないことを意味している。
つまり、検知対象物の放射率εの精度向上と、赤外線センサの検知領域に入る検知対象物の背景等のノイズを除去し、正確な赤外線量を把握することのできるセンサ検知温度Tsが得られれば、検知対象物の温度検知の精度向上が可能となる。
これらの技術課題を解決することを目的として、上記特許文献1に記載の加熱調理器では、発光手段と受光手段を用いて検知対象物の放射率の推定処理を実行している。そのほか、一般的に電子レンジやオーブンレンジと称される加熱調理器の中には、赤外線センサに回転モータ等の駆動電源を取り付けて赤外線センサ自体を動かしたり、赤外線センサの視野となる開口部を動かしたりすることで、赤外線センサの検知視野領域を移動させて温度の検知精度の向上を図る機能が搭載されているものもある。
しかしながら、いずれの対応策も、赤外線センサの検知視野の全域を検知対象物が占有しているか否かは未知数の上、検知視野の全域が同じ放射率を有しているか否かも分からない。したがって、加熱調理器における赤外線センサを用いた被加熱物の温度検知の精度向上について課題が残されていた。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、赤外線センサを用いて被加熱物の温度を検知する精度を向上させることのできる加熱調理器を得るものである。
本発明に係る加熱調理器は、加熱室と、前記加熱室内を加熱する加熱手段と、前記加熱室内の赤外線を受光する赤外線検知手段と、前記赤外線検知手段が検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記加熱室内に載置される収納容器と、前記収納容器が前記加熱室内に載置されるべき位置を示す容器位置指示手段とを備え、前記収納容器の一部には、温度検知面が形成されており、前記温度検知面の全域は、一定の放射率を有し、前記温度検知面は、前記収納容器が前記容器位置指示手段に従って前記加熱室内に載置された状態において、前記赤外線検知手段の検知視野の全領域を覆うものである。
本発明の加熱調理器は、赤外線検知手段の検知視野のすべての領域は、検知対象である収納容器に設けられた一定の放射率を有する温度検知面で覆われる。このため、赤外線検知手段が検知した赤外線量に基づいて、収納容器の温度を精度よく検知することができる。
実施の形態1に係る加熱調理器の概略正面断面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の概略側面断面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る収納容器の側面図及び水平断面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の、収納容器のA面を赤外線センサに向けた状態の概略正面断面図である。 実施の形態1に係る操作パネルの概略正面図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の予熱工程を含まない加熱シーケンスの制御フローチャートである。 実施の形態1に係る加熱調理器の予熱工程を含む加熱シーケンスの制御フローチャートである。
以下、本発明に係る加熱調理器の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器の概略正面断面図である。図2は、実施の形態1に係る加熱調理器の概略側面断面図である。なお、図2には、本体1は図示されていない。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。図4は、実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。なお、本実施の形態1に係る加熱調理器100において前後方向をいうときには、ドア2が設けられた側を「前」(図2の紙面右側)といい、ドア2と対向する側を「後」(図2の紙面左側)というものとする。
(全体構成)
加熱調理器100は、前面(正面)を開口した箱型の筐体である本体1と、本体1の前面の開口を開閉自在に覆うドア2とを備える。本体1の内部には、被加熱物40を収容する加熱室4が設けられている。ユーザは、ドア2を開き、被加熱物40を直接、あるいは被加熱物40が収納容器30に収納された状態で、加熱室4の底面を構成する底板5の上に載置することができる。ドア2には、ガラスなどで構成される視認窓が設けられ、ユーザは加熱室4内の様子を確認することができる。また、本体1の前面には、図3に示すように、ユーザからの操作入力を受け付けるとともに加熱調理器100の動作状態、設定情報、及びユーザに報知すべき情報を表示する操作表示パネル3が設けられている。また、本実施の形態1の加熱調理器100は、加熱室4における加熱手段として、高周波発生装置、上ヒータ10及び下ヒータ11、並びにコンベクションユニット12という3種類の加熱手段を備えており、これらを用いた加熱を行うことができる。加熱調理器100を構成する各部は、制御手段19によって制御される。
加熱室4に設けられた底板5は、高周波(マイクロ波)を透過させる高周波透過性を有するセラミック製の板であり、この底板5の上に被加熱物40が載置される。底板5には、収納容器30が載置されるべき位置を示す容器位置指示手段である設置位置指示表示5aが設けられている。設置位置指示表示5aは、例えば、底板5の上面に形成された収納容器30の底部外形とほぼ同じ形状の突起、あるいは印刷表示で実現される。本実施の形態では、設置位置指示表示5aは、底板5の上面から上に突出する突起である。このような設置位置指示表示5aを設けることで、ユーザが収納容器30を載置すべき位置が明確に分かるようになっている。
(高周波加熱装置)
本実施の形態1に係る加熱調理器100の加熱手段の一つは、高周波加熱装置である。加熱室4内においては、高周波加熱装置を加熱源として被加熱物40を誘電加熱するいわゆる電子レンジ加熱を行うことができる。
高周波加熱装置は、例えば図1に示すように、本体1内であって本体1の内壁と加熱室4の外壁との間に設けられ、2.45GHzの高周波(マイクロ波)を発振する高周波発振器であるマグネトロン6と、加熱室4の底板5の下に設置されたアンテナ8と、マグネトロン6から発振されたマイクロ波をアンテナ8に伝播させる導波管7と、アンテナ8を回転させるアンテナモータ9とを備える。アンテナモータ9のシャフトにアンテナ8が取り付けられており、アンテナモータ9の回転力によりアンテナ8が回転する。図4に示すように、アンテナモータ9は制御手段19に制御されて動作し、所定のタイミングでアンテナ8を回転又は停止させる。
マグネトロン6から発振された高周波(マイクロ波)は、導波管7を介してアンテナ8に伝播し、底板5を介して収納容器30及び被加熱物40に照射される。アンテナ8は、アンテナモータ9の回転力により回転し、これによって収納容器30及び被加熱物40への高周波(マイクロ波)の照射状態を変化させることができるので、均一かつ高速に加熱することが可能となる。
ここで、マグネトロン6からアンテナ8を介して収納容器30及び被加熱物40に照射されるに至る高周波(マイクロ波)の伝播の仕方について、詳細に説明を付け加えておく。
高周波発振器であるマグネトロン6からは、例えば電子レンジでは2.45GHzの高周波が発振される。例えば家庭用の電子レンジでは出力1000W〜200W程度の高周波が発振されている。発振された高周波は、導電体で閉塞された導波管7内の空間を伝播する。導波管7及び加熱室4の底面4aには、上から見たときに重なる丸穴が形成されていて、両者はこの丸穴を介して結合されており、導波管7内の空間を伝播している高周波は、丸穴を経由して加熱室4内へ伝播する仕組みである。
ただし、単に上記のような丸穴を開けただけでは、高周波は加熱室4内に効率よく流れこまないため、導電性のシャフトの一端にアンテナ8の軸部を同軸結合で取り付け、加熱室4内に設置された平板状のアンテナ8を介して高周波を加熱室4内に放射する。このようにすることで、加熱室4内の収納容器30及び被加熱物40を効率よく誘電加熱することができる。
(上ヒータ10及び下ヒータ11)
加熱調理器100の加熱手段の二つめは、輻射加熱する上ヒータ10及び下ヒータ11である。上ヒータ10は、加熱室4の天井の上面(外面)に接触させて設けられたいわゆるフラットヒータである。加熱室4内から見たときに上ヒータ10が設置された部分には大きな突起がなく、加熱室4の天井の内面の清掃を非常に行いやすい構造である。下ヒータ11は、例えばシーズヒータで構成されており、底板5の下側であって加熱室4の底面4aの上に設置されている。
(コンベクションユニット12)
加熱調理器100の加熱手段の三つめは、コンベクションユニット12である。コンベクションユニット12は、加熱された空気を加熱室4内に循環させて、加熱室4内及び加熱室4内に収容される収納容器30及び被加熱物40を加熱する加熱手段である。図2に示すように、コンベクションユニット12は、加熱室4の後面側に加熱室4とは別に区画形成されたコンベクション加熱室13と、コンベクション加熱室13内に設置されたコンベクションヒータ14と、コンベクション加熱室13内に設置されたコンベクションファン15と、コンベクションファン15を回転駆動するコンベクションモータ16とを備える。コンベクションヒータ14は、コンベクション加熱室13内の空気を輻射加熱する。加熱室4の背面壁には、加熱室4内とコンベクション加熱室13内とを連通させる吸込口4b及び吹出口4cが形成されている。
コンベクションモータ16に駆動されてコンベクションファン15が回転すると、加熱室4内から吸い込まれた空気が吸込口4bからコンベクション加熱室13内に流入する。コンベクション加熱室13内に流入した空気は、コンベクションヒータ14の周囲を通過する過程において輻射加熱され、吹出口4cから加熱室4内に吹き出される。吹出口4cから加熱室4内に吹き出された高温の空気は、加熱室4の前方(ドア2側)に向かって進み、加熱室4内の被加熱物40又は収納容器30に接触し、これによって被加熱物40が加熱される。コンベクションファン15が吸込口4bから加熱室4の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を吹出口4cから再び加熱室4内に供給することで、加熱室4内を空気が攪拌されるとともに空気が循環する。このようにコンベクションユニット12にて加熱された空気が加熱室4内を循環することで、加熱室4内、収納容器30、及び被加熱物40をムラなく加熱することができる。
(温度検知手段)
加熱室4の側壁の内面には、加熱室4内の雰囲気温度を検知する雰囲気温度検知手段17と、非接触式の温度検知手段である赤外線センサ18とが設けられている。雰囲気温度検知手段17及び赤外線センサ18は、加熱室4内に収容された被加熱物40の加熱状態(調理の仕上がり状態)を検知する目的で設置されている。
雰囲気温度検知手段17は、一例としてはサーミスタであり、加熱室4内の雰囲気温度を直接的に検知する。なお、雰囲気温度検知手段17の設置数は一つに限らず複数でもよい。
赤外線センサ18は、赤外線検知手段であり、一例としてはサーモパイル型赤外線センサである。図1においては、赤外線センサ18が赤外線を受光可能な領域である検知視野を、符号20にて概念的に示している。赤外線センサ18は、検知視野20内の赤外線を検知し、検知した赤外線量を温度に換算することによって、検知対象物の温度を推測(検知)する。つまり、赤外線センサ18は、検知視野20内に配置されている収納容器30又は被加熱物40の表面温度を、非接触で検知することができる。赤外線センサ18には、赤外線を受光する素子とは別に、周囲の雰囲気温度を検知する素子が内蔵されている。なお、赤外線センサ18自体の温度を安定させるために、加熱室4内が加熱されている状態においても図示しない冷却ファンにて赤外線センサ18を十分に冷却するのが好ましい。赤外線センサ18を冷却しながら赤外線センサ18に被加熱物40又は収納容器30の温度を検知させることで、赤外線センサ18の周囲の雰囲気温度を検知する素子の出力変動が低減され、温度検知精度の低下を抑制することができる。
(制御手段19)
図4に示すように、制御手段19は、加熱調理器100の動作を制御する。制御手段19には、操作表示パネル3、雰囲気温度検知手段17、及び赤外線センサ18からの出力信号が入力される。制御手段19は、入力された信号に基づき、予め記憶された制御プログラムに従ってマグネトロン6、アンテナモータ9、上ヒータ10、下ヒータ11、コンベクションヒータ14、及びコンベクションモータ16を制御する。制御手段19は、例えばマイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することができる。
(収納容器30)
収納容器30は、本実施の形態1では、上面を開口した容器である収納容器本体31と、収納容器本体31の上面の開口を開閉自在に覆う蓋32と、収納容器本体31内に着脱自在に載置されるスノコ状のパレット33とを備える。パレット33が収納容器本体31内に設置された状態において、収納容器本体31の底部内面とパレット33とは接触せず、両者の間には所定の高さの隙間ができる。収納容器30の材質は限定されないが、耐熱性及び高周波透過性の観点からは、セラミック又はシリコンエラストマーにて収納容器30を構成するのが望ましい。
液状の被加熱物40を加熱する場合、例えばカレー等の煮込みを実施する場合には、ユーザは、パレット33が取り外された状態の収納容器本体31に被加熱物40を入れ、収納容器本体31ごと加熱室4内で被加熱物40を加熱することができる。また、固体の被加熱物40を加熱する場合、例えば葉物野菜の下ごしらえを実施する場合には、ユーザは、パレット33を収納容器本体31内に入れ、パレット33の上面高さを超えない程度の量の水41を収納容器本体31に入れ、パレット33の上に被加熱物40を載置して、加熱室4内で被加熱物40を加熱することで、茹で加熱をすることができる。また、ユーザは、パレット33を収納容器本体31内に入れ、パレット33の上面高さを超えない程度の量の水41を収納容器本体31に入れ、パレット33の上に被加熱物40を載置して、加熱室4内で被加熱物40を加熱することで、蒸し加熱を行うことができる。なお、本実施の形態1の加熱調理器100は、収納容器30を用いず、加熱室4内に被加熱物40を直接載置して加熱することも可能である。
収納容器30の収納容器本体31の側面には、温度検知面34が設けられている。温度検知面34は、底板5に設けられた設置位置指示表示5aに従った位置に収納容器30が載置された状態において、赤外線センサ18の検知視野20をすべて包含する大きさ及び位置に配置されている。すなわち、赤外線センサ18と対向する収納容器30の側面と同一平面上における検知視野20の投影面の面積は、温度検知面34と同じか温度検知面34よりも小さく、かつその検知視野20の投影面は温度検知面34に包含されている。本実施の形態1の収納容器30の収納容器本体31は、平面形状が四角形の略直方体の容器であり、収納容器30が底板5の上に載置された状態において側面となる収納容器本体31の四つの側面のすべてに、温度検知面34が設けられている。
(本実施の形態における検知対象物の温度検知について)
本実施の形態における検知対象物の温度検知の説明に先立ち、改めて、赤外線センサ18が検知した赤外線量を検知対象物(収納容器30又は被加熱物40)の温度に換算する際の温度換算について説明する。
赤外線センサ18では、前述の式(1)に従い、検知した赤外線量を便宜的に温度で表したセンサ検知温度Tsを算出した上で、そのセンサ検知温度Tsを、赤外線センサ18のセンサ素子の周囲の雰囲気温度であるセンサ素子部雰囲気温度Ta及び検知対象物の放射率εで補正して、検知対象物の温度である対象物温度Tobjを得る。
ここで、実際に赤外線センサ18が受光する赤外線量は、センサの検知視野20の全領域から発せられる赤外線量である。したがって、検知視野20内に検知対象物以外のものが存在する場合には、赤外線センサ18は検知対象物から放射された赤外線以外のものをも受光していることとなり、受光した赤外線量を検知対象物の温度に正確に換算するのは非常に困難であった。
また、検知対象物の放射率εが未知である場合にも、正確な温度換算が非常に難しい。このため、赤外線量から温度への温度換算の正確性を向上させるためには、検知対象物の放射率εを測定する放射率測定手段を別途設けるか、あるいは想定される検知対象物の放射率εを事前に設定しておく必要がある。
そこで、本実施の形態1では、検知対象物の放射率εを既知とし、さらに赤外線センサ18の検知視野20の全領域が検知対象物を含むように構成して、検知対象物の実際の温度と赤外線センサ18が検知する検知温度との誤差を抑制し、より正確な温度検知が行えるようにする。すなわち、赤外線センサ18の検知視野20の領域全体を、放射率εが既知である温度検知面34が覆うようにした状態で、赤外線センサ18が検知対象物の温度を検知する。
また、本実施の形態1では、前述の対象物温度Tobjに基づいて検知対象物の温度を検知するのではなく、センサ検知温度Tsに関して予め一意の閾値を設定しておき、センサ検知温度Tsとその閾値とを比較して、検知対象物の温度を検知する。
また、本実施の形態1では、収納容器30の側面に互いに異なる放射率εを有する複数の温度検知面34を設けており、その放射率εの違いに起因してセンサ検知温度Tsが一意の閾値を検知したときの実際の検知対象物の温度が異なることを利用して、検知対象物の複数種類の温度を検知する。
なお、前述の通り赤外線センサ18が検知した赤外線量に基づいて検知対象物の温度を判定する際には、センサ素子部雰囲気温度Taの影響を受けるが、赤外線センサ18は十分に冷却が行われていてセンサ素子部雰囲気温度Taは略室温に維持されており、センサ素子部雰囲気温度Taの変動が検知対象物の温度の判定に与える影響は軽微である。
以下、本実施の形態1に係る検知対象物の温度検知に係る構成について、具体的に説明する。
まず、収納容器30について説明する。
図5は、実施の形態1に係る収納容器の側面図及び水平断面図である。収納容器30が底板5の上に載置された状態における四つの側面のすべてに、温度検知面34が設けられている。なお、収納容器本体31の四つの側面を、それぞれA面、B面、C面、D面と区別して称する場合がある。また、各側面に設けられた温度検知面34を、それぞれ、温度検知面34a、34b、34c、34dと区別して称する場合がある。
収納容器30の四つの側面の温度検知面34a、34b、34c、34dは、すべて放射率εが異なっている。したがって、収納容器30が底板5の上に載置される向きに応じて、赤外線センサ18の検知視野20の領域を覆う温度検知面34の放射率εが異なる。なお、温度検知面34a、34b、34c、34dの放射率εを、放射率εa、εb、εc、εdと区別して称する場合がある。それぞれの温度検知面34の放射率εは、同じ温度検知面34内においては一定の値である。なお、温度検知面34の放射率εについて「一定」であるという言葉は、放射率εが製造公差の範囲内であることを含む。
また、収納容器30の四つの側面の温度検知面34a、34b、34c、34dには、それぞれ、温度表示部35a、35b、35c、35d(温度表示部35と総称する場合がある)が設けられている。温度表示部35は、収納容器30の各側面をユーザ側に向けて収納容器30を加熱室4内に載置したときの昇温の目標温度を表示する、目標温度表示部である。温度表示部35は、印刷あるいは刻印により形成されている。
次に、温度検知面34の放射率εと検知しようとする温度(加熱の目標温度)との関係を説明する。
ここでは一例として、センサ素子部雰囲気温度Ta=20℃の環境において、赤外線量の指標として、ε=1とした場合のセンサ検知温度Ts=48℃を得たときに、検知対象物が目標温度に到達したと判定する例を説明する。
次に示す表1は、各温度検知面34の放射率と、各温度検知面34が赤外線センサ18の検知視野20の全領域を包含している状態でセンサ検知温度Ts=48℃が検知されたときの対象物温度Tobjとの関係を示す表である。表1に示す対象物温度Tobjは、センサ検知温度Ts=48℃及び各温度検知面34の放射率εを、前述の式(1)に代入して計算した結果である。なお、表1には、各温度検知面34が赤外線センサ18の検知視野20と対向するように収納容器30が底板5の上に載置されたときに、ユーザに視認される収納容器30の側面(すなわち、ドア2が配置された正面側に向く面)を、ユーザ視認面として併せて記載している。
Figure 2014152966
表1に示すとおり、収納容器30の四面の温度検知面34の放射率εを、温度検知面34ごとに異なる値に設定している。収納容器30を加熱する際には、赤外線センサ18の検知視野20に向ける温度検知面34をユーザが変えることで、赤外線センサ18がε=1として検知したセンサ検知温度Tsに基づいて、収納容器30が四種類の目標温度(50℃、60℃、70℃、80℃)のいずれかに到達したことを検知することができる。
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器の、収納容器のA面を赤外線センサに向けた状態の概略正面断面図である。
図6に示すように、温度検知面34aが形成されたA面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34a内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
A面を赤外線センサ18に向けて設置すると、加熱室4の間口となる本体1の正面、すなわちユーザが視認する面はB面となる。ユーザ視認面であるB面には、赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて配置された面(A面)の放射率εa及びセンサ検知温度Ts=48℃に基づいて算出される温度である「50℃」を特定する表記としての温度表示部35bが設けられている。
また、図示しないが、B面、C面、D面のそれぞれを赤外線センサ18の赤外線検知面に向けた場合は以下のようになる。
温度検知面34bが形成されたB面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34b内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
B面を赤外線センサ18に向けて設置すると、加熱室4の間口となる本体1の正面、すなわちユーザが視認する面はC面となる。ユーザ視認面であるC面には、赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて配置された面(B面)の放射率εb及びセンサ検知温度Ts=48℃に基づいて算出される温度である「60℃」という温度表示部35cが設けられている。
温度検知面34cが形成されたC面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34c内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
C面を赤外線センサ18に向けて設置すると、加熱室4の間口となる本体1の正面、すなわちユーザが視認する面はD面となる。ユーザ視認面であるD面には、赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて配置された面(C面)の放射率εc及びセンサ検知温度Ts=48℃に基づいて算出される温度である「70℃」という温度表示部35dが設けられている。
温度検知面34dが形成されたD面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34d内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
D面を赤外線センサ18に向けて設置すると、加熱室4の間口となる本体1の正面、すなわちユーザが視認する面はA面となる。ユーザ視認面であるA面には、赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて配置された面(D面)の放射率εd及びセンサ検知温度Ts=48℃に基づいて算出される温度である「80℃」という温度表示部35aが設けられている。
このような構成であるので、赤外線センサ18がセンサ検知温度Ts=48℃を検知したときの検知対象物の温度は、赤外線センサ18の赤外線検知面に向けられた収納容器30の側面(A面、B面、C面、D面の中のいずれかの側面)に応じて定まる。したがって、例えば、センサ検知温度Ts=48℃の条件を満たしたときに加熱を停止する、という制御条件を制御手段19に設定しておくことで、ユーザが収納容器30を加熱室4内に入れる向きを変更するだけで、50℃、60℃、70℃、80℃の4種類の加熱終了温度(制御手段19が加熱する際の収納容器30の目標温度)を設定することができ、その収納容器30がその温度のいずれかに到達したことを検知することができる。また、収納容器30の側面には、加熱終了温度を表示する温度表示部35を設けたので、視覚的にもユーザが設定温度を理解しやすい状態とすることができる。
なお、異なる放射率を有する温度検知面34を形成する方法としては、次のようなものが挙げられる。例えば、温度検知面34に施す塗装材料に混ぜ合わせる高輻射素材の塗料(一例としてカーボン塗料、黒体塗料)の組成を変えることで、温度検知面34の放射率を変更することができる。また、例えば、温度検知面34に格子状又は縞状に塗装を施し、塗料を塗らない未塗装部分を設けることで、単位面積当たりの温度検知面34の放射率を低下させることができる。
また、温度検知面34に設けられる温度表示部35を印刷により設けてもよいが、刻印など温度検知面34の放射率に影響を与えにくい手段で温度表示部35を設けるのが好ましい。このようにすることで、温度表示部35に起因する温度検知の精度の低下を抑制できる。
(操作表示パネル3)
図7は、実施の形態1に係る操作パネルの概略正面図である。なお、図7に示す操作パネルに設けられた各操作ボタンの名称及び銘板の表記は、本発明を限定するものではない。図7に示すように、操作表示パネル3は、収納容器利用加熱ボタン50と、通常加熱ボタン51と、取り消しボタン52と、加熱時間設定ボタン53と、メニューボタン群54と、液晶装置55とを備える。
収納容器利用加熱ボタン50は、収納容器30を使用して被加熱物40を加熱する際に、ユーザが加熱開始指示を操作入力するためのボタンである。ユーザは、温度表示部35のいずれかの目標温度に収納容器30を温めてから加熱を停止したい場合には、ドア2を開けて加熱終了温度が表記された温度表示部35をユーザ自身の正面に向けた状態で、設置位置指示表示5aに従って収納容器30を底板5の上に載置する。その後、ユーザはドア2を閉め、収納容器利用加熱ボタン50を押下する。そうすると、マグネトロン6から発振される高周波を用いた高周波加熱装置による誘電加熱が開始される。そして、赤外線センサ18がセンサ検知温度Tsを検知すると、収納容器30の表面温度はユーザ視認面に記載された温度表示部35の通りの目標温度に到達しているため、加熱が停止される。
昨今、多機能化により複雑になる傾向がある加熱調理器の操作パネルであるが、本実施の形態1では、煩雑な設定入力は必要なく、ユーザは仕上げたい温度(目標温度)が示されている収納容器30の側面を自身の手前に向けて収納容器30を加熱室4内に設置し、一つのボタンを操作するだけで、収納容器30を目標温度まで加熱することができる。したがって、例えば高齢者など複雑な操作が苦手なユーザでも、簡単に収納容器30及びその中の被加熱物40を加熱することができる。
なお、収納容器30を目標温度まで加熱した後、その温度での加熱を維持したい場合には、ユーザは事前に、加熱時間設定ボタン53にて維持したい時間(温度維持時間)を設定しておく。そうすると、制御手段19は、赤外線センサ18がセンサ検知温度Tsを検知した後、設定された温度維持時間、赤外線センサ18が検知するセンサ検知温度Tsが所望の温度に維持されるように、加熱手段を制御する。例えば、加熱源を適時ON、OFFさせて間欠運転を行う、加熱源の加熱出力を抑制する、あるいはコンベクションユニット12を動作させて熱風で加熱室4内を攪拌する、といった加熱制御を行うことで、収納容器30の温度を所望の温度に維持する。このようにすることで、食材又は好みに応じた時間だけ収納容器30を目標温度に維持することができ、所望の仕上がりを得ることができる。
通常加熱ボタン51は、加熱時間設定ボタン53で設定された加熱時間の加熱の開始指示を入力するボタンである。本実施の形態1の加熱調理器100は、前述の通り高周波加熱装置、上ヒータ10及び下ヒータ11、並びにコンベクションユニット12という三種類の加熱源を有しており、各加熱源に対応してレンジ加熱ボタン51a、グリル加熱ボタン51b、及びコンベクション加熱ボタン51cという三種類の通常加熱ボタン51が設けられている。通常加熱ボタン51のいずれかが押下されると、予め加熱時間設定ボタン53にて設定された加熱時間だけ、押下された通常加熱ボタン51に対応する加熱手段を用いた加熱が行われる。通常加熱ボタン51に操作入力されて実行する加熱モードは、収納容器30を使用するか否かにかかわらず、いずれかの加熱手段で加熱を行う。したがって、通常加熱ボタン51は、収納容器30を使用しない加熱モードを指定する操作入力を受け付ける操作手段であるといえる。
取り消しボタン52は、操作表示パネル3に入力された設定を取り消し、かつ加熱中であればその加熱を停止させるボタンである。
加熱時間設定ボタン53は、加熱室4内における所望の加熱時間を入力するボタンである。
メニューボタン群54は、調理したいメニュー又は素材の名称、及び選択すべき温度が銘板に表示されたボタンである。図7に示す例では、「葉菜60℃」と表示された葉菜ボタン54a、「根菜70℃」と表示された根菜ボタン54b、「肉類50℃」と表示された肉類ボタン54c、「魚類70℃」と表示された魚類ボタン54d、「果物50℃」と表示された果物ボタン54e、「ご飯60℃」と表示されたご飯ボタン54fという6種類のボタンが設けられている。例えば、ご飯の温めを行いたいユーザは、メニューボタン群54の中の「ご飯60℃」というボタンに示された温度(「60℃」)が表示された温度表示部35を自身の正面に向けた状態で、設置位置指示表示5aに従って収納容器30を底板5の上に載置する。その後、「ご飯60℃」というボタンを押下することで、収納容器30が目標温度である60℃に加熱される。
なお、メニューボタン群54を用いた加熱においては、制御手段19は、収納容器30の温度が目標温度に到達したときに加熱を停止してもよいし、収納容器30の温度が目標温度に到達した後、調理のメニューに応じた温度維持時間だけ加熱を維持してもよい。いずれの制御を実行するかは、調理のメニュー及び素材に応じて選択することができる。
また、例えば、葉物野菜を60℃程度で2分程度加熱することで食感が良好になる下ごしらえ処理があるが、この下ごしらえ処理を行う際には、加熱調理器100は以下に示す2通りの加熱制御を行うことができる。
一つめの方法は、収納容器30及び水41の予熱を行った後に被加熱物40を加熱するものである。
この場合、ユーザはまず、収納容器30内に水41を入れ、図5に示すC面、すなわち「60℃」という温度表示部35cが施された温度検知面34cを正面に向けて収納容器30を加熱室4内に入れ、収納容器利用加熱ボタン50を押す。このようにすることで、収納容器30が60℃に予熱される。予熱が終了すると、ユーザは収納容器30内に被加熱物40である葉物野菜を入れ、葉菜ボタン54aを押下する。そうすると、図示しない内部回路である制御手段19は、2分の加熱時間を設定して加熱する。
二つめの方法は、予熱を行うことなく最初から被加熱物40を加熱するものである。
この場合、ユーザは、収納容器30に水41及び被加熱物40を最初から入れておき、葉菜ボタン54aを押下する。そうすると、図示しない内部回路である制御手段19は、2分の加熱時間を設定して加熱する。
上記2通りの方法を比べると、前者は仕上がりの状態が良い一方でユーザの手間が多く、また後者は水が60℃に昇温する際の温度の影響を葉物野菜が受けるために仕上がりが低下しうる一方でユーザの手間は少ない。仕上がりとユーザの利便性にはトレードオフの関係があるので、本実施の形態1のように2通りの方法を選択できるようにすることで、ユーザの好みに応じた加熱調理を行うことができる。なお、この2通りの加熱制御の詳細については後述する。
葉菜ボタン54a等のメニューボタン群54は、銘板に表示された温度を強調表示するのがよい。例えば、各ボタン内に光源を設けてその光源を点滅あるいは点灯させることでメニューボタン群54の各ボタン内に表示された温度を分かり易くユーザに伝える。このようにすることで、ユーザが収納容器30を加熱室4内に設置する際の収納容器30の向きをユーザにより明確に認識させることができ、収納容器30の設置方向の間違いを抑制することができる。
液晶装置55は、加熱時間設定ボタン53に入力された加熱時間を表示し、加熱開始後においては加熱の残り時間をカウントダウン表示する。そのほか、液晶装置55は、加熱中においてはそのときの加熱条件を表示し、加熱開始前において何らかの設定入力がなされた場合にはその情報を表示してもよい。
(加熱制御)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の加熱制御の一例を説明する。ここでは、収納容器30に水41が投入された状態で被加熱物40を60℃程度の低温で蒸す調理について説明する。なお、60℃程度の低温で野菜などを加熱する調理は、ブランチングと言われ、野菜を冷凍する際の下処理などに実施されたり、野菜の食感を高めるのに用いられたりする調理技法の一つである。
以下、上述した予熱を行わずに被加熱物40を加熱する加熱制御シーケンスと、予熱を行ってから被加熱物40を加熱する加熱制御シーケンスの具体例を、それぞれ図8と図9を参照して説明する。
図8は、実施の形態1に係る加熱調理器の予熱工程を含まない加熱シーケンスの制御フローチャートである。
ユーザは、ドア2を開き、水41及び被加熱物40が入れられた収納容器30を設置位置指示表示5aに合わせて底板5の上に載置し、ドア2を閉じ、本加熱シーケンスの実行開始を指示するための操作表示パネル3のボタンを押下する。そうすると、制御手段19は、加熱制御を開始する(S1)。
まず、制御手段19は、高周波加熱装置のマグネトロン6を駆動する。そうすると、マグネトロン6から発振される高周波により、収納容器30内の水41及び被加熱物40が誘電加熱される(S2)。誘電加熱は、水を選択的に加熱することができるため、例えば電気ヒータ等と比べて非常に高速に水41及び被加熱物40を加熱することができる。高周波加熱装置による誘電加熱が行われている間、赤外線センサ18は、検知視野20にて受光した赤外線量に基づいてセンサ検知温度Tsを周期的に検知している。
赤外線センサ18が検知したセンサ検知温度Tsが、予め設定された閾値であるトリガー温度に到達すると(S3;Yes)、制御手段19は、温度維持工程へ移行するか否かを判定する(S4)。具体的には、操作表示パネル3の加熱時間設定ボタン53にて事前にユーザに温度維持時間が設定されているか否かを判定する。ここで、センサ検知温度Tsが、予め設定された閾値であるトリガー温度に到達したということは、収納容器30の温度が、ユーザ視認面に設けられた温度表示部35に記載の目標温度に到達したということである。
加熱時間設定ボタン53にて温度維持時間が設定されていない場合には(S4;No)、制御手段19は高周波加熱装置の運転を停止して加熱を終了する(S5)。加熱を終了した際には、液晶装置55及び図示しないブザー又はスピーカ等の音声出力手段のいずれか又は両方を用いて、加熱が終了したことをユーザに報知するとよい。
一方、事前に温度維持時間が設定されている場合には(S4;Yes)、制御手段19は、設定された温度維持時間を加熱終了時間Ttとして図示しない記憶装置に読み込むとともに、加熱の経過時間tの計測を開始する(S6)。
ここで、高周波による誘電加熱を行うと、水41の温度上昇が速いため、収納容器30の内部が結露しやすくなる可能性がある。そこで、本実施の形態1では、温度維持工程においては、高周波加熱装置よりも低出力のコンベクション加熱を行う(S7)。具体的には、制御手段19は、コンベクションヒータ14への通電を開始するとともにコンベクションモータ16を駆動してコンベクションファン15を回転させる。このように、温度維持工程においては、比較的低出力でゆるやかな対流加熱を行うことのできるコンベクション加熱を用いることで、被加熱物40及び水41の急激な温度上昇及び温度ムラを抑制することができる。被加熱物40及び水41の温度激変及び温度ムラを抑制できるので、食品の温度を精度よく管理することができる。
制御手段19は、計測している経過時間tが加熱終了時間Ttに到達すると(S8;Yes)、コンベクション加熱を停止させ(S9)、加熱を終了する(S10)。加熱を終了した際には、液晶装置55及び図示しないブザー又はスピーカ等の音声出力手段のいずれか又は両方を用いて、加熱が終了したことをユーザに報知するとよい。
次に、予熱工程を含む加熱シーケンスを説明する。
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器の予熱工程を含む加熱シーケンスの制御フローチャートである。なお、図9では、図8に示した処理と同様のステップについては同じ符号を付し、図8との相違点を中心に説明する。
ステップS1において加熱を加熱調理器100が加熱を開始する前に、ユーザは、被加熱物40が入れられておらず水41だけが入れられた収納容器30を、設置位置指示表示5aに合わせて底板5の上に載置し、ドア2を閉じ、本加熱シーケンスの実行開始を指示するための操作表示パネル3のボタンを押下する。そうすると、制御手段19は、加熱制御を開始する(S1)。ステップS1〜S5の処理は、加熱調理器100の動作は図8と同様であるが、調理工程の観点からみると予熱工程という位置づけとなる。
ステップS4において温度維持時間が設定されている場合(S4;Yes)、制御手段19は、収納容器30内の水41の温度及び上記温度が所定の温度(トリガー温度)に到達して予熱が終了したことを、液晶装置55及び図示しないブザー又はスピーカ等の音声出力手段のいずれか又は両方を用いてユーザに報知する(S11)。このとき、収納容器30に被加熱物40を投入すべきことを促す報知を併せて行ってもよい。
ユーザは、ステップS11の報知に従い、ドア2を開けて収納容器30の中に被加熱物40を投入し、ドア2を閉じ、続く加熱シーケンスの実行開始を指示するための操作表示パネル3のボタンを押下する(S12)。
このステップS12に続くステップS6〜S10は、図8と同様である。
図9に示す予熱工程を有する加熱制御は、収納容器30の温度が目標温度である60℃に達してから被加熱物40の投入が促されるので(S11)、ステップS4までの予熱工程の加熱の被加熱物40への影響が排除され、被加熱物40を最初から略60℃の温度環境で加熱することができる。したがって、被加熱物40の食味の低下を抑制できる。
以上のように本実施の形態1によれば、赤外線センサ18の検知視野のすべての領域は、一様の放射率を有する収納容器30の温度検知面34で覆われる。このため、赤外線センサ18が検知した赤外線量に基づいて、収納容器30の温度を精度よく検知することができる。
なお、上記説明では、収納容器30の一例として平面形状が四角形のものを示したが、収納容器30の形状はこれに限定されない。収納容器30の側面に設けられる温度検知面34が、赤外線センサ18の検知視野20との関係で実施の形態1で説明したような関係を満たせばよい。また、上記説明では、収納容器30の四つの側面すべてに温度検知面34を設けた例を示したが、温度検知面34の数もこれに限定されず、一つあるいは二つ以上設けることができる。
1 本体、2 ドア、3 操作表示パネル、4 加熱室、4a 底面、4b 吸込口、4c 吹出口、5 底板、5a 設置位置指示表示、6 マグネトロン、7 導波管、8 アンテナ、9 アンテナモータ、10 上ヒータ、11 下ヒータ、12 コンベクションユニット、13 コンベクション加熱室、14 コンベクションヒータ、15 コンベクションファン、16 コンベクションモータ、17 雰囲気温度検知手段、18 赤外線センサ、19 制御手段、20 検知視野、30 収納容器、31 収納容器本体、32 蓋、33 パレット、34 温度検知面、34a〜34d 温度検知面、35 温度表示、35a〜35d 温度表示、40 被加熱物、41 水、50 収納容器利用加熱ボタン、51 通常加熱ボタン、51a レンジ加熱ボタン、51b グリル加熱ボタン、51c コンベクション加熱ボタン、52 取り消しボタン、53 加熱時間設定ボタン、54 メニューボタン群、54a 葉菜ボタン、54b 根菜ボタン、54c 肉類ボタン、54d 魚類ボタン、54e 果物ボタン、54f ご飯ボタン、55 液晶装置、100 加熱調理器。

Claims (9)

  1. 加熱室と、
    前記加熱室内を加熱する加熱手段と、
    前記加熱室内の赤外線を受光する赤外線検知手段と、
    前記赤外線検知手段が検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段を制御する制御手段と、
    前記加熱室内に載置される収納容器と、
    前記収納容器が前記加熱室内に載置されるべき位置を示す容器位置指示手段とを備え、
    前記収納容器の一部には、温度検知面が形成されており、
    前記温度検知面の全域は、一定の放射率を有し、
    前記温度検知面は、前記収納容器が前記容器位置指示手段に従って前記加熱室内に載置された状態において、前記赤外線検知手段の検知視野の全領域を覆う
    ことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記収納容器は、互いに放射率の異なる複数の前記温度検知面を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記制御手段は、前記赤外線検知手段が検知した赤外線量が、予め定められた閾値に達すると、前記収納容器が目標温度に達したと判定する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記収納容器は、
    前記温度検知面が前記赤外線検知手段に対向するようにして前記加熱室内に載置されたときにユーザに対向する面に、前記赤外線検知手段に対向する前記温度検知面に対応した前記目標温度を示す目標温度表示部を備えた
    ことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
  5. 前記制御手段は、
    前記加熱手段を制御して前記収納容器を目標温度に到達させる昇温工程と、
    前記昇温工程の後に実行され、前記加熱手段を制御して前記収納容器を目標温度に維持させる温度維持工程とを有する加熱制御を行う
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の加熱調理器。
  6. 前記加熱手段は、
    前記加熱室内に高周波を照射する高周波加熱装置と、加熱された空気を前記加熱室内に対流させるコンベクション装置とを備え、
    前記制御手段は、
    前記昇温工程においては、前記高周波加熱装置を動作させ、
    前記温度維持工程においては、前記コンベクション装置を動作させる
    ことを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
  7. 調理メニュー又は食材を指定する操作入力を受け付ける操作手段と、
    前記操作手段に入力された情報に基づいて、前記収納容器が前記加熱室内に載置されるべき向きを報知する報知手段を備えた
    ことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  8. 調理メニュー又は食材を指定する操作入力を受け付ける操作手段を備え、
    前記制御手段は、前記操作手段に入力された情報に基づいて、前記加熱手段の加熱時間を設定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  9. 前記収納容器を使用する加熱モード及び前記収納容器を使用しない加熱モードのいずれかを指定する操作入力を受け付ける操作手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の加熱調理器。
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