JP2014152966A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱室4と、加熱室4内を加熱する加熱手段と、加熱室4内の赤外線を受光する赤外線センサ18と、赤外線センサ18が検知した赤外線量に基づいて、加熱手段を制御する制御手段と、加熱室4内に載置される収納容器30と、収納容器30が加熱室4内に載置されるべき位置を示す設置位置指示表示5aとを備え、収納容器30の一部に温度検知面34はその全域の放射率εが一定であり、温度検知面34は、収納容器30が設置位置指示表示5aに従って加熱室4内に載置された状態において、赤外線センサ18の検知視野の全領域を覆う。
【選択図】図1
Description
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器の概略正面断面図である。図2は、実施の形態1に係る加熱調理器の概略側面断面図である。なお、図2には、本体1は図示されていない。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。図4は、実施の形態1に係る加熱調理器の機能ブロック図である。なお、本実施の形態1に係る加熱調理器100において前後方向をいうときには、ドア2が設けられた側を「前」(図2の紙面右側)といい、ドア2と対向する側を「後」(図2の紙面左側)というものとする。
加熱調理器100は、前面(正面)を開口した箱型の筐体である本体1と、本体1の前面の開口を開閉自在に覆うドア2とを備える。本体1の内部には、被加熱物40を収容する加熱室4が設けられている。ユーザは、ドア2を開き、被加熱物40を直接、あるいは被加熱物40が収納容器30に収納された状態で、加熱室4の底面を構成する底板5の上に載置することができる。ドア2には、ガラスなどで構成される視認窓が設けられ、ユーザは加熱室4内の様子を確認することができる。また、本体1の前面には、図3に示すように、ユーザからの操作入力を受け付けるとともに加熱調理器100の動作状態、設定情報、及びユーザに報知すべき情報を表示する操作表示パネル3が設けられている。また、本実施の形態1の加熱調理器100は、加熱室4における加熱手段として、高周波発生装置、上ヒータ10及び下ヒータ11、並びにコンベクションユニット12という3種類の加熱手段を備えており、これらを用いた加熱を行うことができる。加熱調理器100を構成する各部は、制御手段19によって制御される。
本実施の形態1に係る加熱調理器100の加熱手段の一つは、高周波加熱装置である。加熱室4内においては、高周波加熱装置を加熱源として被加熱物40を誘電加熱するいわゆる電子レンジ加熱を行うことができる。
高周波加熱装置は、例えば図1に示すように、本体1内であって本体1の内壁と加熱室4の外壁との間に設けられ、2.45GHzの高周波(マイクロ波)を発振する高周波発振器であるマグネトロン6と、加熱室4の底板5の下に設置されたアンテナ8と、マグネトロン6から発振されたマイクロ波をアンテナ8に伝播させる導波管7と、アンテナ8を回転させるアンテナモータ9とを備える。アンテナモータ9のシャフトにアンテナ8が取り付けられており、アンテナモータ9の回転力によりアンテナ8が回転する。図4に示すように、アンテナモータ9は制御手段19に制御されて動作し、所定のタイミングでアンテナ8を回転又は停止させる。
高周波発振器であるマグネトロン6からは、例えば電子レンジでは2.45GHzの高周波が発振される。例えば家庭用の電子レンジでは出力1000W〜200W程度の高周波が発振されている。発振された高周波は、導電体で閉塞された導波管7内の空間を伝播する。導波管7及び加熱室4の底面4aには、上から見たときに重なる丸穴が形成されていて、両者はこの丸穴を介して結合されており、導波管7内の空間を伝播している高周波は、丸穴を経由して加熱室4内へ伝播する仕組みである。
加熱調理器100の加熱手段の二つめは、輻射加熱する上ヒータ10及び下ヒータ11である。上ヒータ10は、加熱室4の天井の上面(外面)に接触させて設けられたいわゆるフラットヒータである。加熱室4内から見たときに上ヒータ10が設置された部分には大きな突起がなく、加熱室4の天井の内面の清掃を非常に行いやすい構造である。下ヒータ11は、例えばシーズヒータで構成されており、底板5の下側であって加熱室4の底面4aの上に設置されている。
加熱調理器100の加熱手段の三つめは、コンベクションユニット12である。コンベクションユニット12は、加熱された空気を加熱室4内に循環させて、加熱室4内及び加熱室4内に収容される収納容器30及び被加熱物40を加熱する加熱手段である。図2に示すように、コンベクションユニット12は、加熱室4の後面側に加熱室4とは別に区画形成されたコンベクション加熱室13と、コンベクション加熱室13内に設置されたコンベクションヒータ14と、コンベクション加熱室13内に設置されたコンベクションファン15と、コンベクションファン15を回転駆動するコンベクションモータ16とを備える。コンベクションヒータ14は、コンベクション加熱室13内の空気を輻射加熱する。加熱室4の背面壁には、加熱室4内とコンベクション加熱室13内とを連通させる吸込口4b及び吹出口4cが形成されている。
加熱室4の側壁の内面には、加熱室4内の雰囲気温度を検知する雰囲気温度検知手段17と、非接触式の温度検知手段である赤外線センサ18とが設けられている。雰囲気温度検知手段17及び赤外線センサ18は、加熱室4内に収容された被加熱物40の加熱状態(調理の仕上がり状態)を検知する目的で設置されている。
図4に示すように、制御手段19は、加熱調理器100の動作を制御する。制御手段19には、操作表示パネル3、雰囲気温度検知手段17、及び赤外線センサ18からの出力信号が入力される。制御手段19は、入力された信号に基づき、予め記憶された制御プログラムに従ってマグネトロン6、アンテナモータ9、上ヒータ10、下ヒータ11、コンベクションヒータ14、及びコンベクションモータ16を制御する。制御手段19は、例えばマイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することができる。
収納容器30は、本実施の形態1では、上面を開口した容器である収納容器本体31と、収納容器本体31の上面の開口を開閉自在に覆う蓋32と、収納容器本体31内に着脱自在に載置されるスノコ状のパレット33とを備える。パレット33が収納容器本体31内に設置された状態において、収納容器本体31の底部内面とパレット33とは接触せず、両者の間には所定の高さの隙間ができる。収納容器30の材質は限定されないが、耐熱性及び高周波透過性の観点からは、セラミック又はシリコンエラストマーにて収納容器30を構成するのが望ましい。
本実施の形態における検知対象物の温度検知の説明に先立ち、改めて、赤外線センサ18が検知した赤外線量を検知対象物(収納容器30又は被加熱物40)の温度に換算する際の温度換算について説明する。
赤外線センサ18では、前述の式(1)に従い、検知した赤外線量を便宜的に温度で表したセンサ検知温度Tsを算出した上で、そのセンサ検知温度Tsを、赤外線センサ18のセンサ素子の周囲の雰囲気温度であるセンサ素子部雰囲気温度Ta及び検知対象物の放射率εで補正して、検知対象物の温度である対象物温度Tobjを得る。
まず、収納容器30について説明する。
図5は、実施の形態1に係る収納容器の側面図及び水平断面図である。収納容器30が底板5の上に載置された状態における四つの側面のすべてに、温度検知面34が設けられている。なお、収納容器本体31の四つの側面を、それぞれA面、B面、C面、D面と区別して称する場合がある。また、各側面に設けられた温度検知面34を、それぞれ、温度検知面34a、34b、34c、34dと区別して称する場合がある。
ここでは一例として、センサ素子部雰囲気温度Ta=20℃の環境において、赤外線量の指標として、ε=1とした場合のセンサ検知温度Ts=48℃を得たときに、検知対象物が目標温度に到達したと判定する例を説明する。
次に示す表1は、各温度検知面34の放射率と、各温度検知面34が赤外線センサ18の検知視野20の全領域を包含している状態でセンサ検知温度Ts=48℃が検知されたときの対象物温度Tobjとの関係を示す表である。表1に示す対象物温度Tobjは、センサ検知温度Ts=48℃及び各温度検知面34の放射率εを、前述の式(1)に代入して計算した結果である。なお、表1には、各温度検知面34が赤外線センサ18の検知視野20と対向するように収納容器30が底板5の上に載置されたときに、ユーザに視認される収納容器30の側面(すなわち、ドア2が配置された正面側に向く面)を、ユーザ視認面として併せて記載している。
図6に示すように、温度検知面34aが形成されたA面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34a内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
温度検知面34bが形成されたB面を赤外線センサ18の赤外線検知面に向けて、収納容器30が加熱室4内に設置されたとする。その際、収納容器30は底板5の設置位置指示表示5aに位置合わせして置かれることで、検知視野20の全領域は温度検知面34b内に包含される位置関係となり、収納容器30の表面からの赤外線量は過不足なく赤外線センサ18で検知される。
図7は、実施の形態1に係る操作パネルの概略正面図である。なお、図7に示す操作パネルに設けられた各操作ボタンの名称及び銘板の表記は、本発明を限定するものではない。図7に示すように、操作表示パネル3は、収納容器利用加熱ボタン50と、通常加熱ボタン51と、取り消しボタン52と、加熱時間設定ボタン53と、メニューボタン群54と、液晶装置55とを備える。
一つめの方法は、収納容器30及び水41の予熱を行った後に被加熱物40を加熱するものである。
この場合、ユーザはまず、収納容器30内に水41を入れ、図5に示すC面、すなわち「60℃」という温度表示部35cが施された温度検知面34cを正面に向けて収納容器30を加熱室4内に入れ、収納容器利用加熱ボタン50を押す。このようにすることで、収納容器30が60℃に予熱される。予熱が終了すると、ユーザは収納容器30内に被加熱物40である葉物野菜を入れ、葉菜ボタン54aを押下する。そうすると、図示しない内部回路である制御手段19は、2分の加熱時間を設定して加熱する。
この場合、ユーザは、収納容器30に水41及び被加熱物40を最初から入れておき、葉菜ボタン54aを押下する。そうすると、図示しない内部回路である制御手段19は、2分の加熱時間を設定して加熱する。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の加熱制御の一例を説明する。ここでは、収納容器30に水41が投入された状態で被加熱物40を60℃程度の低温で蒸す調理について説明する。なお、60℃程度の低温で野菜などを加熱する調理は、ブランチングと言われ、野菜を冷凍する際の下処理などに実施されたり、野菜の食感を高めるのに用いられたりする調理技法の一つである。
以下、上述した予熱を行わずに被加熱物40を加熱する加熱制御シーケンスと、予熱を行ってから被加熱物40を加熱する加熱制御シーケンスの具体例を、それぞれ図8と図9を参照して説明する。
ユーザは、ドア2を開き、水41及び被加熱物40が入れられた収納容器30を設置位置指示表示5aに合わせて底板5の上に載置し、ドア2を閉じ、本加熱シーケンスの実行開始を指示するための操作表示パネル3のボタンを押下する。そうすると、制御手段19は、加熱制御を開始する(S1)。
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器の予熱工程を含む加熱シーケンスの制御フローチャートである。なお、図9では、図8に示した処理と同様のステップについては同じ符号を付し、図8との相違点を中心に説明する。
図9に示す予熱工程を有する加熱制御は、収納容器30の温度が目標温度である60℃に達してから被加熱物40の投入が促されるので(S11)、ステップS4までの予熱工程の加熱の被加熱物40への影響が排除され、被加熱物40を最初から略60℃の温度環境で加熱することができる。したがって、被加熱物40の食味の低下を抑制できる。
Claims (9)
- 加熱室と、
前記加熱室内を加熱する加熱手段と、
前記加熱室内の赤外線を受光する赤外線検知手段と、
前記赤外線検知手段が検知した赤外線量に基づいて、前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記加熱室内に載置される収納容器と、
前記収納容器が前記加熱室内に載置されるべき位置を示す容器位置指示手段とを備え、
前記収納容器の一部には、温度検知面が形成されており、
前記温度検知面の全域は、一定の放射率を有し、
前記温度検知面は、前記収納容器が前記容器位置指示手段に従って前記加熱室内に載置された状態において、前記赤外線検知手段の検知視野の全領域を覆う
ことを特徴とする加熱調理器。 - 前記収納容器は、互いに放射率の異なる複数の前記温度検知面を有する
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記赤外線検知手段が検知した赤外線量が、予め定められた閾値に達すると、前記収納容器が目標温度に達したと判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。 - 前記収納容器は、
前記温度検知面が前記赤外線検知手段に対向するようにして前記加熱室内に載置されたときにユーザに対向する面に、前記赤外線検知手段に対向する前記温度検知面に対応した前記目標温度を示す目標温度表示部を備えた
ことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記加熱手段を制御して前記収納容器を目標温度に到達させる昇温工程と、
前記昇温工程の後に実行され、前記加熱手段を制御して前記収納容器を目標温度に維持させる温度維持工程とを有する加熱制御を行う
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の加熱調理器。 - 前記加熱手段は、
前記加熱室内に高周波を照射する高周波加熱装置と、加熱された空気を前記加熱室内に対流させるコンベクション装置とを備え、
前記制御手段は、
前記昇温工程においては、前記高周波加熱装置を動作させ、
前記温度維持工程においては、前記コンベクション装置を動作させる
ことを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。 - 調理メニュー又は食材を指定する操作入力を受け付ける操作手段と、
前記操作手段に入力された情報に基づいて、前記収納容器が前記加熱室内に載置されるべき向きを報知する報知手段を備えた
ことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか一項に記載の加熱調理器。 - 調理メニュー又は食材を指定する操作入力を受け付ける操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段に入力された情報に基づいて、前記加熱手段の加熱時間を設定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の加熱調理器。 - 前記収納容器を使用する加熱モード及び前記収納容器を使用しない加熱モードのいずれかを指定する操作入力を受け付ける操作手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の加熱調理器。
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