JP2014151731A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の優れた、転がり抵抗の小さい重荷重用空気入りタイヤの提供。
【解決手段】本発明に係るタイヤ2は、カーカス12と積層されるベルト18と、カバリングゴム20とを備える。ベルト18は、カーカス12の半径方向外側に位置する第一プライ38a、第一プライ38aの半径方向外側に位置する第二プライ38b、及び第二プライ38bの半径方向外側に位置する第三プライ38cを備えている。カバリングゴム20は、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40を覆っている。この端部42とこの端部40との間に位置するカバリングゴム20の半径方向の厚みYは、4.0mm以上5.0mm以下である。各プライを構成するトッピングゴムの複素弾性率Etは、4.0MPa以上7.0MPa以下であり、カバリングゴムの複素弾性率Ecは、8.0MPa以上12.0MPa以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、カーカスを補強するベルトを備えている。トラック、バス等の車両に装着された、重荷重用の空気入りタイヤには、大きな荷重がかかる。重荷重用のタイヤでは、ベルトのカーカスに対する補強効果を大きくするため、通常ベルトは三層以上のプライを備えている。換言すれば、カーカスには、三層以上のプライが積層されている。
各々のプライは、並列された多数のコードとトッピングゴムとを備えている。各コードは、タイヤの赤道面に対して傾斜している。ベルトの補強効果をより大きくするため、カーカス側から二層目のコードの傾斜方向は、三層目のコードの傾斜方向とは逆となっている。
走行時には、タイヤは変形を繰り返す。タイヤのショルダー部は接地圧が大きいため、その変形量も大きい。このため、ベルトのプライの端部も大きな変形を繰り返す。このときの摩擦熱により、ゴムが発熱し、その端部におけるプライの剥離が生じることがある。この剥離は、特に、カーカス側から二番目及び三層目のプライの端部の近傍で起こり易いことが知られている。上述のとおり、二層目と三層目のコードの傾斜方向が逆であるため、タイヤが変形した際に、両プライの間に大きな剪断力が働くことが原因の一つである。
ベルトのプライに剥離が生じると、その剥離部分を起点として、トレッドやサイドウォールに亀裂が生じうる。プライの剥離は、タイヤの耐久性を損なう。
ベルトのプライの剥離を防止する観点から、様々な検討がなされている。この検討例が、特開平4−183605号公報及び特開平9−263108号公報に開示されている。
特開平4−183605号には、二層目のプライと三層目のプライの間に大きなモジュラスを有するクッションゴムを備えたタイヤが開示されている。三層目のプライの半径方向外側は、これより小さなモジュラスのゴムで覆われている。
特開平9−263108号公報には、プライの端部を、大きなモジュラスを有するエンドカバーゴムで被覆する発明が開示されている。
特開平4−183605号公報 特開平9−263108号公報
特開平4−183605号公報に開示されたタイヤでは、最も大きなモジュラスを有するゴムが、二層目と三層目のプライの間のみに存在するめ、プライの剥離を抑える力が十分ではない。このタイヤでは、プライの剥離が十分に防止できない。
特開平9−263108号公報で開示された構造では、大きなモジュラスを有するエンドカバーゴムの厚さは薄く、プライの剥離を防止する効果は十分でない。この構造では、プライの剥離が防止できない。
プライの剥離を防止するため、複素弾性率が大きなトッピングゴムをプライに使用する方法がある。しかし、複素弾性率が大きなトッピングゴムは、タイヤの転がり抵抗の増大を招来する。このタイヤを備えた車両は、燃費性能が悪い。
本発明の目的は、耐久性の優れた、転がり抵抗の小さい重荷重用空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがこのサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、このトレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトと、カバリングゴムとを備える。このベルトは、上記カーカスの半径方向外側に位置する第一プライ、この第一プライの半径方向外側に位置する第二プライ、及びこの第二プライの半径方向外側に位置する第三プライを備えている。各々のプライは、並列された多数のコードとトッピングゴムとを備えている。第二プライの端部と第三プライの端部とは離間している。上記カバリングゴムは、第二プライの端部及び第三プライの端部を覆っており、かつ第二プライの端部と第三プライの端部との間に充填されている。この第二プライの端部と第三プライの端部との間に位置するカバリングゴムの半径方向の厚みYは、4.0mm以上5.0mm以下である。このトッピングゴムの複素弾性率Etは、4.0MPa以上7.0MPa以下であり、カバリングゴムの複素弾性率Ecは、8.0MPa以上12.0MPa以下である。
好ましくは、上記コードはスチールからなる。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤでは、複素弾性率の大きなカバリングゴムで第二プライ及び第三プライの端部を覆うため、これらのプライの剥離を効果的に抑えうる。第三ベルトプライの端部と、第二ベルトプライの端部とは離間しており、これらの間にカバリングゴムが充填されているため、この部分でのカバリングゴムの厚さYの値が十分大きい。このカバリングゴムが、プライの剥離を抑える効果は高い。さらに、本タイヤでは、トッピングゴムの複素弾性率は小さいため、転がり抵抗が小さい。本発明により、耐久性の優れた、転がり抵抗の小さい重荷重用空気入りタイヤが提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、チェーファー8、ビード10、カーカス12、インナーライナー14、フィラー16、ベルト18及びカバリングゴム20を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面22を形成する。トレッド面22には、溝24が刻まれている。この溝24により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4の軸方向外側端及びその近辺は、タイヤ2のショルダー部26と称される。トレッド4は、ベース層28とキャップ層30とを有している。キャップ層30は、ベース層28の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層28に積層されている。ベース層28は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層28の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層30は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、チェーファー8と接合されている。図1から明らかなように、サイドウォール6はカーカス12よりも軸方向外側に位置している。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。サイドウォール6は、チェーファー8よりも軟質である。軟質なサイドウォール6は、撓みに寄与しうる。
チェーファー8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。チェーファー8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。チェーファー8は、リムのフランジと当接する。チェーファー8は、サイドウォール6よりも硬質である。硬質なチェーファー8は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。走行状態のタイヤ2において、チェーファー8はビード10の部分の倒れを抑えうる。
ビード10は、コア32と、このコア32から半径方向外向きに延びるエイペックス34とを備えている。コア32はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス34は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス34は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス12は、カーカスプライ36からなる。カーカスプライ36は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカスプライ36は、コア32の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ36には、主部と折り返し部とが形成されている。カーカス12が、2枚以上のカーカスプライ36から形成されてもよい。
カーカスプライ36は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
フィラー16は、ビード10の近くに位置している。フィラー16は、カーカス12と積層されている。フィラー16は、カーカスプライ36の内側において、ビード10のコア32の周りで折り返されている。フィラー16は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、スチールからなる。各コードは、半径方向に対して傾斜している。このタイヤ2では、フィラー16は、ビード10の部分の剛性に寄与しうる。フィラー16は、ビード10の部分の倒れを抑えうる。
インナーライナー14は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー14は、架橋ゴムからなる。インナーライナー14には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー14の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を保持する。
図1の断面において、ベルト18は、軸方向に延在している。ベルト18は、半径方向においてトレッド4の内側に位置している。このベルト18は、カーカス12の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス12を補強する。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。このタイヤ2では、ベルト18は、第一プライ38a、第二プライ38b、第三プライ38c及び第四プライ38dからなる。このベルト18は4層から構成されている。このベルト18が3層で構成されてもよい。
第一プライ38aは、半径方向においてベルト18の内側部分をなす。第一プライ38aは、赤道面においてカーカス12と積層されている。第二プライ38bは、第一プライ38aの半径方向外側に位置している。第二プライ38bは、第一プライ38aと積層されている。このタイヤ2では、軸方向において、第二プライ38bがベルト18をなす4層のうち最も大きな幅を有している。第三プライ38cは、第二プライ38bの半径方向外側に位置している。第三プライ38cは、第二プライ38bと積層されている。図に示されるとおり、第三プライ38cの端部40は、第二プライ38bの端部42と離間している。第四プライ38dは、第三プライ38cの半径方向外側に位置している。第四プライ38dは、第三プライ38cと積層されている。このタイヤ2では、軸方向において、第四プライ38dがベルト18をなす4層のうち最も小さな幅を有している。
図示されていないが、第一プライ38a、第二プライ38b、第三プライ38c及び第四プライ38dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、非伸縮性材料からなる。典型的な非伸縮性材料は、スチールである。このコードは、赤道面に対して傾斜している。第一プライ38aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第二プライ38bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは同じである。第二プライ38bのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第三プライ38cのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。第三プライ38cのコードの赤道面に対する傾斜方向は、第四プライ38dのコードの赤道面に対する傾斜方向とは同じである。それぞれの層において、コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、15°から70°である。
図2は、図1のタイヤ2のショルダー部26の近辺が示された拡大断面図である。カバリングゴム20は、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40を覆っている。カバリングゴム20は、第二プライ38bの端部42を覆う第一カバリングゴム44aと、第三プライ38cの端部40を覆う第二カバリングゴム44bとを備える。図で示されるように、第一カバリングゴム44aは、半径方向内側から半径方向外側に向かって、第二プライ38bの端で折り返されている。同様に、第二カバリングゴム44bは、半径方向内側から半径方向外側に向かって、第三プライ38cの端で折り返されている。
第一カバリングゴム44aの第二端46は、軸方向において、第三プライ38cの端点48と、第二カバリングゴム44bの第一端50の間に位置している。第一カバリングゴム44aは、第二カバリングゴム44bと接触している。図で示されるように、この第二プライ38bの端部42と第三プライ38cの端部40との間は、第一カバリングゴム44aと第二カバリングゴム44bで充填されている。換言すれば、第二プライ38bの端部42と第三プライ38cの端部40との間には、第一カバリングゴム44a及び第二カバリングゴム44bのみが存在する。
第一カバリングゴム44aの第一端54は、第一プライ38aの端点52よりも軸方向において内側に位置する。第一プライ38aと、第一カバリングゴム44aは接触している。第二カバリングゴム44bの第二端58は、第四プライ38dの端点56よりも、軸方向において外側に位置している。第二カバリングゴム44bと第四プライ38dとは接触していない。
以下、本発明の作用効果が説明される。
先に述べたとおり、走行時には、ショルダー部26の近くに位置する第二プライ38b及び第三プライ38cの端部は、大きな変形を繰り返す。このときの摩擦熱により、ゴムが発熱し、その端部におけるプライの剥離が生じることがある。本発明では、カバリングゴム20が、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40を覆っている。このカバリングゴム20は、前述のトッピングゴムよりも高い複素弾性率を有する。このカバリングゴム20が、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40を、半径方向外側及び半径方向内側の両側から支えている。このカバリングゴム20が、これらのプライの端部の変形を抑制する効果は高い。このカバリングゴム20は、摩擦熱の発生を軽減し、プライの剥離を抑える。これにより、トレッド4やサイドウォール6の亀裂の発生が防止される。このカバリングゴム20は、タイヤ2の耐久性に寄与する。
第二プライ38b及び第三プライ38cの端部の変形抑制の観点から、カバリングゴム20の複素弾性率Ecは、8.0MPa以上が好ましい。Ecが、8.0MPa以上のカバリングゴム20は、これらのプライの剥離を抑えうる。この観点から、Ecは、9.0MPa以上がより好ましい。Ecが、12.0MPa以下のカバリングゴム20を備えたタイヤ2は、転がり抵抗が小さい。このタイヤ2を備えた車両は、燃費性能が良い。この観点から、Ecは、11.0MPa以下がより好ましい。
本願において、カバリングゴム20の複素弾性率Ec及び後述するトッピングゴムの複素弾性率Etは、JIS K 6394の規定に準拠して、測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
タイヤ2に荷重が負荷されたとき、第二プライ38bには、周方向に対するコードの角度が小さくなる方向に、せん断歪みが発生する。第三プライ38cにも同様に周方向に対するコードの角度が小さくなる方向に、せん断歪みが発生する。第二プライ38bと第三プライ38cとでは、周方向に対するコードの角度が逆であるので、この歪みに起因して、両プライの間に大きな剪断力が働く。タイヤ2の転動に応じ、この剪断力は変動する。この変動は、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40において、これらのプライの剥離を誘発する。本発明に係るタイヤ2では、カバリングゴム20の複素弾性率Ecが大きいため、第二プライ38bの端部42及び第三プライ38cの端部40における歪みが抑制される。さらに、本タイヤ2では、第二プライ38bの端部42と第三プライ38cの端部40との間に、カバリングゴム20が充填されている。これらの端部の間に存在するカバリングゴム20の厚みの値は大きい。厚みの値が大きいカバリングゴム20は、第二プライ38bと第三プライ38cの間の剪断力を効果的に抑制しうる。このカバリングゴム20が、第二プライ38b及び第三プライ38cの剥離を抑える効果は高い。このカバリングゴム20は、タイヤ2の耐久性に寄与する。
図2において、両矢印Yは、第二プライ38bの端部42と第三プライ38cの端部40との間に位置するカバリングゴム20の半径方向の厚みである。第二プライ38bと第三プライ38cの間の剪断力抑制の観点から、厚みYの値は、4.0mm以上が好ましい。厚みYが4.0mm以上のカバリングゴム20は、プライの剥離を抑制しうる。これにより、トレッド4やサイドウォール6の亀裂の発生が防止される。
厚みYの値は、5.0mm以下が好ましい。重荷重タイヤでは、一般に、一度使用されたタイヤは更生され再利用される。この更生タイヤは、摩耗したトレッドの表面を研磨にて除去し、新たなトレッドを積層することで得られる。厚みYが5.0mm以下のカバリングゴム20を備えたタイヤ2は、研磨の際に、第三プライ38cが露出しない。このタイヤ2は、更生され再利用されうる。
前述したとおり、第一プライ38a、第二プライ38b、第三プライ38c及び第四プライ38dのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。トッピングゴムの複素弾性率Etが大きいタイヤ2では、プライの変形量が小さいため、プライの剥離が抑えられうる。しかし、Etが大きいトッピングゴムは、走行時のエネルギーロスが大きい。このため、Etが大きいトッピングゴムを備えたタイヤ2の転がり抵抗は大きい。本発明に係るタイヤ2では、カバリングゴム20がプライの剥離を抑制するため、Etが小さいトッピングゴムが使用されうる。複素弾性率Etが小さいトッピングゴムを備えるタイヤ2は、転がり抵抗が小さい。本発明に係るタイヤ2を備えた車両は、燃費性能が優れる。
燃費性能向上のために、複素弾性率Etは7.0MPa以下が好ましい。Etが、7.0MPa以下のトッピングゴムを備えたタイヤ2は、転がり抵抗が小さい。この観点から、Etは、6.0MPa以下がより好ましい。複素弾性率Etは、4.0MPa以上が好ましい。Etが4.0MPa以上のトッピングゴムは、コードを保護する力が強い。Etが4.0MPa以上のトッピングゴムを備えたプライは、プライの剥離の防止に貢献する。この観点から、Etは、5.0MPa以上がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構成を備えた実施例1のタイヤを得た。タイヤのサイズは、275/80R22.5とされ、LI値と速度記号は、151/148Jとされた。表1にこのタイヤの諸元が示されている。トッピングゴムの複素弾性率Etは、5.0MPaとされた。カバリングゴムの複素弾性率Ecは、10.0MPaとされた。従って、これらの複素弾性率の差(Ec−Et)は、5.0MPaである。カバリングゴムの厚みYは、4.5mmとされた。
[実施例2及び3並びに比較例1及び2]
厚みYを下記表1の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較例1及び2のタイヤを得た。
[実施例4及び5並びに比較例3及び4]
複素弾性率Ecを変えて、差(Ec−Et)を下記表2の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例4及び5並びに比較例3及び4のタイヤを得た。
[実施例6及び7並びに比較例5及び6]
複素弾性率Etを変えて、差(Ec−Et)を下記表3の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例6及び7並びに比較例5及び6のタイヤを得た。
[比較例7]
複素弾性率Ec及びEtの値を変えて、差(Ec−Et)が0となるようにした他は実施例1と同様にして比較例7のタイヤを得た。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗を測定した。
使用リム:22.5×7.50
内圧:900kPa
荷重:30.89kN
速度:50km/h
この結果が、比較例7を100とした指数値で下記の表1から3に示されている。数値が小さいほど、転がり抵抗が小さいことを表している。数値が小さいほど、好ましい。
[亀裂防止性]
タイヤを正規リム(サイズ=22.5×8.25)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を800kPaとした。このタイヤをドラム耐久試験機に装着し、33.83kNの縦荷重をタイヤに負荷した。この試験機におけるスリップアングルは、+3°とされた。このタイヤを、120km/hの速度でドラムの上を走行させた。そして、トレッド面上の膨れの発生の有無が確認された。膨れ発生までの走行時間が、比較例7を100とした指数で、表1から3に示されている。数値が大きいほど、亀裂を防止する性能が良いことを表している。数値が大きいほど、好ましい。
[更生性]
試作タイヤの断面をX線検査装置で撮影し、トレッドとベルトの間隔を観察した。更生用にトレッドを研磨した際に、研磨後の表面と、ベルトとの間のゴム層の厚さが、1mm未満となるタイヤは、更生不可タイヤと判定した。この結果が、表1から3に示されている。表中で、「可」は更生が可能であることを示し、「不可」は更生が不可であることを示す。
Figure 2014151731
Figure 2014151731
Figure 2014151731
表1及び2に示されるとおり、本発明に係るカバリングゴムが、ベルトの剥離に起因する亀裂を防止する効果は明らかである。また、表3に示されるとおり、亀裂を防止しつつ、トッピングゴムの複素弾性率は小さく抑えられうるため、タイヤの転がり抵抗が小さくできる。このタイヤは耐久性に優れ、このタイヤを装着した車両は、燃費性能に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、トラック、バス等の車両に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・チェーファー
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・インナーライナー
16・・・フィラー
18・・・ベルト
20・・・カバリングゴム
22・・・トレッド面
24・・・溝
26・・・ショルダー部
28・・・ベース層
30・・・キャップ層
32・・・コア
34・・・エイペックス
36・・・カーカスプライ
38a・・・第一プライ
38b・・・第二プライ
38c・・・第三プライ
38d・・・第四プライ
40、42・・・端部
44a・・・第一カバリングゴム
44b・・・第二カバリングゴム
46、58・・・第二端
48、52、56・・・端点
50、54・・・第一端

Claims (2)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがこのサイドウォールからさらに半径方向略内向きに延びる一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、上記トレッドの半径方向内側においてカーカスと積層されるベルトと、カバリングゴムとを備えており、
    上記ベルトが、上記カーカスの半径方向外側に位置する第一プライ、この第一プライの半径方向外側に位置する第二プライ、及びこの第二プライの半径方向外側に位置する第三プライを備えており、
    各々のプライが、並列された多数のコードとトッピングゴムとを備えており、
    上記第二プライの端部と上記第三プライの端部とが離間しており、
    上記カバリングゴムが、上記第二プライの端部及び上記第三プライの端部を覆っており、かつ上記第二プライの端部と上記第三プライの端部との間に充填されており、
    上記第二プライの端部と第三プライの端部との間に位置するカバリングゴムの半径方向の厚みYが、4.0mm以上5.0mm以下であり、
    上記トッピングゴムの複素弾性率Etが、4.0MPa以上7.0MPa以下であり、
    上記カバリングゴムの複素弾性率Ecが、8.0MPa以上12.0MPa以下である重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 上記コードがスチールからなる請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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