JP2014150183A - 偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置 - Google Patents

偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置 Download PDF

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    • G01R33/1215Measuring magnetisation; Particular magnetometers therefor

Abstract

【課題】コストの上昇や、磁心の強度の低下を抑えつつ、磁心に生じた偏磁を検出する。
【解決手段】絶縁電源1におけるトランス10の磁心11は、角部11aの内周側と外周側には孔部11b,11cが形成されており、内周側孔部11bに巻き付けられた内周側検出巻線21と、外周側孔部11cに巻き付けられた外周側検出巻線22が設けられている。そして、検出装置20は、インバータ回路40により1次巻線12に正或いは負の電圧が印加されている電圧印加期間中、内周側或いは外周側検出巻線の誘導電圧を測定し、測定結果に基づき磁心11に生じている偏磁を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランス等における磁心に生じた偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量を検出する検出装置に関する。
絶縁電源等では、トランスを設けることで入力側と出力側の電気的絶縁が実現されるが、トランスの磁心に極端に多くの偏磁が発生すると、損失が増加したり、磁心の磁気飽和が生じて巻線に過大な励磁電流が発生するおそれがある。このため、電圧の制御に加えて、磁心に生じた偏磁や過大な直流磁束を検出し、偏磁や磁気飽和を解消するための制御が必要となる。
ここで、特許文献1に記載の偏磁評価装置では、トランスの磁心に、該磁心よりも透磁率の高い材料から構成される小型のπ形の磁心(迂回磁路)が敷設されていると共に、該迂回磁路には検出巻線が設けられている。この迂回磁路は、磁心に比べて磁束飽和が生じ易く、磁心の磁束が変化しても、検出巻線には磁心の磁束が0付近の時しか電圧が誘導されない。
そして、磁心の磁束が周期的に変化する場合、磁心に偏磁が生じると、磁心の磁束が0となる時間間隔が正常時とは異なるものとなるが、これに応じて、検出巻線に電圧が誘導される時間間隔も変化する。特許文献1の偏磁評価装置では、検出巻線に電圧が誘導される時間間隔を監視することで、偏磁が検出される。
特開平11−40429号公報
しかしながら、特許文献1に記載の偏磁評価装置では、トランスの磁心に別途迂回磁路を敷設する必要があり、コストが上昇してしまう。また、近年では、一般的に、トランスの磁心の材料としてフェライトが用いられるが、このような磁心は脆性を有しており、磁心に迂回磁路を敷設することで、磁心の強度が低下してしまう。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、コストの上昇や、磁心の強度の低下を抑えつつ、磁心に生じた偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置は、巻き付けられたコイルに電圧を印加することで磁束が形成された際に、磁束密度の偏りが生じる断面である不均一断面が形成される磁心における、該不均一断面に沿って該磁心を貫く孔部を貫通した状態で配されることで、該不均一断面の一部であって、該不均一断面全体の平均的磁束密度とは異なる磁束密度が生じる検出領域の周縁を取り巻く電線からなる検出巻線に誘導された検出用起電力に関する測定を行う検出巻線測定手段と、検出巻線測定手段による測定結果に基づき、磁心に生じた偏磁もしくは磁気飽和、或いは、磁心の磁束量を検出する検出手段と、を備える。
このような構成によれば、磁心には孔部が形成されているものの、磁心にさらに小型の磁心を敷設する場合に比べ、コストの上昇を抑えることができると共に、磁心の強度の低下を防ぐことができる。
したがって、請求項1に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置によれば、磁心の強度の低下を抑えつつ、磁心に生じた偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量を検出することができる。
第1実施形態におけるトランス,検出装置等の構成を示す説明図である。 第1実施形態のトランスの磁心における角部の断面図である。 第1実施形態におけるトランス,検出装置等の構成の一例を示す説明図である。 媒質の角部を曲がる磁束線についての説明図である。 媒質全体の磁束φに応じて変化する角部の磁束密度や、該角部に設けられた検出巻線の誘導電圧等を示すグラフである。 トランスの1次巻線に矩形波状の電圧が印加された場合における、該トランスの磁心全体の磁束φや、該磁心の角部の磁束密度や、該角部に設けられた検出巻線の誘導電圧の変化を示すグラフである。 トランスの磁心に正方向の偏磁が生じている場合における、該磁心全体の磁束φに応じて変化する該磁心の角部の磁束密度や、該角部に設けられた検出巻線の誘導電圧を示すグラフである。 トランスの磁心に負方向の偏磁が生じている場合における、該磁心全体の磁束φに応じて変化する該磁心の角部の磁束密度や、該角部に設けられた検出巻線の誘導電圧を示すグラフである。 正常時と偏磁発生時とにおける、トランスの磁心の角部に設けられた内周側,外周側検出巻線の誘導電圧Vin,Voutの変化を示す説明図である。 第1実施形態の判定処理1についてのフローチャートである。 第1実施形態の判定処理2についてのフローチャートである。 正常時と偏磁発生時とにおいて、トランスの磁心の角部に設けられた内周側検出巻線の誘導電圧Vinと外周側検出巻線の誘導電圧Voutを比較する比較回路から出力される比較信号についての説明図である。 第1実施形態の判定処理3を実行する検出装置についてのブロック図である。 第1実施形態の判定処理3についてのフローチャートである。 正常時と偏磁発生時とにおける、トランスの磁心の角部に設けられた内周側,外周側検出巻線の誘導電圧Vin,Voutに基づく積分信号についての説明図である。 第1実施形態の判定処理4を実行する検出装置についてのブロック図である。 第1実施形態の判定処理4についてのフローチャートである。 正常時と偏磁発生時とにおける、トランスの磁心の角部に設けられた内周側,外周側検出巻線の誘導電圧Vin,Voutに基づく積分信号についての説明図である。 第1実施形態の判定処理5を実行する検出装置についてのブロック図である。 第1実施形態の判定処理5についてのフローチャートである。 第1実施形態における磁気飽和解消処理1が行われた際のトランスの1次巻線への印加電圧を示すグラフ等である。 第1実施形態における磁気飽和解消処理1が行われた際のトランスの1次巻線への印加電圧を示すグラフ等である。 第1実施形態における磁気飽和解消処理1についてのフローチャートである。 トランスの磁心の角部に設けられた検出巻線の一例を示す説明図である。 トランスの磁心の角部に設けられた検出巻線の一例を示す説明図である。 プレーナトランスの磁心の切欠き部に設けられた検出巻線の一例を示す説明図である。 第2実施形態におけるトランスの磁心の角部に設けられた2重検出巻線を示す説明図である。 第2実施形態におけるトランスの磁心の角部の断面図である。 第2実施形態におけるプレーナトランスに設けられた2重検出巻線を示す説明図である。 第3実施形態におけるリアクトルの構成を示す説明図である。 第3実施形態の判定処理6についてのフローチャートである。 第4実施形態におけるフライバックトランスの構成を示す説明図である。 第4実施形態の判定処理7についてのフローチャートである。 第5実施形態におけるスイッチトリラクタンスモータの構成を示す説明図である。 第5実施形態の判定処理8についてのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
[構成の説明]
まず、第1実施形態の絶縁電源1の構成について説明する。図1に記載されているように、該絶縁電源1は、インバータ回路40と、トランス10と、整流回路30と、トランス10の磁心11の偏磁もしくは磁気飽和を検出する検出装置20とを備える。
インバータ回路40は、パワースイッチング素子等から構成され、直流電源にて生成された直流電圧から、周期的に変化する矩形波状の交流電圧を生成する。
また、トランス10は、インバータ回路40にて生成された交流電圧の振幅を変換するよう構成されており、矩形環状に形成された磁心11と、該交流電圧が印加される1次巻線12と、変換した電圧を出力する2次巻線13とを有する。
磁心11は、中央を貫通する矩形の空洞を有し、該空洞の貫通方向に沿った断面が矩形となっていると共に、90°に屈曲する4つの角部を有し、これらのうちの1つの角部11aの内周側,外周側には、内周側孔部11bと外周側孔部11cが形成されている。なお、磁心11は、例えば、フェライト等から構成されていても良い。
そして、内周側,外周側孔部11b,11cは、角部11aの内周側側面(磁心11の内周側の外面),外周側側面(磁心11の外周側の外面)における稜部を含むA−A断面(後述する不均一断面11d)に沿って、磁心11を上面から下面に貫通する(図2参照)。
また、整流回路30は、ダイオード,インダクタ,コンデンサ等から構成され、トランス10により変換された交流電圧の全波整流を行う。無論、整流回路30の構成は、図1に記載されたものに限らず、各種方式の整流回路を用いることができる。
また、検出装置20は、内周側孔部11bに配置された内周側検出巻線21と、外周側孔部11cに配置された外周側検出巻線22とを備える。
内周側検出巻線21は、内周側孔部11bを貫通した状態で配され、磁心11の内周側側面と内周側孔部11bにより挟まれた不均一断面11dの一部領域11d−1を取り巻く電線により構成されている。また、外周側検出巻線22は、外周側孔部11cを貫通した状態で配され、磁心11の外周側側面と外周側孔部11cにより挟まれた不均一断面11dの一部領域11d−2を取り巻く電線により構成されている。なお、内周側,外周側検出巻線21,22が上記一部領域を周回する回数は、適宜設定される。
また、検出装置20は、内周側,外周側検出巻線21,22に誘導された誘導電圧を増幅する増幅回路21a,22aと、CPU,ROM,RAMを中心に構成され、自装置を統括制御する制御部23を備える。
また、検出装置20には、例えば、インバータ回路40により1次巻線12に入力される交流電圧を減衰する等して生成された電圧信号が入力される。そして、詳細については後述するが、制御部23は、該電圧信号や、内周側,外周側検出巻線21,22に誘導された誘導電圧に基づき、トランス10の磁心11に生じた偏磁を検出する。
また、検出装置20は、磁心11の磁気飽和が一定の水準に達すると、インバータ回路40に対し、1次巻線12への交流電圧の印加を一時的に中止させる中止信号を送信する。
なお、図3に記載されているように、絶縁電源1において、さらに、トランス10の磁心11の外面を、磁心11に形成される磁束と鎖交する状態で周回する基準巻線50を設けると共に、基準巻線50に誘導された誘導電圧を分圧する分圧抵抗51,52を設けても良い。
そして、分圧された誘導電圧(基準誘導電圧)を検出装置20の制御部23に入力し、制御部23は、基準誘導電圧と、内周側,外周側検出巻線21,22に誘導された誘導電圧とに基づき、トランス10の磁心11に生じた偏磁を検出しても良い(詳細は後述する)。
[偏磁の検出方法の概要]
次に、検出装置20にてトランス10の磁心11に生じた偏磁を検出する方法について説明する。
例えば、絶縁電源や絶縁型コンバータ等に用いられるトランスの磁心における角部等では、磁束密度の分布に偏りが生じるが、検出装置20は、これを利用して磁心に発生した偏磁を検出する。
静磁気学によると、透磁率が一定である媒質(磁心)内部において、磁束線の曲率は磁束密度の空間勾配に比例することが知られている。したがって、例えば、大きく屈曲した角部や曲部等を曲がる磁路が形成された場合には、内周側では磁束線の曲率が増大し、極端に大きな磁束密度が発生することになり、このような部位においては、磁路(磁束線)と交差する断面において磁束密度の偏りが生じる。なお、磁路と交差する断面であって、このような磁束密度の偏りが生じる磁心の断面を、不均一断面と記載する。
例えば、図4のように、媒質における角度θの角部100を曲がる磁束線102a〜102dが形成された場合、マックスウェル方程式より、当該部位の内周側の外面における稜部101の近傍に位置する媒質内部の磁束密度Binは、次の式で表される。
Bin∝r^((π/θ)−1)
なお、長さrは稜部101からの距離、θは稜部101の角度、Binは磁束密度である。
上記式は、θがπより大きい場合、稜部101近傍で磁束密度Binが発散することを示している。ただし、これは、媒質の透磁率が一定である場合に生じる現象であり、実際の磁性材料では、磁束密度が飽和磁束密度を超えて過剰に増大すると、磁気飽和が進行して透磁率が低下するため、磁束密度の大きさは有限な値に留まる。
そこで、図5のグラフ110が示すように磁路全体の磁束φが三角波状に変化した場合における、角部100における稜部101近傍の磁束密度Binや、稜部101近傍の外側に位置する媒質内部の領域(外側領域とも記載)の磁束密度Boutについて検討する(なお、この磁束φは、磁路断面全体の平均磁束密度が媒質として用いられている磁性材料の飽和磁束密度を超えない範囲で変化する)。
図5におけるTs期間のように、磁路全体の磁束φの絶対値が十分に小さい場合には、稜部101近傍の磁束密度Binがその周辺に比べて著しく増大しても磁気飽和に至らないため、稜部101近傍では、磁束波形の線形性が保たれる。したがって、グラフ111が示すように、稜部101近傍の磁束密度Binの波形は、Ts期間では、切り立った形状となると考えられる。
一方、Tb期間のように、磁路全体の磁束φの絶対値が十分に大きい場合には、稜部101近傍における磁束密度Binは、磁気飽和の影響を強く受ける。磁束密度Binが飽和磁束密度を越えると、媒質の透磁率が低下するため、稜部101近傍を通る磁束に対する磁気抵抗が増大し、これにより、稜部101近傍へのさらなる磁束の集中が緩和される。その結果、グラフ111が示すように、Tb期間では、稜部101近傍の磁束密度Binの時間勾配が抑制される。
これに対し、外側領域では、Ts期間においては、磁束は主に稜部101近傍を通過するため、磁束の時間勾配が小さくなる。その後、Tb期間に移行し、稜部101近傍を通過する磁束が抑制されるようになると、外側領域を通過する磁束が増え、磁束の時間勾配が大きくなり、その結果、外側領域における磁束密度Boutは、グラフ112が示すように変化する。
そこで、稜部101近傍の部分を磁束と鎖交する状態で取り巻く検出巻線を設けると、該検出巻線に誘導される電圧Vinは、磁束密度Binの時間勾配(単位時間当たりの変化度合い)に比例したものとなるため、グラフ113が示す波形となる。また、外側領域の部分を磁束と鎖交した状態で取り巻く検出巻線を設けた場合には、該検出巻線に誘導される電圧Voutは、同様の理由により、グラフ114が示す波形となる。
したがって、このような検出巻線に誘導された電圧を測定することで、磁心に生じている磁束が十分に小さい期間(Ts期間)であるか、十分に大きい期間(Tb期間)であるかを判別することができる。
このような知見に基づく偏磁の検出方法について具体的に考察するため、検出巻線の誘導電圧と磁束密度との関係を考える。検出巻線に囲まれた不均一断面の一部領域に交差する磁束をλ、不均一断面全体の磁束をφ、時間をtとする。検出巻線の誘導電圧Vdは、λの時間勾配に応じた値となり、また、λはφによって一意に決定されるため、Vdは、次式により表される(ここでは、ヒステリシスや漏洩磁束の影響を無視する)。
Vd=dλ/dt=(dλ/dφ)*dφ/dt=(dλ/dφ)*Vcoil
ここで、Vcoilは、トランス等として構成された媒質(磁心)の1次巻線(もしくは2次巻線)に印可される電圧である。
また、dλ/dφは、磁束φのみを変数とする関数であるため、検出巻線の誘導電圧Vdと1次巻線への印加電圧Vcoilの比を求めることで、磁束φの値を算出することができる。しかし、例えば、1次巻線への印加電圧の振幅が一定である絶縁型コンバータの場合には、Vcoilを絶対値が一定とみなすことができ、検出巻線の誘導電圧Vdの絶対値に磁束φが反映されることになる。
そこで、第1実施形態の絶縁電源1の内周側検出巻線21に誘導された内周側誘導電圧Vinと、外周側検出巻線22に誘導された外周側誘導電圧Voutと、磁心11の偏磁の状態との関係を考察する。
偏磁が発生していない場合、磁心11の1次巻線12に印加される交流電圧V1が、図6のグラフ120が示すように矩形波状に変化したとする。このとき、磁心11の全体断面である不均一断面11dの磁束φ,内周側検出巻線21により囲まれる内周側の一部領域11d−1の磁束φin,外周側検出巻線22により囲まれる外周側の一部領域11d−2の磁束φoutは、それぞれ、グラフ121〜123のように変化する。そして、各誘導電圧Vin,Voutはグラフ124,125が示すように変化し、1次巻線12の印加電圧V1が0でない各電圧印加期間においては、これらの誘導電圧波形が左右対称となる。
なお、内周側誘導電圧Vinは外周側誘導電圧Voutよりも絶対値が大きく、グラフ124,125では、VinとVoutは異なるスケールとなっている。また、電圧印加期間において内周側誘導電圧Vinの絶対値が最大値付近となる期間を最大期間124a〜124cとすると共に、電圧印加期間において外周側誘導電圧Voutの絶対値が最低値付近となる期間を最小期間125a〜125cとする。
そして、図7のグラフ130〜132が示すように、偏磁が発生して全体断面の磁束φが正方向に偏っている場合には、電圧印加期間における各誘導電圧Vin,Voutの電圧波形の対称性が崩れる。内周側誘導電圧Vinについては、電圧値が正の場合には最大期間131a,131cの到来時期が早くなり、電圧値が負の場合には最大期間131bの到来時期が遅くなる。一方、外周側誘導電圧Voutについては、電圧値が正の場合には最小期間132a,132cの到来時期が早くなり、電圧値が負の場合には最小期間132bの到来時期が遅くなる。
無論、図8のグラフ140〜142が示すように、偏磁が発生して全体断面の磁束φが負方向に偏っている場合においても、電圧印加期間における各誘導電圧Vin,Voutの電圧波形の対称性が崩れる。そして、内周側誘導電圧Vinについては、電圧値が正の場合には最大期間141a,141cの到来時期が遅くなり、電圧値が負の場合には最大期間141bの到来時期が早くなる。一方、外周側誘導電圧Voutについては、電圧値が正の場合には最小期間142a,142cの到来時期が遅くなり、電圧値が負の場合には最小期間142bの到来時期が早くなる。
検出装置20は、このような電圧印加期間における誘導電圧の歪みに基づき、磁心11に生じた偏磁を検出する。
なお、偏磁が発生した際、各誘導電圧の最大期間や最小期間がどちらの方向に偏るかは、1次巻線12と内周側,外周側検出巻線21,22の磁気結合の極性によって決定される。また、偏磁が発生する方向が異なれば、最大期間等が偏る方向も異なるため、該方向を検出することで、偏磁の極性を判定することができる。
また、以後、1次巻線12に正の電圧が印加された場合に磁心11に磁束が生じる方向を正方向、負の電圧が印加された場合に磁心11に磁束が生じる方向を負方向として説明を行う。また、1次巻線12に印加される電圧の変化に応じて、上述したパターンで磁心11に生じる磁束φ,φin,φoutや、内周側,外周側誘導電圧Vin,Voutが変化するものとして説明を行う。
しかし、これに限定されることは無く、1次巻線12や内周側,外周側検出巻線21,22の磁気結合の極性によって、磁心11に磁束が生じる方向や、各誘導電圧の極性が変化することは言うまでも無い。
[偏磁の検出方法の詳細]
次に、検出装置20におけるトランス10の磁心11の偏磁検出方法について、具体的に説明する。
<判定処理1>
まず、1次巻線12に対する電圧印加期間における所定のタイミングで、内周側,外周側誘導電圧と閾値とを比較することで、磁心11の偏磁を検出する判定処理1について説明する。
図9に記載されているように、一例として1次巻線12への正の電圧印加期間の終了直前のタイミングTendでは、磁心11に負方向への偏磁が生じている場合には、偏磁が生じていない正常時に比べ、内周側誘導電圧Vinが増加すると共に、外周側誘導電圧Voutが減少する。反対に、正方向への偏磁が生じている場合には、タイミングTendでは、正常時に比べ、内周側誘導電圧Vinが減少すると共に、外周側誘導電圧Voutが増加する。
そこで、内周側誘導電圧Vinを測定対象とする場合であれば、正常時のタイミングTendにおける内周側誘導電圧Vinに基づき閾値Vth1,Vth2を設定する。そして、制御部23は、タイミングTendにおいて、内周側誘導電圧Vinが閾値Vth1を上回る場合、磁心11に負方向の偏磁が生じていると判定し、閾値Vth2を下回る場合、磁心11に正方向の偏磁が生じていると判定する。
一方、外周側誘導電圧Voutを測定対象とする場合も同様に、正常時のタイミングTendにおける外周側誘導電圧Voutに基づき閾値Vth3,Vth4を設定する。そして、制御部23は、タイミングTendにおいて、外周側誘導電圧Voutが閾値Vth3を下回る場合、磁心11に負方向の偏磁が生じていると判定し、閾値Vth4を上回る場合、磁心11に正方向の偏磁が生じていると判定する。
このほかにも、一例として1次巻線12への正の電圧印加期間の開始直後のタイミングTstaにおいて、磁心11に負方向への偏磁が生じている場合には、正常時に比べ、内周側誘導電圧Vinが減少すると共に、外周側誘導電圧Voutが増加する。また、磁心11に正方向への偏磁が生じている場合には、タイミングTstaにおいて、正常時に比べ、内周側誘導電圧Vinが増加すると共に、外周側誘導電圧Voutが減少する。
このため、正常時のタイミングTstaにおける内周側誘導電圧Vinや外周側誘導電圧Voutに基づき閾値を設定し、タイミングTstaにおいて、内周側,外周側誘導電圧Vin,Voutと閾値を比較することで、偏磁が生じているか否かや、偏磁の方向を検出しても良い。
無論、上記タイミングTsta,Tendに限らず、1次巻線12への正或いは負の電圧印加開始後、一定期間が経過した時点のタイミングにて、同様の方法で偏磁が生じているか否かや偏磁の方向を検出しても良い。
次に、判定処理1について、図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S200では、検出装置20の制御部23は、インバータ回路40から入力された電圧信号に基づき、上記比較を行う測定タイミングが到来したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S200:Yes)、S205に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S200:No)、本処理を終了する。
S205では、制御部23は、内周側或いは外周側誘導電圧を測定する。そして、制御部23は、測定結果と閾値との比較結果に基づき磁心11に偏磁が生じているか否かを判定し、偏磁が生じていると判定した場合には、1次巻線12に印加されている電圧の極性や、誘導電圧の極性等に基づき偏磁が生じている方向(偏磁方向)を検出し(S210)、本処理を終了する。
このような判定処理1を行うことで、磁心11の偏磁や偏磁の方向を確実に検出することができる。
また、正弦波状或いは三角波状に変化する電圧が1次巻線12に印加される場合であっても、同様にして、予め定められた測定タイミングにおける正常時の内周側或いは外周側誘導電圧に基づき、閾値を設定しても良い。そして、制御部23は、測定タイミングにおいて内周側或いは外周側誘導電圧を測定し、測定値と閾値とを比較することで、偏磁の検出や偏磁方向の検出を行っても良い。
なお、上記閾値は、インバータ回路40により1次巻線12に印加される交流電圧の振幅に応じた値となるが、該振幅が固定されている場合であれば、閾値を予め定めておき、制御部23のROM等に保存しておいても良い。
一方、該振幅が変動する場合であれば、制御部23は、判定処理1のS205において、インバータ回路40からの電圧信号に基づき該振幅を算出すると共に、算出結果に基づき閾値を設定し、S210において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値と該閾値とを比較することで、偏磁の検出等を行っても良い。
このほかにも、制御部23は、S205において電圧信号に基づき該振幅を算出すると共に、S210において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を振幅で除算し(規格化し)、規格化した測定値と予め定められた閾値とを比較することで、偏磁の検出等を行っても良い。
こうすることにより、偏磁の検出等を適切に行うことができる。
しかし、1次巻線12から磁心11内を通らずに漏洩する磁束が大きい場合には、1次巻線12の印加電圧が、磁心11を通過する全磁束量φの時間勾配dφ/dtに十分に反映されなくなる。このため、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅に基づき閾値を算出したり、該振幅で内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を規格化しても、偏磁の検出等を適切に行うことができなくなるおそれがある。
これに対し、絶縁電源1に基準巻線50が設けられている場合(図3参照)であれば、基準巻線50の誘導電圧には、1次巻線12の漏洩磁束が大きくても磁心11を通過する全磁束量φの時間勾配dφ/dtが反映される。このため、正常時の内周側或いは外周側誘導電圧に基づき定められる上記閾値は、基準巻線50に誘導された基準誘導電圧に応じた値となる。
このため、該振幅が変動する場合、制御部23は、判定処理1のS205において基準誘導電圧をさらに測定すると共に、測定結果に基づき閾値を設定し、S210において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値と該閾値とを比較することで、偏磁の検出等を行っても良い。
このほかにも、制御部23は、S205において基準誘導電圧をさらに測定すると共に、S210において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を基準誘導電圧で規格化し、規格化した測定値と予め定められた閾値とを比較することで、偏磁の検出等を行っても良い。
こうすることにより、磁束漏洩が大きい場合であっても、偏磁の検出等を適切に行うことができる。また、インバータ回路40から検出装置20に電圧信号を入力する必要が無くなるため、絶縁電源1の構成を簡素化することが可能となる。
<判定処理2>
次に、1次巻線12に対する電圧印加期間の開始直後と終了直前とにおいて測定された2つの内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)を比較することで、磁心11の偏磁を検出する判定処理2について説明する。
上述したように、正常時には、電圧印加期間における内周側,外周側誘導電圧の波形は対称性を有しており、電圧印加期間の開始直後のタイミングTstaと終了直前のタイミングTendでは、各誘導電圧の値が一致する(図9参照)。
しかし、磁心11に偏磁が生じている場合には、該対称性が損なわれ、タイミングTstaとTendとでは、各誘導電圧が異なるものとなる。そこで、制御部23は、これらのタイミングで内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)を測定し、測定結果の差分が所定値以上である場合には、磁心11に偏磁が生じていると判定する。
なお、制御部23は、各タイミングにおける誘導電圧の測定結果の大小関係により、正方向と負方向のどちらの偏磁が生じているかを判定しても良い。具体的には、例えば、内周側誘導電圧を測定対象とする場合であれば、タイミングTstaにおける測定値が、タイミングTendにおける測定値よりも小さい場合には、磁心11には、負方向の偏磁が生じていることになる。反対に、タイミングTstaにおける測定値が、タイミングTendにおける測定値よりも大きい場合には、磁心11には、正方向の偏磁が生じていることになる。
次に、判定処理2について、図11に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S250では、検出装置20の制御部23は、インバータ回路40から入力された電圧信号に基づき、電圧印加期間の開始直後のタイミングTsta、或いは、終了直前のタイミングTendが到来したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S250:Yes)、S255に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S250:No)、本処理を終了する。
なお、上述した基準巻線50が設けられている場合であれば、制御部23は、基準巻線50に誘導された基準誘導電圧の立ち上がりからの時間経過に基づき、タイミングTsta,Tendの到来を判定しても良い。
S255では、制御部23は、内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)を測定すると共に、タイミングTendにおける測定か否かを判定する(S260)。そして、肯定判定が得られた場合には(S260:Yes)、S265に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S260:No)、本処理を終了する。
S265では、制御部23は、直前のタイミングTsta,Tendにおける内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)の測定結果を比較する。続くS270では、制御部23は、比較結果に基づき磁心11に偏磁が生じているか否かを判定すると共に、偏磁が生じていると判定した場合、各タイミングにおける測定結果の大小関係や、測定対象となった誘導電圧に基づき偏磁方向を検出し、本処理を終了する。
このような判定方法であれば、判定処理1のような閾値が不要となり、より容易に偏磁を検出することができる。また、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅が変動する場合であっても、容易に偏磁を検出することができる。
<判定処理3>
次に、内周側誘導電圧と外周側誘導電圧との比較結果の時間的偏りに基づき、磁心11の偏磁を検出する判定処理3について説明する。
上述したように、正常時には、電圧印加期間における内周側,外周側誘導電圧の波形は対称性を有する。また、内周側誘導電圧は、電圧印加期間の開始時と終了時の絶対値が低く、中盤に絶対値が高くなるが、これとは反対に、外周側誘導電圧は、電圧印加期間の開始時と終了時の絶対値が高く、中盤に絶対値が低くなる。
そこで、外周側誘導電圧Voutと内周側誘導電圧Vinのレベルを適切に調整した状態で、比較回路等を用いてこれらの誘導電圧を比較したとする。このとき、正常時には、正の電圧印加期間の開始時点からの一定期間にわたり、外周側誘導電圧Voutが内周側誘導電圧Vinよりも高い判定用期間Th1が出現すると共に、正の電圧印加期間の終了時点にかけての一定期間にわたり同様の判定用期間Th2が出現し、これらの判定用期間の長さは同じになる(図12参照)。
これに対し、磁心11に偏磁が生じている場合には、電圧印加期間における内周側,外周側誘導電圧Vin,Voutの波形の対称性が失われる。そして、正方向の偏磁が生じている場合には、正の電圧印加期間においては、判定用期間Th2が判定用期間Th1よりも長くなり、負方向の偏磁が生じている場合には、判定用期間Th1が判定用期間Th2よりも長くなる。判定処理3では、これらの判定用期間の長さを比較することで偏磁が検出され、さらに、どちらの判定用期間が長いかにより、偏磁の方向が検出される。
このため、判定処理3を行う検出装置20は、増幅回路21a,22aを介して内周側,外周側誘導電圧が入力される比較回路24をさらに備える(図13参照)。該比較回路24は、これらの誘導電圧を比較し、制御部23に対し、比較結果を示す比較信号を出力する。
なお、負の電圧印加期間については、正の電圧印加期間とは誘導電圧の極性が反転するため、負の電圧印加期間の開始時点からの一定期間や、負の電圧印加期間の終了時点にかけての一定期間にわたり、外周側誘導電圧Voutが内周側誘導電圧Vinよりも低い判定用期間Th1,Th2が出現することになる。そして、同様にしてこれらの判定用期間の長さを比較することで、偏磁の検出等を行うことができる。
また、各検出巻線が一部領域を周回する回数にもよるが、一般的に、外周側誘導電圧Voutは内周側誘導電圧Vinよりも絶対値が低くなる。このため、各検出巻線に対応する増幅回路21a,22aを調整し、内周側誘導電圧Vinの増幅率よりも外周側誘導電圧Voutの増幅率を高くした状態で、これらの誘導電圧が比較回路24に入力される。無論、増幅回路21aに替えて内周側検出巻線21に対応する減衰回路を設け、内周側誘導電圧Vinを減衰させることで、各誘導電圧のレベルを調整しても良い。
次に、判定処理3について、図14に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S300では、検出装置20の制御部23は、比較回路24からの比較信号に基づき、内周側,外周側誘導電圧の比較結果に変化があったか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S300:No)、本処理を終了する。
S305では、制御部23は、比較信号に基づき、内周側誘導電圧よりも外周側誘導電圧の方が高いか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S305:Yes)、S310に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S305:No)、S315に処理を移行する。
S310では、制御部23は、内周側誘導電圧よりも外周側誘導電圧の絶対値の方が高い判定用期間の継続時間の計測を開始し、本処理を終了する。
一方、S315では、制御部23は、判定用期間の継続時間の計測を終了すると共に、該継続時間を保存し、S320に処理を移行する。
S320では、制御部23は、インバータ回路40からの電圧信号に基づき、正の電圧印加期間の終了直後のタイミングか否かを判定する。無論、トランス10の磁心11に上述した基準巻線50が設けられている場合には、基準誘導電圧に基づき該判定を行っても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S320:Yes)、S325に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S320:No)、本処理を終了する。
S325では、制御部23は、今回計測が完了した判定用期間(電圧印加期間の終了直前の判定用期間Th2)と、前回の判定用期間(電圧印加期間の開始直後の判定用期間Th1)の継続時間を比較する。そして、制御部23は、これらの継続時間の差分が所定値以上である場合には、偏磁が生じていると判定すると共に、どちらの判定用期間が長いかにより偏磁方向を検出し(S330)、本処理を終了する。
なお、制御部23は、内周側,外周側誘導電圧をそれぞれADコンバータにより測定すると共に、これら測定結果を比較し、比較信号に替えて、該比較結果に基づき判定処理3を実行しても良い。
このような判定方法であれば、外周側誘導電圧と内周側誘導電圧の双方の変化に基づき偏磁を検出することができるため、偏磁を検出する感度を高めることができる。
また、比較回路24を用いて誘導電圧の比較を行った場合には、制御部23にてADコンバータを使用すること無く偏磁を検出することができ、制御部23のハードウェアリソースを節約することができる。
さらに、判定方法1のような閾値が不要となり、より容易に偏磁を検出することができると共に、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅が変動する場合であっても、容易に偏磁を検出することができる。
<判定処理4>
次に、内周側誘導電圧や外周側誘導電圧の積分結果に基づき磁心11の偏磁を検出する判定処理4について説明する。
上述したように、正常時は、電圧印加期間における内周側,外周側誘導電圧Vin,Voutの波形は対称性を有するが、磁心11に偏磁が生じている場合には該対称性が損なわれる。
そこで、1次巻線12への電圧印加期間を前半期間と後半期間に2等分すると共に、前半期間を、誘導電圧の極性を反転させない非反転期間とすると共に、後半期間を、誘導電圧の極性を反転させる反転期間とする。そして、非反転期間においては、極性を反転させていない誘導電圧から形成される信号を積分回路に入力すると共に、反転期間においては、該信号に替えて、極性が反転された誘導電圧から形成される信号を該積分回路に入力したとする。
このような場合、正常時には、電圧印加期間終了時において積分回路にて生成される積分信号は0Vとなるが、偏磁が生じている場合には、該積分信号は0Vにはならない。具体的には、例えば、積分回路に内周側誘導電圧が入力される場合であれば、正方向の偏磁が生じていれば、電圧印加期間終了時における積分信号は正の値となるが、負方向の偏磁が生じていれば、電圧印加期間終了時における積分信号は負の値となる(図15参照)。
判定処理4では、この点を利用して磁心11の偏磁を検出すると共に、偏磁方向を検出する。
そして、図16に記載されているように、判定処理4を行う検出装置20は、さらに、オペアンプ等から構成される反転回路25と、積分回路26とを備える。
反転回路25は、増幅回路21a,22aを介して内周側誘導電圧或いは外周側誘導電圧が入力され、制御部23からの指示に応じて該誘導電圧の極性を反転させる。
また、積分回路26には、内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)、或いは、反転回路25による反転がなされた内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)が入力され、入力された誘導電圧により形成される信号の積分が行われる。
次に、判定処理4について、図17に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S350では、検出装置20の制御部23は、インバータ回路40から入力された電圧信号に基づき、電圧印加期間が開始されたか否かを判定する。無論、トランス10の磁心11に上述した基準巻線50が設けられている場合には、基準誘導電圧に基づき該判定を行っても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S350:Yes)、S355に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S350:No)、S360に処理を移行する。
S355では、制御部23は、電圧印加期間開始後の経過時間の計測を開始し、本処理を終了する。
一方、S360では、制御部23は、該経過時間に基づき、電圧印加期間の後半期間が開始されたか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S360:Yes)、S365に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S360:No)、S370に処理を移行する。
S365では、制御部23は、内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)の極性の反転が行われるよう反転回路25の設定を行い、本処理を終了する。
一方、S370では、制御部23は、インバータ回路40からの電圧信号(或いは、基準巻線50に誘導された基準誘導電圧)に基づき、電圧印加期間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S370:Yes)、S375に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S370:No)、本処理を移行する。
S375では、制御部23は、積分回路26にて生成された積分信号を測定し、該測定値が0付近でない場合には、偏磁が生じていると判定すると共に、測定値の極性に応じて偏磁方向を検出する(S380)。
続くS385では、制御部23は、内周側誘導電圧等の極性の反転が行われないよう反転回路25の設定を行い、本処理を終了する。
このような判定方法であれば、内周側誘導電圧等の積分結果が用いられるため、内周側誘導電圧等にインバータ回路40等によるノイズが重畳した場合であっても、ノイズの影響を抑えつつ磁心11に生じた偏磁を検出することができる。
また、制御部23にてADコンバータを使用すること無く偏磁を検出することができ、制御部23のハードウェアリソースを節約することができる。
さらに、判定方法1のような閾値が不要となり、より容易に偏磁を検出することができると共に、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅が変動する場合であっても、容易に偏磁を検出することができる。
なお、検出装置20は、次のようにして、反転回路25や積分回路26を用いること無く、判定処理4を行っても良い。
すなわち、増幅回路21a,22aを介して制御部23に内周側,外周側誘導電圧が検出装置20の制御部23に入力される構成とする。そして、制御部23は、内周側,外周側誘導電圧を周期的にサンプリングし、非極性反転期間においては、電圧値に基づき被積分値を算出すると共に、極性反転期間においては、電圧値を反転した値に基づき被積分値を算出する。さらに、これらの期間における被積分値を加算し、該加算値が0付近であれば、磁心11に偏磁が生じていないと判定し、そうでない場合には、偏磁が生じていると判定する。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、1次巻線12から磁心11を通らずに漏洩する磁束が多い場合には、1次巻線の一定の電圧を印加していても、電圧印加期間の開始時点と終了時点で磁心11を通過する全磁束量φの時間勾配dφ/dtが一致しないことがある。
このような場合には、内周側誘導電圧や外周側誘導電圧を基準電圧で割った規格化誘導電圧を内周側・外周側誘導電圧の代わりに用いることにより、誤判別の発生を好適に抑制することができる。
また、電圧印加期間の間、1次巻線の印加電圧が一定とみなせないために内周側誘導電圧や外周側誘導電圧の対称性が失われる場合には、上述と同様にこれらの誘導電圧の代わりに基準誘導電圧で規格化した誘導電圧を用いることができる他、1次巻線の印加電圧で規格化した誘導電圧を用いても良い。
<判定処理5>
次に、判定処理4と同じく、内周側誘導電圧や外周側誘導電圧の積分結果に基づき磁心11の偏磁を検出する判定処理5について説明する。
上述したように、正常時は、電圧印加期間における内周側,外周側誘導電圧Vin,Voutの波形は対称性を有するが、磁心11に偏磁が生じている場合には該対称性が損なわれる。
ここで、インバータ回路40により1次巻線12に印加される交流電圧の正及び負の電圧印加期間や、正及び負の振幅が一定であり、且つ、正の振幅と負の振幅が略同一(或いは同一)であるとする。このとき、積分して得た波形から直流成分を取り除くものとすると、正常時には、内周側誘導電圧Vinや外周側誘導電圧Voutの積分値の最大値Vmaxの絶対値と最小値Vminの絶対値は同一となるが、偏磁が生じている場合には、これらの絶対値は同一にはならない(図18参照)。判定処理5では、この点を利用して磁心11の偏磁を検出する。
このため、判定処理5を行う検出装置20は、制御部23からの指示に応じて、内周側誘導電圧或いは外周側誘導電圧により形成される信号の積分を行う積分回路26をさらに備える(図19参照)。そして、積分回路26により生成された内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)の積分信号が測定され、測定値の最大値と最小値が特定されると共に、これらを比較することで、磁心11に生じた偏磁が検出される。なお、積分回路26は、積分すると同時に積分結果の波形から直流成分も取り除く機能も具有するものとする。
次に、判定処理5について、図20に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S400では、制御部23は、積分回路26により生成された内周側誘導電圧(或いは外周側誘導電圧)の積分信号を測定し、測定値を保存する(S405)。
続くS410では、制御部23は、今回の積分信号の測定値と、前回の積分信号の測定値を比較し、積分信号の極性が変化したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S410:Yes)、S415に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S410:No)、本処理を終了する。
ここで、積分信号が同一の極性に維持される期間を、極性維持期間とする。S415では、制御部23は、積分信号の極性が反転する前までの極性維持期間における積分信号の測定値のうち、絶対値が最も大きい最大測定値を特定し、S420に処理を移行する。
S420では、制御部23は、前回極性が反転した際に特定された最大測定値の絶対値と、今回新たに特定された最大測定値の絶対値を比較すると共に、これらの絶対値が同一或いは略同一でない場合には、偏磁が生じていると判定し(S425)、本処理を終了する。なお、制御部23は、これらの絶対値の大小関係に基づき、偏磁が生じている方向を判定しても良い。
このような判定方法であれば、内周側誘導電圧等の積分結果が用いられるため、内周側誘導電圧等にインバータ回路40等によるノイズが重畳した場合であっても、ノイズの影響を抑えつつ磁心11に生じた偏磁を検出することができる。
さらに、判定方法1のような閾値が不要となり、より容易に偏磁を検出することができると共に、電圧印加期間中は1次巻線12に印加される電圧値が一定値に維持されるが、何らかの要因により該電圧値が変動するような場合であっても、容易に偏磁を検出することができる。
なお、検出装置20は、次のようにして、積分回路26を用いること無く、判定処理5を行っても良い。
すなわち、検出装置20を、増幅回路21a,22aを介して制御部23に内周側,外周側誘導電圧が入力される構成とする。そして、制御部23は、内周側,外周側誘導電圧を周期的にサンプリングすると共に、積分値を算出し、積分結果の波形からその直流成分を取り除く処理を行う。そして、制御部23は、その結果として得た積分信号の測定値に替えて、算出した積分値を用いて判定処理5と同様にして偏磁の有無を判定する。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
また、前述の判定処理4と同様に1次巻線12の漏洩磁束が大きい場合には、偏磁が発生しなくても内周側誘導電圧や外周側誘導電圧の対称性が失われる恐れがある。
そのような場合には内周側誘導電圧や外周側誘導電圧を基準誘導電圧で割った規格化誘導電圧を用いることにより、判定処理5の誤判別を好適に抑制することができる。
あるいは、電圧印加期間の間、印加電圧が一定とみなせないために、内周側誘導電圧や外周側誘導電圧の対称性が失われる場合には、これらの誘導電圧に替えて基準誘導電圧で規格化した電圧を用いても良いほか、1次巻線の印加電圧で規格化した電圧を用いても良い。
<磁気飽和解消処理1について>
既に述べたように、判定処理1〜5により磁心11に生じた偏磁が検出されると共に、偏磁方向が検出されるが、偏磁が生じている場合、偏磁方向に磁束が生じるように1次巻線12に電圧が印加されると、磁気飽和が生じ易くなる。そして、磁気飽和が生じた結果、損失が増加したり、巻線に過大な励磁電流が発生するおそれがある。
判定処理1〜5によって偏磁方向が検出されると、制御部23はインバータ40を適切に制御することにより、1次巻線40の正の電圧印加期間と負の電圧印加期間を調整する。
正に偏磁した場合には正の電圧印加期間に比べて負の電圧期間を大きくすることにより偏磁状態を解消することができる。逆に、負偏磁した場合には負の電圧印加期間に比べて正の電圧印加期間を大きくすることにより偏磁状態を解消することができる。
以上は、偏磁状態の検出に基づいて、その判定結果を基に偏磁を解消する制御である。しかし、本発明を応用することで、直接的に偏磁の状態を判定する処理を行わずとも、偏磁に伴って発生する磁気飽和を検出し、その判定結果を基に磁気飽和を回避する制御を行うことができる。以降では、磁気飽和の検出と、磁気飽和を回避する制御について詳細を説明する。
この制御において、検出装置20は、偏磁方向に磁束が生じるように1次巻線12に電圧が印加されている場合、磁心11における磁気飽和の度合いが一定の水準に達すると、インバータ回路40に中止信号を送信し、1次巻線12に対する電圧の印加を一時的に中止させる。
具体的には、図21に記載のグラフ150は、正方向の偏磁が生じている場合の磁心11の磁束φの変化を示していると共に、グラフ151,152は、磁束φがグラフ150に従って変化した場合の内周側誘導電圧Vin,外周側誘導電圧Voutを示している。このような場合、グラフ151における期間151aや、グラフ152における期間152aでは、偏磁方向(正方向)に磁束が生じる方向に1次巻線12に電圧が印加された結果、磁心11に過大な磁気飽和が生じているおそれがある。
また、図22に記載のグラフ160は、負方向の偏磁が生じている場合の磁心11の磁束φの変化を示していると共に、グラフ161,162は、磁束φがグラフ160に従って変化した場合の内周側誘導電圧Vin,外周側誘導電圧Voutを示している。このような場合、グラフ161における期間161aや、グラフ162における期間162aでは、偏磁方向(負方向)に磁束が生じる方向に1次巻線12に電圧が印加された結果、磁心11に過大な磁気飽和が生じているおそれがある。
そこで、検出装置20は、内周側誘導電圧Vinの絶対値が漸次減少し、その結果、該絶対値が所定の閾値を下回った場合や、外周側誘導電圧Voutの絶対値が漸次増加し、その結果、該絶対値が所定の閾値を上回った場合には、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したとみなす。そして、検出装置20は、インバータ回路40に中止信号を送信し、1次巻線12に対する現在の極性の電圧の印加を中止させる。
中止信号を受信したインバータ回路40は、現在の極性の電圧を1次巻線12に印加する電圧印加期間が終了するまでの期間、1次巻線12への電圧の印加を中止し、該期間中は、1次巻線12の電位が0Vとなる(グラフ153,163参照)。
次に、上述した磁気飽和の解消を行う磁気飽和解消処理1について、図23に記載のフローチャートを用いて詳しく説明する。なお、本処理は、検出装置20の制御部23にて周期的に実行される。
S450では、検出装置20の制御部23は、内周側誘導電圧を測定し、S455に処理を移行する。なお、制御部23は、内周側誘導電圧に替えて外周側誘導電圧を測定しても良い。
S455では、制御部23は、今回の内周側誘導電圧の測定結果と過去の内周側誘導電圧の測定結果とに基づき、内周側誘導電圧の絶対値が0でない値となった後、所定期間にわたり、該絶対値が漸次減少しているか否かを判定する(なお、内周側誘導電圧に替えて外周側誘導電圧を測定する場合であれば、制御部23は、今回及び過去の外周側誘導電圧の測定結果に基づき、外周側誘導電圧の絶対値が0でない値となった後、所定期間にわたり、該絶対値が漸次増加しているか否かを判定する)。
そして、制御部23は、肯定判定が得られた場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S455:No)、本処理を終了する。
S460では、制御部23は、今回測定した内周側誘導電圧の絶対値が、予め定められた閾値を下回るか否かを判定する(なお、内周側誘導電圧に替えて外周側誘導電圧を測定する場合であれば、制御部23は、今回測定した外周側誘導電圧の絶対値が、予め定められた閾値を上回るか否かを判定する)。そして、肯定判定が得られた場合には(S460:Yes)、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したとみなし、S465に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S460:No)、本処理を終了する。
S465では、制御部23は、インバータ回路40に中止信号を出力し、本処理を終了する。
このような構成によれば、磁心11に過大な磁気飽和が生じ、損失が増加したり、巻線に過大な励磁電流が発生することを防ぐことができる。
<磁気飽和解消処理1の変形例について>
次に、磁気飽和解消処理1の変形例について説明する。
上述した磁気飽和解消処理1では、内周側誘導電圧の絶対値が漸次減少するか否か(或いは、外周側誘導電圧の絶対値が漸次増加するか否か)を判定した上で、内周側或いは外周側誘導電圧の絶対値と閾値とを比較し、比較結果に基づき過大な磁気飽和が生じているか否かを判定している。
しかし、検出装置20の制御部23は、上述した判定処理1〜5を備えた上で、その結果に基づき偏磁方向を特定すると共に、内周側或いは外周側誘導電圧に基づき、偏磁方向の磁束が生じる方向に1次巻線12に電圧が印加されているかを判定しても良い。
そして、肯定判定が得られた場合には、内周側誘導電圧の絶対値が閾値を下回った時点や、外周側誘導電圧の絶対値が閾値を上回った時点で、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したと判定し、インバータ回路40に中止信号を送信しても良い。
このような場合であっても、磁心11に過大な磁気飽和が生じ、損失が増加したり、巻線に過大な励磁電流が発生することを防ぐことができる。
また、磁気飽和解消処理1や該変形例における閾値は、インバータ回路40により1次巻線12に印加される交流電圧の振幅に応じた値となるが、該振幅が固定されている場合であれば、閾値を予め定めておき、制御部23のROM等に保存しておいても良い。
一方、該振幅が変動する場合であれば、制御部23は、磁気飽和解消処理1のS450において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定を行う際に、インバータ回路40からの電圧信号に基づき該振幅を算出すると共に、算出結果に基づき閾値を設定しても良い。そして、制御部23は、S460において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値と該閾値とを比較することで、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したことを検出しても良い。
このほかにも、制御部23は、S450において電圧信号に基づき該振幅を算出すると共に、S460において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を振幅で規格化し、規格化した測定値と予め定められた閾値とを比較することで、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したことを検出しても良い。
こうすることにより、偏磁の検出等を適切に行うことができる。
しかし、磁心11を通らずに1次巻線12から漏洩する磁束が大きい場合には、1次巻線12の印加電圧が、磁心11を通過する全磁束量φの時間勾配dφ/dtに十分に反映されなくなる。このため、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅に基づき閾値を算出したり、該振幅で内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を規格化しても、過大な磁気飽和の検出を適切に行うことができなくなるおそれがある。
これに対し、絶縁電源1に基準巻線50が設けられている場合(図3参照)であれば、基準巻線50の誘導電圧には、1次巻線12の漏洩磁束が大きくても磁心11を通過する全磁束量φの時間勾配dφ/dtが反映される。このため、正常時の内周側或いは外周側誘導電圧に基づき定められる上記閾値は、基準巻線50に誘導された基準誘導電圧に応じた値となる。
このため、該振幅が変動する場合であれば、制御部23は、磁気飽和解消処理1のS450において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定を行う際に、基準誘導電圧をさらに測定すると共に、測定結果に基づき閾値を設定しても良い。そして、制御部23は、S460において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値と該閾値とを比較することで、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したことを検出しても良い。
このほかにも、制御部23は、S450において基準誘導電圧をさらに測定すると共に、S460において、内周側或いは外周側誘導電圧の測定値を基準誘導電圧で規格化し、規格化した測定値と予め定められた閾値とを比較することで、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したことを検出しても良い。
こうすることにより、磁束漏洩が大きい場合であっても、過大な磁気飽和の検出を適切に行うことができる。また、インバータ回路40から検出装置20に電圧信号を入力する必要が無くなるため、絶縁電源1の構成を簡素化することが可能となる。
[角部の形状について]
次に、トランス10の磁心11の角部11aについて詳しく説明する。
既に述べたように、大きく屈曲する磁心の角部や曲部では、磁束と交差する断面の磁束密度の偏りが大きくなるが、第1実施形態では、検出巻線が設けられる磁心11の角部11aは、90°に屈曲している。このため、当該部位における不均一断面の磁束密度の偏りを大きくすることができ、磁気飽和の影響が検出巻線の誘導電圧に顕著に現れるようになり、誘導電圧に基づく偏磁の検出がより容易となる。
なお、角部11aの屈曲する角度をさらに小さくすると、当該部位における不均一断面の磁束密度の偏りがさらに大きくなるため、誘導電圧に基づく偏磁の検出がより容易となる。偏磁の検出を精度良く行うためには、第1実施形態のように、角部11aの屈曲する角度を90°以下にするのが望ましいと考えられる。
無論、磁心における屈曲角度が90°以上である角部に検出巻線を設けても良く、このような場合であっても、同様にして検出巻線の誘導電圧に基づき磁心の偏磁や偏磁方向を検出することができる。
また、磁心の角部や曲部では、内周側の磁束線の曲率が増大することにより、内周側の磁路と外周側の磁路の長さの差が大きくなり、その結果、磁束密度の偏りが大きくなるが、内周側側面と外周側側面の間隔(幅)が狭い場合には、このような偏りが小さくなると考えられる。このため、角部や曲部の幅が狭い場合には、その分曲がり具合を大きくしなければ磁束密度の偏りを十分大きくすることができず、当該部位に設けた検出巻線の誘導電圧に基づく偏磁の検出等が困難になる。
そこで、磁心11の角部11aは、当該部位の最大曲率半径を当該部位の最大幅で除算した値が所定値以下となるよう、その幅が調整されている。第1実施形態では、一例として該所定値として2が設定されている。なお、角部11aの最大曲率半径に替えて、角部11aにおける平均曲率半径を用いても良いし、角部11aの最大幅に替えて、角部11aにおける平均幅を用いても良い。
こうすることにより、角部11aにおける磁束密度の偏りを十分に大きくすることができ、当該部位に設けられた検出巻線の誘導電圧に基づき、容易に偏磁の検出等を行うことができる。
[検出巻線について]
次に、内周側,外周側検出巻線21,22について詳しく説明する。
既に述べたように、磁心11の角部11aの内周側の部分や外周側の部分の磁束密度は、磁心11全体の磁束が高くなった際に磁気飽和の影響を受け易い。
このため、第1実施形態のように、角部11aの内周側側面や外周側側面を取り巻く位置に検出巻線を設けることで、磁気飽和の影響が該検出巻線の誘導電圧に顕著に現れるようになり、誘導電圧に基づく偏磁の検出がより容易となる。
また、図2に記載されているように、第1実施形態では、内周側,外周側検出巻線21,22により取り巻かれている不均一断面上の各一部領域の面積が、不均一断面全体に占める割合は、所定値以下となっている。この所定値は、磁心の透磁率等により定められるが、第1実施形態では、一例として1/2となっている。
これにより、不均一断面全体の磁束密度と、一部領域の磁束密度の隔たりを大きくすることができるため、磁気飽和の影響が検出巻線の誘導電圧に顕著に現れるようになり、誘導電圧に基づく偏磁の検出がより容易となる。
なお、後述する磁心の形状が異なる他のトランスや、フライバックトランスや、リアクトルや、スイッチトリラクタンスモータの磁心の偏磁を検出する場合においても、同様にして、一部領域の面積が不均一断面全体に占める割合を所定値(一例として1/2)以下としても良い。こうすることにより、偏磁の検出がより容易となる。
無論、これに限定されることは無く、一部領域の面積が、不均一断面全体の面積の半分以上となるように検出巻線の配置や孔部の位置を調整しても良い。
なお、磁心11に内周側検出巻線21と外周側検出巻線22の一方を設ける構成としても良い。1つの検出巻線しか設けられていない場合であっても、判定処理1,2,4,5により偏磁を検出することができると共に、磁気飽和解消処理1を行うことができる。
また、第1実施形態では、角部11aの内周側,外周側側面における稜部を結ぶ断面を不均一断面としている。しかし、このような断面に限らず、角部11aにおける磁束と交差する1または複数の断面を不均一断面とすると共に、該不均一断面に沿って磁心11を貫通する孔部を形成し、磁心11の内周側或いは外周側の側面を囲む検出巻線を設けても良い。なお、不均一断面は必ずしも平面である必要は無く、孔部もまた必ずしも直線である必要は無い。
また、図24に記載されているように、磁心11の角部11aの上面(或いは下面)から、外周側の側面に貫通する孔部11eを形成すると共に、該孔部11eを貫通し、且つ、角部11aの外周側の側面を囲むように配置された検出巻線27を設けても良い。
また、角部11aにおける内周側近傍或いは外周側近傍以外の部分の磁束密度についても、磁心11全体の磁束が高くなった際には、磁気飽和の影響を受けると考えられる。このため、図25に記載されているように、角部11aの略中央部分に、角部11aを上面から下面に貫通する2個の孔部11f,11gを形成しても良い。そして、これらの孔部11f,11gを貫通し、且つ、角部11aの内周側,外周側の側面に接すること無く、不均一断面の一部領域を取り巻く検出巻線27を設けても良い。
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、角部11aの不均一断面の中央部分の領域には、その磁束密度が不均一断面全体の磁束密度と同一となる領域が存在する可能性がある。そして、このような領域を取り巻く検出巻線を設けた場合、磁心11の全体を取り巻いた状態で検出巻線を設けた場合と変わらないため、該検出巻線の誘導電圧に基づき偏磁を検出することはできないと考えられる。
このため、角部11aの側面に接すること無く不均一断面の一部領域を取り巻く検出巻線27を設ける場合には、該一部領域の磁束密度が不均一断面全体の磁束密度と同一とならないよう、孔部11f,11gの位置や形状を調整する必要がある。
また、例えば、不均一断面を角部11aの上面や下面に平行に分断する線と、該不均一断面の周縁とにより囲まれる一部領域(例えば、不均一断面の上半分や下半分に相当する一部領域)では、その磁束密度が不均一断面全体の磁束密度と同一となる可能性がある。このため、検出巻線がこのような一部領域を取り巻くことが無いよう、孔部の位置を調整する必要がある。
また、磁心の形状によっては、角部を貫通する孔部を設けたり、角部に検出巻線を配置することが困難となる可能性があるが、次のようにして検出巻線を設けることが考えられる。
すなわち、図26に記載されているように、プレーナトランス60の磁心61の主面をなす上部部分61aにおける空洞61bに隣接する部分に、切欠き部61cを形成し、該切欠き部61cに隣接して、上部部分61aを磁心61の厚さ方向に貫通する孔部61dを形成する。そして、孔部61dを貫通し、且つ、切欠き部61c付近を取り巻く検出巻線27を設ける。
このような切欠き部61cを形成することで、1次巻線62に電圧が印加されると、磁心61における切欠き部61c付近の部分では磁束線の曲率が増大する。また、該切欠き部61cが形成された上部部分61aは扁平な形状を有しているため、切欠き部61cにより形成された湾曲した磁路の内周側を通る磁束線の長さと、外周側を通る磁束線の長さの差が大きくなる。このため、切欠き部61cの周辺では、磁束密度の偏りが大きくなり、磁心61全体の磁束が高くなった際に磁気飽和の影響を受け易くなる。
したがって、切欠き部61c付近を取り巻く状態で検出巻線を配置することで、磁気飽和の影響が誘導電圧に顕著に現れるようになり、誘導電圧に基づき容易に偏磁を検出することが可能となる。
なお、これ以外にも、例えば、磁心61の外面に突起部を形成すると共に、突起部付近を貫通する孔部を設け、該孔部を貫通し、且つ、該突起部付近を取り巻く電線からなる検出巻線を設けても良い。また、プレーナトランス60に限らず、他のトランスの磁心においても、上述した切欠き部や突起部を形成すると共に、その付近に磁心を貫通する孔部を設け、当該部分に検出巻線を設けても良い。このような場合であっても、検出巻線の誘導電圧に基づき容易に偏磁を検出することが可能となる。
[第2実施形態]
[構成の説明]
次に、第2実施形態の絶縁電源1の構成について説明する。第2実施形態の絶縁電源1は、検出巻線に関する構成において第1実施形態と相違している。
すなわち、図27に記載されているように、第2実施形態では、トランス10の磁心11の角部11aには、角部11aを上面から下面に貫通する1つの孔部11hが形成されている。そして、該孔部11hに電線を挿通させ、8の字状に該電線を角部11aに巻き付けることで構成された2重検出巻線28が用いられる。
具体的には、図28に記載されているように、角部11aにおける孔部11hに沿った不均一断面11i(図27におけるB−B断面)における、孔部11hにより分割される二つの領域のうち、内周側に位置するものを第1領域11i−1,外周側に位置するものを第2領域11i−2とする。
2重検出巻線28は、電線を孔部11hに挿通させ、第1領域11i−1の周縁を時計回りに周回するように巻き付けた後、再度該電線を孔部11hに挿通させ、第2領域11i−2の周縁を反時計回りに周回するように巻き付けることで構成される。なお、2重検出巻線28を構成する電線が各領域を周回する回数は、適宜設定される。
[偏磁の検出方法について]
第2実施形態においては、磁心11の磁束が変化した場合には、2重検出巻線28における第1領域11i−1の周縁を周回する部分(第1部分)と、第2領域11i−2の周縁を周回する部分(第2部分)とには、異なる極性の電圧が誘導される。そして、各部分に生じた誘導電圧の総和が、2重検出巻線28全体の誘導電圧(全体誘導電圧とも記載)となる。
また、第1部分では、第1実施形態における内周側検出巻線21に生じる内周側誘導電圧Vinと同様のパターン(図6のグラフ124,図7のグラフ131,図8のグラフ141のパターン)で誘導電圧が生じる。
一方、第2部分では、第1実施形態における外周側検出巻線22に生じる外周側誘導電圧Voutと同様のパターン(図6のグラフ125,図7のグラフ132,図8のグラフ142のパターン)で誘導電圧が生じる。
すなわち、第1部分の誘導電圧は内周側検出巻線21の誘導電圧に相当し、第2部分の誘導電圧は外周側検出巻線22の誘導電圧に相当する。
そして、各領域における電線の巻き付け方向が反対であるため、各領域に対応する誘導電圧の極性は異なるものとなり、全体誘導電圧は、内周側誘導電圧と外周側誘導電圧の差分に相当するものとなる。
以下では、このような全体誘導電圧の変動パターンに基づく偏磁検出方法等について検討する。
<判定処理1,2,4,5について>
全体誘導電圧は内周側,外周側誘導電圧の差分に相当するため、内周側,外周側誘導電圧を全体誘導電圧に置き換えて第1実施形態における判定処理1,2,4,5を実行することで、偏磁の検出や偏磁方向の検出ができる。
また、2重検出巻線28の第1部分において電線が第1領域11i−1を周回する回数や、第2部分において電線が第2領域11i−2を周回する回数を調整することで、第1,第2部分に対応する各誘導電圧の大きさを調整することができる。
その結果、全体誘導電圧の時間勾配を強くすることもでき、内周側,外周側誘導電圧に基づき磁心11の偏磁を検出する場合に比べて、偏磁の検出感度を高め、容易且つ確実に偏磁を検出することが可能となる。
また、第2実施形態の検出装置20において、判定処理1により偏磁を検出するという場合には、第1,第2部分に対応する電線の周回回数を、磁心11に生じる磁束の大きさや、第1,第2領域11i−1,11i−2の面積等に応じて調整することで、閾値を0V(基準電位)とすることができる。
なお、第1,第2部分の面積が同一であれば、第1部分の誘導電圧は第2部分の誘導電圧よりも高くなるため、一般的に、第2部分に対応する周回回数を、第1部分に対応する周回回数よりも多くする必要があると考えられる。
こうすることにより、1次巻線12への印加電圧が変動する場合であっても、閾値を変更したり、2重検出巻線28の誘導電圧を規格化すること無く偏磁や偏磁方向を検出することができ、処理を簡略化することができる。
なお、このほかにも、孔部11hの位置を調整することで、閾値を0Vとするということも考えられる。
<判定処理3について>
また、第1実施形態の判定処理3では、内周側誘導電圧と外周側誘導電圧との比較結果の時間的偏りに基づき、磁心11の偏磁が検出される。これに対し、全体誘導電圧は、内周側誘導電圧と外周側誘導電圧の差分に相当するものであり、内周側誘導電圧と外周側誘導電圧との比較結果を示すため、判定処理3と同様の考え方で、全体誘導電圧に基づき偏磁や偏磁方向を検出することができる。
すなわち、例えば、電圧印加期間の開始後、全体誘導電圧が所定の閾値を越えるまでの期間を判定用期間Th1とすると共に、全体誘導電圧が該閾値を下回った後、電圧印加期間が終了するまでの期間を判定用期間Th2とすることが考えられる。
そして、検出装置20の制御部23は、電圧印加期間中、全体誘導電圧に基づき各判定用期間を計測すると共に、これらを比較し、これらの長さの差分が所定値以上である場合には、磁心11に偏磁が生じたと判定することが考えられる。また、制御部23は、どちらの判定用期間が長いかにより、偏磁方向を検出することが考えられる。
なお、第1,第2部分に対応する電線の周回回数を、磁心11に生じる磁束の大きさや、第1,第2領域11i−1,11i−2の面積等に応じて調整することで、上記閾値を0V(基準電位)とすることができる。
こうすることにより、1次巻線12への印加電圧が変動する場合であっても、閾値を変更したり、2重検出巻線28の誘導電圧を規格化すること無く偏磁や偏磁方向を検出することができ、処理を簡略化することができる。
<磁気飽和解消処理について>
次に、第2実施形態の磁気飽和解消処理について説明する。全体誘導電圧は内周側誘導電圧と外周側誘導電圧との差分であるため、第1実施形態と同様、全体誘導電圧の変動に基づき過大な磁気飽和を検出し、1次巻線12への電圧の印加を中止させることができる。
すなわち、全体誘導電圧は内周側誘導電圧と同様に、磁心11を通過する磁束φが小さい時には大きな電圧が誘導され、磁束φが大きい時には小さな値の電圧が誘導される。したがって、第1実施形態と同様にして磁気飽和解消処理1を行うことができる。
ただし、全体誘導電圧は磁束φが十分に大きい場合には負値を取る事が有り得る。この場合には図23におけるS450の時点で磁束φが小さい時の誘導電圧の極性が正となるように測定結果に適宜1もしくは−1をかけた上で、S455、S460においては絶対値ではなくS450の結果をそのまま用いる。また、S460の所定値は負値を設定することができる。
また、第1,第2部分に対応する電線の周回回数を調整することで、閾値を0V(基準電位)とすることもできる。このような場合には、検出装置20の制御部23は、例えば、各電圧印加期間において、全体誘導電圧が漸次減少して0Vを下回った時点や、全体誘導電圧が漸次増加して0Vを上回った時点で、磁気飽和の度合いが一定の水準に達したとみなし、インバータ回路40に中止信号を送信することが考えられる。
こうすることにより、1次巻線12への印加電圧が変動する場合であっても、閾値を変更したり、2重検出巻線28の誘導電圧を規格化すること無く、磁心11に過大な磁気飽和が生じ、損失が増加したり、巻線に過大な励磁電流が発生することを防ぐことができる。
[変形例について]
上述した2重検出巻線28は、電線を1つの孔部11hに複数回にわたり挿通させることで、磁心11の角部11aに8の字状に巻き付けられている。しかしながら、これに限定されること無く、例えば、角部11aの内周側と外周側に2つの孔部を形成しても良い。そして、内周側の孔部と角部11aの内周側側面とに挟まれる領域を第1領域とすると共に、外周側の孔部と角部11aの外周側側面とに挟まれる領域を第2領域とした状態で、2重検出巻線を構成しても良い。
これ以外にも、外周側の孔部と角部11aの内周側側面とに挟まれる領域を第1領域とすると共に、内周側の孔部と角部11aの外周側側面とに挟まれる領域を第2領域としても良い(すなわち、第1領域と第2領域とが一部重複した状態としても良い)。そして、第1領域の周縁を時計回りに周回するように電線を巻き付けた後、さらに、第2領域の周縁を反時計回りに周回するように電線を巻き付けることで、2重検出巻線を構成しても良い。
また、第1,第2領域の各面積がこれらの領域を含む不均一断面全体に占める割合が所定値(一例として1/2)以下となるように、角部11aに設けられた孔部11gの位置が調整されていても良い。これにより、磁気飽和の影響が各領域に対応する誘導電圧に顕著に現れるようになり、全体誘導電圧に基づく偏磁の検出がより容易となる。
また、図29に記載されているように、プレーナトランス60における磁心61の偏磁を検出する場合等には、磁心61の主面をなす上部部分61aにおける空洞61bに隣接する部分に、切欠き部61cを形成しても良い。そして、上部部分61aを磁心61の厚さ方向に貫通する2つの孔部61d,61eを、空洞61bに沿って並んだ状態で形成しても良い。
そして、切欠き部61cに隣接する孔部61dと該切欠き部61cとにより挟まれる領域を第1領域とすると共に、2つの孔部61d,61eに挟まれる領域を第2領域としても良い。さらに、第1領域の周縁を時計回りに周回するように電線を巻き付けた後、第2領域の周縁を反時計回りに周回するように電線を巻き付けることで、2重検出巻線28を構成しても良い。
このように、不均一断面(平面でも曲面でも良い)上の異なる2つの領域(各領域は離れていても良いし、一部重複していても良い)の周縁を反対方向に周回するように電線を巻き付けて2重検出巻線を構成することで、同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、上述した検出装置20にて直流磁束量を検出すると共に、該直流磁束量に基づき昇圧チョッパ回路75に設けられたリアクトル70の磁心71の磁気飽和の状態を検出する(図30参照)。この昇圧チョッパ回路75は、リアクトル70のほか、直流電源75cと、第1,第2スイッチング素子75a,75bを備える。
リアクトル70には、第1実施形態と同様、例えば、矩形環状の磁心71の角部71aの外周側に孔部71bが形成されていると共に、孔部71bに挿通され、角部71aの外周側側面を囲む電線により構成された検出巻線27が設けられている。また、検出装置20の制御部23には、増幅回路27aにより増幅された誘導電圧が入力される。
また、昇圧チョッパ回路75は、第1スイッチング素子75aがオン、且つ、第2スイッチング素子75bがオフという状態と、第1スイッチング素子75aがオフ、且つ、第2スイッチング素子75bがオンという状態とが交互に切り替わる。このため、第1,第2スイッチング素子75a,75bの状態の変化に応じてコイル75dに印加される電圧が変化し、これに伴いリアクトル70の磁心71の磁束が変化する。
そして、検出装置20の制御部23は、リアクトル70の磁心71に形成されている直流磁束の大きさに基づき、磁心71の磁気飽和の状態を検出する。以下では、図31に記載のフローチャートを用いて、磁心71の磁気飽和の状態を検出する判定処理6について説明する。なお、本処理は、制御部23にて周期的に実行される。
S500では、検出装置20の制御部23は、検出巻線27の誘導電圧を測定し、S505に処理を移行する。
S505では、制御部23は、所定回数分の誘導電圧の測定結果から特定される誘導電圧の変動に基づき、第1スイッチング素子75aがオン、且つ、第2スイッチング素子75bがオフという状態であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S505:Yes)、S510に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S505:No)、本処理を終了する。
S510では、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値に基づき、磁心71に形成されている直流磁束量を検出すると共に、該直流磁束量が一定の水準に達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、磁心71が磁気飽和しているとみなして本処理を終了する。
具体的には、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値を昇圧チョッパ回路75の直流電源75cから出力される電圧値で規格化した値が、予め定められた閾値を上回るか否かを判定することで、直流磁束量についての上記判定を行う。無論、該判定方法や閾値は、検出巻線27の配置位置等に応じて変化するのは言うまでも無い。
なお、孔部71bの位置や検出巻線27の配置方法はこれに限定されること無く、検出巻線27を角部71aの内周側側面を囲むように配置しても良いし、第2実施形態のように、2重検出巻線として構成しても良い。
こうすることにより、コストの上昇や、磁心の強度の低下を抑えつつ、リアクトル70の磁心71の磁気飽和の発生を検出することができる。
なお、検出した直流磁束量を、昇圧チョッパ回路75に関する各種制御に反映させても良い。
[第4実施形態]
第4実施形態では、上述した検出装置20にて直流磁束量を検出すると共に、該直流磁束量に基づきフライバックトランス80の磁心81の磁気飽和の発生を検出する。図32には、スイッチング素子85aを備え、フライバックトランス80の1次巻線82に、直流電源85bにて生成された直流電圧を印加する1次側回路85と、フライバックトランス80の2次巻線83から出力される電圧を整流する整流回路86とが記載されている。
フライバックトランス80では、第1実施形態と同様、例えば、矩形環状の磁心81の角部81aの内周側に孔部81bが形成されると共に、孔部81bに挿通され、角部81aの内周側側面を囲む電線により構成された検出巻線27が設けられている。また、検出装置20の制御部23には、増幅回路27aにより増幅された検出巻線27の誘導電圧が入力される。
また、これらの回路では、1次側回路85のスイッチング素子85aがオンである期間に、1次巻線12に電圧が印加されて電力が蓄えられる。そして、スイッチング素子85aがオフである期間に、2次巻線83から蓄えられた電力が放出され、整流回路86から直流化された電圧が出力される。このため、スイッチング素子85aのオン,オフ状態の変化に応じて、フライバックトランス80の磁心81の磁束が変化する。
そして、検出装置20の制御部23は、磁心81に形成されている直流磁束量の大きさに基づき、磁心81の磁気飽和の状態を検出する。以下では、図33に記載のフローチャートを用いて、磁心81の磁気飽和の状態を検出する判定処理7について説明する。なお、本処理は、制御部23にて周期的に実行される。
S550では、検出装置20の制御部23は、検出巻線27の誘導電圧を測定し、S555に処理を移行する。
S555では、制御部23は、所定回数分の誘導電圧の測定結果から特定される誘導電圧の変動に基づき、スイッチング素子85aがオン状態であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S555:Yes)、S560に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S555:No)、本処理を終了する。
S560では、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値に基づき、磁心81に形成されている直流磁束量を検出すると共に、該直流磁束量が一定の水準に達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、磁心81が磁気飽和しているとみなして本処理を終了する。
具体的には、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値を1次側回路85の直流電源85bから出力される電圧値で規格化した値が、予め定められた閾値を下回るか否かを判定することで、直流磁束量についての上記判定を行う。無論、該判定方法や閾値は、検出巻線27の配置位置等に応じて変化するのは言うまでも無い。
なお、孔部81bの位置や検出巻線27の配置方法はこれに限定されること無く、検出巻線27を角部81aの外周側側面を囲むように配置しても良いし、第2実施形態のように、2重検出巻線として構成しても良い。
こうすることにより、コストの上昇や、磁心の強度の低下を抑えつつ、フライバックトランス80の磁心81に生じた磁気飽和を検出することができる。
なお、検出した直流磁束量を、フライバックトランス80に関する各種制御に反映させても良い。
[第5実施形態]
第5実施形態では、上述した検出装置20により、スイッチトリラクタンスモータ90のステータ92におけるステータ磁極92aの直流磁束量を推定する(図34参照)。
スイッチトリラクタンスモータ90のステータ92には、3相のステータ磁極が設けられており、各相のステータ磁極に設けられたステータ巻線に電圧を印加し、ロータ91の回転を制御する制御回路が設けられている(なお、図34では、3相のステータ磁極のうちの1相に対応する制御回路95のみを記載しており、他の相に対応する制御回路の記載を省略している)。
また、制御回路95には、対応する相をなす2本のステータ磁極に設けられたステータ巻線92c,92dに直流電圧を印加する直流電源95cと、第1,第2スイッチング素子95a,95bが設けられている。そして、第1,第2スイッチング素子95a,95bがオン状態となった場合には、直流電源95cから各ステータ巻線92c,92dに直流電圧が印加され、ステータ92の磁束が変化する。
また、図34に記載された制御回路95に対応する1つのステータ磁極92aの根元部分には、当該部位を貫通する孔部92bが形成されていると共に、該孔部92bに挿通された電線により構成される検出巻線27が設けられている。また、検出装置20の制御部23には、増幅回路27aにより増幅された検出巻線27の誘導電圧が入力される。
そして、検出装置20の制御部23は、検出巻線27の誘導電圧に基づいて、ステータ磁極92aに形成されている直流磁束量を検出する。以下では、図35に記載のフローチャートを用いて、ステータ磁極92aに形成されている直流磁束量を検出する判定処理8について説明する。なお、本処理は、制御部23にて周期的に実行される。
S600では、検出装置20の制御部23は、検出巻線27の誘導電圧を測定し、S605に処理を移行する。
S605では、制御部23は、所定回数分の誘導電圧の測定結果から特定される誘導電圧の変動に基づき、第1スイッチング素子95aがオン状態であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S605:Yes)、S610に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S605:No)、本処理を終了する。
S610では、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値に基づき、ステータ磁極92aに形成されている直流磁束量を推定して本処理を終了する。
具体的には、制御部23は、今回の誘導電圧の測定値を制御回路95の直流電源95cから出力される電圧値で規格化した値を所定のテーブルで参照して、直流磁束量の推定を行う。無論、該テーブルは、検出巻線27の配置位置等に応じて変化するのは言うまでも無い。
なお、孔部92bの位置や検出巻線27の配置方法はこれに限定されること無く、例えば、第2実施形態のように、検出巻線27を2重検出巻線として構成しても良い。
こうすることにより、コストの上昇や、磁心の強度の低下を抑えつつ、スイッチトリラクタンスモータ90のステータ磁極92aに生じた直流磁束量を推定することができる。そして、推定した直流磁束量に基づき磁気飽和の発生を検出することや、該直流磁束量をスイッチトリラクタンスモータ90に関する各種制御に反映させることができる。
なお、スイッチトリラクタンスモータ90以外の他の種類の電動モータにおいても、同様の方法でステータ磁極に生じた直流磁束量を推定することができる。そして、推定した直流磁束量に基づき磁気飽和の発生を検出することや、該直流磁束量を電動モータに関する各種制御に反映させることができる。
[他の実施形態]
(1)第1,第2実施形態の絶縁電源1におけるトランス10の磁心11は、矩形環状に形成されており、90°に屈曲した4つの角部のうちの1つに検出巻線が設けられている。
しかしながら、このようなトランス10に替えて、略矩形の環状に形成され、湾曲した4つの曲部を有する磁心を備えるトランスを用いても良い。このような場合であっても、該磁心の曲部に対し、第1,第2実施形態と同様にして検出巻線を設け、該検出巻線の誘導電圧に基づき該磁心の偏磁の検出等を行うことができる。
また、既に述べたように、曲部の幅が狭い場合には、その分曲がり具合を大きくしなければ磁束密度の偏りを十分大きくすることができず、当該部位に設けた検出巻線の誘導電圧に基づく偏磁の検出等が困難になる。
そこで、上記磁心の曲部は、当該曲部の最大曲率半径を、当該曲部の最大幅で除算した値が、所定値以下となるよう調整されている。該所定値は、例えば、磁心の透磁率等に基づき定めることが考えられるが、ここでは、一例として該所定値として2が設定されている。
なお、曲部の最大曲率半径に替えて、曲部全体の平均曲率半径や曲部中央を通過する磁束の曲率半径を用いても良いし、曲部の最大幅に替えて平均幅を用いても良い。
こうすることにより、曲部における磁束密度の偏りを十分に大きくすることができ、当該曲部に設けられた検出巻線の誘導電圧に基づき、容易に偏磁の検出等を行うことができる。
(2)また、このほかにも、トロイダルトランスにおける円環状の磁心のいずれかの部分に、第1,第2実施形態と同様にして検出巻線を設け、該検出巻線の誘導電圧に基づき該磁心の偏磁の検出等を行うことも考えられる。
また、トロイダルトランスの磁心の曲率半径及び幅は一定であると考えられるが、該磁心においても、曲率半径を幅で除算した値が所定値以下となるよう調整されていても良い。こうすることにより、検出巻線の誘導電圧に基づき、容易に偏磁の検出等を行うことができる。
(3)また、第1〜第5実施形態では、トランスの磁心の角部や切欠き部等の付近や、スイッチトリラクタンスモータのステータの突起付近等、媒質の形状に起因して磁束密度の偏りが生じる部分に形成される不均一断面の一部を取り巻くように検出巻線が設けられる。しかしながら、例えば、磁心やステータの一部を、透磁率の異なる媒質で構成した場合にも、該媒質との境界付近に不均一断面が形成されると考えられる。
このため、このような部分に孔部を形成すると共に、該孔部に挿通され、該部分に形成される不均一断面の一部領域を取り巻く検出巻線を設けても良い。このような場合であっても、検出装置20は、該検出巻線の誘導電圧に基づき上述したいずれかの判定処理を実行し、偏磁の検出や偏磁方向の検出を行うと共に、磁気飽和解消処理や磁気飽和の検出、直流磁束量の推定を行うことができる。
(4)また、第1実施形態の絶縁電源1では、トランス10の磁心11の内周側と外周側とに内周側検出巻線21と外周側検出巻線22が設けられているが、検出装置20は、これらの検出巻線の誘導電圧の差分に基づき、磁心11の偏磁を検出しても良い。
既に述べたように、これらの検出巻線の誘導電圧の差分は、第2実施形態における2重検出巻線28の全体電圧に相当するため、第2実施形態と同様の方法で、偏磁や偏磁方向の検出や、磁気飽和解消処理を行うことができる。
こうすることにより、第2実施形態と同様、偏磁の検出感度を高め、容易且つ確実に偏磁を検出することが可能となる。
(5)また、第3,第4実施形態では、リアクトル70,フライバックトランス80の磁心に生じた直流磁束を検出し、該直流磁束に基づき磁気飽和の検出等の各種処理を行う場合について例示した。また、第5実施形態では、スイッチトリラクタンスモータ90のステータ磁極に生じた直流磁束を推定し、該直流磁束に基づき各種処理を行う場合について例示した。しかしながら、これに限定されることは無く、本実施形態の検出装置20と同様の構成により、トランス等の磁心に生じた交流磁束の大きさの検出も行うことができる。
(6)また、第1、2、4実施形態において、1次巻線12に印加される交流電圧の振幅に基づき閾値を算出したり、該振幅で検出巻線の誘導電圧の測定結果を規格化しても良いことを述べたが、磁心に二次巻線等の他巻線が備わる場合には、1次巻線12の印加電圧に代えて、他巻線の印加電圧もしくは誘導電圧を用いても構わない。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
第1実施形態における1次巻線12,62がコイルに、一部領域11d−1,11d−2が検出領域に、角部11aが曲部に、増幅回路21a,22aが変換手段に、比較回路24が検出巻線測定手段に、反転回路25が極性反転手段に、積分回路26が生成手段に相当する。
また、判定処理1のS205が検出巻線測定手段,基準巻線測定手段に、S210が検出手段に相当し、判定処理2のS255が検出巻線測定手段に、S265,S270が検出手段に相当し、判定処理3のS300〜S315が検出巻線測定手段に、S325,S330が検出手段に相当する。
また、判定処理4のS375が検出巻線測定手段に、S380が検出手段に、S365,S385が極性反転手段に相当し、判定処理5のS400が検出巻線測定手段に、S415〜S425が検出手段に相当し、磁気飽和解消処理1のS450が検出巻線測定手段,基準巻線測定手段に、S455,S460が検出手段に、S465が中止手段に相当する。
また、第3実施形態における角部71aが曲部に、判定処理6のS500が検出巻線測定手段に、S510が検出手段に相当する。
また、第4実施形態における1次巻線82がコイルに、角部81aが曲部に、判定処理7のS550が検出巻線測定手段に、S560が検出手段に相当する。
また、第5実施形態におけるステータ巻線92cがコイルに、ステータ92が磁心に、判定処理8のS600が検出巻線測定手段に、S610が検出手段に相当する。
1…絶縁電源、10…トランス、11…磁心、11a…角部、11b…内周側孔部、11c…外周側孔部、11d…不均一断面、11d−1…一部領域、11d−2…一部領域、11e…孔部、11f…孔部、11g…孔部、11h…孔部、11i…不均一断面、11i−1…第1領域、11i−2…第2領域、12…1次巻線、20…検出装置、21…内周側検出巻線、22…外周側検出巻線、23…制御部、24…比較回路、27…検出巻線、28…2重検出巻線、50…基準巻線、60…プレーナトランス、61…磁心、61c…切欠き部、61d…孔部、61e…孔部、62…1次巻線、70…リアクトル、71…磁心、71a…角部、71b…孔部、75d…コイル、80…フライバックトランス、81…磁心、81a…角部、81b…孔部、82…1次巻線、90…スイッチトリラクタンスモータ、92…ステータ、92b…孔部、92c…ステータ巻線。

Claims (16)

  1. 巻き付けられたコイル(12,62,75d,82,92c)に電圧を印加することで磁束が形成された際に、磁束密度の偏りが生じる断面である不均一断面(11d,11i)が形成される磁心(11,61,71,81,92)における、該不均一断面に沿って該磁心を貫く孔部(11b,11c,11e,11f,11g,11h,61d,61e,71b,81b,92b)を貫通した状態で配されることで、該不均一断面の一部であって、該不均一断面全体の平均的磁束密度とは異なる磁束密度が生じる検出領域(11d−1,11d−2,11i−1,11i−2)の周縁を取り巻く電線からなる検出巻線(21,22,27,28)に誘導された検出用起電力に関する測定を行う検出巻線測定手段(24,S205,S255,S300〜S315,S375,S400,S450,S500,S550,S600)と、
    前記検出巻線測定手段による測定結果に基づき、前記磁心に生じた偏磁もしくは磁気飽和、或いは、前記磁心の磁束量を検出する検出手段(S210,S265,S270,S325,S330,S380,S415〜S425,S455,S460,S510,S560,S610)と、
    を備えることを特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  2. 請求項1に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記磁心には、前記不均一断面に沿って1または複数の前記孔部(11h)が形成されており、
    前記検出巻線をなす前記電線は、同一の前記不均一断面に形成された異なる2つの前記検出領域である第1領域(11i−1)及び第2領域(11i−2)の周縁をそれぞれ取り巻き、前記第1領域の周縁に沿って予め定められた方向に巻き付けられていると共に、前記第2領域の周縁に沿って、前記第1領域における巻き付け方向とは反対方向に巻き付けられていること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記磁心は環状に形成されていると共に、前記磁心における曲がった部分を曲部(11a,71a,81a)とし、
    前記不均一断面とは、前記曲部における断面であること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  4. 請求項3に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記曲部は、90°以下に屈曲した形状を有していること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    少なくとも1つの前記検出領域は、その周縁の一部が、前記曲部における内周側或いは外周側の外面に接していること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出巻線測定手段は、前記コイルに電圧を印加する際において前記検出用起電力に関する測定を行い(S205,S450)、
    前記検出手段は、前記検出巻線測定手段により測定された前記検出用起電力と、その測定に対応する閾値とに基づき、前記磁心に偏磁もしくは磁気飽和が生じたこと検出すること(S210,S455,S460)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  7. 請求項6に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出手段は、前記コイルに電圧を印加する際において、前記検出領域における磁気飽和の度合いが一定の水準に達しているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、前記磁心に磁気飽和が生じたことを検出し(S455,S460)、
    前記検出手段により磁気飽和が検出されると、前記コイルへの電圧の印加を中止させる中止手段(S465)をさらに備えること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記磁心の外面を取り巻く電線からなる基準巻線(50)に誘導された基準起電力を測定する基準巻線測定手段(S205,S450)をさらに備え、
    前記検出手段は、前記基準巻線測定手段により測定された前記基準起電力をさらに加味して、前記磁心に偏磁もしくは磁気飽和が生じたことを検出すること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  9. 請求項2を引用する請求項6から請求項8のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出巻線をなす前記電線は、1または複数の回数にわたり前記第1領域の周縁及び前記第2領域の周縁に沿って周回するように、それぞれの領域に巻き付けられており、
    前記検出手段による検出に用いられる閾値が零電位となるよう、前記電線が前記第1領域を周回する回数と、前記第2領域を周回する回数とが調整されていること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  10. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出巻線測定手段は、前記コイルに一定の電圧が印加される印加期間の開始直後と、該印加期間の終了直前とに前記検出用起電力を測定し(S255)、
    前記検出手段は、前記印加期間の開始直後に測定された前記検出用起電力を反映した値と、該印加期間の終了直前に測定された前記検出用起電力を反映した値とを比較することで、前記磁心に偏磁が生じたことを検出すること(S265,S270)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  11. 請求項5に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出巻線として、その周縁の一部が前記曲部における内周側の外面に接している前記検出領域を取り巻く前記電線からなる内周側検出巻線(21)と、その周縁の一部が前記曲部における外周側の外面に接している前記検出領域を取り巻く前記電線からなる外周側検出巻線(22)とが設けられており、
    前記検出巻線測定手段は、前記内周側検出巻線に誘導された前記検出用起電力である内周側起電力と、前記外周側検出巻線に誘導された前記検出用起電力である外周側起電力とに関する測定結果の大きさを比較すると共に、比較結果に基づき、該内周側起電力を反映した値よりも該外周側起電力を反映した値が高い判定用期間を計測することで、前記検出用起電力に関する測定を行い(24,S300〜S315)、
    前記検出手段は、前記検出巻線測定手段による測定結果に基づき、前記コイルに一定の電圧が印加される印加期間の開始後における前記判定用期間の長さと、該印加期間の終了前における前記判定用期間の長さとを比較することで、前記磁心に偏磁が生じたことを検出すること(S325,S330)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  12. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記コイルに一定の電圧が印加される印加期間を2等分して得られる前半期間と後半期間とのうちの一方を反転期間とすると共に、他方を非反転期間とし、前記反転期間において、前記検出巻線に誘導された前記検出用起電力を反映した値の極性を反転させる極性反転手段(25,S365,S385)と、
    前記非反転期間における前記検出用起電力を反映した値と、前記反転期間における前記極性反転手段により極性が反転された前記検出用起電力を反映した値とにより形成される信号の積分値を示す積分信号を生成する生成手段(26)と、
    をさらに備え、
    前記検出巻線測定手段は、前記印加期間が終了する時期における前記積分信号を測定することで、前記検出用起電力に関する測定を行い(S375)、
    前記検出手段は、前記検出巻線測定手段により測定された前記積分信号の値に基づき、前記磁心に偏磁が生じたことを検出すること(S380)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  13. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記コイルには、周期的に変化し、正方向及び負方向の振幅が同一である電圧が印加されると共に、各周期において該コイルに正方向の該電圧が印加される印加期間と、負方向の該電圧が印加される印加期間とは、略同等の長さであり、
    前記検出用起電力により形成される信号の積分値から直流成分を除いた積分信号を生成する生成手段(26)をさらに備え、
    前記検出巻線測定手段は、前記積分信号の値を測定することで、前記検出用起電力に関する測定を行い(S400)、
    前記検出手段は、前記検出巻線測定手段による測定結果に基づき前記積分信号の最大値と最小値とを特定し、該最大値と該最小値とに基づき、前記磁心に偏磁が生じたことを検出すること(S415〜S425)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  14. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記検出巻線測定手段は、前記コイルに電圧を印加する際において前記検出用起電力に関する測定を行い(S500,S550,S600)、
    前記検出手段は、前記検出巻線測定手段による測定結果に基づき、前記磁心の磁束量を検出すること(S510,S560,S610)、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  15. 請求項14に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記磁心は、電動モータのステータとして用いられていること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
  16. 請求項14に記載の偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置において、
    前記磁心は、リアクトル或いはフライバックトランスに設けられていること、
    を特徴とする偏磁、磁気飽和、もしくは磁束量の検出装置。
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