JP2014148599A - コーティング組成物およびゴム部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)分子鎖末端が水酸基であり、25℃における粘度が30mPa・s以上100,000mPa・s以下のジオルガノポリシロキサン10質量%〜90質量%と、(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは一価の炭化水素基である。)と、SiO4/2単位とからなり、前記R3SiO1/2単位と前記SiO4/2単位のモル比(R3SiO1/2単位/SiO4/2単位)が0.4/1以上1.2/1以下であるオルガノポリシロキサンレジン90質量%〜10質量%と、(C)前記(A)と(B)との合計100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル1質量部以上200質量部以下と、を含むことを特徴とするコーティング組成物である。
【選択図】図1
Description
その場合、シール性は向上するが、シール部の表面は相手部材への貼り付きやタック感(ベタベタ感)、すなわち粘着性が発生し、取り回し性や組み付け性が低下する不具合があった。また、蓋(パッキン)の開放時に貼り付きによる破壊が生じる不具合もあった。また、粘着性に起因してゴミ等が付着し易いので、ゴミなどの挟み込みによるシール性の低下が懸念される。
このような問題に対しては、コーティング材料として、柔軟なバインダーを用いることで、コーティング膜自体の相手部材への追従性を改善することができる。
しかし、柔軟なバインダーを用いると、潤滑性能が低下するため、対策として、硬いフィラーなどを添加し、潤滑性を付与させることが行われている。例えば、ゴム成分と溶剤とからなるゴムコーティング組成物に、平均粒子径が0.5μmから20μmの無機系化合物又は有機系化合物の紛体を添加してなるコーティング組成物(例えば、特許文献1参照。)を、防水用パッキンのコーティング組成物として使用することが考えられる。
また、上記特許文献2に記載の湿気硬化型シリコーン粘着剤組成物を使用した場合では、レジンを含有することによってコーティング膜の硬さは向上するが、シール部の表面にゴミが付着する懸念がある。
[1](A)分子鎖末端が水酸基であり、25℃における粘度が30mPa・s以上100,000mPa・s以下のジオルガノポリシロキサン10質量%〜90質量%と、(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは一価の炭化水素基である。)と、SiO4/2単位とからなり、前記R3SiO1/2単位と前記SiO4/2単位のモル比(R3SiO1/2単位/SiO4/2単位)が0.4/1以上1.2/1以下であるオルガノポリシロキサンレジン90質量%〜10質量%と、(C)前記(A)と(B)との合計100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル1質量部以上200質量部以下と、を含むことを特徴とするコーティング組成物。
[2]前述した本発明のコーティング組成物であって、さらに(D)成分として、縮合触媒を含むことを特徴とするコーティング組成物。
[3]前記(D)成分の縮合触媒は、1分子中にアミノキシ基を2つ以上有するケイ素化合物であることを特徴とするコーティング組成物。
[5]前述した本発明のゴム部材であって、前記コーティング膜は、膜厚が3μm以上50μm以下、マルテンス硬さ(ISO14577−1:2002に準拠。特に明記しない限り、以下同じ。)が0.3N/mm2以上1N/mm2以下、かつ表面粗さRzJIS(JIS B0601:2001に準拠。特に明記しない限り、以下同じ。)が1μm以上20μm以下であることを特徴とするゴム部材。
[6]前述した本発明のゴム部材であって、前記ゴム製基材がシリコーンゴム製であることを特徴とするゴム部材。
[7]前述した本発明のゴム部材であって、前記コーティング膜は、表面に複数の貫通していない孔を有し、前記孔の開口径の最大寸法が5μm以上100μm以下であることを特徴とするゴム部材。
本発明のコーティング組成物は、
(A)分子鎖末端が水酸基であり、25℃における粘度が30mPa・s以上100,000mPa・s以下のジオルガノポリシロキサン10質量%〜90質量%と、
(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは一価の炭化水素基である。)と、SiO4/2単位とからなり、前記R3SiO1/2単位と前記SiO4/2単位のモル比(R3SiO1/2単位/SiO4/2単位)が0.4/1以上1.2/1以下であるオルガノポリシロキサンレジン90質量%〜10質量%と、
(C)前記(A)と(B)との合計100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル1質量部以上200質量部以下と、を含むことを特徴とする。
ジオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端が水酸基であり、25℃における粘度が30mPa・s以上100,000mPa・s以下のものが使用される。ジオルガノポリシロキサンの粘度は、JIS K6249(未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法)の項目7.3:回転粘度に基づき測定される。ジオルガノポリシロキサンは後述する(D)成分の縮合触媒により、縮合反応して高重合化される。従って、この縮合反応を行うために、ジオルガノポリシロキサン分子鎖の末端には水酸基を有する。
ジオルガノポリシロキサンの有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,プロペニル基などのアルケニル基;あるいはフェニル基などの一価炭化水素基が挙げられる。これらの中でもメチル基がコストや耐熱性などの点から工業的に製造されており入手の点で好ましいが、耐熱性が必要な場合などにはメチル基とフェニル基を共存させてもよい。
25℃における粘度が下限値未満であると、形成されるコーティング膜が硬くなり過ぎて、使用時に膜にひびが入るなどのシール性が悪化する不具合を生じやすい。一方、25℃における粘度が上限値を超えると、組成物の粘度が高くなりすぎて塗布し難くなる、塗布後の塗膜表面にムラや皺が生じる、粘着性が高くなりすぎてゴミ付着防止性に劣るなどの不具合を生じやすい。
このうち、25℃における粘度が50mPa・s以上80,000mPa・s以下の範囲内が好ましく、80mPa・s以上4,500mPa・s以下の範囲内であると、製造上、適当な膜厚を維持し易く、塗布時間も短く済むため、コーティング組成物の取扱い性が容易であることから特に好ましい。
オルガノポリシロキサンレジンは、上記(A)成分のみでは不足する三次元的な架橋を増やすことで膜硬度を向上させる役割を果たす。オルガノポリシロキサンレジンは、一般的にはMQレジンと呼ばれているものを使用する。MQレジンは1官能性のM単位(R3SiO1/2(式中、Rは一価の炭化水素基である。))と4官能性のQ単位(SiO4/2)とからなる、3次元構造の重合体である。
上式中のRは、メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,プロペニル基などのアルケニル基;あるいはフェニル基などの一価炭化水素基である。これらの中でもメチル基が一般的である。本成分中にはケイ素原子結合水酸基が存在してもよく、特に硬化性が必要な場合にはケイ素原子結合水酸基が存在することが好ましい。
M単位とQ単位の好ましいモル比(M/Q)は0.4/1以上1.2/1以下である。モル比が0.4/1未満では他のシロキサン成分との相溶性が低下し、1.2/1を超えると硬くならずに粘着力が生じてゴミが付着し易い。
ここで、ジオルガノポリシロキサンが上記割合よりも少なく、オルガノポリシロキサンレジンが上記割合よりも多いと、凝集力が低下する不具合を生じる。また、ジオルガノポリシロキサンが上記割合よりも多く、オルガノポリシロキサンレジンが上記割合よりも少ないと、三次元的な架橋が不足するため、膜硬度が低下して、ゴミ付着防止性が悪化する不具合を生じる。このうち、ジオルガノポリシロキサン20質量%〜70質量%、オルガノポリシロキサンレジン30質量%〜70質量%の割合で配合されることが好ましい。
ジメチルシリコーンオイルは、縮合反応の際にコーティング膜の表面を平滑にする役割を果たすと考えられる。また、このオイルはゴム製基材に吸収されると考えられる。
ジメチルシリコーンオイルは、25℃における粘度が2mPa・s以上1000mPa・s以下の範囲内のものが使用される。ジメチルシリコーンオイルの粘度は、上記(A)成分のジオルガノポリシロキサンの粘度の測定と同様に、JIS K6249(未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法)の項目7.3:回転粘度に基づき測定される。この(C)成分は、上記(A)成分と上記(B)成分との合計100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下の割合で配合される。(C)成分が上記範囲内の割合で配合されることで、コーティング膜の表面を平滑にするものと推測される。ここにおいて、ジメチルシリコーンオイルは、縮合反応の際に、コーティング膜の表面を平滑化する一方でゴム製基材に吸収されるため、このジメチルシリコーンオイルが吸収された部位にごく浅い凹み(有底の孔)が形成され、全体として、コーティング膜表面に微細でなだらかな凹凸が多数形成されるため、このなだらかな凹凸が、ゴミの付着を防止するものと推測される。従って、コーティング膜自体が備える高いシール性を維持しつつ、ゴミの付着を防止するものと考えられる。
ジメチルシリコーンオイルの配合割合が下限値未満では、形成される孔の深さが浅くなり明確な凹凸が形成されにくいため、ゴミ付着防止性が劣り、配合割合が上限値を超えると、ゴム製基材が吸収できずに表面に残ることになるので、シール性を阻害するおそれがある。このうち、ジメチルシリコーンオイルの配合割合は1質量部以上200質量部以下が好ましく、20質量部以上150質量部以下が特に好ましい。
本発明で使用できる縮合触媒として、スズ触媒やチタン触媒を用いることができるが、1分子中にアミノキシ基を2つ以上有するケイ素化合物を使用することが好適である。アミノキシ基含有ケイ素化合物としては、以下の式(1)や式(2)で示される有機ケイ素化合物が例示される。
(D)成分の添加量は、上記(A)成分と上記(B)成分との合計100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の割合で配合されることが好適である。(D)成分が少なすぎると硬化不足などの不具合を生じるおそれがある。
本発明のコーティング組成物は、上述した各成分を均一に混合することによって容易に得られる。また、(D)成分以外の各成分を事前に混合しておき、(D)成分は使用直前に混合することもできる。
本発明のコーティング組成物は、希釈溶剤を使用しなくても十分にその性能を発揮し得るが、必要に応じて少量の有機溶剤に希釈して使用することも可能である。使用される溶剤としては、トルエンやキシレン等が挙げられる。
コーティング膜12はゴム製基材11上に本発明のコーティング組成物を塗布、乾燥することにより形成される。コーティング膜12は乾燥後の膜厚が3μm以上50μm以下となるように形成する。コーティング組成物の塗布方法は、スプレー法、ディップ法、スピン法など既知の方法を採用することができる。コーティング膜12の乾燥は、自然乾燥でもよいし、加熱により行ってもよい。加熱により乾燥を行う場合には、120〜170℃で5〜30分間保持することが好ましい。この乾燥により、コーティング組成物の(A)成分のジオルガノポリシロキサン、(B)成分のオルガノポリシロキサンレジン、および(D)成分の縮合触媒が縮合反応することで、コーティング膜12が形成される。コーティング組成物中に(A)成分と(B)成分とが上記割合で配合されているので、硬度(JIS K6253)がA75以上A90以下のコーティング膜が得られる。
また、この縮合反応の際に、コーティング組成物中の(C)成分のジメチルシリコーンオイルがゴム製基材11に吸収される際に、膜表層の所々を窪ませつつ吸収され、コーティング膜12の表面に複数の孔121が形成されるものと考えられる。そのためゴム製基材11には、ジメチルシリコーンオイルが吸収されやすいシリコーンゴム製を用いることが好適である。
なお、表面粗さRzJISは十点平均粗さであり、断面曲線から基準長さだけを抜き取った部分において、最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差と値をマイクロメートルで表したものである。
膜厚が上記範囲内であれば、ゴム製基材へのコーティング性能に優れたものとなる。膜厚が下限値未満では、薄すぎるため割れなどが生じ易く耐久性が劣り、十分なコーティング性能が得られないおそれがある。膜厚が上限値を超えると、相手部材への十分な追従性が得られ難くなり、シール性の低下などの不具合を生じ、また、厚すぎるため、ゴム部材の用途が限られてしまうおそれがある。このうち、膜厚が3μm以上50μm以下が好ましく、膜厚が5μm以上20μm以下が特に好ましい。
また、膜硬度が上記範囲内であれば良好なゴミ付着防止性を有する。膜硬度が下限値未満ではゴミ付着防止性に劣り、膜硬度が上限値を超えると、相手部材への十分な追従性が得られ難く、割れなどが生じ易くなり、耐久性に劣ったものになり、コーティング膜のシール性が著しく低下するおそれがある。このうち、マルテンス硬さが0.3N/mm2以上1N/mm2以下が好ましく、特に、0.3N/mm2以上0.7N/mm2以下が好ましい。
表面粗さRzJISが上記範囲内であれば、相手部材との密着性が良好に保たれるため、高いシール性を有する。表面粗さRzJISが下限値未満では、シール性は向上するが、相手部材への貼り付きやタック感が発生し、ゴム部材の取り回し性や組み付け性が低下するおそれがある。表面粗さRzJISが上限値を超えると、相手部材との密着性が低下し、シール性に劣る。このうち、表面粗さRzJISが1μm以上20μm以下が好ましく、表面粗さRzJISが1μm以上15μm以下が特に好ましい。
ゴミは主にコーティング膜12の最表層122に位置する部分に付着するが、孔121の開口径の最大寸法が下限値未満では、シール性に影響するようなゴミの大きさに対して小さすぎて、ゴミの付着防止に寄与し得ない。孔121の開口径の最大寸法が上限値を越えるとシール性に影響するようなゴミの大きさに対して大きすぎて、孔121の中にゴミが入り込んでしまうようになり、ゴミの付着防止に寄与し得ない。膜表面に複数の貫通していない上記開口径寸法の孔121が存在することにより、この孔121と最表層122とにより、コーティング膜12の表面に微妙な凹凸が形成され、結果としてゴミの付着面積が減少する。なお、この微妙な凹凸高さは、シール時には、ベースとなるパッキン基材の変形によって吸収されてしまうため、シール性に影響しない。よって、コーティング膜表面が平滑なものに比べてゴミ付着防止性に優れる。
特に、シール面の粘着性が低いため、開放時にシール面にゴミや塵等が付着せず、良好なシール性を有する。
また、コーティング組成物中に、低粘着性を付与するためのフィラーを用いていないので、フィラーの脱落などが生じず、クリーン環境下で使用される機具、機器の防水パッキンに適する。
〔実施例1〜4および比較例1〜3〕
表1に示す組成のコーティング組成物を調製し、この組成物をゴム製基材上に塗布、乾燥して、コーティング膜を形成した。なお、ゴム製基材としては、JIS K6253 タイプAデュロメータゴム硬度A40のシリコーンゴム製のシール用ゴムであって、縦横寸法は任意、厚さ2mmの試験片を製作して用いた。なお、後述するシール試験用として、図3に示すシール試験用ゴム製基材を用いた。シール試験用ゴム製基材の寸法は、図3のAで示す外径が30mm、Bで示す外周高さが2.012mm、Cで示す中心部高さが1mmである。また、ゴミ付着試験用として、後述する内径φ30.5mmの円筒の開口を覆う大きさの寸法を有する板状ゴム製基材を用いた。また、コーティング組成物の各ゴム製基材への塗布は、溶剤で希釈後、スプレー法により、各ゴム製基材に塗布膜を形成し、恒温槽内にて、十分に加温乾燥させることにより行った。
ゴム製基材にコーティング膜が形成された、コーティング膜を有するゴム部材について以下に示すように、コーティング膜の膜厚、硬さ及び表面粗さを測定した。なお、試験片は測定に使用する試験機に合わせて適宜切断することにより寸法を加工した。実施例1のコーティング膜表面写真(倍率425倍)を図2に示す。
以下に示すシール試験、ゴミ付着試験によりコーティング膜を有するゴム部材を評価した。また、参考例として、コーティング膜を設けないゴム製基材のみからなるゴム部材についても同様に評価した。
コーティング膜の膜厚は、レーザー顕微鏡LEXT OLS400(オリンパス株式会社製)像から計測した。
表面粗さRzJISおよびSzは、レーザー顕微鏡LEXTOLS4000(オリンパス株式会社製)により、それぞれ、JIS K6253またはISO25178に準拠して計測した。
マルテンス硬さは、硬さ試験機DUH−211S(株式会社島津製作所製)により、ISO14577−1;2002に準拠し、115°三角すい圧子を使用し、試験荷重0.1N/mm2を印加して計測した。
このシール試験では、シール試験用ゴム部材に当接する上面が平坦であり、中央部に連通孔が設けられた下定盤と、この下定盤の上面に対して平行な下面を有し、下定盤に対して所定距離を維持して固定可能な上板と、この下定盤の連通孔に接続され、連通孔を通して空気を一定圧まで吸引可能な圧力手段と、圧力手段による圧力を測定する圧力測定手段を備えたシール試験装置を使用した。
先ず、図3に示すシール試験用ゴム製基材に本発明のコーティング膜が形成された、コーティング膜を有するシール試験用ゴム部材を用意し、このゴム部材の凹部が下定盤の上面に開口した連通孔を覆うようにゴム部材を載置し、その上側に上板を載せ、下定盤の上面と上板の下面との距離がこのゴム部材の外周凸部の厚み(寸法B)に対して10%圧縮となるように調整した。これにより、ゴム部材の外周凸部が下定盤の上面に密着し、ゴム部材の凹部と下定盤の上面により密閉空間が形成される。
次に、圧力手段により、この密閉空間に連通された連通孔より空気を抜いて、この密閉空間を−60kPaにまで減圧して連通孔と圧力手段の間に設けられた弁を閉めてこの状態で1分間放置した。放置後の上記密閉空間の圧力を圧力測定手段により測定し、この圧力差を求めた。
先ず、板状ゴム製基材に本発明のコーティング膜が形成された、コーティング膜を有する板状ゴム部材を用意し、この板状ゴム部材の表面をエタノール等により洗浄して、板状ゴム部材表面にゴミがない状態にし、洗浄後の板状ゴム部材を最小読取:0.0001g以下の精密天秤により重量測定した。
次いで、板状ゴム部材表面上に内径φ30.5mmの円筒を置き、この円筒内にJIS試験用粉体8.0g(±0.1g)を入れ、その後、円筒ごと板状ゴム部材をひっくり返すことで、JIS試験用粉体を落とした。
次に、試験後の板状ゴム部材を精密天秤で再度重量測定し、試験後の板状ゴム部材と試験前の板状ゴム部材との重量差を求めた。
なお、このゴミ付着試験では、JIS試験用粉体1種、2種についてそれぞれ行った。JIS試験用粉体の化学成分は、1種,2種ともに、SiO2が95質量%以上、Fe2O3、Al2O3、TiO2、MgO、強熱減量の合計が5質量%以下である。また、JIS試験用粉体の中位径の範囲は、1種が185〜200μm、2種が27〜31μmである。
用いた成分は以下の通りである。
(A)成分:ジオルガノシロキサン(分子鎖末端水酸基、25℃における粘度3,880mPa・s(ブルックフィールド粘度計による測定))
(B)成分:オルガノポリシロキサンレジン(M単位(R3SiO1/2:Rは一酸化炭素基)とQ単位(SiO4/2)のモル比は0.4/1以上1.2/1以下)
(C)成分:ジメチルシリコーンオイル
(D)成分:縮合触媒(1分子中にアミノキシ基を2つ以上有するアミノキシ系有機ケイ素化合物)
その他成分:球状メチルシルセスキオサン粒子(平均粒子径3μm)
なお、(C)成分、(D)成分及びその他成分の配合は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対する割合である。
表1から明らかなように、実施例1〜4では、シール性に優れるとともに、ゴミ付着が少なくゴミ付着防止性に優れていることが確認された。また、図2に示すように、膜表面には複数の孔(色の濃い部分)が形成されていることが確認された。形成された複数の孔の開口径の最大寸法を測定したところ、5μm以上100μm以下であった。更にどの孔もゴム製基材までは貫通していなかった。このように、膜表面に複数の孔が存在することによって、主にゴミが付着する最表層に位置する表面積が、平滑な膜表面に比べて減少しているため、結果として、ゴミ付着防止性に優れるものと推察される。
一方、比較例1では、膜表面に高硬度の球状粒子による突起部が形成されることから、ゴミ付着防止性は高いが、シール性に劣る結果となった。比較例2では、膜表面が平滑に形成されていることからシール性は高いが、ゴミ付着防止性が得られておらず、膜表面張り付きによる質感の低下も確認された。比較例3では、シール性に優れた結果となったが、ゴミ付着防止性は未だ十分とはいえない。なおコーティング膜を設けない参考例では、表面張り付きによる質感の低下が確認された。
11 ゴム製基材
12 コーティング膜
121 孔
Claims (7)
- (A)分子鎖末端が水酸基であり、25℃における粘度が30mPa・s以上100,000mPa・s以下のジオルガノポリシロキサン10質量%〜90質量%と、
(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは一価の炭化水素基である。)と、SiO4/2単位とからなり、前記R3SiO1/2単位と前記SiO4/2単位のモル比(R3SiO1/2単位/SiO4/2単位)が0.4/1以上1.2/1以下であるオルガノポリシロキサンレジン90質量%〜10質量%と、
(C)前記(A)と(B)との合計100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル1質量部以上200質量部以下と、
を含むことを特徴とするコーティング組成物。 - 請求項1に記載のコーティング組成物であって、さらに(D)成分として、縮合触媒を含むことを特徴とするコーティング組成物。
- 請求項2に記載のコーティング組成物であって、
前記(D)成分の縮合触媒は、1分子中にアミノキシ基を2つ以上有するケイ素化合物であることを特徴とするコーティング組成物。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコーティング組成物から形成されるコーティング膜をゴム製基材上に設けたことを特徴とするゴム部材。
- 請求項4に記載のゴム部材であって、前記コーティング膜は、膜厚が3μm以上50μm以下、マルテンス硬さ(ISO14577−1;2002)が0.3N/mm2以上1N/mm2以下、かつ表面粗さRzJISが1μm以上20μm以下であることを特徴とするゴム部材。
- 請求項4または請求項5に記載のゴム部材であって、
前記ゴム製基材がシリコーンゴム製であることを特徴とするゴム部材。 - 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のゴム部材であって、
前記コーティング膜は、表面に複数の貫通していない孔を有し、前記孔の開口径の最大寸法が5μm以上100μm以下である
ことを特徴とするゴム部材。
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