JP6783219B2 - 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート - Google Patents

放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート Download PDF

Info

Publication number
JP6783219B2
JP6783219B2 JP2017232501A JP2017232501A JP6783219B2 JP 6783219 B2 JP6783219 B2 JP 6783219B2 JP 2017232501 A JP2017232501 A JP 2017232501A JP 2017232501 A JP2017232501 A JP 2017232501A JP 6783219 B2 JP6783219 B2 JP 6783219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating composition
content
mass
heat
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017232501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019102654A (ja
Inventor
裕明 安田
裕明 安田
武広 浜村
武広 浜村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP2017232501A priority Critical patent/JP6783219B2/ja
Publication of JP2019102654A publication Critical patent/JP2019102654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6783219B2 publication Critical patent/JP6783219B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

本発明は、放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シートに関する。
各種装置に用いられる放熱シートとして、シリコーンゴムやアクリルゴムと比較して耐熱性の高いパーフルオロポリエーテルエラストマーで形成されたものが提案されている。例えば、特許文献1及び2には、パーフルオロポリエーテルエラストマーと熱伝導性フィラーとを含有する組成物で形成された放熱シートが開示されている。特許文献3には、パーフルオロポリエーテルエラストマーと熱伝導性フィラーとを含有する組成物で形成された熱伝導層と、その表面を被覆するように設けられた熱伝導性フィラーを含有しないパーフルオロポリエーテルエラストマーの組成物で形成された表面層とを有する放熱シートが開示されている。
特許第5511872号公報 特開2010−232535号公報 特許第5972731号公報
ところで、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルエラストマーを含む液状のコーティング組成物を塗工して放熱シートを製造する場合、元来、未架橋のパーフルオロポリエーテルエラストマーの粘度は高く、また、そこに熱伝導性フィラーを含有させると更に増粘するため、コーティング組成物の粘度が非常に高いものとなり、その結果、放熱シートの製造加工性が低くなるという問題がある。
本発明の課題は、パーフルオロポリエーテルエラストマーを用いた塗工による放熱シートの製造加工性が優れる放熱シート製造用のコーティング組成物を提供することである。
本発明の放熱シート製造用のコーティング組成物は、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダーと、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、熱伝導性フィラーとを含有し、前記マトリクスバインダーの含有量が25質量%以上であるとともに、前記フッ素系オイルの含有量の前記マトリクスバインダーの含有量に対する質量比が0.2以下である
本発明の放熱シートの製造方法は、本発明のコーティング組成物を塗工した後に加熱することにより前記マトリクスバインダーにおける前記熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを架橋させて硬化させるものである。
本発明の放熱シートは、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルが熱架橋したマトリクスバインダー硬化物と、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、熱伝導性フィラーとを含有する組成物で形成され、前記マトリクスバインダー硬化物の含有量が25質量%以上であるとともに、前記フッ素系オイルの含有量の前記マトリクスバインダー硬化物の含有量に対する質量比が0.2以下である
本発明によれば、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダー、すなわち、パーフルオロポリエーテルエラストマーを用いているものの、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルを含有することにより、粘度制御性が良好となり、それにより塗工による放熱シートの優れた製造加工性を得ることができる。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物は、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダーと、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、熱伝導性フィラーとを含有する。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物によれば、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダー、すなわち、パーフルオロポリエーテルエラストマーを用いているものの、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルを含有することにより、粘度制御性が良好となり、それにより塗工による放熱シートの優れた製造加工性を得ることができる。そして、その結果、高い量産性を得ることができる。また、コーティング組成物の粘度制御性が良好であってハンドリング性が優れるので、所望の形状の放熱シートを容易に形成することができる。さらに、製造した放熱シートを金型から脱型する場合、フッ素系オイルによる優れた離型性が得られるので、大面積の薄い放熱シートを製造する場合でも、離型の際に放熱シートに無理な力が作用することなく、そのため伸びや破れ等を有する不良品の発生を抑制することができる。また、フッ素系オイルにより放熱シートを低硬度化することができる。
ここで、マトリクスバインダーは、一液型の液状材料であることが好ましい。市販のマトリクスバインダーとしては、例えば、信越化学工業社製のSIFEL3000シリーズ等が挙げられる。
マトリクスバインダーに含まれる熱架橋性のパーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリエーテル骨格を有する直鎖状化合物であることが好ましい。また、パーフルオロポリエーテルは、末端にシリコーン架橋反応基を有することが好ましい。
マトリクスバインダーに含まれるパーフルオロポリエーテルは、分子内に架橋反応基としてアルケニル基を有することが好ましい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等が挙げられる。アルケニル基は、これらのうちのビニル基が好ましい。分子内のアルケニル基の数は2個以上であることが好ましい。2個以上のアルケニル基は、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
マトリクスバインダーは、パーフルオロポリエーテル以外に硬化剤等を含んでいてもよい。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物におけるマトリクスバインダーの含有量Aは、好ましくは15質量%以上50質量%以下、より好ましくは25質量%以上40質量%以下である。
フッ素系オイルは、パーフルオロポリエーテル骨格を有する液状のポリマーであって、マトリクスバインダーと均一に混合されている。パーフルオロポリエーテル骨格としては、例えば、−(CFCFO)(CFO)−骨格(m,nは1以上の整数)、−(CFCFCFO)−骨格(pは1以上の整数)、−(CFCF(CF)O)−骨格(qは1以上の整数)等が挙げられる。フッ素系オイルのポリマーは、これらのうちの1種又は2種以上のパーフルオロポリエーテル骨格を有することが好ましい。フッ素系オイルのポリマーは、パーフルオロポリエーテル骨格に、直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の炭化水素基、芳香族基、ヘテロ原子を含む炭化水素基が結合していてもよい。市販のフッ素系オイルとしては、例えば、ソルベイ社製のフォンブリン、ダイキン工業社製のデムナム、ケマーズ社製のクライトックス等が挙げられる。
フッ素系オイルは、アウトガス及び耐熱性の観点から揮発性が低いことが好ましく、具体的に、200℃の温度雰囲気下で100時間加熱したときの加熱後の質量減少率が好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物におけるフッ素系オイルの含有量Bは、コーティング組成物の粘度を低減して塗工による放熱シートの製造加工性を高めるとともに、製造する放熱シートにおけるブリードを抑制する観点から、好ましくは1質量%以上10質量%以下、より好ましくは2質量%以上5質量%以下である。実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物におけるフッ素系オイルの含有量Bのマトリクスバインダーの含有量Aに対する質量比(B/A)は、好ましくは0.01以上0.5以下、より好ましくは0.05以上0.2以下である。
熱伝導性フィラーは、マトリクスバインダー及びフッ素系オイルの混合物に分散している。熱伝導性フィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム、シリカ等が挙げられる。熱伝導性フィラーは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素を含むことがより好ましい。熱伝導性フィラーは、マトリクスバインダーとの馴染みを改善する観点から、フッ素化合物による疎水性付与の表面処理が施されていてもよい。
熱伝導性フィラーの形状は、例えば、球状、多面体状、鱗片状、多面体状、顆粒状等が挙げられる。熱伝導性フィラーは、これらのうちの1種又は2種以上の形状のものを含むことが好ましく、塗工による放熱シートの製造加工性を高める観点から、球状や多面体状のものを含んでいることがより好ましい。
熱伝導性フィラーは、コーティング組成物の粘度上昇を抑制して塗工による放熱シートの製造加工性を高める観点から、平均粒径(d50)が10μm未満の小粒径フィラーと、平均粒径(d50)が10μm以上100μm以下の大粒径フィラーとを含む、したがって、粒径分布が小粒径フィラー及び大粒径フィラーの2つのピークを有することが好ましい。平均粒径(d50)は、レーザー回折式粒子径分布測定装置(例えば島津製作所社製のSALD-2300)を用いたレーザー回折光散乱法により求められる。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物における熱伝導性フィラーの含有量Cは、好ましくは40質量%以上75質量%以下、より好ましくは60質量%以上75質量%以下である。実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物における熱伝導性フィラーの含有量Cのマトリクスバインダーの含有量Aに対する質量比(C/A)は、好ましくは1以上5以下、より好ましくは2以上3以下である。実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物における熱伝導性フィラーの含有量Bのフッ素系オイルの含有量Bに対する質量比(C/B)は、好ましくは5以上50以下、より好ましくは10以上30以下である。熱伝導性フィラーが小粒径フィラー及び大粒径フィラーを含む場合、熱伝導性フィラーにおける小粒径フィラーの含有量C1の大粒径フィラーの含有量C2に対する質量比(C1/C2)は、好ましくは40/60〜60/40、より好ましくは45/55〜55/45である。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物は、その他にフッ素含有シラン化合物等を含有していてもよい。実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物は、例えばトルエン、2−ブタノン等の沸点が200℃以下の有機溶剤を含有していてもよいが、その含有量は10000ppm以下であることが好ましい。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物の25℃における粘度は、塗工による放熱シートの製造加工性を高める観点から、好ましくは10Pa・s以上300Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上300Pa・s以下である。この粘度は、JISZ8803:2011に基づいて、単一円筒形回転粘度計により測定されるものである。
以上の構成の実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物は、マトリクスバインダー、フッ素系オイル、及び熱伝導性フィラーを混合して撹拌することにより調製することができる。
次に、実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物を用いた放熱シートの製造方法について説明する。
放熱シートは、実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物を基材に塗工した後に加熱することによりマトリクスバインダーにおける熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを架橋させて硬化させることにより製造することができる。
ここで、製造する放熱シートの熱伝導性を高める観点からは、塗工前に、例えば減圧雰囲気下において、コーティング組成物に脱泡処理を施すことが好ましい。なお、この脱泡処理は、コーティング組成物の調製時に行ってもよい。
コーティング組成物の塗工手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、ワイヤバーコーター、アプリケータコーター、スピンコーターなどの枚葉コーター;ナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター、リップコーターなどの連続式コーター等が挙げられる。
基材に塗工したコーティング組成物の加熱硬化処理は、コーティング組成物を塗工した基材を加熱炉内に入れることにより行うことができる。この加熱硬化処理は、低温加熱の一次処理と、それよりも処理温度が高い高温加熱の二次処理とを含むことが好ましい。一次処理の加熱温度は、好ましくは100℃以上200℃以下であり、加熱時間は、好ましくは5分以上30分以下である。二次処理の加熱温度は、好ましくは150℃以上250℃以下であり、加熱時間は、好ましくは3時間以上10時間以下である。
コーティング組成物の加熱硬化処理により、基材上には放熱シートが形成されるが、この加熱硬化処理後、形成された放熱シートを基材と一体として扱ってもよく、また、放熱シートを基材から剥離してもよい。
実施形態に係る放熱シート製造用のコーティング組成物を用いて製造される放熱シートは、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルが熱架橋したマトリクスバインダー硬化物と、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、熱伝導性フィラーとを含有する組成物で形成されたものである。放熱シートの厚さは、例えば0.1mm以上1mm以下である。
放熱シートのJISK6253:2012に基づいてタイプAデュロメータで測定されるデュロメータ硬さは、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。また、放熱シートの240℃の温度雰囲気下で100時間加熱したときの加熱前後のデュロメータ硬さの変化量は、優れた耐熱性を得る観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
放熱シートの240℃の温度雰囲気下で100時間加熱したときの加熱後の質量減少率は、優れた耐熱性を得る観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。この質量減少率は、加熱後の質量減量の加熱前の質量に対する百分率である。
放熱シートの熱伝導率は、優れた放熱性を得る観点から、好ましくは0.3W/K・m以上、より好ましくは0.5W/K・m以上である。この熱伝導率は、JISR1611:2010に基づくフラッシュ法により求められるものであり、熱拡散率(α)と比熱容量(c)とかさ密度(ρ)との積である。熱拡散率(α)は、JISR1611:2010に基づいて測定されるものであり、比熱容量(c)は、JISR1672に基づいて示差走査熱量法(DSC法)により測定されるものであり、かさ密度(ρ)は、JISK6268:1998に基づいて測定されるものである。
(放熱シート製造用のコーティング組成物)
以下に示すように、実施例1〜4及び比較例1の放熱シート製造用のコーティング組成物を調製するとともに、それを用いて放熱シートを作製した。それぞれの構成については表1にも示す。また、比較例2の放熱シートを準備した。
<実施例1>
自転・公転真空ミキサー(あわとり練太郎ARV−310 シンキー社製)を用い、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダー(I)(SIFEL3590−N 信越化学工業社製)32.3質量%、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイル(I)(フォンブリンM30 ソルベイ社製)3.2質量%、並びに熱伝導性フィラーのアルミナの小粒径フィラー(CB−P05 昭和電工社製、平均粒径(d50):4μm)32.3質量%及びアルミナの大粒径フィラー(CB−P40 昭和電工社製、平均粒径(d50):44μm)32.3質量%(熱伝導性フィラーの含有量:64.6質量%)を脱泡しながら混練して放熱シート製造用のコーティング組成物を調製した。バードフィルムアプリケータコーターを用い、このコーティング組成物を基材上に0.3mmの厚さに塗工した後、それを加熱炉に入れて150℃で10分間加熱して放熱シートを作製した。
<実施例2>
組成を、マトリクスバインダー(I)24.4質量%、フッ素系オイル(I)2.4質量%、小粒径フィラー36.6質量%、及び大粒径フィラー36.6質量%(熱伝導性フィラーの含有量:73.2質量%)としたことを除いて実施例1と同様にして放熱シート製造用のコーティング組成物を調製するとともに、それを用いて放熱シートを作製した。
<実施例3>
組成を、マトリクスバインダー(I)24.3質量%、フッ素系オイル(I)2.4質量%、小粒径フィラー36.5質量%、大粒径フィラー36.5質量%(熱伝導性フィラーの含有量:73.0質量%)、及びフッ素含有シラン化合物(KBM−7103 トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 信越化学工業社製)0.2質量%としたことを除いて実施例1と同様にして放熱シート製造用のコーティング組成物を調製するとともに、それを用いて放熱シートを作製した。
<実施例4>
組成を、マトリクスバインダー(I)16.6質量%、熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダー(II)とパーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイル(II)との混合物(SIFEL8470 信越化学工業社製)16.6質量%、小粒径フィラー33.3質量%、及び大粒径フィラー33.3質量%(熱伝導性フィラーの含有量:66.6質量%)としたことを除いて実施例1と同様にして放熱シート製造用のコーティング組成物を調製するとともに、それを用いて放熱シートを作製した。
<比較例1>
組成を、マトリクスバインダー(I)33.3質量%、小粒径フィラー33.3質量%、及び大粒径フィラー33.3質量%(熱伝導性フィラーの含有量:66.6質量%)としたことを除いて実施例1と同様にして放熱シート製造用のコーティング組成物を調製するとともに、それを用いて放熱シートを作製した。
<比較例2>
市販のシリコーンゴム系放熱シート(TC−30TA−1 信越化学工業社製)を比較例2とした。
Figure 0006783219
(試験方法)
<粘度>
実施例1〜4及び比較例1のそれぞれで調製した放熱シート製造用のコーティング組成物について、JISZ8803:2011に基づいて、単一円筒形回転粘度計(TVB−10M 東機産業社製)により25℃での粘度を測定した。
<塗工性>
実施例1〜4及び比較例1のそれぞれで調製した放熱シート製造用のコーティング組成物の塗工性について、塗工後のコーティング組成物の表面性状を目視で確認し、表面が滑らかなものをA評価、及び表面にスジ状の模様が確認されたものをB評価とした。
<デュロメータ硬さ>
実施例1〜4及び比較例1〜2のそれぞれの放熱シートについて、JISK6253:2012に基づいてタイプAデュロメータでデュロメータ硬さを測定した。また、240℃の温度雰囲気下で100時間加熱したときの加熱前後のデュロメータ硬さの変化量を求めた。
<質量減少率>
実施例1〜4及び比較例1〜2のそれぞれの放熱シートについて、240℃の温度雰囲気下で100時間加熱したときの加熱後の質量減少率を、加熱後の質量減量の加熱前の質量に対する百分率として求めた。
<熱伝導率>
実施例1〜4及び比較例1〜2のそれぞれの放熱シートについて、JISR1611:2010に基づくフラッシュ法により熱伝導率を求めた。熱伝導率は、熱拡散率(α)と比熱容量(c)とかさ密度(ρ)との積であり、熱拡散率(α)は、JISR1611:2010に基づいて測定し、比熱容量(c)は、JISR1672に基づいて示差走査熱量法(DSC法)により測定し、かさ密度(ρ)は、JISK6268:1998に基づいて測定した。
(試験結果)
試験結果を表1に示す。
表1によれば、フッ素系オイルを含有する実施例1〜4では、コーティング組成物の粘度が低く、塗工性も優れることが分かる。しかも加熱前後のデュロメータ硬さの変化量が小さく且つ加熱後の質量減少率が小さいことから、優れた耐熱性を有することも分かる。さらに、熱伝導率も高く、本来の機能である放熱性も優れることが分かる
一方、フッ素系オイルを含有しない比較例1では、放熱シートの耐熱性及び放熱性は優れるものの、コーティング組成物の粘度が高く、塗工性も劣ることが分かる。また、シリコーンゴム系放熱シートは、放熱性は優れるものの、加熱前後のデュロメータ硬さの変化量が大きく且つ加熱後の質量減少率が大きいことから、耐熱性が劣ることが分かる。
本発明は、放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シートの技術分野について有用である。

Claims (11)

  1. 熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを含む液状のマトリクスバインダーと、
    パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、
    熱伝導性フィラーと、
    を含有する放熱シート製造用のコーティング組成物であって、
    前記マトリクスバインダーの含有量が25質量%以上であるとともに、前記フッ素系オイルの含有量の前記マトリクスバインダーの含有量に対する質量比が0.2以下であるコーティング組成物
  2. 請求項1に記載されたコーティング組成物において、
    25℃における粘度が10Pa・s以上300Pa・s以下であるコーティング組成物。
  3. 請求項1又は2に記載されたコーティング組成物において、
    前記マトリクスバインダーの含有量が50質量%以下、前記フッ素系オイルの含有量が10質量%以下、及び前記熱伝導性フィラーの含有量が40質量%以上75質量%以下であるコーティング組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載されたコーティング組成物において、
    前記熱伝導性フィラーは、平均粒径が10μm未満の小粒径フィラーと、平均粒径が10μm以上100μm以下の大粒径フィラーと、を含むコーティング組成物。
  5. 請求項4に記載されたコーティング組成物において、
    前記熱伝導性フィラーにおける前記小粒径フィラーの含有量の前記大粒径フィラーの含有量に対する質量比が40/60〜60/40であるコーティング組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載されたコーティング組成物において、
    沸点が200℃以下の有機溶剤の含有量が10000ppm以下であるコーティング組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載されたコーティング組成物において、
    前記熱伝導性フィラーの含有量の前記マトリクスバインダーの含有量に対する質量比が3以下であるコーティング組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載されたコーティング組成物を塗工した後に加熱することにより前記マトリクスバインダーにおける前記熱架橋性のパーフルオロポリエーテルを架橋させて硬化させる放熱シートの製造方法。
  9. 請求項に記載された放熱シートの製造方法において、
    前記塗工前に前記コーティング組成物に脱泡処理を施す放熱シートの製造方法。
  10. 熱架橋性のパーフルオロポリエーテルが熱架橋したマトリクスバインダー硬化物と、パーフルオロポリエーテル骨格を有するポリマーのフッ素系オイルと、熱伝導性フィラーと、を含有する組成物で形成された放熱シートであって、
    前記マトリクスバインダー硬化物の含有量が25質量%以上であるとともに、前記フッ素系オイルの含有量の前記マトリクスバインダー硬化物の含有量に対する質量比が0.2以下である放熱シート
  11. 請求項10に記載された放熱シートにおいて、
    240℃の温度雰囲気下で100時間加熱したとき、JIS K6253:2012に基づいてタイプAデュロメータで測定される加熱前後のデュロメータ硬さの変化量が10以下であり且つ加熱後の質量減少率が10質量%以下である放熱シート。
JP2017232501A 2017-12-04 2017-12-04 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート Active JP6783219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017232501A JP6783219B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017232501A JP6783219B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019102654A JP2019102654A (ja) 2019-06-24
JP6783219B2 true JP6783219B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=66974161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017232501A Active JP6783219B2 (ja) 2017-12-04 2017-12-04 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6783219B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202147923A (zh) * 2020-03-05 2021-12-16 日商三菱綜合材料股份有限公司 電漿處理裝置用構件和其製造方法及電漿處理裝置
US20230193102A1 (en) * 2020-05-14 2023-06-22 Daikin America, Inc. High temperature low outgas fluorinated thermal interface material

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3697645B2 (ja) * 1996-12-25 2005-09-21 株式会社ジェルテック 熱伝導ゲル
JPWO2010095601A1 (ja) * 2009-02-19 2012-08-23 日本バルカー工業株式会社 機能性成形体およびその製造方法
JP2010232535A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Polymatech Co Ltd 耐熱性放熱シート
JP5657900B2 (ja) * 2010-03-08 2015-01-21 株式会社カネカ 熱伝導材料
JP5511872B2 (ja) * 2012-03-19 2014-06-04 日本バルカー工業株式会社 熱伝導性樹脂組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
JP6204916B2 (ja) * 2012-08-27 2017-09-27 日本バルカー工業株式会社 ブリードが抑制された成形体およびその製造方法
JP6451592B2 (ja) * 2015-10-28 2019-01-16 信越化学工業株式会社 熱伝導性含フッ素硬化性組成物、その硬化物及び電気・電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019102654A (ja) 2019-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6645395B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び半導体装置
TWI445781B (zh) 熱傳導性固化產物及其製造方法
TWI597357B (zh) Thermally conductive polysiloxane composition
CN110551394B (zh) 低热阻有机硅组合物
JP6658866B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び半導体装置
JP6469122B2 (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物およびそれを用いた誘電体セラミック層成形材料用剥離フィルム
KR102408879B1 (ko) 열전도성 시트
WO2018079362A1 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物、半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP6625749B2 (ja) 熱伝導性ポリオルガノシロキサン組成物
WO2018016564A1 (ja) 熱伝導性ポリオルガノシロキサン組成物
JP6783219B2 (ja) 放熱シート製造用のコーティング組成物、並びにそれを用いた放熱シートの製造方法及びその放熱シート
TW201731961A (zh) 絕緣散熱片
TW201833296A (zh) 熱傳導性聚有機矽氧烷組成物
TWI622624B (zh) Polyoxonium composition and method for producing thermally conductive polyphosphonium composition
TW201837093A (zh) 熱傳導性薄片及其製造方法
WO2022049817A1 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及びその製造方法
TW201943768A (zh) 熱傳導性矽酮組成物及其硬化物
WO2019150944A1 (ja) 熱伝導性組成物及び熱伝導性成形体
JP2009235279A (ja) 熱伝導性成形体およびその製造方法
TWI797085B (zh) 熱傳導性聚有機矽氧烷組成物用表面處理劑
JP7136065B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーンシート
JP7046694B2 (ja) シリコーンシート及びこれを用いた実装方法
JP5255466B2 (ja) 熱伝導性樹脂組成物
CN114901756B (zh) 导热性硅酮树脂组合物、硬化物及导热性硅酮散热片材
JP5418620B2 (ja) 熱伝導部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201021

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6783219

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250