JP7046694B2 - シリコーンシート及びこれを用いた実装方法 - Google Patents
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Description
本発明は前記従来の問題を解決するため、切断面を非粘着面としたシリコーンシート及びこれを用いた実装方法を提供する。
前記シリコーンシートの硬さはショアOOで75以下であり、
前記シリコーンシートの上下面にはカバーフィルムが積層されており、
上面のカバーフィルムとシリコーンシートと下面のカバーフィルムは厚さ方向に、かつ上面から見てタテ及びヨコ方向に切断されており、前記タテ及びヨコ方向の切断個所の切断面同士は隙間なく隣接しており、
前記シリコーンシートの前記切断面は非粘着性であり、前記切断面の非粘着性は、レーザー光による切断、加熱、プラズマ照射、電子線照射及びコロナ照射から選ばれる少なくとも一つの手段により高架橋にするか、又はアルコキシシラン及びフッ素含有化合物から選ばれる少なくとも一つの剥離剤の付与により発現しており、
前記切断面の粘着性はタッキネスチェッカーで0.6N以下であり、前記切断面で分離可能であることを特徴とする。
(A)ベースポリマー成分:1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサン:100重量部
(B)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、前記A成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(C)白金系金属触媒:A成分に対して重量単位で0.01~1000ppm
(D)熱伝導性粒子:A成分100重量部に対して100~2000重量部
(1)ベースポリマー成分(A成分)
ベースポリマー成分は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個含有するオルガノポリシロキサンは本発明のシリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2~8、特に2~6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個有する。粘度は25℃で10~1000000mPa・s、特に100~100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10~1000000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
本発明のB成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、この成分中のSiH基とA成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成するものである。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2~1000、特に2~300程度のものを使用することができる。
C成分の触媒成分は、本組成物の一段階目の硬化を促進させる成分である。C成分としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。C成分の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。A成分に対して金属原子重量として0.01~1000ppm添加するのが好ましい。
D成分の熱伝導性粒子は、マトリックス成分であるA成分100重量部に対して100~2500重量部添加するのが好ましい。これにより熱伝導率を高く保つことができる。熱伝導粒子としては、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。アルミナを使用する場合は、純度99.5重量%以上のα-アルミナが好ましい。熱伝導性粒子の比表面積は0.06~10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.1~100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、50%粒子径を測定する。この測定器としては、例えば堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA-950S2がある。
本発明の組成物には、必要に応じて前記以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。フィラー表面処理などの目的で添加する材料として、アルコキシ基含有シリコーンを添加しても良い。
(1)図3Aは同、自動実装機先端部10を、シリコーンシート11aの表面まで移動した状態を示す説明図である。シリコーンシート11a~11gはキャリアテープ12の上に配列され、1枚ずつ先端(左側)に送られる。右側の離れた位置には、配線基板14の上にCPUが搭載された電子部品13が配置されている。
(2)図3Bは同、自動実装機先端部10のエアーを矢印15の方向に吸引し、シリコーンシート11aを吸着した状態を示す説明図である。
(3)図3Cは同、シリコーンシート11aを吸着した状態で自動実装機先端部10を上に移動したピックアップ工程を示す説明図である。
(4)図3Dは同、シリコーンシート11aを吸着した状態でCPUを搭載する電子部品13の上方まで移動した状態を示す説明図である。
(5)図3Eは同、シリコーンシート11aを電子部品13上に設置し、エアーを矢印16に示すように開放し、電子部品13上にシリコーンシート11aを実装した状態を示す説明図である。
(6)図3Fは同、自動実装機先端部10を上に移動し、1サイクルを終了した状態を示す説明図である。
<硬さ>
バーレイス・ゴム用万能自動硬度計を用いて測定し、ショアOO ASTM D2240を適用した。
<粘着力>
タッキネスチェッカー(東洋精機株式会社製)を用いて測定した。一定の圧力・時間で接触子を対象物に押しつけ、引き剥がした際の応力をロードセル方式で検出した。下記の実施例においては、タッキネスチェッカー(東洋精機株式会社製)の圧力は5N、時間は3秒とした。
(1)シリコーン成分
シリコーン成分として二液室温硬化シリコーンゴムを使用した。なお、二液RTVにはベースポリマー成分(A成分)と架橋成分(B成分)と白金系金属触媒(C成分)が予め添加されている。
(2)熱伝導性粒子
(a)小粒径熱伝導性粒子
小粒径熱伝導性粒子は平均粒子径1μmのアルミナをシランカップリング剤で表面処理して使用した。添加量はシリコーン成分100重量部当たり50重量部とした。平均粒子径はレーザー回折光散乱法により、50質量%粒子径を測定した(以下も同じ)。この測定器は、堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA-950S2がある。
(b)中粒径熱伝導性粒子
中粒径熱伝導性粒子は平均粒子径3μmのアルミナをシランカップリング剤で表面処理して使用した。添加量はシリコーン成分100重量部当たり200重量部とした。
(c)大粒径熱伝導性粒子
大粒径熱伝導性粒子は2種類使用したが、いずれもシランカップリング剤の表面処理はせずにそのまま使用した。
(i)平均粒子径50μmのアルミナを使用した。添加量はシリコーン成分100重量部当たり200重量部とした。
(d)熱伝導性粒子の添加量
シリコーン成分100重量部に対して小粒径熱伝導性粒子を50重量部、中粒径熱伝導性粒子を200重量部、大粒径熱伝導性粒子200重量部、合計450重量部添加した。
2.シート成形加工方法
離型処理をしたポリエステルフィルム上に厚さ3mmの金枠を置きコンパウンドを流し込み、もう一枚の離型処理をしたポリエステルフィルムを載せた。これを5MPaの圧力で、120℃で10分間硬化し、タテ140mm、ヨコ140mm、厚さ5.0mmのシリコーンゴムシートを成形した。得られた放熱シートの熱伝導率は1.5 W/m・K、硬度はショアOOで15であった。
このシリコーンゴムシートの両表面に、厚さ100μmのポリエステル(PET)フィルムを積層した状態でCO2ガスレーザー(出力30W)を用いて幅10mm、長さ20mmの大きさに切断加工をおこない、切断面を高架橋化させた。加工時に発生する煤等を拭きとり加工完了とした。
シリコーンゴムシートの切断加工された面をタッキネスチェッカーで測定したところ,粘着力は0.3Nであった。このシリコーンゴムシートは1週間放置しても切断加工された面同士が密着することはなく作業性に問題がなかった。
この切断加工されたシリコーンゴムシートを、図3A-図3Fに概略を示す自動実装機(安川電機製6軸ロボット)を用いてエアー圧力吸脱着式ピックアンドプレースを行ったところ、個別に吸着でき、作業性に問題がなかった。
上記の様に作製したシリコーンゴムシートを、ギロチン刃を用いて幅10mm 長さ20mmの大きさに切断加工をおこなった。シリコーンゴムシートの切断加工された面をタッキネスチェッカーで測定したところ,粘着力は0.8Nであった。このシリコーンゴムシートは1週間放置すると切断加工された面同士が密着し作業に多くの時間がかかった。
このシリコーンゴムシートを、図3A-図3Fに概略を示す自動実装機(安川電機製6軸ロボット)を用いてエアー圧力吸脱着式ピックアンドプレース作業は切断加工された面同士が密着し作業不可能であった。
実施例1で処方したシリコーンゴムシートの片面のポリエステルフィルムを剥がし、ホットカッター(表面温度350℃)にて幅10mm 長さ20mmの大きさに切断加工をおこない、切断面を高架橋化させた。シリコーンゴムシートの切断加工された面をタッキネスチェッカーで測定したところ,粘着力は0.5Nであった。このシリコーンゴムシートは1週間放置しても切断加工された面同士が密着することはなく作業性に問題がなかった。
このシートをキャリアテープに包装し、図3A-図3Fに概略を示すエアー圧力吸脱着式ピックアンドプレース装置を行ったところ、個別に吸着でき、作業性に問題がなかった。
2 シリコーンシート層
3,4 ポリエステル(PET)フィルム
5a,5b・・・5m タテ切断線
6a,6b・・・6f ヨコ切断線
10 自動実装機先端部
11a~11g シリコーンシート
12 キャリアテープ
13 CPUが搭載された電子部品
14 配線基板
15,16 自動実装機先端部のエアー方向
Claims (7)
- シリコーンゲルシート及びシリコーンパテシートから選ばれる少なくとも一つのシリコーンシートであって、
前記シリコーンシートの硬さはショアOOで75以下であり、
前記シリコーンシートの上下面にはカバーフィルムが積層されており、
上面のカバーフィルムとシリコーンシートと下面のカバーフィルムは厚さ方向に、かつ上面から見てタテ及びヨコ方向に切断されており、前記タテ及びヨコ方向の切断個所の切断面同士は隙間なく隣接しており、
前記シリコーンシートの前記切断面は非粘着性であり、前記切断面の非粘着性は、レーザー光による切断、加熱、プラズマ照射、電子線照射及びコロナ照射から選ばれる少なくとも一つの手段により高架橋にするか、又はアルコキシシラン及びフッ素含有化合物から選ばれる少なくとも一つの剥離剤の付与により発現しており、
前記切断面の粘着性はタッキネスチェッカーで0.6N以下であり、前記切断面で分離可能であることを特徴とするシリコーンシート。 - 前記シリコーンシートは、熱伝導率が0.5W/mK以上である請求項1に記載のシリコーンシート。
- 前記シリコーンシートは、シリコーン成分100重量部に対して熱伝導粒子が100~2500重量部添加されている請求項1又は2に記載のシリコーンシート。
- 前記熱伝導粒子は、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載のシリコーンシート。
- 前記熱伝導粒子は平均粒子径が異なる少なくとも2つの無機粒子を併用する請求項3又は4に記載のシリコーンシート。
- 前記熱伝導粒子は、R(CH3)aSi(OR’)-a4 (Rは炭素数1~20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1~4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるアルコキシシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で表面処理されている請求項3~5のいずれかに記載のシリコーンシート。
- 請求項1~6のいずれかに記載のシリコーンシートを、自動実装機を用いてピックアンドプレース実装する実装方法。
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