JP2017101171A - 熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に、電気・電子用の部品や基板に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材を提供する。【解決手段】(A)分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン、(B)下式(1)で示されるケイ素原子結合加水分解性基を1分子中に平均2個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、R4-bSiZb(1)(Rは一価炭化水素基、Zは加水分解性基、bは3又は4。但し、Rが炭素数8〜15の一価炭化水素基である化合物又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)(C)熱伝導性充填剤を含有し、基材に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、電気・電子用部品や基板に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材に関するものであり、特に、通信機器や車載機器等の電気・電子用部品の基材に対して(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット用パソコン端末などの通信機器や、カーナビゲーションシステム等の車載機器などの各種通信機器や車載機器におけるCPU内部部品等の基材に対して)、放熱用材料等として好適なリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する通信機器や車載機器等に用いられる電気・電子用部材等に関するものである。
なお、本発明においてリペア性とは、23℃±2℃/50%RH±5%RHの条件にて基材表面上で硬化成形したシリコーンゴム硬化物を7日間経過後に該基材表面から剥離する際の剥離容易性として評価するものとする。
大気中の湿気(水分)により室温で架橋・硬化する室温硬化性(RTV)シリコーンゴム組成物は、その取り扱いが容易な上、該組成物から得られる硬化物(シリコーンゴム)は耐候性や電気特性に優れているため、建材用のシーリング材、電気・電子分野での接着剤など様々な分野で使用されている。特に電気・電子分野では、使用される被着体(有機樹脂系の基材)に対する接着・コーティング適正から、脱アルコールタイプのRTVシリコーンゴム組成物が使用される傾向にある。また、近年急速に需要が伸びてきている通信機器や車載機器等の電源部品用途には、脱アルコールタイプのRTVシリコーンゴム組成物が使用されている。
特に通信機器は、近年急速な技術革新が行われている。具体的には、小型、薄型の携帯電話やスマートフォンが普及してきており、これらの機器に使用されているRTVシリコーンゴム組成物としては、部品の接着用途や部品から発生する熱を効果的に逃がす用途があるが、最近は高価なICチップや電池を回収するという目的からリペア性(即ち、一旦、基材表面上に硬化形成したシリコーンゴム被覆層を所定時間経過後に該基材表面から剥離する際の剥離容易性)を有する材料が求められてきている。これらのICチップや電池は、非常に小型なため発生する熱が大きく、リペア性に加えて熱伝導性を有することも必要になっている。
リペア性あるいは熱伝導性を有するRTVシリコーンゴム組成物は過去いくつか例があり、以下数例を例示する。
特許第2764678号公報(特許文献1)には、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物中に炭素原子数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、あるいはこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物を添加することで、剥離性を発現した室温硬化性シリコーン組成物が開示されている。ほとんど全ての被着体に対して良好な剥離性を示すが、熱伝導性については言及されておらず、放熱性が必要な箇所には使用が難しいと考えられる。また、室温硬化性(RTV)シリコーン組成物との相溶性の観点からポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖含有基からなる化合物が硬化物中から滲み出て、部品等を汚染する可能性がある点では該化合物を多量に配合することは好ましくない。
特開2004−352947号公報(特許文献2)には、オルガノポリシロキサンに、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、石英粉、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、グラファイト等の無機粉末又はアルミニウム、銅、銀、ニッケル、鉄、ステンレス等の金属粉末などの熱伝導性充填剤を添加してなる室温硬化型熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されている。従来から知られている室温硬化型熱伝導性シリコーンゴム組成物であり、ポッティング性、コーティング性、シール性に優れているものの、リペア性は言及されていない。
特開2013−227374号公報(特許文献3)には、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンに10W/m・℃以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤を混合することで、低粘度で塗布し易くても形状維持性が高く、硬化しても柔らかいので垂れることがなく、また応力緩和が期待でき、更にリペア性にも優れる加熱硬化型熱伝導性シリコーングリース組成物が開示されている。しかし、接着助剤が添加されているため良好なリペア性を有しているとは言い難く、また加熱硬化型しか例示されていない。
本発明は、これらの課題に対して、特に、電気・電子用の部品や基板に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材を提供することを目的とするものであり、特に、通信機器や車載機器等の電気・電子用部品の基材に対して(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット用パソコン端末などの通信機器や、カーナビゲーションシステム等の車載機器などの各種通信機器や車載機器におけるCPU内部部品等の基材に対して)、放熱用材料等として好適なリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与える熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する通信機器や車載機器等に用いられる電気・電子用部材等を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、後述する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が上記要求を満足するものであることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材を提供するものである。
[1]
(A)分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記一般式(1)で示されるケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.5〜15質量部、
R4-bSiZb (1)
(式中、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、bは3又は4である。但し、(B)成分中に、Rが炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基である加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)
(C)熱伝導性充填剤 200〜2,000質量部
を含有し、基材に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与えるものである熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
熱伝導率が1.0W/m・K以上のシリコーンゴム硬化物を与えるものである[1]記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
更に、分子中に炭素数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、又はこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有するものである[1]又は[2]記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材。
[5]
通信機器又は車載機器に用いられるものである[4]記載の部材。
[1]
(A)分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記一般式(1)で示されるケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.5〜15質量部、
R4-bSiZb (1)
(式中、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、bは3又は4である。但し、(B)成分中に、Rが炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基である加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)
(C)熱伝導性充填剤 200〜2,000質量部
を含有し、基材に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与えるものである熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
熱伝導率が1.0W/m・K以上のシリコーンゴム硬化物を与えるものである[1]記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
更に、分子中に炭素数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、又はこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有するものである[1]又は[2]記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材。
[5]
通信機器又は車載機器に用いられるものである[4]記載の部材。
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、特に、通信機器や車載機器等の電気・電子用部品の基材に対して(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット用パソコン端末などの通信機器や、カーナビゲーションシステム等の車載機器などの各種通信機器や車載機器におけるCPU内部部品等の基材に対して)、放熱用材料等として基材に対して良好なリペア性を有するシリコーンゴム硬化物となり得るため、電気・電子用部品、特に通信機器や車載機器等の電気・電子用部品の放熱用シリコーンゴムコーティング層として有用である。
以下、本発明について詳しく説明する。
[(A)成分]
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の(A)成分は、該組成物の主剤(ベースポリマー)として作用するものであり、分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンであって、好適には下記一般式(2)又は(3)で示される、分子鎖両末端にシラノール基又は加水分解性シリル基をそれぞれ1個ずつ(即ち、分子中に2個)有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンである。
[(A)成分]
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の(A)成分は、該組成物の主剤(ベースポリマー)として作用するものであり、分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンであって、好適には下記一般式(2)又は(3)で示される、分子鎖両末端にシラノール基又は加水分解性シリル基をそれぞれ1個ずつ(即ち、分子中に2個)有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンである。
式(2)中、R1は独立に炭素数1〜10の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;及びこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等である。これらの中では、特にメチル基が好ましい。
R1は同一の基であっても異種の基であってもよく、また、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位の繰り返し数(又は重合度)を示すmは10以上の整数、好ましくは10〜2,000の整数、より好ましくは50〜1,200の整数、更に好ましくは100〜1,000の整数であり、このm値の範囲は、通常、該ジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が25〜500,000mPa・s、好ましくは500〜100,000mPa・s、より好ましくは1,000〜50,000mPa・s程度に対応するものである。なお、重合度(又は分子量)は、例えば、トルエン等を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができ、また、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができる(以下、同じ)。
式(3)中、R1、mは上記式(2)のR1、mと同じ。R2は炭素数1〜6の一価の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられるが、特にメチル基又はエチル基が好ましい。
R2は同一の基であっても異種の基であってもよく、また、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位の繰り返し数(又は重合度)を示すmは、上記式(2)の場合と同様に10以上の整数、好ましくは10〜2,000の整数、より好ましくは50〜1,200の整数、更に好ましくは100〜1,000の整数であり、このm値の範囲は、通常、該ジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が25〜500,000mPa・s、好ましくは500〜100,000mPa・s、より好ましくは1,000〜50,000mPa・s程度に対応するものである。aは独立に0又は1である。
[(B)成分]
(B)成分は、本組成物の架橋剤(硬化剤)として作用するものであり、下記一般式(1)で示されるケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上、好ましくは3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、該加水分解性オルガノシラン化合物を部分加水分解縮合して生成する分子中に残存加水分解性基を2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノシロキサンオリゴマー)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
R4-bSiZb (1)
(式中、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、bは3又は4である。但し、(B)成分中に、Rが炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基である加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)
(B)成分は、本組成物の架橋剤(硬化剤)として作用するものであり、下記一般式(1)で示されるケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上、好ましくは3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、該加水分解性オルガノシラン化合物を部分加水分解縮合して生成する分子中に残存加水分解性基を2個以上、好ましくは3個以上有するオルガノシロキサンオリゴマー)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
R4-bSiZb (1)
(式中、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、bは3又は4である。但し、(B)成分中に、Rが炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基である加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)
上記式(1)において、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、このRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基、シクロへプチル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、及びこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられるが、本組成物の硬化物(シリコーンゴム)が、電気・電子部品の基材に対して良好なリペア性(即ち、一旦、基材表面上に硬化形成したシリコーンゴム被覆層を所定時間経過後に該基材表面から剥離する際の剥離容易性)を発現させる観点から、(B)成分中の全R基のうち、(B)成分の10質量%以上、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、最も好ましくは30〜50質量%に相当する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物のR基については、炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であることが必要である。全R基のうち、炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基の含有比率が少なすぎると基材に対する優れたリペア性を発現することが困難となる。
Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、この加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等の非置換又はアルコキシ置換のアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等のケトオキシム基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基等のアシロキシ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基、メチルエチルアミノキシ基等のアミノオキシ基などが挙げられる。
bは3又は4である。
bは3又は4である。
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及びその部分加水分解縮合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物であるメチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランなどのケトオキシムシラン;メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デカトリメトキシシラン(n−デシルトリメトキシシラン)、n−ドデカトリメトキシシラン(n−ドデシルトリメトキシシラン)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン等のアルケノキシシランなどの各種3官能性の加水分解性オルガノシラン化合物及びその部分加水分解縮合物などが挙げられる。
(B)成分は、10質量%以上がR基として炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である限りにおいて、1種を単独で使用しても2種以上を併用しても構わない。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜15質量部であり、好ましくは1.0〜10質量部である。(B)成分の配合量が0.5質量部未満では、目的とするゴム弾性を有する硬化物となり難い。15質量部を超えるとコスト的に不利となり、またタックフリータイムの遅延が生じるなど作業性が低下する可能性がある。
[(C)成分]
(C)成分は熱伝導性充填剤、特には熱伝導性の無機質充填剤であり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物(シリコーンゴム)に優れた熱伝導性を付与するための重要な成分である。
(C)成分は熱伝導性充填剤、特には熱伝導性の無機質充填剤であり、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物(シリコーンゴム)に優れた熱伝導性を付与するための重要な成分である。
充填剤の持つ熱伝導率が5W/m・Kより小さいと、本組成物及びその硬化物の熱伝導率が小さくなるため好ましくない。そのため(C)成分の充填剤の熱伝導率は、通常、5W/m・K以上であり、特に10W/m・K以上であることが好ましい。(C)成分の具体例としては、アルミニウム粉末、銀粉末、ニッケル粉末などの金属粉;アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素などの窒化物;ダイヤモンド粉末やカーボンなどが挙げられる。これらの充填剤は1種類を単独でも、2種類以上を併用しても構わない。
(C)成分の平均粒径は、0.1〜200μmが好ましく、0.1〜150μmが特に好ましい。0.1μmより小さいと組成物中の添加量が少なくなり所望とする熱伝導性が得られない可能性がある。また組成物の伸張性が低下し、良好なリペア性を実現できない場合がある。また200μmを超えると、熱伝導率は上がるものの組成物中の均一分散性が劣るため好ましくない。なお、この平均粒径は例えば、レーザー光回折法による累積質量平均径(又はメジアン径)D50等として測定可能である。
(C)成分の形状は、破砕状の不定形や真球状のものがあるが、いかなる形状でも構わない。充填性や熱伝導率の向上を考慮すると、丸み状が好ましい。
(C)成分の充填量は、(A)成分100質量部に対して200質量部未満であると所望とする熱伝導性が得られず、2,000質量部を超える量であると、組成物の硬度が高くなり、また良好なリペア性が得られなくなる。そのため200〜2,000質量部が好ましく、特に200〜1,500質量部が好ましい。
[その他の成分]
また、本発明には上記成分以外に、熱伝導性やリペア性を損なわない範囲で、以下充填剤や添加剤などを配合しても差し支えない。
上記(C)成分以外の充填剤(例えば、熱伝導率が5W/m・K未満の充填剤)としては、粉砕シリカ、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ又は乾式シリカ)、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化酸化アルミニウム、湿式シリカなどが挙げられ、使用する場合は(A)成分100質量部に対して1〜30質量部、特には5〜20質量部配合することが好ましい。
添加剤としては、例えば、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイルなどが挙げられる。
また、本発明には上記成分以外に、熱伝導性やリペア性を損なわない範囲で、以下充填剤や添加剤などを配合しても差し支えない。
上記(C)成分以外の充填剤(例えば、熱伝導率が5W/m・K未満の充填剤)としては、粉砕シリカ、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ又は乾式シリカ)、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸亜鉛、水酸化酸化アルミニウム、湿式シリカなどが挙げられ、使用する場合は(A)成分100質量部に対して1〜30質量部、特には5〜20質量部配合することが好ましい。
添加剤としては、例えば、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイルなどが挙げられる。
また、従来技術において、リペア性を発現させるために室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に添加されていた長鎖アルキル基及び/又はポリエーテル鎖を分子中に有するオルガノポリシロキサン化合物(例えば、分子中に炭素数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、あるいはこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物等)を、本発明の作用効果を損なわない範囲において添加することは任意であり、この場合、該長鎖アルキル基及び/又はポリエーテル鎖を分子中に有するオルガノポリシロキサン化合物の添加量は、(A)成分100質量部に対して20質量部以下(例えば、0.1〜20質量部、特には0.5〜10質量部)程度であることが好ましい。なお、上記長鎖アルキル基及び/又はポリエーテル鎖を分子中に有するオルガノポリシロキサン化合物は、シラノール基及び加水分解性シリル基を有さない点で、本発明の(A)、(B)成分と相違するものである。
また、必要に応じて、顔料、染料等の着色剤、蛍光増白剤、防かび剤、抗菌剤、ブリードオイルとしての非反応性フェニルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤、粘度調節を目的としたトルエン、キシレン、溶剤揮発油、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、低沸点イソパラフィン等の溶剤も添加してよい。粘度調節を目的とした化合物を添加する場合、25℃の粘度が0.1〜50mPa・s程度のものを使用することが効果的である。
更に必要に応じて硬化性を促進させる硬化触媒を添加してよい。本成分は同一であっても異種のものであってもよく、また、1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。具体例としては、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物;アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコレート又はアルミニウムキレート化合物;オクチル酸鉛やその他の酸性触媒もしくは塩基性触媒等の従来公知の触媒が例示される。特にチタンキレート化合物が好ましく、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタンが特に好ましい。硬化触媒を使用する場合は、(A)成分100質量部に対して0.1〜8質量部、特に0.5〜5質量部配合することが好ましい。
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、常法に従い上記各成分を混合することによって製造し、湿分を避けた雰囲気で保存することができ、これを室温に放置することにより、空気中の水分存在下で通常5分〜1週間で硬化する。
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、熱伝導率が1.0W/m・K以上、好ましくは1.0〜3.0W/m・Kのシリコーンゴム硬化物を与えるものであることが好ましい。熱伝導率は、JIS A 1412やJIS R 2616に規定されている熱線法、ホットディスク法、熱流法などにより測定できる。なお、上記熱伝導率とするには、熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、上記(A)〜(C)の必須成分、及び必要によりその他の任意成分(充填剤、添加剤、硬化触媒等)を、所定の配合量で組み合わせて配合して均一な組成物を構成することにより達成できる。
本発明の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、基材に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物となり得るものであり、該組成物の硬化物は、基材に対してリペア性に優れるため、電気・電子用部材、特に通信機器又は車載機器に用いられる電気・電子用部材のシリコーンゴムコーティング層として有用である。
[リペア性試験方法]
本発明に記載のリペア性を有する熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、以下の方法にてリペア性試験を実施することができるが、これに限定されるものではない。
1)ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に、本発明により得られた熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物をビード状に塗布して、23℃±2℃/50%RH±5%RHの条件にて7日硬化させる。
2) 1)で作製した試験体を90°方向にピールする。
3)結果は、以下の通りに判定する。
○:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に材料が全く残らず、きれいに剥離できる
△:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に材料が一部残る
×:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上の材料が、全く剥がせない
なお、ビード状に塗布される材料の厚みは特に限定はされないが、好ましくは100〜2,000μm、特に好ましくは500〜2,000μmの範囲である。
本発明に記載のリペア性を有する熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、以下の方法にてリペア性試験を実施することができるが、これに限定されるものではない。
1)ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に、本発明により得られた熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物をビード状に塗布して、23℃±2℃/50%RH±5%RHの条件にて7日硬化させる。
2) 1)で作製した試験体を90°方向にピールする。
3)結果は、以下の通りに判定する。
○:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に材料が全く残らず、きれいに剥離できる
△:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上に材料が一部残る
×:ガラス、アルミニウム又はFR−4基板上の材料が、全く剥がせない
なお、ビード状に塗布される材料の厚みは特に限定はされないが、好ましくは100〜2,000μm、特に好ましくは500〜2,000μmの範囲である。
以下、本発明を具体的に説明する実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、粘度は回転粘度計により測定したものであり、重合度(m)及び平均分子量はトルエンを展開溶媒としたGPC分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度及び数平均分子量を示す。
なお、粘度は回転粘度計により測定したものであり、重合度(m)及び平均分子量はトルエンを展開溶媒としたGPC分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度及び数平均分子量を示す。
[実施例1]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(3)において、R1,R2=メチル基、a=1、m=約200、以下同様。)90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、分散剤(ウェッター)として下記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物1を得た。
(式中、Meはメチル基である。)
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(3)において、R1,R2=メチル基、a=1、m=約200、以下同様。)90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、分散剤(ウェッター)として下記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物1を得た。
[実施例2]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物2を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物2を得た。
[実施例3]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン3質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物3を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン3質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物3を得た。
[実施例4]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(3)において、R1,R2=メチル基、a=1、m=約650、以下同様。)30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物4を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(3)において、R1,R2=メチル基、a=1、m=約650、以下同様。)30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物4を得た。
[比較例1]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物5を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物5を得た。
[比較例2]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物6を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物6を得た。
[比較例3]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン7質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物7を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン7質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物7を得た。
[比較例4]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物8を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン6質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物8を得た。
調製した組成物1〜8を用いて、前述した通りの条件でリペア性試験の評価を行った(ビード状に塗布される組成物の厚みは約1.5mm)。併せて、12mm厚になるように23℃±2℃/50%RH±5%RHの条件にて7日、組成物1〜8を硬化させて得られた各シリコーンゴムシートを用いて、熱線法による熱伝導率の測定も行った。試験結果を表1に示す。
組成物1〜4(実施例1〜4)は、(B)成分として炭素数が長いシラン化合物を併用することで、各種基板に対するリペア性が発現する。これは、炭素が多いことにより基材に対して斥力が働くためだと推定される。
炭素数が短いシラン化合物のみで構成された組成物5〜8(比較例1〜4)は、アルミニウムやFR−4に対するリペア性が悪い結果であった。
炭素数が短いシラン化合物のみで構成された組成物5〜8(比較例1〜4)は、アルミニウムやFR−4に対するリペア性が悪い結果であった。
なお、従来の技術として、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物中に炭素原子数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、あるいはこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物を添加することでリペア性が発現するものがある(特許第2764678号公報)ため、上記の各組成物1〜8に対して、更に上述したオルガノポリシロキサン化合物を添加した組成物9〜16について、リペア性の比較を行った。以下詳細を記述する。
[実施例5]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基(一価炭化水素基)中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物9を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基(一価炭化水素基)中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物9を得た。
[実施例6]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物10を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物10を得た。
[実施例7]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン3質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物11を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン3質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物11を得た。
[実施例8]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物12を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン4質量部と、n−デカトリメトキシシラン2質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物12を得た。
[比較例5]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物13を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が20μmの丸み状アルミナ315質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ135質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物13を得た。
[比較例6]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物14を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン90質量部と、BET比表面積150m2/gの煙霧質(乾式)シリカ15質量部を150℃で60分混合させた後、3本ロールに1回通し、ベース1を得た。105質量部のベース1に対して、上記式(4)で示される化合物を10質量部と、平均粒径が10μmの丸み状アルミナ360質量部と、平均粒径が1μmの酸化亜鉛90質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2質量部を室温で10分混合させ、組成物14を得た。
[比較例7]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン7質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物15を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン85質量部と、上記式(4)で示される化合物を15質量部と、平均粒径が70μm、45μm、10μmの丸み状アルミナをそれぞれ235質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ470質量部を120℃で2時間加熱した。その後、メチルトリメトキシシラン7質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物15を得た。
[比較例8]
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物16を得た。
(A)成分として分子鎖両末端がジメトキシメチルシロキシ基で封鎖された、25℃における粘度が900mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部と、20,000mPa・sのジメチルポリシロキサン30質量部と、上記式(4)で示される化合物を5質量部と、平均粒径が35μmの酸化マグネシウム200質量部と、平均粒径が1μmのアルミナ200質量部を120℃で2時間加熱した。その後、平均粒径10μmの水酸化アルミニウム50質量部を加え、室温で20分混合した。メチルトリメトキシシラン6質量部と、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ケイ素原子に結合した有機基中4.6mol%が平均分子量500程度のポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサン(25℃における粘度;150mPa・s)7.5質量部と、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン3質量部を室温で10分混合させ、組成物16を得た。
調製した組成物9〜16を用いて、前述した通りの条件でリペア性試験の評価を行った(ビード状に塗布される組成物の厚みは約1.5mm)。各基板に組成物9〜16を塗布して硬化させた試験体を、70℃雰囲気下で1週間放置した後のリペア性も併せて評価した。試験結果を表2と表3に示す。
ポリエチレンオキシドで変性されたジメチルポリシロキサンを添加することで、組成物9〜16(実施例5〜8、比較例5〜8)は、リペア性が向上する。但し、(B)成分である炭素数が長いシラン化合物が添加されていない組成物13〜16(比較例5〜8)は、70℃/1週間後のリペア性が低下する結果となった。
Claims (5)
- (A)分子内にシラノール基及び/又は加水分解性シリル基を少なくとも2個有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記一般式(1)で示されるケイ素原子に結合した加水分解性基を1分子中に平均2個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.5〜15質量部、
R4-bSiZb (1)
(式中、Rは炭素数1〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、Zはそれぞれ独立に加水分解性基であり、bは3又は4である。但し、(B)成分中に、Rが炭素数8〜15の非置換又は置換の一価の炭化水素基である加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を10質量%以上含有する。)
(C)熱伝導性充填剤 200〜2,000質量部
を含有し、基材に対してリペア性を有するシリコーンゴム硬化物を与えるものである熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 熱伝導率が1.0W/m・K以上のシリコーンゴム硬化物を与えるものである請求項1記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、分子中に炭素数6〜18のアルキル基、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖、又はこれらの両者を含有するオルガノポリシロキサン化合物を(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部含有するものである請求項1又は2記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導性室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物からなるシリコーンゴムコーティング層を有する部材。
- 通信機器又は車載機器に用いられるものである請求項4記載の部材。
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