JP2014147181A - 補助コア部材の製造方法、ステータの製造方法及び補助コア部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層部41及び折り曲げ前のロータ対向部44を板材から打ち抜く打ち抜き工程と、その工程後、ロータ対向部44を軸方向に折り曲げる折り曲げ工程と、積層部41とロータ対向部44との間の折曲部45の外側面における積層部41寄りの一部(被拘束面45a)を拘束ダイ72にて拘束し、その拘束状態でロータ対向部44を据え込みパンチ74にて軸方向の折曲部45側に押圧する拘束据え込み工程とを有する。
【選択図】図10
Description
上記の補助コア部材の製造方法において、前記拘束据え込み工程後、前記積層部の反軸方向延出部側の板面と当接するダイと前記折曲部の前記被拘束面との間に隙間が存在する状態で、前記軸方向延出部を据え込みパンチにて前記軸方向の前記折曲部側に押圧する据え込み工程を有することが好ましい。
この方法によれば、据え込み工程によって折曲部の外側面を略直角に成形することが可能となるため、折曲部のより一層の肉厚化が可能となる。
この方法によれば、補助コア部材の損傷が抑えられ、その補助コア部材によって出力向上が図られたステータを製造することができる。
上記補助コア部材において、前記折曲部の外側面には、前記折曲部の二等分線に対して前記軸方向延出部側の位置に中心が設定された円弧面が形成されていることが好ましい。
図1に示すように、モータ10は、リヤフレーム11とフロントフレーム12によってモータ10の軸方向に挟持された環状のステータ13の内側にロータ14が配置されて構成されている。なお、モータ10の軸方向出力側(後述するジョイント63側)を保持するフレームをフロントフレーム12とし、軸方向反出力側を保持するフレームをリヤフレーム11としている。各フレーム11,12は、互いに離間しないようにステータ13の外周側の位置でスルーボルト15にて締結固定されている。
リヤフレーム11及びフロントフレーム12は、アルミニウムや鋼鉄等の金属材料にて形成されている。リヤフレーム11は、略円盤状の本体部11aと、本体部11aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部11bとを備えている。一方のフロントフレーム12も略同様の構成であり、略円盤状の本体部12aと、本体部12aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円環状のステータ保持部12bとを備えている。各フレーム11,12の本体部11a,12aの径方向中央には、同軸上に配置された軸受16,17が保持され、その軸受16,17には、ロータ14の回転軸18が軸支されている。
ステータ13は、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持された円環状のステータコア21と、そのステータコア21に装着された電機子巻線22とを備える。
上記のような形状を有するステータコア21は、複数の鋼板を積層して一体化することによって成形されている。
図4及び図6に示すように、上記したステータコア21に装着された電機子巻線22は、複数のセグメント導体25(セグメントコンダクタ)にて構成されている。各セグメント導体25は、所定のもの同士で接続されて、3相(U相、V相、W相)Y結線の電機子巻線22を構成している。また、各セグメント導体25は、同一断面形状(断面矩形状)の線材から形成されるものである。
図1に示すように、上記構成のステータ13を保持する各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、各フレーム11,12の本体部11a,12aから軸方向に延出する円筒状をなしている。ステータ保持部11b,12bの外径は、ステータ保持部11b,12bのメインコア部31の外径よりも大きく形成されている。また、ステータ保持部11b,12bの内径は、メインコア部31の外径よりも小さく、且つ、磁性板40(積層部41)の外径よりも大きく形成されている。
図1に示すように、ロータ14は、軸受16,17に軸支された回転軸18と、回転軸18に一体回転可能に固定された円筒状のロータコア61と、ロータコア61の外周面に固着された複数(本実施形態では10個)の界磁磁石62とから構成されている。各界磁磁石62は、フェライト磁石よりなり、磁極(N極とS極)が周方向で交互に異なるように配置されている。ロータコア61及びロータ14の界磁磁石62の軸方向長さは、ステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の磁性板40のロータ対向部44の先端から他方の磁性板40のロータ対向部44の先端までの長さ)と略等しく設定されている。即ち、界磁磁石62は、ステータコア21のメインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44に対して径方向に対向している。
ステータ13の電機子巻線22への通電により発生した磁界とロータ14の界磁磁石62の磁界とが、メインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44を介して作用し合い、ロータ14が回転する。このロータ対向部44は、ステータコア21のティース24のロータ14側端部(径方向内側端部)から軸方向に延びるように形成されているため、ステータコア21のロータ14との対向面(ステータコア21の内周面)の軸方向長さを確保して高出力化を図ることが可能となっている。そして、各ロータ対向部44の外周側の空間には、スロットSから軸方向両側に突出するセグメント導体25の第1及び第2突出部52,53が配置されており、その第1及び第2突出部52,53が軸方向両側のロータ対向部44と径方向にそれぞれ対向するように構成されている。このため、磁性板40のロータ対向部44によって出力を確保しつつも、ステータ13の軸方向長さ(本実施形態では、第1突出部52の軸端から第2突出部53までの長さ)を抑えることが可能となっている。
次に、本実施形態の磁性板40の製造方法について説明する。
まず、ロータ対向部44を折曲成形する前の磁性板40を鋼板から打ち抜く(打ち抜き工程)。
第1の金型71は、拘束ダイ72、ワーククランプ73及び据え込みパンチ74を備えている。拘束ダイ72は、磁性板40の積層部41の反ロータ対向部側に配置される。ワーククランプ73は、拘束ダイ72とで積層部41を板面方向(ロータ対向部44の延出方向)に挟むように配置される。そして、据え込みパンチ74は、ワーククランプ73とでロータ対向部44を板面方向(径方向)に挟むように、ワーククランプ73及び拘束ダイ72の側方に配置される。
第2の金型81は、ダイ82、ワーククランプ83及び据え込みパンチ84を備えており、それらは第1の金型71の拘束ダイ72、ワーククランプ73及び据え込みパンチ74と同様の位置に配置される。また、ワーククランプ83及び据え込みパンチ84は、前記第1の金型71のワーククランプ73及び据え込みパンチ84と同様の構成である。
以上のような製造方法によれば、2回の据え込み加工(拘束据え込み工程と据え込み工程)を経て、折曲部45の外側面が略直角となるように成形されるため、それぞれの据え込み加工による折曲部45の変形量(つまり、隙間G1,G2)が小さくなる。
(1)磁性板40の折曲部45の外側面における積層部41寄りの一部(被拘束面45a)を拘束ダイ72にて拘束し、その拘束状態でロータ対向部44を据え込みパンチ74にて軸方向の折曲部45側に押圧する拘束据え込み工程を有する。この製造方法によれば、拘束据え込み工程の際、折曲部45の外側面における積層部41寄りの一部を拘束ダイ72にて拘束するため、拘束ダイ72の拘束(押さえ)によって折曲部45の内側の変形量が抑えられ、折曲部45の内側における巻き込みの発生が抑えられる。また、拘束ダイ72の拘束によって、据え込みパンチ74の押圧時に積層部41に対して板厚方向に加わる破断力(剪断力)が小さく抑えられる。そして、据え込みパンチ74による押圧によって、折曲部45のロータ対向部44寄りの非拘束部45bが、据え込みパンチの押圧によって変形して肉厚となる。このように、本製造方法によれば、折曲部45の損傷を抑えつつ肉厚化することができる。
・上記実施形態では、据え込み工程に用いる第2の金型81のダイ82の平坦面85は、外周拘束部86の内周側からダイ82の径方向内側端面82aに亘って平面をなしているが、これに限定されるものではなく、例えば図13に示すような形状としてもよい。同図に示すように、平坦面85の径方向内側端部には、該平坦面85と連なり反折曲部側に凹となる円弧面87が形成されている。円弧面87の曲率半径R2は、前記拘束ダイ72(第1の金型71)の拘束円弧面77aの曲率半径R1(即ち、折曲部45の被拘束面45aの曲率半径)よりも大きく設定されている。また、円弧面87の円弧中心P2は、平坦面85に載置された磁性板40の折曲部45の二等分線Lに対してロータ対向部44側に設定され、円弧面87の最下点が平坦面85上に位置するように構成されている。そして、据え込みパンチ84の加圧前の状態では、円弧面87と折曲部45(肉厚部45c及び被拘束面45a)との間に隙間G3が存在している。
・上記実施形態では、各セグメント導体25は、スロットSに挿通された一対の直線部51を繋ぐ第1突出部52側で折り返されるように形成し、第2突出部53側で溶接等により接合するように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば、一対の直線部51をそれぞれ別体とし、第1突出部52においても溶接等により接合するように構成してもよい。また、セグメント導体25同士の接続は、溶接以外に例えば、バスバー等の別部材を用いた接続構造としてもよい。
・上記実施形態では、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、メインコア部31の外周縁(露出面31a)を軸方向に直接的に挟み、磁性板40に対しては軸方向に当接しないように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば、磁性板40の環状部42(積層部41)を介してメインコア部31を軸方向に挟むように構成してもよい。このような構成によれば、磁性板40の積層部41をステータ保持部11b,12bに対して軸方向に干渉しないように径方向に小さくする必要がないため、出力の低下を抑えることができる。また、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2よりも厚くして出力向上を図る場合には、磁性板40よりも板厚が薄いコアシート30の枚数を調整することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動を抑えることが可能である。
・上記実施形態では、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2よりも厚く設定したが、これに特に限定されるものではなく、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2に対して等しく、又は薄く設定してもよい。
・上記実施形態では、ロータ14の界磁磁石62にフェライト磁石を用いたが、これ以外に例えば、ネオジム磁石等を用いてもよい。
・上記実施形態において、ロータコア61及びロータ14の界磁磁石62の軸方向長さを、ステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の磁性板40のロータ対向部44の先端から他方の磁性板40のロータ対向部44の先端までの長さ)に対して異なるように設定してもよい。
Claims (9)
- ステータコアのメインコア部の軸方向端面に積層される積層部と、該積層部のロータ側の端部で折り曲げられて前記ステータコアの軸方向に延出された軸方向延出部とを有する補助コア部材の製造方法であって、
前記積層部及び折り曲げ前の前記軸方向延出部を板材から打ち抜く打ち抜き工程と、
前記打ち抜き工程後、前記軸方向延出部を前記軸方向に折り曲げる折り曲げ工程と、
前記積層部と前記軸方向延出部との間の折曲部の外側面における前記積層部寄りの一部である被拘束面を拘束ダイにて拘束し、その拘束状態で前記軸方向延出部を据え込みパンチにて前記軸方向の前記折曲部側に押圧する拘束据え込み工程と
を有する補助コア部材の製造方法。 - 請求項1に記載の補助コア部材の製造方法において、
前記拘束ダイは、前記積層部の反軸方向延出部側の板面と当接する平坦面と、該平坦面と連なり前記折曲部の前記被拘束面を拘束する拘束円弧面とを備えることを特徴とする補助コア部材の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の補助コア部材の製造方法において、
前記拘束据え込み工程後、前記積層部の反軸方向延出部側の板面と当接するダイと前記折曲部の前記被拘束面との間に隙間が存在する状態で、前記軸方向延出部を据え込みパンチにて前記軸方向の前記折曲部側に押圧する据え込み工程を有することを特徴とする補助コア部材の製造方法。 - 請求項3に記載の補助コア部材の製造方法において、
前記ダイにおける前記折曲部の外側面と対向する面が平面であることを特徴とする補助コア部材の製造方法。 - 請求項2に従属する請求項3に記載の補助コア部材の製造方法において、
前記据え込み工程で用いる前記ダイは、前記積層部の反軸方向延出部側の板面と当接する平坦面と、該平坦面と連なり前記折曲部の外側面と隙間を介して対向するとともに反折曲部側に凹となる円弧面とを備え、該円弧面の曲率半径は、前記拘束ダイの前記拘束円弧面の曲率半径よりも大きく設定されていることを特徴とする補助コア部材の製造方法。 - 請求項5に記載の補助コア部材の製造方法において、
前記ダイの前記円弧面の円弧中心は、前記補助コア部材の前記折曲部の二等分線に対して前記軸方向延出部側の位置に設定されていることを特徴とする補助コア部材の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法にて製造した補助コア部材を、ステータコアのメインコア部の軸方向端面に設ける設置工程を有することを特徴とするステータの製造方法。
- ステータコアのメインコア部の軸方向端面に積層される積層部と、該積層部のロータ側の端部で折り曲げられて前記ステータコアの軸方向に延出された軸方向延出部とを有する補助コア部材であって、
前記積層部と前記軸方向延出部との間の折曲部の肉厚は、前記軸方向延出部の板厚よりも厚く形成されていることを特徴とする補助コア部材。 - 請求項8に記載の補助コア部材において、
前記折曲部の外側面には、前記折曲部の二等分線に対して前記軸方向延出部側の位置に中心が設定された円弧面が形成されていることを特徴とする補助コア部材。
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