JP2015119515A - ステータコア、ステータ、モータ、及びステータコアの製造方法 - Google Patents

ステータコア、ステータ、モータ、及びステータコアの製造方法 Download PDF

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Yusuke Tateishi
祐介 立石
小幡 健治
Kenji Obata
健治 小幡
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Abstract

【課題】ステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができるステータコアを提供する。
【解決手段】環状コアシート27は、環状化する際に、環状ヨーク27aの圧縮側における軸方向の膨らみを収容する収容する収容部としての第2切り欠き部27cを有する。環状コアシート26は、環状コアシート27と軸方向に積層されるものであり、軸方向において前記第2切り欠き部27cと一部が重なるように第1切り欠き部26cが形成される。
【選択図】図6

Description

本発明は、ステータコア、ステータ、モータ、及びステータコアの製造方法に関する。
従来、永久磁石を使用したモータのステータコアでは、プレス加工における材料の歩留まりを向上させるために、原材料である板状部材から円環形状にプレス成形する製造方法から、直線状にスロット形状をプレス成形した後に曲げて円環状としたり、螺旋形状に積層する製造方法が検討されている(特許文献1参照)。
特許文献1のステータコアでは、円環状に曲げ加工する際に、径方向内側に位置する曲げ起点に切り欠き部を形成し、曲げ加工を容易としている。また、切り欠き部を形成することで、コア材の残留応力を緩和させることができるようになっている。
特開2013−93932号公報
しかしながら、曲げ容易化のために曲げ起点に切り欠き部を形成した場合、少なからず曲げ加工時のコア材圧縮によって部分的に材料が膨らむ、所謂肉逃げが発生する。そして、例えばステータコアを1枚のコアシートを複数積層したり、螺旋状に積層したりする場合、積層方向に材料が膨らむとステータコアの軸方向(積層方向)寸法のバラツキが悪化し、性能悪化やモータの体格を増大させる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができるステータコア、ステータ、モータ、及びステータコアの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するステータコアは、複数のティース構成部をヨークで連ねたコアシートを環状化して積層されるステータコアであって、前記コアシートは、環状化する際に、前記ヨークの圧縮側における軸方向の膨らみを収容する収容する収容部を有する。
この構成によれば、収容部によって軸方向の膨らみを収容することができるため、ステータコアの積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
上記ステータコアにおいて、前記コアシートは、径方向に開口する切り欠き部を有し、前記収容部は、前記切り欠き部の径方向における起点側を収容するように形成されることが好ましい。
この構成によれば、切り欠き部を有することで環状化する際の曲げ加工を容易とすることができ、この曲げ加工の際の軸方向に膨らむ曲げ起点を収容部に収容してステータコアの積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
上記ステータコアにおいて、前記コアシートは、前記切り欠き部と前記収容部とが軸方向において交互となる態様で積層されることが好ましい。
この構成によれば、収容部と切り欠き部とが交互となるように積層されるため、より確実にステータコアの積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
上記ステータコアにおいて、前記収容部は、前記切り欠き部と径方向逆側に開口する切り欠き形状であることが好ましい。
この構成によれば、収容部は切り欠き部と径方向逆側に開口する切り欠き形状であるため、例えば鋼板からプレス成形によってティース構成部等のその他の部位と同時に形成することが可能となる。
上記ステータコアにおいて、前記収容部は、前記コアシートの積層方向に貫通する形状又は軸方向に押圧された凹みであることが好ましい。
この構成によれば、収容部はコアシートの積層方向に貫通する形状又は軸方向に押圧された凹みであるため、例えば鋼板からプレス成形によってティース構成部等のその他の部位と同時に形成することが可能となる。
上記ステータコアにおいて、前記収容部は、前記収容部は、前記切り欠き部とは軸方向において重ならないとともに前記ヨークを曲げる際に圧縮側となる位置と軸方向に重なって前記圧縮に伴う前記ヨークの軸方向の膨らみを収容可能に形成されることが好ましい。
この構成によれば、収容部は、切り欠き部とは重ならない形状であってもヨークの軸方向の膨らみを収容してステータコアの積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
上記ステータコアにおいて、前記切り欠き部は、隣接するティース構成部間に複数形成されることが好ましい。
この構成によれば、切り欠き部は隣接するティース構成部間に複数形成されるため、帯状のシートを曲げてコアシートを形成する際に、曲げ加工を容易とすることが可能となる。
上記ステータコアにおいて、前記コアシートは、冷間圧延鋼板で構成されることが好ましい。
この構成によれば、コアシートが冷間圧延鋼板であるため、例えばケイ素鋼板よりも剛性が低いため曲げ加工を容易とすることができる。
上記ステータコアにおいて、複数の前記コアシートが軸方向に積層されてなるメインコア部と、該メインコア部の軸方向端部に設けられた磁性板とを備え、前記磁性板は、前記メインコア部における軸方向端部の前記コアシートに積層された積層部と、該積層部のロータ側の端部から軸方向外側に延出されるとともに前記ロータと径方向に対向するロータ対向部とを有するこことが好ましい。
この構成によれば、ステータコアのロータとの対向面の軸方向長さを確保することができるとともに、切り欠き部を形成したヨークの磁気抵抗を低減できる。これにより、メインコア部のコアシートの積層数を減らして積厚を抑えることでメインコア部の小体格化が可能となる。さらにメインコア部の積厚のバラツキを抑えることでロータと所定の位置で対向でき、ロータのスムーズな回転を得ることが可能となる。
また上記課題を解決するステータは、上記いずれかに記載のステータコアと、該ステータコアに装着される電機子巻線とを備える。
この構成によれば、ステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができるステータを提供することができる。
また上記課題を解決するモータは、上記ステータと、該ステータと径方向において対向するロータとを備える。
この構成によれば、ステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができるモータを提供することができる。
また上記ステータコアの製造方法は、前記コアシートは板材からプレス成形によってヨークに複数のティース構成部が帯状に連なるように打ち抜き形成された後に積層並びに環状化してなる。
この製造方法によれば、打ち抜き形成時の歩留まりを向上させることができる。
また上記ステータコアの製造方法において、プレス成形時に、切り欠き部が同時に形成されることが好ましい。
この製造方法によれば、プレス成形時の作業工数の増加を抑えることができる。
本発明のステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができるステータコア、ステータ、モータ、及びステータコアの製造方法によれば、ステータコアの積層方向における寸法のバラツキを抑えることができる。
第1実施形態のモータの模式断面図である。 同形態のステータの平面図である。 (a)は同形態の磁性板について説明するための断面図であり、(b)は同形態の磁性板のロータ対向部について説明するための正面図である。 同形態のステータコアの分解斜視図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための説明図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための分解斜視図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための平面図である。 同形態のステータコアの模式断面図である。 同形態のステータを部分的に拡大して示す平面図である。 同形態のセグメント導体の屈曲部位を示す模式断面図である。 同形態のモータの一部を拡大して示す模式断面図である。 第2実施形態のステータの平面図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための分解斜視図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための平面図である。 第3実施形態のステータの平面図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための分解斜視図である。 同形態のステータコアの製造方法について説明するための平面図である。 別例のモータを部分的に拡大して示す模式断面図である。 別例のモータを部分的に拡大して示す模式断面図である。
(第1実施形態)
以下、モータの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、リヤフレーム11とフロントフレーム12によってモータ10の軸方向に挟持された環状のステータ13の内側にロータ14が配置されて構成されている。なお、モータ10の軸方向出力側(後述するジョイント63側)を保持するフレームをフロントフレーム12とし、軸方向反出力側を保持するフレームをリヤフレーム11としている。各フレーム11,12は、互いに離間しないようにステータ13の外周側の位置でスルーボルト15にて締結固定されている。
[フレーム]
リヤフレーム11及びフロントフレーム12は、アルミニウムや鋼鉄等の金属材料にて形成されている。リヤフレーム11は、略円盤状の本体部11aと、本体部11aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部11bとを備えている。一方のフロントフレーム12も略同様の構成であり、略円盤状の本体部12aと、本体部12aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円環状のステータ保持部12bとを備えている。各フレーム11,12の本体部11a,12aの径方向中央には、同軸上に配置された軸受16,17が保持され、その軸受16,17には、ロータ14の回転軸18が軸支されている。
各フレーム11,12の本体部11a,12aには、その外周縁の複数箇所(例えば2箇所)から径方向外側に延びる締結固定部11c,12cが形成されている。なお、図1では、周方向に複数設けられた締結固定部11c,12cをそれぞれ1つのみ図示している。リヤフレーム11側の締結固定部11cとフロントフレーム12側の締結固定部12cは互いに同数設けられるとともに、回転軸18の軸方向に互いに対向している。そして、それぞれ対をなす締結固定部11c,12cがスルーボルト15によって締結固定されることで、各フレーム11,12がステータ13を挟持する状態で互いに固定されるようになっている。
[ステータ]
ステータ13は、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持された円環状のステータコア21と、そのステータコア21に装着された電機子巻線22とを備える。
図2及び図9に示すように、ステータコア21は、その外周を構成する円筒部23と、その円筒部23から径方向内側に延出された複数(本実施形態では60個)のティース24とからなる。各ティース24には、径方向内側に向かうにつれて周方向幅が狭くなるテーパ状をなす径方向延出部24aが形成され、その各径方向延出部24aの先端部(径方向内側端部)には、該径方向延出部24aよりも周方向幅が広い幅広部24bが形成されている。径方向延出部24aの周方向両端面は、回転軸18の軸線L1と平行な平面状をなすとともに、周方向に隣り合う周方向端面同士が平行をなしている。
各ティース24の間の空間は、電機子巻線22を構成するセグメント導体25を収容する部位であるスロット部Sとして構成される。つまり、スロット部Sは、ティース24の周方向側面とティース24間における円筒部23の内周面とから構成されている。本実施形態では、ティース24は、周方向に隣り合う径方向延出部24aの周方向端面同士が平行となるように形成されるため、各スロット部Sが軸方向視で略矩形状をなすように構成されている。また、各スロット部Sは、ステータコア21を軸方向に沿って貫通するとともに、径方向内側に開口する形状をなしている。なお、ステータコア21に形成されたスロット部Sの個数は、ティース24と同数(本実施形態では60個)である。
[ステータコア]
上記のような形状を有するステータコア21は、複数の鋼板を積層して一体化することによって成形されている。
詳述すると、図4に示すように、ステータコア21は、第1環状コアシート26及び第2環状コアシート27を軸方向において交互に複数枚積層してかしめて一体化することにより形成されたメインコア部31と、メインコア部31の軸方向両端部にそれぞれ固定された磁性板40(補助コア部)とから構成されている。なお、本実施形態では、各磁性板40は、同形状のものであり、それぞれがメインコア部31の軸方向両側に1枚ずつ設けられている。
第1及び第2環状コアシート26,27は、それぞれ円環状の環状ヨーク26a,27aと、環状ヨーク26a,27aによって連ねられるとともに環状ヨーク26a,27aから径方向内側(ロータ14側)に延出する複数のティース構成部26b,27bとを有する。第1及び第2環状コアシート26,27は、冷間圧延鋼板(SPC材であって例えばSPCC)で成形される。
図2に示すように、ティース構成部26b,27bは、径方向外側から径方向内側の途中位置まで径方向内側(ロータ14側)ほど周方向幅が狭くなるように形成される。また、各環状コアシート26,27は、ティース構成部26b,27bが軸方向に重なるように積層されている。また、メインコア部31の各環状コアシート26,27は、板面が軸方向と直交するように配置されている。
図5及び図6に示すように、第1及び第2環状コアシート26,27は、帯状の帯状鋼板30から打ち抜いた帯状コアシート28,29を曲げることで円環状に形成される。
図4、図6及び図7に示すように、第1環状コアシート26には、環状ヨーク26aの各ティース構成部26b間の周方向略中間位置において径方向内側に第1切り欠き部26cが形成される。第1切り欠き部26cは、環状ヨーク26aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。
図4、図6及び図7に示すように、第2環状コアシート27には、環状ヨーク27aの各ティース構成部27b間の周方向略中間位置において径方向外側に第2切り欠き部27cが形成される。第2切り欠き部27cは、環状ヨーク27aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。このため、第2切り欠き部27cは、図7に示すようにその径方向内側部分が第1切り欠き部26cの径方向外側部分と軸方向において重なることとなる。
図2、図4及び図9に示すように、磁性板40は、プレス加工により成形されるものであり、メインコア部31の軸方向両端の各環状コアシート26,27に積層された円環板状の積層部41を有している。積層部41は、メインコア部31の各環状コアシート26,27に対して略平行且つ略同軸となるように積層されている。また、磁性板40は、その板厚T1がメインコア部31の各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚く設定されている(図1参照)。
積層部41には、各環状コアシート26,27の環状ヨーク26a,27aと軸方向に重なる円環状をなす環状ヨーク42と、その環状ヨーク42から径方向内側に延びる複数のティース構成部43とが形成されている。積層部41のティース構成部43は、軸方向視において各環状コアシート26,27のティース構成部26b,27bと略同形状をなしている。
磁性板40は、積層部41の環状ヨーク42及びティース構成部43が、各環状コアシート26,27の環状ヨーク26a,27a及びティース構成部26b,27bとそれぞれ軸方向に重なるように設けられている。この各環状コアシート26,27と磁性板40の各環状ヨーク26a,27a,42がステータコア21の円筒部23を構成し、各ティース構成部26b,27b,43がステータコア21のティース24を構成している。また、積層部41の環状ヨーク42の外径は、各環状コアシート26,27の環状ヨーク26a,27aの外径よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、軸方向視において各環状コアシート26,27の環状ヨーク26a,27aの外周縁全体が露出するように構成されている。
磁性板40のティース構成部43の径方向内側端部(ロータ14側端部)には、軸方向外側(反メインコア部側)に延出された延出部としてのロータ対向部44を有している。
ロータ対向部44は、ティース構成部43の径方向内側端部を軸方向外側に略直角(90度)に折り曲げて形成されている。つまり、磁性板40は、軸方向外側に屈曲形成されたロータ対向部44で板面が径方向を向くように形成されている。なお、ロータ対向部44の内径面は、メインコア部31(各環状コアシート26,27)の内径と同径となるように曲面形成されている。また、積層部41の軸方向厚みとロータ対向部44の径方向厚みは、磁性板40の板厚T1によって決まり、それらは互いに等しい厚みとなっている。また、ロータ対向部44とティース構成部43との間の折曲部位(ティース構成部43とロータ対向部44のなす角部)の肉厚は、ロータ対向部44の板厚(つまり、磁性板40の板厚T1)よりも厚くなるように形成されている。
図3(a)(b)に示すようにロータ対向部44は、周方向両側に周方向側部としての側縁部44a,44bを有する。この側縁部44a,44bは、回転軸18の軸線L1方向(軸方向)に対して傾斜する形状とされる。側縁部44a,44bは、前記軸方向外側(反積層部41側)ほど前記ロータ対向部44の周方向中央側に近づくように傾斜されている。また、周方向一方側の側縁部44aと周方向他方側の側縁部44bとは、前記ロータ対向部44の周方向中心を通る仮想線L2(軸線L1に沿った直線)を中心として対称形状をなすように形成される。このため、ロータ対向部44は、その軸方向基端側(軸方向内側)の周方向幅がティース24の幅広部24bを構成するティース構成部26b,27b,43の先端部の周方向幅と等しく形成され、軸方向先端側(軸方向外側)ほど周方向幅が狭く、径方向視で台形形状をなすように形成される。なお、本実施形態の各ロータ対向部44は全て同形状をなすように形成される。図3(b)に示すようにロータ対向部44は、側縁部44a,44bの傾斜面が直線状であり、その傾斜角θ2は前記ティース構成部43の放射角θ1(図9参照)よりも小さく構成される。
図4及び図8に示すように、各環状コアシート26,27と磁性板の積層部41の各環状ヨーク26a,27a,42には、板厚方向に突出する凸部45(ダボ)がプレス加工にて形成されている。各環状ヨーク26a,27a,42において、凸部45は周方向に複数(本実施形態では4つ)形成されている。また、各環状ヨーク26a,27a,42は、各凸部45の裏側において凸部45の成形時に形成された凹部46を有している。そして、各凸部45は、軸方向に隣り合う各環状コアシート26,27の凹部46に圧入固定(かしめ固定)されている。これにより、各環状コアシート26,27が一体化されてメインコア部31を構成するとともに、そのメインコア部31の軸方向両側に磁性板40が固定される。
図9に示すように、ステータコア21の各スロット部S内には、絶縁性の樹脂材料から形成されたシート状の絶縁部材47が装着されている。各絶縁部材47は、スロット部Sの径方向外側端部で折り返された状態で設けられ、スロット部Sの内周面に沿うように形成されている。また、各絶縁部材47はスロット部Sに軸方向に挿入されるものであり、絶縁部材47の軸方向長さは、スロット部Sの軸方向長さよりも長く設定されている。つまり、絶縁部材47の軸方向両端部は、スロット部Sの軸方向両端部から外部に突出している。
[電機子巻線]
図9及び図11に示すように、上記のステータコア21に装着された電機子巻線22は、複数のセグメント導体25(セグメントコンダクタ)にて構成されている。各セグメント導体25は、所定のもの同士で接続されて、3相(U相、V相、W相)Y結線の電機子巻線22を構成している。また、各セグメント導体25は、同一断面形状(断面矩形状)の線材から形成されるものである。
各セグメント導体25は、スロット部S内に挿通される部位である一対の直線部51と、スロット部Sから軸方向一方側(リヤフレーム11側)に突出する第1突出部52と、スロット部Sから軸方向他方側(フロントフレーム12側)に突出する第2突出部53とを有し、第1突出部52側で折り返される略U字状をなしている。また、第1及び第2突出部52,53は、磁性板40のロータ対向部44と径方向に対向している。
一対の直線部51は、径方向位置が互いにずれるように形成されるとともに、周方向位置の異なるスロット部Sにそれぞれ挿入される。また、直線部51はスロット部S内において絶縁部材47の内側に配置されている(図9参照)。この絶縁部材47によってセグメント導体25とステータコア21とが電気的に絶縁されている。
セグメント導体25は、各スロット部S内において直線部51が径方向に4つ並ぶように配置されている。そして、セグメント導体25には、2つの直線部51が径方向内側から1つ目と4つ目に配置されるもの(図11において外側に図示されたセグメント導体25x)と、2つの直線部51が径方向内側から2つ目と3つ目に配置されるもの(図11において内側に図示されたセグメント導体25y)の2種類が用いられている。なお、主にこの2種類のセグメント導体25x,25yから電機子巻線22が構成されるが、例えば電機子巻線22の端部(電源接続端子や中性点接続端子等)を構成するセグメント導体には、別種類のもの(例えば、直線部が1つだけのセグメント導体)が用いられる。
各直線部51は、スロット部Sを軸方向に貫通してフロントフレーム12側に突出した第2突出部53が、周方向に屈曲されて他のセグメント導体25の直線部51や、特殊な種類のセグメント導体と溶接等により電気的に接続され、これにより、各セグメント導体25によって電機子巻線22が構成される。
また、セグメント導体25の第1及び第2突出部52,53は、スロット部Sの軸方向両端で直線部51に対して周方向に屈曲されている。ここで、第1突出部52が周方向に屈曲されたスロット部Sの軸方向端部付近の拡大図を図10に示す。同図に示すように、スロット部Sの軸方向一端を構成する磁性板40(積層部41)のティース構成部43の角部には、円弧状に面取りされた面取り部43aが形成されている。また、第2突出部53側の磁性板40にも同様に、スロット部Sの軸方向他端を構成するティース構成部43の角部に面取り部43aが形成されている。面取り部43aは、第1及び第2突出部52,53の周方向への屈曲形状に沿う円弧状をなし、その屈曲部位に対して広い面積で接触するようになっている。これにより、第1及び第2突出部52,53の周方向の屈曲部位に対して、ティース構成部43の角部から局所的に力が加わることが抑制され、その屈曲部位の損傷が抑制されるようになっている。また同様に、第1及び第2突出部52,53の屈曲部位と面取り部43aとに挟まれた絶縁部材47の損傷も抑制されている。また、本実施形態では、磁性板40の板厚T1(ティース構成部43の板厚)が各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚いため、面取り部43aの曲率半径Rmを各環状コアシート26,27の板厚T2よりも大きく設定可能となっている。これにより、曲率半径Rmが大きい面取り部43aによってセグメント導体25の屈曲部位の損傷がより好適に抑制されるようになっている。
また、図11に示すように、セグメント導体25の折り返し部25aが形成された第1突出部52は、径方向外側に傾く(膨らむ)ように形成されている。これにより、折り返し部25aがスロット部Sの径方向中央よりも径方向外側に偏倚するとともに、第1突出部52の径方向内側端部52aがスロット部Sの径方向内側端部Saよりも径方向外側に位置するように構成される。これにより、第1突出部52と磁性板40のロータ対向部44との径方向間の間隙が広く構成されるため、第1突出部52とロータ対向部44との干渉がより好適に抑制されている。その結果、セグメント導体25とロータ対向部44との絶縁性がより好適に確保されるだけでなく、第1突出部52との干渉によってロータ対向部44が変形することによるコギングトルクの増大や出力の低下が抑制されている。
図11に示すように、セグメント導体25の第2突出部53には、折り返し部が形成されず、その第2突出部53同士が溶接接合される構成のため、第2突出部53とロータ対向部44との間隙を容易に確保できるようになっている。また、第2突出部53の溶接部位は、フロントフレーム12側のロータ対向部44の軸方向先端部よりも軸方向外側(反メインコア部側)に形成されている。これにより、第2突出部53の溶接作業においてロータ対向部44が邪魔になりにくく、作業性が向上されるとともに、第2突出部53とロータ対向部44との絶縁性をより確実に確保することが可能となっている。なお、第2突出部53の溶接部位を、フロントフレーム12側のロータ対向部44の軸方向先端部よりも軸方向内側(メインコア部31側)に設定してもよく、この場合には、第2突出部53がロータ対向部44よりも軸方向外側に突出しないように構成できるため、ステータ13の軸方向の小型化に寄与できる。
[ステータコアの保持構成]
図1に示すように、上記構成のステータ13を保持する各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、各フレーム11,12の本体部11a,12aから軸方向に延出する円筒状をなしている。ステータ保持部11b,12bの外径は、メインコア部31の外径よりも大きく形成されている。また、ステータ保持部11b,12bの内径は、メインコア部31の外径よりも小さく、且つ、磁性板40(積層部41)の外径よりも大きく形成されている。
図11に示すように、ステータ保持部11b,12bの先端部(軸方向内側端部)には、外嵌部11d,12dがそれぞれ形成されている。各外嵌部11d,12dは、ステータ保持部11b,12bの内径を大きくすることにより径方向の厚さが薄く形成された部分であり、円環状をなしている。外嵌部11d,12dの内径は、メインコア部31の外径と略等しく形成されており、外嵌部11d,12dの径方向内側には、軸方向と直交する平面状をなす当接面11e,12eがそれぞれ形成されている。
ステータコア21において、磁性板40の積層部41の外周側でメインコア部31の外周縁が軸方向両側に露出された部位(露出面31a)が各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持されている。詳しくは、ステータ保持部11b,12bは、外嵌部11d,12dがメインコア部31の軸方向両端の外周縁にそれぞれ外嵌されるとともに、当接面11e,12eがメインコア部31の軸方向両側の露出面31aにそれぞれ軸方向に当接している。この状態で、各フレーム11,12が前記スルーボルト15によって互いに連結固定されることで、メインコア部31がステータ保持部11b,12bによって軸方向に挟持される。また、ステータ保持部11b,12bの先端部の間からは、ステータコア21のメインコア部31の外周面が外部に露出されている。
[ロータ]
図1、図2及び図11に示すように、ロータ14は、軸受16,17に軸支された回転軸18と、回転軸18に一体回転可能に固定された円筒状のロータコア61と、ロータコア61の外周面に固設された複数(本実施形態では10個)の界磁磁石62とから構成されている。各界磁磁石62は、例えばフェライト磁石よりなり、磁極(N極とS極)が周方向で交互に異なるように配置されている。各界磁磁石62は、周方向において間隙を有して前記ロータコア61の外周面に固着された所謂セグメント磁石である。
ロータコア61及びロータ14の界磁磁石62の軸方向長さをステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の磁性板40のロータ対向部44の先端から他方の磁性板40のロータ対向部44の先端までの長さ)に対して長くなるように設定されている。即ち、界磁磁石62は、ステータコア21のメインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44に対して径方向に対向している。
図1に示すように、回転軸18の先端部(図1において左側の端部)は、フロントフレーム12を貫通してモータ10の外部に突出している。そして、この回転軸18の先端部には、該回転軸18と一体回転するジョイント63が設けられている。このジョイント63は図示しない外部装置に連結され、その外部装置に回転軸18の回転を伝達する。
[製造方法]
次に、本実施形態のステータコア21の製造方法について説明する。
本実施形態のステータコア21の第1及び第2環状コアシート26,27は、図5に示すように帯状鋼板30からプレス打ち抜きによって形成される。
例えば、帯状鋼板30から、一方向に長い帯状ヨーク28a,29aと帯状ヨーク28a,29aの短手方向の端部から延出するティース構成部28b,29bとを有する第1及び第2帯状コアシート28,29とを打ち抜き形成する。このとき、プレス打ち抜きによって、第1帯状コアシート28には、ティース構成部28b側の端部にティース構成部28bの延出方向側に開口する第1切り欠き部28cが形成される。また、プレス打ち抜きによって、第2帯状コアシート29には、ティース構成部29bとは反対側の端部にティース構成部29bの延出方向と反対側に開口する第2切り欠き部29cが形成される。
また、このとき、図5に示すように第1帯状コアシート28と第2帯状コアシート29は櫛刃状を成すように形成されることとなるため、例えば第1帯状コアシート28のティース構成部28bと第2帯状コアシート29のティース構成部29bとが前記帯状鋼板30の長手方向において交互となるように打ち抜き形成することができる。
次いで、第1及び第2帯状コアシート28,29には、凸部45及び凹部46(共に図4参照)が形成される。
次いで、打ち抜き形成した第1及び第2帯状コアシート28,29をそれぞれ個別に曲げ加工する。具体的には、第1及び第2帯状コアシート28,29を曲げ加工して環状化した際にティース構成部28b,29b(第1及び第2環状コアシート26,27のティース構成部26b,27b)が径方向内側を向くように曲げられて環状化される。これによって、第1帯状コアシート28を第1環状コアシート26とし、第2帯状コアシート29を第2環状コアシート27とする。このとき、第1環状コアシート26の環状ヨーク26aに形成された第1切り欠き部26cは、径方向内側に位置し、曲げ加工によって第1切り欠き部26cが閉塞するように(周方向中心に寄るように)変形する。その際、第1切り欠き部26cよりも径方向外側に位置する曲げ加工の起点X1が周方向に圧縮されて、軸方向に膨らむこととなる。また、第2環状コアシート27の環状ヨーク27aに形成された第2切り欠き部27cは、径方向外側に位置し、曲げ加工によって第2切り欠き部27cが広がるように変形する。その際、第2切り欠き部27cよりも径方向内側に位置する曲げ加工の起点X2が周方向に圧縮されて軸方向に膨らむこととなる。
そして、第1環状コアシート26と第2環状コアシート27とを交互に積層する。このとき、各環状コアシート26,27のティース構成部26b,27b同士が軸方向に重なるように積層することで、周方向に隣接するティース構成部26b間に形成された第1切り欠き部26cと、周方向に隣接するティース構成部27b間に形成された第2切り欠き部27cとが軸方向において一部重なることとなる。このため、曲げ加工によって第1切り欠き部26c近傍の起点X1で生じる軸方向(積層方向)の膨らみを第2切り欠き部27cに収容することができる。また、曲げ加工によって起点X2で生じる軸方向(積層方向)の膨らみを第1切り欠き部26cに収容することができる。
さらに、第1環状コアシート26に形成された凸部45が第2環状コアシート27に形成された凹部46に圧入されるとともに、第2環状コアシート27に形成された凸部45が第1環状コアシート26に形成された凹部46に圧入される。これによって、各環状コアシート26,27同士がかしめ(圧入)固定されてメインコア部31が完成する。
その後、ロータ対向部44を有する磁性板40をメインコア部31の軸方向両側に取り付ける。このとき、図8に示すように、メインコア部31の軸方向一方側の磁性板40に形成される凸部45が第1環状コアシート26の凹部46に圧入され、メインコア部31の軸方向他方側の磁性板40に形成される凹部46に第2環状コアシート27の凸部45が圧入される。これによって、メインコア部31に磁性板40が取り付けられてステータコア21が完成する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ステータ13の電機子巻線22への通電により発生した磁界とロータ14の界磁磁石62の磁界とが、メインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44を介して作用し合い、ロータ14が回転する。なお、本実施形態では、磁性板40の板厚T1が各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚く設定されているため、磁性板40での磁気飽和が生じにくく、磁性板40を介して磁気を取り込みやすくなっている。
ここで、各磁性板40のロータ対向部44は、ステータコア21のティース24のロータ14側端部(径方向内側端部)から軸方向に延びるように形成されている。これにより、ステータコア21のロータ14との対向面(ステータコア21の内周面)の軸方向長さを確保して高出力化を図りつつも、メインコア部31の積厚が抑えられるようになっている。そして、メインコア部31の積厚が抑えられることで、メインコア部31の積厚の変動(公差)が少なく抑えられるため、そのメインコア部31を挟む各フレーム11,12の軸方向の間隔の変動が抑えられ、ひいては、モータ10全体の軸方向寸法の変動が抑えられるようになっている。
また、磁性板40は、その板厚T1が厚いほどその変動(公差)が大きくなるが、本実施形態のように、各フレーム11,12がメインコア部31のみを挟持して磁性板40とは軸方向に当接しないように構成することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動がより抑えられるようになっている。
また、電機子巻線22にセグメント導体25を用いた構成では、セグメント導体25を収容するスロット部Sの数(ティース24の数)が多く、ティース24の周方向幅が狭くなる傾向がある。このため、ティース24におけるロータ14との対向面(径方向内側端面)の面積を広くして出力を向上させるためには、本実施形態のように、ロータ対向部44によってティース24の径方向内側端面を軸方向に延ばす構成が適している。また、本実施形態のティース24は、内周側ほど周方向幅が狭くなる径方向延出部24aと幅広部24bの境界部分で磁気集中しやすい構成であるが、その境界部位に磁性板40の積層部41が重なっているため、磁気集中が緩和されるようになっている。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)収容部としての第2切り欠き部27cによって軸方向の膨らみを収容することができるため、ステータコア21の積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
(2)また、軸方向に材料が膨らむことを抑えるために、曲げ加工時に軸方向にコアを加圧し長さ実施する方法や、各環状コアシート26,27(各帯状コアシート28,29)をプレス打ち抜きする際に予め切り欠き部分を潰して凹状とする方法などが考えられるが、いずれの方法も工数や設備増大を招く虞がある。そこで、本実施形態のように、第1切り欠き部26cと第2切り欠き部27cとが積層方向において交互になるように第1環状コアシート26と第2環状コアシート27とを積層することで、切り欠き部26c,27c近傍を潰す工程を省略することができる。
(3)第1切り欠き部26cを有することで環状化する際の曲げ加工を容易とすることができ、この曲げ加工の際の軸方向に膨らむ曲げ起点X1を収容部としての第2切り欠き部27cに収容してステータコア21の積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。また、第2切り欠き部27cを有する第2環状コアシート27での第2切り欠き部27cの起点X2で発生する軸方向への膨らみ(肉逃げ)を第1切り欠き部26cに収容することが可能となる。これによってステータコア21の積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
(4)第2切り欠き部27cと第1切り欠き部26cとが交互となるように積層されるため、より確実にステータコアの積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
(5)第2切り欠き部27cは第1切り欠き部26cと径方向逆側に開口する切り欠き形状であるため、例えば鋼板からプレス成形によってティース構成部26b,27b(ティース構成部28b,29b)等のその他の部位と同時に形成することが可能となる。
(6)第1及び第2環状コアシート26,27が冷間圧延鋼板であるため、例えばケイ素鋼板よりも剛性が低いため曲げ加工を容易とすることができる。
(7)ロータ対向部44によりステータコア21のロータ14との対向面の軸方向長さを確保することができるとともに、切り欠き部26c,27cを形成した環状ヨーク26a,27aの磁気抵抗を低減できる。これにより、メインコア部31のコアシート26,27の積層数を減らして積厚を抑えることでメインコア部31の小体格化が可能となる。さらにメインコア部31の積厚のバラツキを抑えることでロータ14と所定の位置で対向でき、ロータ14のスムーズな回転を得ることが可能となる。
(8)ティース構成部43は、ロータ14側ほど先細形状となる態様で形成されるため、例えばインナロータ型のモータでは径方向内側において電機子巻線22のスペースを確保することができる。
(9)ロータ対向部44は、軸方向外側ほど周方向幅が狭くなるように形成されるため、漏れ磁束を抑えることができ、これにより漏れ磁束の増加に伴うトルクリップルの増加を抑えることができる。ここで、例えばロータがステータの内側に設けられるインナロータ型のモータにおいては、ロータ対向部44が径方向内側に位置するため、プレス成形による打ち抜きしたのちに略90度折り曲げてロータ対向部44を形成する場合、ロータ対向部44の先端(軸方向外側部分)となる部位が径方向内側に位置することになる。このため、前述のように軸方向外側ほどロータ対向部44の周方向幅が狭い構成とすることで、プレス成形により周方向に複数設けられるロータ対向部44を容易に打ち抜くことが可能となる。
(10)セグメント導体25の軸方向の第1及び第2突出部52,53が磁性板40のロータ対向部44と径方向に対向するため、ステータコア21におけるロータ14との対向面を磁性板40のロータ対向部44によって確保して高出力を図りつつも、ステータ13の軸方向への大型化を抑えることができる。また、電機子巻線22がセグメント導体25にて構成されたステータ13は、電機子巻線22の占積率を高く構成できる。その一方でセグメント導体25がスロット部S内において径方向に並ぶことから特に径方向に発熱しやすくもなるが、例えばステータコア21の外周面が各フレーム11,12間から外部に露出することで、ステータ13で生じた熱を外部に逃がしやすく好適である。
(11)フレーム11,12でステータコア21を軸方向に挟持する際に、ステータコアの外周面が露出されるため、ステータコア21(ステータ13)の熱を外部に放出しやすくできる。
(12)磁性板40の板厚T1を各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚くして磁性板40を介して磁気を取り込みやすくすることができるため、高出力化に寄与できる。
(第2実施形態)
次に、モータの第2実施形態について説明する。
本実施形態のモータ10は、第1実施形態と比較してステータ13の構成が異なるものであり、各フレーム11,12並びにロータ14については同じ構成である。このため、主にステータ13の変更点について説明し、その他の構成については同じ符号を付して説明の一部又は全部を割愛する。
図12に示すように、ステータ13は、12個のティース71aを有するステータコア71と、ティース71aに巻回される電機子巻線72を有する。電機子巻線72は、ティース71aのそれぞれに例えば銅線を集中巻にて巻回して構成される。
図13に示すように、ステータコア71は、第1環状コアシート73と、第2環状コアシート74とを軸方向において交互に積層して構成される。
第1及び第2環状コアシート73,74は、それぞれ円環板状の環状ヨーク73a,74aと環状ヨーク73a,74aに連なる12個のティース構成部73b,74bとを有する。なお、ステータ13のティース71aは、ティース構成部73b,74bとを積層することで構成される。
第1環状コアシート73は、環状ヨーク73aの各ティース構成部73b間において、切り欠き部73cと、貫通孔73dとが形成される。切り欠き部73cは、環状ヨーク73aの径方向内側であって環状ヨーク73aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。
貫通孔73dは、前記環状ヨーク73aの板面と直交する方向に貫通するよう形成される。また、貫通孔73dは、環状ヨーク73aの径方向における略中央に形成される。
第2環状コアシート74は、環状ヨーク74aの各ティース構成部74b間において、切り欠き部74cと、貫通孔74dとが形成される。切り欠き部74cは、環状ヨーク74aの径方向内側であって環状ヨーク26aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。
図13及び図14に示すように、第2環状コアシート74の環状ヨーク74aに形成された切り欠き部74cは、前記第1環状コアシート73と第2環状コアシート74とを積層した際に、第1環状コアシート73の環状ヨーク73aに形成された貫通孔73dと一部重なる位置に形成される。
図13に示すように、貫通孔74dは、前記環状ヨーク74aの板面と直交する方向に貫通するよう形成される。また、貫通孔74dは、環状ヨーク74aの径方向における略中央に形成される。
図13及び図14に示すように、第2環状コアシート74の環状ヨーク74aに形成された貫通孔74dは、前記第1環状コアシート73と第2環状コアシート74とを積層した際に、第1環状コアシート73の環状ヨーク73aに形成された切り欠き部73cと一部重なる位置に形成される。なお、第1及び第2環状コアシート73,74は、各ティース構成部73b,74bが重なるように積層することで、貫通孔73dの一部と切り欠き部74cの一部とが重なるとともに、切り欠き部73cの一部と貫通孔74dの一部とが軸方向(積層方向)に重なるようになっている。
次に、本実施形態のステータコア71の製造方法について説明する。
本実施形態のステータコア71の第1及び第2環状コアシート73,74は、上記第1実施形態同様に帯状鋼板30から一方向に長い第1及び第2帯状コアシートをプレス打ち抜きによって形成し、これら帯状コアシートを環状に曲げ加工することで形成される。
具体的には、帯状鋼板30から、一方向に長い第1及び第2帯状コアシートを打ち抜き形成する。このとき、プレス打ち抜きによって、第1帯状コアシートには、ティース構成部73b側の端部にティース構成部73bの延出方向側に開口する切り欠き部73cと貫通孔73dとが形成される。また、プレス打ち抜きによって、第2帯状コアシートには、ティース構成部74bとは反対側の端部にティース構成部74bの延出方向側に開口する切り欠き部74cと貫通孔74dとが形成される。
このとき、第1実施形態同様に、第1帯状コアシートと第2帯状コアシートは櫛刃状を成すように形成されることとなるため、例えば第1帯状コアシートのティース構成部73bと第2帯状コアシートのティース構成部74bとが前記帯状鋼板30の長手方向において交互となるように打ち抜き形成することができる。
次いで、第1及び第2帯状コアシートには、凸部45及び凹部46(図8参照)が形成される。
次いで、打ち抜き形成した第1及び第2帯状コアシートをそれぞれ個別に曲げ加工する。具体的には、第1及び第2帯状コアシートを曲げ加工して環状化した際にティース構成部73b,74bが径方向内側を向くように曲げられて環状化される。これによって、第1帯状コアシートを第1環状コアシート73とし、第2帯状コアシートを第2環状コアシート74とする。このとき、第1環状コアシート73の環状ヨーク73aに形成された切り欠き部73cは、径方向内側に位置し、曲げ加工によって切り欠き部73cが閉塞するように(周方向中心に寄るように)変形する。その際、切り欠き部73cよりも径方向外側に位置する曲げ加工の起点X3が周方向に圧縮されて、軸方向に膨らむこととなる。また、第2環状コアシート74の環状ヨーク74aに形成された切り欠き部74cは、径方向内側に位置し、曲げ加工によって切り欠き部74cが閉塞するように変形する。その際、切り欠き部74cよりも径方向外側に位置する曲げ加工の起点X4が周方向に圧縮されて軸方向に膨らむこととなる。
そして、第1環状コアシート73と第2環状コアシート74とを交互に積層する。このとき、各環状コアシート73,74のティース構成部73b,74b同士が軸方向に重なるように積層することで、周方向に隣接するティース構成部73b間に形成された切り欠き部73cと、周方向に隣接するティース構成部74b間に形成された貫通孔74dとが軸方向において一部重なることとなる。このため、曲げ加工によって切り欠き部73c近傍の起点X3で生じる軸方向(積層方向)の膨らみを貫通孔74dに収容することができる。また、周方向に隣接するティース構成部73b間に形成された貫通孔73dと、周方向に隣接するティース構成部74b間に形成された切り欠き部74cとが軸方向において一部重なることとなる。また、曲げ加工によって切り欠き部74cの近傍の起点X4で生じる軸方向(積層方向)の膨らみを貫通孔73dに収容することができる。
さらに、第1環状コアシート73に形成された凸部45が第2環状コアシート74に形成された凹部46(図8参照)に圧入されるとともに、第2環状コアシート74に形成された凸部45が第1環状コアシート73に形成された凹部46(図8参照)に圧入される。これによって、各環状コアシート73,74同士がかしめ(圧入)固定されてステータコア71が完成する。
上述したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)、(2)、(4)及び(6)の効果に加えて以下の効果を有する。
(12)収容部としての貫通孔73d,74dは各環状コアシート73,74の積層方向に貫通する形状であるため、例えば鋼板からプレス成形によってティース構成部73b,74b等のその他の部位と同時に形成することが可能となる。また、貫通孔73d,74dを円形状とすることで、径方向に開口する切り欠き部と比較して剛性の確保を比較的容易とすることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、モータの第3実施形態について説明する。
本実施形態のモータ10は、第1及実施形態と比較してステータ13の構成が異なるものであり、各フレーム11,12並びにロータ14については同じ構成である。このため、主にステータ13の変更点について説明し、その他の構成については同じ符号を付して説明の一部又は全部を割愛する。
図15に示すように、ステータ13は、12個のティース81aを有するステータコア81と、ティース81aに巻回される電機子巻線82を有する。電機子巻線82は、ティース81aのそれぞれに例えば銅線を集中巻にて巻回して構成される。
図16に示すように、ステータコア81は、第1環状コアシート83と、第2環状コアシート84とを軸方向において交互に積層して構成される。
図16及び図17に示すように、第1及び第2環状コアシート83,84は、それぞれ円環板状の環状ヨーク83a,84aと環状ヨーク83a,84aに連なる12個のティース構成部83b,84bとを有する。なお、ステータ13のティース81aは、ティース構成部83b,84bを積層することで構成される。
第1環状コアシート83は、環状ヨーク83aの各ティース構成部83b間において、径方向内側に開口される第1内側切り欠き部83cと、径方向外側に開口される第1外側切り欠き部83dとが形成される。
第1内側切り欠き部83cは、環状ヨーク83aの径方向内側であって、環状ヨーク83aの径方向長さの半分よりも短く切り欠かれることで形成される。
第1外側切り欠き部83dは、環状ヨーク83aの径方向外側であって、環状ヨーク83aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。
第2環状コアシート84は、環状ヨーク84aの各ティース構成部84b間において、径方向内側に開口される第2内側切り欠き部84cと、径方向外側に開口される第2外側切り欠き部84dとが形成される。
図17に示すように、第2内側切り欠き部84cは、環状ヨーク84aの径方向内側であって、環状ヨーク83aの径方向長さの半分よりも短く切り欠かれることで形成される。第2内側切り欠き部84cは、前記第1環状コアシート83と第2環状コアシート84とを積層した際に、第1外側切り欠き部83dよりも径方向内側に位置する連結部83eと重なるとともに、第1外側切り欠き部83dとは軸方向において重ならない位置に形成される。
第2外側切り欠き部84dは、環状ヨーク84aの径方向外側であって、環状ヨーク84aの径方向長さの半分よりも長く切り欠かれることで形成される。第2外側切り欠き部84dは、第1内側切り欠き部83cとは軸方向において重ならない位置に形成される。第2外側切り欠き部84dよりも径方向内側には連結部84eが形成されている。この連結部84eは、前記第1環状コアシート83と第2環状コアシート84とを積層した際に、第1内側切り欠き部83cと軸方向において重なるように形成される。
次に、本実施形態のステータコア71の製造方法について説明する。
本実施形態のステータコア81の第1及び第2環状コアシート83,84は、上記第1実施形態同様に帯状鋼板30から一方向に長い第1及び第2帯状コアシートをプレス打ち抜きによって形成し、これら帯状コアシートを環状に曲げ加工することで形成される。
具体的には、帯状鋼板30から、一方向に長い第1及び第2帯状コアシートを打ち抜き形成する。このとき、プレス打ち抜きによって、第1帯状コアシートには、ティース構成部83b側の端部にティース構成部83bの延出方向側に開口する切り欠き部(第1内側切り欠き部83c)と、ティース構成部83bと反対側の端部にティース構成部83bの延出方向反対側に開口する切り欠き部(第1外側切り欠き部83d)とが形成される。また、プレス打ち抜きによって、第2帯状コアシートには、ティース構成部84b側の端部にティース構成部84bの延出方向側に開口する切り欠き部(第2内側切り欠き部84c)と、ティース構成部83bと反対側の端部にティース構成部83bの延出方向反対側に開口する切り欠き部(第2外側切り欠き部84d)とが形成される。
このとき、第1実施形態同様に、第1帯状コアシートと第2帯状コアシートは櫛刃状を成すように形成されることとなるため、例えば第1帯状コアシートのティース構成部83bと第2帯状コアシートのティース構成部84bとが前記帯状鋼板30の長手方向において交互となるように打ち抜き形成することができる。
次いで、第1及び第2帯状コアシートには、凸部45及び凹部46(図8参照)が形成される。
次いで、打ち抜き形成した第1及び第2帯状コアシートをそれぞれ個別に曲げ加工する。具体的には、第1及び第2帯状コアシートを曲げ加工して環状化した際にティース構成部83b,84bが径方向内側を向くように曲げられて環状化される。これによって、第1帯状コアシートを第1環状コアシート83とし、第2帯状コアシートを第2環状コアシート84とする。このとき、第1環状コアシート83の環状ヨーク83aに形成された第1外側切り欠き部83dは、径方向外側に位置し、曲げ加工によって第1外側切り欠き部83dが周方向外側に広がるように変形する。その際、第1外側切り欠き部83dよりも径方向内側に位置して曲げ加工の起点である連結部83eが周方向に圧縮されて、軸方向に膨らむこととなる。また、第2環状コアシート84の環状ヨーク84aに形成された第2外側切り欠き部84dは、径方向外側に位置し、曲げ加工によって第2外側切り欠き部84dが周方向外側に広がるように変形する。その際、第2外側切り欠き部84dよりも径方向内側に位置して曲げ加工の起点である連結部84eが周方向に圧縮されて軸方向に膨らむこととなる。
次いで、第1環状コアシート83と第2環状コアシート84とを交互に積層する。このとき、各環状コアシート83,84のティース構成部83b,84b同士が軸方向に重なるように積層することで、周方向に隣接するティース構成部83b間に形成された第1内側切り欠き部83cと、周方向に隣接するティース構成部84b間に形成された連結部84eとが軸方向において重なることとなる。このため、曲げ加工によって連結部84eで生じる軸方向(積層方向)の膨らみを第1内側切り欠き部83cに収容することができる。また、周方向に隣接するティース構成部83b間に形成された連結部83eと、周方向に隣接するティース構成部84b間に形成された第2内側切り欠き部84cとが軸方向において重なることとなる。このため、曲げ加工によって連結部83eで生じる軸方向(積層方向)の膨らみを第2内側切り欠き部84cに収容することができる。
さらに、第1環状コアシート83に形成された凸部45が第2環状コアシート84に形成された凹部46(図8参照)に圧入されるとともに、第2環状コアシート84に形成された凸部45が第1環状コアシート83に形成された凹部46(図8参照)に圧入される。これによって、各環状コアシート83,84同士がかしめ(圧入)固定されてステータコア81が完成する。
上述したように、本第3実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)、(2)、(4)及び(6)の効果に加えて以下の効果を有する。
(13)収容部としての内側切り欠き部83c,84cが外側切り欠き部83d,84dとは重ならない形状であっても環状ヨーク83a,84aの連結部83e,84eの軸方向の膨らみを収容してステータコア21の積層方向(軸方向)における寸法の増大を抑えることができ、寸法のバラツキを抑えることができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、ロータ対向部44を径方向視で台形形状(軸方向外側ほど周方向幅が狭くなる形状)に形成したが、これ以外に例えば、径方向視で平行四辺形状や矩形状に形成してもよい。
・上記第1実施形態では、磁性板40をメインコア部31の軸方向両側にそれぞれ設けたが、これに特に限定されるものではなく、磁性板40をメインコア部31の軸方向一方側のみに設けてもよい。この場合、メインコア部31の軸方向長さと、メインコア部31の軸方向一方側のみに設けられる磁性板40の軸方向長さとを足し合わせた長さが、ロータ14の内周面における軸方向長さと略同一となるように構成することが好ましい。
また、磁性板40を省略した構成を採用してもよい。この場合、メインコア部31はその軸方向長さがロータ14の内周面における軸方向長さと略同一となるように構成することが好ましい。
・上記第1実施形態では、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、メインコア部31の外周縁(露出面31a)を軸方向に直接的に挟み、磁性板40に対しては軸方向に当接しないように構成したが、これに特に限定されるものではない。例えば図18に示すように、磁性板40の環状ヨーク42(積層部41)を介してメインコア部31を軸方向に挟むように構成してもよい。この図18に示すような構成によれば、磁性板40の積層部41をステータ保持部11b,12bに対して軸方向に干渉しないように径方向に小さくする必要がないため、出力の低下を抑えることができる。また、磁性板40の板厚T1を各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚くして出力向上を図る場合には、磁性板40よりも板厚が薄い各環状コアシート26,27の枚数を調整することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動を抑えることが可能である。
・上記第1実施形態では、各セグメント導体25は、スロット部Sに挿通された一対の直線部51を繋ぐ第1突出部52側で折り返されるように形成し、第2突出部53側で溶接等により接合するように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば図19に示すように、一対の直線部51をそれぞれ別体とし、第1突出部52においても溶接等により接合するように構成してもよい。また、セグメント導体25同士の接続は、溶接以外に例えば、バスバー等の別部材を用いた接続構造としてもよい。
・上記第1実施形態では、磁性板40の積層部41の外径を各環状コアシート26,27の外径よりも小さくすることで、メインコア部31の軸方向端面の外周縁全体に亘って露出面31aを形成し、その露出面31aを各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bで挟むように構成したが、これに特に限定されるものではない。例えば、メインコア部31(各環状コアシート26,27)の外周面から径方向外側に突出する突出部を形成し、その突出部をステータ保持部11b,12bで挟むように構成してもよい。
・上記第1実施形態では、磁性板40はメインコア部31(各環状コアシート26,27)にかしめ固定されたが、これ以外に例えば、接着や溶接によって固定してもよい。
・上記第1実施形態では、磁性板40の板厚T1を各環状コアシート26,27の板厚T2よりも厚く設定したが、これに特に限定されるものではなく、磁性板40の板厚T1を各環状コアシート26,27の板厚T2に対して等しく、又は薄く設定してもよい。
・上記第1実施形態では、セグメント導体25にて構成される電機子巻線22を用いたが、これ以外に例えば、銅線等をティースに巻回してなる電機子巻線を用いてもよい。
・上記第1実施形態では、磁性板40の積層部41を円環板状としたが、積層部41の環状ヨーク42に切り欠き部を形成してもよい。また、積層部41のヨーク部分である環状ヨーク42にも切り欠き部が形成されることで、積層部41をメインコア部31の環状コアシート26,27と同様に曲げて環状に形成することが容易となる。
・上記第2及び第3実施形態では、ステータ13として磁性板40を省略した構成としたが、磁性板40を設ける構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、鋼板から打ち抜いた帯状コアシート28,29を環状に曲げて1枚の環状コアシート26,27とし、環状コアシート26,27を複数積層することでステータコア21を形成したが、これに限らない。例えば、帯状コアシート28,29を複数積層し、積層された帯状コアシート28,29を環状に曲げることでステータコア21を形成してもよい。
また、帯状コアシート28,29を1枚の環状コアシート26,27に対応するように帯状鋼板30から打ち抜く構成としたが、これに限らず、帯状鋼板30から打ち抜いた帯状コアシートを曲げつつ螺旋状に積層する構成を採用してもよい。
・上記各実施形態では、ステータコア21の材料として冷間圧延鋼板(SPCC)を用いる構成としたが、これ以外の材料を採用してもよい。
・上記各実施形態では、第1環状コアシート26,73,83と第2環状コアシート27,74,84とを1枚ずつ交互に積層する構成としたが、これに限らない。例えば、第1環状コアシート26,73,83と第2環状コアシート27,74,84とを複数枚ずつ交互に積層する構成を採用してもよい。
・上記各実施形態のメインコア部31はそれぞれ第1環状コアシート26,73,83と第2環状コアシート27,74,84の2種類のコアシートを用いる構成としたが、3種類以上のコアシートを用いて構成してもよい。
・上記第1実施形態並びに第2実施形態では、1つの環状コアシート26,27,73,74において、隣接するティース構成部間に切り欠き部26c,27c,73c,74cを1つ形成する構成としたが、複数の切り欠き部を形成してもよい。このような構成とすることで帯状コアシートを曲げ加工する際に、曲げ加工を容易とすることが可能となる。
・上記第2実施形態では、収容部として貫通形状の貫通孔73dを設ける構成としたが、非貫通形状の収容部として凹みを採用してもよい。
・上記各実施形態では、ロータ14の界磁磁石62にフェライト磁石を用いたが、これ以外に例えば、ネオジム磁石等、その他の磁石を用いてもよい。
・上記各実施形態では、ロータ14をステータ13の内周側に配置したインナロータ型のモータ10に具体化したが、これに特に限定されるものではなく、ロータをステータの外周側に配置したアウタロータ型のモータに具体化してもよい。
・上記各実施形態並びに上記各変形例は適宜組み合わせてもよい。
10…モータ、13…ステータ、14…ロータ、21…ステータコア、22…電機子巻線、26…第1環状コアシート(コアシート)、26a…環状ヨーク(ヨーク)、26b…ティース構成部、26c…第1切り欠き部(切り欠き部)、27…第2環状コアシート(コアシート)、27a…環状ヨーク(ヨーク)、27b…ティース構成部、27c…第2切り欠き部(収容部)、28b…ティース構成部、29b…ティース構成部、31…メインコア部、40…磁性板、41…積層部、43…ティース構成部、44…ロータ対向部、71…ステータコア、72…電機子巻線、73b…ティース構成部、73c…切り欠き部、73d…貫通孔(収容部)、74b…ティース構成部、74c…切り欠き部、74d…貫通孔(収容部)、81…ステータコア、82…電機子巻線、83b…ティース構成部、83c…第1内側切り欠き部(収容部)、83d…第1外側切り欠き部(切り欠き部)、84b…ティース構成部、84c…第2内側切り欠き部(収容部)、84d…第2外側切り欠き部(切り欠き部)、X1〜X4…起点。

Claims (13)

  1. 複数のティース構成部をヨークで連ねたコアシートを環状化して積層されるステータコアであって、
    前記コアシートは、環状化する際に、前記ヨークの圧縮側における軸方向の膨らみを収容する収容する収容部を有することを特徴とするステータコア。
  2. 請求項1に記載のステータコアであって、
    前記コアシートは、径方向に開口する切り欠き部を有し、
    前記収容部は、前記切り欠き部の径方向における起点側を収容するように形成されることを特徴とするステータコア。
  3. 請求項2に記載のステータコアであって、
    前記コアシートは、前記切り欠き部と前記収容部とが軸方向において交互となる態様で積層されることを特徴とするステータコア。
  4. 請求項2又は3に記載のステータコアであって、
    前記収容部は、前記切り欠き部と径方向逆側に開口する切り欠き形状であることを特徴とするステータコア。
  5. 請求項2又は3に記載のステータコアであって、
    前記収容部は、前記コアシートの積層方向に貫通する形状又は軸方向に押圧された凹みであることを特徴とするステータコア。
  6. 請求項2又は3に記載のステータコアであって、
    前記収容部は、前記切り欠き部とは軸方向において重ならないとともに前記ヨークを曲げる際に圧縮側となる位置と軸方向に重なって前記圧縮に伴う前記ヨークの軸方向の膨らみを収容可能に形成されることを特徴とするステータコア。
  7. 請求項2〜6のいずれか一項に記載のステータコアであって、
    前記切り欠き部は、隣接する前記ティース構成部間に複数形成されることを特徴とするステータコアの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のステータコアであって、
    前記コアシートは、冷間圧延鋼板で構成されることを特徴とするステータコア。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のステータコアであって、
    複数の前記コアシートが軸方向に積層されてなるメインコア部と、該メインコア部の軸方向端部に設けられた磁性板とを備え、
    前記磁性板は、前記メインコア部における軸方向端部の前記コアシートに積層された積層部と、該積層部のロータ側の端部から軸方向外側に延出されるとともに前記ロータと径方向に対向するロータ対向部とを有することを特徴とするステータコア。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のステータコアと、該ステータコアに装着される電機子巻線とを備えたことを特徴とするステータ。
  11. 請求項10に記載のステータと、該ステータコアと径方向において対向するロータとを備えたことを特徴とするモータ。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のステータコアの製造方法であって、
    前記コアシートは板材からプレス成形によってヨークに複数のティース構成部が帯状に連なるように打ち抜き形成された後に積層並びに環状化してなるステータコアの製造方法。
  13. 請求項12に記載のステータコアの製造方法であって、
    前記プレス成形時に、切り欠き部が同時に形成されることを特徴とするステータコアの製造方法。
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JP2022189023A (ja) * 2021-06-10 2022-12-22 ダイハツ工業株式会社 モータステータ

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