図1A−1Bは、基板処理装置2、および後述の例示的実施形態に係る特徴を組み込んだ基板キャリアまたはポッド100の概略立面図を示す。
さらに図1A−1Bを参照すると、ここに図示されている処理ツール2は単に代表的なものに過ぎず、代替の実施形態では、処理ツールは、任意の所望のタイプおよび任意の所望の構成にすることができる。例として(本明細書本文において説明される例は、例示的実施形態の特徴を制限することを意図したものではないことに注意されたい)、処理ツールは、材料の堆積、イオン注入、エッチング、リソグラフィー、研磨、または任意の他の所望の工程を実施するよう構成できる。このツールは、例えば計測ツールを兼ねるものであってもよい。例示の例示的実施形態では、ツール2は、一般的にプロセス部6およびフロントエンドモジュール(FEM)4を有することができる(ウェハをツール内に正面からロードすることを考慮可能な参照の慣例を使用する場合)。プロセス部6は、隔離され、所望のプロセス雰囲気(真空、不活性ガス(N2)など)を保持することができる。FEM 4は、プロセス部に接続することができる。例示の例示的実施形態では、FEM 4に、プロセス部と共通の雰囲気(例えば、不活性ガスなどのプロセス雰囲気)を包含させることができる。この例示的実施形態では、FEM 4は、ロードロックを介してプロセス部6と隔離可能な形で連通させることができる(例えば、プロセス部の一部が真空でもよい場合)。代替の実施形態では、FEMは、清浄な空気雰囲気を有することができ、さらに他の代替の実施形態では、処理ツールはFEMを有することができず、プロセス部を基板キャリアと直接インターフェース接続することができる。キャリア100は、後述のように、プロセス部またはキャリア内の気体種類に関係なく、またはプロセス部が真空であるかどうかを問わず、プロセス部6にキャリアを直接インターフェース接続できるよう構成することができる。図1A−1Bに示すように、FEM 4は、基板キャリア100用のインターフェースを有する。ロードポート10と称することもできるこのインターフェースは、ツールに対するウェハ/基板のロードとアンロードを可能にするために、キャリアとFEM 4との、それ故にツール2とのインターフェース接続を可能にする。FEM 4には、プロセス雰囲気を低下させることなく、ツール内にウェハを(ツール外の環境から)ロードできるよう、(後述されるように)所望の環境制御を含めることができる。キャリアは、(プロセス雰囲気と同一でも異なっていてもよい気体種類の例えば清浄な雰囲気内に基板を保持するチャンバを定義することができる。キャリアとロードポートとの間のインターフェースは、以下の詳細な説明のように、プロセス雰囲気を低下させることなく、FEM 4内またはプロセス部6内など、キャリアチャンバおよびプロセス雰囲気間で基板を搬送するクリーントンネルと称することのできるものを定義することができる。
ロードポート10およびキャリア100の部分拡大概略立面図である図2を参照すると、キャリアチャンバとFEM雰囲気との間の連通インターフェースI(クリーントンネルなど)には、例示するとキャリアシェル−キャリアウェハ間インターフェース103、キャリアシェル−ロードポートフランジ間インターフェース101、キャリアドア−ロードポートドア間インターフェース105、およびロードポートドア−ロードポートフランジ間インターフェース13と大まかに識別することのできる、インターフェースなどを一般に含めることができる。代替の実施形態では、キャリアチャンバとFEM雰囲気またはプロセス雰囲気もしくは真空との間の連通をもたらすインターフェースは、さらに多いまたは少ないインターフェースを伴う任意の他の所望の構成にすることができる(例えば、前記のインターフェースの2つ以上を組み合わせて共通のインターフェースとしてもよい)。実現可能なこととして、例示的実施形態では、マルチインターフェースIによりもたらされるクリーントンネル(キャリアチャンバおよびプロセス雰囲気間)を開閉できる(キャリアがロードポートとインターフェース接続されているときに開き、キャリアのインターフェース接続が完了するまでのそれ以外の全ての時には閉じるなど)。クリーントンネルは、トンネルの開放時および閉鎖時ならびにトンネルを開閉する間も、清浄な状態にとどまる(内部雰囲気に実質的な低下がないなど)。故に、クリーントンネルを確立および維持するために実現可能なこととして、外部雰囲気または不潔な表面(外部雰囲気にさらされうるものなど)からキャリアチャンバ雰囲気またはプロセス雰囲気が隔離されるよう、所与のインターフェースが閉鎖されるにつれ連通マルチインターフェースIの各インターフェースを封止することができる。例えば、キャリアシェル−キャリアドア間インターフェース103は、キャリア雰囲気を隔離するために封止することができ、ロードポートドア−ロードポートフランジ間インターフェース13は、FEMもしくはプロセス部の雰囲気または真空(クリーントンネルが閉じているときなど)を隔離するために封止することができる。また、キャリアドア−ロードポートドア間インターフェース105は、クリーントンネル雰囲気から外部(例えばキャリアドアおよびロードポートドア上の不潔な状態/表面などを隔離するために封止することができ、キャリアシェル−ロードポートフランジ間インターフェース101は、外部雰囲気からプロセス雰囲気を隔離するために封止することができる(クリーントンネルの開放時など)。この例示的実施形態では、クリーントンネルに露出する可動部品を最小限に抑えるために、キャリアシェルおよびドア間103、シェルおよびロードポートフランジ間101、キャリアドアおよびロードポートドア間105、およびロードポートフランジおよびドア間13などのインターフェースを、後述のように少なくとも部分的にソリッドステートとすることができる。キャリアとロードポートとの間のインターフェースとして適切な例が、いずれも米国特許出願である2005年8月19日に出願された第11/207,231号、2005年8月24日に出願された第11/211,236号、2005年8月23日に出願された第11/210,918号、2006年11月7日に出願された第11/594,365号、2007年4月18日に出願された第11/787,981号、および2007年5月11日に出願された第11/803,077号に記載されており、これらの全てを本明細書の一部を構成するものとして援用する。
さらに図1A−1Bおよび図2を参照すると、この例示的実施形態では、ロードポート10は、低減または小容量キャリア100とインターフェース接続されるよう構成することができる。キャリア100に類似する特徴を伴う小容量キャリアの適切な例およびロードポート10に類似する特徴を伴うロードポートインターフェースの適切な例が、先に本明細書の一部を構成するものとして援用された、いずれも米国特許出願である2005年8月19日に出願された第11/207,231号、2005年8月24日に出願された第11/211,236号、2005年8月23日に出願された第11/210,918号、2006年11月7日に出願された第11/594,365号、2007年4月18日に出願された第11/787,981号、および2007年5月11日に出願された第11/803,077号に記載されている。この例示的実施形態では、ロードポートインターフェース11は、例えば現行の装置フロントエンドモジュール(EFEM)インターフェース規格を満たすよう配置することができる。例えば、ロードポート10は、従来のウェハ25枚のロードポート用のものなど、SEMI規格E63により確立されるBOLTSインターフェース内に嵌合させることができるとともに、SEMI規格E15.1により特定される空間エンベロープ内にキャリア100を配置することができる。この例示的実施形態では、ロードポート10は、積層されたキャリア100とのインターフェース接続が可能な一般積層ロードポート構成を有し、キャリア内において、SEMI規格E151のロードポート上に着座している、SEMI規格E47.1に準拠したキャリアのウェハ25枚の積層における最低および最高となるウェハの間の高さなどで、基板をツール搬送装置に与える。この例示的実施形態には、それぞれがキャリア100をFEMにインターフェース接続させることのできる3つのロードポート部10A、10B、10Cが示されている(これは例示のためであり、代替の実施形態では、これよりも多いまたは少ないロードポート部を有することができる)。代替の実施形態では、ロードポート部は、より多くのまたはより少ないキャリアをFEMにインターフェース接続させるよう構成することができる。この例示的実施形態では、ロードポート部10A−10Cおよび対応するインターフェース11A−11Cを実質的に類似したものとすることができる。各ロードポート部10A−10Cおよび対応するインターフェース11A−11Cは、ウェハの移送のために実質的に制限のないFEMアクセスを、およびロードポート部上のキャリアをアンドックするために自動搬送システム(AMHS)による実質的なランダムアクセスを提供するよう、個別におよび同時に動作可能とすることができる。代替の実施形態では、ロードポートは、任意の他の所望の構成とできる。キャリアとロードポートが取り扱う基板は、直径450mm、300mm、または200mmのレチクルもしくはペリクルなどの任意の所望のサイズの半導体ウェハやフラットディスプレイ用のフラットパネルをはじめ、任意の他の所望のタイプとすることができる。
ここで図3を参照すると、キャリア100の他の1つの概略立面図が示されている。図3に図示された例示的実施形態では、キャリア100は、ロードポート部分部10A上に据えられている。各図に示されているキャリア100は、代表的なものであり、代替の実施形態では、キャリアは、任意の他の適切な特徴を有することができる。この例示的実施形態では、キャリアは、一般的に基板を封入するチャンバを定義するシール102(図8も参照)を備える。シェルは、光学的に透明な材料で封止された、例えば1つ以上のビューポートを伴う(例えば、ビューポートは、キャリアシェル外のビームセンサで窓を介したウェハのマッピングが可能となるよう配置することのできる、光学的に透明な熱可塑性物質などの非金属材料、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、アルミニウム合金などの複合材料または非磁性金属、マグネシウム合金、および金属化プラスチック製とすることができる。代替の実施形態では、シェルは、キャリア内で封止された環境を維持できる任意の適切な材料製とすることができる。図8に最も明瞭に示されているように、キャリアシェルは、後述のように、シェルの1つの側面にドア104で閉鎖可能な基板移送開口部を定義している。キャリア110は、ロードポートインターフェースなどにおける、キャリアの取り扱いとキャリアの配置のためのカップリングまたはアタッチメント110、112を有することができる。この例示的実施形態では、キャリア100は、AMHSなどで、キャリアの上部からの自動把持のためのハンドルまたはフランジ112を有することができる。代替の実施形態では、キャリアをロードポートインターフェースに係合させるために上部ハンドル112を用いることができる(例えば図7A−7Cを参照)。他の代替の実施形態では、キャリアは、シェル上に任意の他の所望の取り扱い機構を有することができる。この例示的実施形態では、キャリアシェルは、ロードポートインターフェース上などにおいて、キャリアを繰り返し配置できるキャリア配置カップリング110を有することができる。例えば、カップリング110は、SEMI規格E57.1に実質的に準拠する機能を有するものなど、キャリアの底部合わせ面上に位置するキネマティックカップリング(実質的に自動反復配置を可能にするものなど)であってもよい。この例示的実施形態では、キャリアと、カップリング110を伴うロードポートインターフェースとの間の結合は、後述のようにロードポートインターフェースに対するキャリアの位置決めにおける過剰な制約を解消するとともに、キャリアフランジおよびロードポートインターフェースフランジ間の所望の位置決めを確保するために、緩和させることができる。代替の実施形態では、キャリアの合わせ面と位置決めカップリングとをキャリアの任意の他の側面に配置することができる。図3に示すように、この例示的実施形態では、キャリア100は、インターフェース110およびインターフェース101でロードポートとインターフェース接続することができるが、これを従来の構成で実施すると、異なるインターフェースのインターフェース表面が競合するため、ロードポート上の従来のキャリア位置決めに過剰な制約状態が生じうる。この例示的実施形態では、キャリア100は、後述のように、過剰な制約状態を生じさせることなく、インターフェース110およびインターフェース101でロードポートとインターフェース接続させることができる。
図3に示すように、および前述のように、この例示的実施形態では、キャリアシェル102およびドア104が、キャリアチャンバを閉じるためにインターフェース103(図3に概略で示す)で嵌合/インターフェース接続される。この例示的実施形態では、インターフェース103は、シール103Sで封止することができ、ドアラッチ106は、ドアを閉鎖時にシェルに保持することができる。また、図3に示すように、および前述のように、この例示的実施形態におけるドア104は、ロードポートドア12に対するインターフェース105の少なくとも一部も定義することができる。したがって、この例示的実施形態では、キャリアドア104は、キャリアシェル(インターフェース103において)およびロードポートドア(インターフェース105において)の両方とインターフェース接続し、それによりロードポートでのキャリアの位置決めにつきさらに競合するインターフェースと可能性のある制約を生じさせるための、インターフェース機構を有することができる(例えば、インターフェース110、および前述のようにキャリアシェルフランジとロードポートフランジとの間に定義されるインターフェース101に加えて)。図3に示す例示的実施形態では、キャリアシェル−ドア間インターフェース103は、キャリアドアがロードポートドアにインターフェース接続され(これにより、キャリアドアをキャリアシェルおよびロードポートドアの両方にインターフェース接続させるために生じる制約を解消し)たときに、可撓性をもたせることによりキャリアドアをシェルに対し位置的に解放することができる。インターフェース103における可撓性は、(内部の清浄度が損なわれないようにするとともに、キャリアチャンバと外部雰囲気との間の所望の圧力差に耐えられるよう)ドアとシェルの合わせ面における不一致に対応しこれを補うことのできる適切な可撓性を有するシール103Sなどによりもたらすことができる。ドアラッチ106は、後述のように、シールの圧縮などからドアにかかるバイアス、ドア全体における圧力差、およびドアにかかる基板のバイアスに耐えるための充分なラッチ力を生成するよう構成することができる。ドアラッチ106は、微粒子の発生を回避するために、実質的にソリッドステート装置(ラッチの作動が非接触方法によりもたらされるなど)とすることができる。可撓性のあるシール103Sは、シールの可撓性の撓みがラッチをもたらすようにラッチ装置内に組み込むことができ、かつ/またはラッチ装置106をシール内に一体化することができる。例として、図3の概略図に示すように、シール103Sは、シールとマグネットの組み合わせであってもよい。シール103Sは、シールを圧縮するためにシェルフランジ内の磁性物質上で動作する、シール内のドア上に位置する磁性リボンを伴った、ドア外周の周囲に配置されたフェースシールであってもよい。代替の実施形態では、シェルおよびキャリアドア間のインターフェースでラジアルまたは湾曲したドアシール(シール表面の断面など)を使用することができる。他の代替の実施形態では、シールは、任意の他の所望の構成であってもよい。
この例示的実施形態では、キャリア内のラッチ装置105は、受動的とすることができ、(ラッチを開閉するための)作動は、例えばロードポート内に存在する能動側によりもたらすことができる。代替の実施形態では、ラッチ装置の能動側が、キャリア100内に存在していてもよい。実現可能なことであるが、ラッチ装置の作動をもたらすには、装置に電力と制御を提供する必要がある。例えばロードポート内の装置の能動部分を特定することにより、キャリアの電力と制御の必要性を回避または最小限に抑えることができる。図3に示す例示的実施形態では、ラッチの受動部分を駆動するためのエネルギーの伝達を、励起時にキャリアドア上の永久磁石をシェル102内の磁性物質から引き離すのに十分な磁場を生じさせる電磁石(例えばロードポートドア内の位置)など、磁気とすることができる。他の例示的実施形態では、ラッチ装置に対するエネルギーの伝達は、誘導、またはキャリア100とロードポート10Aとの間の電気接触パッドによりもたらすことができる。他の代替の実施形態では、作動エネルギーをキャリア100上に格納することができ、ラッチの操作のために制御命令をキャリア100に無線送信することができる。この例示的実施形態では、ラッチ106を作動させるための作動入力を、キャリアドア104を介して適用することができるが、代替の実施形態では、作動入力をキャリアシェルに適用してもよい。図3A−3Eは、さまざまな例示的実施形態に係るキャリアシェル−ドア間インターフェース105およびドアラッチの部分的な断面図である。例示の例示的実施形態では、ドアラッチの作動は磁気的であり、装置の能動部分が、例えばロードポートドア12内に示されている。したがって、例示の例示的実施形態では、能動部の作動により、キャリアドア−ロードポートドア間ラッチ106Dの作動と共にシェルまたはキャリアからドアのラッチ106の作動がもたらされる。実現可能なことであるが、図3A−3Eに示すラッチの構成は、例示に過ぎず、代替の実施形態では、(シェルおよびロードポートドア両方に対する)キャリアドアラッチは、任意の他の所望の構成を有することができる。図3Aに示す例示的実施形態では、磁気ラッチに、キャリアシェル内の鉄鋼材9051上で動作するキャリアドア内の永久磁石9050を含めることができる。代替の実施形態では、永久磁石は、シェル内にあってもよく、磁性物質がキャリアドア内にあってもよい。この構成は、例えば、キャリアドアラッチが閉じている(能動部分がオフ)ときに閉磁気回路もたらすことができ、これにより浮遊磁場の可能性が最小限に抑えられる。図3Kにも示されているように、この例示的実施形態では、鉄鋼材9050Aが永久磁石9050を部分的に取り囲むようにすることもできる。この鉄鋼材は、必要に応じてキャリア内およびキャリア外の浮遊磁場を防止または最小化するためにマグネットの周囲にシールドと称することのできるものを形成するよう構成することができる。図3Kには、図3Aにおけるラッチマグネットの配置で使用される鉄鋼シールド9050Aが図示されているが、この鉄鋼シールドは、図3B−3Hおよび3K−3Lに示すような、任意の他の所望の構成を有するラッチマグネットの遮蔽に使用することができる。図3Kに示す鉄鋼シールド(およびマグネット)の構成は、概略的な図示であり、代替の実施形態では、鉄鋼シールド9050A(およびマグネット)は、キャリア内外からの浮遊磁場を防止または最小化しうるラッチマグネットに対し任意の適切な構成を有することができる。マグネット9050および/または鉄鋼材/プレート9051、9050Aは、他の非鉄材料内に埋め込まれていてもよく、または耐食性のためにコーティングされていてもよいことに注意されたい。
こうした例示的実施形態では、能動部分は、電磁石9052とすることができ、これは例えば図示のようにロードポートドア内に配置することができる。能動部分を作動させる(オンにする)と、キャリアドア104内の永久磁石9050とシェル102内の磁性物質9051との間の作動力が、ロードポートドア12内の電磁石9052からの磁場の影響によって克服され、キャリアドア/シェルラッチ106が解放されるとともに、キャリアドア−ロードポートドア間ラッチ106Dが閉じられる。実現可能なこととして、キャリアドア104は、ロードポートの開放時などに、ロードポートドア12と共に移動させることができ、これによりラッチ解除位置にあるときにロードポート内の基板実装開口部から離れるよう開磁気回路を定義することのできる(例えば望ましくない磁場の最小化のため)キャリアドア内の永久磁石9050を移動することができる。図3Bに示すように、他の1つの例示的実施形態によると、キャリアドア104には、フレクサー9060の一方の側面に接続された永久磁石9050とフレクサー9060の他方の側面に接続された鋼鉄材9050Dとを含めることができる。フレクサー9060は、任意の適切な弾性的に柔軟性のある材料製とできる。電磁石9052は、作動されると、フレクサーを移動させるよう鉄鋼材9051Dと相互作用することができ、ドア内の鉄鋼材9051に対し永久磁石9050が移動される(キャリアドア/キャリアシェルラッチを解放して、キャリアドアとロードポートドアの間をラッチさせるなど)。図3Cに示す例では、電磁石9052が作動されると、永久磁石9050が回転して、鉄鋼材9051、永久磁石9050、および電磁石9052の相互作用によりキャリアドア/キャリアシェルラッチ106が解放されてロードポートドア/キャリアドアラッチ106Dが係合されるよう、キャリアドア104内の永久磁石9050を回転可能とすることができる。図3D−3Eに図示する例示的実施形態では、誘導電磁石を作動させ、それによりキャリアシェルからキャリアドアをラッチ/アンラッチするために、キャリアドア内のラッチ部分を、ポートドア12内に位置する能動コイル9052’を伴う誘導電磁石9050’、9050”とすることができる。図3Eにも示されているように、1つの例示的実施形態では、キャリアシェルに、誘導電磁石9050”と相互作用させるために永久磁石9051’を含めることができる。図3D−3Eにおける誘導電磁石の構成は、図3A−3Bに関し上述した態様に実質的に類似する態様で動作することができる。図3A−3Eに図示した誘導電磁石ならびに受動および能動素子の構成は、例示に過ぎず、代替の実施形態では、キャリアシェルとドアとの間およびキャリアドアとポートドアとの間のソリッドステート(またはソリッドステートに近い)ラッチの受動および能動素子が、任意の他の適切な構成を有していてもよく、かつこれよりも多いまたは少ない素子を含むものであってもよい。
図3Lを参照すると、他の例示的実施形態では、キャリアとドアとの間の磁気ラッチは、機械的にアンラッチできる。例えば、図3Lに示す磁気ラッチ/シールには、図3A−2Cに示すものなどと概して類似する配置の、ドア104およびキャリアシェル102内にそれぞれ位置するマグネット9090および磁性(鉄鋼など)材料9091を含めることができ、代替の実施形態では、ラッチは、任意の他の所望の構成であってもよい。磁気ラッチ/シールは、例えばラッチフィンガー9092の作動を介して、機械的に解放させることができる。ラッチフィンガー9092は、ドア104内に少なくとも部分的にピボット9093の周りに枢動可能に取り付けることができる。ラッチフィンガー9092は、例えばドア104の可動ラッチキーホール9094(並進など任意の他の所望の態様で移動可能とすることができるが、例えば回転可能なものとして示されている)に動作的に結合することができる。キーホールは、ロードポートドアなどから、キーにより係合および移動できる。例示の例示的実施形態では、ラッチキー9094が矢印9095の方向に回転されるにつれ、例えばドア1042をキャリアシェル102から離れるように促しそれにより磁気ラッチを解放するために、ラッチ部材またはフィンガーが矢印9096の方向に枢動される。この図に示す構成は例示でしかなく、代替の実施形態では、ドアとキャリアとの間の磁気ラッチ/シールを任意の適切な態様で機械的に解放することができることに注意されたい。例えば、ラッチフィンガーの動きによりキャリアドアラッチのマグネット/磁性材料を互いに離れるように移動させてラッチを解放するよう、マグネットまたは磁性材料をラッチフィンガーに取り付けるまたは連結することができる。逆に、ラッチの係合は、ラッチフィンガーの逆の動きによってもたらすことができる。
ここで図3Fを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るキャリアシェルとドアのインターフェースおよびラッチ106の他の部分的な概略断面図が示されている。例示の例示的実施形態では、ラッチは、インターフェースに沿ってキャリアシェル102とキャリアドア104との間の何らかの正の変位(たわみ部材または圧電効果などで)によりもたらされ、実質的にインターフェースの外周近辺でキャリアシェル102とキャリアドア104との間の干渉が実質的に圧縮される。キャリアシェル102とドア104との間の干渉は、例えばキャリアドア104上の(ドア全体の圧力差からなど)バイアス力と連携させるために、および圧縮を増加し、それによりシェル102とキャリアドア104との間のラッチ力を増加させるために構成することができる。変位部は、キャリアシェル102、キャリアドア104、またはその両方に配置できる。ラッチ106を解放するために、変位部を作動させてキャリアドア104上の圧縮を解放することができる。この例示的実施形態では、変位部は、ラッチおよびアンラッチをもたらすために作動させることのできるフレクサー部材9099を有することができる。フレクサー部材9099の作動は、例えば真空(真空ブラダー)によるものであっても、磁気、電気活性高分子、形状記憶合金(SMA)、または任意の他の適切な作動手段によるものであってもよい。
図3Iおよび図3Jを参照すると、例えばフレクサー部材9099またはこれに類似するラッチ部材を作動させるために使用することのできるSMA部材の例が示されている。実現可能なこととして、SMAはメモリを有するが、エネルギーを格納するものではない。一方で、こうした例示的実施形態では、SMAは、有効なソリッドステートのアクチュエータであってもよい。こうした例示的実施形態では、ラッチ機構は、通常、物質の撓み、ばね、磁気入力などにより閉鎖位置に偏らせることができ、閉鎖バイアスによりあらかじめ応力がかけられたSMA部材(またはワイヤ(これはキャリア内に一体化されていてもよい)は、ロードポートからの電気または熱入力などを介して、ラッチを開くために閉鎖バイアスを克服し、フレクサー部材を変位させるために作動させることができる。図3Iに示された1つの例示的実施形態では、ワイヤ10200などのSMA部材を、通常「ラッチされた」状態に偏らせてあるラッチに接続することができる。この種のラッチは、水平または垂直面で回転する、枢動可能に取り付けられたフィンガー106’であってもよい。1つの代替の実施形態では、ピボットをフレクサーで代替することができる。他の1つの例示的実施形態では、図3Jに示すように、SMA部材10200’にあらかじめ応力をかけるのに十分な弾性を伴う、作動時にSMA部材10200’により折りたたみ可能としたガスケット10201を使用してもよい。折りたたみ可能なガスケットの変形形態は、ワイパーの先端を引っ張るSMA部材によりたわまされるワイパータイプのガスケットを採用したものとなろう。ワイパーの折り曲げにより、ドアの解放と取り外しに十分な分離を達成することができる。
他の例では、フレクサー部材9099に類似するラッチ部材を作動させるために、例えば図19および図20に示す例示的実施形態におけるアクチュエータ5000に類似する構成を有する真空(ブラダーアクチュエータなど)を使用することができる。アクチュエータ5000に類似するブラダーアクチュエータは、フレクサー部材9099(図3Fを参照)、またはロードポートもしくは基板キャリアドア、ゲートバルブ、およびラッチを含むがこれに限定されない、例えば処理ツールおよびキャリアの任意の適切で作動可能な機構もしくは装置(図3A−3Lも参照)を作動させるよう構成することができる。この例では、アクチュエータ5000は、一般的に、真空または部分真空ブラダーとして構成される。代替の実施形態では、アクチュエータは、任意の適切な構成にすることができる。アクチュエータ5000は、アクチュエータ5000のストロークに関し、アクチュエータ5000の外形寸法を最小化するように(アクチュエータのサイズに対するストロークの比率を最大化するなど)構成することができる。この例示的実施形態では、アクチュエータ5000は、キャリア内部またはプロセスツール内部など、制御された清浄な環境内で運転するよう制御することができる。例示の例示的実施形態では、アクチュエータは、一般的に、基部または実質的な固定表面5020、可動表面5030、および可動表面5030の動きをもたらし、それ故にアクチュエータ5000を作動させることのできる電力または駆動表面5035を有することができる。この図に示されるように、固定表面は、例えばアクチュエータの一方の側面に圧力差を作り出すことができるよう、アクチュエータを任意の適切な表面に対し封止するためのシール5010を有することができる。この例示的実施形態では、電力表面5035が示されており、これがあくまでも例としてブラダーと称されている。代替の実施形態では、電力表面5035は、任意の他の適切な形状または構成にすることができる。実現可能なこととして、図19−20に図示されている固定表面5020は、ツールまたはキャリアフレームの固定表面または部材に嵌合させることができ、可動またはアクチュエータ表面5030は、駆動表面5035全体の圧力差(駆動表面5035の対向する側面に位置する圧力P1と圧力P2との間の圧力差など)の運動力を受けた可動表面の動きが当該機構を作動させるよう、作動機構に接続させることができる。この例示的実施形態では、駆動表面5035は、内部空間または容積5002を形成する形状とすることができ、駆動表面5035外の空間から、分離境界または膜で境界づけられる内部空間5002を実質的に隔離する隔離境界または膜、および例えば後述されるその中に位置する可動部品を形成することができる。駆動表面は、作動の実施中に駆動表面5035が動いたときの微粒子の形成を解消または最小化するよう任意の適切な材料製とすることができる。この例示的実施形態では、駆動表面5035は、アクチュエータ5000の固定表面5020および同アクチュエータの可動表面5030に接続されており、駆動表面5035の一部は、(例えば図19−20に示すように、代替の実施形態では、任意の他の表面配置であってもよいが)駆動表面5035全体に所望の圧力差が適用されたときに、固定表面5020と相対的に移動するように構成されている。自由度と作動率は、後述のように制御することができ、必要に応じて電気制御または電力を使用せずに達成することができる。
前述のように、アクチュエータ5000の作動(伸縮など)は、例えばアクチュエータのブラダー上の圧力差を介して制御することができ、作動率は、例示すると、フローライン5055内の5000個のオリフィスのサイズまたはアクチュエータ5000周辺に駆動表面5035を介して位置するリークポイント5056により制御することができる。リークポイント5056およびフローライン5055の位置は例示でしかなく、代替の実施形態では、フローラインとリークポイントは、アクチュエータの上のまたはこれに対する任意の適切な位置とすることができる。オリフィスは、例えば処理ツール2の任意の適切な雰囲気(またはツール周辺の周囲環境などの外部環境)に接続させることができるとともに、アクチュエータの内部容積と連通させることができる。1つの例では、処理ツール2の真空環境と雰囲気環境との間の圧力差P1、P2は、例えば真空アクチュエータ5000の直線運動をもたらす。例えば、ブラダー5001の外側は、処理ツールの真空環境にさらすことができる一方で、ブラダーの内部5002が処理ツール2の雰囲気環境にさらされる。例示でしかないが、例えば図20に示すように、真空環境をフローライン5055でもたらしてもよい(後述のように、フローラインは、駆動表面5035と連通しているチャンバのポンプダウンを生じさせることができるなど)。実現可能なこととして、真空圧が上昇するにつれ、真空圧と雰囲気圧との間の差圧P1、P2も増加し、アクチュエータを作動させる(逆も同様)。他の実施形態では、後述のように、アクチュエータを移動させるためにアクチュエータの1つの側面を加圧することができる。代替の実施形態では、ブラダー5002の内部を真空環境にさらすことができる一方で、ブラダーの外部5001を雰囲気環境にさらすことができる。1つの例示的実施形態では、アクチュエータ5000内で生成されるパーティクルが、例えばロードロックまたは任意の他の適切な制御された清浄な環境に進入するのを防止または最小化するため、オリフィス内および/またはリークポイントに任意の適切なフィルタを配置することができる。代替の実施形態では、アクチュエータ5000が、アクチュエータ5000の作動のためにブラダーの膨張および収縮させる独自のポンプシステムを有することができる。アクチュエータ5000の作動速度(加速および減速など)は、例えばアクチュエータ5000周辺のフローラインおよび/またはリークポイント内の、バルブを含むがこれに限定されない、固定または可変とすることのできるオリフィスの制限によってなど、任意の適切な態様で制御することができる。
1つの例示的実施形態では、アクチュエータ5000の所定の自由度数の動きを定めるために、アクチュエータの伸展と退避を案内することができる。例えば、図20に最も明瞭に示されているように、アクチュエータ5000は、実質的に矢印5050の方向に直線的に伸展および退避する一方で、矢印5040−5042で示された方向など他の方向(直線的および回転など)でのアクチュエータの動きが制限されるように構成することができる。代替の実施形態では、アクチュエータ5000は、1つ以上の方向で作動させるための任意の適切な自由度数を有することができる。この例では、アクチュエータ5000に、アクチュエータ5000の動きを案内するための任意の適切なリンク5005を含めることができる。ここでのリンクは「シザー」または「アコーディオン」リンクとすることができるが、代替の実施形態では、リンクを任意の適切な構成としてもよい。シザーまたはアコーディオンリンクは、展開構造のときにはリンクの伸展、つまり到達範囲を最大化(アクチュエータの到達範囲に対する格納の比率を最大化するなど)しながら、退避または折りたたみ時にはコンパクトな外形とすることができる。代替の実施形態では、リンクに、1本以上のレールを順番に接続して、当該ひと続きのレールにおける小さめのレールが大きめのレール内に摺動されるよう異なる幅と高さに構成した、レールのテレスコーピング伸縮をもたらす、伸展可能なレールを含めることができる。他の代替の実施形態では、ブラダーは、駆動表面が圧力差を介して移動されるにつれ、メッシュにより例えばアクチュエータ5000の線形移動が案内されるように構成された、例えばメッシュ材のようなセルフガイド材料で構成することができる。さらに他の代替の実施形態では、アクチュエータの動きを任意の適切な態様で案内することができる。
ここでのリンク5005は、リンクにより生成される微粒子が、処理ツール内の真空またはそうでなければ清浄な環境にさらされないよう、ブラダーの内部5002に位置している。代替の実施形態では、リンクをブラダーの外部に配置してもよい。さらに他の代替の実施形態では、リンクにより生成される可能性のある微粒子を、任意の適切な態様で封じ込めてもよい。アクチュエータは、線形アクチュエータとして記載されているが、代替の実施形態では、アクチュエータは、回転作動用に構成してもよい。さらに他の実施形態では、アクチュエータの線形運動を任意の適切な態様で回転運動に変換してもよい。さらに他の代替の実施形態では、アクチュエータに、互いに任意の空間的関係を有する2自由度を備えるための、共通のアクチュエータチャンバに接続された2つのブラダーを含めることができる。例えば、第2のブラダーを、基板通路開口部がドアで遮られないように、ドアがドアインターフェース表面と実質的に平行に移動するよう構成しながら、ブラダーの1つを、ドアが基板通路開口部のドアインターフェース表面に対し実質的に垂直に移動するよう構成することができる。複数のブラダーは、ブラダーを各ブラダーの所定の作動圧力差に応じて異なる時点に作動できるよう、ブラダー材料の材質および厚さを含め、異なる特性で構成することができる。実現可能なこととして、本明細書に記載されているブラダーは、任意の適切な方向で構成することができるとともに、所望の作動を備えるために互いに平行または連続するように配置することができる。
ここで、さまざまな例示的実施形態に係る変位タイプのラッチの例示的な構成をそれぞれ示す、キャリアシェル−ドア間インターフェースおよびラッチの部分的な概略断面図である図3G−3Hを参照する。図3Gに示す例では、ラッチに、キャリアシェル102内に位置する鉄鋼材10001とキャリアドア104内の永久磁石10002が含まれている。たわみ材またはガスケット10003は、ドア104内で磁石10002を取り囲むようにしてキャリアドア104に取り付けることができる。例えば前述のアクチュエータ5000または先述の他のアクチュエータに類似するアクチュエータ10005は、作動されると磁石10002を鉄鋼材10001から離れるように引っ張って両者間の磁力を克服してキャリアシェル102からドア104を解放する、ドア104内に位置づけることができる。図3Hに示す例では、ラッチに、例えばキャリアシェル102内の回転可能なリング形状の多極マグネット10100およびキャリアドア104内の静止したリング形状の多極マグネット10102が含まれる。マグネット10100、10102の形状は、単なる例示でしかなく、本明細書に記載される動作に適した任意の他の形状とすることができる。代替の実施形態では、ドア104内の磁石を回転可能とすることができ、またキャリアシェル102内の磁石を固定とすることができる。さらに他の代替の実施形態では、マグネットを、本明細書に記載されるとおりの動作に適した任意の態様で移動可能とすることができる。ラッチを解放するには、マグネット10100、10102の極が互いに反発してラッチが解放されるように、回転マグネット10100に接続されたハンドル10101を回転させることができる。代替の実施形態では、手動で、もしくはソレノイド、スプリング、コイル、図3Lに図示したラッチキーホールに類似するラッチキーなどの自動化を介して、または他の適切な装置でなど、任意の適切な態様でマグネット10100を移動させることができる。代替の実施態様では、ラッチは、任意の他の所望の構成にすることができる。
ここで図4A−4Eを参照すると、ロードポートインターフェース10に嵌合されるにつれての各位置におけるキャリア100が示されている。また、図4Fも参照すると、この例示的実施形態に従ってキャリアをロードポートインターフェースに嵌合するプロセスを図示したフローチャートが示されている。図4A−4Fに描写された位置とプロセスは例示であり、代替の実施形態では、キャリアは、任意の他の所望のプロセスでロードポートとインターフェース接続させることができる。図4Aに示す実施形態では、キャリア100は、例えばキャリアがプロセスツールに到着するときなど(図4F、符号10600)、ロードポートインターフェースから離れて配置される。キャリアは、例えば上部ハンドル112からキャリアを支持しているAMHS(図示せず)で取り扱うことができるが、代替の実施形態では、キャリアを、任意の他の所望の態様で取り扱うことができる。実現可能なことであるが、図4Aに図示した位置では、キャリアチャンバもロードポートも閉じている。図4Bでは、キャリア100を最初にロードポートに位置決めすることができる(図4F、符号10601)。例として、キャリアの(この例示的実施形態では、底部の合わせ面上の)位置決めカップリング部分110は、ロードポート10の補足的な位置決めカップリング部分20を係合させる。この位置では、キャリアの側面インターフェースが、ロードポートフランジ10500から離れた、嵌合されていない状態にある。もう一度図3を参照すると、この例示的実施形態では、キネマティックカップリング機構110およびこれにより定義されるキャリアの位置決め基準点または面を基板着座面またはキャリアの中央平面付近に配置することができ、これにより制約インターフェース間の角度的な配置不良の効果を低減することができる。図4Bに示す位置では、キャリアは、インターフェース101(図4Cに示す)でキャリアシェルフランジ10501をロードポートフランジ10500と粗く嵌合させるために、ロードポートシャトルがキャリアを進出させる(図4F、符号10602)につれて、キャリアを適切な位置に保持するようロードポートインターフェース20Aに対してクランプすることができる(図4F、符号10603)。この例示的実施形態では、キャリアフランジ10501とロードポートフランジ10500に、例えば(後述のように、また図8も参照)インターフェース101に反復的な位置決め基準点を定義するキネマティックカップリング機構を含めることができる。前述のように、ロードポートフランジに対するキャリアのインターフェースでの反復的な位置決めにより、プロセス雰囲気を低下させることなく、キャリアチャンバからFEM内へのクリーントンネルを確立し、開口させることができる。例として、図4Cを参照すると、粗く嵌合された位置では、キャリアドア104をロードポートドア12とインターフェース接続させることができる。実現可能なこととして、キャリアシェルとドアとの間の可撓性を有するインターフェース103は、インターフェース110でのキャリア位置決めについて生じる位置的な差異、およびインターフェース105でのキャリアドアとロードポートドアの嵌合を収容することができ、それによりインターフェース105を閉じて、キャリアドアをロードポートドアにクランプすることができる(図4F、符号10604)。この例示的実施形態では、ロードポートドアは、キャリアドアをロードポートドアにクランプする前にインターフェース105の任意の容積をパージするために、真空ポートを有することができるが、代替の実施形態では、インターフェース105は、実質的に容積がなくてもよい。この例示的実施形態では、キャリアドア104は、キャリアシェルおよびドア間のラッチの解放と実質的に同時にキャリアドアのロードポートドアに対するクランプをもたらすことができる、例えば先述のようなラッチ装置で、ロードポートドアにクランプすることができる。代替の実施形態では、キャリアドアとロードポートドアを固定するために独立クランプを使用することができる。他の代替の実施形態では、真空ベローを介したものなど、キャリア全体に作用する真空クランプを使用することができる。キャリアドア表面または局所的な真空カップは、キャリアドアをロードポートドアにクランプし、キャリアドアのキャリアシェルからの結合解除を支援することができる。図4Aでは、後述のように、ロードポートドアが、ロードポートを介してキャリアドアをFEM内に退避および移動させる様子が示されている。図4Dに示された例示的実施形態では、インターフェース110におけるキャリアシェルとロードポートとの間の位置決めを緩和させることができる。例えば、キャリアシェルを位置決め位置に保持する任意の押さえクランプを解放させることができるとともに、カップリングピン20Aを溝から下降させるか合わせ面を上昇させることにより、キネマティックカップリング110、20の結合を少なくとも部分的に解除することができる(図4F、符号10605)。インターフェース110における位置決めを緩和することができるため、インターフェース101における位置決めカップリング機構101(シェルフランジとロードポートフランジとの間)を係合させて、シェル102をロードポートフランジ10500に位置決めすることができる(図4F、符号10607)。この例示的実施形態では、インターフェース101における位置決め(およびインターフェース110における位置決めの緩和)のための作動入力をロードポートドアの退避とすることができる。例として、インターフェース101におけるキネマティックカップリング機構の粗い結合(部分的な結合など)およびインターフェースにおける位置決めの緩和により、ドアが退避されるにつれキャリアシェル上のキャリアドアにより生成されうる軽微な引っ張り力が、インターフェース101におけるキネマティックカップリング機構の係合を完了させるためにキャリアシェルを駆動するのに十分な態様で、キャリアを位置的に懸架させ、これにより完全な位置決めをもたらすことができる。インターフェース101における完全な位置決めは、(図5A−Bの概略図に示されたヨーとピッチで)キャリアシェルをロードポートフランジにクランプするクランプ(図示せず)の作動によりもたらすことができる。インターフェース101における位置決め位置では、キャリアとロードポートドア104、12を図4Eに示されるように下降させることができる(図4F、符号10608)。
ここで図8−8Aを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るキャリア100の概略斜視図と側面図がそれぞれ示されている。前述のように、および図8Aに最も明瞭に示されているように、キャリアシェルは、インターフェース101のカップリング部分101B(シェルフランジ102Fとロードポートフランジ14との間、図3も参照)を定義するカップリング機構を伴う嵌合フランジを有することができる。ここで図9Aを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係る、ロードポートフランジインターフェース101におけるロードポートフランジ14およびキャリアシェルフランジ102F間の嵌合を示す部分的な概略斜視図が示されている。これらの図に示すインターフェースの構成は例示であり、代替の実施形態では、キャリアフランジ−ロードポート間インターフェースは、任意の他の所望の構成にすることができる。図9Aに図示する例示的実施形態では、ロードポートフランジ14は、ロードポート部のロードポートを定義するフレーム部材または隔壁上に配置することができる。インターフェースシールを、閉鎖時にインターフェースを封止するためにロードポート16A−16Cの周辺に備えることができ、クランプ装置(例えば磁気クランプパッド10700として示されているもの)は、キャリアシェル102を係合し、キャリアシェル102をロードポート上に保持するために位置づけることができる。代替の実施形態では、インターフェースシールおよびクランプ装置を、例えば真空クランプなど、任意の所望の構成にすることができる。図9Aに示す例示的実施形態では、ロードポートフランジ14は、インターフェース101の補足的なカップリング部分101Aを定義するカップリング機構を有することができる。この例示的実施形態では、カップリング機構101A、101Bのそれぞれが、インターフェース101でのキャリアシェル102のロードポートに対する反復的な位置決めのためのキネマティックカップリングを定義する。前述のように、図8、8A、9A−9C、および10に示すキネマティックカップリング101の特徴は単なる例示に過ぎず、代替の実施形態では、キネマティックカップリングは、任意の他の適切な構成にすることができる。この例示的実施形態では、キネマティックカップリング101は、ロードポートフランジ14上のピン22、24(カップリング部分101A)、およびキャリアシェルフランジ102F上の溝または移動止め122、124(カップリング部分101B)を備える。ピン22、24および溝122、124は、キャリアシェル102をロードポートに対しX、Y、Z方向に反復的に配置するとともに、インターフェースシールを着座させるためにシェルフランジ102Fとロードポートフランジ14(例えば図5Aに図示)との間の勾配差を克服するよう、インターフェース101への移動時にキャリアシェル102にピッチとヨーの自由度を与えることができるように(図4Cと5Aを参照)、配置することができる。例えば、ピンと溝は、実質的にキャリアシェル102とロードポート16A−16Cの中央平面に位置づけることができる。カップリングは、インターフェース101でキャリアシェル102とロードポート16A−16Cが粗く結合されると、カップリング110のカップリングピン20Aの結合解除によってなど、カップリングがキネマティックカップリング110からの制約を緩和するのに十分なZ支持をもたらすよう、例えば例示のように配置することができる。カップリング110の結合解除は、Zロードをカップリングピン22、24上へと伝達してカップリングピン20Aの結合を解除するための(例えばシャトルまたは他の適切な持ち上げ機構を介した)キャリアのZ’運動により支援することができる。図10は、インターフェース101での嵌合位置にあるキャリアを示す概略平面図である。
ここで図21−25を参照して、物体6000を過剰に制限することなく、キャリアの位置決めをキネマティックカップリング110からインターフェース101に伝達する1つの例を、1つの例示的実施形態に従い詳述する。図21からわかるように、例えばロードポート6099のカップリングプレート6010上に位置する物体6000が示されている。物体6000はキャリア100の代表であってもよいが、代替の実施形態では、物体100を任意の適切な物体とすることができる。カップリングプレート6010には、物体6000をプレート6010に結合するためのキネマティックカップリング6030を含めることができる。キネマティックカップリング6030は、図3に関して上述したのと実質的に類似するものとすることができる。例えば、図21A、21Bに示すように、キャリア100には、カップリングプレート6010のピン6031A−3031C(一般的にピン6031と称する)とインターフェース接続されるよう構成された実質的にV字型の溝6032A−6032C(一般的に溝6032と称する)を含めることができる。代替の実施形態では、キネマティックカップリングは、キャリア内のピンとカップリングプレート内の溝、またはピン、溝、もしくは他の適切なキネマティックカップリング機構の任意の他の所望の組み合わせなど、任意の他の適切な構成にすることができる。図21Bに最も明瞭に示されるように、この例示的実施形態では、ピン6031は、湾曲したインターフェース表面を有することができ、ロードポート6099についてキャリア100を位置づけるためにV字溝6032内に少なくとも部分的に嵌合するのに適した形状を有する。代替の例示的実施形態では、ピンと溝は、任意の適切な構成にすることができる。カップリングは、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格E57−0600に準拠していてもよい。代替の実施形態では、キネマティックカップリングは、任意の適切なキネマティックカップリングとすることができる。
もう一度図21に戻ると、ロードポート6099には、物体6000をインターフェース6013に対し結合および結合解除するためにインターフェース6013に対し近づくまたは遠ざかるように移動させるための任意の適切なアクチュエータ6020を含めることができる。1つの実施形態では、インターフェース6013は、インターフェース101に実質的に類似したものとすることができ、任意の適切なキネマティックカップリングを含むものとすることができる。代替の実施形態では、インターフェースは、物体6000をインターフェース6013に結合するための任意の適切なカップリング機構を有する任意の適切なインターフェースとすることができる。図22を参照すると、1つの例では、運動表面6050がインターフェース6013に含まれているが、これはカップリングまたはプレート6010の面に対し斜めに方向づけられたカップリング面とすることができる(例示として、このカップリング面は、プレート6010のカップリング面に実質的に垂直であるものとして示されている)。代替の実施形態では、運動表面6050は、カップリングプレート6010に対し任意の適切な角度関係にすることができる。
インターフェース6013は、運動表面上に適切に位置づけることができるとともに、例えばキネマティックカップリング機構6035と、物体6000をインターフェース6013に少なくとも部分的に固定するための予荷重6060と、ポートドアと、キャリア内(および物体がインターフェース接続されたツール構成要素のチャンバ内)の環境を外部雰囲気から封止するための適切なシールとを含むものとすることができる。インターフェース6013には、図3A−3Iに関し上述したように、物体6000をインターフェース6013に固定するためのラッチを含めることができることに注意されたい。ラッチは、オブジェクト6000をインターフェース6013に固定するための予荷重6060などと連動して動作させることができる。この例では、予荷重6060は、真空予荷重とすることができるが、代替の実施形態では、予荷重は、磁気的なまたは機械的な予荷重を含むがこれに限定されない、任意の適切な予荷重とすることができる。予荷重の適切な例としては、図12−12Bに関し後述のものなどがある。
キネマティックカップリング機構は、図21−23に示すキネマティックピン6035を含むがこれに限定されない、任意の適切なキネマティックカップリングとすることができる。この例では、インターフェース6013の対向する側面に2本のピンが位置づけられているが、代替の実施形態では、インターフェース周辺の任意の適切な位置に任意の適切な数のピンを位置づけることができる。物体6000は、図23に示すように、ピン6035とインターフェース接続するための、対応する凹部または間隙部6001を有することができる(図22Aも参照)。ピン6035と凹部6001は、インターフェース6013に対する所定の関係で運動表面6050上に物体6000を保持および位置づけるよう構成することができる。キネマティックカップリング6035、6001は、インターフェースに対する物体6000の反復的な位置を生じさせるものであるが、これは、必要に応じて予荷重システム6060なしでインターフェースに結合された物体6000を安定的に保持することができる。
ここで図22Aと22Bを参照すると、物体6000と運動表面6050との間のインターフェース(ピンおよび凹部など)がより詳細に示されている。実現可能なこととして、図22Aと22Bに示したピンと凹部は例示でしかなく、代替の実施形態では、ピンと凹部を任意の適切な構成にすることができる。この例では、物体6000は、インターフェース6013のキネマティックカップリングを共同で定義するためにピン6035を実質的に補完する凹部6001A、6001Bを含むインターフェース表面または面22000を有することができる。凹部6001Aは、例えばパイロットホール(Z位置を定義する)を伴う、実質的に円錐形を有するように構成することができる。凹部6001Bは、例えばパイロットスロット(Y位置を定義する)を有する実質的にV字型の溝など、スロット形状にすることができる。ピン6035(ロードポートの両側で同じにすることができる)には、図22Bに示すように、キネマティックカップリングリードピン6035B(スロット6001BにXおよびZ方向の移転の自由を与える)およびX軸に沿った(Y軸とZ軸については制限されている)移転の自由を与えるキネマティック部品が含まれている。この例では、ピン6035のキネマティック部品6035Aが、実質的に球形状を有するものとして示されているが、代替の実施形態では、キネマティック部品は、実質的なV字型など、任意の適切な形状を有することができる。また、インターフェースには、例えば物体6000およびこれが運動表面6050に結合されるときのインターフェース6013に対する配置を感知するための機械的な感知ピンも随意に含めることができる。この例では、リードピン6035Bは、キネマティック部品6035Aが物体(概して図9Bに示すものと類似)を位置づけるために凹部6001Aの円錐形状を係合させる間に、凹部6001Aのパイロットホールを係合させることができる。凹部6001Bは、X軸方向のみの動きを備えたままで、スロット/溝を介してロードポートの反対側にあるピンを係合させるための可撓性を備えることができる。例えば、リードピン6035Bは、キネマティック部品6035Aが凹部6001BのV字溝(概して図9Cに示すものと類似)を係合させる間に、パイロットスロットを係合させることができる。
さらに図23を参照すると、物体6000は、アクチュエータ6020によりインターフェース6013に向けて搬送または進出させることができる。カップリングプレート6010が進出し続ける間に、物体6000の動きが例えばインターフェース6013との接触を介して拘束された場合、物体6000およびカップリングプレート6010の両方をインターフェース6013に向けて進出または移動させることができる。代替の実施形態では、カップリングプレートが所定の距離で拘束されている間にピン6031が物体6000とともに進出するよう、ピン6031をカップリングプレート6010に対して移動可能とすることができる。例えば、ピンは、カップリングプレート6010に対して移動可能なサブプレート上に位置づけて、カップリングプレート6010上のスロットを突き抜けて伸展するようにできる。代替の実施形態では、物体6000が、インターフェース6013に係合されてピン6031から離れるように実質的に持ち上がるように、任意の適切な態様で物体6000とピン6031との間の相対運動を備えることができる。
カップリングプレート6010が物体6000とインターフェース6013との間の係合点を超えて進出すると、物体6000(およびその溝6032)とピン6031(例えば図24に矢印6033および6034として示されるように)との間に相対運動が生じ、キネマティックピン6031がさらにインターフェースに向かって矢印6033の方向に進出させられるにつれて、物体を運動ピン6031に乗り上げさせる。例えば、図24も参照すると、ピン6031がV字溝6032に対して移動されると、インターフェース6013のキネマティックピン6035を係合させるために物体6000がカップリングプレート6010から持ち上がり、カップリングプレートと物体との間に隙間6070が形成される。V字溝6032は、持ち上げおよび案内の両方の力(カップリングプレート6010と実質的に平行な力など)が溝6032とピン6031との間の相対的な動きにより生成されるように、方向付けることができる。案内力は、物体がカップリングプレート6010(図21Aを参照)から離れて持ち上げられ、インターフェース6013と係合するよう進出されるにつれて、物体6000の移動経路6089をピン6031に対する中央線CLに沿って保持するよう作用させることができる。代替の実施形態では、物体6000をインターフェース6013に向けて案内するために、ピン6031と溝6032との間の接触を介して任意の適切な力を生成することができる。
ピン6031と溝6032との間のインターフェースは、物体6000がインターフェース6013に嵌合されるときに物体6000が過剰に制限されないよう、物体6000の枢動および移動を可能にしながら、物体6000を持ち上げることのできるように構成することができる。図25を参照すると、物体6000がインターフェース6013に結合されたときのピン6031とV字溝6032との間の関係が示されている。図25に示すように、ピン6031とV字溝6032との間には、ピン6031が溝6032に実質的に接触しないように、隙間が形成されている。代替の実施形態では、例えばピン6031を溝6032の1つの下および/または中でセンタリングすることにより、隙間6071を形成させるために物体6000をインターフェース6013に嵌合した後で、カップリングプレート6010(および/またはピン6031)を物体に対して移動させることができる。隙間6071は、物体6000がインターフェース6013から解放されたときに、物体を例えばカップリングプレート6010から取り除くことのできるよう、V字溝6032がピン6031に対し下降およびセンタリングされるようにするものであってもよい。物体6000およびインターフェース6013の係合と、インターフェースからの物体6000の解放ならびに物体6000およびカップリングプレート6010の再結合との両方を備えるために、物体をインターフェース6013とカップリングプレート6010とのキネマティックカップリングにより適切に制約できることに注意されたい。
図6を参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るキャリア100’の概略立面図が示されている。キャリア100’は、先述のキャリア100と類似するものであってもよい。この例示的実施形態では、キャリア100’は、キネマティックカップリング110’(キネマティックカップリング110に類似)とキネマティックカップリング101’との間に6自由度の可撓性をもたらすことのできる柔軟性のある接続130’を有する。この例示的実施形態では、キネマティックカップリング110’をキャリアシェルの底面に対し固定することができ、キネマティックカップリング101’をキャリアシェルフランジに固定することができる。したがって、可撓性を有する接続は、フランジとキャリアシェルの底面との間のキャリアシェル上の任意の適切な位置に配置することができる。図6に示す位置は、単なる例示に過ぎない。この例示的実施形態では、ウェハ支持構造をフランジに対し固定することができる。図6Aに示すフローチャートには、キャリア100’とロードポートとの間の例示的なロッキングプロセスが図示されている。例えば、キャリア100’は、ロードポート(図6A、符号11001)に搬送され、図4F、符号10600および10601に関し上述した態様に実質的に類似する態様でロードポート(図6A、符号11002)に随意にクランプされる。ロードポートシャトルは、キャリア100’をキャリア/ロードポートインターフェース(図6A、符号11003)に進出させる。ロードポートドアの真空は、キャリアおよびロードポートのインターフェース接続中にキャリア表面上の粒状物質を除去できるよう、キャリア100’の進出中に作動させることができる。ロードポートシャトルは、キャリアをロードポート(図6A、符号11004)に粗く結合するために、キャリア100’をキャリア/ロードポートインターフェースに押し付ける。キャリアドアは、ロードポートドア(図6A、符号11005)にクランプされ、シェルフランジクランプの真空が作動される(図6A、符号11006)。シェルフランジクランプにより、キャリアが、ロードポート(図6A、符号11007)にクランプされるようキネマティックカップリングと係合させられ、キャリアドアの退避が開始される(図6A、符号11008)。キャリアドアがキャリアから分離し(図6、符号11009および11010)、ロードポートのドア収納領域内へと下降させられる(図6A、符号11011)。代替の実施形態では、キャリアを任意の適切な態様でロードポートに位置決めすることができる。
ここで図11を参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るカップリングインターフェース110’の一部の概略平面図が示されている。この例示的実施形態では、キャリアシェルの、それ故にシェルフランジの、6自由度を可能にするよう、カップリング110’が可撓性(例えばX、Y、Zの主要3軸に沿って)をもつものであってもよい。代替の実施形態では、カップリングの可撓性にこれよりも少ない自由度をもたせることができる。カップリングの可撓性は、図11に、X、Y、Z方向のカップリングピン20Aの柔軟性によって概略図で表されている。代替の実施形態では、インターフェース110’(図3も参照)の可撓性を、シャトルプレート、ロードポートフランジカップリング、シェルフランジ、底部のカップリング用のシェルカップリング溝、またはカップリング溝へのシェル取り付けなど、1つ以上の他の適切な位置でもたらすことができる。実現可能なこととして、可撓性は、ピンにおけるZ可撓性、シェルフランジなど他の位置におけるXおよびY可撓性など、多数の位置に分散させることができる。
ここで図12−12Bを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るキャリア1100およびロードポート1010の概略立面図がそれぞれ示されている。この例示的実施形態では、ロードポートとキャリアが、互いにインターフェース接続が可能な、概して楔形のドアを有することができる。キャリアとロードポートドアは、Z軸など単軸の動きによってクランプおよび開放できる。この例示的実施形態では、キャリアとロードポートが、(ドア/キャリア/ロードポート)を位置づけることのできる同一表面など)ロードポートフランジ上に位置づけられた、キャリアの垂直ロード用の位置決め機構1107(キネマティックカップリングに対応したキャリア−ロードポート間の位置決めなど)を有していてもよい。実現可能なこととして、位置決めインターフェース機構は、図12−12Aに示されたV字溝およびピン機構をはじめ、インターフェースを過剰に制限しない任意の配置とすることができる。例示の例示的実施形態では、キャリアCGが機械的に安定した状態でカップリングに予荷重を加えるよう、インターフェースが構成されている。この例示的実施形態では、ドアの配置が、ポッドドアの開口部を斜めに形成することができる。この角度は、ロードポートがキャリアからドアを引き出す方向により定義される。これは、ポートとポートドアのそれぞれをキャリアに封止可能とする、連続平面を形成するものであってもよい。ロードポートの運動軸を、開口部の角度で傾斜させることもできる。代替の実施形態では、この動きを2つのベクトルで実施することができ、図12Bに示すような、純粋な垂直の動きへと変化する角度の付いた短い動きが生成される。ドアの動きのための駆動は、単一ソースからのものとすることができるとともに、例えば1本の作用線を伴う2つの運動ベクトルを形成するようカム運動を実行することができる。実現可能なこととして、この例示的実施形態では、キャリアとロードポートとの間の全ての物理インターフェースを、底部開口部ポッドに類似する同一表面上にすることができるとともに、1本の運動軸でドアを開放することができる。キネマティックカップリングに対応したキャリア−ロードポート間の位置決めの更なる詳細が、2007年9月14日に出願された米国特許出願第11/855,484号に記載されており、この開示の全てを本明細書の一部を構成するものとして援用する。
ここで図13を参照すると、さらに他の1つの例示的実施形態に係るキャリアおよびロードポートのインターフェースの概略立面図が示されている。キャリア7000は、キャリアのパージ用などに、自容型ガス供給装置7001を保持するよう構成することができる。ガス供給装置には、例示でしかないが、窒素など、任意の適切なガスを含めることができる。この例示的実施形態では、キャリアに一体化させて、パージガスを包含できる材料でできたチャンバ7002を形成する中空の体積を備えることができる。物質密度は、金属またはポリマーのものであってもよいが、薄い断面を伴う。これにより、より高密度の材料であるための重量増加を最小限に抑えることができる。チャンバ7002は、ウェハが例えば逆止め弁を介して存在する場合、ポッド7000の内部キャビティ7003に接続することができる。逆止め弁は、ポッド内部の圧力を調整するとともに過剰な加圧を防止する役割を果たすことができる。チャンバは、ロードポートまたはプロセス内の戦略的領域における他のネスト位置で加圧することができる。いったん加圧したら、キャリア7000を、長期間にわたりガス供給装置に接続せずに収納することができる。この期間は、チャンバのサイズとポッド内のシールの質に応じて決めることにできる。
図13Aに示すように、代替の実施形態では、ガス供給装置7001’をキャリア7000’外とすることができる。ガス供給装置7001’は、任意の適切なカップリングによりキャリア7000に着脱可能に結合することができる。この例では、図13に関し上述したように、ガス供給装置を再装填することができ、またはガス供給装置が少なくなると、別のガス供給装置と交換することができる。
他の1つの例示的実施形態によれば、低電力圧力センサ7004をキャリア7000上に一体化することができる。センサ7004は、キャリア内の圧力を測定し、圧力が臨界値を下回る場合にアラームを出すことができる。AMHSシステムに対しては、キャリア7000をその現在位置から回収して再装填のためにパージネスト上に配置するよう、命じることができる。
キャリアガス供給装置の適切な例は、すでに本明細書の一部を構成するものとして援用している、米国特許出願第11/855,484号に見出すことができる。
ウェハの収納または搬送時に例えばガス供給装置7001、7001’を介してガスでキャリアを加圧することにより、キャリアのシールに漏れがあった場合にウェハの汚染を最小限に抑えることができる。例えば、ドアシールに漏れがあった場合、キャリア内の加圧ガスは、キャリア内への汚染物質の進入を可能にすることなく、漏れを介してキャリアから排出されるが、キャリア内が真空環境の場合は、ウェハの存在するキャリア内に外部雰囲気(汚染物質を含む)が引き込まれがちとなる。1つの実施形態では、例えばキャリアがロードポートまたは指定されたキャリア清掃ステーションに位置づけられているときに、キャリアをポンプダウンして、汚染物質をキャリア内部から除去するために所定のガスで再装填することができる。実現可能なこととして、ポンプダウンおよび所定のガスでの再装填中には、キャリア内のウェハの汚染物質も除去することができる。
ここで図14を参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るキャリアおよびロードポートのインターフェースの部分的な概略断面図が示されている。起こりうることとして、キャリア8000の開放前には、キャリア環境とロードポート環境との間に圧力差が存在しうる。キャリアドア8001を開放するにつれ、圧力が均一になり、ウェハキャリア全体に望ましくないエアフローが導入されうる。この空気乱流は微粒子物質を堆積させ、キャリア8000内のウェハを損傷または破壊しうる。キャリアドア8001が閉鎖されると、キャリア内の排出空気容積が外へ押しやられる。この空気容積は、ロードポート環境内へと退出する前にウェハの上を通過し、有害な微粒子を堆積させる可能性がある。
この例示的実施形態では、キャリアシェル形状内に、空気または任意の他のガス状流体の進入または退出時に内部を通過させるために低抵抗経路を定義するエアフローチャネル8010を備えることができる。チャネル8010は、キャリア8000からのガスの流出を可能にするために、キャリアシェル外周の周辺にまたは任意の他の適切な位置に位置づけることができる。チャネル8010は、キャリアドア8001の開閉時に空気/ガスが流れる経路と、ドア8001の開閉中の圧力除去と、酸素または他の望ましくない微粒子を排出するためのポートとを提供し、かつ/またはウェハカセット周辺のエアフローを能動的に(流体を排出または注入するなどして)制御する。この例示的実施形態では、これらのチャネルを、ロードポート(または他のインターフェース)上に配置されたときに、必要に応じて真空ソースおよび/または流体ソースにさらすことができる。代替の実施形態では、ガスがキャリアに/から環境へとチャネルを通じて流れることができるよう、これらのポートを適切な環境へと開放することができる。チャネル8010を通じたキャリアへ/からのガスの逆流を防止するために、逆止め弁8020などの適切なバルブをチャネル8010内に配置することができる。代替の実施形態では、チャネル8010を通じてガスをキャリア8000に導入するために、別個の正圧ポートを使用することができる。
例として、キャリア8000がロードポート表面上に載置されるにつれ、フローチャネル8010周辺の領域は、シール8025などの任意の適切なシールで封止される。キャリアドア8001を開放する前に、キャリア表面上にとどまっている可能性のある破片または取り込まれたガスを除去するために真空流が開始される。流量範囲が大きく、圧力が低いため、ドア8001が開放されるにつれ、ロードポートおよびキャリア環境間の圧力差が容易に均一化される。代替の実施形態では、キャリア内の圧力がキャリアの設置された処理環境の圧力と一致するようチャネルを介してキャリア内にガスを導入することにより、圧力を均一化することができる。キャリアドア8001の閉鎖時には、キャリア内に存在する大量の空気/ガスを排出させなければならない。フローチャネル8010および付随する真空により、流体の移動のための低抵抗経路が提供される。これにより、そうでなければキャリア8000内のガスに生じる可能性のある「ピストン効果」が軽減され、ウェハ全体の空気乱流が取り除かれる。
ここで図7A−7Cを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係るロードポートプレート14、つまり隔壁とキャリアとの断面図および部分的な斜視図がそれぞれ示されている。ロードポートまたはこの例示的実施形態におけるロードポート14を定義するプレートは、先述のロードポートに類似したものとすることができる。図7Aに示すように、ロードポート14は、BOLTS面でSEMI規格E63に準拠していてもよいFEM 4に嵌合させることができる。この例示的実施形態では、ロードポート14は、ドア開口部(キャリアドア104がクランプされたロードポートドア12など)をBOLTSインターフェース面の外にもたらされるよう配置される。図7B−7Cに最も明瞭に示されているように、ロードポート隔壁は、ドアの動きを収容する凹部またはキャビティを定義することができる。キャビティは、キャビティがFEM内部から実質的に隠れるように、例示のようにFEMから遮蔽することができる。また、この例示的実施形態では、隔壁面をBOLTSインターフェース(ポート以外)に沿って実質的に連続させることができ、FEM内のガス流を阻害しうる構造が最小化される。この例示的実施形態では、ドアキャビティを清浄な領域に維持するにあたっての支援となるよう、例えば図1A−1Bに示されるように、ロードポート隔壁でFEM内のガスの再循環用の戻り流路を形成することができる。ガスは、適切なレジスタでキャビティ内へと向けることができる。代替の実施形態では、外部ガス供給装置からガスを導入または除去するための注入または排出ラインをロードポートに直接配管することができる。また、図10も参照すると、この例示的実施形態では、ドアオープナー機構111を、清浄な領域の外に位置づけることができる。この例示的実施形態では、ドアオープナー機構またはドアアクチュエータは、図19−20に示されたアクチュエータ5000に類似したものとすることができるが、代替の実施形態では、ドアアクチュエータは、任意の作動システムまたは複数の作動システムの組み合わせとしてもよい。図7A、7Bから実現可能なこととして、この例示的実施形態では、キャリアシェルにインターフェース接続されているロードポート隔壁のインターフェース表面をBOLTSインターフェースからオフセットして、両者間のドアキャビティに対応させることができる。したがって、ここで図3も参照すると、この例示的実施形態では、キャリアシェルを、SEMI仕様に従いBOLTSインターフェースに対しドックさせたときに、ロードポートインターフェース内のオフセットに対応するとともにキャリアの表面上の基準を維持するよう構成することができる。
1つの実施形態では、キャリアドア104をロードポートドア12に結合するラッチを、図19および20に関して上述したアクチュエータなど、例えば任意の適切なアクチュエータにより作動させることができる。1つの例として、代替の実施形態では、ドアアクチュエータは、本明細書に記載されたブラダーアクチュエータと類似するブラダーアクチュエータを含むものとすることができ、任意の所望の態様でドア(または他の作動部品)を作動させるために、例えば電気モータ、親ネジ、空気圧シリンダー、または任意の他の適切な駆動部と組み合わせることができる。他の1つの例では、キャリアをロードポートと嵌合させるときに、真空ラインやパージラインなどの適切なフローラインで、キャリア内の雰囲気を処理ツールの雰囲気と一致するように調整することができる。1つの例では、キャリア内部を所定の真空にポンプダウンして、キャリア内部と例えばドアの動きを収容するためのキャビティとの間に圧力差を作り出すことができる。この圧力差は、アクチュエータの駆動表面5035を移動させ、これによりキャリアドア104をロードポートドア12に結合するラッチ機構または装置を作動させることができる。他の1つの実施形態では、キャリアドア104をキャリア上に配置しなおしたときに、例えばアクチュエータの一面を加圧することにより、キャリアドアとロードポートドアとの間のラッチを解放することができる。例えば、キャリアは、キャリア内の基板を搬送するための、窒素などの不活性ガスで満たすことができる。キャリアを不活性ガスで満たすことによりキャリア内に形成される圧力は、(アクチュエータ(5000に類似、図19−20を参照)の表面5035に類似するドアアクチュエータの駆動表面上に力を加え(加圧するなど)、アクチュエータを移動させて、それによりキャリアドア104とロードポートドア12との間のラッチを解放させることができる。同一または別のアクチュエータ5000を作動させることにより、上述の態様に実質的に類似する態様で、キャリアドア104をキャリアにラッチさせることもできる。実現可能なこととして、代替の実施形態では、キャリアドアをロードポートドアにラッチさせるために、アクチュエータ5000の一面を加圧してもよい一方で、他の代替の実施形態では、キャリアドアとロードポートドアとの間のラッチを解放するために圧力差を使用してもよい。さらに他の代替の実施形態では、アクチュエータを移動させるのに適した態様で、圧力差を適用する、またはアクチュエータの一面を加圧することができる。実現可能なこととして、アクチュエータ5000を作動させるための真空ソースまたは圧力ソースは、例えば上述したキャリアのパージもしくはポンプのためのフローラインまたはドアの動きを収容するためにキャビティ内に位置づけられたレジスタなど、任意の適切なソースからのものとすることができる。他の実施形態では、アクチュエータの直線運動を任意の適切な態様で回転運動に変換することができる。さらに他の代替の実施形態では、アクチュエータに、互いに任意の空間的関係を有する2自由度を備えるために共通のアクチュエータチャンバに接続された2つのブラダーを含めることができる。例えば、第2のブラダーを、基板通路開口部がドアで遮られないように、ドアがドアインターフェース表面と実質的に平行に移動するよう構成しながら、ブラダーの1つを、ドアが基板通路開口部のドアインターフェース表面に対し実質的に垂直に移動するよう構成することができる。
キャリア基板のマッピングは、任意の所望の態様でもたらすことができる。非限定的な例として、基板のマッピングは、スルービームセンサ(フリップインセンサ)、キャリア側面上の透明窓を介したスルービームセンサ、または任意の他の適切な光学センサで光学的に行うことができる。別の非限定的な例として、センサのマッピングは、支持体内に移植されたエアセンサで機械的に、任意の適切なセンサで動きが感知されるプランジャをウェハにより作動させて光機械的に、近接センサにより、ならびに支持体およびウェハの重量下にある支持基板支持体のひずみを測定するひずみゲージにより機械的に、行うことができる。代替の実施形態では、基板を任意の適切な態様でマッピングすることができる。
ここで図15および15Aを参照すると、他の1つの例示的実施形態に係る基板処理装置またはツール1002、およびこれに接続されたキャリア1100の概略立面図が示されている。図15に示す例示的実施形態では、処理装置1002は、図1に図示した先述の基板処理ツール2と概して類似しており、同様の機構には同様の符号が付されている。プロセスツール1002は、一般的にプロセス部1006およびFEM 1004(例示に過ぎないが、ウェハをツール内に正面からロードすることを考慮可能な参照の慣例に続き)を有することができる。この例示的実施形態では、プロセス部1006およびFEM 1004は、制御された共通の環境または雰囲気(不活性ガス(N2)、(Ar)、または非常に清浄な乾燥した空気など)を共有することができる。プロセス部1006は、概略図で示されており、FEM 1004に接続された1つ以上のプロセス部またはモジュール(図15に示す配置は単なる例示に過ぎず、代替の実施形態では、FEMおよびプロセス部モジュールを任意の所望の配置で互いに接続することができる)を含むことができる。プロセス部またはモジュール1006は、閉鎖可能な開口部(ゲートバルブなど)などでFEM 1004から隔離可能なものとすることができる。したがって、プロセス部は、FEM雰囲気とは異なるプロセス雰囲気も備えることができる。代替の実施形態では、プロセス部に、後述のように、類似しない雰囲気を伴うまたは真空を保持するプロセスモジュールのFEMへの接続を可能にするロードロックを含めることができる。
図15に示す例示的実施形態におけるFEM 1004は、別段の記載を除きFEM 4(図1−14を参照)に類似したものとすることができる。FEM 1004には、基板をプロセス部1006に/から搬送するときに、FEM内で所望の制御された環境または雰囲気を維持するために、適切な環境制御を含めることができる。例えば、FEM 1004には、コントローラ31000、1つ以上の流体制御弁31010、31020、圧力除去または逆止め弁31030、および例えば圧力センサ31040、汚染センサ31041、温度センサ31042などのセンサ類を含めることができる。コントローラは、FEM(およびプロセス部1006)内の制御された環境の温度、圧力、およびガス流量などの属性を調整または制御するよう構成することができる。例えば、コントローラ31000は、圧力センサ31040、温度センサ31042、および環境汚染センサ31041から信号を受け取ることができる。コントローラは、このような信号内の環境情報に応じて、適切なバルブ31010、31030を作動させることにより、FEM内の圧力を増減、またはFEM内のエアフロー31050を増減することができる。また、コントローラ31000は、温度センサ31042により提供される温度測定値に基づき、FEM内のガス温度を上下させる(ラジエータ31060を通る冷却材流の調整を介するなど)よう構成することもできる。コントローラ31000および付随するバルブとセンサは、図15および15Aに関して記載されているが、実現可能なこととして、コントローラ31000を、本明細書に開示される他の実施形態の環境を制御するために使用することができる。
FEM 1004には、基板を保持および搬送できる基板搬送装置またはロボット1004R(このロボットは、実現可能なこととして、任意の所望のタイプとすることができる)を含めることができる。前述のFEM 4と同様、この例示的実施形態では、FEM 1004には、1つ以上のキャリア1100をツール1002にインターフェース接続して、ツール1002に対する基板のロードとアンロードを可能にするためのキャリアインターフェース1010を含めることができる。本明細書でロードポートと称されることもあるFEMの1004のインターフェース、およびキャリア1100の対応する補完的なインターフェース部分は、FEM 1005およびプロセス部1006内の制御された環境を低下させることなく、キャリアおよびFEM間で基板をロードおよびアンロードできるよう構成することができる。総称してキャリア−FEM間インターフェースと称することもある、FEMロードポート1010およびキャリア1100の補完的なインターフェース部分は、FEMにインターフェース接続されたキャリア1100がツールに一体化されるよう配置することができる。例として、インターフェースを介してそのように一体化されたキャリアは、FEM搬送ロボット1004Rが基板をキャリア1100からプロセス部またはプロセスモジュールに直接搬送できるよう、FEMと同一の制御された雰囲気を共有するが故にFEMと同一の制御された雰囲気内で基板を保持することのできるチャンバを定義することができる。前述の例示的実施形態と同様、図15に示す例示的実施形態におけるキャリア−FEM間インターフェースは、キャリアチャンバ内からインターフェースを介してFEM内へと続く、プロセス部全体のクリーントンネル(FEMおよびプロセス部全体と実質的に同一の清浄度を伴う)として先に言及されたものを定義している。クリーントンネルは、クリーントンネルを低下させることなく自在に閉鎖(キャリアをロードポートから除去するときなど)および開放できる。図15に示す例示的実施形態では、後述のように、キャリア−FEM間インターフェースを、インターフェース接続前のキャリア環境とは無関係に、キャリアをツール(実質的に上述のもの)に直接一体化できるように配置することもできる。故に、図15に図示する例示的実施形態では、後述のように、キャリア1100を、類似しないさまざまな環境(清浄な空気から不活性ガス環境、または清浄な空気から真空)を有するプロセスツールにインターフェース接続および直接一体化したうえで、類似しないさまざまな環境を伴うツール間で直接搬送し、当該ツールと再度インターフェース接続および一体化させることができる。したがって、制御された環境を伴う1つのツールにおける基板を、プロセス部(プロセス部1006に類似)からクリーントンネルを介してキャリア内へFEMロボットで直接搬送することができ、キャリア1100を、場合によっては類似しない/異なる制御された環境を伴いうる他のツールのFEM(FEM 1004に類似)に直接搬送およびインターフェース接続し、基板を、この時点で他のツール内に定義されるクリーントンネルを介して、当該他のプロセスツール内の制御された環境を低下させることなく、プロセス部にFEMロボットで直接搬送することができる。事実上、キャリアと組み合わせたキャリア−FEM間インターフェースを、外部ロードロックまたはキャリアロードロックを定義するものとみなすことができる。
さらに図15を参照すると、および前述のように、FEM 1004のロードポート1010は、先述のロードポート10と類似するものとすることができる。図15に図示する例示的実施形態では、例として1つのキャリア1100にインターフェース接続されているロードポート1010が示されているが、代替の実施形態では、ロードポートは、任意の所望の数のキャリアにインターフェース接続されるように配置することができる。例えば、代替の実施形態では、ロードポートは、図1に示す配置と類似する積層に配列された多数のキャリアにインターフェース接続できる一般積層構造を有することができる。この例示的実施形態では、ロードポート1010は、キャリアがロードポート上にあるときに、例えばキャリア内部およびキャリア内の基板から分子汚染物質を除去するために、キャリアをポンプダウンするよう、ロードポート上に保持されているキャリア1100に連通可能に接続できる真空ソース1010Vを有することができる。逆に、キャリアを、ロードポートで真空ソース1010Vと連通可能にインターフェース接続し、キャリアが真空までポンプダウンされたときにキャリアケースメント内の気圧に耐えるよう配置してもよい。上述のように、キャリアをポンプダウンするための真空ソース1010Vは、図7に関し上述した態様に実質的に類似する態様で(図19および20も参照)、圧力差を介してキャリアドアをロードポートドアに結合するためのアクチュエータ5000の作動をもたらすこともできる。例えば、ロードポートドアは、真空インターフェースを介してキャリアドアにインターフェース接続させることができる。キャリアの内部容積を、両者の間にアクチュエータの動きをもたらすための圧力差を作り出すために、ロードポート/キャリアドア真空インターフェースよりも高い真空までポンプしてもよい。他の例示的実施形態では、ロードポートドアとキャリアドアとの間の真空インターフェースで、キャリアドアとロードポートドアとを互いにラッチさせるためのアクチュエータ5000の動きをもたらすことができる。代替の実施形態では、すでに上述したように、例えばキャリアを不活性ガスでパージしたときなどに、アクチュエータの表面を任意の適切な態様で加圧することができる。代替の実施形態では、ロードポートドアに、圧力差を作り出すためまたはアクチュエータの1つの面を加圧するために、アクチュエータと直接インターフェース接続される真空/パージフローライン(アクチュエータがフローライン周辺を封止するなど)を含めることができる。
図15に示す例示的実施形態では、キャリアが(キャリアの側壁内に位置づけられたキャリアドアを有する)側面開口部キャリアとして図示されているが、代替の実施形態では、キャリアドアを、キャリアの上または下の壁など、任意のキャリア壁内に位置づけることができる。キャリア1100は、任意の所望のサイズとすることができるとともに、小ロットキャリア(5枚以下の基板に対応したものなど)とすること、または13枚、25枚、もしくは他の所望の基板数に対応する任意の所望の搬送能力を有するものとすることができる。キャリアは、ハウジングがガス分子に実質的に不浸透であるように、例えばアルミニウムやステンレススチール、または任意の他の材料(非金属材料または内張り付き非金属材料用の金属を含む)の金属ハウジングを有することができる。前述のように、キャリアハウジングの外部が大気圧を受けている状態で、キャリアハウジング内に真空が保持されるよう(例えば、キャリア内の分子汚染物質の効果的な除去のための十分に高い真空、および真空プロセスに匹敵する1×10−3トールなどの真空)適切に構成することもできる。キャリアハウジング構造は、任意の適切な肉厚(例示でしかないが、ステンレススチールの場合の約1/8インチなど)を有するよう構成することができ、かつキャリアハウジングのたわみを最小限に抑えるために、図26に示すキャリアの側面、上面、および/または底面の1つ以上に沿って適切に寸法が決定され配置されたスティフナ10950を有することができる。スティフナ10950は、キャリア壁のたわみを最小化するためのリブまたは任意の他の適切な補強部材として構成することができる。他の例示的実施形態では、図27に示すように壁を強化し、キャリアのたわみを最小化するために例えば周方向応力を使用できるよう、キャリア壁をドーム壁10960とすることができる。代替の実施形態では、キャリア壁は、壁のたわみを最小化するための任意の適切な構成にすることができる。キャリア1100は、前述のキャリア100に類似するカップリング機構(例えば架空搬送からのデリバリ時にロードポートとドックするための、およびロードポートを介してクリーントンネルをもたらすために、対応するロードポート開口部にキャリア側面開口部を係合させるための、キネマティックカップリングなど)を有することができる。キャリアハウジングは、キャリア内部が真空にさらされたときに、キャリアハウジングのたわみがカップリングの動作を低下させないよう、適切に構成することができる。キャリア1100は、キャリアとロードポートの接続または結合時に、ロードポートの真空ソース1010Vが自動的にキャリアハウジングに結合され、キャリア内部と連通するよう、適切な通路およびオリフィスまたはポートを有することができる。図15に示す真空ポートの位置は単なる例示に過ぎず、代替の実施形態では、真空ポートを必要に応じて配置することができる。例えば、代替の実施形態では、キャリア上の(逆にいえばロードポート上の)真空通路とポートは、図14に示すものと類似したものにしてもよい(キャリア側面とロードポートリムとの間の封止インターフェース領域内にあるキャリアの合わせ面に形成されたフローチャネルなど)。実現可能なこととして、キャリアシール(図3を参照)は、シールの全域で真空に耐えられる所望の保全性を有する。
図15に示すように、図示した例示的実施形態では、キャリア1100を、通気またはパージガスなどのガス供給装置に連通可能に接続する構成とすることができる。図15に示す例示的実施形態では、キャリア1100は、ロードポート1010のキャリア支持体上に着座しているとき、ガスソース1010Gに連通可能に接続できる。実現可能なこととして、キャリアは、キャリアがロードポート支持体の表面上に配置されたときなど、ガス供給装置1010Gのノズルに(例えば自動的に)結合させるのに適切な吸気ポート(プラグ(およびキャリア内部を接続する適切なガスチャネル)を有することができる。図15に示すロードポートとキャリアとの間のガスソースインターフェースの配置は、単なる例示に過ぎず、代替の実施形態では、キャリアとロードポートとの間のガスソースインターフェースは、任意の他の所望の位置および構成にすることができる。前述のように、ガスソース1010Gは、ロードポート1010に着座または位置づけられているキャリアに例えばパージおよび/または通気ガスを提供する能力を有することができる。例として、キャリア1100をロードポート1010に(架空搬送機からなど)適切に配置し、キャリアハウジング内にガスを供給するためにガス供給装置ノズルをキャリアに接続した状態では、必要に応じてパージガス(N2など)をキャリア内に供給することができる(ロードポートに配置されたときのキャリアの内部雰囲気に応じて、およびFEM内の環境が維持されている状態で)。故に、キャリアが例えばなんらかのプロセス雰囲気(先のツールのインターフェースからなど)を包含しており、FEM 1004をキャリア雰囲気と類似していなくてもよい不活性ガスまたは非常に清浄な空気雰囲気で維持している場合は、キャリアのロードポートでの配置時に、ガス供給装置1010Gを介するなどしてキャリア内に所望のパージガスを供給して、キャリアがロードポート開口部にインターフェース接続され、先述のツール1002に一体化されるように、キャリア雰囲気をパージすることができる。さらに、キャリア雰囲気がFEM環境に適合しないまたは望ましくない汚染物質を与えている可能性があるとみなされる場合は、キャリアをロードポートに配置したときに(ただし、例えばキャリア内部をFEM環境に開放する前)、可能性のある汚染物質をキャリアから除去するために、真空ソース1010Vを介してキャリア内部を十分な真空までポンプしてFEM内の環境に類似する不活性ガス(N2、非常に清浄な空気など)で満たし、先述のようにツールに対するキャリアの一体化を可能にすることができる。上述のように、パージガス供給装置1010Gは、真空ソース1010Vに加えまたはこれに代わり、上述の態様に実質的に類似する態様でアクチュエータ5000を動作させることができる。キャリア雰囲気に関する情報は、キャリアのロード時に使用するロードポート1010でまたはこれに隣接して適切なリーダーで読み取る(またはアクセスする)ことのできる、RFID(無線IC)タグまたは他の適切なデータ記憶装置上に記憶させることができる。したがって、キャリア内部に関する適切な情報は、ツールコントローラ(図16も参照)により取得し、所望のプロトコルで確認することができ、かつ必要に応じてキャリアを、ロードポートへの配置時に先述のようにポンプおよび通気することができる。例えばキャリア雰囲気に関する情報は、キャリアがロードポートにドックされたときまたは他の適した時期に、キャリア搭載の記憶装置上に記録することができる。また、そのような情報は、必要に応じてFABワイドコントローラによりトラッキングすることもできる。実現可能なこととして、キャリア1100は、真空およびガス供給装置接続を有しないものとすることのできるFEMにインターフェース接続させることもできる。代替の実施形態では、キャリアに、ロードポートへの配置時にキャリアのパージを実施させるよう、パージガスの内部または内蔵ソースを含めることができる。実現可能なこととして、代替の実施形態では、キャリアにインターフェース接続されているロードポートインターフェースは、真空接続を備えることができ、例えばキャリア内蔵のガスソースからガスを提供することでガス供給装置を伴わないものとすることができる。故に、実現可能なこととして、キャリアは、この時点で、基板がクリーニングを受けるようツールに基板を収納して、ツールの基板クリーニングチャンバの機能を果たすことができる。実現可能なこととして、キャリアポンプ/通気も、従来のツールへの再配置時など、ロードポートからキャリアを取り外す前に実施することができる。
前述のように、図15に示すツールインターフェースへのロードポートとキャリアの配置は、単なる例示に過ぎず、代替の実施形態では、インターフェースは任意の他の所望の構成にすることができる。例えば、ガス供給装置は、キャリア内部のポンプ後に、必要に応じてFEM環境のガスをキャリア内に通気するよう配置することができる。ここで図16も参照すると、他の1つの例示的実施形態に係る他の1つの処理ツール7002の平面図が示されており、図16に示す例示的実施形態におけるツール2002は、概して図15に示した前述の処理ツール1002に類似しており(同様の特徴には同様の符号が付されている)、ツール2002は、所望の制御された雰囲気(不活性ガスまたは非常に清浄な空気)を伴う処理モジュール2006、2006A、およびFEM2004を有することができる。FEM搬送ロボット2004Rが(図16に示すような、および図15に示す実施形態に類似する)プロセスモジュール内の基板を取り上げ/載置できるよう、1つ以上のプロセスモジュール2006をFEMに接続することができる。プロセスモジュール2006、2006A(図15、16、16Aには1つのプロセスモジュールが示されているが、代替の実施形態では、積層されたプロセスモジュールをFEMまたは1つ以上の移送モジュールのそれぞれに結合することができる)は、FEM 2004と共通の雰囲気を共有することができる。FEM 2004は、先述の態様と類似する一体化された態様でキャリア2100をツールにロードおよびインターフェース接続するための、ロード用インターフェースまたはロードポートを有することができる。この例示的実施形態におけるFEM搬送ロボット2004Rは、直接キャリア2100および1つ以上のプロセスモジュール2006との間で、先述のクリーントンネルと類似するクリーントンネルを介して、基板を取り上げる/載置することができる。図16に示す例示的実施形態では、FEMインターフェース2010を介してキャリア内部へと定義され、プロセスモジュール2006、2006A内へと伸展するクリーントンネル2005を、異なる長さまたは構成にすることができる(例えば、いずれも本明細書の一部を構成するものとして援用される、2006年5月26日に出願された米国出願第11/442,511号、2003年7月22日に出願された米国出願第10/624,987号、2004年10月9日に出願された米国出願第10/962,787号、2006年5月26日に出願された米国出願第11/442,509号、および2006年5月26日に出願された米国出願第11/441,711号に類似する態様で)。この例示的実施形態では、FEMロボットが基板を移送モジュール内へと取り上げ/載置できるよう、移送モジュール2008をFEMに接続することができる。移送モジュールの位置は、単なる例示に過ぎない。実現可能なこととして、クリーントンネルは、FEMから移送モジュールを通って引き続き伸展させることができる。必要に応じてクリーントンネルの長さと構成を変更するために、これよりも多いまたは少ない移送モジュール2008、2008Aを互いに接続することができる(図16に点線で示したものなど、例えば直列に)。プロセスモジュール(モジュール2006、2006Aに類似)は、例えばキャリア2010および任意の所望のプロセスモジュールに/から、または任意の所望のプロセスモジュール間でクリーントンネルを介して基板を移送できるようにするために、クリーントンネルに結合させることができる。例示の例示的実施形態では、移送モジュール2008は、例えばプロセスモジュール2006Aに/から、または隣接する移送モジュール/チャンバ2006Aに基板を搬送するために、モジュール内部に移送ロボットを有することができる。代替の実施形態では、内部ロボットを有しない移送モジュールにすることができ、基板は、図16A、16Bに関して後述するように、クリーントンネル2005に隣接するモジュール内部のロボットにより、そこから載置/取り上げられる。さらに他の例示的実施形態では、移送モジュールは、任意の適切な長さにすることができるとともに、任意の適切な基板移送装置を含むものとすることができる。例えば、図16Aに示すように、クリーントンネル2005’は、図16に関し上述したクリーントンネルと実質的に類似したものとすることができるとともに、チャンバを横断するよう構成された移送台車を有する細長いチャンバを形成するモジュールを含むことができる。移送台車は、開示内容全てが本明細書の一部を構成するものとして援用される、2004年10月9日に出願された米国特許出願第10/962,787号に記載された移送台車に類似する受動台車とすることができる。例えば、移送台車は、チャンバと一体化させることのできる移動台車とすることができる。この台車は、前方18Fと後方18Bとの間でチャンバ内を前後に移動するよう構成することができる。台車は、クリーントンネル内の複数の独立搬送経路を定義することができる(各ロードポートドアに1つ、またはクリーントンネルに結合されたモジュール積層の各処理モジュールに1つなど)。台車は、(基板を汚染する可能性のある)微粒子がクリーントンネル2005’内に導入されないよう、チャンバを横断するよう構成することができる。例示でしかないが、1つの実施形態では、台車は、磁気的に空中浮遊された台車とすることも、またはクリーントンネルに汚染物質を解放することなく台車を移動させるための任意の他の適切な駆動を有するものとすることもできる。搬送装置2004R’の台車は、1つ以上の基板を保持するためのエンドエフェクタを有する。図16Aにも示すように、移送チャンバ2004Tは、クリーントンネル2005’に結合される。1つ以上の移送チャンバ2004Tには、基板を台車2004Cから移送チャンバ2004Tに結合された処理チャンバ2006、2006A内へと搬送するための搬送アーム2004R(真空環境などにおける動作用に構成)を含めることができる。この例示的実施形態では、移送チャンバ内の搬送アーム2004Rは、搬送チャンバと連通しているプロセスモジュールを垂直にオフセットするために垂直に積層またはオフセットされた搬送経路など、複数の搬送経路を定義することができる。台車2004Cから基板を取り上げるまたは解放するには、台車2004Cを所望のモジュール/ポートに整列させることができ、アーム2004Rは、台車2004Cに/から基板を取り上げ/解放するためのエンドエフェクタを配置するために、対応するポートを介して伸展/退避される。この例では、クリーントンネルは、例えば台車2004Cがキャリア2100から処理モジュールに基板を搬送するために通過できるグリッドを形成するよう、任意の適切な方向にクリーントンネルを伸展させることのできるクリーントンネル伸展長2005Eを含むことができる。実現可能なこととして、クリーントンネル2005’、2005Eを横断する間にたどることのできる台車2004C用の搬送経路は複数であってもよい。1つの例では、搬送経路を、台車が互いにその上部/下部を通過できるよう、または垂直に積み重ねて積層された処理モジュール/移送チャンバと台車が整列するよう台車の高さを垂直に調整するために、互いに垂直に間隔を置いて配置することができる。代替の実施形態では、台車搬送経路は、互いに水平に間隔をおいて配置することができる。図16Aに示すFEM 2004’は、図16におけるFEM 2004に実質的に類似したものとすることができるが、FEM 2004’には、キャリアをFEMに結合するための1つ以上のロードポートを含めることができる。この例では、ロードポートが互いに水平に間隔をおいて配置されている状態が示されているが、代替の実施形態では、ロードポートを、互いに上下に垂直に間隔をおいて配置することができる。
ここで図16Bを参照すると、他の1つの例示的な処理ツールが示されている。この例では、処理ツールに、クリーントンネル2005’、2005Eに実質的に類似したものとすることのできるクリーントンネル2005’’が含まれる。同様に、搬送モジュールと処理モジュールは、クリーントンネル2005’’に結合させることができる。この例では、搬送装置2004C’は、受動または能動台車(基板搬送アーム/ロボットを含むなど)、クリーントンネル内に実質的に直線に位置づけられロボットからロボットへ基板を渡すよう構成された一連の搬送ロボット、またはクリーントンネル2005’’を介して基板を搬送するための他の適切な装置などの任意の適切な搬送装置とすることができる。他の代替の実施形態では、基板を保持するよう構成された搬送アームを含む一連の移送モジュールによりクリーントンネルを形成することができる。搬送モジュールは、クリーントンネルを形成するために互いに結合させることができる。プロセスモジュール、移送モジュール、クリーントンネル、およびキャリア間の通路を可能にするポートは、ツール2002’のさまざまな部分の1つ以上に互いに異なる雰囲気を含めることができるよう、ツール2002’の各部分を隔離するよう構成できることを理解されたい。
もう一度図16を参照すると、この例示的実施形態では、ツール2002内のクリーントンネルの移送モジュール2008、2008Aは、FEMの共通の制御された(不活性ガス、非常に清浄な空気など)を共有できる。代替の例示的実施形態では、1つ以上の移送モジュール2008、2008Aを、クリーントンネルの各部分が異なる雰囲気を保持できるよう(例えば、FEM内に定義されたクリーントンネル部分はN2環境を有することができ、モジュール2008A内の部分は真空環境を有することができ、移送モジュール20008はFEM内の不活性ガス雰囲気とモジュール2008A内の真空雰囲気との間で基板をサイクルできるロードロックとすることができる)、ロードロックとして構成することができる。
実現可能なこととして、キャリアは、(図15−16に示すものと類似する)FEMとインターフェース接続可能であることに加え、プロセスツールの真空部分に直接インターフェース接続できる。ここで図17を参照すると、基板プロセスツール3002およびこれに接続されたキャリア3100が示されている。キャリア3100は、先述のキャリア1100に類似したものとすることができる。処理ツール3002は、概してフロントロード部3004(ツールが正面および(プロセスモジュール)3006のプロセス部2006からロードされる先述の慣例を維持)が接続された、前述のプロセスツールに類似するものである。図17に示す例示的実施形態では、フロントロード部3104は、真空(または任意の他の所望の雰囲気)を維持するよう構成することができる。ロード部3104は、別段の記載を除き、概して前述のロードポートインターフェース10、1010に類似した、キャリア3100を受け取るとともにキャリアをロード部内の真空雰囲気に直接インターフェース接続できる、チャンバインターフェースまたはロードポート3010を有することができる。実現可能なこととして、先述のものと類似するキャリア開口部−ロードポートリム間インターフェースは、キャリアがこれに直接一体化され、(例えば)ロード部3004内の真空雰囲気に開放されたときに、真空雰囲気ならびにキャリア内部からキャリア−ロードポートインターフェース、ロード部3004、およびクリーントンネルと連通しているプロセスモジュール3006を通って伸展するクリーントンネル内に感知可能な低下がないよう、十分な保全性を備える。故に、キャリアがクリーントンネルと一体化されたときには、真空のロード部内部の基板ロボット3004Rは、キャリアおよびプロセスモジュール3006内部で基板を取り上げ/載置し、両者間をクリーントンネル経由で直接搬送することができる。図17に図示する配置は、単なる例示に過ぎない。 この例示的実施形態では、ロード部には、例えば真空ゲートバルブの前方に位置づけることができ、キャリア3001用のポートインターフェース(前述のインターフェース101に類似、図3も参照)とインターフェース接続または接続できる前方部3012も含めることができる。前方部3012は、ロード部をキャリア内部と連通させるとともにクリーントンネルを伸展させる、(図3に示すドア8014に類似するドアなどで閉鎖可能な)閉鎖可能な開口部を有することができる。実現可能なこととして、前方部3012は、キャリアをインターフェース接続し、キャリアを開放したときに真空雰囲気を有することもできる。前方部は、例えば、ロード開口部を介して前方部内へと、キャリアドアがキャリアから取り外し可能に(先述のものと類似)なるように、構成することができる。この例示的実施形態では、キャリア3100が(先述のように)ロードロックとなることができるため、前方部は、ロードロックとなりえない(代替の実施形態では可能であるが)。故に、基板をキャリア内に保持することができ、雰囲気(例えば、ツール間の搬送中にキャリアが保持できる不活性ガス雰囲気)をロード部の移送チャンバ内のプロセス真空で相応の真空を確立するために(先述の真空ソースに類似する真空ソース3010Vなどで)ポンプすることができる。キャリア内に所望の真空を確立した状態で、ロード部の真空ロボットがキャリア内部の基板を取り上げ/載置できるように、真空ゲートバルブを開放できる。キャリアドアは、キャリアを真空までポンプした後で開放できる(この例示的実施形態では、前方部は、キャリアドアおよびキャリア内部からインターフェース開口部を介して伸展するよう確立されたクリーントンネルの開放を容易にするための真空環境、前方部、移送チャンバ、およびこれと連通している処理モジュールも有することができる。この例示的実施形態では、前方部は、キャリアドアの開放前に所望の真空までポンプできる不活性雰囲気をキャリアインターフェース間に(汚染物質進入の可能性を最小限に抑えるために)もつことができる(実現可能なこととして、適切な真空ソースとガス供給装置を前方部に備えることができる)。代替の実施形態では、キャリアから雰囲気をポンプする前にキャリアドアを開放することができ(前方部が不活性ガス雰囲気を有する状態でキャリアドアを開放するなど)、キャリアおよび前方部、両方の雰囲気を前方部内の真空ソースまたは(先述のように)キャリア上の真空オリフィスに結合された真空ソース経由で同時にポンプできる。この実施形態では、他のツールへの移送を予期してキャリアドアを閉鎖した後で、キャリア3100を、供給装置3010G経由で、適切な不活性ガス(Nzなど)で満たすことができる。
前述のように、プロセスツール3002およびキャリア−ツール間インターフェースの配置は、任意の所望の構成にすることができる。ここで図18も参照すると、他の1つの例示的実施形態に係る他の1つのプロセスツール4002の平面図が示されている。図18に示す例示的実施形態におけるツール4002は、概して図17に示した前述の(同様の特徴には同様の符号が付されている)処理ツール3002に類似している。ツール4002は、処理モジュール4006、4006A、および例えば真空雰囲気(または代替の実施形態では、不活性ガスもしくは非常に清浄で乾燥した空気)を伴うFEM 4004を有することができる。(例えば垂直に積層されたまたはオフセットの配置の)1つ以上のプロセスモジュール4006は、真空搬送ロボット4004Rが、図18に示した、図16に示す実施形態に類似するプロセスモジュール内の基板を取り上げ/載置できるよう、真空FEMに接続することができる。プロセスモジュール4006、4006aは、ロード部4004と共通のプロセス真空を共有できる。FE 4004は、先述の態様と類似する一体化された態様でキャリア4100をツールにロードおよびインターフェース接続するためのロードインターフェースまたはロードポートを有することができる。この例示的実施形態における真空搬送ロボット4004Rは、先述のものと類似するクリーントンネルを介して、直接キャリア4100と1つ以上のプロセスモジュール4006、4006Aとの間で基板を取り上げ/載置できる。図18に示す例示的実施形態では、FEMインターフェース4010、4012を介してキャリア内部へと定義され、プロセスモジュール4006、4006A内へと伸展するクリーントンネル4005は、さまざまな長さと構成にすることができる。
ここで図18Aを参照すると、他の1つの例示的実施形態によれば、処理ツールは、キャリア4100が図18に関して上述したクリーントンネル2005’の雰囲気に直接結合されるように構成することができる。この例では、搬送ロボット4004Rは、例えば図16A、16Bに関し上述した搬送台車に実質的に類似していてもよい基板搬送システムのような、搬送台車に基板をキャリアから搬送するためのキャリアに隣接して位置づけることができる。台車は、上述のように、搬送ロボット4004Rが、クリーントンネルと連通している移送モジュール内で、基板を処理モジュール4006とクリーントンネルとの間で搬送できるよう、クリーントンネル2005’内の所望の位置に移動させることができる。この例示的実施形態では、クリーントンネル搬送システムが、キャリアとプロセスモジュール4006との間のクリーントンネル内に複数の基板搬送経路(特にオフセットなど)を定義できる。この例示的実施形態では、各処理モジュールステーションにあるプロセスモジュール4006を、垂直に積層させた態様で配置することができる。故に、ロードポートにおけるキャリアからの基板を、ツールの対応する対応する処理モジュールに搬送して、他のキャリアからの基板の他のプロセス経路とは実質的に関係なくそれぞれのキャリアに戻すことができる。代替の実施形態では、台車に、処理モジュール4006またはクリーントンネル2005’に隣接する搬送ロボット4004Rから基板を直接取り上げるまたは解放するためにエンドエフェクタを伸縮させるための多関節アームまたは可動式移送機構を含めることができる。図18Bは、キャリア4100がクリーントンネルに直接結合された他の1つの処理ツールを図示したものである。この例では、処理ツールは、図18Aに関して上述したクリーントンネルに実質的に類似するものとできるが、搬送システム2004C’は、図16Bに関して前述した搬送システムに実質的に類似するものとできる。クリーントンネル(またはクリーントンネルの一部)は、上述のように、処理ツール全体を通じてまたは上下に垂直に互いに積層されたもしくは互いに横に並べて位置づけることのできる異なる処理モジュールもしくはキャリアへの基板の搬送を可能にするため、互いに垂直または水平に間隔をおいて配置された搬送経路を有することができることにも留意されたい。
開示されたシステムは:
結晶成長/腐食の阻止
待ち時間規則の緩和と保管管理の簡便化
空気中からのEtハロゲン、Et有機化合物、および湿気の除去
FAB二次汚染リスクの抑制
低CoO
キャリア環境内および基板上のHF、HCL、VOCなど空中を浮遊する分子汚染物質(AMC)の排除
キャリアおよびキャリア内の基板の汚染環境からの何日にもわたる保護
基板およびキャリアの両方の活性ガスの不活性化保護
POD環境の再生と保護
スペクトル特徴分析での総合的なガス測定
を備えることができる。
本明細書に記載された例示的実施形態は、個別にまたは任意の適切な組み合わせにおいて使用できることを理解されたい。また、前述の記載は、本発明の説明に過ぎないことも理解されたい。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、さまざまな代替および修正を考案し得る。したがって、本発明は、そのような全ての代替方法、修正、および変形を包含することを意図している。