JP2014145908A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化に十分な照射量の活性エネルギー線を照射しながら、フィルム状の透明フィルム基材にシワが発生することを防ぐことができる光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】
透明フィルム基材の表面に配向層を形成する配向層形成工程(ステップS201〜S203)と、紫外線を照射することによって硬化する液晶材料を配向層上に塗布する塗布工程(ステップS204)と、透明フィルム基材の裏面が他の部材と接触していない状態で、液晶材料に対して紫外線を照射する照射工程(ステップS206)と、透明フィルム基材の裏面がドラムに接している状態で、液晶材料に活性エネルギー線を照射する照射工程(ステップS207)と、によって光学フィルムを製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学フィルムの製造方法に関する。
近年、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが提供されている。ここでフラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、何らかの方式で右目用の画像と、左目用の画像とを、それぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供することが必要である。右目用の画像と左目用の画像とを選択的に提供する方法としては、例えば、パッシブ方式が知られている。このパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。
図5は、液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。この図5の例では、液晶表示パネルの垂直方向に連続する画素を、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分け、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動し、これにより右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。なおこれにより液晶表示パネルの画面は、例えば短辺が垂直方向で長辺が水平方向となる帯状の領域により、右目用の画像を表示する領域と左目用の画像を表示する領域とに交互に区分される。
さらにパッシブ方式では、液晶表示パネルのパネル面にパターン位相差フィルムを配置し、右目用及び左目用の画素からの直線偏光による出射光を、右目用及び左目用で回転方向の異なる円偏光に変換する。このためパターン位相差フィルムは、液晶表示パネルにおける領域の設定に対応して、遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)が直交する2種類の帯状領域が順次交互に形成される。これによりパッシブ方式では、対応する偏光フィルタを備えてなる眼鏡を装着して、右目用の画像と左目用の画像とをそれぞれ選択的に視聴者の右目及び左目に提供する。なおここでこの隣接する帯状領域の遅相軸方向は、通常、水平方向に対して、+45度と−45度、又は0度と+90度の組み合わせが採用される。なおこの図5の例では、通常の画像表示装置における呼称に習って画面の長辺方向を水平方向として示す。
このパッシブ方式は、応答速度の遅い液晶表示装置でも適用することができ、さらにパターン位相差フィルムと円偏光メガネとを用いた簡易な構成で3次元表示することができる。
このパッシブ方式に係るパターン位相差フィルムは、画素の割り当てに対応して透過光に位相差を与えるパターン状の位相差層が必要である。このパターン位相差フィルムに関して、特許文献1には、配向規制力を制御した光配向層をガラス基板上に形成し、この光配向層により液晶の配列をパターンニングして位相差層を作成する方法が開示されている。また特許文献2には、全面を露光処理した後、マスクを使用して露光処理することにより光配向層を作製し、この光配向層の配向規制力により液晶層を配向させて硬化させることにより、パターン位相差フィルムを作製する方法が開示されている。
ところで、位相差フィルムの製造方法については、トリアセテートセルロース(TAC)等の透明フィルム基材上に配向層を設けた後、この配向層上に樹脂組成物を塗工し、活性エネルギー線の1種である紫外線を照射して液晶層を形成するものがある。このような製造方法は、例えば、特許文献3に記載されている。また、特許文献3には、活性エネルギー線として、紫外線が挙げられている。
特開2005−49865号公報 特開2012−42530号公報 特開2006−251780号公報
しかしながら、上記した特許文献3では、配向層上に滴下、塗布された組成物に紫外線を照射する工程において、組成物を硬化させるために十分な紫外線を照射する要請がある一方、紫外線照射による温度上昇によって透明フィルム基材が損なわれること防ぐことが求められている。すなわち、TAC等の透明フィルム基材には、紫外線照射による温度上昇によってシワが発生することがある。位相差フィルムは、透明フィルム基材にシワが発生した場合、位相差層の機能が損なわれ、製品品質を保てなくなる。
本発明は、上記の点に鑑みて行われたものであって、硬化に十分な照射量の活性エネルギー線を照射しながら、フィルム状の透明フィルム基材にシワが発生することを防ぐことができる光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、液晶層を硬化させるための工程を工夫する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1)透明フィルム基材の表面に配向層を形成する配向層形成工程と、
活性エネルギー線の照射によって硬化する液晶材料を前記配向層上に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程において塗布された液晶材料に対して、前記透明フィルム基材の搬送過程において、前記透明フィルム基材の裏面が他の部材と接触していない状態で前記活性エネルギー線を照射する第1照射工程と、
前記第1照射工程において前記活性エネルギー線が照射された前記液晶材料に対して、前記透明フィルム基材の搬送過程において、前記透明フィルム基材の裏面がドラムに接している状態で前記活性エネルギー線を照射する第2照射工程と、
を含む。
(1)によれば、透明フィルム基材がドラムに接した状態で液晶材料に対して行われる第2照射工程に先立って、透明フィルム基材の裏面に他の部材が接触していない状態で第1照射工程を行うことができる。そして、第1照射工程を行うことにより、完成した光学フィルムにおいて透明基材1のシワの発生を抑えることができる。
(2)前記液晶材料が塗布された前記透明フィルム基材が複数の搬送ローラによって搬送され、
前記第1照射工程は、
隣接する少なくとも2つの前記搬送ローラの間で前記活性エネルギー線を照射することによって、前記透明フィルム基材の裏面が他の部材と接触していない状態で前記活性エネルギー線を照射する。
(2)によれば、位相差層を形成する工程において、既存の工程に大きな変更を加えることなく、透明基材フィルムの裏面に他の部材が接触していない状態で第1照射工程を行うことができる。
(3)前記活性エネルギー線が紫外線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
(3)によれば、紫外線の照射によって硬化する、紫外線硬化型の液晶材料を本発明に適用することができる。
上記の本発明によれば、液晶層の硬化に十分な照射量の活性エネルギー線を照射しながら、フィルム状の透明フィルム基材にシワが発生することを防ぐことができる光学フィルムの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の光学フィルムを示した図である。 本発明の一実施形態のパターン位相差フィルムの製造方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図2に示したフローチャートに示した各工程を説明するための模式的な図である。 図2に示したステップS204〜S207の工程が実行される本実施形態の設備を説明するための図である。 液晶表示パネルを使用したパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン位相差フィルム10を示す図である。図1において、パターン位相差フィルム10は、画像表示装置100にかかる液晶表示パネル11のパネル面(視聴者側面)に貼り付けられて保持される。
画像表示装置100は、垂直方向(図1においては左右方向が対応する方向である)に連続する液晶表示パネル11の画素が、順次交互に、右目用の画像を表示する右目用画素、左目用の画像を表示する左目用画素に振り分けられて、それぞれ右目用及び左目用の画像データで駆動される。これにより画像表示装置は、右目用の画像を表示する帯状の領域(以下、適宜、領域Aと呼ぶ)と、左目用の画像を表示する帯状の領域(以下、適宜、領域Bと呼ぶ)とに表示画面が交互に区分され、右目用の画像と左目用の画像とを同時に表示する。画像表示装置100は、液晶表示パネル11の表側面に、パターン位相差フィルム10が配置され、パターン位相差フィルム10により右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。これにより画像表示装置100は、パッシブ方式により所望の立体画像を表示する。
ここで、パターン位相差フィルム10は、TAC(トリアセチルセルロース)、アクリル等の透明フィルムからなる透明フィルム基材の一方の面上に、配向層2、位相差層3が順次作製される。パターン位相差フィルム10は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により位相差層3が形成され、この液晶材料の配向を配向層2の配向規制力によりパターンニングする。なお、この液晶分子の配向を図1では細長い楕円により誇張して示す。このパターンニングにより、パターン位相差フィルム10は、液晶表示パネルにおける画素の割り当てに対応して、一定の幅により、右目用の領域(第1の領域)Aと左目用の領域(第2の領域)Bとが順次交互に帯状に形成され、右目用及び左目用の画素からの出射光にそれぞれ対応する位相差を与える。
パターン位相差フィルム10は、光配向材料により光配向材料膜が作製された後、いわゆる光配向の手法により、この光配向材料膜に直線偏光による紫外線を照射して配向層2が形成される。
ここでこの光配向材料膜に照射する紫外線は、その偏光の方向が右目用の領域Aと左目用の領域Bとで90度異なるように設定され、これにより位相差層3に設けられる液晶材料に関して、右目用の領域A及び左目用の領域Bとで対応する向きに液晶分子を配向させ、透過光に対応する位相差を与える。なお光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、本実施形態では、一旦配向した後には、紫外線の照射によって配向が変化しない、例えば光2量化型の材料が使用される。
この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されており、例えば「ROP-103」の商品名により既に市販されている。
また、位相差層3を生成する液晶材料としては、従来公知の位相差層の材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、ネマチック液晶相を発現する液晶材料が挙げられる。ネマチック液晶相を発現する液晶材料は、従来公知の液晶材料を用いれば良く、例えば、棒状の液晶分子、ポリマー液晶及び重合性液晶化合物等が挙げられる。
[光学フィルムの製造工程]
図2は、本実施形態のパターン位相差フィルムの製造工程を説明するためのフローチャートである。
パターン位相差フィルムの製造工程は、透明フィルム基材の表面に配向層2を形成する配向層形成工程と、紫外線の照射によって硬化する液晶材料を配向層上に塗布する塗布工程と、塗布された液晶材料に対して透明フィルム基材1の裏面が他の部材と接触していない状態で紫外線を照射する照射工程(以下、「第1照射工程」とも記す)と、第1照射工程において紫外線が塗布された液晶材料に対して透明フィルム基材1の裏面がドラムに接している状態で紫外線を照射する照射工程(以下、「第2照射工程」とも記す)と、を含む。
すなわち、本実施形態のパターン位相差フィルムの製造工程では、ロールに巻き取られている透明フィルム基材1が引き出され、この透明フィルム基材1上に、光配向材料膜が順次形成される(ステップS201)。光配向材料膜は、各種の製造方法を適用することができる。本実施の形態では、光配向材料をベンゼン等の溶媒に分散させた成膜用液体をダイにより塗布した後、乾燥して作成される。
続いて、本実施形態の製造工程では、領域Aまたは領域Bに偏光紫外線が照射され、領域Aまたは領域Bが選択的に露光される(ステップS202)。次に、領域A、領域Bによる光配向材料膜の全面が露光される(ステップS203)。ステップS202、S203により、配向層2が作成される。続いて、本実施形態では、配向層2上にダイ等によって液晶材料3aが塗布された後(ステップS204)、液晶材料3aを加熱することによって乾燥させる(ステップS205)。さらに、乾燥の後、紫外線の照射によって液晶材料を硬化させ(ステップS206、S207)、液晶材料による位相差層3が作成される。
上記した一連の工程において、本実施形態では、紫外線の照射を2回行っている。ステップS206で行われる第1紫外線照射では、透明フィルム基材1の搬送過程において、透明フィルム基材1の裏面が他の部材と接触していない状態で、塗布された液晶材料に紫外線が照射される。ステップS207で行われる第2紫外線照射では、透明フィルム基材1の裏面がドラムに接している状態で、塗布された液晶材料に紫外線が照射される。
以上の処理がされたフィルムは、必要に応じて反射防止膜の作成処理等が施された後、切断工程において、所望の大きさに切り出されてパターン位相差フィルム10となる
なお、ステップS206において照射される紫外線の量は、例えば、30mJ/cm2〜250mJ/cm2であり、ステップS207において照射される紫外線の量は、例えば、50mJ/cm2〜500mJ/cm2である。また、ステップS206において照射される紫外線の量とステップS207において照射される紫外線の量との比は、例えば、5:1〜1:10である。
図3(a)〜(f)は、図2に示したフローチャートに示した各工程を説明するための模式的な図である。図3(a)は、ロールから引き出された状態の透明フィルム基材1を示している。図中、透明フィルム基材1の表面に1aの符号を付して示す。図3(b)は、表面1aに配向層2が形成された状態を示している。配向層2は、図2で説明したように、光配向材料膜の領域Aと、領域A及び領域Bを含む全面と、をそれぞれ露光することによって得られる。
すなわち、本実施形態では、右目用の領域A又は光目用の領域Bに対応する部位をマスクで遮光し、光配向材料膜に直線偏光による紫外線(偏光紫外線)を照射する。紫外線の照射により、遮光されていない側の、左目用の領域B、または右目用の領域A上の光配向材料膜が、所望の方向に配向される。
続いて、本実施形態では、第1紫外線照射の露光処理とは偏光方向が90度異なる直線偏光により偏光紫外線を全面に照射する。この全面の偏光紫外線の照射により、1回目の露光処理で未露光の、右目用の領域A又は光目用の領域Bの光配向材料膜が所望の方向に配向する。
ステップS202、S203の後、配向層2上には、紫外線硬化型の液晶材料3aが塗布される(図3(c))。液晶材料3aは、加熱されて溶剤sが液晶材料3aから除去されることにより乾燥する(図3(d))。加熱乾燥により、液晶材料3aの液晶分子は、配向層2の配向規制力の方向に配向させられる。
さらに、乾燥後の液晶材料3aには、偏光紫外線u3が2回照射される(図3(e)及び(f))。2回の偏光紫外線u3の照射により、液晶材料3aは、位相差層3になる。
図4は、図2に示したステップS204〜S207の工程が実行される本実施形態の設備を説明するための図である。図4に示した設備では、図中の矢線Cの方向に透明フィルム基材1が搬送される。図4に示した設備には、配向層2上に紫外線硬化型の液晶材料を塗布するダイ107、液晶材料を乾燥させる加熱ゾーン108、乾燥された液晶材料に第1紫外線照射を行う紫外線照射装置109、第1紫外線照射が行われた液晶材料及び透明フィルム基材1が巻き回される温調ドラム112、加熱ゾーン108と温調ドラム112との間で配向層2が形成されている透明フィルム基材1を2点で支持する搬送ローラ110、111、温調ドラム112表面に紫外線を照射して第2紫外線照射を行う紫外線照射装置113を備えている。
なお、図4において、配向層2は、位相差層3を形成する設備とは別個の設備によって生成されるため、図示及び説明を省くものとする。
ダイ107は、配向層2上に紫外線硬化型の液晶材料3aを塗布する。塗布の後、液晶材料3aは加熱ゾーン108に送られて乾燥させられる。加熱ゾーン108を通過した透明フィルム基材1上の配向層2及び液晶材料3aは、第1紫外線照射が行われる紫外線照射装置109が設けられているゾーンに送られる。
図4から明らかなように、第1紫外線照射は、液晶材料が塗布された透明フィルム基材1が加熱ゾーン108から第1紫外線照射が行われる工程に送られる間の、隣接する2つの搬送ローラ110、111の間で行われる。このとき、紫外線照射装置109下において、透明フィルム基材1は、搬送ローラ110と搬送ローラ111との間に張り渡された状態になっていて、空中に浮いた状態になっており、透明フィルム基材1の裏面1bは他のどのような部材とも接触していない状態に保持される。
紫外線照射装置109による紫外線照射により、液晶材料3aは、ハーフキュア状態になる。
第1紫外線照射を受けた透明フィルム基材1は、その裏面が温調ドラム112に接触する。温調ドラム112は、水冷方式で表面の温度が調整されていて、熱によって透明フィルム基材1にシワが発生することを抑えている。透明フィルム基材1上の液晶材料3aには、紫外線照射装置113によって紫外線の照射が行われる。紫外線の照射により、液晶材料3aは位相差層3になる。位相差層3が形成された透明フィルム基材1及び配向層2は、巻き取りロール114によって巻き取られる。
なお、以上説明した本実施形態では、第1紫外線照射と第2紫外線照射とにおいて、略同程度の紫外線照射量を照射するものとした。このため、本実施形態によれば、既存の方法よりも大きな照射量の紫外線を液晶材料3aに照射することになり、液晶材料3aを十分硬化させることができる。
また、本発明の発明者らは、以上説明した本実施形態の光学フィルムの製造方法でパターン位相差フィルムを製造したところ、第1紫外線照射を行うことなく第2紫外線照射を行う製造方法(以下、「既存の方法」と記す)よりも、完成したパターン位相差フィルムの透明フィルム基材1にシワが発生しにくいことを見出した。
すなわち、温調ドラム112で透明基材フィルム1を冷却するようにしても、温調ドラム112の周側面(表面)自体が紫外線照射によって温度上昇している。この熱によるダメージにより、透明フィルム基材1にシワが生じると考えられる。しかしながら、透明機材フィルム1が空中に浮いた状態で紫外線を照射すれば、基材が透明であることからシワが生じない。
以上のことから、本実施形態では、第1照射工程で十分に紫外線を照射して液晶材料をハーフキュアさせておくことができるので、第2照射の紫外線照射条件を、透明フィルム基材1にシワが発生しない範囲に抑えることができる。
このような本願発明によれば、透明フィルム基材1のシワの発生を抑止しながら、液晶を十分硬化することができる。
また、本実施形態は、第1照射工程、第2照射工程を行うことにより、初期、耐久性の両方において、位相差層と配向層との密着性の向上がみられた。
また、本実施形態では、第1照射工程、第2照射工程を行うことにより、位相差層の位相差安定性を高めることもできた。
[実験例]
表1は、以上説明した本実施形態の第1照射工程、第2照射工程の紫外線照射量を種々に変更して、透明フィルム基材1のシワ、位相差層と配向層との密着性、位相差層の位相差安定性を検証した実験の結果を示した表である。実験では、第1照射工程で照射された紫外線の照射量(表中に「第1紫外線照射量」と記す)を0mJ/cm2(OFF)、40mJ/cm2、75mJ/cm2、100mJ/cm2の5条件とし、第2照射工程で照射された紫外線の照射量(表中に「第2紫外線照射量」と記す)を60mJ/cm2、85mJ/cm2、95mJ/cm2、180mJ/cm2、210mJ/cm2の5条件とした。実験は、基材1にTACフィルムとアクリルフィルム材とを適用し、第1紫外線照射量と第2紫外線照射量との組み合わせを変更し、各組み合わせに対応する、透明フィルム基材1のシワ、密着性、位相差安定性を「×」、「○」で評価することによって行った。
なお、シワについては、シワが発生した場合を「×」と評価し、シワが発生しなかった場合を「○」と評価した。また、密着性及び位相差安定性については、製品として適正な値が得られた場合を「○」と評価し、製品として採用できない場合を「×」とした。なおここで位相差安定性は、位相差層における配向のばらつきを示すものであり、微少領域による複数回の計測により透過光の偏光方向が一定の判定基準値以上ばらついている場合を「×」とし、ばらつきが判定基準値未満の場合を「○」とした。
Figure 2014145908
表1から明らかなように、第1照射を行わない場合、第2照射が60mJ/cm2、85mJ/cm2、95mJ/cm2のいずれの場合も密着性、位相差安定性が「×」と評価された。そして透明フィルム基材1にTACフィルム、アクリルフィルム材である場合に、それぞれ第2照射を210mJ/cm2及び180mJ/cm2とした場合にシワが「×」と評価された。以上のことにより、本実験によれば、第1照射を行わない場合には、いずれの条件であっても製品品質を満たす光学フィルムを得ることが難しいことが分かった。一方、表1から明らかなように、第1照射を行った場合、紫外線の照射量によらず、いずれの条件であっても製品品質を満たす光学フィルムを得ることができることがわかった。
[他の実施形態]
なお、本実施形態は、以上説明した構成に限定されるものではない。例えば、上記した本実施形態では、加熱ゾーンから温調ドラムに透明基材等が搬送される過程で第1紫外線照射を行っている。しかし、本実施形態は、液晶材料の塗布から第2紫外線照射の間であって、位相差層を形成する工程を阻害するものでなければ、透明基材が中空に浮き、裏面に他の部材が接触していない状態であれば、どのようなタイミングで第1紫外線照射を行ってもよい。
また、以上説明した構成では、紫外線硬化型の材料に紫外線を照射して配向層及び位相差層を形成しているが、本実施形態は、このような構成に限定されるものではない。例えば、活性エネルギー線として電子線を使用し、電子線の照射によって硬化する材料を使って配向層または位相差層を形成するものであってもよい。
さらに、以上説明した本実施形態では、光配向する材料で配向層を形成している。しかし、本実施形態は光配向によって配向層を形成するものに限定されるものではなく、賦型処理によって配向層を形成するものであってもよい。
1 透明フィルム基材
1a 表面
1b 裏面
2 配向層
3 位相差層
3a 液晶材料
10 パターン位相差フィルム
107 ダイ
108 加熱ゾーン
109、113 紫外線照射装置
110、111 ローラ
112 温調ドラム

Claims (3)

  1. 透明フィルム基材の表面に配向層を形成する配向層形成工程と、
    活性エネルギー線の照射によって硬化する液晶材料を前記配向層上に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程において塗布された液晶材料に対して、前記透明フィルム基材の搬送過程において、前記透明フィルム基材の裏面が他の部材と接触していない状態で前記活性エネルギー線を照射する第1照射工程と、
    前記第1照射工程において前記活性エネルギー線が照射された前記液晶材料に対して、前記透明フィルム基材の搬送過程において、前記透明フィルム基材の裏面がドラムに接している状態で前記活性エネルギー線を照射する第2照射工程と、
    を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記液晶材料が塗布された前記透明フィルム基材が複数の搬送ローラによって搬送され、
    前記第1照射工程は、
    隣接する少なくとも2つの前記搬送ローラの間で前記活性エネルギー線を照射することによって、前記透明フィルム基材の裏面が他の部材と接触していない状態で前記活性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記活性エネルギー線が紫外線であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
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