JP2014144491A - ロボットおよびロボット制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のロボットは、回動可能なアームと、前記アームを回動させる駆動源と、前記アームに設置された角速度センサーと、前記駆動源の回転角度を検出する位置センサーと、前記角速度センサーの検出結果に基づき制振制御を行うサーボ回路と、動作モードを設定する動作モード設定部とを有する。前記動作モード設定部は、前記アームの最大加速度および最大減速度に乗算する補正係数と、前記サーボ回路のサーボゲインとを変更することによって、第1の動作モード、前記第1の動作モードよりも前記アームが高速に動作する第2の動作モードおよび前記第1の動作モードよりも前記アームの振動が少ない第3の動作モードの3つの動作モードを選択的に設定する。
【選択図】図1
Description
そこで、ロボットの動作モードとして、標準の速度で動作する標準モードと、高速で動作する高速モードとを選択し得るロボットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、標準モードと高速モードとの一方から他方へ変更する際は、ロボットの作動を制御するサーボ回路のサーボゲインを変更する。
本発明の目的は、1つのロボットで、高速特化型と、動作停止時の制振特化型と、高速性と動作停止時の制振性との両立を図った両立型とを実現でき、角速度センサーを使用してサーボゲインのチューニングを行うことによりツールの形状や負荷の影響を受け難いロボットおよびロボット制御装置を提供することにある。
本発明のロボットは、回動可能なアームと、
前記アームを回動させる駆動源と、
前記アームに設置された角速度センサーと、
前記駆動源の回転角度を検出する位置センサーと、
前記角速度センサーの検出結果に基づき制振制御を行うサーボ回路と、
動作モードを設定する動作モード設定部と、を有し、
前記動作モード設定部は、前記アームの最大加速度および最大減速度に乗算する補正係数と、前記サーボ回路のサーボゲインと、を変更することによって、第1の動作モード、前記第1の動作モードよりも前記アームが高速に動作する第2の動作モード、および、前記第1の動作モードよりも前記アームの振動が少ない第3の動作モード、の3つの動作モードを選択的に設定することを特徴とする。
これにより、1つのロボットで、目標位置へ到達する時間を短くすることができる高速特化型と、動作を停止する際の振動を小さくすることができる動作停止時の制振特化型と、高速性と動作停止時の制振性との両立を図った両立型とを実現することができる。
また、ロボットの動作中の振動を抑制することができる。
前記第2の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、2.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときと等しく設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行う際に要する時間であるサイクルタイムが前記第1の動作モードのときの90%以下であり、
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行って目標位置に変位する際に、初めに前記目標位置を通過し、前記目標位置からずれるときのずれ量である位置行き過ぎ量が前記第1の動作モードのときの0.5倍以下または30μm以下であることが好ましい。
これにより、第2の動作モードと第1の動作モードとのサーボゲインは等しいので、ロボットの動作中においても、第2の動作モードから第1の動作モードへの変更と、第1の動作モードから第2の動作モードへの変更を行なうことができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
これにより、目標位置へ到達する時間をより短くすることができる。
本発明のロボットでは、前記第2の動作モードにおける前記補正係数は、前記第1の動作モードのときよりも大きいことが好ましい。
これにより、目標位置へ到達する時間をより短くすることができる。
これにより、安定した動作を行うことができる。
本発明のロボットでは、前記アーム、前記駆動源、前記角速度センサーおよび前記位置センサーを有するロボット本体と、
前記ロボット本体と別体であり、前記サーボ回路および前記動作モード設定部を有し、前記ロボット本体の制御を行うロボット制御装置と、
前記ロボット本体と前記ロボット制御装置とを接続するケーブルと、を備えることが好ましい。
これにより、ロボット本体の小型化を図ることができる。
前記ロボット本体に内蔵され、前記サーボ回路および前記動作モード設定部を有し、前記ロボット本体の制御を行うロボット制御装置と、を備えることが好ましい。
これにより、ロボット全体の構造を簡素化することができる。
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの動作を停止する際、前記補正成分の前記サーボゲインを0にする場合、前記第1の動作モードに比べて、前記補正成分の前記サーボゲインを0にするタイミングが早いことが好ましい。
これにより、動作を停止する際の振動をより小さくすることができる。
前記サイクルタイムの測定の際の前記テスト用動作は、前記アーム連結体の先端部に2kgの錘を保持した状態で、前記各アームの最大速度、最大加速度および最大減速度で、前記アーム連結体の先端部を往復移動させることであり、
前記往復移動における往路および復路では、それぞれ、前記アーム連結体の先端部を鉛直方向上方へ25mm移動させる上昇動作と、水平方向へ300mm移動させる水平方向移動動作と、鉛直方向下方へ25mm移動させる下降動作とを行い、かつ、前記上昇動作と前記水平方向移動動作の初期とを同時に行い、前記下降動作と前記水平方向移動動作の終期とを同時に行うことが好ましい。
このようにサイクルタイムを規定することにより、目標位置へ到達する時間をより確実に短くすることができる。
前記位置行き過ぎ量の測定の際の前記テスト用動作は、前記アーム連結体の先端部に2kgの錘を保持した状態で、前記アームの最大速度、最大加速度および最大減速度で、前記アームを90°回転させることであることが好ましい。
このように位置行き過ぎ量を規定することにより、動作を停止する際の振動を確実に小さくすることができる。
前記角速度センサーの検出結果に基づき制振制御を行うサーボ回路と、
動作モードを設定する動作モード設定部と、を有し、
前記動作モード設定部は、前記アームの最大加速度および最大減速度に乗算する補正係数と、前記サーボ回路のサーボゲインと、を変更することによって、第1の動作モード、前記第1の動作モードよりも前記アームが高速に動作する第2の動作モード、および、前記第1の動作モードよりも前記アームの振動が少ない第3の動作モード、の3つの動作モードを選択的に設定することを特徴とする。
これにより、1つのロボットで、目標位置へ到達する時間を短くすることができる高速特化型と、動作を停止する際の振動を小さくすることができる動作停止時の制振特化型と、高速性と動作停止時の制振性との両立を図った両立型とを実現することができる。
また、ロボットの動作中の振動を抑制することができる。
前記第2の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、2.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときと等しく設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行う際に要する時間であるサイクルタイムが前記第1の動作モードのときの90%以下であり、
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行って目標位置に変位する際に、初めに前記目標位置を通過し、前記目標位置からずれるときのずれ量である位置行き過ぎ量が前記第1の動作モードのときの0.5倍以下または30μm以下であることが好ましい。
これにより、第2の動作モードと第1の動作モードとのサーボゲインは等しいので、ロボットの動作中においても、第2の動作モードから第1の動作モードへの変更と、第1の動作モードから第2の動作モードへの変更を行なうことができる。これにより、作業効率を向上させることができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明のロボットの第1実施形態であって、そのロボットを正面側から見た斜視図である。図2は、図1に示すロボットであって、そのロボットを背面側から見た斜視図である。図3は、図1に示すロボットの概略図である。図4は、図1に示すロボットの概略図である。図5は、図1に示すロボットの主要部のブロック図である。図6は、図1に示すロボットの主要部を示すブロック図である。図7は、サイクルタイムを説明するための図である。図8は、位置行き過ぎ量を説明するための図である。図9〜図14は、それぞれ、図1に示すロボットの主要部のブロック図である。
アーム12〜15、リスト16は、それぞれ、基台11に対し独立して変位可能に支持されている。このアーム12〜15、リスト16の長さは、それぞれ、特に限定されないが、図示の構成では、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14の長さが、第4アーム15およびリスト16よりも長く設定されている。
なお、第1角速度センサー31、第2角速度センサー32としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ジャイロセンサー等を用いることができる。
なお、ロボット1のアーム12〜15、リスト16の振動の主な原因としては、例えば、減速機のねじれや撓み、アーム12〜15、リスト16の撓み等が挙げられる。
図5に示すように、ロボット本体10は、ロボット制御装置20と電気的に接続されている。すなわち、駆動源401〜406、位置センサー411〜416、角速度センサー31、32は、それぞれ、ロボット制御装置20と電気的に接続されている。
基台11は、中空の基台本体(ハウジング)112を有している。基台本体112は、円筒状をなす円筒状部113と、当該円筒状部113の外周部に一体的に形成された、箱状をなす箱状部114とに分けることができる。そして、このような基台本体112には、例えば、モーター401Mやモータードライバー301〜306が収納されている。
第2アーム13は、第1アーム12の先端部に連結されている。この第2アーム13では、駆動機構3bがモーター403Mを有しており、アーム本体2b内に収納している。また、アーム本体2a内は、封止手段4bにより気密封止されている。
第4アーム15は、第3アーム14の先端部に、その中心軸方向と平行に連結されている。このアーム15では、駆動機構3dがモーター405M、406Mを有しており、アーム本体2d内に収納している。また、アーム本体2d内は、封止手段4dにより気密封止されている。
リスト本体161の先端面163は、平坦な面となっており、マニピュレーターが装着される装着面となる。また、リスト本体161は、関節176を介して、第4アーム15の駆動機構3dに連結されており、当該駆動機構3dのモーター406Mの駆動により、回転軸O6回りに回動する。
アーム本体2の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料を用いることができ、これらの中でも、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。アーム本体2が金型を用いて成形される鋳物である場合、当該アーム本体2の構成材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることにより、金型成形を容易に行なうことができる。
また、封止手段4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料を用いることができる。なお、封止手段4の構成材料として、樹脂材料を用いることにより、軽量化を図ることができる。
図5、図6、図9〜図14に示すように、ロボット制御装置20は、第1駆動源401の作動を制御する第1駆動源制御部201と、第2駆動源402の作動を制御する第2駆動源制御部202と、第3駆動源403の作動を制御する第3駆動源制御部203と、第4駆動源404の作動を制御する第4駆動源制御部204と、第5駆動源405の作動を制御する第5駆動源制御部205と、第6駆動源406の作動を制御する第6駆動源制御部206と、ロボット本体10(ロボット1)の動作モードを設定する動作モード設定部21と、各種の情報やプログラム等を記憶する記憶部22とを有している。なお、記憶部22としては、特に限定されず、例えば、各種の半導体メモリー等を用いることができる。
なお、減算器531と、バンドエリミネーションフィルター611と、変換部621と、角速度算出部641と、減算器651と、ハイパスフィルター661と、増幅器671と、加算器681とにより、制振制御を行うジャイロサーボ回路691の主要部が構成されている。
なお、減算器532と、バンドエリミネーションフィルター612と、変換部622と、角速度算出部642と、減算器652と、ハイパスフィルター662と、増幅器672と、加算器682とにより、制振制御を行うジャイロサーボ回路692の主要部が構成されている。
増幅器541は、減算器531から入力された偏差と、予め定められた係数であるゲイン(比例ゲイン)(サーボゲイン)Kvp等を用いた所定の演算処理を行ない、加減算器591に出力する。
また、微分器571には、後述する角速度フィードバック値ωfbが入力される。微分器571は、その角速度フィードバック値ωfbを微分し、次いで、増幅器581は、予め定められた係数であるゲイン(微分ゲイン)(サーボゲイン)Kw等を用いた所定の演算処理を行ない、加減算器591に出力する。
このようにして、位置フィードバック値Pfbが位置指令Pcと可及的に等しくなり、かつ、角速度フィードバック値ωfbが角速度指令ωcと可及的に等しくなるように、フィードバック制御がなされ、第1駆動源401の駆動電流が制御される。
角速度算出部641では、第1位置センサー411から入力されるパルス信号の周波数に基づいて、第1駆動源401の角速度ωm1が算出され、その角速度ωm1は、加算器681および減算器651にそれぞれに出力される。
増幅器671は、振動角速度ωs1に予め定められた係数であるゲイン(サーボゲイン)Kgpを乗算し、補正値Kgp・ωs1を求め、その補正値Kgp・ωs1を加算器681に出力する。
また、第1駆動源制御部201は、第1アーム12の動作を停止する際、第1アーム12が停止する前に、ゲインKgpを0にする機能を有している。このゲインKgpを0にするタイミングは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。
増幅器542は、減算器532から入力された偏差と、予め定められた係数であるゲイン(比例ゲイン)(サーボゲイン)Kvp等を用いた所定の演算処理を行ない、加減算器591に出力する。なお、この第2駆動源制御部202におけるゲインKvpと、第1駆動源制御部201におけるゲインKvpとは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
このようにして、位置フィードバック値Pfbが位置指令Pcと可及的に等しくなり、かつ、角速度フィードバック値ωfbが角速度指令ωcと可及的に等しくなるように、フィードバック制御がなされ、第2駆動源402の駆動電流が制御される。なお、第2回転軸O2は、第1回転軸O1に対して直交しているので、第1アーム12の動作や振動の影響を受けず、第1駆動源401に対して独立して第2駆動源402の作動を制御することができる。
角速度算出部642では、第2位置センサー412から入力されるパルス信号の周波数に基づいて、第2駆動源402の角速度ωm2が算出され、その角速度ωm2は、加算器682および減算器652にそれぞれに出力される。
増幅器672は、振動角速度ωs2に予め定められた係数であるゲイン(サーボゲイン)Kgpを乗算し、補正値Kgp・ωs2を求め、その補正値Kgp・ωs2を加算器682に出力する。なお、この第2駆動源制御部202におけるゲインKgpと、第1駆動源制御部201におけるゲインKgpとは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
また、第2駆動源制御部202は、第2アーム13の動作を停止する際、第2アーム13が停止する前に、ゲインKgpを0にする機能を有している。このゲインKgpを0にするタイミングは、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定される。
増幅器543は、減算器533から入力された偏差と、予め定められた係数であるゲイン(比例ゲイン)(サーボゲイン)Kvp等を用いた所定の演算処理を行ない、加減算器591に出力する。なお、この第3駆動源制御部203におけるゲインKvpは、第1駆動源制御部201におけるゲインKvp、第2駆動源制御部202におけるゲインKvpと、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
このようにして、位置フィードバック値Pfbが位置指令Pcと可及的に等しくなり、かつ、角速度フィードバック値ωfbが角速度指令ωcと可及的に等しくなるように、フィードバック制御がなされ、第3駆動源403の駆動電流が制御される。
前述したように、ロボット制御装置20の動作モード設定部21は、ロボット本体10(ロボット1)の動作モードとして、「標準モード(第1の動作モード)」と、「高速モード(第2の動作モード)」と、「低振動モード(第2の動作モード)」とのうちのいずれかを選択し、設定する。なお、各動作モードにおいて設定される各パラメーターは、それぞれ、予め、記憶部22に記憶されており、動作モード設定部21は、必要時に、記憶部22から必要なパラメーターを読み出して、動作モードの設定を行う。
高速モードでは、第1アーム12の最大加速度が標準モードのときの1倍以上、2倍以下に設定される。これにより、目標位置へ到達する時間を短くすることができる。
この場合、最大加速度は、標準モードのときよりも大きいことが好ましい。具体的には、第1アーム12の最大加速度は、標準モードのときの1.1倍以上、2倍以下であることが好ましく、1.1倍以上、1.5倍以下であることがより好ましい。これにより、目標位置へ到達する時間をより短くすることができる。
また、高速モードでは、第1アーム12の最大減速度(最大減速度の絶対値)が標準モードのときの1倍以上、2倍以下に設定される。これにより、目標位置へ到達する時間を短くすることができる。
また、高速モードでは、第1アーム12の最大速度は、標準モードのときと異なる値に設定してもよいが、標準モードのときと等しく設定されることが好ましい。これにより、安定した動作を行うことができる。
この場合、オートアクセル補正係数は、標準モードのときよりも大きいことが好ましい。具体的には、第1アーム12のオートアクセル補正係数は、標準モードのときの1.1倍以上、2倍以下であることが好ましく、1.1倍以上、1.8倍以下であることがより好ましい。これにより、目標位置へ到達する時間をより短くすることができる。
また、高速モードでは、ロボット1(第1アーム12)が予め決められたテスト用動作を行う際に要する時間であるサイクルタイムが標準モードのときの90%以下である。これにより、目標位置へ到達する時間を短くすることができる。
なお、サイクルタイムは、短いほど好ましいが、他の特性が低下してしまうことを考慮すると、標準モードのときの1%以上、90%以下であることが好ましく、5%以上、80%以下であることがより好ましい。
図7に示すように、サイクルタイムの測定の際のテスト用動作は、ロボット1のリスト16の先端部(アーム連結体の先端部)に2kgの錘を保持した状態で、各アーム12〜15、リスト16の最大速度、最大加速度および最大減速度で、リスト16の先端部を往復移動させることである。
低振動モードでは、第1アーム12の最大加速度が標準モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定される。これにより、動作を停止する際の振動を小さくすることができる。
この場合、最大加速度は、標準モードのときよりも小さいことが好ましい。具体的には、第1アーム12の最大加速度は、標準モードのときの0.5倍以上、0.9倍以下であることが好ましく、0.6倍以上、0.8倍以下であることがより好ましい。これにより、動作を停止する際の振動をより小さくすることができる。
この場合、第1アーム12の最大減速度(最大減速度の絶対値)は、標準モードのときよりも小さいことが好ましい。具体的には、第1アーム12の最大減速度は、標準モードのときの0.5倍以上、0.9倍以下であることが好ましく、0.6倍以上、0.8倍以下であることがより好ましい。これにより、動作を停止する際の振動をより小さくすることができる。
また、低振動モードでは、第1アーム12のオートアクセル補正係数が標準モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定される。これにより、動作を停止する際の振動をより小さくすることができる。
この場合、各ゲインKpp、Kvp、Kvi、Kw、Kgpは、それぞれ、標準モードのときよりも小さいか、または、等しいことが好ましい。具体的には、各ゲインKpp、Kvp、Kvi、Kw、Kgpは、それぞれ、標準モードのときの0.5倍以上、1倍以下であることが好ましい。これにより、動作を停止する際の振動をより小さくすることができる。
なお、位置行き過ぎ量は、小さいほど好ましいが、他の特性が低下してしまうことを考慮すると、標準モードのときの0.1倍以上、0.5倍以下または0.01μm以上、30μm以下であることがより好ましい。
第1アーム12の位置行き過ぎ量の測定の際の前記テスト用動作は、ロボット1のリスト16の先端部(アーム連結体の先端部)に2kgの錘を保持した状態で、第1アーム12の最大速度、最大加速度および最大減速度で、第1アーム12を90°回転させることである。
また、位置行き過ぎ量の測定は、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、リスト16でも行われ、それぞれ、第1アーム12と同様に、90°曲げた状態から、90°回転させて行う。また、位置行き過ぎ量の測定は、第1アーム12および第2アーム13の複合動作に対しても行われ、第1アーム12と第2アーム13とを同時に、90°曲げた状態から、90°回転させて行う。
また、ロボット1の動作中の振動を確実に抑制することができる。
例えば、本実施形態では、ロボットの回転軸の数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットの回転軸の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上でもよい。
また、本実施形態では、ロボットは、複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなるアーム連結体を1つ有する単腕ロボットであるが、本発明では、これに限定されず、例えば、複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなるアーム連結体を2つ有する双腕ロボット等、前記アーム連結体を複数有するロボットであってもよい。
図15は、本発明のロボットの第2実施形態を示す概略図である。図16は、図15に示すロボットの概略図である。
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図15および図16に示す第2実施形態のロボット1Aは、スカラーロボットと呼ばれているものである。
このロボット1Aのロボット本体10Aは、基台11と、2本のアーム(リンク)12、13と、シャフト(作業軸)19と、4つの駆動源401、402、407、408とを備えている。基台11と、第1アーム12と、第2アーム13と、シャフト19とは、基端側から先端側に向ってこの順に連結されている。また、シャフト19は、その下端部(先端部)に、機能部(エンドエフェクター)が着脱自在に装着される取付部191を有している。なお、シャフト19は、アーム(第3、第4アーム)、すなわち、最も先端側のアームとみなすこともできる。
基台11と第1アーム12とは、関節(ジョイント)171を介して連結されている。そして、第1アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な第1回転軸O1を回転中心とし、その第1回転軸O1回りに回動自在となっている。第1回転軸O1は、基台11の設置面である床101の上面の法線と一致している。この第1回転軸O1回りの回動は、第1駆動源401の駆動によりなされる。また、第1駆動源401の駆動(作動)は、第1駆動源401とケーブル18を介して電気的に接続されたモータードライバー301を介して制御装置20により制御される。
なお、第1駆動源401、第2駆動源402と同様に、第3駆動源407には第3角度センサー(図示せず)が設けられ、第4駆動源408には第4角度センサー(図示せず)が設けられている。第3駆動源407、第4駆動源408、第3角度センサー、第4角度センサーは、それぞれ、第2アーム13内に収納されており、制御装置20と電気的に接続されている。
第1駆動源制御部は、第1実施形態の第1駆動源制御部201と同様であり、また、第2駆動源制御部、第3駆動源制御部、第4駆動源制御部は、それぞれ、第1実施形態の第3駆動源制御部203と同様であるので、その説明は、省略する。
このロボット1Aによれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明では、標準モード、高速モード、低振動モードの他に、さらに、別の動作モードを有していてもよい。
また、各駆動源のモーターとしては、それぞれ、前記サーボモーターの他、例えば、ステッピングモーター等が挙げられる。また、モーターとしてステッピングモーターを用いる場合は、位置センサーとして、例えば、ステッピングモーターへ入力する駆動パルスの数を計測することで、モーターの回転角度を検出するものを用いてもよい。
また、本発明のロボットは、アーム型ロボット(ロボットアーム)、スカラーロボットに限定されず、他の形式のロボット、例えば、脚式歩行(走行)ロボット等であってもよい。
Claims (12)
- 回動可能なアームと、
前記アームを回動させる駆動源と、
前記アームに設置された角速度センサーと、
前記駆動源の回転角度を検出する位置センサーと、
前記角速度センサーの検出結果に基づき制振制御を行うサーボ回路と、
動作モードを設定する動作モード設定部と、を有し、
前記動作モード設定部は、前記アームの最大加速度および最大減速度に乗算する補正係数と、前記サーボ回路のサーボゲインと、を変更することによって、第1の動作モード、前記第1の動作モードよりも前記アームが高速に動作する第2の動作モード、および、前記第1の動作モードよりも前記アームの振動が少ない第3の動作モード、の3つの動作モードを選択的に設定することを特徴とするロボット。 - 前記サーボ回路は、前記角速度センサーおよび前記位置センサーの検出結果に基づいて前記駆動源の作動を制御するものであり、
前記第2の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、2.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときと等しく設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行う際に要する時間であるサイクルタイムが前記第1の動作モードのときの90%以下であり、
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行って目標位置に変位する際に、初めに前記目標位置を通過し、前記目標位置からずれるときのずれ量である位置行き過ぎ量が前記第1の動作モードのときの0.5倍以下または30μm以下である請求項1に記載のロボット。 - 前記第2の動作モードにおける前記アームの最大加速度および最大減速度は、それぞれ、前記第1の動作モードのときよりも大きい請求項1または2に記載のロボット。
- 前記第2の動作モードにおける前記補正係数は、前記第1の動作モードのときよりも大きい請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
- 前記第2の動作モードと前記第1の動作モードとで前記アームの最大速度は等しい請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロボット。
- 前記アーム、前記駆動源、前記角速度センサーおよび前記位置センサーを有するロボット本体と、
前記ロボット本体と別体であり、前記サーボ回路および前記動作モード設定部を有し、前記ロボット本体の制御を行うロボット制御装置と、
前記ロボット本体と前記ロボット制御装置とを接続するケーブルと、を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記アーム、前記駆動源、前記角速度センサーおよび前記位置センサーを有するロボット本体と、
前記ロボット本体に内蔵され、前記サーボ回路および前記動作モード設定部を有し、前記ロボット本体の制御を行うロボット制御装置と、を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記サーボ回路は、前記角速度センサーおよび前記位置センサーの検出結果から導かれる補正成分をフィードバックして前記駆動源を制御するものであり、前記アームの動作を停止する際、前記補正成分のサーボゲインを0にする機能を有し、
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの動作を停止する際、前記補正成分の前記サーボゲインを0にする場合、前記第1の動作モードに比べて、前記補正成分の前記サーボゲインを0にするタイミングが早い請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記アームおよび前記駆動源をそれぞれ複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなるアーム連結体を備え、
前記サイクルタイムの測定の際の前記テスト用動作は、前記アーム連結体の先端部に2kgの錘を保持した状態で、前記各アームの最大速度、最大加速度および最大減速度で、前記アーム連結体の先端部を往復移動させることであり、
前記往復移動における往路および復路では、それぞれ、前記アーム連結体の先端部を鉛直方向上方へ25mm移動させる上昇動作と、水平方向へ300mm移動させる水平方向移動動作と、鉛直方向下方へ25mm移動させる下降動作とを行い、かつ、前記上昇動作と前記水平方向移動動作の初期とを同時に行い、前記下降動作と前記水平方向移動動作の終期とを同時に行う請求項1ないし8のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記アームおよび前記駆動源をそれぞれ複数有し、前記複数のアームの隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなるアーム連結体を備え、
前記位置行き過ぎ量の測定の際の前記テスト用動作は、前記アーム連結体の先端部に2kgの錘を保持した状態で、前記アームの最大速度、最大加速度および最大減速度で、前記アームを90°回転させることである請求項1ないし9のいずれか1項に記載のロボット。 - 回動可能なアームと、前記アームを回動させる駆動源と、前記アームに設置された角速度センサーと、前記駆動源の回転角度を検出する位置センサーと、を有するロボット本体の制御を行うロボット制御装置であって、
前記角速度センサーの検出結果に基づき制振制御を行うサーボ回路と、
動作モードを設定する動作モード設定部と、を有し、
前記動作モード設定部は、前記アームの最大加速度および最大減速度に乗算する補正係数と、前記サーボ回路のサーボゲインと、を変更することによって、第1の動作モード、前記第1の動作モードよりも前記アームが高速に動作する第2の動作モード、および、前記第1の動作モードよりも前記アームの振動が少ない第3の動作モード、の3つの動作モードを選択的に設定することを特徴とするロボット制御装置。 - 前記サーボ回路は、前記角速度センサーおよび前記位置センサーの検出結果に基づいて前記駆動源の作動を制御するものであり、
前記第2の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの1倍以上、2倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、2.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときと等しく設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行う際に要する時間であるサイクルタイムが前記第1の動作モードのときの90%以下であり、
前記第3の動作モードにおいては、前記アームの最大加速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記アームの最大減速度が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記補正係数が前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下、前記サーボゲインが前記第1の動作モードのときの0.5倍以上、1.5倍以下に設定され、前記アームが予め決められたテスト用動作を行って目標位置に変位する際に、初めに前記目標位置を通過し、前記目標位置からずれるときのずれ量である位置行き過ぎ量が前記第1の動作モードのときの0.5倍以下または30μm以下である請求項11に記載のロボット制御装置。
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