JP2014141377A - シリカチタニアガラス、シリカチタニアガラスの製造方法及びシリカチタニアガラスの選別方法 - Google Patents

シリカチタニアガラス、シリカチタニアガラスの製造方法及びシリカチタニアガラスの選別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期的な耐久性、特にX線照射による緻密化が抑えられたシリカチタニアガラス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】a)Si原料とTi原料からTiOを5〜9wt%含むシリカチタニアガラスを合成する工程、b)前記工程a)で得られたシリカチタニアガラスを2150℃より高い温度で加熱する工程、及びc)前記工程b)で得られたシリカチタニアガラスを700〜1300℃でアニールする工程、を含むシリカチタニアガラスの製造方法であって、前記c)工程後のシリカチタニアガラスが、試験サンプルを特定の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力FがF<0.06×C(TiO)・・・(1)[C(TiO)はTiO濃度(wt%)である]の範囲に収まるものであるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は超低膨張材料であるシリカチタニアガラス、該シリカチタニアガラスの製造方法、及びシリカチタニアガラスの選別方法に関する。
半導体回路の更なる微細化に向けて、EUVリソグラフィー技術の導入が始まりつつある。EUVリソグラフィー技術は波長13.5nmのX線を光源とする。さらに、次世代のEUVリソグラフィー技術として、波長6.5nmのX線を用いることも検討されている。これらのX線を十分に透過する光学材料は無く、そのためEUVリソグラフィーでは反射光学系が採用されている。この反射光学系は多層膜反射コーティングがなされた超低膨張材料から構成される。しかしながら、多層膜反射コーティングの反射率は低く、例えば波長13.5nmのX線の反射に用いられるMo/Si反射膜では、反射率70%が限界であり、残りの30%の光の大部分は吸収されて熱となる。この熱による線膨張によって光学系が変形すると、結像性能が悪化して所望の回路パターンが得られなくなる。そのため、光学系の基板として温度変化による線膨張が非常に小さい超低膨張材料が用いられる。この超低膨張材料として代表的な材料がTiOを含むシリカガラス、すなわちシリカチタニアガラスである。
シリカチタニアガラスをEUVリソグラフィー装置のミラー基板、マスク基板材料として用いることは、特許文献1、特許文献2で示されているように公知技術である。また、EUVリソグラフィーの光学系用基板として好適な材料として、広い温度範囲において熱膨張係数がほぼゼロとなるTiOを含有するシリカガラス(特許文献3)や、TiOの濃度勾配が小さく研磨性に優れたチタニアドープ石英ガラス(特許文献4)などが提案されている。
しかし、これらの材料はいずれも素材の初期性能にのみ注目したものであり、長期的な耐久性については考慮されていない。多層膜基板によるX線の反射率は70%程度で、残りの30%の光の多くは多層膜中で吸収されるが、一部はシリカチタニアガラス基板まで到達する。EUVリソグラフィーの光源出力は現在のところ中間集光点において50W程度であるものの、半導体回路の生産性向上のために将来的にはこの10倍程度になると予想されており、シリカチタニアガラス基板まで到達するX線の強度も10倍程度にまで大きくなると予想されている。シリカチタニアガラスが高強度X線の照射を長期にわたり受けると、シリカチタニアガラスに緻密化(コンパクション)が起こる。この緻密化は基板形状の変形をもたらし、光学系の結像性能を悪化させるものである。
このシリカチタニアガラスの緻密化を鑑みて、反射膜を堆積させる面に<250nmの波長の光を照射することで、あらかじめ表面層を緻密化したシリカチタニアガラスが特許文献5で提案されている。しかし、シリカチタニアガラスは緻密化によって線膨張係数が変わってしまうことがある。そのため、緻密化部とそれ以外の部位との線膨張係数に差が生じ、温度変化によって変形が起こり、結像性能が悪化する。このように、特許文献5で提案されているシリカチタニアガラスはEUVリソグラフィーの光学系基板として適切な材料ではない。
加えて、特許文献5では、シリカチタニアガラスの緻密化について記載されているものの、具体的な照射条件や緻密化の程度、シリカチタニアガラスの製法や物性による緻密化への影響について一切触れられておらず、特許文献5からは光照射による緻密化が抑えられたシリカチタニアガラスに関する情報は一切得られない。
一方、ガラス材料の緻密化の程度の判別方法としては、特許文献6で例示されているように、非照射領域と照射領域との屈折率差を干渉計等で測定して評価する方法がある。しかし、シリカチタニアガラスは基本成分であるSiOに加えて、第二成分であるTiOを相当量含み、その均一な分散が困難であることから、屈折率の均一性がノンドープの合成石英ガラスと比べておよそ2桁大きい。このように大きな屈折率分布の中で、X線照射による屈折率変化を捉えることは困難であり、特許文献6で例示された方法ではシリカチタニアガラスの緻密化の程度を把握することは困難であった。
特表2003−505876 特表2003−505891 特開2005−22954 特開2007−182367 特開2012−33934 特開2005−29452
本発明は、長期的な耐久性、特にX線照射による緻密化が抑えられたシリカチタニアガラスを提供すること、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、X線照射によるシリカチタニアガラスの緻密化挙動について鋭意検討し、緻密化の強さを正確に把握でき、緻密化の小さなシリカチタニアガラスを判別できる方法を見出した。また、X線照射による緻密化がシリカチタニアガラスの製造方法、及び最終物性によって大きく異なることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のシリカチタニアガラスの製造方法は、a)Si原料とTi原料からTiOを5〜9wt%含むシリカチタニアガラスを合成する工程、
b)前記工程a)で得られたシリカチタニアガラスを2150℃より高い温度で加熱する工程、及び
c)前記工程b)で得られたシリカチタニアガラスを700〜1300℃でアニールする工程、
を含むシリカチタニアガラスの製造方法であって、
前記c)工程後のシリカチタニアガラスが、厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まるものであることを特徴とする。
X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
(前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
(前記式(2)において、dは複屈折である)。
本発明のシリカチタニアガラスの製造方法において、前記工程b)における加熱温度が2200℃より高い温度であることが好ましい。
本発明のシリカチタニアガラスは、TiOを5〜9wt%含みゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲内にあるシリカチタニアガラスであって、
厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まることを特徴とする。
X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
(前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
(前記式(2)において、dは複屈折である)。
本発明のシリカチタニアガラスは、2150℃より高い温度で加熱される工程を経ていることが好ましく、2200℃より高い温度で加熱される工程を経ていることがより好ましい。
本発明のシリカチタニアガラスにおいて、前記Fが下記式(3)を満たすことがより好ましい。
F<0.03×C(TiO)・・・(3)
(前記式(3)において、F及びC(TiO)は前記式(1)と同じである)
本発明のシリカチタニアガラスは、EUVリソグラフィー露光装置のミラー基板として好適に用いられる。
本発明のシリカチタニアガラスの選別方法は、TiOを5〜9wt%含みゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲内にあるシリカチタニアガラスの選別方法であって、
厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まるシリカチタニアガラスを良品として選別することを特徴とする。
X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
(前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
(前記式(2)において、dは複屈折である)。
本発明によれば、長期的な耐久性、特にX線照射による緻密化が抑えられたシリカチタニアガラスを得ることができる。
本発明の選別方法におけるX線照射の断面概略説明図である。 本発明の製造方法及び選別方法に用いる評価方法のセッティングの一例を示す概略説明図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明は、X線照射による緻密化を感度良く判定できる方法を見出し、また、X線照射によるシリカチタニアガラスの緻密化が、製造工程や最終製品の物性によって大きく異なることを見出したことによって完成されたものである。
図1は本発明におけるX線照射の断面概略説明図である。
本発明のシリカチタニアガラスの選別方法は、X線照射に起因して発生する体積変化を、X線照射領域12とX線非照射領域14の間に発生する応力として読み取ることを特徴とする。マスキングをする等の手法によってX線を被検体となるシリカチタニアガラス10の一領域にのみ照射すると、照射領域12において緻密化が起きる。一方、非照射領域14では緻密化は起こらない。このため、緻密化した照射領域12と緻密化が起こらない非照射領域14との間で引張り応力が発生する(図1)。なお、図1において符号13は緻密化領域、符号15は非緻密化領域、符号16はマスキングに用いたマスクである。
本発明はこの応力を緻密化の程度の尺度とするものである。応力は複屈折として計測し、その値とシリカチタニアガラスの光弾性定数から応力を算出することが好適である。屈折率分布と異なり、シリカチタニアガラスの複屈折はノンドープの光学用シリカガラスと同程度に低いことから、応力の変化を精度良く捉えることができる。応力はシリカチタニアガラスの光弾性定数42[(nm/cm)/(MPa)]を用いて、下記式(2)により複屈折から算出する。
F[MPa]=d[nm/cm]/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
前記式(2)において、Fは引張り応力、dは複屈折である。
本発明のシリカチタニアガラスの選別方法は、次の条件で発生したX線が部分的に照射されたときに、X線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まるシリカチタニアガラスを良品として判定するものである。
X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
前記式(1)において、Fは前記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である。
応力Fが上記範囲を超えるものは、X線照射による緻密化が強すぎて、X線を用いる光学系基板用シリカチタニアガラスとして好適ではない。判定基準である応力Fの範囲を下記式(3)とすると、より緻密化が少ないシリカチタニアガラスを選別できるため、より好ましい。
F<0.03×C(TiO)・・・(3)
図2は、本発明の選別方法に用いる評価方法のセッティングの一例を示す概略説明図である。被検体であるシリカチタニアガラス10は直径30mm厚さ2mmで両面鏡面研磨されている。この上に直径30mm、厚さ1mmで中央に直径10mmの穴を有するステンレス製の板をマスク16として設置し、これにX線管20から発するX線を照射する。X線管20から被検体10までの距離は20mmとし、X線管20から被検体10間は1kPa以下の真空雰囲気とする。また、X線管20のターゲットはRh、X線管に入力する管電圧は50kV、管電流70mAとする。なお、図2において、符号22はステンレス製容器、24は吸気用バルブ、26は排気用バルブ、28は真空ポンプである。
本発明のシリカチタニアガラスの選別方法で用いられるX線は、RhをターゲットとしたX線管球に、電圧50kVにて電流70mAを流したときに発生するX線とする。X線管は電圧によって波長が変わり、電流およびターゲット材によって強度が変わる。そのため、X線の発生条件を一定とするには、ターゲット材、電圧、電流を定めることが必要である。尚、X線管20から照射されるシリカチタニアガラス10までの距離は20mmである。
本発明のシリカチタニアガラスの選別方法で用いられるターゲット材である試験サンプル(厚さ2mm)は、TiO濃度が5〜9wt%であるシリカチタニアガラスである。緻密化による応力はTiO濃度が5〜9wt%においてはTiO濃度に比例する。一方、本発明の照射条件にてTiOを含まない合成石英ガラスにX線を照射しても緻密化は起こらず、本発明の照射条件による緻密化は、シリカチタニアガラスに特有の現象である。
緻密化による応力はX線の照射時間に比例するが、本発明の評価条件では1.5時間とする。1.5時間照射すれば、緻密化によって発生する応力を十分に見ることができる。
1.5時間、X線を照射した後、被検体10を取り出して、X線照射領域12と非照射領域14の間の複屈折の測定を行い、計測された複屈折の最大値から、応力Fを式(2)によって算出する。複屈折の測定ピッチPを1mm以下とすると、より正確に複屈折の最大値を求めることができる。また、X線照射前のシリカチタニアガラスの複屈折をあらかじめ測定しておき、X線照射後に同じ箇所の複屈折を測定してその差を取ることで、X線照射により発生した応力をより正確に測定することもできる。尚、複屈折はその値だけでなく、進相軸の向きも持ち、これは応力の方向を表す。従って、X線照射後の進相軸の向きが照射前の進相軸の向きと同じ場合は、照射後の複屈折の値から照射前の複屈折の値を引けばよく、照射後の進相軸の向きが照射前の進相軸の向きと直角をなす場合は照射後の複屈折の値に照射前の複屈折の値を足せばよい。尚、本発明では、複屈折はHINDS社製複屈折測定装置EXICOR350ATを用いて測定した。
本発明のシリカチタニアガラスは、TiOを5〜9wt%含みゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲内にあるシリカチタニアガラスであって、前述した本発明の選別方法により良品として選別されるものである。
本発明のシリカチタニアガラスは超低膨張ガラスとして用いられる。このためTiO濃度が5wt%未満、もしくは、9wt%より高い場合、0〜50℃の温度領域で線膨張係数を0とすることができず、超低膨張ガラスの用を成さない。線膨張係数はシリカチタニアガラスが用いられる温度での線膨張係数が0に近い方がよく、特にTiO濃度が6〜8wt%であると、容易に室温近辺での線膨張係数を0とできるため、より好ましい。TiO濃度はEPMA(Electron Prove Micro Analysis)法によって測定できる。
また、ゼロ膨張温度が前述の範囲を外れると、室温近辺での線膨張が大きくなり、超低膨張材料としての用を成さなくなる。ゼロ膨張温度とは線膨張係数が0となる温度を示す。ゼロ膨張温度は、リソグラフィー装置が常用される10〜40℃の範囲内であるとより好ましい。ゼロ膨張温度はアルバック理工(株)製LIX−2によって測定することができる。
本発明のシリカチタニアガラスは、2150℃より高い温度で加熱される工程を経ていることが好ましい。本発明者らは、本発明のシリカチタニアガラスの選別方法を用いて、各種シリカチタニアガラスの緻密化について調査した。その結果、2150℃より高い温度で加熱される工程を経ているシリカチタニアガラスは緻密化が極めて小さいことを見出した。
2150℃より高い温度に加熱されることで緻密化が抑えられるのは、シリカチタニアガラス中に存在するTiO微結晶を加熱によって完全に融解ガラス化できるためだと思われる。シリカチタニアガラス中に微結晶が存在すると、X線照射による結合の再配列が起こりやすくなり、緻密化が促進される。加熱温度を2200℃より高くすると、より完全に微結晶を融解ガラス化でき、好適である。加熱温度の上限は特に定めがないが、2240℃より高い温度まで加熱されると、ガラスの昇華が著しくなって生産性が大幅に悪化するため、工業上の観点から2240℃以下であるとよい。温度計測には放射温度計を用いると良い。加熱時間は30秒以上加熱することが必要で、1分以上加熱すると、より十分に溶融されるので好ましい。加熱時間の上限は特に定めはないが、ガラスの昇華によるロスを鑑みると20分以下であると良い。また、加熱はシリカチタニアガラス全体を所定の温度にする以外に、シリカチタニアガラスの一部を所定の温度まで加熱し、その後、シリカチタニアガラス、もしくは、バーナーなどの加熱源を移動させながら加熱を行うことで加熱溶融領域を移動させつつ加熱する、帯域溶融法を用いてもよい。
シリカチタニアガラスを加熱する手段は特に限定されず、火炎加熱、電気加熱、マイクロ波加熱等を用いることができる。火炎加熱の場合、酸水素火炎、プロパン火炎のいずれも用いることができる。また、ガラスの流動による変形を抑えるために、旋盤で被処理物であるシリカチタニアガラス、もしくは、シリカチタニアガラスが接合されたダミー棒を把持し、被処理物を回転させながら加熱することが好ましい。この方法によるとシリカチタニアガラスが容器等に接触することなく2150℃より高い温度に加熱することができるため、ガラスと容器等が反応して変質することを避も避けられる。回転速度は5rpm以上であると、円対称形状を維持できる。また、加熱しながら特開2007−186347号公報に例示されるような均質化処理を行うと、機械的攪拌によってTiO微結晶の溶融ガラス化が促進され、微結晶溶融を完全なものとできる。さらに、機械的攪拌によってTiO濃度分布を平坦化できるため、緻密化が抑えられ、かつ高均質なシリカチタニアガラスとすることができる。
本発明のシリカチタニアガラスは、水素分子濃度が1×1017個/cm未満であると良い。シリカチタニアガラス中の水素分子はX線照射による結合の再配列を促進し、水素分子を多く含むシリカチタニアガラスは、緻密化しやすくなる。水素分子濃度は低いほど良く、5×1016個/cm未満であるとより好ましく、1×1016個/cm未満であるとさらに好ましい。水素分子濃度はレーザーラマン分光法により、Zurnal Priladnoi Spectroskopii Vol.46 No.6 pp987〜991 June 1987に記載の方法によって測定した。この測定方法による水素分子濃度の検出下限は2×1015個/cmである。
本発明のシリカチタニアガラスは、OH基濃度が800wtppm以下であると良い。シリカチタニアガラス中のOH基濃度が800wtppmを超えると、2150℃より高い温度に加熱したときのガラスの流動性が大きくなって形状維持が困難になることがある。シリカチタニアガラスの粘性はOH基濃度が低いほど良く、OH基濃度が600wtppm以下であるとより高温処理時の形状維持が容易になり、OH基濃度が200wtppm以下であるとより好ましい。
OH基濃度はフーリエ変換赤外分光装置(Nicolet社製 AVATOR360)を用いて、2.7μmのO−H伸縮振動による吸収の吸光度と試料の厚さt(cm)から、下記式(4)によって求めることができる。
OH基濃度=(吸光度)×100/t ・・・(4)
本発明のシリカチタニアガラスは、EUVリソグラフィー露光装置のミラー基板として特に好適に用いることができる。EUVリソグラフィーにおいて、マスク基板は所望の露光パターンごとに交換されるが、ミラー基板は一度装置が完成すれば交換することなく使い続けられる。そのため、露光装置のミラー基板は特に耐久性が求められる。本発明のシリカチタニアガラスを用いることで、長期間の使用後も基板形状の変化が少なく、結像能力の高いEUVリソグラフィー露光装置とすることができる。
本発明のシリカチタニアガラスの製造方法は以下の工程a)〜c)を含むものである。
工程a)はSi原料とTi原料からTiOを5〜9wt%含むシリカチタニアガラスを合成する工程である。シリカチタニアガラスの合成方法は直接法、VAD法、OVD法のいずれの方法でも良い。TiO濃度は後工程で調整することはできないため、TiO濃度はこの合成段階で調整する。具体的には、TiCl4、Ti(OC、Ti[OCH(CH等のTi源と、SiCl、SiCHCl、Si(CHCl、SiCH(OCH、Si(OCH、Si(OC等のSi源の供給量を適宜調整しながら加水分解もしくは酸化燃焼等をすることによって合成される。VAD法、OVD法では、まずシリカチタニア多孔質体を合成し、これを焼結することでシリカチタニアガラスを得ることができる。尚、OVD法、VAD法で合成した場合、工程b)における加熱で透明ガラス化できるため、工程a)において透明ガラス化しなくてもよい。
工程b)は工程a)で得られたシリカチタニアガラスを2150℃より高い温度で加熱する工程である。加熱温度を2200℃より高くすると、より緻密化の抑えられたシリカチタニアガラスを製造でき、好適である。加熱する手段は特に限定されず、火炎加熱、抵抗加熱、誘導加熱、マイクロ波加熱等を用いることができる。火炎加熱の場合、酸水素火炎、プロパン火炎のいずれも用いることができる。また、ガラスの流動による変形を抑えるために、被処理物であるシリカチタニアガラスもしくはシリカチタニアガラスが接合されたダミー棒を旋盤で把持し、被処理物を回転させながら加熱することが好ましい。この方法によるとシリカチタニアガラスが容器等に接触することなく2150℃より高い温度に加熱することができるため、ガラスと容器等との反応による変質を避けることができる。回転速度は5rpm以上であると、円対称形状を維持できる。回転速度に上限は特にないが、300rpmを超えると、遠心力による形状変化が無視できなくなるため、300rpm以下であることが望ましい。また、加熱しながら特開2007−186347号公報に例示されるような均質化処理を行うと、TiO微結晶の溶融ガラス化と共に、TiO濃度分布の平坦化まで行えるため、緻密化が抑えられ、かつ高均質なシリカチタニアガラスとすることができる。また、加熱しながら、片方もしくは双方のチャックを移動させることにより、シリカチタニアガラスの径を所望の径に変形させることもできる。
工程c)は、工程b)で得られたシリカチタニアガラスを700〜1300℃でアニールする工程である。アニールする温度が700℃未満では歪み抜きができず、また、1300℃を超えると失透を起しやすくなる。アニール時間は1時間以上500時間以下が好適である。アニール時間が1時間未満であると、歪み抜きが不十分になることが多い。歪み抜きが不十分であると、本発明の選別方法において、X線照射前の複屈折が強くなってしまうため、X線照射前後での複屈折変化を把握しにくくなるため、好ましくない。
また、アニールによってシリカチタニアガラス中に含まれる水素分子を外方拡散させてガラス中の水素濃度を低減させることもできる。その場合は10時間以上加熱することが望ましい。また、アニール時間は500時間で十分である。500時間よりも長い時間アニールしてもそれ以上の効果を得ることはできず、生産時間とエネルギーの浪費となる。また、所望の形状に切断、研削してからアニールすることで、歪み抜きや水素拡散にかかる時間を短縮することもできる。
また、工程b)と工程c)との間で、シリカチタニアガラスを加熱炉内に設置して、1500〜1850℃で20分以上5時間以下、加熱することで所望の形状に成型する工程を行っても良い。成型する雰囲気としては、真空雰囲気、もしくは、窒素、アルゴンに代表される不活性ガス雰囲気等であるよい。成型に用いる容器としては、グラファイト製の容器を用いることができる。
前記方法によって得られたシリカチタニアガラスを本発明の選別方法により良品として選別できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
加熱気化されたSiClおよびTiClを酸水素火炎中に導入して生じるSiO−TiO微粒子を回転するシリカチタニアガラスターゲット材に堆積させ、堆積面が一定位置となるように伸長に合わせてターゲットを鉛直方向に引き上げるVAD法により、直径250mm長さ500mmのシリカチタニアガラス多孔質体を作製した[工程a)]。このときのSiClとTiClの流量比は合成されるシリカチタニアガラスのTiO濃度が6.9wt%となるよう調整した。
このシリカチタニア多孔質体を真空中1500℃にて5時間加熱し、直径150mm長さ400mmのシリカチタニアガラス焼結体を得た[工程a)]。
前記得られた焼結体の両端を、夫々旋盤に把持されたシリカチタニアガラス製ダミー棒に溶接し、10rpmで回転させながら酸水素火炎で加熱した。加熱されたガラスの温度が2220℃となるように酸水素の流量を調整した[工程b)]。加熱後、シリカチタニアガラスは透明ガラス体となっていた。
このシリカチタニアガラスをダミー棒から切り離し、大気中1000℃において150時間のアニール処理をすることで、歪み除去されたシリカチタニアガラスを得た[工程c)]。
得られたシリカチタニアガラスから直径6mm長さ20mmの線膨張測定用試料を切り出してゼロ膨張温度Tを測定した。さらに、該線膨張測定用試料に対して下記条件にてX線照射を行った後、この試料のゼロ膨張温度Tを測定した。照射中の圧力は0.1kPaであった。X線源はRhターゲットのX線管で、管電圧50kV、管電流70mAとし、X線管からサンプルまでの距離は20mmとして、10時間照射した。結果を表1に示す。
また、得られたシリカチタニアガラスから、直径30mmで厚さ2mmに両面鏡面研磨されたサンプルを作製し、このサンプルのOH基濃度、水素濃度を測定した。結果を表1に示す。
また、このサンプルの複屈折を測定した後、図2のように直径30mm厚さ1mmで中央に直径10mmの穴が開いたステンレス製マスクをかぶせた状態でX線を1.5時間照射した。照射中の圧力は0.1kPaであった。X線源はRhターゲットのX線管で、管電圧50kV、管電流70mAとし、X線管からサンプルまでの距離は20mmとした。照射を終えたサンプルの複屈折を再び測定し、照射前の複屈折との差を求めることにより、X線照射によって生じた複屈折の最大値dを求めた。この複屈折の最大値dを式(2)に代入することで、応力Fを求めた。結果を表1に示す。応力Fが式(1)を満たすものを○、特に式(3)を満たすものを◎と評価し、式(1)を満たさないものを×と評価した。
(実施例2)
酸水素火炎による加熱温度を2230℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
酸水素火炎による加熱温度を2210℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
酸水素火炎による加熱温度を2200℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
酸水素火炎による加熱温度を2180℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
酸水素火炎による加熱温度を2160℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
SiClとTiClの流量をシリカチタニアガラスのTiO濃度が6.3wt%となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で歪除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
SiClとTiClの流量をシリカチタニアガラスのTiO濃度が5.4wt%となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で歪除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
SiClとTiClの流量をシリカチタニアガラスのTiO濃度が7.5wt%となるように調整した以外は、実施例1と同様の方法で歪除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
加熱気化されたSiClおよびTiClを酸水素火炎中に導入して生じるSiO−TiO微粒子を回転するシリカチタニアガラスターゲット材に堆積、溶融させながら、堆積位置が一定になるように伸長に合わせてターゲットを水平方向に後退させる直接法によって、直径130mm長さ700mmのシリカチタニアガラスを得た[工程a)]。このときのSiClとTiClの流量比は合成されるシリカチタニアガラスのTiO濃度が6.6wt%となるよう調整した。尚、直接法による合成中のシリカチタニアガラスの堆積面温度を放射温度計で測定したところ、1910℃であった。このシリカチタニアガラスを実施例1と同様に酸水素火炎加熱[工程b)]、アニール処理[工程c)]をすることで、歪み除去されたシリカチタニアガラスを得た。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
アニール処理時間を5時間とした以外は実施例10と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを得た。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
Si源をSiCHClとし、酸水素火炎による加熱温度を2170℃とした以外は実施例10と同様の方法で、直径120mm長さ800mmの歪み除去されたシリカチタニアガラスを得た。合成時のSiCHClとTiClの流量比は合成されるシリカチタニアガラスのTiO濃度が7.1wt%となるよう調整した。尚、合成中の堆積面の温度は1950℃であった。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
アニール処理時間を5時間とした以外は実施例12と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを得た。
なお、表1において、TはX線照射前のゼロ膨張温度であり、Tは10時間X線照射後のゼロ膨張温度である。
表1に示した如く、実施例1〜13で得られたシリカチタニアガラスは、X線照射前及び10時間X線照射後のいずれもゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲に含まれており、超低膨張材料であり、且つ優れた耐久性を有していた。
また、表1に示した如く、実施例1〜13のシリカチタニアガラスは、いずれもX線照射による緻密化に起因して生じた応力がいずれも上限未満であり、X線照射による緻密化が抑えられたシリカチタニアガラスであった。
(比較例1)
酸水素火炎による加熱を行わない以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
酸水素火炎による加熱温度を2130℃とした以外は実施例1と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
酸水素火炎による加熱を行わない以外は実施例10と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
酸水素火炎による加熱温度を2130℃とした以外は実施例10と同様の方法で歪み除去されたシリカチタニアガラスを作製した。得られたシリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
市販のシリカチタニアガラスであるコーニング社ULE C7972を得た。このTiO濃度を測定したところ、TiO濃度は6.5wt%であった。該シリカチタニアガラスに対して実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
なお、表2において、TはX線照射前のゼロ膨張温度であり、Tは10時間X線照射後のゼロ膨張温度である。
表2に示した如く、比較例1〜5のシリカチタニアガラスは、緻密化に起因して生じた応力がいずれも上限を大きく超え、X線照射による緻密化の大きなシリカチタニアガラスであった。また、10時間X線照射後のゼロ膨張温度の結果から、耐久性に問題があり、超低膨張材料としては不適当であることが判明した。
10:シリカチタニアガラス、12:X線照射領域、13:緻密化領域、14:X線非照射領域、15:非緻密化領域、16:マスク、22:ステンレス製容器、24:吸気用バルブ、26:排気用バルブ、28:真空ポンプ、P:測定ピッチ。

Claims (5)

  1. a)Si原料とTi原料からTiOを5〜9wt%含むシリカチタニアガラスを合成する工程、
    b)前記工程a)で得られたシリカチタニアガラスを2150℃より高い温度で加熱する工程、及び
    c)前記工程b)で得られたシリカチタニアガラスを700〜1300℃でアニールする工程、
    を含むシリカチタニアガラスの製造方法であって、
    前記c)工程後のシリカチタニアガラスが、厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まるものであることを特徴とするシリカチタニアガラスの製造方法。
    X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
    F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
    (前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
    F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
    (前記式(2)において、dは複屈折である)。
  2. TiOを5〜9wt%含みゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲内にあるシリカチタニアガラスであって、
    厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まることを特徴とするシリカチタニアガラス。
    X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
    F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
    (前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
    F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
    (前記式(2)において、dは複屈折である)。
  3. 2150℃より高い温度で加熱される工程を経ていることを特徴とする請求項2記載のシリカチタニアガラス。
  4. EUVリソグラフィー露光装置のミラー基板として用いられることを特徴とする請求項2または3記載のシリカチタニアガラス。
  5. TiOを5〜9wt%含みゼロ膨張温度が0〜50℃の範囲内にあるシリカチタニアガラスの選別方法であって、
    厚さ2mmの試験サンプルを次の条件で発生したX線が部分的に照射したときのX線照射領域とX線非照射領域との間に生じる引張り応力Fが下記式(1)の範囲に収まるシリカチタニアガラスを良品として選別することを特徴とするシリカチタニアガラスの選別方法。
    X線照射条件:RhターゲットX線管球、管電圧50kV、管電流70mA、照射時間1.5時間。
    F<0.06×C(TiO) ・・・(1)
    (前記式(1)において、Fは下記式(2)により算出される引張り応力(MPa)、C(TiO)はTiO濃度(wt%)である)
    F(MPa)=d(nm/cm)/42[(nm/cm)/(MPa)]・・・(2)
    (前記式(2)において、dは複屈折である)。
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