JP2014140347A - 甘味料組成物およびその製造方法並びにその用途 - Google Patents

甘味料組成物およびその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Abstract


【課題】 異性化糖摂取による疾病罹患リスク、および、希少糖含有シロップの製造工程上若しくは味質上の欠点を克服した、新規甘味料およびその製造方法、並びに、その用途を提供すること。
【解決手段】 特定の条件下で酸および/又は酵素を砂糖に作用させてブドウ糖と果糖へと効率的に分解したのち、さらに特定の条件下でアルカリおよび/又は酵素を用いてこれを異性化し、その異性化生成物中に主に希少糖としてD−プシコースを含ませることにより、砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコース含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにした、または、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにした、甘味料組成物の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、砂糖を原料とし、目的とする甘味料組成物を製造する方法およびその製造された甘味料組成物並びにその用途に関し、具体的には、砂糖を加水分解して得られる、砂糖、ぶどう糖、および果糖、又は、ぶどう糖および果糖を主組成とする混合糖中にD−プシコースが含有された甘味料組成物を製造する方法およびその得られた甘味料組成物並びにその用途に関するものである。
澱粉を糖化して糖化液とし、これをグルコースイソメラーゼで処理して製造される異性化糖は、砂糖の甘味度と同等であることと生産コストの安さから、ソフトドリンクをはじめとする飲料や食品に甘味料として幅広く利用され、世界全体の異性化糖生産量は1730万トンにまで達している(2009年統計)。この異性化糖の代表的な製造方法は、澱粉を酵素で加水分解して澱粉分解物(デキストリン)としたのち、さらに別の酵素で加水分解してブドウ糖溶液(糖化液)とし、次いでグルコースイソメラーゼによりブドウ糖を果糖へと異性化する方法である。異性化反応は平衡反応であるため、この製造方法により得られる異性化糖のブドウ糖と果糖の比率は、通常58:42程度である。さらに、甘味の不足を解消するために、精製果糖を添加する場合があるが、この場合、ブドウ糖と果糖との比率を45:55程度とするのが一般的である。
一方、近年、希少糖は、種々の生理効果を有することから注目され、研究が盛んにおこなわれているが、工業的に広く使用されるためには、これらの希少糖が効率的に生産されることが不可欠である。
希少糖とは、糖の基本単位である単糖のうち、自然界に大量に存在するD−グルコース(ブドウ糖)に代表される「天然型単糖」に対して、「自然界に微量にしか存在しない単糖」と定義付けられている。希少糖の存在量は非常に少なく、D−グルコース(ブドウ糖)に比べて圧倒的に存在量が少ない。
そのなかでも、現在、大量生産が可能な希少糖は、D−プシコースおよびD−アロースである。D−プシコースは、ケトヘキソースに分類されるプシコースのD体であり、六炭糖(ヘキソース)である。
また、D−アロースは、アルドヘキソースに分類されるアロースのD体であり、同じく六炭糖(ヘキソース)である。これらD−プシコースおよびD−アロースは、それぞれ0kcal/gであることがヒト試験(非特許文献1)および動物試験(非特許文献2)においてそれぞれ証明されている。
D−プシコースは、果糖に特定の酵素を作用させることにより得られ、D−ケトヘキソース・3−エピメラーゼ(特許文献1)を作用させた場合、収率20〜25%で生成し、D−プシコース・3−エピメラーゼ(非特許文献3)を作用させた場合は、30%程度の収率で生成し、さらにホウ酸を併用した場合には60%程度の収率で生成するとの報告がある(非特許文献4)。この酵素を用いた希少糖の工業的大量生産を試みる際には、酵素の安全性の確認をはじめ、酵素源となる菌体の培養、酵素の精製、酵素の固定化等、各生産工程についての問題点を順次克服しなければならない。
D−アロースは、D−プシコースを含有する溶液にL-アラビノースイソメラーゼを作用させて、D−プシコースからD−アロースを生成させる(特許文献2)などが知られている。
このように、希少糖は、特定の原料糖に特定の酵素を作用させることによって得られるが、それ以外の取得方法も幾分か開示されている。例えば、1800年代よりロブリー・ドブリュイン−ファン エッケンシュタイン(Lobry de Bruyn and Alberda van Ekenstein)転位反応と呼ばれる、エンジオールを介するアルドース、ケトースの異性化反応が知られている。この異性化反応は、ある糖をアルカリ条件下におくことにより、他の糖に異性化することのできる反応である。この反応を利用すれば、糖を異性化することが可能であるため、若干量の希少糖を得ることはできる(非特許文献5)が、上記生理活性を示す濃度の希少糖を含む異性化物を得るには、実際の工業生産効率に見合わない反応時間を要することや、カラメル化等の副反応による生成物の着色が著しく、その後の精製が困難であるなどの問題があり、工業的な利用は難しいとされている。
特開平6−125776号公報 特開2002−17392号公報 国際公開第2010/113785号 特開2009−515091号公報 PCT/JP2012/67209
Iida T, Hayashi N, Yamada T, Yoshikawa Y, Miyazato S, Kishimoto Y, Okuma K, Tokuda M, Izumori K (2010) Failure of D−psicose absorbed in the small intestine to metabolize into energy andits low large intestinal fermentability in humans. Metabolism 59: p206−214. 伊賀悠祐, 松尾達弘 (2010)、「ラットにおけるD−アロースの体内動態」,日本栄養・食糧学会誌 63: p17−19. Appl.Environ.Microbiol.,2006,74(10),981−5. Appl.Environ.Microbiol.,2008,74(10),3008−13. Carbohydr.Res.,1987,169,13−21.
異性化糖や砂糖に代表される糖質(資化性糖)は、糖尿病や肥満を併発することが、昨今、問題視されている。一方、前述の希少糖は、種々の有用な生理効果を持ち、特に、ブドウ糖および果糖との混合甘味料組成物としたときに優れた抗肥満効果を示すことが明らかになっており、異性化糖をアルカリ異性化することにより希少糖を含有するシロップを製造する方法(特許文献3)や、酵素を利用して希少糖を含有するシロップを製造する方法も報告されている(特許文献4)。しかしながら、これらのシロップは、単糖のみで構成されているために甘味が若干薄く、長きに渡り消費者に親しまれるためには、甘味バランスの点で改良の余地が残されていた。
以上のような甘味に関する欠点を克服した甘味料および製造法は、これまでに存在せず、生産効率および安全面を考慮した工業的に実用可能な製造法が得られていないのが現状である。甘味に関する欠点は、原料として異性化糖(前述した、主に、澱粉の分解等により得られるブドウ糖および果糖から成る組成物)を用いており、異性化糖がオリゴ糖を含み組成も違うことから甘味度、甘味質ともに砂糖とは異なっていることに基づくと考えられるので、砂糖を原料とした希少糖を含む甘味料の製造を試みることとした。砂糖は、異性化糖が普及する以前は高価であったことから、異性化糖に取って代わられる傾向が続いてきたが、現在では世界で1億8千万tほど生産されており、価格も比較的安定してきている。砂糖を原料とすることで、砂糖の良質な甘味を利用できるし、また、砂糖は、ブドウ糖と果糖が結合した二糖であるので、ブドウ糖および果糖の供給原料としても利用できるので、異性化糖よりコスト的に安くなると考えられる。さらに、上述したとおり、砂糖を原料とした希少糖を含む甘味料は、異性化糖を原料とした甘味料よりも雑味が少なくなるという利点もある。これら資化性糖をベースに、甘味および物性面で優れ、かつ、これらの疾病を引き起こさない甘味料の上市が望まれる。
よって、本発明は、異性化糖を摂取することによる上記疾病罹患リスク、および、希少糖含有シロップの製造工程上若しくは味質上の欠点を克服した、新規甘味料およびその製造方法並びにその用途を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、特定の条件下で酸および/又は酵素を砂糖に作用させてブドウ糖(D−グルコース)と果糖(D−フラクトース)へと効率的に分解したのち、さらに特定の条件下でアルカリおよび/又は酵素を用いてこれを異性化し、その異性化生成物中に主に希少糖としてD−プシコースを含ませることにより、特定の糖組成を有する甘味料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、具体的には、本発明は以下の(1)〜(9)の甘味料組成物の製造方法からなる。
(1)砂糖を原料とし、原料砂糖の加水分解により砂糖加水分解物である砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースの混合物を得る工程、および該砂糖加水分解物を異性化することにより最終生成物である砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖の混合物、または、D−グルコース、D−フラクトースおよび少なくともD−プシコースを含む希少糖の混合物を得る工程を経ること、原料砂糖の加水分解反応の程度により、最終生成物中の砂糖の含量を調節すること、最終生成物は、砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコース含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにした、または、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにしたことを特徴とする甘味料組成物の製造方法。
(2)原料砂糖の加水分解工程は、酸および/または酵素を用いた分解により、砂糖加水分解物を異性化する工程は、アルカリ異性化、カルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化および/または酵素異性化により行われる、上記(1)記載の甘味料組成物の製造方法。
(3)アルカリ異性化は、D−プシコース、D−アロース、D,L−ソルボース、D−タガトース、およびD−マンノースを含む希少糖を生成し、最終生成物は、これら単糖と、砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物となる、上記(2)記載の甘味料組成物の製造方法。
(4)酵素異性化は、果糖からD−プシコースが生成するのみで、最終生成物は、D−プシコースと、砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物となる、上記(2)記載の甘味料組成物の製造方法。
(5)酵素異性化は、アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)由来の異性化酵素を使用して行われる、上記(2)または(4)記載の甘味料組成物の製造方法。
(6)酵素異性化は、1000U/湿重量樹脂(g)の活性を有する固定化酵素を使用して行われる、上記(2)、(4)または(5)記載の甘味料組成物の製造方法。
(7)最終生成物が甘味強度および雑味の少ない甘味組成物である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
(8)最終生成物がフレーバーリリースを高める甘味組成物である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
(9)最終生成物が砂糖の割合が、10部から75部の良好な濃厚感と甘味バランスを持つ甘味組成物である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
(10)最終生成物が砂糖の割合が、砂糖の割合が10部から80部のインスリン分泌量が有意に低減される機能を持つ甘味組成物である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
また、本発明は以下の(11)の甘味料組成物、(12)および(13)の飲食物、(14)および(15)の医薬品、医薬部外品、化粧品からなる。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の製造方法により得られた甘味料組成物。
(12)上記(11)に記載の甘味料組成物を使用してなる飲食物。
(13)体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制する旨の表示を付した上記(12)に記載の飲食物。
(14)上記(11)に記載の甘味料組成物からなる医薬品、医薬部外品、化粧品。
(15)体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制するための上記(14)に記載の医薬品、医薬部外品、化粧品。
本発明によれば、砂糖を原料とすることで、砂糖の良質な甘味を利用でき、かつ、砂糖は、ブドウ糖と果糖が結合した二糖であるので、ブドウ糖および果糖の供給原料としても利用でき、異性化糖を原料とするよりコスト的に安くなり、これら資化性糖をベースに、甘味および物性面で優れ、かつ、これらの疾病を引き起こさない甘味料を提供することができる。異性化糖を摂取することによる糖尿病や肥満を併発という疾病罹患リスク、および、希少糖含有シロップの製造工程上若しくは味質上の欠点を克服した、新規甘味料およびその製造方法並びにその用途を提供することができる。すなわち、本発明によれば、砂糖、D−グルコース、D−フルクトース、およびD−プシコースをはじめとする希少糖を、バランス良く含んだ砂糖の味質に近い甘味料組成物を提供することができる。また、本発明は、物性面だけでなくコストパフォーマンスに優れた製造法であるため、医薬品もしくは医薬部外品、口腔用組成物、化粧品および食品、食品添加物に、安価かつ安全に利用できる甘味剤を提供することができる。さらに、本発明品は、異性化糖または砂糖そのものよりも味質かつ機能性に優れた甘味剤であるので、飲食品物に対して、抗肥満剤、摂食抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、又は低カロリー甘味剤としての特質を持たせることが可能となる。
砂糖を原料とした、希少糖を含む甘味料の製造フローを示す。 本発明の各甘味料組成物をヒトに摂取させたときの血糖値曲線下面積を示す。 本発明の各甘味料組成物をヒトに摂取させたときのインスリン濃度曲線下面積を示す。
本発明は、砂糖を原料とし、砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、希少糖(D−プシコース等)などを特定の組成割合で含ませるようにした甘味料組成物およびその製造方法並びにその用途からなる。
原料となる砂糖の加水分解反応の程度により、最終的に得られる甘味料組成物中の砂糖の含量を調節することが可能であり、さらに、次工程の異性化反応の程度により、最終的に得られる甘味料組成物中の希少糖の含量を調節することができるが、本発明の味質上の効果を得るためには、最終甘味料組成物における砂糖は3〜80%であることが望ましく、D−プシコースは3%以上含まれていることが望ましい(以降、特に明記しない限り、%は糖組成物(固形物)における質量%を示す)が、砂糖を含ませないよう調製した甘味組成物の比較をしても、砂糖を原料とすることで異性化糖を原料としたときよりも、より雑味の少ない甘味料組成物となる。
本発明の甘味料組成物中のD−プシコース含量は3%以上であるときに味質上の効果が得られるが、砂糖の分解後に行う異性化の手法として、後述するアルカリ異性化を選択した際には、D−プシコース以外のD−アロース、D−タガトース、D−アルトロースなどの希少糖のほか、D−マンノース、D−ソルボース、L−ソルボースなどが生成する。アルカリ異性化反応は過度に進行すると着色が著しく進み、後の精製が困難であるので、この精製工程にコストをかけない異性化反応の程度としては、D−プシコースおよびD−アロースの組成が、最終甘味料組成物中の砂糖を除いたときの糖質量に対して、それぞれ0.5〜17.0%(好ましくは1〜15%)および0.2〜10.0%(好ましくは0.4〜8%)が望ましく、この組成に設定することで、本発明の味質上の効果と精製工程のコストダウンが両立された甘味料組成物を得ることができる。また、砂糖を除き、他の生成希少糖と併せて最終甘味料組成物中に含まれるD−プシコースがおよびD−アロースがそれぞれ2.3%以上 および1.3%以上のときには、、本発明の甘味料組成物は、抗肥満剤、摂食抑制剤、およびインスリン抵抗性改善剤として使用できる特性を示し、加えて、希少糖含量が多いほどに低カロリーとなるため、低カロリー甘味剤として使用することもできる。
[原料砂糖]
本発明において原料となる砂糖は、D−グルコース(ブドウ糖)およびD−フラクトース(果糖)が結合した糖が含まれたものであればよく、甘蔗や甜菜などの原料由来に限定されず、分密糖や含密糖などの製法の違いや、白双糖、中双糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、転化糖、角砂糖、氷砂糖、黒糖、赤糖、および和三盆などの製品分類にも限定されることなく、また、砂糖の精製過程における何れの糖液であっても構わず、砂糖を含むものすべてを指す。さらに、本発明においては、原料となる砂糖として、砂糖を含む3糖以上のオリゴ糖(フラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、ラクトスクロース、テアンデロース等)を利用することもできる。
上記に挙げられる原料の砂糖を製造に用いる際の濃度に関しては、事後の濃縮工程の簡素化を考慮すれば、原料糖液濃度が高いほど好ましいが、原料砂糖液の濃度が低いほど希少糖の収率を上げることができることから、生産効率を同時に考慮すれば、原料砂糖液の濃度は3〜80%、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜40%が良い。
一方、固定化酵素の担体樹脂および精製に使用する樹脂の浮遊を防止する観点からすれば、3〜40%程度がより好ましい。
また、糖濃度を調節することによって生成組成物比の異なる混合糖を得ることも可能であり、例えば、糖濃度100%の原料、すなわち粉体に対して酸若しくはアルカリを噴霧して生産することも可能である。
[原料砂糖の加水分解]
原料砂糖の加水分解工程は、酸および/または酵素を用いた分解により行われる。原料糖を加水分解するためには酸(酸性溶液)を用いることができる。酸を用いた分解は、無機酸、スルホン酸またはカルボン酸を酸性溶液として使用して行われる。より詳細には、本発明において、酸性溶液としては、無機酸類(塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、次亜塩素酸、過塩素酸、リン酸、ホウ酸、フルオロスルホン酸等)、スルホン酸類、カルボン酸類(酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸等)などを適宜使用することができるが、安全性および費用の面から、塩酸が好ましい。最適な酸の濃度は、反応時間および温度に左右されるが、通常、原料砂糖溶液中に0.01〜5mol/l程度含有させることが好ましい。また、酸分解の反応温度は、20℃以上が好ましく30℃〜100℃がより好ましい。
砂糖を加水分解する方法としては、上記酸による分解によらず、酵素を用いて分解することもできる。酵素を用いた分解は、インベルターゼを使用して行われる。より詳細には、酵素としては、サッカラーゼ;インベルターゼ(IUPAC−IUB系統名はβ−D−フルクトフラノシダーゼ(E.C. 3.2.1.26))が挙げられ、菌株由来は特に限定されない。
酵素濃度に関しては、基質濃度および反応時間によって異なるが、通常、100unit/mg の酵素を基質に対して0.00075〜0.003% (w/w)で使用することが好ましく、酵素の反応条件や酵素の固定化条件によっては、適宜変更することもできる。また、酵素の反応温度は、20℃以上が好ましく、30℃〜100℃がより好ましい。最適には60℃近辺である。
インベルターゼ酵素の固定化は、市販インべルターゼを緩衝液(pH7)に溶解し、カラム充填樹脂に対して4℃で通液させることにより、イオン交換樹脂にインベルターゼ酵素タンパク質を結合させた固定化インベルターゼ酵素を得る。
以上のように、原料砂糖の加水分解は、酸又はインベルターゼを用いた分解の何れによっても行うことができるが、一般的には、得ようとする生成物の組成によって使い分けることができ、何れか一方のみを使用することもできれば、併用することもできる。
[砂糖加水分解物の異性化]
砂糖加水分解物を異性化する工程は、アルカリ異性化、カルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化および/または酵素異性化により行われる。
まず、酵素異性化について説明する。
原料である砂糖を加水分解後、果糖よりD−プシコースを生成せしめるためには、タガトース−3エピメラーゼ又はプシコース−3エピメラーゼといった異性化(エピ化)酵素を用いる手法を選択することができる。これら異性化酵素であるタガトース−3−エピメラーゼ又はプシコース−3エピメラーゼの取得源となる微生物の菌株由来は特に限定されないが、食品にも用いることの出来る安全な菌種である。
食品を製造する際に使用が認められる既存添加物名簿収載リストに収載されている菌種であって毒性がほとんどないとされる菌種から、高い収率でD−フラクトースからD−プシコースへの異性化を触媒する新規なケトース3−エピメラーゼを産生するアルスロバクター(Arthrobacter)属の菌種(特許文献5)であることが望ましく、アルスロバクター属グロビホルミス種がより好ましく、アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)であれば、なお好ましい。酵素濃度に関しては、基質濃度および反応時間によって適切な範囲が異なるが、酵素の固定化時には、1000U/湿重量樹脂(g)程度の活性を有するものが好ましい。
酵素異性化を行う反応温度としては、20℃以上が好ましく、30℃〜80℃がより好ましい。実用的には45℃近辺が好ましい。
上記のアルスロバクター グロビホルミスについて説明する。本発明で使用することができるケトース3−エピメラーゼは、アルスロバクター(Arthrobacter)属に属し、ケトース3−エピメラーゼ産生能を有する微生物を培養し、培養液中に生育した菌体中からケトース3−エピメラーゼを採取することにより調製することができる。アルスロバクター(Arthrobacter)属に属する微生物としては、例えば、アルスロバクター グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)M30(寄託番号NITE BP−1111)株およびこれらの変異株などが有利に利用できる。M30株はケトース3−エピメラーゼの産生能が比較的高く、本発明の酵素を得る上で好適である。M30株は、日本国独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(日本国千葉県木更津市東かずさ鎌足2−5−8)に2011年6月22日原寄託されたNITE P−1111からブタペスト条約に基づく寄託への移管を2012年5月2日に請求し、受託番号 NITE BP−1111して国際寄託された。
すなわち、本発明で使用することができる好ましいケトース3−エピメラーゼは、アルスロバクター属に属する微生物から得ることができ、下記(A)、(B)の基質特異性を有するケトース3−エピメラーゼである。
(A)D−またはL−ケトースの3位をエピマー化し、対応するD−またはL−ケトースを生成する。
(B)D−またはL−ケトースの中ではD−フラクトースおよびD−プシコースに対する基質特異性が最も高い。
アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)由来のケトース3−エピメラーゼは、SDS‐PAGEによるサブユニットの分子量が約32kDaであり、ゲル濾過法による分子量が120kDaである、サブユニットの分子量が32kDaのホモテトラマー構造であり、 下記の理化学的性質(a)〜(e)を有し、かつ、下記の基質特異性1.〜8.を有する(特許文献5参照)。
(a)至適pH
30℃、30分間反応、20mMのマグネシウム(Mg2+)存在下の条件で、6ないし11。
(b)至適温度
pH7.5、30分間反応、20mMのマグネシウム(Mg2+)存在下の条件で、60ないし80℃。
(c)pH安定性
4℃、24時間保持の条件下で、少なくともpH5ないし11の範囲で安定。
(d)熱安定性
pH7.5、1時間保持、4mMのマグネシウムイオン(Mg2+)の存在下の条件で、約50℃以下で安定。マグネシウムイオン(Mg2+)の非存在下の条件で、約40℃以下で安定。
(e)金属イオンによる活性化
二価マンガンイオン(Mn2+)、二価コバルトイオン(Co2+)、カルシウム(Ca2+)およびマグネシウムイオン(Mg2+)により活性化される。
1.D-フルクトースを基質としたときの相対活性が43.8%、
2.D-プシコースを基質としたときの活性が100%、
3.D-ソルボースを基質としたときの相対活性が1.13%、
4.D-タガトースを基質としたときの相対活性が18.3%、
5.L-フルクトースを基質としたときの相対活性が0.97%、
6.L-プシコースを基質としたときの相対活性が21.2%、
7.L-ソルボースを基質としたときの相対活性が16.6%、
8. L-タガトースを基質としたときの相対活性が44.0%。
ただし、D−プシコースのエピ化活性を100としてそれぞれのケトースに対する活性を相対活性として示している。
[異性化酵素の固定化]
また、異性化酵素はイオン交換樹脂などの適切な基材に固定化して用いることがっとも実用的である。全体の製造工程は、混合および加熱処理からなる簡便な工程であり、バッチ式または連続式のいずれの方式でも適用することができる。連続式の場合、原料砂糖の加水分解工程と砂糖加水分解物を異性化する工程を一連の工程で行い、さらに、アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)から得られる酵素を固定化して行われる。このように、砂糖を原料とした加水分解と異性化工程を一連の工程で行い、更に、この菌種から得られる酵素を固定化して製造に用いた製造法はこれまでになく、新規な製造法といえる。酵素異性化は、1000U/湿重量樹脂(g)の活性を有する固定化酵素を使用して行われる。アルスロバクター属の生産する異性化酵素は、培養により得た菌体を緩衝液(pH7.0)に懸濁し、冷却しながら超音波処理により細胞破砕するか、リゾチームによる処理を用いて該菌体の細胞壁に存在する多糖類成分を消化して該菌体細胞を破壊するかして得られた破壊細胞の溶液から粗酵素液として採取することができる。カラム充填したイオン交換樹脂に対し、上記粗酵素液を低温(4℃)下で通液させ、イオン交換樹脂に粗酵素タンパク質を結合させ、精製水を通液させて洗浄し、固定化酵素を得ることができる。商業的生産に完全に満足できる安定性(活性維持)の点で連続生産に耐えられる固定化系が得られた。得られた固定化酵素を用いて連続的で大量のエピ化反応を行うことができる。
上記M30菌体の固定化については0.1〜2%塩化ナトリウムとリゾチームによる破砕処理後に40〜70℃、5〜60分間の加熱処理後に得られる上清に、活性を有するケトース3−エピメラーゼが多く得られることがわかったため、別途特許出願を予定している。
原料の砂糖を分解したのちに異性化する手段としては、上記の酵素による異性化(エピ化)に限らず、アルカリ異性化を利用した手法を選択することもできる。アルカリ異性化反応を行う際に使用するアルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化鉛、水酸化ストロンチウム、水酸化マグネシウム、水酸化スズ、水酸化アルミニウムが挙げられるが、安全性および費用の面から、水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムが好ましい。
最適なアルカリ濃度は、イオン交換樹脂を併用するか否かによって左右されるが、通常、ヘキソース(六単糖)溶液中に0.005mol/l以上含有されていることが好ましい。
アルカリ異性化の反応温度に関しては、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃〜100℃である。
さらに、カルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化は、カルシウムイオンを生成するカルシウム塩の存在下にヘキソースの異性化反応を進行させて行われる。
特許文献3には、塩化カルシウムを用いたブドウ糖の異性化方法が記載されているが、本発明においてもカルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化反応を行うことができる。本発明においては、カルシウムイオンを生成するカルシウム塩、例えば、塩化カルシウムの存在下にヘキソースの異性化反応を進行させる、すなわち、例えば、果糖からD−プシコースとD−アロースを含有する糖組成物を製造することができる。カルシウム塩は、アルカリ共存下にあるほうが望ましく、糖液中に0.005mol/l以上含有されていることが好ましい。カルシウム塩が存在する系では、塩基性イオン交換樹脂の共存は必ずしも必要ではない。
[最終生成物]
原料となる砂糖の加水分解反応の程度により、最終生成物中の砂糖の含量を調節する。最終生成物は、砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖を特定割合で含ませるように、または、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにした。アルカリ異性化を行うと、D−プシコース、D−アロース、D,L−ソルボース、D−タガトース、およびD−マンノースを含む希少糖を生成し、最終生成物は、これら単糖、砂糖、ブドウ糖、および果糖の混合物となる。カルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化は、果糖からD−プシコースおよびD−アロースを含む希少糖を生成し、最終生成物は、これら単糖、砂糖、ブドウ糖、および果糖の混合物となる。酵素異性化を行うと、果糖からD−プシコースが生成するのみで、最終生成物は、D−プシコース、砂糖、ブドウ糖、および果糖の混合物、または、D−プシコース、ブドウ糖、および果糖の混合物となる。アルカリ異性化又は酵素異性化の何れを用いるかは、加水分解する量と、得ようとする生成物の組成によって使い分けることができ、何れか一方のみを使用することもできれば、両者とも使用することができる。
その他、原料砂糖濃度、酸濃度、アルカリ濃度、酵素濃度、反応温度などを適宜変えることにより、生成される組成物の糖組成の調整が可能であり、すなわち、最終的に甘味料として好ましい味質、物性になる様に調整した組成物を得ることができる。また、特に厳密な組成比調整を必要とする場合には、砂糖、ブドウ糖、果糖、希少糖などを適宜添加して調整することも可能である。反応時間を早めたい場合には、圧力をかけて生産性を向上させることもできる。
また、得られる反応液の精製に関しては、通常、糖質産業で使用されているイオン交換樹脂、活性炭、およびろ過による精製を適宜用いることができ、例えば、得られる反応液から目的としない糖の分離をカラムクロマトグラフィにより除いたり、糖とキレートする薬剤を用いて沈殿分離することができる。本発明の方法によれば、カラムクロマトグラフィによる分離を行う前に著しい褐変は生じないが、カラムの寿命を考慮し、活性炭による脱臭、脱色過程などの一般的に知られる精製工程を前段に加えることもできる。また、クロマト分離様式に関しては、疑似移動相クロマトグラフィが本目的には最適であるが、特に限定されるものではない。
さらに、分離工程の利点を鑑みると、得られる反応液から希少糖のみを分離し、適宜、混合糖に加えて目的とする組成物にすることも可能であるので、目的とする糖の分離後に残る糖液を再利用することが可能となる。すなわち、原料糖に残糖液を再合一して再び加水分解反応工程へと導くことにより、連続プラントを構築することができるので、製造工程を簡略化することができる。
本発明の好ましい態様を図1に図式化して示す。
本発明の製造方法によれば、図1に示される生産フロー(装置)を組むことが可能であり、この一連の工程をもって簡便に本発明の甘味料組成物を得ることができる。
図1において、工程1は原料砂糖を溶解させるタンク、工程2は原料砂糖を酸加水分解するタンク、3は原料砂糖を加水分解するインベルターゼ固定化カラムである。砂糖の加水分解は、加水分解時間や反応効率などを考慮して、工程2又は3を用いることができる。次いで、4、5の工程はアルカリによる異性化工程又は酵素による異性化工程であり、何れを用いても良いが、アルカリによる異性化は、D−プシコース以外の希少糖も生成する一方、酵素による異性化は希少糖としてD−プシコースのみを生成するため、目的に応じてその工程を選択することができる。工程6は、イオン交換樹脂、活性炭、フィルター等の糖精製に用いられる一般的な精製工程である。さらに、工程7まで進めて、希少糖単品を分離取得することもできる。工程7で希少糖を分離取得した場合、残存する砂糖、ブドウ糖、果糖の混合糖液を再び工程1に戻して原料糖として再利用することができる。
[最終生成物の用途]
本発明により、砂糖を原料とした甘味強度および雑味の少ない甘味組成物を得ることができる。砂糖を原料としたフレーバーリリースを高める甘味組成物を得ることができる。上述した砂糖を原料とした希少糖を含む甘味料が異性化糖を原料とした甘味料よりも雑味が少なくなる利点という観点からは、砂糖の割合が、10部から75部の良好な濃厚感と甘味バランスを持つ甘味組成物を得ることができる。さらに、上述した甘味および物性面で優れ、かつ、糖尿病や肥満を併発するなどの疾病を引き起こさない甘味料という観点からは、砂糖の割合を約80部まで増加させてもインスリン分泌量が有意に低減される機能を持つ甘味組成物であることが裏付けられた。したがって、本発明は、上記の甘味料組成物を使用してなる飲食物、体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制する旨の表示を付した飲食物に係わる。また、甘味料組成物からなる医薬品、医薬部外品、化粧品、体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制するための医薬品、医薬部外品、化粧品に係わる。
本発明の甘味料組成物を飲食物に利用する場合、その形態は特に限定されるものではなく、そのままの形態、オイルなどの溶媒に希釈した形態、乳液状の形態、または食品業界で一般的に使用される担体を添加した形態など、いずれの形態であってもよい。
本発明の甘味料組成物を利用する具体的な対象飲食物としては、以下のものを例示することができる。すなわち、洋菓子類(プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、チューインガム、チョコレート、ペストリー、バタークリーム、カスタードグリーム、シュークリーム、ホットケーキ、パン、ポテトチップス、フライドポテト、ポップコーン、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ワッフル、ケーキ、ドーナツ、ビスケット、クッキー、せんべい、おかき、おこし、まんじゅう、あめなど) 、乾燥麺製品(マカロニ、パスタ)、卵製品(マヨネーズ、生クリーム)、飲料(機能性飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、アルコール飲料、ビール風飲料)、嗜好品(緑茶、紅茶、インスタントコーヒー、ココア、缶入りコーヒードリンク)、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒー用ミルク、バター、バターソース、チーズ、発酵乳、加工乳)、ペースト類(マーマレード、ジャム、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、果実のシロップ漬け)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、ラード)、魚介類製品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、ハンペン、魚の干物、鰹節、鯖節、煮干し、うに、いかの塩辛、スルメ、魚のみりん干し、貝の干物、鮭などの燻製品)、佃煮類(小魚、貝類、山菜、茸、昆布)、カレー類(即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー)、調味料(みそ、粉末みそ、醤油、粉末醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、オイスターソース、固形ブイヨン、焼き肉のたれ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素、ペースト、インスタントスープ、ふりかけ、ドレッシング、サラダ油)、揚げ製品(油揚げ、油揚げ菓子、即席ラーメン)、豆乳、マーガリン、ショートニングなどを挙げることができる。
また、上記飲食物は、機能性食品、栄養補助食品、あるいは健康食品の類としても用いることができる。その形態は、特に限定されるものではなく、例えば、アミノ酸バランスのとれた栄養価の高い乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミンなどの蛋白質、これらの分解物、卵白のオリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物などとともに、常法に従って使用することができる。また、ソフトカプセル、タブレット、フィルムなどの形態で利用することもできる。
上記栄養補助食品あるいは機能性食品の例としては、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料などが配合された流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤などの加工形態を挙げることができる。これら各種飲食品のうち、例えば、スポーツドリンク、栄養ドリンクなどの飲食物は、栄養バランスや風味の向上を目的として、さらにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料、色素などを配合することもできる。
本発明の甘味料組成物は、上記のほか、糖質代謝異常および/又は脂質代謝異常改善を目的とした食品素材あるいは食品添加物として利用することができ、薬剤として使用する場合は、錠剤、カプセル剤、飲料に溶解させる用途の粉末や顆粒といった固形剤、ゼリーなどの半固形体、飲料水などの液体、希釈して用いる高濃度溶液などの形態で利用することができる。
さらに、本発明の甘味料組成物を適宜飲食品に添加して糖質代謝異常および/又は脂質代謝異常改善を目的とした保健食又は病人食とすることもでき、任意成分として、一般に食品に添加されるビタミン類、炭水化物、色素、香料などを適宜配合することができる。その形態についても、液状、固形状、あるいは、ゼラチンなどで外包してカプセル化した軟カプセル剤の形態でもよく、該カプセルは、例えば、原料ゼラチンに水を加えて溶解し、これに可塑剤(グリセリン、D−ソルビトールなど)を加えることにより調製したゼラチン皮膜でつくることができる。
また、本発明の甘味料組成物は、家畜、家禽、ペット類の飼料用に応用することができる。例えば、ドライドッグフード、ドライキャットフード、ウェットドッグフード、ウェットキャットフード、セミモイストドックフード、養鶏用飼料、牛、豚などの家畜用飼料に配合することができる。飼料自体は、常法に従って調製することができる。
これらの治療剤および予防剤は、ヒト以外の動物、例えば、牛、馬、豚、羊などの家畜用哺乳類、鶏、ウズラ、ダチョウなどの家禽類、は虫類、鳥類或いは小型哺乳類などのペット類、養殖魚類などにも用いることができる。
また、本発明による甘味料組成物は、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビア、モナチン、モネリン、ミラクリンなどの高甘味度甘味料、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコール、ケトース、アルドースなどの甘味料とさらに混合して甘味を調節して甘味料を調製することができる。
本発明の甘味料組成物は、食品、保健用食品、患者用食品、食品素材、保健用食品素材、患者用食品素材、食品添加物、保健用食品添加物、患者用食品添加物、飲料、保健用飲料、患者用飲料、飲料水、保健用飲料水、患者用飲料水、薬剤、製剤原料、飼料、患畜および/又は患獣用飼料、医薬品若しくは医薬部外品、口腔用組成物、化粧品、食品添加物などの、甘味もしくは機能性を必要とするものすべてに利用することができ、安全に使用できる甘味料組成物を簡便かつ安価に提供することができる。
また、本発明によれば、特定のヘキソースが有する生理的作用に着目した、特定のヘキソースを含有する糖組成物、および、それを用いた特定用保健食品、医薬品若しくは医薬部外品、口腔用組成物、化粧品等を提供することができ、具体的には、砂糖、ブドウ糖、果糖、およびD−プシコースを含有し、異性化する手段としてアルカリ異性化反応を選択した場合には、D−アロース等をも含有する、味質的にも物性的にも生理的にも優れた糖組成物が得られるので、資化性糖、例えば、異性化糖や砂糖に対して、味質的に優れた甘味剤、抗肥満剤、摂食抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、低カロリー甘味剤、血圧抑制剤としての特質を持たせることが可能となる。
特筆すべきは、得られる本発明の甘味料組成物は、これまでに知られている単糖とは異なり、低カロリーであり、食欲抑制効果を持つため、抗肥満効果も優れるなどの新たな特質を備えていいることである。また、本発明の甘味料組成物は、甘味質が砂糖に近く、カロリーが低いために、低カロリー甘味剤として幅広く使用することができる。
上記飲食物は、本発明の甘味料組成物をその原料として配合することにより、加工製造することができ、上記飲食物に対する本発明の甘味料組成物の配合量は、対象となる飲食物の形態により異なるため、特に限定されるものではないが、通常、飲食物中において0.1〜50質量%が好ましい。
本発明の新規糖組成物は、ソフトドリンクや他の飲料の甘味料として広く使用されることが期待できるばかりか、食品、医薬品もしくは医薬部外品、口腔用組成物、化粧品に利用されることが期待される。
本発明を実験例および実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。
<実験例A:砂糖の酸加水分解>
砂糖と塩酸を用い、砂糖3%(w/v)を含有する0.7mol/l 塩酸溶液を調整した。これを温度40℃にて20分、30分、50分、80分の加水分解をそれぞれ行った。分解液を水酸化ナトリウムで中和後、HPLC(検出器;RI、カラム;三菱化成 MCI GEL CK 08EC、移動相;水、流速; 0.4ml/min)にて分析した(この分析条件は、以降の実験例でも同様である)。
得られた加水分解物の糖組成(%)を以下の表1に示す。
次に、酸加水分解により得られる糖組成が、異なる濃度においても同様に分解がおこるかを確認するため、砂糖80%(w/w)溶液を90℃で酸加水分解条件において糖組成を確認したところ、分解が確認された。
また、酸加水分解により得られる糖組成が、異なる酸濃度によっても分解がおこるかを確認するため、塩酸濃度0.01〜5 mol/lの各濃度の塩酸による加水分解で得られる糖組成を確認したところ、分解が確認された。
<実験例B〜D:砂糖の酵素加水分解>
砂糖とインベルターゼ(MP Biomeicals, Inc.製、100unit/mg)を用い、インベルターゼ(0.003% w/w;砂糖g)を含有する3%(w/v)砂糖溶液を調整した。これを温度40℃にて20分、30分、40分の加水分解をそれぞれ行い、実施例1と同様の方法でHPLC分析を行った。
得られた加水分解物の糖組成(%)を以下の表2に示す。
次に、インベルターゼ(0.00075% w/w;砂糖g)を含有する25%(w/v)砂糖溶液を調整し、これを温度40℃にて10分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分の加水分解をそれぞれ行い、同様にHPLC分析を行った。
得られた加水分解物の糖組成(%)を以下の表3に示す。
さらに、市販インべルターゼ(DSM社製;200U/mg)をイオン交換樹脂(樹脂:IRA904、カラム内径1.5cm、固定化酵素1500U/湿重量(g))に固定化し(手法については、下に示す。)、この樹脂20mlを用いて、温度45℃、送液速度 3ml/min、速度2ml/min、速度1ml/minで砂糖30%溶液を送液して反応させた。この時にカラムから溶出してくる反応液をサンプリングしてHPLC分析を行った。
得られた加水分解物の糖組成(%)を表4に示す。
インベルターゼ酵素の固定化:
0.2gの市販インべルターゼ(DSM社製、200000U/g)をリン酸緩衝液(pH7)に溶解し、その200mlを20mlのカラム充填樹脂に対して4℃で通液(SV=1)させることにより、イオン交換樹脂にインベルターゼ酵素タンパク質を結合させた。固定化効率は75%であった。次いで、1Lの精製水を通液させて洗浄し、最終的に固定化酵素(1500U/湿重量(g))を得た。
<実験例E:砂糖の酵素加水分解物のアルカリによる異性化反応>
実験例2における実験区C3,C4,C5で得られた酵素加水分解物の各液を0.1MNaOHとなるよう調製し、温度60℃で2時間、異性化反応を行った。異性化反応後の反応液の一部をサンプリングし、糖組成をHPLCにより分析した。
得られたアルカリ異性化反応物の糖組成を以下の表5に示す。
<実験例F:砂糖の酵素加水分解物の酵素による異性化反応>
実験例2における実験区C1,C3,C4,C8で得られた加水分解物を、アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)から抽出して、イオン交換樹脂に固定化した酵素に供し(固定化の手法については、下に示す)、異性化反応を行った。異性化は、温度45℃、送液速度0.5ml/minで、イオン交換樹脂50ml(樹脂:アンバーライトIRA900J、カラム内径1.5cm)に送液することにより行い、カラム溶出液をサンプリングして、その糖組成を分析した。
得られた酵素異性化反応物の糖組成(%)を以下の表6に示す。
※アルスロバクター属の生産する異性化酵素の固定化:
〈超音波による菌体内酵素の抽出〉
培養により得た菌体60gを10mMリン酸緩衝液(pH7.0)600mlに懸濁し、氷水中で冷却しながら超音波ホモジナイザー(株式会社SONICS&MATERIALS)で細胞破砕後、50℃で15分間の熱ショックを与えた。この破砕物を12000rpm・20分の遠心分離により得た上清約500mlを粗酵素液とした。
〈粗酵素の固定化〉
カラム充填したイオン交換樹脂(アンバーライトIRW904J、カラム内径1.5cm)に対し、上記粗酵素液を通液(4℃、SV=1)させ、イオン交換樹脂に粗酵素タンパク質を結合させた。次いで、1Lの精製水を通液させて洗浄し、固定化酵素を得た(固定化酵素1000U/湿重量(g))。〈通液反応〉
原料糖として、高果糖液糖をBx30となるように10mMリン酸緩衝液(pH 7.5)を用いて調製し、送液速度0.5ml/minで上記固定化酵素樹脂50mlに送液した(40℃)。半減期は51日目であり、本固定化法は産業上、非常に優れているといえる。
[実施例1]
<糖組成物の官能評価1>
20歳代〜40歳代の味覚に精通したパネラー5名を用い、実験例E、Fにおいて得た糖液の組成物(E1、E3、F1、F3)、各糖を適宜混合して作成したG1(ブドウ糖49:果糖42:D−プシコース7)、G2(ブドウ糖51:果糖36:D−プシコース10)、G3(砂糖10:ブドウ糖48:果糖38)およびG4(砂糖40:ブドウ糖25:果糖25)の各糖組成物の味質について、官能評価を行った。糖組成物はすべて固形分10%に調整したものを用い、評価は、甘味の「濃厚感」と「バランス」について、5点満点(1点:悪い〜5点:非常に良い)で評価し、その結果(パネラー5名の合計点)を表7に示す。
G1、G2、G3およびG4と比較して、E1、E3、F1、およびF3は、濃厚感および甘味のバランスともに良好であった。
すなわち、砂糖を最後まで完全に加水分解しないこと、かつ、この組成物にD-プシコースが存在することによって、砂糖を完全に加水分解後に異性化して得られる糖組成物と比較して、甘味の濃厚感およびバランスが改善することが明らかとなった。
また、甘味料中の砂糖の割合が10部以下の場合や、75部を超える場合には、濃厚感や、バランスが崩れる傾向が認められ、この範囲での砂糖割合に設定するように製造するのが良い。
<糖組成物の官能評価2>
次に、E1、E3、F1、F3、および、各甘味料を適宜混合して作成したH1(D−プシコース10:エリスリトール30:スクラロース0.1)、H2(D−プシコース60:エリスリトール20:スクラロース0.055)の各糖組成物の味質について、先と同様の手順で官能評価を行った。結果(パネラー5名の合計点)を表8に示す。
ただし、高甘味度甘味料を含むために甘味料組成物中の固形分を一定にして比較することは難しく、甘味料組成物の甘味度を一定にして、甘味質を比較することとした。
高甘味度甘味料は、低甘味度甘味料に比べて後味が悪い(異味がある)ということは一般的に知られており、実際、高甘味度甘味料であるスクラロースを使用した場合は、後味が悪いとの評価結果であった(表7)。高甘味度甘味料は、後味に長く残る甘味や異味があるために、先味にスッキリとした甘味を感じる糖アルコールと併用する手法が採られることが多いが、その場合でも、各甘味料の甘味質にまとまり(一体感)を持たせることは非常に難しく、それぞれの甘味料の甘味が別々に感じられてしまうという難点があるところ、本発明の甘味組成物であるE1、E3、F1、およびF3は、高甘味度甘味料を含むH1およびH2と比較して、後味に異味などの難点もなく、まとまりのある非常に好ましい甘味質となっていた。
すなわち、砂糖、ブドウ糖、および果糖からなる甘味組成物に少なくともD−プシコースを含む希少糖を含有させた甘味料は、糖アルコールおよび高甘味度甘味料からなる甘味組成物にD−プシコースを添加した甘味料と比較した場合、より甘味質にまとまりのある甘味料であるといえる。
実験例Cの手順にならって砂糖を完全に酵素加水分解した組成物を、さらに実験例Fにならい異性化酵素で異性化し、組成物I1(ブドウ糖50:果糖38:D−プシコース12)を得た。また、市販される一般的な異性化糖(ブドウ糖50:果糖45:オリゴ糖5)を実験例Fにならい異性化酵素で異性化し、組成物I2(ブドウ糖50:果糖34:D−プシコース11:オリゴ糖5)を得た。各糖組成物の味質について、上記(<糖組成物の官能評価1>)と同様の評価方法によって官能評価を行った。ただし、評価項目は「甘味の先味の立ち上がりの強さ」および「雑味」とした。
その結果、I1は、I2に比べて甘味の先味の立ち上がりが強いだけでなく、雑味が少ない点で甘味料として優れていた。このことから、砂糖を原料として上記手法により得られた異性化甘味組成物は、異性化糖を原料として上記手法により得られた異性化甘味組成物よりも、甘味料として優れているといえる。これは恐らく、市販される一般的な異性化糖に含まれるオリゴ糖などの猥雑物が、甘味の先味の立ち上がりを若干抑え、雑味を感じさせるためであると考えられる。
この結果から、市販される一般的な異性化糖を原料とするよりも砂糖を原料とするほうが、得られる甘味組成物は、甘味料として好ましい味質であるといえる。
[実施例2]
<酸性飲料の調製および官能評価1>
上記実験例E、Fで得られた糖組成物(E1、E3、F1、F3)、各糖を適宜混合して作成したG1(ブドウ糖45:果糖42:D−プシコース7)、およびG2(ブドウ糖51:果糖36:D−プシコース10)の各糖組成物を用い、表9の配合に従って酸性飲料を調製した。この酸性飲料について、実施例1と同様にパネラー5名による官能評価を行った。その結果を表10に示す。
糖組成物そのものの官能評価結果と同様、G1およびG2と比較して、E1、E3、F1、F3の糖組成物を用いた酸性飲料は、それぞれ濃厚感および甘味バランスともに良好であった。
<酸性飲料の調製および官能評価2>
上記実験例E、Fで得られた糖組成物(E2、F4)、各糖を適宜混合して作成したG5(ブドウ糖60:果糖38:D−プシコース10)、G6(ブドウ糖55:果糖30:D−プシコース20)、G7(砂糖36:ブドウ糖45:果糖22)、およびG8(砂糖12:ブドウ糖50:果糖33)の各糖組成物を用い、表11の配合に従って酸性飲料を調製した。この酸性飲料について、実施例1と同様に、パネラー5名による官能評価を行った。その結果を表12に示す。
E2、F4の糖組成物を用いた酸性飲料は、砂糖あるいはD−プシコースの何れかを欠いた糖組成物を使用した酸性飲料と比較して、濃厚感および甘味バランスともに良好であった。
<酸性飲料の調製および官能評価3>
上記実験例Fで得られた糖組成物F3(砂糖35:ブドウ糖33:果糖22:D−プシコース8)又は各糖を適宜混合して作成したG1(ブドウ糖45:果糖42:D−プシコース7)の各1重量部に対して、ステビア0.002部を添加して得られる組成物をそれぞれF3−1、G1−1、アセスルファムK0.003部を添加して得られる組成物をそれぞれF3−2、G1−2、アスパルテーム0.003部を添加して得られる組成物をそれぞれF3−3、G1−3とした。これら各糖組成物を用い、表13の配合に従って酸性飲料を調製した。この酸性飲料について、実施例1と同様にパネラー5名による官能評価を行った。その結果を表14に示す。
その結果、砂糖を含有する甘味組成物を使用した酸性飲料は、砂糖を含有しない甘味組成物を使用した酸性飲料と比較して、後味および甘味のまとまりともに良好であった。
近年の飲食品市場においては、糖質系甘味料と高甘味度甘味料を併用してカロリーを下げつつ味質の向上を図る傾向がある。糖質系甘味料に対して高甘味度甘味料であるステビア、アセスルファムK、あるいはアスパルテームをそれぞれ併用した甘味組成物にあっては、砂糖を含ませることによって、良好な濃厚感と甘味バランスを得ることができる。
<酸性飲料の調製および官能評価4>
上記実験例Fで得られた糖組成物F3(砂糖35:ブドウ糖33:果糖22:D−プシコース10)、および各糖を適宜混合して作成したG1(ブドウ糖45:果糖42:D−プシコース7)を用いて表15の配合の酸性飲料を作成し、実施例1と同様の官能評価法により、各フレーバーの香り立ちを比較した。
その結果、F3を使用した酸性飲料は、G1を使用した酸性飲料に比べてバランスのとれた甘味とともにフレーバーが引き立つことが認められた。このことから、D−プシコースかつ砂糖を含む甘味組成物は、良好な甘味バランスだけでなく、フレーバー立ちも良好となることがわかった。
[実施例3]
糖液の低温化における結晶化は、保存時や輸送時の大きな障害となる。そこで、本砂糖を含む組成物の結晶化日数に関して、砂糖を含まない組成物と比較を行った。具体的には、70%(w/w)溶液を4℃で保存し、組成物E3、F1、G2の冷蔵保存時の結晶化に要する日数を測定した。
その結果、E3、F1、は、G2よりも結晶化に要する日数が多く、改善が認められた。このことから、砂糖を含む組成物は、砂糖を含まない組成物よりも結晶化しにくい傾向が認められ、保存輸送時に有効であることか明らかとなった。
[実施例4]
<ヒトにおける本発明の甘味料組成物が及ぼす血糖値及びインスリン分泌への影響>
本発明の製造方法により得られた甘味料組成物、すなわち、砂糖の酵素加水分解物にアルカリを作用させて得られた各甘味料組成物をヒトに摂取させたときの血糖値及びインスリン分泌に及ぼす影響を検討した。使用した各甘味料組成物(J1〜J4)の糖組成を表16に示す。なお、J1は、各甘味料組成物を得るための原料(三井製糖社製、商品名「上白糖」)であり、これを比較対照区とした。
喫煙習慣のない健常人6名(平均年齢34.7才、男性4名、女性2名、平均BMI22.1kg/m2、平均空腹時血糖92.4mg/dL)に対し、表16に示す各甘味料組成物の38.5%水溶液を摂取させた後、血糖値及びインスリン濃度の変動を測定した。試験は、表16に記載された糖組成物水溶液を摂取させるシングルブラインド・クロスオーバー法により実施した。また、それぞれの試験は約1週間の間隔をあけて行った。
まず、試験当日の12時間前より被験者を絶食させた後、空腹時に採血しておいた。次に、表16に示す甘味料組成物の38.5%水溶液のいずれか一つを200mL摂取させ、摂取30、60及び90分後に採血した。血液の水分調整のため、試験中は採血毎に50mLの水を摂取させ、それ以外は絶飲食とした。採血した血液の血糖値及びインスリン濃度を測定し、経時的な血糖値及びインスリン濃度の変化を記録した。得られた結果は平均値及び標準偏差で表し、統計学的検定はStudent’s t検定を用いて行った。検定の有意水準は両側5%未満とした。
なお、血糖値の測定はグルコースCII−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いて行い、インスリン濃度の測定は、超高感度ヒトインスリンELISAキット(Mercodia社製)を用いて行った。
各甘味料組成物の水溶液摂取からの経過時間(分)を横軸にとり、その経過時間毎の血糖値数値を縦軸にプロットして得られる血糖値曲線下面積の数値結果を図2に示す。その結果、J3はJ1の約81.0%、J4はJ1の70.0%まで低減しており、本発明の甘味料は砂糖に比べて有意に血糖値上昇を抑制することがわかった。一方、J2はJ1の約93.1%まで低減していたが、有意差はみられなかった。
なお、血糖値曲線下面積の数値は、J1が50.4mg・h/dL、J2が46.9mg・h/dL、J3が40.8mg・h/dL、J4が35.3mg・h/dLであった。
インスリン濃度曲線下面積の結果を図3に示す。J2はJ1の約70.2%、J4はJ1の61.7%まで低減しており、有意にインスリン分泌が抑制されることがわかった。一方、J3はJ1の約80.9%まで低減したが、有意差はみられなかった。
なお、インスリン曲線下面積は、J1が28.2mU・h/L、J2が19.8mU・h/L、J3が22.8mU・h/L、J4が17.4mU・h/Lであった。
砂糖を摂取した場合、体内酵素により砂糖はブドウ糖及び果糖へ分解され、ブドウ糖に相当する部分が血糖値の上昇及びインスリン分泌量の増加に関与する。よって、対照区J1(砂糖)は、砂糖の1/2に相当する部分(50%)が血糖値の上昇及びインスリン分泌量の増加に関与することになり、本発明の甘味料組成物J2、J3、及びJ4については、砂糖の1/2に相当する部分に加えてブドウ糖が関与することになるので、それぞれ48.7%、49.0%、及び46.8%が血糖値の上昇及びインスリン分泌量の増加に関与することになる。
よって、本発明の甘味料組成物J2、J3及びJ4を摂取した場合、J1と同様の血糖値上昇及びインスリン分泌量の増加が観察されると推測されたが、意外にもJ2はインスリン分泌量がとくに有意に低減され、J3は血糖値上昇が特に有意に抑制され、J4に至っては、血糖値及びインスリン分泌量の両者ともが有意に低減されていた。
すなわち、本発明の甘味料組成物は、砂糖とほぼ同等の甘味質であるにも関わらず、摂取時に血糖値上昇及び/又はインスリン分泌量を抑制する効果が付与された甘味料として利用できうる。
本発明の甘味料は、砂糖を原料とし、最終的に得られる甘味料組成物中に砂糖を残存させる組成とすることがより望ましいが、仮に、砂糖を完全に分解し、最終的に砂糖を残存させない甘味料組成物を得てから適宜砂糖を添加しても、同様の組成の甘味料組成物が得られる。
そこで、参考までに、再表2010/113785号公報に記載される方法により製造される糖組成物(組成物としては、本発明の甘味料組成物の砂糖部分を除いたものに相当)に砂糖を添加して得られる上記J2〜J4相当の糖組成物を調製し、実施例4と同様のヒト試験を行ったところ、ほぼ同様の結果が得られた。
以上より、本発明の甘味料組成物は血糖値及び/又はインスリン分泌を抑制する効果を有する甘味料組成物であり、糖尿病罹患リスクを低減する効果が期待できる甘味料組物といえる。また、該甘味料を継続的に摂取することで、究極的には体脂肪蓄積を低減できる可能性がある。
本発明の新規糖組成物は、ソフトドリンクや他の飲料の甘味料として広く使用されることが期待できるばかりか、食品、医薬品もしくは医薬部外品、口腔用組成物、化粧品に利用されることが期待される。また、本発明の新規糖組成物は、低い生産コストで大量生産して提供することが可能となるため、用途範囲がさらに拡大されることが期待される。
1 砂糖溶解タンク
2 加水分解タンクおよび中和タンク
3 インベルターゼ固定化カラム
4 異性化タンク
5 エピメラーゼ固定化タンク
6 精製装置
7 分離装置

Claims (15)

  1. 砂糖を原料とし、原料砂糖の加水分解により砂糖加水分解物である砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースの混合物を得る工程、および該砂糖加水分解物を異性化することにより最終生成物である砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖の混合物、または、D−グルコース、D−フラクトースおよび少なくともD−プシコースを含む希少糖の混合物を得る工程を経ること、原料砂糖の加水分解反応の程度により、最終生成物中の砂糖の含量を調節すること、最終生成物は、砂糖、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコース含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにした、または、D−グルコース、D−フラクトース、および少なくともD−プシコースを含む希少糖を特定の組成割合で含ませるようにしたことを特徴とする甘味料組成物の製造方法。
  2. 原料砂糖の加水分解工程は、酸および/または酵素を用いた分解により、砂糖加水分解物を異性化する工程は、アルカリ異性化、カルシウムイオンの触媒作用を用いた異性化および/または酵素異性化により行われる、請求項1記載の甘味料組成物の製造方法。
  3. アルカリ異性化は、D−プシコース、D−アロース、D,L−ソルボース、D−タガトース、およびD−マンノースを含む希少糖を生成し、最終生成物は、これら単糖と、砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物となる、請求項2記載の甘味料組成物の製造方法。
  4. 酵素異性化は、果糖からD−プシコースが生成するのみで、最終生成物は、D−プシコースと、砂糖、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物、または、D−グルコースおよびD−フラクトースとの混合物となる、請求項2記載の甘味料組成物の製造方法。
  5. 酵素異性化は、アルスロバクター グロビホルミス M30(寄託番号NITE BP−1111)由来の異性化酵素を使用して行われる、請求項2または4記載の甘味料組成物の製造方法。
  6. 酵素異性化は、1000U/湿重量樹脂(g)の活性を有する固定化酵素を使用して行われる、請求項2、4または5記載の甘味料組成物の製造方法。
  7. 最終生成物が甘味強度および雑味の少ない甘味組成物である請求項1ないし6のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。。
  8. 最終生成物がフレーバーリリースを高める甘味組成物である請求項1ないし6のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
  9. 最終生成物が、砂糖の割合が10部から75部の良好な濃厚感と甘味バランスを持つ甘味組成物である請求項1ないし6のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
  10. 最終生成物が、砂糖の割合が10部から80部のインスリン分泌量が有意に低減される機能を持つ甘味組成物である請求項1ないし6のいずれかに記載の甘味料組成物の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の製造方法により得られた甘味料組成物。
  12. 請求項11に記載の甘味料組成物を使用してなる飲食物。
  13. 体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制する旨の表示を付した請求項12に記載の飲食物。
  14. 請求項11に記載の甘味料組成物からなる医薬品、医薬部外品、化粧品。
  15. 体重の上昇、体脂肪蓄積の上昇を抑制するための請求項14に記載の医薬品、医薬部外品、化粧品。
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