JP2004537326A - スクロースから作られた少量のフルクトースを含むフルクトースシロップを用いて高純度の結晶質フルクトースを製造する方法及び製品 - Google Patents

スクロースから作られた少量のフルクトースを含むフルクトースシロップを用いて高純度の結晶質フルクトースを製造する方法及び製品 Download PDF

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ジェテック グアナバラ キミカ インダストリアル ソシエダッド アノニマ
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Abstract

平均直径250ミクロン乃至350ミクロンの狭いサイズ分布をもつ微結晶からなる粒子を有する、サトウキビスクロースから作られる結晶質フルクトース。その製造工程は、酸加水分解によるスクロースの化学的変換と、グルコースからのフルクトースのクロマトグラフ分離と、フルクトースを豊富に含むシロップの調製と、水性アルコール性メディアからのフルクトースの結晶化、遠心分離による回収と、洗浄と、結晶の乾燥とからなる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、サトウキビスクロースから得られるフルクトースのアルコール性水溶液の冷却を制御して行う結晶化により、高純度の無水の結晶質フルクトースを製造する方法に関する。本発明の方法により製造されるフルクトースは、典型的な斜方晶系の結晶からなっており、平均直径約250ミクロン乃至約350ミクロンの狭い粒径分布をもつ粒子から構成されている。本発明の無水結晶質フルクトースの物理的、機能的特性、例えば純度、粒子サイズの分布、微結晶粒子の平均直径、見掛け密度(apparent density)、吸湿性、溶解時間などは、食産業への適用において最大の効果を発揮させるために注意深く調節されている。本発明の他の目的は、本発明の方法にしたがって製造された製品の結晶質フルクトースを保護することである。本発明の技術分野は、自然の栄養甘味料、とりわけスクロース、グルコース、フルクトースに関連しており、これらは工業的規模で製造される糖類であって、砂糖として、また食用製品に含まれる成分として広く消費されるものである。
【背景技術】
【0002】
フルクトースはレブロースとも呼ばれ、C6126の分子式をもつケトースであって、多くのフルーツの主成分である。その重量に関して高いスイートニング能力を有し、文献から収集されたデータによれば、等重量を用いた場合、フルクトースはスクロースの約2倍、グルコースの約2.5倍の甘さを示す(U.S. Pat. No. 4,724,006; M. B. Hocking, Handbook of Chemical Technology and Pollution Control, Academic Press, San Diego, 1998, p. 546)。実際、自然に存在する炭水化物の中でフルクトースが最も甘い。それ故に、多くの食料製品や飲料製品においてフルクトースが甘味料として使用され、少量のこの単糖類でそれらの製品に十分に甘味が付けられる。スクロース又はグルコースから調製された類似の製品と比較したとき、フルクトースを用いた場合は、スクロース又はグルコースがフルクトースと殆ど同等のカロリー値を有するので、低減されたカロリー値の製品又は低カロリー食の製品を製造することができる。フルクトースが製造され消費される主たる理由は、その例外的に高いスイートニング能力である。
【0003】
産業への適用において成功の素因となったフルクトースのその他の特性として、高い湿潤性、高い浸透圧、顕著な風味増強能力、肝臓による低い且つインシュリン非依存性の初期代謝速度、非常に高い水への溶解度がある。スクロース又はグルコースを甘味料として用いた場合とは異なり、フルクトースを甘味料として用いた場合は、フルクトースの高い水への溶解度により、フルクトースで甘くされた液状又は半液状の食用製品を、結晶化が起こることなく長時間保存することが可能になる。
【0004】
食品工業において、フルクトースは、無水の結晶質形態及び濃縮シロップのような溶解した状態の両方の形態で用いられる。結晶質フルクトースは、白色、無臭で吸湿性の斜方晶系の結晶からなり、該結晶は密度が1.590kg/m3で、融点が102℃乃至104℃であり、メタノール、エタノール、イソプロパノールに可溶であり、水によく溶ける。フルクトースを豊富に含むシロップは、様々な含有量の(デキストロースとしても知られている)グルコースを含み、場合によっては少量のオリゴ糖を含むフルクトースの濃縮水溶液である。
【0005】
これらフルクトースとグルコースのシロップは、通常、結晶質フルクトースの製造プロセスにおいて作られる副産物として得られていた。フルクトースを豊富に含むシロップは食品工業において用いられ、典型的には、全乾燥固体含有量が71重量%乃至77重量%であり、フルクトース、グルコース、オリゴ糖のそれぞれの乾燥固体としての重量%の割合としては、(42%、52%、6%)、(55%、41%、4%)、(80%、18%、2%)、(90%、8%、2%)、(95%、4%、1%)の割合である。食料と飲料に関する特定の状況にあっては、結晶質のフルクトースシロップが用いられる。
【0006】
技術文献であるThe United States Pharmacopeia (1990)とFood Chemicals Codex (1992)によれば、フルクトースは、(乾燥固体基準の重量百分率で)98重量%以上のフルクトースを含有し、0.5重量%以下のグルコースを含有するもの、と定義されている。本明細書においては、結晶質フルクトースと結晶質フルクトースシロップだけが、フルクトースに関する上記の定義に従う。
【0007】
無水の結晶質形態又は濃縮シロップのような溶解状態において、食製品の成分として用いられるフルクトースの主な工業的用途は、焼いた食品や菓子(ケーキ、クッキー、砂糖菓子)、朝食シリアル、栄養キャンディーバー、日用食品(アイスクリーム、ヨーグルト、チョコレートミルク)、炭酸飲料と非炭酸飲料、粉末状の通常飲料とダイエット飲料、食事サプリメント、調味料(ケチャップ、ソース)、ジャム、プレザーブ、ジャム、ゼリーなどである。
【0008】
1960年代の初め以来、特許されたフルクトースの製造方法は、殆どすべてが原材料としてコーンスターチを使用している。通常、これらの従来技術の工業的プロセスは、共通の技術的思想を有しており、この思想について以下に簡潔に述べる。その典型的なプロセスの第1工程はコーンスターチの酵素的加水分解であり、これにより、約94%(dsb)のグルコースと約6%(dsb)のオリゴ糖を含有するシロップを製造する。(以下の記述において、「乾燥固体基準の重量で(by weight on a dry solids basis)」という意味で(dsb)と記載する。)次いで、グルコースのイソメラーゼ酵素(異性化酵素)によりなされる触媒的異性化反応による方法を用いて、このグルコースの一部をフルクトースに変換し、これにより、典型的に、42%(dsb)のフルクトースと、52%(dsb)の非変換のグルコースと、約6%(dsb)のオリゴ糖を含有するシロップが得られる。
【0009】
次いで、このシロップを精製して色と灰分を除去し、フルクトースの大規模な精製法として現在適用可能な二つの相異なる工業的方法のうちの一つの方法によって濃縮する。その二つの工業的方法は、陽イオン交換樹脂により形成される充填層において行われる方法であり、うち一つの方法は無機樹脂を用い、他の方法は有機樹脂を用いる(U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。通常、この濃縮は、有機の陽イオン交換樹脂の層を充填したクロマトグラフィーカラム内で行われ、これにより、グルコースや他の望ましくない異性化反応生成物からフルクトースを分離する(T. Hirota, "Continuous Chromatographic Separation of Fructose/Glucose", Sugar Azucar, 245-247, 1980; K. Venkatasubramanian, "Integration of Large Scale Production and Purification of Biomolecules", Enzyme Engineering, 6:37-43, 1982)。
【0010】
この工程の最後において、Very Enriched Fructose Corn Syrup(VEFCS)と呼ばれる、約90%(dsb)のフルクトースを含有する、フルクトースを豊富に含むシロップが得られる。グルコースといくらかのオリゴ糖も含有するこのVEFCS画分は、水溶液又は水性アルコール性溶液からのフルクトースの結晶化である最終分離精製工程のための供給原料として用いられる。結晶の遠心分離、洗浄、乾燥が終了すると、最終的に無水の結晶質フルクトースが得られる(U.S. Pat. No. 3,513,023; U.S. Pat. No. 3,607,392; U.S. Pat. No. 3,883,365; U.S. Pat. 4,199,373; U.S. Pat. No. 4,199,374; U.S. Pat. No. 4,724,006; U.S. Pat. No. 5,047,088; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094)。
【0011】
結晶質フルクトースの製造に加えて、商業的な目的の一つが、食料及び飲料製品の調製に用いられる液体状態の甘味料を提供することである場合、異性化反応工程により得られて42%(dsb)のフルクトース濃度を有する精製シロップは、貯蔵タンク内に入れられる前に、蒸発操作により71重量%の乾燥固体になる。フルクトースを豊富に含むシロップの別の工業的応用は、上記の42%(dsb)のフルクトース濃度を有する精製シロップを、クロマトグラフィー分別工程の最後で生成された90%(dsb)濃度のフルクトースを豊富に含むシロップと混合して、これにより、55%(dsb)濃度のフルクトースを含有し乾燥固体量が77重量%である高フルクトースのシロップが得られる。このシロップは、食品工業、とりわけ炭酸飲料工業において液体状態の甘味料として広範囲に使用される。
【0012】
高フルクトースシロップからフルクトースを結晶化させることによる結晶質フルクトースの製造は、通常、以下に示す三つの方法のうちの一つを用いて行われる。それらは、水溶液からの結晶化、水性アルコール性溶液からの結晶化、フルクトースを豊富に含むシロップの乾燥である(U.S. Pat. No. 5,047,088; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。
【0013】
上記三つの方法のうち第1番目の方法は、温度、圧力、pHなどのプロセスパラメータを適切に組み合わせたり調節し、かつ、結晶化のための種結晶として作用する高純度フルクトースの小結晶を溶液に添加し、次いで、結晶成長させるために該溶液を約25℃まで冷却制御して、濃縮された水溶液又はフルクトースを豊富に含むシロップからフルクトースを結晶化させる方法である。自発的な核形成という望ましくない現象を引き起こすおそれのある過度に高過飽和なレベルになるのを避けるため、この冷却は注意深く行わなければならない。この自発的な核形成現象とは、微小結晶が突然激しく形成される現象であって、この微小結晶が結晶成長の望ましくない核として作用してしまい、結果として、幅広いサイズ分布を示す小さな粒子からなる結晶質生成物(製品)ができてしまうので、該核形成現象は、最終製品の品質にとって有害である。
【0014】
フルクトースの飽和溶液の粘性率は非常に高く、溶液の温度が低下すると粘性率は更に高くなるので、結晶化を達成するのに要する時間は非常に長く、しばしば50時間よりもずっと長くなり、70時間、或いはそれ以上の長時間を要する場合がある。水溶液からフルクトースを結晶化させる場合の別の本来的問題は、結晶質フルクトースの収率が低いことであり、フルクトースの水への溶解度が高いために、結晶化プロセスの最終工程において達成される最も低い温度の約25℃においてさえ、通常、収率は40%よりも低い(この25℃において、フルクトースの水への溶解度は、水1グラムあたりフルクトース4グラムである:U.S. Pat. No. 3,513,023; U.S. Pat. No. 3,883,365; U.S. Pat. No. 3,928,062; U.S. Pat. No. 4,199,373; U.S. Pat. No. 5,047,088; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。
【0015】
前記三つの方法のうち第2番目の方法は、濃縮したフルクトース水溶液に、有機溶媒、通常は、メタノール、エタノール、イソプロパノールよりなる群から選ばれた一つのアルコールをを速やかに導入し、得られた水性アルコール性溶液に、純粋な無水フルクトース結晶からできた種結晶を添加し、よく攪拌し、該溶液を制御して冷却し、これにより、フルクトース結晶を形成させる。特許されているプロセスでは、典型的には、約95重量%の乾燥固体含有量を有し、かつ90%(dsb)超のフルクトース含有量、好ましくは93%(dsb)乃至96%(dsb)のフルクトース含有量を有する水性シロップを用いている(U.S. Pat. No. 4,199,374; U.S. Pat. No. 4,643,773; U.S. Pat. No. 4,724,006)。
【0016】
通常、アルコールに対するフルクトースの重量比率として好ましくは0.5乃至3の比率で、フルクトースを豊富に含むシロップに添加されるアルコールは、水からフルクトースを有効に分離させるために用いられる。これは、メタノール、エタノール、イソプロパノールが、フルクトースと比較した場合、水に対する親和力がより高いためであり、このアルコール添加により、フルクトースの結晶化が容易になる。
【0017】
上記アルコールを用いる別の目的は、水性アルコール性溶液の生成後に得られるフルクトースを豊富に含むシロップの有効粘性率を減少させることであり、このことにより、攪拌と混合の向上を図り、結晶成長速度を増大させることができる。水溶液からフルクトースを結晶化させるプロセスにおいて得られる典型的な値と比較した場合、アルコール添加によってフルクトースが水溶液中に滞在できる能力と母液の有効粘性率の双方を減少させることにより、結晶化時間を12時間乃至24時間に短縮させることができ、加えて、結晶質フルクトースの収率をも高めることができる。しかしながら、このプロセスは大量のアルコールを必要とするので、このことによるコストの増大を考慮しなければならない。
【0018】
上記のような経済面の短所のほかに、従来技術においてよく確立されている水性アルコール性溶液からのフルクトースの結晶化方法は、大量のアルコールを速やかに添加するが故に、種結晶を導入する前に自発核形成という望ましくない現象に遭遇する傾向が強い。上記の自発核形成の傾向は、この結晶化プロセスにおける本来的な弱点である。
【0019】
前記三つの方法のうち第3番目の方法は、非常に濃縮されたフルクトースシロップを回転乾燥機中で乾燥し、これにより、結晶化フルクトースと非晶質フルクトースとからなる粒子状の固体フルクトースを生成する。非晶質フルクトースは非常に吸湿性が高いので、湿った雰囲気中でこの半結晶質生成物を取り扱うのは困難である(U.S. Pat. No. 4,517,021)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
結晶質フルクトースの製造に関して特許されている方法はすべて、プロセスの効率や生産性を減じてしまう多くの技術的困難をもたらす様々な複雑な工程を組み合わせているので、その結果として、結晶質フルクトースの製造コストを増大させ、食品工業、粉末状甘味料としての消費、ハンドリング、梱包、貯蔵といった応用面において、望ましい最適レベルには到達していない。
【0021】
結晶質フルクトースの製造に関する上記従来の方法は、基本的な原材料としてもっぱらコーンスターチを使用している。その製造工程は、コーンからのスターチの抽出、このスターチからグルコースを生成させるための酵素的加水分解、グルコースからフルクトースを生成させるための酵素的異性化反応、フルクトース濃縮水溶液を生成させるためのフルクトースのグルコースや他の異性化反応生成物からのクロマトグラフ分離、フルクトースの結晶化、分離、フルクトース結晶の洗浄と乾燥などを含んでいる。すなわち、目標を達成するための、多くの化学的、物理化学的、物理的プロセスと、流量、濃度、温度、圧力、pHなどのプロセスパラメーターについてその狭い範囲内で実行しなければならない単位操作とを含んでいる(L.H. Hanover and J.S. White, "Manufacturing, Composition, and Applications of Fructose", Am. J. Clin. Nutr., 58(supp.), 724S-732S, 1993; U.S. Pat. No. 3,883,365; U.S. Pat. No. 4,199,373; U.S. Pat. No. 4,724,006; U.S. Pat. No. 5,047,088; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。したがって、上記従来の方法を実行するには、精密な設計、操作、制御とこれら工業プロセスの最適化を必要とし、これに加えて、高度な科学的、技術的内容を備えた理論的、実践的知識を必要とする。
【0022】
上記で列挙した従来技術の典型的プロセスの要素工程のうちでは、結晶化工程が最も重大な技術的制約を与えている。溶液中に溶解した関連する化学化合物を含む系において、それぞれの結晶の形成(核形成)と結晶成長の駆動力は、温度、圧力や溶液組成に関する現存の条件におけるこの化合物の過飽和である。これら熱力学的パラメーター値の与えられた一組に対して、過飽和は、溶液中の化合物の濃度(C)とその飽和濃度(Csat)の差として定義される。ここで、飽和濃度(Csat)とは、溶液中で熱力学的に安定な溶質の最大濃度である。
【0023】
熱力学的な不安定さを示し、澄み切った溶液から核が自発的に激しく形成(自発的な核形成現象)される不安定過飽和領域が生起するのを避けるために、前記駆動力、すなわちC−Csatは、結晶化プロセスの最初から最後まで過大であってはならない。通常、この核は、最終生成物におけるフルクトース結晶の純度、形態、粒径分布やプロセスの収率に対して悪影響を及ぼす。したがって、自発的核形成を抑制するためには、結晶化プロセスの最初から最後までを通じて、新しい結晶核が生成(準安定領域)せずに、平衡濃度を超過している溶質が現存している結晶上に堆積するように、過飽和を十分低いレベルに維持しなければならない。そうすることによって、高純度で、必要とされる工業的応用に適した形態と粒径特性を有する結晶を形成させることができる。
【0024】
水溶液からのフルクトースの結晶化は、フルクトースの水への溶解度が非常に高いことと、結晶化プロセスがフルクトース、グルコース、水という少なくとも三つの成分からなる複雑系における相平衡を含むことから、実行するのが非常にむつかしいプロセスである。水性アルコール性溶液から結晶化を行った場合は、フルクトースの水への溶解度が非常に高いという問題は、アルコールが存在しているおかげで、フルクトース分子から水を除去する方法により解決される。しかしながら、アルコールの添加は、系の相平衡をより複雑なものにしてしまうので、フルクトースシロップの過飽和レベルを冷却曲線に沿って精密に制御するうえでの技術的困難をもたらしてしまう。この冷却曲線の経路は、特定の与えられた系の条件に関して、フルクトースシロップの対応する飽和温度より低い温度に位置している一連の点から構成されている。
【0025】
過飽和は、シロップ中に現に有効に溶解しているフルクトースの量と、それと同じ特定条件におけるこのシロップ中への溶解度との差として定義されるので、結晶化メディアの温度と組成の関数としてのフルクトースの溶解度に関する知識が、シロップへの種結晶添加、アルコールの添加、結晶化プロセスの終結に関するプロセス操作ポイントの最適化のために基本的に重要である。本発明の開発において、これらの科学的技術的情報は、結晶化プロセスにおいて使用された三元系(フルクトース−グルコース−水)及び四元系(フルクトース−グルコース−水−エタノール)について実験的に求めたものであり、これにより、得られる結晶質製品の物理的、機能的特性、及び収率から見た場合の、プロセス方法とそれにより得られる結果を最適化したものである。
【0026】
従来技術のプロセスに関する他のいくつかの要因を考慮した場合、水溶性又は水性アルコール性メディアからのフルクトースの結晶化は、多くのプロセスパラメーターを含み、系の操作に関して厳重な条件を必要とするので、非常に複雑である。それらのパラメーターや条件とは、例えば、晶析のための供給原料として用いられるフルクトースを豊富に含むシロップ中の高固体濃度(通常、乾燥固体重量として90%超)、晶析供給用シロップの高いフルクトース純度(90%(dsb)超のフルクトース、好ましくは93%乃至96%(dsb)のフルクトース)、フルクトースの水への高溶解度、水溶液の非常に高い有効粘性率、水溶液のpHの狭い操作範囲、アルコール添加の特性(温度と添加速度、フルクトースのアルコールに対する比率)、種結晶の粒子的特性、種結晶添加の特性(温度と添加速度、フルクトース種結晶の質量とシロップ中のフルクトースの質量との比率)、アルコールと種結晶の添加時の自発的核形成の回避又は極小化のための精密な温度管理、冷却の精密制御によるフルクトース溶液の過飽和の精密管理、などである。(なお、既に前述したが、本明細書においては、「乾燥固体基準の重量で(by weight on a dry solids basis)」という意味で(dsb)と記載する。)
【0027】
上記のようなプロセス変数と操作条件に関する膨大な要件があるので、結晶質フルクトースの製造方法における結晶化の単位操作は臨界的に厳しいものとなり、それぞれの製造プロセスの操作と制御を困難にしており、また、製造規模の増大や縮小という点についても不安定要因を生じさせている。
【0028】
上記の問題に加えて、従来技術の殆どすべてのプロセスにおいては、事実上、単一の原材料源、すなわちコーンスターチを使用している関係上、コーンの供給に対して悪影響を与える因子、例えば長期間の干ばつ、洪水や害虫、需要の季節的な変動によるコーン価格の急騰などによる収穫の減少などの因子が存在するので、フルクトースの製造に関して戦略的な弱みをもたらしている。また、その他の問題としては、フルクトースの製造に関する従来技術のすべてのプロセスが本質的に同じ技術的ルートを用いているので、この技術分野において弱点を生んでいることである。すなわち、事実上、実行可能で経済的に存立できる代替技術がないということである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、従来とは異なった優れた技術を提供することにより、上記の問題点を解決するものであり、従来とは根本的に異なる原材料源、すなわちサトウキビスクロースと、独創的で経済的なプロセスルートとを組み合わせた技術を提供するものである。本発明にとって本質的なこれらの特徴は、プロセスの独創性に、したがって無水の結晶質フルクトースを製造するプロセスにおける基本的な構成要素に革新を導入する新規性を構築する。このように、本発明は、戦略的、技術的、経済的見地から重要な代替技術である。
【0030】
結晶質フルクトースの製造方法の詳細において、本発明は従来技術の方法とは著しく異なっており、高度の進歩性を有する。そのような進歩性は、特許されている従来技術と比較してより簡単でより有効なプロセスルートを形成するために組み合わされたいくつかの技術的な改良や革新を通じて示される。本発明のこのプロセスルートの第1工程は、スクロースの酸加水分解によりフルクトースを形成する化学的な工程であり、第2工程は、クロマトグラフカラム中でフルクトースをグルコースから分離し、次いで、水の蒸発によりフルクトース溶液を水溶性のフルクトースを豊富に含むシロップになるまで濃縮する物理的かつ物理化学的工程であり、第3工程は、結晶化プロセスの五つの要素段階のうちの一つの段階において形成された水性アルコールシロップを制御冷却することによりフルクトースの結晶化を行わせ、次いで遠心分離を行い、得られたフルクトース結晶を洗浄、乾燥させる物理化学的工程である。
【0031】
本発明の方法によって製造される無水の結晶質フルクトースは、98%(dsb)超のフルクトース含有量を有する高純度の結晶質フルクトースであり、グルコース含有量は0.5%(dsb)よりも少ない。これらの数値は、前記したように、技術文献であるThe United States Pharmacopeia (1990)とFood Chemicals Codex (1992)に、フルクトースの定義として示されている数値である。(なお、既に前述したが、本明細書においては、「乾燥固体基準の重量で(by weight on a dry solids basis)」という意味で(dsb)と記載する。)
【0032】
フルクトース結晶の卓越した純度、斜方晶系結晶の典型である明瞭な形状、そのサイズの卓越した均一性は、本発明の独創的、改良的結晶化プロセスに導入された革新技術から生まれた特徴であり、その結晶質生成物は優れた安定性を示し、吸湿性が減少している。さらに、本発明によって製造された結晶は、その非常に高いフルクトース含有量と形態的な完全性のおかげで、その微粒子生成物は、脆砕性が低いので、ハンドリング、梱包、貯蔵、粉末状の甘味料としての最終的消費に際して微粒子材料の良好な流動性が維持される。加えて、その微結晶質粒子は、平均直径が約250ミクロン乃至約350ミクロンの狭い粒子サイズ分布を示すので、その粉末は良好な流動性を有しており、その構成粒子の溶解時間は短い。
【0033】
サトウキビスクロースからの、高い化学的純度や、食品工業の厳しい要求を満足するように申し分なく調節された特性を有する無水結晶質フルクトースの製造は、本出願人が開発した製造方法に導入された技術的な新規性と進歩性とによって、可能である。
【0034】
本発明の目的は、a)スクロースから作られた低含有量のフルクトースを含むフルクトースシロップを用いて、高純度の結晶質フルクトースを製造する方法、及びb)その製造方法によって得られる結晶質フルクトースである。
【0035】
本発明の主たる技術思想は、コーンスターチ以外の原材料を用いる独創的であって、経済的に存立できる技術的ルートの開発にある。該原材料は、ブラジル市場におけるコーンスターチと比較して首尾一貫して画期的に安価で、大量に入手可能であり、供給が安定しており、工業的な供給原料として用いるのに適切な品質を有している。また、その製造プロセスは、従来の製造プロセスにおいて不可欠な工程であるグルコースからフルクトースへの酵素的異性化反応工程を含まない。従来の該工程は、カラム内に固定された層上に固定されたグルコース異性化酵素に影響されて、グルコースからフルクトースへの変換レベルが比較的低く、かなり複雑で高コストになるなど、いくつかの問題点をかかえていた。
【0036】
たとえば、固定されたグルコース異性化酵素は、その使用中、時間経過とともに指数関数的に崩壊する酵素活性を有しており、それ故に、酵素活性の減衰を補償して適切な変換レベルを維持するために長い滞留時間を設けるべく、カラム中へ小流量のグルコースを連続的に供給しなければならない。このことが、従来の典型的な製造プロセスの生産性に対して悪影響を及ぼし、所要の生産性レベルを維持するために、固定化された異性化酵素カラムを多数、平行して操作する必要があった。
【0037】
そのうえ、グルコース異性化酵素により促進される異性化反応は、特定の温度とpHを用いることで形成される、かなりの量の酸性グルコース分解生成物を生じさせ、また、異性化反応用に添加された化学薬品のせいで、色や灰分を発生させる。そして、これらの不純物を除去するためには付加的な操作が必要となり、それに伴うコストを発生させる。さらに、この酵素的異性化反応工程の生来的な問題点として、固定化酵素を用いるすべてのプロセスに共通な問題点であるが、消耗した酵素を取り替えねばならないという問題である(L.H. Hanover and J.S. White, "Manufacturing, Composition, and Applications of Fructose", Am. J. Clin. Nutr., 58(supp.), 724S-732S, 1993; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。
【0038】
フルクトースの製造に関する従来プロセスの生来的な別の問題点は、コーンスターチの加水分解を実行する酵素的ルートを用いるという点である。通常、この加水分解は二段階で行われ、一つの段階ではα−アミラーゼを用い、他の段階ではグルコアミラーゼを用いる。純粋に化学的なルートにより行われる加水分解と比較した場合、酵素が敏感で不安定なものであり、その触媒活性を適切なレベルに維持するためにその使用に際しては多大な配慮が必要であるが故に、酵素的加水分解は、通常、大きな技術的困難さを伴う。
【0039】
さらに、酵素は通常高価であり、溶液中で用いた時は、所望の変換を達成した後は生成物から除去する必要があり、或いは、支持材上に固定又は吸着された時は、触媒活性が消耗された後取り替える必要がある(M. B. Hocking, Handbook of Chemical Technology and Pollution Control, Academic Press, San Diego, 1998, p. 546; U.S. Pat. No. 5,350,456; U.S. Pat. No. 5,656,094; Patent EP 0 613 954 A1)。
【0040】
本出願人が遂行した研究は、以下のことを明白に示している。すなわち、上記した戦略的、経済的特徴を組み合わせ、比較的単純で効率的で生産性が高い技術的ルートを確立したが故に発明概念において特定された基準を満たしている原材料は、サトウキビから得られるスクロースである。ブラジルでは、サトウキビからのスクロースは大規模に入手可能な供給原料であり、その需要は季節的な変動にさらされることがなく、多数の生産者によって良好な品質のものが規則正しく供給されているし、昔からでんぷんの供給原料よりも安価である。上記のことから、スクロースが本発明の製造方法に用いられる優秀な原材料として如何に適切であるかが理解される。
【0041】
本発明の目的は、スクロースから作られるフルクトース含有量が少ないフルクトースシロップを用いて高純度の結晶質フルクトースを製造するプロセスを提供することである。そのプロセスは模式的に図1に示され、以下に詳細に説明される。
【0042】
本発明のプロセスは三つの工程を含む。本発明の第1の工程は、酸加水分解によりスクロースをフルクトース及びグルコースに化学変換する工程である。初めに、純度99.5%(dsb)以上の結晶化スクロースを水に溶解して60重量%濃度のスクロース溶液を生成させ、次いで、これを、残留スターチを除去する目的で酵素処理に供する。その後、このスクロースは、塩酸又は他の無機酸により触媒された加水分解反応を受け、60重量%の乾燥固体濃度のフルクトース及びグルコースの溶液を得る。この酸加水分解が完了した後、得られる溶液は、イオン交換ユニット中における脱イオンにより、ある種の陰イオンと陽イオンが除去されて、中和され精製される。これら陰イオンと陽イオンは、残存していると、その後の工程において、クロマトグラフ分離カラムの充填物質を構成する樹脂を汚染し得るイオンであるので、上記脱イオンは本プロセスにとって不可欠である。前記陰イオンと陽イオンが存在していると、カラム操作の運転成績を著しく低下させる原因となり得る。
【0043】
本発明の第2の工程は、フルクトースをグルコースから部分的に分離し、少量のグルコースを含有するフルクトースを豊富に含むシロップを調製する工程である。第1の工程で得られた58重量%乃至59重量%の乾燥固体濃度を有するフルクトース及びグルコースの水溶液であって、脱イオン操作直後で58℃乃至62℃の範囲にある一つの温度の水溶液を、グルコースよりもフルクトースをずっと多く吸着する陽イオン交換樹脂で構成された充填層を含むクロマトグラフカラムへ導入する。
【0044】
樹脂によるフルクトースの選択的保持の結果として、これら二つの異性体の部分的画分が得られる。その後、特別なイオン交換ユニット中で脱酸素かつ脱イオンされた溶離水をクロマトグラフカラム中へ導入してフルクトースの脱離を行わせ、これにより、22重量%乃至26重量%の乾燥固体濃度、好ましくは23重量%乃至25重量%の乾燥固体濃度を有し、84%(dsb)乃至90%(dsb)のフルクトース含有量、好ましくは86%(dsb)乃至88%(dsb)のフルクトース含有量を有するフルクトース及びグルコースの溶液(フルクトースとグルコースとを含む溶液)を得る。次いで、この溶液を真空中で蒸発させ、59℃乃至61℃の範囲にある一つの温度で、79重量%乃至81重量%の乾燥固体濃度となるようにする。
【0045】
その後、59℃乃至61℃の一つの温度で、脱色するために粒子状のカーボンを用いてこの溶液をカーボン処理し、次いで、真空中での蒸発により濃縮して、フルクトースとグルコースの水溶性シロップ(フルクトースとグルコースとを含む水溶性シロップ)を形成させる。この水溶性シロップは、59℃乃至61℃の一つの温度で、その乾燥固体濃度(乾燥固体含有量)が92重量%超、好ましくは93重量%乃至95重量%であり、フルクトースの含有量が84%(dsb)乃至90%(dsb)、好ましくは86%(dsb)乃至88%(dsb)であり、グルコースの含有量が9%(dsb)乃至15%(dsb)、好ましくは11%(dsb)乃至13%(dsb)である。このようにして得られたシロップは、次の第3の工程のための供給物流れを構成するものである。
【0046】
本発明において、次の結晶化段階への供給物である上記シロップ中の、卓越した物理的、機能的特性を有する結晶質生成物(結晶質製品)の高い収率を達成するに十分なフルクトース含有量は、従来技術において要求されるフルクトース含有量、すなわち前記した典型値90%(dsb)乃至96%(dsb)と比較してかなり小さい。
【0047】
本発明の結晶化プロセスに用いる供給物であるシロップ中のフルクトース含有量が、従来技術における対応するフルクトース含有量と比較してかなり小さいことは、本発明の新規性を意味するものである。また、本発明の技術的成果は、クロマトグラフ分離の終わりにおいて高純度のフルクトースが要求されるという技術的困難さに関し、その困難性を顕著に低減したことにある。この高純度のフルクトースが必要であるという要請は、従来のすべてのプロセスにおいて本質的な要請であった。また、本発明の技術的成果は、最適の結晶化を行うために必要とされるフルクトースの純度が低くてよいので、フルクトースのクロマトグラフ分離に係わる操作コストを顕著に低減したことにある。
【0048】
前記後者の技術的成果は、高いフルクトース純度を達成するために順番に操作する一列の又は一群のクロマトグラフカラムによってフルクトースをグルコースから分離する従来のプロセスと対照したときに特に重要なものとなる。
【0049】
本発明の不可欠な部分を構成する結晶化工程は、フルクトース含有量として本発明におけるその好ましい範囲の値よりも大きいフルクトース含有量を用いたときと同じ効能で達成できる。結晶質フルクトースの製造に関して、本出願人によって開発されたプロセスにおいては、フルクトース含有量が90%(dsb)を超えるシロップを有利に、また成功裡に使用することができる。
【0050】
本発明の第3の工程は、水性アルコール性溶液メディアからのフルクトースの結晶化と、白下(massecuite)の遠心分離によるフルクトース結晶の回収と、その結晶の洗浄と乾燥からなる工程である。このプロセス工程の要請に応えられる最上の特性を有するアルコールは、食品グレードのアルコールであることに加えて、水との混和性が良いことから、エタノールである。
【0051】
シロップを冷却することによるフルクトースの結晶化は、溶液の制御冷却と、結晶化用種結晶の添加と、アルコール(無水エタノール)のシロップへの添加などの段階を含む、五つの段階で実行される。
【0052】
第1の段階では、真空蒸発ユニットを離れた、92重量%超の乾燥固体濃度と、好ましくは86%(dsb)乃至88%(dsb)のフルクトース含有量を有するフルクトースシロップを、59℃乃至61℃の一つの温度から、52℃乃至58℃の一つの温度まで速やかに冷却する。速やかに冷却するのは、通常、比較的長い時間、65℃よりも高い温度にさらされた時に起こるフルクトースの熱分解を避けるためである。フルクトースの熱分解が起こると、結晶化プロセスの収率を低下させてしまう。
【0053】
次いで、第2の段階では、シロップへの等温種結晶添加を行う。すなわち、前段階の終わりで到達したシロップの温度と同じ温度で、2時間乃至4時間、約40ミクロン乃至約80ミクロンの粒子サイズを有し、シロップ中のフルクトースの重量に対する純粋フルクトース種結晶の重量の比率が5%(dsb)乃至9%(dsb)、好ましくは6%(dsb)乃至8%(dsb)である純粋な無水フルクトース種結晶を添加する。
【0054】
ここで、小さな粒子形態であり、かつシロップ中のフルクトースに対して高めの重量比の種結晶を用いるのは、表面反応による結晶面への溶質分子の結合である表面積算のメカニズムにおいて、結晶成長のために大きな表面積を提供することがねらいであり、これにより、結晶を十分に大きくして、結晶化終了後に行う遠心分離操作において結晶を母液から容易に分離できるようにし、結晶質フルクトースの回収に関して高い収率を確保する。
【0055】
種結晶の添加においては、種結晶に僅かの成長が見られ、前記第1の段階の終わりに用いた温度と同じ温度にて、この第2の段階の終わりで、実質的にフルクトース結晶とフルクトース及びグルコースの水溶性シロップからなる白下(massecuite)が得られる。
【0056】
第3の段階では、自発的な核形成を防止するため、フルクトースの最適な過飽和レベルが超過にならないような臨界的な温度領域を用いて、予め決められて自動的に制御された冷却曲線にしたがって白下を徐冷する。したがって、0.7℃/時間乃至0.9℃/時間という一定の降温速度にて、温度が約54℃乃至約48℃の範囲のあるレベルで安定するまで、白下の温度を連続的に低下させる。この第3の段階において、種結晶はかなり成長し、鋭いエッジと、平坦な面と、明瞭な形状を有するようになる。
【0057】
第4の段階では、前記第3の段階の終わりにおける白下の温度と同じ温度で、約6時間乃至約10時間、好ましくは約7時間乃至約9時間かけて、シロップ中の水に対するエタノールの重量比、すなわち(エタノールのグラム数/水のグラム数)の値が1.0乃至2.0に達するまで、無水エタノールを該白下にゆっくりと規則正しく添加する。その結果、等温的に行われる第4の段階の終わりで、今や水性アルコール性溶液になった結晶化メディアにおけるフルクトースの溶解度がかなり低下すると同時に、水溶性シロップの非常に高かった粘性率が大きく低下する。この粘性率の低下は、溶液中におけるフルクトースの実効的拡散率を増加させ、白下をより有効に攪拌させることになり、これにより、溶液から現存している結晶の表面への物質輸送を促進し、結晶成長を容易にする。
【0058】
さらに、水性アルコール性溶液シロップの実行粘性率が低下したことで生じる溶液の混合度合いの大きな増加により、シロップの温度と濃度が均一になり、これにより、望ましくない自発的核形成をもたらす懼れのある過度の局所的な過飽和が防止され、成長している結晶を白下中に平等に分散させ、これにより、狭いサイズ分布を有する結晶の製造を促進する。
【0059】
アルコール添加に先立ってシロップに添加される結晶化用種結晶は、フルクトースの沈殿のための、またマクロ的な結晶成長(不均質的核形成と呼ばれる結晶核の生成法)のための好ましいサイトとして作用し、これにより、アルコール添加に際して、溶液中に種結晶が存在しているが故に、溶液中の溶質分子のクラスターが生成するのを防止する。このようなクラスターは、互いに組合わさって、清澄な溶液において自発的核形成(均質な核形成)の開始原因となるエンブリオになる懼れがある(P.A. Belter, E.L. Cussler, and W. Hu, "Bioseparations: Downstream Processing for Biotechnology", John Wiley & Sons, New York. 1988, pp. 277-278)。実際、本発明の方法においては、エタノールを添加している間は最初から最後まで、水性アルコール性溶液中に浮遊した結晶は、殆ど自発的核形成を伴わずに成長する。エタノールの等温的添加の終わりにおいて、今や顕著に成長したフルクトース結晶は、かなり狭い粒径分布を示す。
【0060】
本発明の方法において、自発核形成の問題は以下に述べる独創的なやり方で解決される。
【0061】
水性アルコール性溶液からのフルクトースの結晶化に関する従来技術の方法においては、水溶性シロップへのアルコール添加は、結晶化用種結晶を添加する前に、高いアルコール/フルクトース重量比でもって、速やかになされている。そのようなプロセス条件が、急激で、激しい、かつ制御されていない核形成を生起させ易くしており、それ故、広いサイズ分布をもつ比較的小さい結晶を生じさせ、したがって望ましい最終製品が得られない原因となっている。
【0062】
このような自発的核形成は、シロップへ速やかに添加されたアルコールの作用によりフルクトースからたくさんの水を除去することの結果として、フルクトース水溶液の過度の過飽和レベルが瞬時に発生することに起因している。また、水性アルコール性溶液の実効的粘性率がかなり減少するので、この減少が、急に激しく効率のよい攪拌をもたらしていることにも起因している。かくして、ある種のポリマー溶液において生じるような流れ−誘発の結晶化(flow-induced crystallization)を引き起こすような状況になっている(G. Astarita, "Thermodynamics", Plenum Press, New York, 1989, p. 149)。
【0063】
よく知られているように、過飽和状態にある液体溶液からの物質の結晶化は、流体の攪拌と混合の結果として生じる流れ場(flow field)の影響を受けるプロセスである。実際、インペラの周りのマクロスケール及びミクロスケールのせん断速度(shear rate)は、通常、生成される結晶質固体のサイズと特性に影響を及ぼす(J.Y. Oldshue, "Fluid Mixing Technology", McGraw-Hill, New York, 1983, p. 239)。上記のようなプロセス条件下における自発的核形成の生起をもたらす別の要因は、アルコール添加時に、水溶液の中に結晶化用種結晶が存在していないことである。
【0064】
上記従来技術とは対照的に、本出願人は自発的核形成に係わる問題を、上記従来プロセスにおける種結晶の添加に先立って速やかにアルコールを添加するというプロセスにおける溶液とは全く逆の溶液を使用することで、事実上、取り除いた。すなわち、本発明の方法によれば、種結晶の添加後に、低いアルコール/フルクトース重量比率でもって、アルコールをフルクトースの水溶性シロップへ添加する。
【0065】
従来技術と比較して革新的なこの新しいプロセスによれば、水溶性溶媒中へのフルクトースの溶解度を徐々に減少させ、これにより、準安定な領域において、また、アルコール添加の最初から最後までにおいて、溶液の過飽和の度合いを小さく、かつ制御して維持し、これにより、不安定な過飽和領域が生起するのを防止する。さらに、水性アルコール性メディアの粘性率を徐々に減少させることで、攪拌を次第に有効にし、流体中のせん断応力レベルを急激に増加させないようにして、これにより、流れの増強に起因する沈殿が急激に生起するのを防止し、また、溶液から結晶表面へのフルクトース分子の拡散による物質移動を促進し、これにより、結晶成長の速度を大きくする。そして、以前にシロップ中へ添加していた種結晶が、結晶化のための好ましい表面を供給する。
【0066】
これらの技術的事項は、本発明の重要な新規性を含んでおり、対応する技術的成果は、自発的核形成を抑制又は低減させるものであり、また、本発明の方法により得られる結晶は、望まれる用途に対して非常に良く調節された形態的、粒子的特性を有するものである。
【0067】
フルクトースの結晶化プロセスの第5の段階では、前記第4の段階の終わりで得られた水性アルコール性白下を、予め決められて自動的に制御された冷却曲線にしたがって、その時点における約54℃乃至約48℃の範囲にあるその温度から、約30℃乃至約25℃の範囲にある一つの温度まで、0.4℃/時間乃至0.8℃/時間の範囲にある一定の冷却速度で徐冷する。
【0068】
この徐冷段階を通じて、自発的核形成は起こらず、結晶は顕著に成長して用途に適合する十分大きいサイズを有するようになるとともに、斜方晶系結晶に特徴的な鋭いエッジと、平坦な面と、明瞭な形状を有するようになる。結晶化は、この第5の段階の終わりにおける白下の約30℃乃至約25℃の範囲にある温度を安定化するために設定した追加的な時間の経過直後に完了する。結晶化プロセスにおけるこのような最終温度は、その後まもなく実行される結晶の遠心分離の温度にも等しい。
【0069】
本発明の全結晶化プロセスは、約40時間乃至約50時間で行われる。この所要時間は、従来プロセスにおける水性アルコール性溶液からのフルクトースの結晶化と水溶液からのフルクトースの結晶化とを含む結晶化全体の所要時間に相当するものである。
【0070】
フルクトース結晶の回収は、水性アルコール性白下を遠心分離することによって行われ、フルクトース結晶とフルクトースの飽和水性アルコール性シロップとからなるケーク(cake)を生成する。後者は、いくらかの残留アルコールを含有する結晶化母液であって、水性アルコール性母液と呼ばれる。遠心分離によるこの母液からのフルクトース結晶の分離は、この水性アルコール性母液の比較的低い実効粘性率の故に容易であり、これにより、フルクトース損失を少なくして、プロセス収率を高めるのに寄与する。
【0071】
その後、遠心分離機中にて、温度4℃のエタノールで結晶を洗浄して結晶表面に付着しているグルコースを除去し、これにより、既に高純度の結晶質フルクトースの純度をさらに高める。次いで、洗浄された結晶は、せいぜい80℃の温度の乾燥空気を使用する回転乾燥機へ移され、約3%の含水率を有する結晶の乾燥をここで行う。0.1%未満の含水率を有する適度に乾燥された結晶は、ふるい分け(screening)によって分級され、制御された温度と湿度の環境にて梱包され、貯蔵される。
【0072】
全重量の約10%に相当するフルクトース結晶が、更なる結晶製造サイクル用の種結晶調製のために分離される。この種結晶の調製においては、好ましくは約40ミクロン乃至約80ミクロンのサイズになるまでフルクトース結晶を粉砕し、その後、ふるい分けする。フルクトース結晶の製造プロセスによって得られた結晶の一部を、さらに次の結晶製造プロセスにおいて結晶化用の種結晶として使用することは、本発明によるプロセスの本質的特徴であり、有利な点である。
【0073】
本発明による方法の第3の工程に係わるいくつかの技術的、経済的考察と、本出願人によって達成された進歩性を有する本発明の方法によって得られる主たる利点と技術的成果について、以下に述べる。
【0074】
プロセスをより経済的にするために、結晶化と結晶洗浄において用いるアルコールはプロセス中で再利用するために回収され、フルクトースに関して飽和した水性アルコール性母液は、経済的価値を有する副生成物を生成するために回収される。
【0075】
白下の遠心分離完了後に得られた結晶化水性アルコール性母液は、結晶洗浄に用いたアルコールと混合され、水で希釈された後に、エタノールが完全に除去されるまで真空中で蒸発処理される。この蒸発処理後、水性アルコール性溶液は蒸留され、濃縮されたアルコールストリーム(alcohol stream)と蒸留ストリーム(stillage stream)を生じさせる。適切な設備中で又は第1の晶析装置と連続してつながっている第2の晶析装置中で実行される次の製造サイクルにおいて、この濃縮されたアルコールは再生利用されて、結晶化プロセスにおけるアルコール添加の段階において、及び遠心分離の第2フェイズにおける結晶洗浄において使用される。一方、前記蒸留ストリームは再生利用されて、アルコール回収工程における母液の希釈に用いられる。
【0076】
蒸発に供されてアルコールを含んでいない母液は、実際のところ、水溶性のフルクトースを豊富に含むシロップであり、このシロップは、その乾燥固体含有量が約60重量%乃至70重量%、フルクトース含有量が74%(dsb)乃至80%(dsb)、グルコース含有量が18%(dsb)乃至24%(dsb)であって、液体の甘味料として使用できる価値のある副生成物であり、この場合、フルクトースを豊富に含むシロップとして、又はマンニトールやソルビトールを得るために水素化を受ける種類の応用のための工業的供給原料として販売される。
【0077】
要するに、プロセスで既使用のアルコールや洗浄工程で既使用のアルコールを次に続く結晶製造サイクルにおいて再利用することや、水性アルコール性母液を回収して価値のある副生成物を生成することは、プロセスの利益を増大させ、廃棄物の量を最小にするので、本発明の本質的かつ有利な特徴である。
【0078】
本発明によるフルクトースの結晶化プロセスの別の本質的かつ有利な特徴は、フルクトースのアルコールに対する重量比が約5乃至約10、好ましくは約6乃至約8である重量比を用いることであり、この重量比は従来のプロセスにおいて用いられている典型的な値の0.5乃至3という重量比と比較してずっと大きい。このことは、本発明における水性アルコール性溶液からのフルクトースの結晶化プロセスは、従来プロセスと比較した場合、消費するアルコールの量が顕著に少なく、したがって経済的に有利であるということを示している。
【0079】
本発明の方法において、水溶性シロップへのアルコール添加の段階の終わりで得られる水性アルコール性シロップの実効的粘性率は低減されているので、これにより、プロセスの最終段階において白下を混合するのに必要とされるパワーを著しく低減させ、したがって関連する操作コストを低減させている。
【0080】
本発明の方法による結晶化工程においては、供給シロップ中に含まれる約40%乃至約60%というフルクトースの重量に基づいて、結晶質フルクトースの回収の収率が与えられる。この収率は、本発明による新規な技術の有効性を示すものである。
【0081】
本発明の方法によって得られるフルクトース結晶の純度は卓越しており、フルクトースの含有量が99.50%(dsb)超であり、(事実上、この結晶質生成物の中の唯一の残留不純物である)グルコースの含有量が0.50%(dsb)未満である。そのうえ、この結晶質生成物の微結晶粒子は、平均直径が約250ミクロン乃至約350ミクロンの非常に狭い粒径分布を示し、カールフィッシャー法(Karl Fischer method)で測定した残留含水率は0.1重量%未満である。
【0082】
科学的、技術的文献において広く認められている、特にこの技術分野に関連する特許文献に含まれている知識を通して広く認められているフルクトースの結晶化プロセスに固有な多くの技術的困難にもかかわらず、本発明による結晶化プロセスは、本出願人によって達成された重要な技術的新規性、進歩性と、それによって得られる有利性とを含むものである。
【0083】
本発明による水性アルコール性メディアからのフルクトースの結晶化プロセスにおいて確立されたこれら技術的新規性と進歩性により、以下のような技術的成果が達成される。それは、無水フルクトース結晶の非常に高い純度と卓越した形態的、粒子的特性であり、自発的核形成の抑制と低減であり、アルコールの消費量が少ないことであり、結晶化サイクルに要する時間が比較的短いことであり、フルクトース回収における高い収率であり、結晶化プロセスの経済性が改良されていることである。これらのことが、本発明によるフルクトースの製造をより有益なものにしている。全体として、結晶化工程において達成されたこれらの技術的成果は、本出願人により達成された本発明の進歩性を示すものであり、本発明の革新的な内容に顕著に寄与している。
【0084】
本発明の方法によって製造される高純度の結晶質フルクトースの物理的、機能的特性に関するいくつかの別の様相について、以下に詳細に述べる。
【0085】
得られる最終生成物の技術的明細、とりわけ、使用する原材料の性質や採用するプロセス操作のタイプに関連するその化学的純度とその粒子スペクトル(粒径分布)などは、食用グレードの結晶質フルクトースに関する国際的な基準を満たしている。
【0086】
本発明の方法により得られた結晶質フルクトースを構成する粒子についてなされた粒子サイズ分析の結果によれば、この結晶質フルクトースは、好ましくは約250ミクロン乃至約350ミクロンの平均直径で、狭く集中した粒子サイズ分布をもち、そして、結晶質フルクトースの粒子のうち約70%がこの約250ミクロン乃至約350ミクロンの粒径範囲に入っている。また、結晶質フルクトースの上記粒子的特性に関して、粒子の以下に示す各サイズ領域における存在分率を重量の百分率で表すと、595ミクロン超のサイズを有する粒子は1%、425ミクロン超で595ミクロン以下が15%、250ミクロン超で425ミクロン以下が70%、180ミクロン超で250ミクロン以下が12%、100ミクロン乃至150ミクロンが2%である。
【0087】
本発明の方法による高純度の結晶質フルクトースの別の物理的特性は、粒子サイズが約100ミクロン乃至約595ミクロンの範囲内にある粒子に関して、約0.50g/l乃至約0.56g/l、好ましくは約0.51g/l乃至約0.55g/l、より好ましくは約0.52g/l乃至約0.54g/lの見掛け密度(apparent density)である。
【0088】
工業的応用における、本発明の方法によって得られる無水の結晶質フルクトースの基本的な機能的特性は、以下に記載するその吸湿性と溶解時間である。
【0089】
本発明の方法によって製造される高純度結晶質フルクトースの第1の本質的な機能的特性は、フルクトースの水蒸気に対する強い親和性に起因して、結晶が空気中から湿気を吸収せねばならないという傾向に関連した吸湿性である。吸湿性が非常に高いと、吸収された湿気が粉体を凝集させてしまうので、粉体の流動性に悪影響を及ぼし、これにより、粒子の自由流動を妨げてしまう。吸湿性は、80%の一定相対湿度で24時間、恒湿器中に保たれた粒状の生成物サンプルによって吸収される水の重量比で定義される。このテストによれば、本発明の方法による結晶質フルクトースは、約3%未満、好ましくは約2.9%未満、より好ましくは約2.8%未満の吸湿性を示す。
【0090】
これらの値は、本発明の方法による結晶質フルクトースが、その高い物理化学的安定性の故に、また、本発明のプロセスにより結晶に付与されたその非常に高い純度と明瞭な形態(フルクトースの特性である斜方晶系結晶の形態)の故に、比較的低い吸湿性を有することを示している。この結晶質フルクトースの低減された吸湿性は、本出願人によって達成された技術的進歩を通じて得られた顕著な技術的成果であり、より良好なハンドリング、梱包、貯蔵、輸送と最終消費を可能にするものである。なぜなら、粉末の凝集が極小化され、これにより、長時間、良好な流動性を維持することが可能になり、ケーキング(caking)が起こることを防止するからである。
【0091】
本発明の方法による結晶質フルクトースの他の本質的な機能的特性は、特定の温度と攪拌の条件下で、ある量の粒状物質が予め決められた量の水に完全に溶解して完全に清澄で透明な溶液ができる能力を示す、秒単位で表される溶解時間である。溶解時間は特定のテストにより測定される。それは、直径が100ミクロン乃至595ミクロンの範囲内にある粒状の生成物サンプル5gを、鉱物成分(demineralized)とガスを除去した20℃の温度に保持された150gの水の中に入れて、250mL容積のビーカー内で200rpmで攪拌するという条件下において、粒状サンプルを水中に導入した後、完全に清澄な懸濁液が得られるまでに要した時間が溶解時間である。
【0092】
この条件下で、本発明の方法により製造した結晶質フルクトースの溶解時間は、15秒未満であり、好ましくは12秒未満である。この結果は、フルクトースの水への高溶解度のみならず、多くは、微結晶粒子の溶解に対して特に有効な本生成物のきわだった粒子スペクトル(粒径分布)にも起因して、本発明の方法による生成物は非常に速やかに水に溶解することを示すものである。食品工業において多くの応用向けに、また栄養上の粉末甘味料として用いられるこの結晶質フルクトースの高い溶解能力は、本発明の本質的で有利な特徴である。
【0093】
要約すると、無水の結晶質フルクトースの製造に関して、出発原料と製造の技術的ルートを革新することにより、本発明は、従来技術と比較して格段に優れた戦略的、技術的、経済的、商業的因子を組み合わせることを可能にした工業的な代替技術を構成するものである。加えて、本発明のプロセスに導入された技術的新規性と進歩性は、重要な技術的成果をもたらした。これらの技術的成果とは、技術的困難の度合いとフルクトースのクロマトグラフ分離にかかるコストの低減、自発的核形成の抑制と低減と結晶化プロセスにおけるアルコール消費の低減、適度の結晶化所要時間、結晶質フルクトースの高い収率、結晶化プロセスの経済性の向上、フルクトースを豊富に含む水溶性シロップに代表される価値のある副生成物の製造、高純度であって望まれる用途にとって適切な形態的、粒子的、機能的特性を有するフルクトース結晶の製造などである。
【0094】
スクロースからなる原材料と、独自のプロセスルートと、それにより達成された広範囲にわたる技術的成果は、本発明の革新的内容と進歩性を示している。したがって、本発明による高純度の結晶質フルクトースの製造プロセスは、従来技術において対応する方法と比較した場合、全く異なる卓越した工業技術を構成する。本発明がよりよく理解されることを目的として、以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0095】
(実施例)以下は、本発明の方法による高純度結晶質フルクトースの製造の実施例である。
【0096】
残留スターチを除去する目的で、純度99.7%(dsb)で含有量が60重量%のスクロース水溶液に酵素的処理を施した。その後、このスクロースに、水溶液中に含まれている塩酸を触媒とした加水分解反応を受けさせ、これにより、乾燥固体含有量が60重量%のフルクトースとグルコースの溶液(フルクトースとグルコースとを含む溶液)を生成させた。前記の酸加水分解の後、フルクトースとグルコースの溶液を中和し、かつ脱イオンして、乾燥固体含有量58重量%で温度59℃とした後、クロマトグラフカラム中へ供給した。
【0097】
分離終了後、脱酸素かつ脱イオンされた溶出水をクロマトグラフカラム中へ導入し、これにより、フルクトースの脱離を行わせた。その結果、乾燥固体含有量が24重量%でフルクトース含有量が87%(dsb)のフルクトースとグルコースの溶液を得、次いで、これを真空下で蒸発させ、温度60℃で乾燥固体含有量80重量%とした。
【0098】
この60℃という温度で、色を除去するために、この溶液に炭素処理(carbon treatment)を施し、次いで、真空下で蒸発処理して濃縮化し、これにより、同じ温度の60℃で、乾燥固体含有量93重量%、フルクトース含有量87%(dsb)、グルコース含有量12%(dsb)のフルクトースとグルコースの水溶性シロップを生成させた。このようにして得られたシロップを、五つの段階で行われるフルクトースの結晶化工程である次工程用の供給物流(feed stream)とした。
【0099】
結晶化の第1段階においては、乾燥固体含有量が93重量%でフルクトース含有量が87%(dsb)の前記フルクトースシロップを、60℃から55℃まで速やかに冷却した。
【0100】
その後、結晶化の第2段階に入り、55℃で3時間、シロップ中のフルクトースの重量に対して7%の重量割合に相当する量の、粒子サイズが約60ミクロンの純粋フルクトース種結晶を用いてシロップの等温的種結晶添加を行った。種結晶添加の間、種結晶に僅かな成長が見られ、したがって、この第2段階の終わりで、温度55℃で、多くのフルクトース結晶とフルクトース及びグルコースの水溶性シロップから構成された白下が生成された。
【0101】
結晶化の第3段階においては、白下の温度が51℃で安定化されるまで、0.8℃/時間という一定の降温速度で白下の連続的徐冷が行われた。この第3段階の終わりで、種結晶は適度に成長しており、明瞭な形状を示していた。
【0102】
結晶化の第4段階においては、51℃の無水エタノールを、シロップ中の水に対するエタノールの重量比、すなわち、(エタノールのグラム数/水のグラム数)が1.8に到達するまで、前記第3段階の終わりで得られた白下にゆっくりと規則正しく、7時間かけて添加した。その結果、この段階の終わりで、水性アルコール性溶液中に懸濁した結晶は、自発的核形成が発生することなく、顕著に成長し、かなり狭い粒子分布のサイズを有していた。
【0103】
結晶化の第5段階においては、前記第4段階の終わりで得られた水性アルコール性シロップを、0.8℃/時間という一定の降温速度で51℃から27℃まで徐冷した。この第5段階の終わりで、フルクトース結晶は、斜方晶系の結晶に特徴的な明瞭な形状を示し、かつ工業的用途に適切なサイズを有していた。この白下の温度を、さらに1時間かけて27℃で安定化させることにより、合計47時間を要した全結晶化工程を終えた。この後、結晶の分離工程へ進んだ。
【0104】
フルクトース結晶の回収は、白下を遠心分離することにより行った。水性アルコール性母液の減少した実効的粘性率のおかげで、この分離操作を非常に容易に行うことができ、また、フルクトース損失を極小にして、高いプロセス収率を得ることができた。その後、遠心分離装置中で、温度4℃のエタノールを用いて結晶をほどよく洗浄し、次いで、残留含水率が高くとも0.1重量%となるまで、温度70℃の乾燥空気に直接接触させることにより乾燥し、次いで、ふるい分け(screened)して、制御された温度と湿度の環境下で梱包した。
【0105】
上記実施例で得られた本発明の方法による高純度結晶質フルクトースは、以下に示すような特性、
フルクトース含有量99.85%(dsb)
グルコース含有量0.15%(dsb)
残留含水率0.1重量%
見掛け密度0.53g/l
以下に示す粒子スペクトル(重量の百分率で示す)
595ミクロン超のサイズを有する粒子:約0.8%
425ミクロン超で595ミクロン以下:約14.8%
250ミクロン超で425ミクロン以下:約70.3%
180ミクロン超で250ミクロン以下:約11.4%
100ミクロン乃至150ミクロン:約1.6%
平均直径約295ミクロン
80%相対湿度における吸湿性2.8%
溶解時間12秒
を有した。これらの結果は、上記実施例において調製された結晶質フルクトースが、望まれる応用に関して非常に良く調節された物理的、機能的特性を備えていることを示すものである。
【0106】
また、上記実施例における結晶質フルクトースの回収の収率は約50%であった。この高い収率は本発明による結晶化プロセスの有効性を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の高純度結晶質フルクトースの製造プロセスを模式的に示す図である。

Claims (18)

  1. スクロースを原材料として用いる、高純度の結晶質フルクトースの製造方法であって、
    (a)第1の工程において、純度が乾燥固体基準の重量で99.5%以上のスクロースを水に溶解して得られた乾燥固体含有量が60重量%のスクロース水溶液を精製して、塩酸を触媒とした加水分解に供することにより、乾燥固体含有量が60重量%のフルクトース及びグルコースの水溶液を生成して、これを中和し、かつ脱イオンして、
    (b)第2の工程において、前記第1の工程の終わりで生成した中和処理、脱イオン処理後のフルクトース及びグルコースの水溶液であって、58重量%乃至59重量%の乾燥固体含有量で58℃乃至62℃の一つの温度の該水溶液を、フルクトースをグルコースから部分的に分離するクロマトグラフカラムの中へ導入し、これにより、乾燥固体含有量が22重量%乃至26重量%でフルクトース含有量が乾燥固体基準の重量で84%乃至90%のフルクトース及びグルコースの水溶液を得て、次いでこれを、乾燥固体含有量が79重量%乃至81重量%に到達するまで59℃乃至61℃の一つの温度にて真空中で蒸発処理し、その後、59℃乃至61℃の同じ該温度で真空蒸発処理により、結晶化工程用の水溶性供給物質であるシロップが形成されるまで濃縮して、59℃乃至61℃の一つの温度で乾燥固体含有量が少なくとも92重量%、フルクトース含有量が乾燥固体基準の重量で84%乃至90%、グルコース含有量が乾燥固体基準の重量で9%乃至15%のシロップを形成して、
    (c)第3の工程において、前記第2の工程の終わりで得られた水溶性シロップを59℃乃至61℃の一つの温度から52℃乃至58℃の一つの温度まで速やかに冷却して、次いで、一定に保たれた一つの該温度で、約40ミクロン乃至約80ミクロンのサイズを有する純粋なフルクトース結晶からなる結晶化用種結晶を用い、前記水溶性シロップ中のフルクトースの重量に対する前記純粋フルクトース種結晶の重量が5%乃至9%となる比率で、2時間乃至4時間かけて前記シロップへ種結晶添加を行い、これにより、わずかに成長した多くのフルクトース結晶とフルクトース及びグルコースの水溶性シロップとからなる白下を生成して、これを0.7℃/時間乃至0.9℃/時間の一定降温速度を用いて、温度が約54℃乃至約48℃の一つの温度値に安定化されるまで制御徐冷して、これにより、適度に成長して形態が明瞭なフルクトース結晶を含む水溶性白下を得て、次いでこれに、該白下の温度と同じ温度の無水エタノールを、6時間乃至10時間かけて、前記シロップ中の水に対するアルコールの重量比率が1.0乃至2.0となるまで、ゆっくりと定期的に添加して、これにより、成長した結晶を含む水性アルコール性白下を生成し、次いでこれに、0.4℃/時間乃至0.8℃/時間の一定の降温速度で、約54℃乃至約48℃の安定化された前記温度から約30℃乃至約25℃の一つの温度まで制御徐冷を施し、次いで、さらに1時間かけて温度を安定化させることにより結晶化工程を完了し、その後、得られた十分に成長したフルクトース結晶を、遠心分離により水性アルコール性母液から分離して、温度4℃のエタノールで洗浄し、高くとも80℃の温度の乾燥空気に直接接触させることにより適度に乾燥することを特徴とする、高純度の結晶質フルクトースの製造方法。
  2. 前記クロマトグラフ分離の終わりで得られるフルクトース及びグルコースの前記水溶液が、乾燥固体基準の重量で86%乃至88%のフルクトース含有量を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記クロマトグラフ分離の終わりで得られるフルクトース及びグルコースの前記水溶液が、23重量%乃至25重量%の乾燥固体含有量を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記結晶化工程のための供給物質として用いられる水溶性のフルクトースを豊富に含むシロップが、乾燥固体基準の重量で86%乃至88%のフルクトース含有量を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記結晶化工程のための供給物質として用いられる水溶性のフルクトースを豊富に含むシロップが、93重量%乃至95重量%の乾燥固体含有量を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記水溶性シロップ中のフルクトースの重量に対する前記純粋フルクトース種結晶の重量の比率が約6%乃至約8%であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記フルクトース種結晶が、約40ミクロン乃至約80ミクロンのサイズを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記種結晶を、以前の結晶化サイクル中のプロセスにおいて製造された結晶質フルクトースの結晶のうち、重量で約10%の結晶から得ていることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記水性アルコール性白下における、エタノールの重量に対するフルクトースの重量の比率が約6乃至約8であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 白下の遠心分離の終わりで得られる結晶化用水性アルコール性母液の回収が、アルコールを含まない水溶性のフルクトースを豊富に含むシロップをもたらし、該シロップは、乾燥固体含有量が約60重量%乃至約70重量%、フルクトース含有量が乾燥固体基準の重量で74%乃至80%、グルコース含有量が乾燥固体基準の重量で18%乃至24%であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 結晶化工程と結晶洗浄において用いられたアルコールが、次の製造サイクルにおけるプロセスにおいて再利用するために回収されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. 請求項1乃至請求項11記載の方法により製造された高純度結晶質フルクトースであって、この微粒子物質は高い流動性と低い脆性を示し、斜方晶系の形態に類似の形態を有する結晶から構成された結晶質粒子を有しており、フルクトース含有量が乾燥固体基準の重量で99.50%以上、グルコース含有量が乾燥固体基準の重量で0.50%未満、残留水分率が0.12重量%未満であり、直径が約100ミクロン乃至約595ミクロンの範囲内にある粒子に関する見掛け密度が約0.50g/l乃至約0.56g/lであり、重量百分率で粒子の約1%が595ミクロン超のサイズ、約15%が425ミクロン超595ミクロン以下のサイズ、約70%が250ミクロン超425ミクロン以下のサイズ、12%が180ミクロン超250ミクロン以下のサイズ、約2%が約100ミクロン乃至約150ミクロンのサイズを有しており、粒子の平均直径が約250ミクロン乃至約350ミクロンであり、吸湿性が3%未満であり、溶解時間が15秒未満であることを特徴とする高純度結晶質フルクトース。
  13. フルクトース含有量が乾燥固体基準の重量で99.70%超、好ましくは99.80%超であることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
  14. グルコース含有量が乾燥固体基準の重量で0.30%未満、好ましくは0.20%未満であることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
  15. 残留水分率が約0.11重量%未満、好ましくは約0.10重量%未満であることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
  16. 直径が約100ミクロン乃至約595ミクロンの範囲内にある粒子に関する見掛け密度が約0.51g/l乃至約0.55g/l、好ましくは約0.52g/l乃至約0.54g/lであることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
  17. 吸湿性が約2.9%未満、好ましくは約2.8%未満であることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
  18. 溶解時間が約12秒未満であることを特徴とする請求項12記載の高純度結晶質フルクトース。
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