JP2014139556A - 電流センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出素子の組み付けの容易化を図りながら、検出精度の向上を図ることができる電流センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電流が印加されるバスバー1および当該バスバー1の周囲に配置されたコア2を保持するハウジング6と、ハウジング6に対向配置した状態で当該ハウジング6に固定される回路基板4と、電流を検出するための検出素子3とを備え、検出素子3が、ハウジング6に保持される素子本体3aおよび回路基板4の貫通孔4aに固定される複数の接続端子3bを備えると共に、回路基板4の両面のうちハウジング6に対向する面に、接続端子3bが挿通し、ハウジング6の側から回路基板4の側に向けて径が縮小するガイド孔5aを設けた板状部材5を配置してある。
【選択図】図3

Description

本発明は、電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングと、前記ハウジングに対向配置した状態で当該ハウジングに固定される回路基板と、前記電流を検出するための検出素子とを備え、前記検出素子が、前記ハウジングに保持される素子本体および前記回路基板の貫通孔に固定される複数の接続端子を有する電流センサ及びその製造方法に関する。
近年、モータとインバータとを備えるハイブリッド車両や電気自動車が普及しており、このような分野においてモータの回転を適切に制御する上で、モータに流れる電流を測定することは重要である。
このような電流の測定方法として、モータとインバータとを接続するバスバーに印加される電流に応じて当該バスバーの周囲に生じる磁界を検出素子(磁気センサ)で検出し、その検出された磁界に基づいてバスバーに印加された電流を演算して求める電流センサがある(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の電流センサは、電流が印加されるバスバーと磁界を集磁するコアとが、コアをバスバーの周囲に配置してハウジングに保持されている。当該コアには所定のギャップが形成され、そのギャップに検出素子の素子本体が配置されている。
検出素子は、複数の接続端子を回路基板に半田付けなどで固定した後、素子本体がギャップに配置されるように、回路基板とハウジングとに亘って組み付けられている。
特開2009−121864号公報
従来の電流センサでは、複数の接続端子を回路基板に固定した後、素子本体をハウジングに保持することによって、検出素子が回路基板とハウジングとに亘って組み付けられている。
したがって、複数の接続端子を回路基板に固定した段階で、素子本体の回路基板に対する姿勢が拘束される。一方、回路基板はハウジングに対して対向する所定姿勢で、当該ハウジングに固定される。
このため、素子本体をハウジングに保持されるように組み付けるにあたって、素子本体の回路基板に対する姿勢に誤差が生じている場合は、その姿勢を修正するなどの操作が必要で、検出素子の回路基板とハウジングとに亘る組み付けに手間を要する。
そこで、検出素子の組付けを容易にするために、コアと素子本体とのギャップを拡げるなどにより組み付け精度を粗く設定すると、検出精度が低下するおそれがある。
また、素子本体のコアに対する組み付け精度を粗く設定してあると、回路基板とハウジングの熱膨張率の違いに起因して、温度変化に伴う素子本体のコアに対する姿勢変化が大きくなり、この点においても、検出精度が低下するおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、検出素子の組み付けの容易化を図りながら、検出精度の向上を図ることができる電流センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明による電流センサの特徴構成は、電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングと、前記ハウジングに対向配置した状態で当該ハウジングに固定される回路基板と、前記電流を検出するための検出素子とを備え、前記検出素子が、前記ハウジングに保持される素子本体および前記回路基板の貫通孔に固定される複数の接続端子を有すると共に、前記回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記接続端子が挿通し、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小するガイド孔を設けた板状部材を配置してある点にある。
本構成の電流センサは、回路基板の両面のうちハウジングに対向する面に、検出素子の接続端子が挿通し、ハウジングの側から回路基板の側に向けて径が縮小するガイド孔を設けた板状部材を配置してある。
このため、素子本体をハウジングの所定位置に組み付けた後、複数の接続端子の夫々を板状部材に設けたガイド孔に挿通することにより、それらの接続端子を回路基板の貫通孔に入り込むように案内することができる。
したがって、高い検出精度が得られるように、素子本体のコアに対する組み付け精度を高く設定しながら、複数の接続端子の夫々を回路基板の貫通孔に確実に入り込ませて、検出素子を回路基板とハウジングとに亘って容易に組み付けることができる。
しかも、素子本体のコアに対する組み付け精度を高く設定したことにより、回路基板とハウジングとの熱膨張率の違いに起因する、素子本体のコアに対する姿勢変化も抑制することができる。
よって、本構成の電流センサであれば、検出素子の回路基板とハウジングとに亘る組み付けの容易化を図りながら、検出精度の向上を図ることができる。
本発明の他の特徴構成は、前記ハウジングが前記素子本体の複数を保持し、前記ハウジングと前記回路基板とを位置決めする係合部及び被係合部を、前記ハウジングと前記回路基板とに各別に設け、前記係合部あるいは前記被係合部の位置が、前記複数の素子本体を配置した領域の中央部に設定してある点にある。
回路基板とハウジングは熱膨張率が異なるために、使用に際する熱変形により回路基板とハウジングとの相対位置がずれ易い。
本構成であれば、ハウジングと回路基板とを位置決めする係合部あるいは被係合部の位置を、複数の素子本体を配置した領域のうちの、領域中央部から離れた一箇所に配置してある場合に比べて、係合部あるいは被係合部と接続端子との最大距離を略半減することができる。
よって、高い検出精度を長期に亘って維持し易い。
また、前記回路基板の表面及び裏面における前記貫通孔の周囲にランドが形成され、前記板状部材における前記回路基板のランドに対向する位置に凹部が形成されてあると好適である。
このような構成とすれば、回路基板の表面及び裏面の夫々のランドにおいてフィレットを形成することができる。したがって、検出素子の半田固着強度を高めることができるので、検出素子の半田付けの信頼性を向上することが可能となる。
更に、前記凹部が、前記回路基板の板幅方向に沿って前記板状部材を貫通するように形成しても良い。
このような構成とすれば、回路基板の板幅方向から凹部を介して接続端子に形成されたフィレットを目視することができる。このため、検出素子の実装不良を外観検査等により見つけ易くすることができる。したがって、例えば製造工程において半田付け不良があった場合でも、不良品を外観検査等により抽出し易くすることができるので、品質を高めることが可能となる。
本発明による電流センサの製造方法の特徴構成は、電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングに設けた保持部に、前記電流を検出するための複数の検出素子の素子本体を、当該素子本体から延出する複数の接続端子を、互いに隣り合う接続端子どうしが離間するように屈曲させ、さらに夫々の接続端子の端部を屈曲させて当該端部の延出方向を前記ハウジングから回路基板に向かう方向に揃えてある状態で保持させる工程と、前記ハウジングに対向する状態で前記ハウジングに固定される回路基板に対し、当該回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小する複数のガイド孔を設けた板状部材を取り付ける工程と、前記複数の素子本体を保持したハウジングに前記回路基板および前記板状部材を接近させ、前記ハウジングと前記回路基板とを位置合わせしつつ、前記接続端子の端部の夫々を対応する前記板状部材のガイド孔および前記回路基板の貫通孔に挿通し、前記回路基板を前記ハウジングに固定する工程と、前記夫々の接続端子の端部を前記回路基板に半田付けする工程と、を備えた点にある。
すなわち、バスバーおよびコアを保持するハウジングに設けた保持部の夫々に、複数の検出素子の素子本体を保持させることにより、各素子本体をコアに対して精度良く組み付けておくことができる。
そして、回路基板および回路基板のハウジングに対向する面に取り付けた板状部材をハウジングに接近させることにより、ハウジングと回路基板とを位置合わせしつつ、接続端子のハウジングから回路基板に向かう方向に揃えた端部の夫々を対応するガイド孔および回路基板の貫通孔に挿通して、回路基板をハウジングに固定する。
検出素子の夫々の接続端子は、隣り合うものどうしが離間するように屈曲し、さらに端部を回路基板の側に曲げてある。
このため、板状部材におけるガイド孔として、接続端子を導入し易い大きなガイド孔を設けても、それらのガイド孔を互いに干渉しないように配置することができると共に、回路基板が熱膨張してハウジングに対して変位した場合に、接続端子が曲がり変形して上記変位を吸収することができる。
また、接続端子の屈曲方向を同一方向ではなく互いに離間する方向に設定してある。よって、回路基板がハウジングに対して特定方向に変位した場合に、各接続端子に作用する外力の方向は一定でも夫々の接続端子の曲がり方向が異なるため、各接続端子の曲がり態様が異なるものとなる。これにより、回路基板が何れの方向に変位した場合でも、素子本体が受ける外力の影響が平均化され、素子本体の取付安定性が高まることとなる。
さらに、複数の接続端子の端部の夫々を回路基板の貫通孔に容易に挿通しながら、端部が貫通孔に挿通された接続端子の回路基板に対する移動を許容する状態で、回路基板をハウジングに固定することができる。
そして、回路基板をハウジングに固定した後、回路基板の貫通孔に挿通した接続端子の端部の夫々を回路基板に半田付けすることにより、検出素子を回路基板とハウジングとに亘って組み付けることができる。
したがって、各接続端子を残留応力が少ない状態で回路基板に半田付けすることができ、各素子本体のコアに対する組み付け姿勢を安定させ易い。
電流センサを模式的に示す斜視図である。 電流センサの複数を備えたセンサユニットの平面図である。 図2におけるIII −III 線断面図である。 電流センサの拡大断面図である。 電流センサの組み付け工程を示す断面図である。 電流センサの組み付け工程を示す断面図である。 電流センサの組み付け工程を示す断面図である。 第2実施形態を示すセンサユニットの平面図である。 第3実施形態を示す電流センサの拡大図である。 その他の実施形態に係る凹部を示す図である。 その他の実施形態に係る凹部を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明による電流センサAの概略を示し、図2,図3は、電流センサAの複数をユニット化してあるセンサユニットUを示し、図4は、センサユニットUに設けてある電流センサAの拡大断面図を示す。
図1に示すように、電流センサAは、バスバー1に印加される被測定電流を測定するために、バスバー1に流れる被測定電流により発生する磁界の磁束密度を検出し、検出された磁束密度に基づいてバスバー1に流れる電流(電流値)を測定する。
図2〜図4に示すように、電流センサAは、導電体からなる帯板状のバスバー1、金属磁性体からなるコア2、電流を検出するための検出素子としてのホールIC3、樹脂材料を有して形成してあるプリント基板(回路基板)4、ガイド孔5aを設けた板状部材としての樹脂材料で形成してある端子ガイド板5、樹脂材料で形成してあるハウジング6などを備えている。
バスバー1は、図示しない3相モータと当該3相モータに通電するインバータとを接続するために使用される。3相モータは、ハイブリッド車両や電気自動車等の動力源に用いられ、3相モータとインバータとの組み合わせ毎に三本のバスバー1を有している。
センサユニットUは、図2に示すように、三本のバスバー1の夫々に対応する三つの電流センサAを一列に並べてユニット化してある。また、測定するべき電流が増えれば、さらに電流センサAを加えてユニット化してもよい。
コア2は、複数の磁性鋼板を積層して両端部どうしの間にギャップ2aを有するU字状に形成され、バスバー1の外周側を周方向に囲んで集磁する。バスバー1は、板面がコア2に対向するように、コア2の内周側に間隔を隔てて挿通してある。
ハウジング6は、各電流センサA毎に対応するバスバー1及びバスバー1の周囲に配置されたコア2を例えば組み付けて、これらのバスバー1及びコア2を一体に保持している。
プリント基板4は、ハウジング6に対向配置した状態で当該ハウジング6に一体に固定され、各電流センサA毎に対応する回路パターンがプリントされている。
ホールIC3は、ハウジング6に保持される素子本体3aおよびプリント基板4の貫通孔(スルーホール)4aに通して対応する回路パターンに半田付けで固定される複数(本実施形態では三本)の接続端子3bを備える。
素子本体3aは、その検出面がコア2に対向する姿勢で、ギャップ2aの幅方向中央位置に位置決め状態で保持されるように組み付けてある。
すなわち、ハウジング6には、各電流センサA毎に対応するホールIC3の素子本体3aをプリント基板4の側から嵌め込み可能な保持部としての、複数(本実施形態では三つ)の有底の矩形保持穴6aがプリント基板4の側に開口するように設けられている。
そして、これらの保持穴6aの夫々に素子本体3aを嵌め込むことで、素子本体3aがギャップ2aの幅方向中央位置に、バスバー1の通電による発熱に伴う素子本体3aの熱膨張を許容できる程度のクリアランスで保持されている。
したがって、コア2にはバスバー1に流れる電流に応じて生じた磁束が集磁され、集磁された磁束はギャップ2aを飛び越える。これにより、コア2と素子本体3aとで磁路が形成され、ホールIC3は、バスバー1に流れる被測定電流により形成される磁界の強さを検出することが可能となる。
ホールIC3は、接続端子3bとしてのピン状のラジアルリード線の三本を、素子本体3aの厚み方向に沿う一側端面に並設してある。
したがって、ホールIC3は面実装部品ではなく、プリント基板4に形成された複数の貫通孔4aの夫々に接続端子(ラジアルリード線)3bを挿入してプリント基板4に半田付けされる。
端子ガイド板5には、素子本体3aが保持穴6aに保持されている各ホールIC3毎の三本の接続端子3bがハウジング6の側から各別に挿通される複数(本実施形態では9個)のガイド孔5aが貫通形成されている。
各ガイド孔5aは、ハウジング6の側からプリント基板4の側に向けて径が縮小する円錐面を備えた漏斗状に貫通形成され、各保持穴6aに保持された素子本体3aの接続端子3bを先端部分がプリント基板4の貫通孔4aに挿通されるように案内する。
三本の接続端子3bのうちの互いに隣り合うものどうしは、素子本体3aからの立ち上がり部分を素子本体3aを挟んで互いに逆向きの横方向に屈曲させてある。また、横方向に屈曲させた三本の接続端子3bの先端部分の夫々を、プリント基板4の板面に対して直交する方向に沿うように更に屈曲させてある。
このため、互いに隣り合う接続端子3bの先端部分を、素子本体3aの特定の側に集中して並ばないように配置して、プリント基板4における端子挿通用の貫通孔4aを分散配置することができる。
これにより、接続端子3bの先端部分を貫通孔4aに確実に案内できるように、端子ガイド板5に最大径が大きなガイド孔5aを形成しても、それらのガイド孔5aを互いに干渉しないように配置することができる。
端子ガイド板5には、プリント基板4に貫通形成した係合孔7に押し込まれる円柱状の係合ピン7aが設けられている。
端子ガイド板5は、係合ピン7aをプリント基板4のハウジング6に対向する側から係合孔7に押し込むことにより、プリント基板4の表裏両面のうちハウジング6に対向する面に取付けられている。
ハウジング6とプリント基板4とに亘って、ハウジング6とプリント基板4とを位置決め状態で係合固定する係合部8及び被係合部8aを設け、係合部8及び被係合部8aの位置を、複数の素子本体3aを配置した領域の外周部の一箇所に設定してある。
係合部8は、プリント基板4と端子ガイド板5とに亘って形成された係合孔で構成され、被係合部8aは、ハウジング6に突設してある円柱状の係合ピンで構成されている。
そして、プリント基板4と端子ガイド板5とに亘って一連に連続させた係合孔(係合部)8に係合ピン(被係合部)8aを押し込むことにより、プリント基板4及び端子ガイド板5が、ハウジング6からの脱落が阻止された状態で、ハウジング6に位置決め状態で互いに固定される。
上記電流センサA(センサユニットU)の製造方法を説明する。
電流センサAの製造方法は、図5,図6に示すように、バスバー1およびコア2を保持しているハウジング6に設けてある保持穴6aに、予め、各電流センサA毎に対応する複数のホールIC3の素子本体3aを保持させる(素子本体保持工程)。
素子本体保持工程において各保持穴6aに保持される素子本体3aから延出されている複数(本実施形態では9本)の接続端子3bは、予め、素子本体3aを挟んで互いに離間する方向に広げつつプリント基板4の側に向けて斜めに屈曲させ、さらに夫々の接続端子3bの端部を屈曲させて当該端部の延出方向をハウジング6からプリント基板4に対して垂直に向かう方向に揃えてある。
次に、係合ピン7aを係合孔7に押し込むことにより、プリント基板4のハウジング6に対向する面に端子ガイド板5を取り付ける(ガイド板取付け工程)。
図6,図7に示すように、複数の素子本体3aを保持したハウジング6にプリント基板4およびプリント基板4に取り付けた端子ガイド板5を接近させ、係合孔8に係合ピン8aを押し込んでプリント基板4とハウジング6とを位置合わせしつつ、接続端子3bの端部の夫々を対応する端子ガイド板5のガイド孔5aおよびプリント基板4の貫通孔4aに挿通する。
これにより、端部が貫通孔4aに挿通された接続端子3bのプリント基板4に対する移動を許容する状態で、ハウジング6及びプリント基板4を端子ガイド板5と共に互いに固定する(基板固定工程)。
さらに、図7に示すように、プリント基板4の貫通孔4aに挿通した接続端子3bの夫々を回路パターンに半田付けする(半田工程)。
したがって、各接続端子3bを残留応力が少ない状態でプリント基板4に半田付けすることができ、各素子本体3aのコア2(ギャップ2a)に対する組み付け姿勢を安定させ易い。
なお、三本の接続端子3bが挿通される三つのガイド孔5a及び貫通孔4aが隣り合わせに一列に並べて形成されている場合は、各接続端子3bを素子本体3aの同じ側に向けて互いに離間するように屈曲させてあってもよい。
〔第2実施形態〕
図8は本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、プリント基板4をハウジング6に位置決め状態で固定するための係合部を構成する係合孔8、及び、被係合部を構成する係合ピン8aの位置を、複数の素子本体3aを配置した領域の略中央部に設定してある。
本実施形態であれば、係合孔8又は係合ピン8aから接続端子3bまでの最大距離を最も短く設定することができる。
したがって、使用に伴う熱変形などにより、プリント基板4とハウジング6との相対位置が変動しても、接続端子3bの変形量を少なくして、接続端子3bの変形に伴う素子本体3aのずれ動きを抑制することができ、高い検出精度を長期に亘って維持し易い。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第3実施形態〕
図9は本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、プリント基板4の表面及び裏面における貫通孔4aの周囲にランド11が形成され、端子ガイド板5におけるプリント基板4のランド11に対向する位置に凹部12が形成されてある。本実施形態では、プリント基板4の表面とはプリント基板4の面のうち端子ガイド板5の側を向く面である。プリント基板4の裏面とはプリント基板4の面のうち端子ガイド板5と反対の側を向く面である。上記実施形態と同様に、本実施形態でもプリント基板4には接続端子3bを固定する貫通孔4aが形成される。
貫通孔4aの周囲とは、プリント基板4の表面及び裏面に沿った、貫通孔4aを中心とした周りである。このような貫通孔4aに接続端子3bを挿入し、プリント基板4の裏面のランド11に半田を溶着することにより、プリント基板4の表面及び裏面の夫々のランド11には、フィレットが形成される。また、貫通孔4aの内部にも半田が入り込む。これにより、接続端子3bのプリント基板4に対する半田固着強度を向上させることができる。
端子ガイド板5におけるプリント基板4のランド11に対向する位置とは、プリント基板4の表面のランド11に対向する位置である。端子ガイド板5は、このような位置に凹部12が形成される。この凹部12の開口幅(プリント基板4の板幅方向の長さ及び板長方向の長さに相当)は、当該凹部12に対向するランド11と同程度であれば良い。もちろん、開口幅をランド11よりも大きくすることも可能であるし、小さくすることも可能である。また、凹部12の深さ(プリント基板4の板厚方向の長さに相当)は、端子ガイド板5に対向するランド11に形成されるフィレットの高さ以下であれば良い。すなわち、所定の深さの凹部12を形成し、ホールIC3を半田付けする際の半田量を調整すると好適である。
また、本実施形態における凹部12は、プリント基板4の板幅方向に沿って端子ガイド板5を貫通するように形成される。プリント基板4の板幅方向とは、図9において紙面手前から奥側へ沿った方向である。端子ガイド板5を貫通するとは、板幅方向に壁部を有することがない状態をいう。したがって、凹部12を紙面手前側から見た場合、紙面奥側の情景が見える状態をいう。これにより、凹部12を介して目視により端子ガイド板5の側のランド11に形成されたフィレットを確認することができるので、半田付けが適切に行われているか否かを外観検査等により確認することが可能となる。
〔その他の実施形態〕
本発明による電流センサAは、一つの電流センサA毎のハウジング6、回路基板4及び端子ガイド板5を備えるものであってもよい。
本発明による電流センサAは、電動モータとインバータとを接続するバスバー以外の、各種バスバーに流れる電流を測定する電流センサとして用いることができる。
上記第3実施形態では、凹部12がプリント基板4の板幅方向に沿って端子ガイド板5を貫通するように形成されているとして説明した。しかしながら、図10に示されるように、端子ガイド板5の側のランド11が対向する部位のみに凹部12を形成する構成とすることも可能である。係る構成であっても、プリント基板4の表面及び裏面のランド11にフィレットを形成することができるので、半田固着強度を高めることが可能となる。更には、図11に示されるように、プリント基板4の板幅方向の一方の側にのみ壁部13を設け、凹部12がプリント基板4の板幅方向に沿って貫通しないように構成することも可能である。
本発明は、電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングと、前記ハウジングに対向配置した状態で当該ハウジングに固定される回路基板と、前記電流を検出するための検出素子とを備え、前記検出素子が、前記ハウジングに保持される素子本体および前記回路基板の貫通孔に固定される複数の接続端子を有する電流センサ及びその製造方法に用いることが可能である。
1 バスバー
2 コア
3 検出素子(ホールIC)
3a 素子本体
3b 接続端子
4 回路基板
4a 貫通孔
5 板状部材(端子ガイド板)
5a ガイド孔
6 ハウジング
6a 保持部
8 係合部
8a 被係合部
11 ランド
12 凹部

Claims (5)

  1. 電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングと、
    前記ハウジングに対向配置した状態で当該ハウジングに固定される回路基板と、
    前記電流を検出するための検出素子とを備え、
    前記検出素子が、前記ハウジングに保持される素子本体および前記回路基板の貫通孔に固定される複数の接続端子を有すると共に、
    前記回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記接続端子が挿通し、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小するガイド孔を設けた板状部材を配置してある電流センサ。
  2. 前記ハウジングが前記素子本体の複数を保持し、
    前記ハウジングと前記回路基板とを位置決めする係合部及び被係合部を、前記ハウジングと前記回路基板とに各別に設け、
    前記係合部あるいは前記被係合部の位置が、前記複数の素子本体を配置した領域の中央部に設定してある請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記回路基板の表面及び裏面における前記貫通孔の周囲にランドが形成され、前記板状部材における前記回路基板のランドに対向する位置に凹部が形成されてある請求項1又は2に記載の電流センサ。
  4. 前記凹部が、前記回路基板の板幅方向に沿って前記板状部材を貫通するように形成されてある請求項3に記載の電流センサ。
  5. 電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングに設けた保持部に、前記電流を検出するための複数の検出素子の素子本体を、当該素子本体から延出する複数の接続端子を、互いに隣り合う接続端子どうしが離間するように屈曲させ、さらに夫々の接続端子の端部を屈曲させて当該端部の延出方向を前記ハウジングから回路基板に向かう方向に揃えてある状態で保持させる工程と、
    前記ハウジングに対向する状態で前記ハウジングに固定される回路基板に対し、当該回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小する複数のガイド孔を設けた板状部材を取り付ける工程と、
    前記複数の素子本体を保持したハウジングに前記回路基板および前記板状部材を接近させ、前記ハウジングと前記回路基板とを位置合わせしつつ、前記接続端子の端部の夫々を対応する前記板状部材のガイド孔および前記回路基板の貫通孔に挿通し、前記回路基板を前記ハウジングに固定する工程と、
    前記夫々の接続端子の端部を前記回路基板に半田付けする工程と、を備えた電流センサの製造方法。
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