JP2014139556A - 電流センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流が印加されるバスバー1および当該バスバー1の周囲に配置されたコア2を保持するハウジング6と、ハウジング6に対向配置した状態で当該ハウジング6に固定される回路基板4と、電流を検出するための検出素子3とを備え、検出素子3が、ハウジング6に保持される素子本体3aおよび回路基板4の貫通孔4aに固定される複数の接続端子3bを備えると共に、回路基板4の両面のうちハウジング6に対向する面に、接続端子3bが挿通し、ハウジング6の側から回路基板4の側に向けて径が縮小するガイド孔5aを設けた板状部材5を配置してある。
【選択図】図3
Description
このような電流の測定方法として、モータとインバータとを接続するバスバーに印加される電流に応じて当該バスバーの周囲に生じる磁界を検出素子(磁気センサ)で検出し、その検出された磁界に基づいてバスバーに印加された電流を演算して求める電流センサがある(例えば特許文献1)。
検出素子は、複数の接続端子を回路基板に半田付けなどで固定した後、素子本体がギャップに配置されるように、回路基板とハウジングとに亘って組み付けられている。
したがって、複数の接続端子を回路基板に固定した段階で、素子本体の回路基板に対する姿勢が拘束される。一方、回路基板はハウジングに対して対向する所定姿勢で、当該ハウジングに固定される。
そこで、検出素子の組付けを容易にするために、コアと素子本体とのギャップを拡げるなどにより組み付け精度を粗く設定すると、検出精度が低下するおそれがある。
また、素子本体のコアに対する組み付け精度を粗く設定してあると、回路基板とハウジングの熱膨張率の違いに起因して、温度変化に伴う素子本体のコアに対する姿勢変化が大きくなり、この点においても、検出精度が低下するおそれがある。
このため、素子本体をハウジングの所定位置に組み付けた後、複数の接続端子の夫々を板状部材に設けたガイド孔に挿通することにより、それらの接続端子を回路基板の貫通孔に入り込むように案内することができる。
しかも、素子本体のコアに対する組み付け精度を高く設定したことにより、回路基板とハウジングとの熱膨張率の違いに起因する、素子本体のコアに対する姿勢変化も抑制することができる。
よって、本構成の電流センサであれば、検出素子の回路基板とハウジングとに亘る組み付けの容易化を図りながら、検出精度の向上を図ることができる。
本構成であれば、ハウジングと回路基板とを位置決めする係合部あるいは被係合部の位置を、複数の素子本体を配置した領域のうちの、領域中央部から離れた一箇所に配置してある場合に比べて、係合部あるいは被係合部と接続端子との最大距離を略半減することができる。
よって、高い検出精度を長期に亘って維持し易い。
そして、回路基板および回路基板のハウジングに対向する面に取り付けた板状部材をハウジングに接近させることにより、ハウジングと回路基板とを位置合わせしつつ、接続端子のハウジングから回路基板に向かう方向に揃えた端部の夫々を対応するガイド孔および回路基板の貫通孔に挿通して、回路基板をハウジングに固定する。
このため、板状部材におけるガイド孔として、接続端子を導入し易い大きなガイド孔を設けても、それらのガイド孔を互いに干渉しないように配置することができると共に、回路基板が熱膨張してハウジングに対して変位した場合に、接続端子が曲がり変形して上記変位を吸収することができる。
そして、回路基板をハウジングに固定した後、回路基板の貫通孔に挿通した接続端子の端部の夫々を回路基板に半田付けすることにより、検出素子を回路基板とハウジングとに亘って組み付けることができる。
したがって、各接続端子を残留応力が少ない状態で回路基板に半田付けすることができ、各素子本体のコアに対する組み付け姿勢を安定させ易い。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、電流センサAは、バスバー1に印加される被測定電流を測定するために、バスバー1に流れる被測定電流により発生する磁界の磁束密度を検出し、検出された磁束密度に基づいてバスバー1に流れる電流(電流値)を測定する。
センサユニットUは、図2に示すように、三本のバスバー1の夫々に対応する三つの電流センサAを一列に並べてユニット化してある。また、測定するべき電流が増えれば、さらに電流センサAを加えてユニット化してもよい。
ハウジング6は、各電流センサA毎に対応するバスバー1及びバスバー1の周囲に配置されたコア2を例えば組み付けて、これらのバスバー1及びコア2を一体に保持している。
ホールIC3は、ハウジング6に保持される素子本体3aおよびプリント基板4の貫通孔(スルーホール)4aに通して対応する回路パターンに半田付けで固定される複数(本実施形態では三本)の接続端子3bを備える。
すなわち、ハウジング6には、各電流センサA毎に対応するホールIC3の素子本体3aをプリント基板4の側から嵌め込み可能な保持部としての、複数(本実施形態では三つ)の有底の矩形保持穴6aがプリント基板4の側に開口するように設けられている。
そして、これらの保持穴6aの夫々に素子本体3aを嵌め込むことで、素子本体3aがギャップ2aの幅方向中央位置に、バスバー1の通電による発熱に伴う素子本体3aの熱膨張を許容できる程度のクリアランスで保持されている。
したがって、ホールIC3は面実装部品ではなく、プリント基板4に形成された複数の貫通孔4aの夫々に接続端子(ラジアルリード線)3bを挿入してプリント基板4に半田付けされる。
これにより、接続端子3bの先端部分を貫通孔4aに確実に案内できるように、端子ガイド板5に最大径が大きなガイド孔5aを形成しても、それらのガイド孔5aを互いに干渉しないように配置することができる。
端子ガイド板5は、係合ピン7aをプリント基板4のハウジング6に対向する側から係合孔7に押し込むことにより、プリント基板4の表裏両面のうちハウジング6に対向する面に取付けられている。
そして、プリント基板4と端子ガイド板5とに亘って一連に連続させた係合孔(係合部)8に係合ピン(被係合部)8aを押し込むことにより、プリント基板4及び端子ガイド板5が、ハウジング6からの脱落が阻止された状態で、ハウジング6に位置決め状態で互いに固定される。
電流センサAの製造方法は、図5,図6に示すように、バスバー1およびコア2を保持しているハウジング6に設けてある保持穴6aに、予め、各電流センサA毎に対応する複数のホールIC3の素子本体3aを保持させる(素子本体保持工程)。
次に、係合ピン7aを係合孔7に押し込むことにより、プリント基板4のハウジング6に対向する面に端子ガイド板5を取り付ける(ガイド板取付け工程)。
これにより、端部が貫通孔4aに挿通された接続端子3bのプリント基板4に対する移動を許容する状態で、ハウジング6及びプリント基板4を端子ガイド板5と共に互いに固定する(基板固定工程)。
したがって、各接続端子3bを残留応力が少ない状態でプリント基板4に半田付けすることができ、各素子本体3aのコア2(ギャップ2a)に対する組み付け姿勢を安定させ易い。
図8は本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、プリント基板4をハウジング6に位置決め状態で固定するための係合部を構成する係合孔8、及び、被係合部を構成する係合ピン8aの位置を、複数の素子本体3aを配置した領域の略中央部に設定してある。
したがって、使用に伴う熱変形などにより、プリント基板4とハウジング6との相対位置が変動しても、接続端子3bの変形量を少なくして、接続端子3bの変形に伴う素子本体3aのずれ動きを抑制することができ、高い検出精度を長期に亘って維持し易い。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
図9は本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、プリント基板4の表面及び裏面における貫通孔4aの周囲にランド11が形成され、端子ガイド板5におけるプリント基板4のランド11に対向する位置に凹部12が形成されてある。本実施形態では、プリント基板4の表面とはプリント基板4の面のうち端子ガイド板5の側を向く面である。プリント基板4の裏面とはプリント基板4の面のうち端子ガイド板5と反対の側を向く面である。上記実施形態と同様に、本実施形態でもプリント基板4には接続端子3bを固定する貫通孔4aが形成される。
本発明による電流センサAは、一つの電流センサA毎のハウジング6、回路基板4及び端子ガイド板5を備えるものであってもよい。
2 コア
3 検出素子(ホールIC)
3a 素子本体
3b 接続端子
4 回路基板
4a 貫通孔
5 板状部材(端子ガイド板)
5a ガイド孔
6 ハウジング
6a 保持部
8 係合部
8a 被係合部
11 ランド
12 凹部
Claims (5)
- 電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングと、
前記ハウジングに対向配置した状態で当該ハウジングに固定される回路基板と、
前記電流を検出するための検出素子とを備え、
前記検出素子が、前記ハウジングに保持される素子本体および前記回路基板の貫通孔に固定される複数の接続端子を有すると共に、
前記回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記接続端子が挿通し、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小するガイド孔を設けた板状部材を配置してある電流センサ。 - 前記ハウジングが前記素子本体の複数を保持し、
前記ハウジングと前記回路基板とを位置決めする係合部及び被係合部を、前記ハウジングと前記回路基板とに各別に設け、
前記係合部あるいは前記被係合部の位置が、前記複数の素子本体を配置した領域の中央部に設定してある請求項1に記載の電流センサ。 - 前記回路基板の表面及び裏面における前記貫通孔の周囲にランドが形成され、前記板状部材における前記回路基板のランドに対向する位置に凹部が形成されてある請求項1又は2に記載の電流センサ。
- 前記凹部が、前記回路基板の板幅方向に沿って前記板状部材を貫通するように形成されてある請求項3に記載の電流センサ。
- 電流が印加されるバスバーおよび当該バスバーの周囲に配置されたコアを保持するハウジングに設けた保持部に、前記電流を検出するための複数の検出素子の素子本体を、当該素子本体から延出する複数の接続端子を、互いに隣り合う接続端子どうしが離間するように屈曲させ、さらに夫々の接続端子の端部を屈曲させて当該端部の延出方向を前記ハウジングから回路基板に向かう方向に揃えてある状態で保持させる工程と、
前記ハウジングに対向する状態で前記ハウジングに固定される回路基板に対し、当該回路基板の両面のうち前記ハウジングに対向する面に、前記ハウジングの側から前記回路基板の側に向けて径が縮小する複数のガイド孔を設けた板状部材を取り付ける工程と、
前記複数の素子本体を保持したハウジングに前記回路基板および前記板状部材を接近させ、前記ハウジングと前記回路基板とを位置合わせしつつ、前記接続端子の端部の夫々を対応する前記板状部材のガイド孔および前記回路基板の貫通孔に挿通し、前記回路基板を前記ハウジングに固定する工程と、
前記夫々の接続端子の端部を前記回路基板に半田付けする工程と、を備えた電流センサの製造方法。
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