JP2014136023A - Ih調理器用土鍋 - Google Patents
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Abstract
【課題】対応可能な鍋の種類に制限が多い従来のIH調理器ばかりでなく、オールメタル対応のIH調理器によっても、好適な加熱が可能なIH調理器用土鍋を提供する。
【解決手段】本発明のIH調理器用土鍋は、陶磁器製の土鍋本体1と、この土鍋本体1の内側底面10aに設けられ、IH調理器90の加熱コイル92によって土鍋本体1を加熱可能な加熱プレート5とを備えている。加熱プレート5は、鋳鉄等の磁性体を含有する第1発熱部7、9と、加熱コイルの周回方向と交差する方向で第1発熱部7、9を分断しつつ第1発熱部7、9と一体的に設けられ、整磁合金を含有する第2発熱部8とからなる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のIH調理器用土鍋は、陶磁器製の土鍋本体1と、この土鍋本体1の内側底面10aに設けられ、IH調理器90の加熱コイル92によって土鍋本体1を加熱可能な加熱プレート5とを備えている。加熱プレート5は、鋳鉄等の磁性体を含有する第1発熱部7、9と、加熱コイルの周回方向と交差する方向で第1発熱部7、9を分断しつつ第1発熱部7、9と一体的に設けられ、整磁合金を含有する第2発熱部8とからなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、IH(Induction Heating;電磁誘導加熱)を用いたクッキングヒータや卓上調理器であるIH調理器で加熱可能なIH調理器用土鍋に関する。
特許文献1に従来のIH調理器用土鍋が開示されている。このIH調理器用土鍋は、陶磁器製の土鍋本体と、この土鍋本体の内側底面に載置された発熱体とからなる。発熱体は、鋳鉄等の磁性体からなり、IH調理器のドーナツ状に設けられた加熱コイルの周回方向と対面する円板状に形成されている。
このIH調理器用土鍋は、一般的な土鍋と同様の外観を呈しながら、発熱体がIH調理器によって土鍋本体内の内容物を加熱可能である。このため、火炎を用いることなく、料理を長時間に亘って高温に維持し、鍋物料理を安全に楽しむことが可能である。
近年、従来のIH調理器では、例えば、磁性体からなる鍋のように、対応可能な鍋の種類に制限が多いという課題を解決するため、オールメタル対応のIH調理器が開発されている。このオールメタル対応のIH調理器によれば、鋳鉄等の磁性体の単層構造からなる鍋ばかりでなく、非磁性ステンレスの単層構造からなる鍋、アルミニウム合金、銅等の非磁性かつ低効率の単層構造からなる鍋、さらには磁性体と非磁性体とが積層された多層構造の鍋も加熱可能である。
しかしながら、従来のIH調理器用土鍋は、オールメタル対応のIH調理器によって加熱すると、発熱体が過剰に高温になってしまう。なぜなら、オールメタル対応のIH調理器は、鍋底の温度をセンサーによって検知し、加熱コイルに供給する電流の周波数を抑制しようとするのであるが、従来のIH調理器用土鍋の底は陶磁器製の土鍋本体からなり、そのセンサーがIH調理器用土鍋の底の温度を正しく検知できないからである。このため、従来のIH調理器用土鍋では、内容物を良好に調理できなかったり、土鍋本体に割れを生じたりするおそれがある。また、オールメタル対応のIH調理器にとっても、IH調理器用土鍋の過剰な高温化により、損傷の懸念も生じる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、対応可能な鍋の種類に制限が多い従来のIH調理器ばかりでなく、オールメタル対応のIH調理器によっても、好適な加熱が可能なIH調理器用土鍋を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のIH調理器用土鍋は、陶磁器製の土鍋本体と、前記土鍋本体の内側底面及び外側底面の少なくとも一方に設けられ、IH調理器の加熱コイルによって前記土鍋本体を加熱可能な発熱体とを備えたIH調理器用土鍋であって、
前記発熱体は、磁性体を含有する第1発熱部と、前記第1発熱部と一体的に設けられ、整磁合金を含有する第2発熱部とを有していることを特徴とする(請求項1)。
前記発熱体は、磁性体を含有する第1発熱部と、前記第1発熱部と一体的に設けられ、整磁合金を含有する第2発熱部とを有していることを特徴とする(請求項1)。
本発明のIH調理器用土鍋は、発熱体が第1発熱部と、この第1発熱部と一体的に設けられた第2発熱部とを有する。このIH調理器用土鍋をIH調理器によって加熱すると、発熱体がキュリー温度に達するまでは、磁性体を含有する第1発熱部も、整磁合金を含有する第2発熱部も、IH調理器の加熱コイルによってともに渦電流を生じる。このため、発熱体がキュリー温度に達するまでは、IH調理器が従来のものであっても、またオールメタル対応であっても、発熱体が昇温する。
そして、発熱体が整磁合金のキュリー温度に達すると、第1発熱部では渦電流を生じるものの、第2発熱部では渦電流が生じ難くなる。このため、発熱体の昇温が抑制される。
このため、このIH調理器用土鍋によれば、IH調理器が従来のものであっても、またオールメタル対応であっても、種々のセンサーの検知信号にかかわらず、発熱体が過剰に高温になることがない。このため、このIH調理器用土鍋によれば、種々のIH調理器により、内容物を良好に調理でき、かつ土鍋本体に割れを生じ難い。また、このIH調理器用土鍋が過剰に高温化することがないため、IH調理器も損傷し難い。
したがって、本発明のIH調理器用土鍋は、対応可能な鍋の種類に制限が多い従来のIH調理器ばかりでなく、オールメタル対応のIH調理器によっても、好適に加熱が可能である。
第1発熱部は磁性体を含有する。磁性体としては、鋳鉄、鋼、磁性ステンレス等を採用することができる。磁性体は、溶解後固化されることにより無垢の状態で第1発熱部を構成していてもよく、焼結状態で第1発熱部を構成していてもよい。
第2発熱部は整磁合金を含有する。整磁合金としては、キュリー温度を100〜400°Cに定めた鉄−ニッケル合金等を採用することができる。特に、キュリー温度は150〜350°Cに定められることが好ましい。整磁合金は、溶解後固化されることにより無垢の状態で第2発熱部を構成していてもよく、焼結状態で第2発熱部を構成していてもよい。
発熱体は、第1発熱部及び第2発熱部の他に、第3発熱部を有することも可能である。第3発熱部は、例えば、第1発熱部や第2発熱部に対して、薄く加工されたアルミニウム合金を圧着等することにより形成することができる。また、第1発熱部や第2発熱部に対して、銀を転写することで第3発熱部を形成することもできる。このような第3発熱部を設けることで、発熱体の昇温を制御し易くなる。なお、発熱体は第1〜3発熱部の他に更に発熱部を有することも可能である。
発熱体において、第1発熱部と第2発熱部とは一体的に設けられる。第1発熱部と第2発熱部とは、別々に成形され、溶接等されることにより一体的にされてもよい。また、第1発熱部及び第2発熱部の一方を金型内に固定し、他方を鋳造又は焼結することによって一体的にすることも可能である。また、土鍋本体に対し、磁性体を含む粉末を用いて第1発熱部を形成し、整磁合金を含む粉末を用いて第2発熱部を形成してもよい。
発熱体は、陶磁器製の土鍋本体の内側底面のみに設けてもよく、外側底面のみに設けてもよく、内側底面及び外側底面に設けてもよい。また、土鍋本体の内側底面や外側底面に発熱体を設けることに加え、内側側面や外側側面にも発熱体を設けてもよい。発熱体が土鍋本体の内側底面又は外側底面に設けられる場合、発熱体は、土鍋本体と一体である必要はなく、別体であってもよい。
また、土鍋本体内の内容物や発熱体を保護するため、発熱体の周囲を覆う保護層を設けても良い。このようの保護層は、例えば、ガラスやフッ素樹脂等によって形成することができる。ガラスによる保護層は、例えば発熱体に対して釉薬を塗布して焼成することで形成することが可能である。また、フッ素樹脂による保護層は、例えば発熱体に対してフッ素樹脂を塗布することで形成することが可能である。
第2発熱部は、加熱コイルの周回方向と交差する方向で第1発熱部を分断していることが好ましい(請求項2)。この場合、発熱体が整磁合金のキュリー温度に達した際に第1発熱部で生じる渦電流を小さくすることができる。
第2発熱部は加熱コイルの周回方向と交差する方向で第1発熱部を分断する。例えば、発熱体が円板状であれば、第1発熱部を半円状、扇状とし、径方向で中心から外側に向かって1本以上の第2発熱部の帯が延びるようにすることが可能である。その他、第1発熱部や第2発熱部は、直線、渦巻き、同心状、メッシュ状、放射状等であり得る。
ここで、図1を例に加熱コイルの周回方向について説明する。同図に示すIH調理器90はトッププレート91を有しており、このトッププレート91の下方に加熱コイル92が設けられている。加熱コイル92の上方であってトッププレート91上にIH調理器用土鍋が載置される。加熱コイル92は、一般的には、中心Oを有する同心円の円環状に形成されており、いわゆるドーナツ状を呈している。この加熱コイル92は、トッププレート91上にIH調理器用土鍋が載置された際、トッププレート91を挟んで、中心OとIH調理器用土鍋の土鍋本体1とが対面するように配置されている。このような構成において、加熱コイル92の周回方向とは、矢印Xが示す方向である。
第2発熱部は、加熱コイルの中心に対向する対向位置から第1発熱部外まで延びていることが好ましい(請求項3)。第2発熱部がこのように形成されておれば、第1発熱部で生じる渦電流は確実に小さくなり、第1発熱部による発熱を確実に抑制することができる。
第1発熱部及び第2発熱部は、発熱体の厚さ方向で重畳的に配置されていることも好ましい(請求項4)。この場合も、発熱体が整磁合金のキュリー温度に達した際に第1発熱部で生じる渦電流を小さくすることができる。同一形状の第1発熱部と第2発熱部とが重畳的に配置されてもよく、互いに異なる形状の第1発熱部と第2発熱部とが重畳的に配置されてもよい。また、第1発熱部自体の厚さと第2発熱部自体の厚さとが互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。
第1発熱部及び第2発熱部が発熱体の厚さ方向で重畳的に配置されている場合、第1発熱部は、第2発熱部よりも土鍋本体に近接する側に配置されていることが好ましい(請求項5)。この場合、第1発熱部が加熱コイルから遠隔した位置に配置されるため、整磁合金のキュリー温度に達した以降は、発熱体の昇温を好適に抑制することが可能となる。
また、第1発熱部と第2発熱部とが発熱体の厚さ方向で重畳的に配置される場合、第2発熱部は、第1発熱部よりも土鍋本体に近接する側に配置されていることも好ましい(請求項6)。これにより、第2発熱部が加熱コイルから遠隔した位置に配置されるため、整磁合金のキュリー温度に達した以降、発熱体では、土鍋本体よりも遠隔した位置で第1発熱部が昇温する。このため、土鍋本体と発熱体とのヒートショックを緩和することが可能となる。
発熱体は板状に形成されていることが好ましい(請求項7)。この場合、土鍋本体の内側底面や外側底面の形状に応じて発熱体を容易に製造することが可能となる。また、発熱体が板状となることで、発熱体における部分的な昇温の斑が生じ難くなる。ここで、板状であれば、発熱体を例えば平板状に形成することができる。また、加熱コイルの形状に応じて、中心部分を有しない環状に発熱体を形成することもできる。なお、発熱体の厚みは適宜設計することが可能である。
このように板状に形成された発熱体は、土鍋本体の内側底面や外側底面に対し、分離不可能に設ける、すなわち、発熱体を土鍋本体の内側底面や外側底面に固定し、発熱体と土鍋本体とを一体にすることが考えられる。また、土鍋本体の内側底面や外側底面に発熱体を載置したり係止したりすることで、土鍋本体の内側底面や外側底面に対して発熱体を分離可能に設けることが考えられる。発熱体が板状であるため、内側底面や外側底面に対する固定等は比較的容易である。
特に、発熱体は、土鍋本体の内側底面に載置されていることが好ましい(請求項8)。この場合、IH調理器に用いない一般的な土鍋に発熱体を載置すれば、IH調理器用土鍋になる。また、IH調理器用土鍋から発熱体を取り外せば、IH調理器に用いない一般的な土鍋になる。また、発熱体及び土鍋本体の洗浄を容易に行うことができる。土鍋本体の内側底面に載置される発熱体には、内容物が煮立って鍋底から出てくる気泡を通すための無数の透孔を形成することが可能である。
土鍋本体の内側底面に発熱体を固定するための手段を土鍋本体や発熱体に設けておくことも好ましい。この手段としては、特許第4248449号等に開示された構成を採用することができる。
発熱体は、土鍋本体に対して、溶射、スパッタリング、蒸着、メッキ又は転写によって設けられていることも可能である(請求項9)。この場合、発熱体を土鍋本体と一体にすることが可能である。但し、陶磁器製の土鍋本体と、磁性体及び整磁合金からなる発熱体との熱膨張係数の相違により、土鍋本体に割れが生じたり、発熱体が剥がれたりすることがないような工夫が必要である。
本発明のIH調理器用土鍋は、対応可能な鍋の種類に制限が多い従来のIH調理器ばかりでなく、オールメタル対応のIH調理器によっても、好適に加熱が可能である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜18を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1のIH調理器用土鍋は、図2に示すように、土鍋本体1と、蓋3と、発熱体としての加熱プレート5とを備えている。
実施例1のIH調理器用土鍋は、図2に示すように、土鍋本体1と、蓋3と、発熱体としての加熱プレート5とを備えている。
土鍋本体1は、ペタライト(リチウム長石)を含む粘土によって成形され、焼成された陶磁器製である。
土鍋本体1は、上方が開き、具材やスープを収容できる容器状に成形されている。土鍋本体1は、底部10が平らに成形されている。つまり、底部10の内側底面10a及び外側底面10bは互いに平行な平面に形成されている。
底部10の厚みは2mm〜10mmの範囲にある。底部10の厚みが10mmを超えると、IH調理器のトッププレート上にこのIH調理器用土鍋を置いて電源を入れても、IH調理器の加熱コイルから加熱プレート5までの距離が遠く、加熱プレート5が十分に発熱しない。一方、底部10の厚みが2mmを下回ると、土鍋本体1が衝撃力で壊れやすくなり、機械的強度の確保が難しくなる。特に、底部10の厚みは、4mm〜8mmの範囲であることが好ましい。
土鍋本体1は底部10から立ち上がる側壁11を有している。側壁11の上端は蓋3を載置するための環状の載置面11aとなっている。側壁11の外側の上方には、一対の取手12、13が設けられている。
蓋3は土鍋本体1の上方を覆い閉じるものである。蓋3には、蓋3を土鍋本体1から開き、開いた状態で下に置くための台座3aが形成されている。
加熱プレート5は円板状のものである。加熱プレート5は、一対の半円状をなす第1発熱部7、9と、第1発熱部7、9間で帯状をなす第2発熱部8とからなる。
第1発熱部7、9は、図3に示すように、鋳鉄、鋼、磁性ステンレス等の磁性体が溶解後固化された無垢の状態のものである。
第2発熱部8は、キュリー温度を350°Cに定めた整磁合金が溶解後固化された無垢の状態のものである。
これら第1発熱部7、9及び第2発熱部8は、図4に示すように、互いに溶接等されることにより円板状のプレートとされ、このプレートに内容物が煮立って鍋底から出てくる気泡を通すための無数の透孔5aが貫設される。こうして、加熱プレート5が得られる。帯状の第2発熱部8は、加熱コイル92(図1参照)の形状にかかわらず、加熱コイル92の中心Oに対向する対向位置から第1発熱部7、9外まで延びることとなる。
図2に示すように、加熱プレート5は、土鍋本体1内に載置される。これにより、加熱プレート5は土鍋本体1の内側底面10a上に自重によって設けられる。なお、土鍋本体1の内側底面10aと加熱プレート5との間に加熱プレート5を固定するための手段を構成することも可能である。
このIH調理器用土鍋を図1に示すオールメタル対応のIH調理器90によって加熱する。このオールメタル対応のIH調理器90は、トッププレート91の下方に加熱コイル92を有している。加熱コイル92は、一般的には単一の円環状に形成されているが、2〜3の円環状に分割されている場合もある。
このIH調理器用土鍋をオールメタル対応のIH調理器90によって加熱すると、図2に示す加熱プレート5が整磁合金のキュリー温度に達するまでは、磁性体からなる第1発熱部7、9も、整磁合金からなる第2発熱部8も、加熱コイル92によってともに渦電流を生じる。このため、加熱プレート5が整磁合金のキュリー温度に達するまでは、加熱プレート5が昇温する。
そして、加熱プレート5が整磁合金のキュリー温度に達すると、第1発熱部7、9では渦電流を生じるものの、第2発熱部8では渦電流が生じ難くなる。第2発熱部8は、加熱コイルの周回方向と交差する方向で第1発熱部7、9を分断しているため、第1発熱部7、9で生じる渦電流は小さい。このため、加熱プレート5の昇温が抑制される。
特に、このIH調理器用土鍋は、第2発熱部8が加熱コイルの中心に対向する対向位置から第1発熱部7、9外まで延びているため、第1発熱部7、9で生じる渦電流は確実に小さくなり、第1発熱部7、9による発熱を確実に抑制することができる。
このため、このIH調理器用土鍋によれば、IH調理器90がオールメタル対応であっても、種々のセンサーの検知信号にかかわらず、加熱プレート5が過剰に高温になることがない。このため、このIH調理器用土鍋によれば、種々のIH調理器90により、内容物を良好に調理でき、かつ土鍋本体1に割れを生じ難い。また、このIH調理器用土鍋が過剰に高温化することがないため、IH調理器90も損傷し難い。
したがって、このIH調理器用土鍋は、対応可能な鍋の種類に制限が多い従来のIH調理器ばかりでなく、オールメタル対応のIH調理器90によっても、好適に加熱が可能である。
また、このIH調理器用土鍋は、加熱プレート5が土鍋本体1内に載置されているため、加熱プレート5を取り外せば、IH調理器に用いない一般的な土鍋にもなる。また、加熱プレート5及び土鍋本体1の洗浄を容易に行うことができる。
発熱体は、実施例1の加熱プレート5に限定されるものではない。例えば、以下に示す実施例2〜9の加熱プレート13〜19、52を発熱体として採用することが可能である。
(実施例2)
実施例2のIH調理器用土鍋では、図5に示す加熱プレート13を発熱体としている。この加熱プレート13は、中心角が90°の扇形をなす4個の第1発熱部21と、各第1発熱部21間に位置する十字形状の第2発熱部22とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例2のIH調理器用土鍋では、図5に示す加熱プレート13を発熱体としている。この加熱プレート13は、中心角が90°の扇形をなす4個の第1発熱部21と、各第1発熱部21間に位置する十字形状の第2発熱部22とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、個々の第1発熱部21の面積が実施例1の第1発熱部7、9の面積よりも小さいため、整磁合金のキュリー温度を超えることによって第1発熱部21に渦電流がより生じ難く、加熱プレート13の昇温がより抑制されやすい。他の作用効果は実施例1と同様に奏することができる。
(実施例3)
実施例3のIH調理器用土鍋では、図6に示す加熱プレート14を発熱体としている。この加熱プレート14は、中心角が45°の扇形をなす8個の第1発熱部23と、各第1発熱部23間に位置する米字形状の第2発熱部24とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例3のIH調理器用土鍋では、図6に示す加熱プレート14を発熱体としている。この加熱プレート14は、中心角が45°の扇形をなす8個の第1発熱部23と、各第1発熱部23間に位置する米字形状の第2発熱部24とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、個々の第1発熱部23の面積が実施例1、2の第1発熱部7、9、21の面積よりも小さいため、整磁合金のキュリー温度を超えることによって第1発熱部23に渦電流がさらに生じ難く、加熱プレート14の昇温がより抑制されやすい。他の作用効果は実施例1と同様に奏することができる。
(実施例4)
実施例4のIH調理器用土鍋では、図7に示す加熱プレート15を発熱体としている。この加熱プレート15は円環状をなしている。この加熱プレート15は、4個の円弧状の第1発熱部25と、各第1発熱部25間に位置する4個のI字形状の第2発熱部26とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例4のIH調理器用土鍋では、図7に示す加熱プレート15を発熱体としている。この加熱プレート15は円環状をなしている。この加熱プレート15は、4個の円弧状の第1発熱部25と、各第1発熱部25間に位置する4個のI字形状の第2発熱部26とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋においては、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例5)
実施例5のIH調理器用土鍋では、図8に示す加熱プレート16を発熱体としている。この加熱プレート16も円環状をなしている。この加熱プレート16は、円環状の第1発熱部27と、第1発熱部27内で中心側から径外方向に延びる4個のI字形状の第2発熱部28とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例5のIH調理器用土鍋では、図8に示す加熱プレート16を発熱体としている。この加熱プレート16も円環状をなしている。この加熱プレート16は、円環状の第1発熱部27と、第1発熱部27内で中心側から径外方向に延びる4個のI字形状の第2発熱部28とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋においても、実施例1、4と同様の作用効果を奏することができる。但し、このIH調理器用土鍋では、第2発熱部28が第1発熱部27外まで延びていないため、IH調理器90の加熱コイル92の形状によっては、整磁合金のキュリー温度を超えても第1発熱部27で発熱が行われ易い。
(実施例6)
実施例6のIH調理器用土鍋では、図9に示す加熱プレート17を発熱体としている。この加熱プレート17も円環状をなしている。この加熱プレート17は、小径の円環状の第1発熱部29と、大径の円環状の第1発熱部30と、第1発熱部29、30間に位置する円環状の第2発熱部31とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例6のIH調理器用土鍋では、図9に示す加熱プレート17を発熱体としている。この加熱プレート17も円環状をなしている。この加熱プレート17は、小径の円環状の第1発熱部29と、大径の円環状の第1発熱部30と、第1発熱部29、30間に位置する円環状の第2発熱部31とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、加熱コイル92が複数の扇状又は半円状に形成されている場合等に実施例1等と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例7)
実施例7のIH調理器用土鍋では、図10に示す加熱プレート18を発熱体としている。この加熱プレート18も円環状をなしている。この加熱プレート18は、円環状の第1発熱部32と、第1発熱部32内で両者によって円弧状に設けられた半円弧状の第2発熱部33とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例7のIH調理器用土鍋では、図10に示す加熱プレート18を発熱体としている。この加熱プレート18も円環状をなしている。この加熱プレート18は、円環状の第1発熱部32と、第1発熱部32内で両者によって円弧状に設けられた半円弧状の第2発熱部33とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋でも、加熱コイル92の形状により実施例1等と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例8)
実施例8のIH調理器用土鍋では、図11に示す加熱プレート19を発熱体としている。この加熱プレート19も円環状をなしている。この加熱プレート19は、円環状の第1発熱部34と、第1発熱部34内で三者によって円弧状に設けられた円弧状の第2発熱部35とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例8のIH調理器用土鍋では、図11に示す加熱プレート19を発熱体としている。この加熱プレート19も円環状をなしている。この加熱プレート19は、円環状の第1発熱部34と、第1発熱部34内で三者によって円弧状に設けられた円弧状の第2発熱部35とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋も、加熱コイル92の形状により実施例1等と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例9)
実施例9のIH調理器用土鍋では、図12に示す加熱プレート52を発熱体としている。この加熱プレート52も円環状をなしている。この加熱プレート52では、円環状の第1発熱部53と円環状の第2発熱部54とが加熱プレート52の厚さ方向で重畳的に配置されている。また、この加熱プレート52には、第1発熱部53及び第2発熱部54の周囲を覆うように保護層55が設けられている。この保護層55はガラス製である。保護層55は、第1発熱部53と第2発熱部54とに釉薬を塗布した後、加熱プレート52を焼成することで形成されている。なお、第1発熱部53と第2発熱部54とが貼り合わされて形成されたクラッド材を用いて、加熱プレート52を形成することもできる。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例9のIH調理器用土鍋では、図12に示す加熱プレート52を発熱体としている。この加熱プレート52も円環状をなしている。この加熱プレート52では、円環状の第1発熱部53と円環状の第2発熱部54とが加熱プレート52の厚さ方向で重畳的に配置されている。また、この加熱プレート52には、第1発熱部53及び第2発熱部54の周囲を覆うように保護層55が設けられている。この保護層55はガラス製である。保護層55は、第1発熱部53と第2発熱部54とに釉薬を塗布した後、加熱プレート52を焼成することで形成されている。なお、第1発熱部53と第2発熱部54とが貼り合わされて形成されたクラッド材を用いて、加熱プレート52を形成することもできる。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
この加熱プレート52を土鍋本体1内に載置する際、例えば、図13(A)に示すように、土鍋本体1の内側底面10aと、第2発熱部54とが対面するように加熱プレート52の向きを調整することができる。この場合、第1発熱部53が内側底面10aから遠隔した位置に配置されることで、IH調理器用土鍋をIH調理器90によって加熱する際に、第1発熱部53を加熱コイル92から遠隔させることが可能となる。また、同図(B)に示すように、土鍋本体1の内側底面10aと、第1発熱部53とが対面するように加熱プレート52の向きを調整することもできる。この場合、内側底面10aと第1発熱部53とを近接させて配置することが可能となる。
さらに、このIH調理器用土鍋では、加熱プレート52に対して保護層55が設けられているため、内容物や加熱プレート52の損傷や劣化を防止することが可能となっている。このIH調理器用土鍋における他の作用は、実施例1等と同様である。
(実施例10)
図14に示すように、実施例10のIH調理器用土鍋では、土鍋本体1の外側底面10bに発熱体としての加熱層40が一体的に設けられている。
図14に示すように、実施例10のIH調理器用土鍋では、土鍋本体1の外側底面10bに発熱体としての加熱層40が一体的に設けられている。
加熱層40は、図15に示すように、円環状をなしている。この加熱層40は、土鍋本体1に対し、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部41を形成し、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部42を形成している。溶射ではなく、スパッタリング、蒸着、メッキ又は転写によって設けることも可能である。
第2発熱部41に対し、第1発熱部41を碁盤目状に配置している。第1発熱部41に対し、第2発熱部42を碁盤目状に配置することも可能である。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、加熱層40を土鍋本体1と一体にすることが可能である。ここで、加熱層40を土鍋本体1とを一体にする場合、陶磁器製の土鍋本体1と、磁性体及び整磁合金からなる第1、2発熱体41、42との熱膨張係数の相違により、土鍋本体1に割れが生じたり、加熱層40が剥がれたりすることがないような対策を施すことが求められる。この点、この加熱層40では、第1、2発熱部41、42を碁盤目状に配置することで、土鍋本体1の割れや加熱層40の剥がれの発生を抑制している。
(実施例11)
実施例11のIH調理器用土鍋では、図16に示す加熱層43を発熱体としている。この加熱層43も円環状をなしている。この加熱層43は、中心角が45°の扇形をなす8個の第1発熱部44と、中心、各第1発熱部44間及び各第1発熱部44周りに位置する第2発熱部45とからなる。8個の第2発熱部45に対し、第1発熱部44を配置することも可能である。他の構成は実施例10と同様である。
実施例11のIH調理器用土鍋では、図16に示す加熱層43を発熱体としている。この加熱層43も円環状をなしている。この加熱層43は、中心角が45°の扇形をなす8個の第1発熱部44と、中心、各第1発熱部44間及び各第1発熱部44周りに位置する第2発熱部45とからなる。8個の第2発熱部45に対し、第1発熱部44を配置することも可能である。他の構成は実施例10と同様である。
このIH調理器用土鍋では、個々の第1発熱部44の面積が実施例9の第1発熱部42の面積よりも大きいため、整磁合金のキュリー温度を超えることによって第1発熱部44に渦電流が生じ難く、加熱層43の昇温がやや生じやすい。他の作用効果は実施例10と同様に奏することができる。
(実施例12)
実施例12のIH調理器用土鍋では、図17に示す加熱層46を発熱体としている。この加熱層46は円環状をなしている。この加熱層46は、4本の円環状の第1発熱部47〜50が同心で設けられている。また、第1発熱部47、48間と、第1発熱部48、49間と、第1発熱部49、50間と、第1発熱部50の外周側とに位置する円環状の第2発熱部51とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
実施例12のIH調理器用土鍋では、図17に示す加熱層46を発熱体としている。この加熱層46は円環状をなしている。この加熱層46は、4本の円環状の第1発熱部47〜50が同心で設けられている。また、第1発熱部47、48間と、第1発熱部48、49間と、第1発熱部49、50間と、第1発熱部50の外周側とに位置する円環状の第2発熱部51とからなる。他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、加熱コイル92が複数の扇状又は半円状に形成されている場合等に実施例1等と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例13)
実施例13のIH調理器用土鍋では、図18(A)、(B)に示す加熱層56を発熱体としている。同図(A)に示すように、この加熱層56は、同一の円環状に形成された第1発熱部57と第2発熱部58とからなる。これにより、加熱層56は円環状をなしている。また、この加熱層56には、実施例9における加熱プレート52と同様の保護層55が設けられている。
実施例13のIH調理器用土鍋では、図18(A)、(B)に示す加熱層56を発熱体としている。同図(A)に示すように、この加熱層56は、同一の円環状に形成された第1発熱部57と第2発熱部58とからなる。これにより、加熱層56は円環状をなしている。また、この加熱層56には、実施例9における加熱プレート52と同様の保護層55が設けられている。
この加熱層56は、土鍋本体1に対し、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57を形成する。さらに、この第1発熱部57に対し、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58を形成している。そして、最後に加熱層56に対して釉薬を塗布して焼成することで、保護層55を形成する。このため、同図(B)に示すように、この加熱層56では、第1発熱部57と第2発熱部58とが加熱層56の厚さ方向で重畳的に配置され、かつ、第1発熱部57が第2発熱部58よりも土鍋本体1に近接する側に配置される。なお、実施例9における加熱プレート52と同様、第1発熱部57と第2発熱部58とが貼り合わされて形成されたクラッド材を用いて加熱層56を形成することもできる。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、IH調理器90のトッププレート91上に載置した際、加熱層56において、第1発熱部57が加熱コイル92から遠隔した位置となる。このため、加熱層56では、整磁合金のキュリー温度に達した以降、第1発熱部57に渦電流が生じ難くなる。これにより、このIH調理器用土鍋では、整磁合金のキュリー温度に達した以降の加熱層56の昇温を好適に抑制することが可能となっている。このIH調理器用土鍋における他の作用は実施例1等と同様である。
(実施例14)
実施例14のIH調理器用土鍋では、図19(A)、(B)に示す加熱層59を発熱体としている。実施例13における加熱層56と同様、同図(A)に示すように、この加熱層59は、第1発熱部53と第2発熱部54とからなる。また、この加熱層59にも保護層55が設けられている。実施例13における加熱層56と異なり、この加熱層59は、土鍋本体1に対し、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58を形成する。さらに、この第2発熱部58に対し、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57を形成する。そして、最後に保護層55を形成する。このため、同図(B)に示すように、この加熱層59では、第1発熱部57と第2発熱部58とが加熱層59の厚さ方向で重畳的に配置され、かつ、第2発熱部58が第1発熱部57よりも土鍋本体1に近接する側に配置される。なお、この加熱層59についても、実施例9における加熱プレート52や実施例13における加熱層56と同様、上記のクラッド材を用いて形成することもできる。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例14のIH調理器用土鍋では、図19(A)、(B)に示す加熱層59を発熱体としている。実施例13における加熱層56と同様、同図(A)に示すように、この加熱層59は、第1発熱部53と第2発熱部54とからなる。また、この加熱層59にも保護層55が設けられている。実施例13における加熱層56と異なり、この加熱層59は、土鍋本体1に対し、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58を形成する。さらに、この第2発熱部58に対し、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57を形成する。そして、最後に保護層55を形成する。このため、同図(B)に示すように、この加熱層59では、第1発熱部57と第2発熱部58とが加熱層59の厚さ方向で重畳的に配置され、かつ、第2発熱部58が第1発熱部57よりも土鍋本体1に近接する側に配置される。なお、この加熱層59についても、実施例9における加熱プレート52や実施例13における加熱層56と同様、上記のクラッド材を用いて形成することもできる。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋では、IH調理器90のトッププレート91上に載置した際、加熱層59において、第2発熱部58が加熱コイル92から遠隔した位置となる。このため、整磁合金のキュリー温度に達した以降、加熱層59では、土鍋本体1よりも遠隔した位置で第1発熱部57が昇温する。このため、このIH調理器用土鍋では、土鍋本体1と加熱層59とのヒートショックを緩和することが可能となっている。このIH調理器用土鍋における他の作用は実施例1等と同様である。
(実施例15)
実施例15のIH調理器用土鍋では、図20(A)、(B)に示すに示すように、土鍋本体1の内側底面10aに対して、実施例13における加熱層56を一体的に設けている。内側底面10aに加熱層56を設ける方法は、実施例13において、外側底面10bに加熱層56を設ける方法と同様である。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例15のIH調理器用土鍋では、図20(A)、(B)に示すに示すように、土鍋本体1の内側底面10aに対して、実施例13における加熱層56を一体的に設けている。内側底面10aに加熱層56を設ける方法は、実施例13において、外側底面10bに加熱層56を設ける方法と同様である。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋においても、実施例13のIH調理器用土鍋と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例16)
実施例16のIH調理器用土鍋では、図21(A)、(B)に示すに示すように、土鍋本体1の内側底面10aに対して、実施例14における加熱層59を一体的に設けている。内側底面10aに加熱層59を設ける方法は、実施例14において、外側底面10bに加熱層59を設ける方法と同様である。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例16のIH調理器用土鍋では、図21(A)、(B)に示すに示すように、土鍋本体1の内側底面10aに対して、実施例14における加熱層59を一体的に設けている。内側底面10aに加熱層59を設ける方法は、実施例14において、外側底面10bに加熱層59を設ける方法と同様である。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
このIH調理器用土鍋においても、実施例14のIH調理器用土鍋と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例17)
実施例17のIH調理器用土鍋では、図22(A)、(B)に示す加熱層61を発熱体としている。加熱層61は円環状をなしている。この加熱層61では、土鍋本体1の内側底面10aに対して、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57が形成されているとともに、土鍋本体1の外側底面10bに対して、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58が形成されている。つまり、加熱層61は、第1発熱部57と第2発熱部58とで、土鍋本体1の底部10を挟持するように構成されている。また、第1発熱部57と第2発熱部58とにそれぞれ釉薬が塗布されることで、加熱層61に保護層55が形成さている。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例17のIH調理器用土鍋では、図22(A)、(B)に示す加熱層61を発熱体としている。加熱層61は円環状をなしている。この加熱層61では、土鍋本体1の内側底面10aに対して、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57が形成されているとともに、土鍋本体1の外側底面10bに対して、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58が形成されている。つまり、加熱層61は、第1発熱部57と第2発熱部58とで、土鍋本体1の底部10を挟持するように構成されている。また、第1発熱部57と第2発熱部58とにそれぞれ釉薬が塗布されることで、加熱層61に保護層55が形成さている。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
内側底面10aに第1発熱部57が形成されることで、このIH調理器用土鍋では、IH調理器90のトッププレート91上に載置した際、加熱層61において、第1発熱部57が加熱コイル92から遠隔した位置となる。このため、このIH調理器用土鍋では、実施例13、15のIH調理器用土鍋とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
(実施例18)
実施例18のIH調理器用土鍋では、図23(A)、(B)に示す加熱層63を発熱体としている。加熱層63は円環状をなしている。この加熱層63では、土鍋本体1の内側底面10aに対して、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58が形成されているとともに、土鍋本体1の外側底面10bに対して、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57が形成されている。つまり、この加熱層63も実施例17における加熱層61と同様、第1発熱部57と第2発熱部58とで、土鍋本体1の底部10を挟持するように構成されている。また、実施例17における加熱層61と同様に、加熱層61にも保護層55が形成さている。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
実施例18のIH調理器用土鍋では、図23(A)、(B)に示す加熱層63を発熱体としている。加熱層63は円環状をなしている。この加熱層63では、土鍋本体1の内側底面10aに対して、整磁合金を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第2発熱部58が形成されているとともに、土鍋本体1の外側底面10bに対して、磁性体を含むアトマイズ粉末を用いて溶射により第1発熱部57が形成されている。つまり、この加熱層63も実施例17における加熱層61と同様、第1発熱部57と第2発熱部58とで、土鍋本体1の底部10を挟持するように構成されている。また、実施例17における加熱層61と同様に、加熱層61にも保護層55が形成さている。このIH調理器用土鍋における他の構成は実施例1と同様である。
内側底面10aに第2発熱部58が形成されることで、このIH調理器用土鍋では、IH調理器90のトッププレート91上に載置した際、加熱層63において、第2発熱部58が加熱コイル92から遠隔した位置となる。このため、このIH調理器用土鍋では、実施例14、16のIH調理器用土鍋とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
以上において、本発明を実施例1〜18に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜18に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、加熱プレート15〜19、52及び加熱層40、43、46、56、59、61、63について、それぞれ円板状に形成してもよい。また、これらの加熱プレート15〜19、52及び加熱層46、56、59、61、63を円板状に形成した場合、中心部分を第1発熱部とする他、第2発熱部とすることもできる。
また、加熱プレート5、13〜19、52及び加熱層40、43、46、56、59、61、63は、IH調理器用土鍋の形状の他、土鍋本体1の内側底面10aや外側底面10bの形状に応じて多角形に形成してもよい。
さらに、加熱プレート5、13〜19及び加熱層40、43、46に対して保護層55を設けてもよい。また、加熱プレート52及び加熱層56、59、61、63について、保護層55を省略してもよい。
また、例えば加熱プレート15において、第1発熱部7や第2発熱部8に加えて、第3発熱部を設けても良い。第3発熱部は、第1発熱部7、9や第2発熱部8に対し薄く加工されたしたアルミニウム合金を圧着等したり、銀を転写したりすることで形成することができる。上記の加熱プレート15は代表例であり、他の加熱プレート13等及び加熱層40等についても同様に第3発熱部を設けても良い。
本発明は、種々の形状のIH調理器用土鍋に利用可能である。
1…土鍋本体
10a…内側底面
10b…外側底面
5、13、14、15、16、17、18、19、40、43、46、52、56、59、61、63…発熱体(5、13、14、15、16、17、18、19、52…加熱プレート、40、43、46、56、59、61、63…加熱層)
7、9、21、23、25、27、29、30、32、34、42、44、47、48、49、50、53、57…第1発熱部
8、22、24、26、28、31、33、35、41、45、51、54、58…第2発熱部
10a…内側底面
10b…外側底面
5、13、14、15、16、17、18、19、40、43、46、52、56、59、61、63…発熱体(5、13、14、15、16、17、18、19、52…加熱プレート、40、43、46、56、59、61、63…加熱層)
7、9、21、23、25、27、29、30、32、34、42、44、47、48、49、50、53、57…第1発熱部
8、22、24、26、28、31、33、35、41、45、51、54、58…第2発熱部
Claims (9)
- 陶磁器製の土鍋本体と、前記土鍋本体の内側底面及び外側底面の少なくとも一方に設けられ、IH調理器の加熱コイルによって前記土鍋本体を加熱可能な発熱体とを備えたIH調理器用土鍋であって、
前記発熱体は、磁性体を含有する第1発熱部と、前記第1発熱部と一体的に設けられ、整磁合金を含有する第2発熱部とを有していることを特徴とするIH調理器用土鍋。 - 前記第2発熱部は、前記加熱コイルの周回方向と交差する方向で前記第1発熱部を分断している請求項1記載のIH調理器用土鍋。
- 前記第2発熱部は、前記加熱コイルの中心に対向する対向位置から前記第1発熱部外まで延びている請求項2記載のIH調理器用土鍋。
- 前記第1発熱部及び前記第2発熱部は、前記発熱体の厚さ方向で重畳的に配置されている請求項1記載のIH調理器用土鍋。
- 前記第1発熱部は、前記第2発熱部よりも前記土鍋本体に近接する側に配置されている請求項4記載のIH調理器用土鍋。
- 前記第2発熱部は、前記第1発熱部よりも前記土鍋本体に近接する側に配置されている請求項4記載のIH調理器用土鍋。
- 前記発熱体は板状に形成されている請求項1乃至6のいずれか1項記載のIH調理器用土鍋。
- 前記発熱体は、前記土鍋本体の前記内側底面に載置されている請求項7記載のIH調理器用土鍋。
- 前記発熱体は、前記土鍋本体に対して、溶射、スパッタリング、蒸着、メッキ又は転写によって設けられている請求項1乃至6のいずれか1項記載のIH調理器用土鍋。
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