JP2014134565A - 光デバイス、露光装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の劣化を外部から予測することができる光デバイスを提供する。
【解決手段】 光デバイス10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ、面発光レーザアレイチップ60、及び受光素子70を有している。面発光レーザアレイチップ60から射出された光束の一部はキャップのガラス板で反射され、モニタ用光束として受光素子70で受光される。受光素子70は、モニタ用光束の中心部分を受光する第1受光部70a、及びモニタ用光束の外周部分を受光する第2受光部70bを有している。この場合、第1受光部70aの出力と第2受光部70bの出力とに基づいて、モニタ用光束の広がり角を求めることができる。
【選択図】図8
【解決手段】 光デバイス10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ、面発光レーザアレイチップ60、及び受光素子70を有している。面発光レーザアレイチップ60から射出された光束の一部はキャップのガラス板で反射され、モニタ用光束として受光素子70で受光される。受光素子70は、モニタ用光束の中心部分を受光する第1受光部70a、及びモニタ用光束の外周部分を受光する第2受光部70bを有している。この場合、第1受光部70aの出力と第2受光部70bの出力とに基づいて、モニタ用光束の広がり角を求めることができる。
【選択図】図8
Description
本発明は、光デバイス、露光装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、受光素子を有する光デバイス、該光デバイスを有する露光装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は露光装置としての光走査装置を備え、一般的に、光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)を用いて、感光性を有するドラムの表面をレーザ光で走査し、該ドラムの表面に潜像を形成している。
ところで、画像形成装置では、温度変化や経時変化に伴って、光源から射出される光の光量が変化すると、最終的に出力される画像(出力画像)に濃度むらが発生するおそれがある。
そこで、これを抑制するため、通常、光走査装置では、光源から射出される光の一部をモニタ用光としてフォトダイオード等のディテクタで受光し、その結果に基づいて、光源の出力レベルを調整するAPC(Auto Power Control)制御を実施している(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
また、特許文献5には、レーザダイオード劣化検出回路が開示され、特許文献6には、半導体レーザ劣化検出器が開示されている。
しかしながら、光源を有する従来の装置では、該光源の劣化を予測することは困難であった。
本発明は、光源からのモニタ用光束を受光する受光素子を有する光デバイスにおいて、前記受光素子が、前記モニタ用光束の中心部分を受光する第1受光部と、前記モニタ用光束の外周部分を受光する第2受光部とを有することを特徴とする光デバイスである。
本発明の光デバイスによれば、光源の劣化を外部から予測することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図24に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、操作パネル(図示省略)及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、通信制御装置2080を介して受信した上位装置からの多色の画像情報を光走査装置2010に通知する。
操作パネルは、作業者が各種設定を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示器を有している。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光束で、対応する帯電された感光体ドラムの表面を走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、光走査装置の構成については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源ユニット(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、4つの同期検知用ミラー(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの同期検知センサ(2206a、2206b、2206c、2206d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、光偏向器2104の回転軸に平行な方向をZ軸方向として説明する。
また、以下では、便宜上、各光学部材において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
走査制御装置は、4つの光源ユニット(2200a、2200b、2200c、2200d)、及び光偏向器2104を制御する。
光源ユニット2200aとカップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aと走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aと同期検知用ミラー2205aと同期検知センサ2206aは、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
光源ユニット2200bとカップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bと走査レンズ2105bと折り返しミラー2106bと折り返しミラー2108bと同期検知用ミラー2205bと同期検知センサ2206bは、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
光源ユニット2200cとカップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cと走査レンズ2105cと折り返しミラー2106cと折り返しミラー2108cと同期検知用ミラー2205cと同期検知センサ2206cは、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
光源ユニット2200dとカップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dと走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dと同期検知用ミラー2205dと同期検知センサ2206dは、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
各カップリングレンズは、対応する光源ユニットから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。
各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、光偏向器2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
各光源ユニットと光偏向器2104との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
光偏向器2104は、2段構造のポリゴンミラーを有している。各ポリゴンミラーは、4面の偏向反射面を有している。そして、1段目(下段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目のポリゴンミラー及び2段目のポリゴンミラーは、互いに位相が略45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。
各感光体ドラム上の光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が、「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が、「副走査方向」である。
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
各同期検知センサは、光偏向器2104で偏向され対応する感光体ドラムに向かう光であって、書き込みに利用されない光を、対応する同期検知用ミラーを介して受光する。各同期検知センサは、受光光量に応じた信号を走査制御装置に出力する。走査制御装置は、各同期検知センサの出力信号に基づいて、対応する感光体ドラムへの書き込み開始タイミングを求める。
各光源ユニットは、一例として図6(A)〜図8に示されるように、光デバイス10を有している。なお、図7は、図6(A)のA−A断面図である。また、図8は、図6(A)において、キャップ40を外した状態の図である。
この光デバイス10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ40、面発光レーザアレイチップ60、及び受光素子70を有している。
ここでは、フラットパッケージ20の底面に直交する方向をc軸方向とし、c軸方向に直交する面内における互いに直交する2つの方向をa軸方向及びb軸方向とする。そして、a軸方向が主走査対応方向となり、b軸方向が副走査対応方向となるように設定されている。
面発光レーザアレイチップ60は、一例として図9に示されるように、2次元的に配列されている40個の発光部(v1〜v40)を有している。なお、発光部の数は40個に限定されるものではない。
40個の発光部は、全ての発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しく(図9では「d1」)なるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
ここでは、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、面発光レーザアレイチップ60は、40個の面発光レーザが集積されている。また、各発光部の光出力の定格は0.1mW〜1.0mWである。
受光素子70は、一例として図10に示されるように、第1受光部70a、第2受光部70b、第1端子70c、第2端子70dなどを有している。
第1受光部70aは、円形状の受光部であり、受光光量に対応した電気信号(光電変換信号)を発生する。第2受光部70bは、第1受光部70aを取り囲むリング状の受光部であり、受光光量に対応した電気信号(光電変換信号)を発生する。
第1端子70cは、導電性のワイヤによって第1受光部70aのアノード電極と接続され、第1受光部70aで発生した電気信号を外部に出力するためのものである。第2端子70dは、導電性のワイヤによって第2受光部70bのアノード電極と接続され、第2受光部70bで発生した電気信号を外部に出力するためのものである。ここでは、第1端子70c及び第2端子70dは、走査制御装置と電気的に接続されている。
なお、第1受光部70a及び第2受光部70bの形状は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、図11に示されるように、第1受光部70aが四角形状であっても良い。また、第1受光部70a及び第2受光部70bの大きさは、入射する光のビーム径、発光部の数、発光部の配列状態、発光部間隔などによって決定される。
フラットパッケージ20は、CLCC(Ceramic leaded chip carrier)と呼ばれるフラットパッケージであり、チップマウント部、PDマウント部、複数の接続端子23、金めっき部などを有するセラミックパッケージである。このフラットパッケージ20は、複数のセラミック層が積層されている。フラットパッケージ20は、+c側の面にキャビティ領域と呼ばれる凹部を有している。
チップマウント部は、面発光レーザアレイチップ60が実装される部分であり、上記キャビティ領域の底面である。このチップマウント部には、金属膜が設けられている。この金属膜は、ダイアタッチエリアとも呼ばれており、共通電極になっている。
面発光レーザアレイチップ60は、チップマウント部のほぼ中央であって、上記金属膜上にAuSn等の半田材を用いてダイボンドされている。すなわち、面発光レーザアレイチップ60は、周囲が壁で囲まれているキャビティ領域の底面上に保持されている。
チップマウント部からは、複数のリード端子が、フラットパッケージ20の外周に向かって放射状に伸びている。該複数のリード端子は、ボンディングワイヤによって、面発光レーザアレイチップ60の複数の端子と電気的に接続されている。
PDマウント部は、受光素子70が実装される部分である。受光素子70は、PDマウント部にダイボンドされている。第1端子70c及び第2端子70dは、それぞれボンディングワイヤによって上記リード端子と電気的に接続されている。第1受光部70a及び第2受光部70bの裏面のカソードは、導電性接着剤を介してグラウンド(GND)と電気的に接続されている。
複数の接続端子23は、面発光レーザアレイチップ60及び受光素子70を、フラットパッケージ20が実装されるプリント基板等と電気的に接続するための端子であり、キャステレーションとも呼ばれている。該複数の接続端子23は、上記複数のリード端子と個別に電気的に接続されている。
金めっき部は、キャビティ領域を取り囲むように設けられている。この金めっき部は、無電解めっきよりも緻密で密着性に優れた電気めっきにより形成されている。これにより、キャップ40内部の気密性をより高めることができる。ここでは、金めっき部のめっき厚は約1μmである。
金属リング30は、金めっき部の+c側に取り付けられている。この金属リング30は、キャビティ領域を取り囲むように開口部が形成された略正方形状の金属部材である。
金属リング30は、フラットパッケージ20の材料であるセラミックと熱膨張率の近いコバールでできている。金属リング30の表面には金めっきが施されている。金属リング30は、銀ロウを用いて金めっき部に固着されている。
キャップ40は、一例として図12に示されるように、金属で形成されているキャップ本体41、及びガラス板42を有している。ここでは、このガラス板42は、−c側の面に面発光レーザアレイチップ60から射出される光に対して約10%の反射率を有する反射膜が形成され、+c側の面に反射防止膜が形成されている。
キャップ本体41は、図13(A)及び図13(B)に示されるように、c軸方向に延びる立ち上がり部41aと、立ち上がり部41aの−c側の端部に設けられたフランジ部41bと、立ち上がり部41aの+c側の端部に設けられた傾斜部41cとを有している。
フランジ部41bは、金属リング30と接続される平坦状の部分である。傾斜部41cは、ガラス板42が取り付けられる部分である。面発光レーザアレイチップ60から射出されガラス板42で反射された光束が受光素子70に向かうように、ガラス板42は、c軸方向に直交する面に対して、所定の角度だけ傾斜して傾斜部41cに取り付けられている。ここでは、一例として、傾斜角を約19°としている。なお、以下では、ガラス板42で反射された光束を「モニタ用光束」ともいう。
ガラス板42は、キャップ本体41の内側から、低融点ガラス43で傾斜部41cに固定されている(図12参照)。
例えば、図14に示されるようなファー・フィールド・パターン(FFP:Far Field Pattern)の光が受光素子70に入射すると、図15に示されるように、光量Maに対応する光が第1受光部70aで受光され、光量Mbに対応する光が第2受光部70bで受光される。
光強度分布における半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)は、光ビームの広がり角を表している(図16参照)。そして、ファー・フィールド・パターンが変化すると、FWHMも変化する(図17参照)。この場合、一例として図18に示されるように、第1受光部70aでの受光量及び第2受光部70bでの受光量も変化することがわかる。
図19には、FWHMとMb/Maとの関係が示されている。FWHMとMb/Maとの関係は一次式で近似することができる。すなわち、Mb/MaからFWHMを求めることができる。
ここでは、発光部v24のモニタ用光束の中心と、第1受光部70aの中心とが略一致するように設定されている。そこで、他の発光部のモニタ用光束の中心は、第1受光部70aの中心からずれることとなる(図20参照)。この場合、FWHMとMb/Maとの関係を示す一次式は、発光部によって異なる(図21参照)。本実施形態では、FWHMとMb/Maとの関係を示す一次式は、発光部毎に予め求められ、一次式の各係数が発光部に対応付けされて、係数テーブルとして走査制御装置のメモリに格納されている。
次に、走査制御装置によって、光源毎に、所定のタイミング毎に行われる光源劣化検出処理について図22を用いて説明する。図22のフローチャートは、光源劣化検出処理の際に、走査制御装置によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップS401では、発光部を特定するための値が格納される変数iに初期値1をセットする。
次のステップS403では、発光部viを点灯させる。例えば、変数iが1のときは、発光部v1が点灯される。
次のステップS405では、受光素子70の出力信号に基づいて、光量Ma及び光量Mbを求める。
次のステップS407では、発光部viを消灯させる。
次のステップS409では、走査制御装置のメモリに格納されている係数テーブルを参照し、発光部viに対応する一次式の各係数を取得する。
次のステップS411では、Mb/Maと発光部viに対応する一次式の各係数とからFWHMを算出する。
次のステップS413では、算出されたFWHMが予め設定されている閾値以下であるか否かを判断する。例えば、各発光部のFWHMの仕様が3.0[deg.]〜6.0[deg.]のとき、仕様における上限値よりも0.5[deg.]だけ小さい値である5.5[deg.]を閾値としても良い。また、例えば、各発光部のFWHMの初期値が4.0[deg.]のとき、該初期値の+10%である4.4[deg.]を閾値としても良い。算出されたFWHMが予め設定されている閾値以下であれば、ここでの判断は肯定され、ステップS415に移行する。
このステップS415では、発光部viを「劣化なし」とする。そして、ステップS419に移行する。
一方、上記ステップS413において、算出されたFWHMが予め設定されている閾値を越えていれば(図23参照)、ステップS413での判断は否定され、ステップS417に移行する。
このステップS417では、発光部viを「劣化あり」とする。そして、ステップS419に移行する。
このステップS419では、変数iの値が40未満であるか否かを判断する。変数iの値が40未満であれば、ここでの判断は肯定され、ステップS421に移行する。
このステップS421では、変数iの値を+1する。そして、上記ステップS403に戻る。
以下、ステップS419での判断が否定されるまで、ステップS403からステップS421までの処理を繰り返す。
変数iの値が40以上になると、ステップS419での判断が否定され、ステップS423に移行する。
このステップS423では、40個の発光部のなかに「劣化あり」の発光部が有るか否かを判断する。「劣化あり」の発光部が有れば、ここでの判断は肯定され、ステップS425に移行する。
このステップS425では、操作パネルの表示器に、光源が劣化している旨のメッセージとともに、該光源を特定する情報を表示する。作業者は、表示器の表示内容をメンテナンス業者に通知する。なお、この情報は、カラープリンタ2000から自動的に公衆回線を介してメンテナンス業者に通知されても良い。そして、光源劣化検出処理を終了する。
なお、上記ステップS423において、40個の発光部のなかに「劣化あり」の発光部がなければ、ステップS423での判断は否定され、ステップS427に移行する。
このステップS427では、操作パネルの表示器に、光源は劣化していない旨のメッセージを表示する。そして、光源劣化検出処理を終了する。
なお、上記ステップS403で発光部viを点灯させる際、光出力が定格を越えても良い。図24には、光出力が1.0mWのときの光強度分布の一例、及び光出力が2.0mWのときの光強度分布の一例が示されている。定格を越える光出力で発光部を点灯させることにより、劣化の有無の検出感度を高めることができる。
ところで、光源が経時変化などにより故障すると、該光源が交換されるまでカラープリンタ2000は使用不可となる。本実施形態では、光源が故障する前に劣化状態を知ることができるため、カラープリンタ2000が使用不可となる前に交換用光源の手配を行うことが可能となり、カラープリンタ2000が使用不可の時間(休止時間)を従来よりも大幅に短縮することができる。
また、走査制御装置は、所定のタイミングで、光量Maと光量Mbの合計値に基づいて、APC(Auto Power Control)制御を行う。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るカラープリンタ2000では、光走査装置2010によって本発明の露光装置が構成されている。そして、4つの偏向器前光学系と光偏向器2104と4つの走査光学系とによって本発明の露光装置の光学系が構成されている。また、走査制御装置によって本発明の露光装置の処理装置が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、4つの光源ユニット(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つの偏向器前光学系、光偏向器2104、4つの走査光学系、及び走査制御装置などを備えている。
各光源ユニットは光デバイス10を有している。この光デバイス10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ40、面発光レーザアレイチップ60、及び受光素子70を有している。面発光レーザアレイチップ60から射出された光束の一部はキャップ40のガラス板42で反射され、モニタ用光束として受光素子70で受光される。
受光素子70は、モニタ用光束の中心部分を受光する第1受光部70a、及びモニタ用光束の外周部分を受光する第2受光部70bを有している。
走査制御装置は、発光部毎に、第1受光部70aの出力から光量Ma、第2受光部70bの出力から光量Mbを求め、メモリに格納されている係数テーブルを参照し、Mb/Maに基づいてFWHMを算出する。そして、走査制御装置は、算出されたFWHMが予め設定されている閾値を越えると「劣化あり」と判断し、作業者に通知する。
この場合は、光源が故障する前に劣化状態を知ることができるため、カラープリンタ2000が使用不可となる前に交換用光源の手配を行うことが可能となり、カラープリンタ2000が使用不可の時間(休止時間)を従来よりも大幅に短縮することができる。
なお、上記実施形態では、光源が複数の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、FWHMの閾値が1つの場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1閾値と第2閾値とを設け、警告レベルを異ならせても良い。
また、上記実施形態において、操作パネルの表示器に、光源が劣化している旨のメッセージを表示する際に、警報ブザーをならしたり、警告ランプを点灯あるいは点滅させても良い。
また、上記実施形態において、操作パネルからFWHMの閾値を設定あるいは変更可能としても良い。
また、上記実施形態では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
また、上記光デバイスは、画像形成装置以外の用途にも用いることができる。その場合には、発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、単色のプリンタであっても良い。
また、上記実施形態では、トナー画像を記録紙に転写する画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
10…光デバイス、20…フラットパッケージ、42…ガラス板、60…面発光レーザアレイチップ(光源)、70…受光素子、70a…第1受光部、70b…第2受光部、70c…第1端子、70d…第2端子、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置(露光装置)、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…光偏向器、2105a〜2105d…走査レンズ(光学系の一部)、2200a〜2200d…光源ユニット。
Claims (9)
- 光源からのモニタ用光束を受光する受光素子を有する光デバイスにおいて、
前記受光素子が、前記モニタ用光束の中心部分を受光する第1受光部と、前記モニタ用光束の外周部分を受光する第2受光部とを有することを特徴とする光デバイス。 - 被走査面を露光する露光装置であって、
請求項1に記載の光デバイスと、
前記光デバイスから射出された光束を前記被走査面に導光する光学系と、
前記光デバイスの第1受光部の出力と第2受光部の出力とに基づいて、前記光デバイスの受光素子が受光したモニタ用光束の広がり角を求める処理装置とを備える露光装置。 - 前記処理装置は、前記モニタ用光束の広がり角が予め設定されている閾値を越えていると、前記光デバイスの光源に対して「劣化あり」と判断することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記処理装置は、前記第1受光部と前記第2受光部の出力比に基づいて、前記モニタ用光束の広がり角を求めることを特徴とする請求項2又は3に記載の露光装置。
- 前記出力比と前記モニタ用光束の広がり角との関係は予め取得されていることを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
- 前記光デバイスの光源は複数の発光部を有し、
前記出力比と前記モニタ用光束の広がり角との関係は、発光部毎に取得されていることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。 - 前記光源は、面発光レーザアレイを含むことを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
- 前記処理装置は、前記第1受光部の出力及び前記第2受光部の出力を取得する際、定格を越える光出力で前記光デバイスの光源を点灯させることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
- 像担持体と、
前記像担持体を露光する請求項2〜8のいずれか一項に記載の露光装置とを備える画像形成装置。
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