JP2014134556A - 電気泳動チップ、電気泳動装置およびキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法 - Google Patents

電気泳動チップ、電気泳動装置およびキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 チップの小型化および簡略化が可能で、且つ、試料を高精度に分析可能な電気泳動チップを提供する。
【解決手段】 上基板4と、下基板1と、導入槽2aと、回収槽2bと、試料分析用のキャピラリー流路3xとを含み、前記下基板1上に、前記導入槽2aと前記回収槽2bとが形成され、前記導入槽2aと前記回収槽2bとが、前記試料分析用のキャピラリー流路3xで連通され、前記導入槽2aに測定対象となる試料が導入され、前記導入槽2aと前記回収槽2bとの間に電位差を生じさせることで、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路3xに前記試料が直接導入され、前記試料分析用のキャピラリー流路3xにおいて、前記試料の分離中も前記試料が連続的に供給されている状態で前記試料の分析が行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気泳動チップ、電気泳動装置およびキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法に関する。
生体の状態を示す指標として、各種タンパク質の糖化率が分析されている。中でも、血球中のヘモグロビン(Hb)の糖化率、特にHbA1cは、生体内血糖値の過去の履歴を反映していることから、糖尿病の診断や治療などにおける重要な指標とされている。HbA1cは、HbA(αβ)のβ鎖N末端のバリンが糖化したものである。
HbA1cは、例えば、免疫法、酵素法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法等により分析されている。一般に、免疫法および酵素法は、多量の検体を処理し、分析する場合に用いられているが、合併症のリスクを判断するには精度が低い。これに対し、HPLC法は、処理能力では免疫法および酵素法に劣るが、合併症のリスク判断において有用である。しかし、HPLC法では、構造上、分析装置が非常に大型で高価である。
一方、生体関連試料全般の分析において、電気泳動チップが用いられている(例えば、特許文献1および2参照)。このような電気泳動チップによれば、HPLC法と比較して、分析装置の小型化が可能である。
従来の電気泳動チップは、試料導入用と試料分析用の2本のキャピラリー流路を有する。前記2本のキャピラリー流路は、十字状に交差しており、前記交差部分で連通されている。この電気泳動チップを用いた試料の分析は、つぎのようにして実施される。まず、前記試料導入用のキャピラリー流路に測定対象となる試料を導入する。ついで、前記試料導入用のキャピラリー流路の両端に電位差を生じさせ、前記交差部分まで前記試料を移動させる。つぎに、前記試料分析用のキャピラリー流路の両端に電位差を生じさせ、前記交差部分から前記試料分析用のキャピラリー流路内に前記試料を移動させ、ここで、前記試料の分析を行う。
前記交差部分で連通されている十字状のキャピラリー流路を有する電気泳動チップには、つぎのような問題がある。まず、キャピラリー流路の構成が煩雑である。また、前記2本のキャピラリー流路の両端に電位差を生じさせるための電圧印加装置を、別個に用意する必要がある。これらのため、前記電気泳動チップには、チップの小型化および簡略化に限界があった。また、電圧印加対象を前記試料導入用のキャピラリー流路から前記試料分析用のキャピラリー流路に切り替える際に、電圧(電位差)の制御がうまくいかないと、試料の拡散状態を制御しきれないおそれがある。そのような場合、前記試料分析用のキャピラリー流路への試料導入量が不正確となるおそれがある。さらに、前記試料内に含まれる各成分の移動速度に大きな差があると、前記試料導入用のキャピラリー流路内における各部分の組成が原試料と異なる場合がある。その結果、前記試料分析用のキャピラリー流路に導入される試料の組成が不正確となるおそれがある。これを防ぐために、前記試料分析用のキャピラリー流路内に導入される試料プラグを長くすると、前記試料分析用のキャピラリー流路内部における分離能に問題が生じる場合がある。
特許第2790067号公報 特許第3656165号公報
そこで、本発明は、チップの小型化および簡略化が可能で、且つ、試料を高精度に分析可能な電気泳動チップを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の電気泳動チップは、
基板、導入槽、回収槽およびキャピラリー流路を含む電気泳動チップであって、
前記キャピラリー流路は、試料分析用のキャピラリー流路を含み、
前記基板上に、前記導入槽と前記回収槽とが形成され、
前記導入槽と前記回収槽とが、前記試料分析用のキャピラリー流路で連通され、
前記導入槽に測定対象となる試料が導入され、
前記導入槽と前記回収槽との間に電位差を生じさせることで、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路に前記試料が直接導入され、前記試料分析用キャピラリー流路において、前記試料の分離中も前記試料が連続的に供給されている状態で前記試料の分析が行われることを特徴とする。
本発明の電気泳動装置は、電気泳動チップと分析部とを含む電気泳動装置であって、前記電気泳動チップが、前記本発明の電気泳動チップであることを特徴とする。
本発明のキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法は、前記本発明の電気泳動チップまたは前記本発明の電気泳動装置を用い、
前記導入槽に前記試料を導入する導入工程と、
前記導入槽と前記回収槽との間に電位差を生じさせて、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路に前記試料を直接導入し、前記試料分析用キャピラリー流路において、前記試料の分離中も前記試料が連続的に供給されている状態で前記試料の分析を行う分析工程とを含むことを特徴とする。
本発明の電気泳動チップは、導入槽と回収槽とが基板上に形成され、前記導入槽と前記回収槽とが、試料分析用のキャピラリー流路で連通されたチップである。本発明の電気泳動チップにおいては、前記導入槽と前記回収槽との間に電位差を生じさせることで、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路に前記試料が直接導入され、前記試料分析用のキャピラリー流路において、前記試料の分析が行われる。すなわち、本発明の電気泳動チップでは、前記試料分析用のキャピラリー流路が、従来の電気泳動チップにおける試料導入用のキャピラリー流路をも兼ねている。このため、本発明の電気泳動チップによれば、チップの小型化および簡略化が可能となり、且つ、試料を高精度に分析可能である。また、本発明の電気泳動チップによれば、試料分析用のキャピラリー流路に試料を連続的に供給することができるため、比較的多量の試料を分析(検出)することとなり、感度の面でも有利である。したがって、本発明の電気泳動チップによれば、例えば、POC(Point Of Care)検査での試料の精密分析が可能となり、合併症のリスク管理も可能となる。
図1は、本発明の電気泳動チップの一例の構成を示す図である。 図2は、本発明の電気泳動チップの製造工程の一例を示す工程図である。 図3は、本発明の電気泳動チップの製造工程のその他の例を示す工程図である。 図4は、本発明の電気泳動チップのその他の例の構成を示す図である。 図5は、本発明の電気泳動装置の一例の構成を示す断面図である。 図6は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図7は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図8は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図9は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図10は、本発明の電気泳動装置のその他の例の構成を示す図である。 図11は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図12は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図13は、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例の構成を示す図である。 図14は、実施例の分析結果を示すグラフである。
本発明の電気泳動チップにおいて、チップ全体の最大長さは、例えば、10〜200mmの範囲であり、好ましくは、30〜70mmの範囲であり、チップ全体の最大幅は、例えば、10〜60mmの範囲であり、チップ全体の最大厚みは、例えば、0.3〜5mmの範囲である。なお、前記チップ全体の最大長さとは、前記チップの長手方向の最長部の長さであり、前記チップ全体の最大幅とは、前記チップの前記長手方向とは垂直な方向(幅方向)の最長部の長さであり、前記チップ全体の最大厚みとは、前記チップの前記長手方向および前記幅方向の両方に垂直な方向(厚み方向)の最長部の長さである。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記キャピラリー流路に電気泳動液が充填されていることが好ましい。
本発明の電気泳動チップでは、前記キャピラリー流路において、その径は、例えば、10〜200μmの範囲であり、好ましくは、25〜100μmの範囲であり、その長さは、例えば、0.5〜15cmの範囲である。なお、前記キャピラリー流路の径とは、前記キャピラリー流路の断面形状が円でない場合には、断面積が最も大きい部分のその断面積に対応する面積の円の直径をいう。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記キャピラリー流路の内壁を、陽極性基含有化合物により被覆してもよい。前記陽極性基含有化合物としては、例えば、前記陽極性基および反応基を含む化合物である。前記陽極性基としては、アミノ基、アンモニウム基が好ましい。前記陽極性基含有化合物として好ましいのは、アミノ基およびアンモニウム基の少なくとも一方を有するシリル化剤である。前記アミノ基は、一級、二級、三級のいずれであってもよい。
前記シリル化剤としては、N−(2−ジアミノエチル)−3−プロピルトリメトキシシラン、アミノフェノキシジメチルビニルシラン、3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルペンタメチルジシロキサン、3−アミノプロピルシラントリオール、ビス(P−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニルメチルシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピル(ジイソプロピル)ジメチルアミノシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)クロロシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン等があげられる。
前記シリル化剤において、ケイ素原子をチタン若しくはジルコニウムに置換したものを用いてもよい。前記シリル化剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記シリル化剤を用いた前記キャピラリー流路の内壁の被覆は、例えば、つぎのようにして実施する。まず、シリル化剤を有機溶媒に溶解若しくは分散させて処理液を調製する。前記処理液の調製に使用する前記有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トルエン等が使用できる。前記処理液のシリル化剤の濃度は、特に制限されない。この処理液を、前記キャピラリー流路に通液し、加熱する。この加熱によって、前記シリル化剤が前記キャピラリー流路の内壁に共有結合で結合し、その結果、陽極性基が前記キャピラリー流路の内壁に配置されることになる。その後、有機溶媒(ジクロロメタン、メタノール、アセトン等)、酸性溶液(リン酸等)、アルカリ性溶液および界面活性剤溶液の少なくとも一つで洗浄(後処理)する。なお、この洗浄は任意であるが、実施することが好ましい。また、後述のように、前記基板とは別の部材であるキャピラリー管が、前記キャピラリー流路となる場合には、市販の前記シリル化剤を用いて内壁が前記陽極性基含有化合物により被覆されたキャピラリー管を用いてもよい。
前記陽極性基含有化合物により被覆された前記キャピラリー流路の内壁には、さらに、陰極性基含有化合物から形成された陰極性層が積層されていることが好ましい。これにより、後述の試料中のヘモグロビン等が、前記キャピラリー流路の内壁に吸着するのを防止できる。また、前記試料と前記陰極性基含有化合物とが複合体を形成し、これが電気泳動するため、試料単独で電気泳動するよりも分離効率が高くなる。これらの結果、より短時間で、より高精度に糖化ヘモグロビン等の分析を実施できる。前記試料と複合体を形成する前記陰極性基含有化合物としては、陰極性基含有多糖類が好ましい。前記陰極性基含有多糖類としては、例えば、硫酸化多糖類、カルボン酸化多糖類、スルホン酸化多糖類およびリン酸化多糖類があり、このなかで、硫酸化多糖類およびカルボン酸化多糖類が好ましい。前記硫酸化多糖類としては、コンドロイチン硫酸、ヘパリン等が好ましく、より好ましくは、コンドロイチン硫酸である。前記カルボン酸化多糖類としては、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)が好ましい。コンドロイチン硫酸は、A、B、C、D、E、H、Kの七種類があり、いずれを用いてもよい。前記陰極性層は、例えば、前記陰極性基含有化合物を含む液を前記陽極性基含有化合物により被覆された前記キャピラリー流路の内壁に接触させることにより、形成することができる。この場合、陰極性層を形成するための液を別途調製してもよいが、操作効率の面から、陰極性基含有化合物を含む電気泳動液を調製し、これを、内壁が前記陽極性基含有化合物により被覆された前記キャピラリー流路に通液することが好ましい。
前記電気泳動液は、特に制限されないが、有機酸を用いた電気泳動液が好ましい。前記有機酸は、例えば、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、リンゴ酸等がある。また、前記電気泳動液は、弱塩基を含むことが好ましい。前記弱塩基としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリス等がある。前記電気泳動液のpHは、例えば、pH4.5〜6の範囲である。前記電気泳動液において、前記陰極性基含有化合物の濃度は、例えば、0.001〜10重量%の範囲である。
本発明の電気泳動チップにおいては、前記試料が全血であり、
さらに、前記試料を溶血させ、且つ希釈するための前処理槽を含み、前記前処理槽と前記導入槽とが連通されていてもよい。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記試料が、糖化ヘモグロビンおよびグルコースの少なくとも一方を含むことが好ましい。前記糖化ヘモグロビンとしては、特に制限されないが、例えば、HbA1c、不安定型HbA1c、GHbLys等が挙げられ、HbA1cが特に好ましい。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記試料分析用のキャピラリー流路の一端にグルコース分析部が形成され、
前記回収槽が、前記試料分析用のキャピラリー流路の他端に形成され、
前記導入槽が、前記グルコース分析部と前記回収槽との間に形成され、
前記グルコース分析部と前記導入槽、および前記導入槽と前記回収槽とが、前記試料分析用のキャピラリー流路で連通されていてもよい。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記基板が、上基板と下基板とを含み、
前記上基板には、2つの貫通孔が形成されており、
前記下基板上には、溝が形成されており、
前記下基板上に前記上基板が積層され、
前記上基板に形成された2つの貫通孔の底部が、前記下基板で封止されることで形成される空間が前記導入槽および前記回収槽となり、
前記下基板上に形成された溝の上部が、前記上基板で封止されることで形成される空間が前記試料分析用のキャピラリー流路となっていてもよい。
本発明の電気泳動チップにおいて、さらに、シール材を含み、
前記基板には、2つの貫通孔が形成されており、
前記基板の底面には、溝が形成され、
前記基板の底面が、前記シール材でシールされ、
前記基板に形成された2つの貫通孔の底部が、前記シール材で封止されることで形成される空間が前記導入槽および前記回収槽となり、
前記基板の底面に形成された溝の下部が、前記シール材で封止されることで形成される空間が前記試料分析用のキャピラリー流路となっていてもよい。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記基板とは別の部材であるキャピラリー管で前記導入槽および前記回収槽が連通され、前記キャピラリー管が前記試料分析用のキャピラリー流路となってもよい。前記キャピラリー管の材質は、特に制限されない。前記キャピラリー管の材質としては、例えば、ガラス、溶融シリカ、プラスチック等が挙げられる。前記ガラス製および前記溶融シリカ製のキャピラリー管は、市販品を用いてもよい。前記プラスチック製のキャピラリー管も、市販品を使用してもよく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等から形成されたキャピラリー管が挙げられる。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記導入槽および前記回収槽の容積は、特に制限されないが、例えば、それぞれ、1〜1000mmの範囲であり、好ましくは、50〜100mmの範囲である。
本発明の電気泳動チップにおいて、前記導入槽および前記回収槽は、それぞれ、キャピラリー電気泳動法用の電極を有してもよい。
本発明のキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法では、前記導入工程において、前記導入槽に、前記試料を電気泳動液で希釈した希釈試料を導入し、前記試料:前記電気泳動液(体積比)が、1:4〜1:99の範囲であることが好ましい。前記試料:前記電気泳動液(体積比)は、より好ましくは、1:9〜1:49の範囲であり、さらに好ましくは、1:19〜1:29の範囲である。
本発明のキャピラリー電気泳動法による試料の分析方法では、前記分析工程において、前記試料の分析を、例えば、前記試料の吸光度の演算処理により行ってもよい。この場合において、前記吸光度の演算処理が、微分処理および差分処理の少なくとも一方の処理であり、前記処理によりフェログラムを作成し、前記フェログラムのピークの高さおよびピークの面積の少なくとも一方を求めることで、前記試料中の成分比率を求めることが好ましい。
つぎに、本発明の電気泳動チップについて例を挙げて説明する。ただし、本発明は、下記の例に制限されるものではない。
(実施態様1)
図1に、本発明の電気泳動チップの一例を示す。図1(A)は、この例の電気泳動チップの平面図であり、図1(B)は、図1(A)のI−Iに見た断面図である。また、同図において、分かりやすくするために、各構成要素の大きさや比率等は、実際と異なっている。図示のように、この電気泳動チップは、下基板1上に上基板4が積層されて、構成されている。前記上基板4には、2つの貫通孔が形成されている。前記上基板4に形成された2つの貫通孔の底部が、前記下基板1で封止されることで、導入槽2aおよび回収槽2bが形成されている。前記下基板1上には、I字状の溝が形成されている。前記下基板1上に形成されたI字状の溝の上部が、前記上基板4で封止されることで、試料分析用のキャピラリー流路3xが形成されている。前記導入槽2aと前記回収槽2bとは、前記試料分析用のキャピラリー流路3xで連通されている。なお、この例の電気泳動チップは、直方体状である。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明のキャピラリー電気泳動チップは、後述の試料の分析に支障をきたさなければ、いかなる形状であってもよい。また、この例の電気泳動チップの平面形状は、長方形である。ただし、本発明は、これに限定されない。本発明の電気泳動チップの平面形状は、例えば、正方形やその他の形状であってもよい。そして、この例の電気泳動チップは、2枚の基板(上基板4および下基板1)を含む。ただし、本発明の電気泳動チップは、これに限定されない。本発明の電気泳動チップは、例えば、後述のように、1枚の基板で構成されてもよい。
つぎに、この例の電気泳動チップの製造方法について説明する。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造方法以外の方法で製造されてもよい。
この例の電気泳動チップにおいては、前記下基板1として、例えば、ガラス、ポリマー材料等から形成されたものが使用できる。前記ガラス材料としては、例えば、合成石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。前記ポリマー材料としては、例えば、PMMA、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ポリ乳酸等が挙げられる。
この例の電気泳動チップにおいては、前記下基板1の長さおよび幅が、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅となる。したがって、前記下基板1の長さおよび幅は、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅と同様にすればよい。この例の電気泳動チップにおける前記下基板1の厚みは、例えば、0.1〜3mmの範囲であり、好ましくは、0.1〜1mmの範囲である。
前記上基板4の材質は、後述の吸光度測定に支障のないものであれば、特に制限されない。前記上基板4としては、例えば、前記下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
前記上基板4の長さおよび幅は、前記下基板1の長さおよび幅と同様である。前記上基板4の厚みは、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの容積等に応じて適宜に決定されるが、例えば、0.1〜3mmの範囲であり、好ましくは、1〜2mmの範囲である。
前記試料分析用のキャピラリー流路3xの幅および深さは、例えば、その幅が、25〜200μmの範囲、その深さが、25〜200μmの範囲であり、好ましくは、その幅が、40〜100μmの範囲、その深さが、40〜100μmの範囲である。
前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの容積は、前述のとおりである。図1においては、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの形状は、円柱状である。ただし、本発明の電気泳動チップは、これに限定されない。本発明の電気泳動チップにおいて、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの形状は、後述の試料の導入および回収に支障がないものであれば特に制限されず、例えば、四角柱状、四角錐状、円錐状、これらを組み合わせた形状等、任意の形状とすることができる。また、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの容積および形状は、全て同じであってもよいし、それぞれ異なってもよい。
この例の電気泳動チップにおいて、前記チップ全体の最大厚みは、前記下基板1および前記上基板4の厚みの合計となる。前記チップ全体の最大厚みは、前述のとおりである。
例えば、前記下基板1の材質が前記ガラスである場合には、前記電気泳動チップは、例えば、つぎのようにして製造することができる。
まず、図2(A)に示すように、ガラス板20表面を、クロムと金との合金21によりマスクする。その後、前記合金21の表面を、フォトレジスト22によりコーティングする。
つぎに、図2(B)に示すように、前記フォトレジスト22表面に、前記試料分析用のキャピラリー流路3xのレイアウトパターンをデザインした感光フィルムを密着させ、フォトマスク23を作製する。ついで、前記フォトマスク23の上から紫外線24を照射することで露光する。
前記露光により、図2(C)に示すように、露光部分の前記フォトレジスト22を可溶化させて、前記レイアウトパターンを、前記合金21上に形成(転写)する。
つぎに、図2(D)に示すように、露出した前記合金21を王水で除去する。
つぎに、図2(E)に示すように、前記ガラス板20上にフッ化水素で前記レイアウトパターンをエッチングする。
つぎに、図2(F)に示すように、前記フォトレジスト22および前記合金21を除去することで、前記下基板1を得る。
つぎに、前記上基板4を作製する(図示せず)。前記上基板4への前記2つの貫通孔の形成方法は、特に制限されない。例えば、前記上基板4の材質が前記ガラスの場合、前記形成方法としては、例えば、超音波加工等が挙げられる。例えば、前記上基板4の材質が前記ポリマー材料の場合、前記形成方法としては、例えば、金型を用いた射出成型、注入成型、プレス成型等の成型法や切削加工法等が挙げられる。前記2つの貫通孔は、それぞれ別個に形成してもよいし、同時に形成してもよい。前記2つの貫通孔を別個に形成する場合には、どちらを先に形成してもよい。前記金型を用いた方法等により、前記2つの貫通孔を同時に形成することが、工程が少なくてすみ、好ましい。
最後に、前記下基板1と前記上基板4とを積層することで、この例の電気泳動チップを製造することができる。なお、前記下基板1と前記上基板4との積層方法は、特に制限されないが、例えば、加熱による溶着が好ましい。なお、図2は、図1(B)に示した断面における製造工程を示している。
例えば、前記下基板1の材質が前記ポリマー材料である場合には、前記電気泳動チップは、例えば、つぎのようにして製造することができる。
まず、図3(A)に示すように、シリコン板31表面を、フォトレジスト32によりコーティングする。
つぎに、図3(B)に示すように、前記フォトレジスト32表面に、前記試料分析用のキャピラリー流路3xのレイアウトパターンをデザインした感光フィルムを密着させ、フォトマスク33を作成する。ついで、前記フォトマスク33の上から紫外線34を照射することで露光する。
前記露光により、図3(C)に示すように、露光部分の前記フォトレジスト32を可溶化させて、前記レイアウトパターンを、前記シリコン板31上に形成(転写)する。
つぎに、図3(D)に示すように、前記シリコン板31上に前記レイアウトパターンをエッチングし、元型35を作製する。前記エッチングとしては、例えば、ドライエッチング、異方性エッチング等が挙げられる。前記エッチングは、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの寸法精度や表面平滑性の観点から、ドライエッチングであることが好ましい。
つぎに、図3(E)に示すように、前記元型35に対し金属ニッケル電鋳を行い、射出成型用金型36を作製する。
つぎに、図3(F)に示すように、前記射出成型用金型36を用いて、前記ポリマー材料からなる下基板1を射出成型により作製する。
つぎに、前記上基板4を作製する(図示せず)。前記上基板4の作製方法は、前記下基板1の材質が前記ガラスの場合と同様である。
最後に、前記下基板1と前記上基板4とを積層することで、この例の電気泳動チップを製造することができる。前記下基板1と前記上基板4との積層方法は、前記下基板1の材質が前記ガラスの場合と同様である。なお、図3は、図1(B)に示した断面における製造工程を示している。
前述のとおり、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bは、それぞれ、キャピラリー電気泳動法用の電極を有してもよい。図4に、前記キャピラリー電気泳動法用の電極を有するこの例の電気泳動チップを示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動チップにおいては、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bが、それぞれ、キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bを有する。前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、前記上基板4に埋め込まれている。前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、例えば、前記上基板4の製造時に、前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bの導入孔を前記上基板4側面に形成しておくことで、容易に配置することができる。なお、本発明の電気泳動チップにおいて、前記キャピラリー電気泳動法用の電極は、任意の構成部材である。前記キャピラリー電気泳動法用の電極は、例えば、前記電気泳動チップの使用時に、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bに挿入してもよい。
前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、電気泳動法に使用可能なものであればどのようなものでもよい。前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、例えば、それぞれ、ステンレス鋼(SUS)製電極、白金(Pt)電極、金(Au)電極等である。
図5に、この例の電気泳動チップを含む電気泳動装置の一例を示す。同図において、図1および図4と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動装置は、分析部7を含む。前記分析部7は、前記試料分析用のキャピラリー流路3x上部における前記導入槽2aと前記回収槽2bとの間に位置するように、前記上基板4上に配置されている。前記分析部7は、光源および検出部を内蔵する。前記分析部7は、前記光源から試料に向けて光を発し、試料からの反射光を前記検出部で検出することで、吸光度を測定する。前記分析部7は、後述の試料の分析を行えるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、前記分析部7は、前記電気泳動チップの下方に配置された光源と、前記分析部7の配置箇所に対応する位置に配置された検出部とで構成されていてもよい。この場合には、前記光源から試料に向けて光を発し、試料からの透過光を前記検出部で検出することで、吸光度を測定する。
本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)においては、キャピラリー電気泳動法とは別の方法で、前記試料中のグルコースの分析を行ってもよい。前記グルコースの分析方法は、制限されず、従来公知の方法が採用できる。具定例として、例えば、前記グルコースを基質として酸化還元反応を行い、前記酸化還元反応の分析により、前記グルコースを分析する方法がある。この方法の場合、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)が、さらに、後述するようなグルコース分析用試薬を含むことが好ましい。本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)が、さらに、前記グルコース分析用試薬を含む場合、前記グルコース分析用試薬は、例えば、前記導入槽、前記回収槽および後述の前処理槽の少なくとも一つの槽に含まれてもよい。また、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)は、さらに、試薬槽を含み、前記試薬槽に前記グルコース分析用試薬が含まれてもよい。この場合、前記試薬槽は、例えば、前記導入槽、前記回収槽および後述の前処理槽の少なくとも一つの槽と連通されていることが好ましい。
つぎに、前記グルコース分析用試薬の具体例について、前記試薬に対応する前記グルコースの分析方法とあわせて説明する。ただし、本発明は、これに限定されない。
まず、前記グルコース分析用試薬としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼおよび発色基質を含む試薬があげられる。前記発色基質としては、例えば、酸化により発色する基質が好ましく、例えば、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミンナトリウム(商品名DA−64、和光純薬工業社製)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジンまたはその塩(例えば、商品名DA−67、和光純薬社製)、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(3−スルホプロピル)−4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタンヘキサナトリウム塩(例えば、商品名TPM−PS、同仁化学社製)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミンナトリウム、オルトフェニレンジアミン(OPD)、トリンダー試薬と4−アミノアンチピリンとを組み合わせた基質等があげられる。前記トリンダー試薬としては、例えば、フェノール、フェノール誘導体、アニリン誘導体、ナフトール、ナフトール誘導体、ナフチルアミン、ナフチルアミン誘導体等があげられる。また、4−アミノアンチピリンの他に、アミノアンチピリン誘導体、バニリンジアミンスルホン酸、メチルベンズチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)、スルホン化メチルベンズチアゾリノンヒドラゾン(SMBTH)等が使用できる。このようなグルコース分析用試薬を用いた場合、例えば、つぎのようにして前記グルコースを分析できる。すなわち、まず、前記グルコース(基質)にグルコースオキシダーゼを作用させて、グルコラクトンおよび過酸化水素を発生させる。そして、発生した前記過酸化水素と前記発色基質とを基質とする、ペルオキシダーゼの触媒反応(酸化還元反応)によって、前記発色基質が酸化され、発色を呈する。この発色程度は、前記過酸化水素の量に対応し、前記過酸化水素の量は、前記グルコースの量に対応することから、前記発色を測定することによって、間接的に前記グルコースを定量できる。
また、前記グルコース分析用試薬としては、例えば、酸化還元酵素およびエレクトロクロミック物質を含む試薬もあげられる。前記エレクトロクロミック物質としては、例えば、電子の授受によって色調が変化するものであれば特に制限されない。具体例としては、例えば、ビオロゲン、ビオロゲン誘導体等があげられる。前記ビオロゲン誘導体としては、例えば、ジフェニルビオロゲン、ジニトロフェニルビオロゲン等があげられる。これらの中でも、好ましくは、ジニトロフェニルビオロゲンである。なお、これらのエレクトロクロミック物質は、市販品を用いてもよいし、従来公知の方法に従って調製することもできる。前記酸化還元酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ等があげられる。このようなグルコース分析用試薬を用いた場合、例えば、つぎのようにして前記グルコースを分析できる。すなわち、前記エレクトロクロミック物質の存在下で、前記グルコースに前記酸化還元酵素を作用させる。この酵素反応(酸化還元反応)により、前記グルコースから電子が遊離する。そして、遊離した前記電子が前記エレクトロクロミック物質に伝達されることにより、前記エレクトロクロミック物質の色調が変化する。この色調変化は、前記グルコースの量に対応することから、前記エレクトロクロミック物質の色調変化を測定することによって、間接的に前記グルコースを定量できる。
さらに、前記グルコース分析用試薬としては、例えば、酸化還元酵素およびメディエータ機能を有するテトラゾリウム塩を含む試薬もあげられる。前記酸化還元酵素としては、例えば、前記エレクトロクロミック物質を含む前記試薬に使用した酵素と同様のものがあげられる。前記テトラゾリウム塩としては、例えば、ニトロフェニル基、チアゾリル基およびベンゾチアゾリル基の少なくとも一つの基を有するものが好ましい。前記テトラゾリウム塩としては、例えば、3−(4,5−Dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide(MTT)、2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−phenyl−2H−tetrazolium chloride(INT)、3,3’−[3,3’−Dimethoxy−(1,1’−biphenyl)−4,4’−diyl]−bis[2−(4−nitrophenyl)−5−phenyl−2H−tetrazolium chloride](Nitro−TB)、2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2H−tetrazolium,monosodium salt(WST−1)、2−(4−Iodophenyl)−3−(2,4−dinitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2H−tetrazolium,monosodium salt(WST−3)、2−benzothiazolyl−3−(4−carboxy−2−methoxyphenyl)−5−[4−(2−sulfoethylcarbamoyl)phenyl]−2H−tetrazolium(WST−4)、2,2’−dibenzothiazolyl−5,5’−bis[4−di(2−sulfophenyl)carbamoylphenyl]−3,3’−(3,3’−dimethoxy−4,4’−biphenylene)ditetrazolium disodium salt(WST−5)、2−(2−Methoxy−4−nitrophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2H−tetrazolium,monosodium salt(WST−8)、2,3−Bis(4−nitrophenyl)−5−phenyltetrazolium Chloride、2−(2−Benzothiazolyl)−3,5−dophenyltetrazolium Bromide、2−(2−Benzothiazolyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−phenyltetrazolium Bromide、2,3−Di(4−nitrophenyl)tetrazolium Perchlorate、3−(3−Nitrophenyl)−5−methyl−2−phenyltetrazolium Chloride、3−(4−Nitrophenyl)−5−methyl−2−phenyltetrazolium Chloride等がある。このようなグルコース分析用試薬を用いた場合、例えば、つぎのようにして前記グルコースを分析できる。すなわち、前記テトラゾリウム塩の存在下で、前記グルコースに酸化還元酵素を作用させる。この酵素反応(酸化還元反応)により、前記グルコースから電子が遊離する。そして、遊離した前記電子が前記テトラゾリウム化合物に伝達されることにより、前記テトラゾリウム化合物が発色する。この発色程度は、前記グルコースの量に対応することから、前記発色の程度を測定することによって、間接的に前記グルコースを定量できる。
前記グルコースと前記グルコース分析用試薬との反応を測定する手段も、特に限定されず、適宜な光学的測定機器を用いることができる。前記光学的測定機器は、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)の一部であってもよいし、外部の機器であってもよい。前記光学的測定機器は、特に限定されないが、例えば、分光光度計、フォトセンサー、UVスペクトロメータ、LEDを組み込んだ光学的測定機器等を用いることができる。また、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)において、前述のようなグルコース分析用試薬は、例えば、複数の成分(例えば、酵素や基質)が混合された状態で配置されてもよいし、各成分が別個独立に配置されてもよい。
また、本発明において、前記グルコースの分析方法は、前述のような、前記酸化還元反応に伴って生じる発色の検出の他に、例えば、電極法であってもよい。前記電極法の場合、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)は、例えば、さらに、電極法用の電極(陰極および陽極)およびグルコース分析用試薬を含み、前記電極法用の電極および前記グルコース分析用試薬は、前記導入槽、前記回収槽および後述の前処理槽の少なくとも一つの槽の内部に位置するように配置されていることが好ましい。このような電気泳動装置(電気泳動チップ)においては、例えば、前記電極法用の電極および前記グルコース分析用試薬を用いて、電極法により前記グルコースを分析することができる。前記電極法用の電極および前記グルコース分析用試薬は、例えば、前記導入槽および後述の前処理槽の少なくとも一方の内部に位置するように配置されていることが、より好ましい。なお、本発明の電気泳動チップにおいて、前記電極法用の電極は、任意の構成部材である。前記電極法用の電極は、例えば、前記電気泳動チップの使用時に、前記導入槽、前記回収槽および後述の前処理槽の少なくとも一つの槽の内部に挿入してもよい。また、前記電極法用の電極は、例えば、本発明の電気泳動装置の構成部材であってもよい。このような電極法に使用できる前記グルコース分析用試薬の具体例を、以下に示す。ただし、本発明は、これに限定されない。
前記電極法に使用できる前記グルコース分析用試薬としては、例えば、酸化還元酵素および電子受容体を含む試薬があげられる。前記酸化還元酵素としては、例えば、前記エレクトロクロミック物質を含む前記試薬に使用した酵素と同様のものがあげられる。前記電子受容体としては、例えば、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、インドフェノールおよびその誘導体、β−ナフトキノン−4−スルホン酸カリウム、メチレンブルー、フェロセンおよびその誘導体、オスニウム錯体、ルテニウム錯体、NAD、NADP、ピロロキノン(PQQ)等が使用できる。このようなグルコース分析用試薬を用いた場合、例えば、つぎのようにして前記グルコースを分析できる。すなわち、前記酸化還元酵素の触媒反応により、前記グルコースが酸化され、同時に、前記電子受容体が還元される。そして、前記還元された電子受容体を電気化学的手法により再酸化する。この再酸化により得られる酸化電流値が、前記グルコース量に対応することから、前記電流を測定することによって、間接的に前記グルコースを定量できる。前記電極法用の電極としては、特に限定されないが、例えば、金電極、カーボン電極、銀電極等があげられる。前記電極法用の電極の形態も、特に限定されないが、例えば、膜状の電極表面にGOD酵素膜を固定化した電極(グルコース電極膜)であってもよい。
つぎに、図5に示した電気泳動装置を使用した場合を例に、本発明における試料の分析方法について説明する。
まず、前記試料分析用のキャピラリー流路3xに、電気泳動液を、圧力または毛細管作用によって充填する。前記電気泳動液は、前述のとおりである。
なお、電気泳動装置非使用時(非分析時)において、前記キャピラリー流路にあらかじめ電気泳動液が充填されていれば、前述の電気泳動液充填工程を省略し、ただちに以下の工程に移ることが可能であるため好ましい。
つぎに、前記導入槽2aに分析対象となる試料を導入する。このとき、前記試料:電気泳動液(体積比)が、1:4〜1:99の範囲となるように希釈された希釈試料が導入されることが好ましい。ただし、前記体積比は、これに限定されない。ついで、前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび前記キャピラリー電気泳動法用の電極6bに電圧を印加して、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に電位差を生じさせる。これにより、前記導入槽2aから前記回収槽2bまで前記試料を徐々に移動させる。前記試料としては、例えば、全血、全血を溶血処理した溶血試料、遠心分離血液、自然沈降血液等が挙げられる。前記溶血処理としては、例えば、超音波処理、凍結解凍処理、加圧処理、浸透圧処理、界面活性剤処理等が挙げられる。前記溶血処理は、例えば、前記電気泳動装置(電気泳動チップ)が後述する前処理槽を有する場合には、前記前処理槽で行ってもよい。また、別の装置等によりあらかじめ溶血処理を行った試料を、前記電気泳動装置(電気泳動チップ)に導入してもよい。前記試料は、例えば、水、生理食塩水、緩衝液等により、適宜希釈されたものであってもよい。前記希釈は、例えば、前記電気泳動装置(電気泳動チップ)が後述する前処理槽を有する場合は、前記前処理槽で行ってもよい。また、別の装置等によりあらかじめ希釈処理を行った希釈試料を、前記電気泳動装置(電気泳動チップ)に導入してもよい。
前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aと前記キャピラリー電気泳動法用の電極6bとの間の電位差は、例えば、0.5〜5kVの範囲である。
つぎに、前記分析部7により、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に対する電圧印加開始時からの経過時間と吸光度との関係を測定する。ここで、前記試料中の移動速度の速い成分に対応した吸光度ピークは、前記電圧印加開始時からの経過時間が短い時点に現れる。一方、前記試料中の移動速度が遅い成分に対応した吸光度ピークは、電圧印加開始時からの経過時間が長い時点に現れる。これにより、前記試料中の各成分の分析(分離測定)が可能である。さらに、測定された前記吸光度を演算処理(例えば、微分処理、差分処理等)することによりフェログラムを作成し、前記フェログラムのピークの高さまたはピークの面積を計算して前記試料中の成分比率を求めたり、前記試料の分離状態を確認することもできる。本発明によれば、前記試料中の成分(例えば、前記試料中の糖化ヘモグロビンと他の成分)を、高精度で分析(分離測定)可能である。
この例の電気泳動装置(電気泳動チップ)が、例えば、前述の電極法により前記グルコースを分析する場合、前記グルコースの分析は、例えば、つぎのような測定機器(図示せず)を用いて行われる。前記測定機器は、電源および電流計を含む。まず、前記電極法用の電極(陰極および陽極)を、前記電源に接続し、前記電極法用の電極と前記電源との間に前記電流計を配置する。つぎに、前記電極法用の電極に電圧を印加する。その後、前記試料が、前記電極法用の電極および前記グルコース分析用試薬が配置された槽に到達した際の前記酸化電流値を測定する。最後に、前記酸化電流値をもとに、前記グルコースの定量を行う。前記測定機器は、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)の一部であってもよいし、外部の機器であってもよい。
この例の電気泳動装置(電気泳動チップ)が、例えば、前述の酸化還元反応に伴って発色する試薬を用いた方法により前記グルコースを分析する場合、前記グルコースの分析は、例えば、前記光学的測定機器を用いた手段により行われる。具体的には、前記試料が、前記試薬が配置された槽に到達した際の前記試薬の発色(色調変化)を測定し、前記発色(色調変化)の程度から、前記グルコースの定量を行う。
なお、本発明の電気泳動装置(電気泳動チップ)において、例えば、まず、前記グルコースを分析(検出)し、検出された前記グルコースの量等に応じ、前記糖化ヘモグロビンの分析を実施するか中止するかの判断を行ってもよい。このようにすれば、糖尿病合併症の診断等をさらに効率的に行うことができる。前記糖化ヘモグロビンの分析を実施するか中止するかの判断は、例えば、糖尿病診断(病型分類)のフローチャートに従って行ってもよい。そのような判断は、例えば、外部に接続した電子計算機により自動的に行ってもよい。また、この場合、前記グルコースの分析結果と同時に、それにより判定された糖尿病病型分類を同時に出力してもよい。
また、この例の電気泳動装置(電気泳動チップ)を用いて、キャピラリー電気泳動法により、前記糖化ヘモグロビンと前記グルコースとを同時に分析することも可能である。この場合においては、前記グルコースが、イオン性官能基を導入したグルコース誘導体であることが、分析精度等の観点から好ましい。
(実施態様2)
図6に、本発明の電気泳動チップのその他の例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。この例の電気泳動チップでは、基板1上に、2つの凹部およびI字状の溝が形成されている。前記基板(下基板)1の表面は、前記2つの凹部に対応した位置に穴のあいたシール材(上基板)4でシールされている。前記基板(下基板)1上に形成された2つの凹部は、導入槽2aおよび回収槽2bとなっている。前記基板(下基板)1上に形成されたI字状に溝の上部が、前記シール材(上基板)4で封止されることで、試料分析用のキャピラリー流路3xが形成されている。これらを除き、この例の電気泳動チップは、図1に示した電気泳動チップと同様の構成である。
この例の電気泳動チップは、例えば、つぎのようにして製造することができる。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造方法以外の方法で製造されてもよい。
前記基板(下基板)1としては、例えば、図1に示した電気泳動チップの下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
この例の電気泳動チップにおいては、前記基板(下基板)1の長さおよび幅が、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅となる。したがって、前記基板(下基板)1の長さおよび幅は、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅と同様とすればよい。この例の電気泳動チップにおける前記基板(下基板)1の厚みは、例えば、0.1〜3mmの範囲であり、好ましくは、1〜2mmの範囲である。
前記シール材(上基板)4の材質も、特に制限されず、例えば、図1に示した電気泳動チップの下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
前記シール材(上基板)4の長さおよび幅は、前記下基板1の長さおよび幅と同様である。前記シール材(上基板)4の厚みは、例えば、50〜1000μmの範囲であり、好ましくは、100〜300μmの範囲である。
前記シール材(上基板)4としては、例えば、前記2つの凹部(前記導入槽2aおよび前記回収槽2b)に対応する位置に穴をあけた市販のシール材を用いてもよい。
この例の電気泳動チップにおいて、前記チップ全体の最大厚みは、前記基板(下基板)1および前記シール材(上基板)4の厚みの合計となる。前記チップ全体の最大厚みは、前述のとおりである。
この例の電気泳動チップの製造工程の一例を、下記に示す。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造工程以外の工程で製造されてもよい。
まず、前記基板(下基板)1を作製する。前記基板(下基板)1への前記試料分析用のキャピラリー流路3xの形成方法は、特に制限されず、例えば、前記実施態様1と同様にして形成すればよい。前記基板(下基板)1への前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの形成方法も、特に制限されない。例えば、前記基板(下基板)1の材質が前記ガラスの場合、前記形成方法としては、例えば、超音波加工等が挙げられる。例えば、前記基板(下基板)1の材質が前記ポリマー材料の場合、前記形成方法としては、例えば、金型を用いた射出成型、注入成型、プレス成型等の成型法や切削加工法等が挙げられる。前記導入槽2aおよび前記回収槽2bは、それぞれ別個に形成してもよいし、同時に形成してもよい。前記導入槽2aおよび前記回収槽2bを別個に形成する場合には、どちらを先に形成してもよい。前記金型を用いた方法等により、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bを同時に形成することが、工程が少なくてすみ、好ましい。
つぎに、前記2つの凹部(前記導入槽2aおよび前記回収槽2b)に対応する位置に穴をあけたシール材(上基板)4で前記基板(下基板)1の表面をシールすることで、この例の電気泳動チップを作製できる。
この例の電気泳動チップの構成は、図6の構成に限定されない。例えば、図4等と同様に、複数の電極を有していてもよいし、後述の前処理槽等を適宜有していてもよい。この例の電気泳動チップを用いた電気泳動装置の構成も、特に限定されず、例えば、図5の電気泳動装置と同様の検出器を有していてもよい。さらに、前記電気泳動装置を使用した前記試料の分析方法も、特に限定されず、例えば、図5に示した電気泳動装置を使用した場合と同様の方法で実施できる。
(実施態様3)
図7に、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。この例の電気泳動チップでは、基板(上基板)4に、2つの貫通孔が形成されている。前記基板(上基板)4の底面には、I字状の溝が形成されている。前記基板(上基板)4の底面は、シール材(下基板)1でシールされている。前記基板(上基板)4に形成された2つの貫通孔の底部が、前記シール材(下基板)1で封止されることで、導入槽2aおよび回収槽2bが形成されている。前記基板(上基板)に形成されたI字状の溝の下部が、前記シール材で封止されることで、試料分析用のキャピラリー流路3xが形成されている。これらを除き、この例の電気泳動チップは、図1に示した電気泳動チップと同様の構成である。
この例の電気泳動チップは、例えば、つぎのようにして製造することができる。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造方法以外の方法で製造されてもよい。
前記基板(上基板)4としては、例えば、図1に示した電気泳動チップの下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
この例の電気泳動チップにおいては、前記基板(上基板)4の長さおよび幅が、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅となる。したがって、前記基板(上基板)4の長さおよび幅は、前記チップ全体の最大長さおよび最大幅と同様とすればよい。この例の電気泳動チップにおける前記基板(上基板)4の厚みは、例えば、0.1〜3mmの範囲であり、好ましくは、1〜2mmの範囲である。
前記シール材(下基板)1の材質も、特に制限されず、例えば、図1に示した電気泳動チップの下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
前記シール材(下基板)1の長さおよび幅は、前記基板(上基板)4の長さおよび幅と同様である。前記シール材(上基板)4の厚みは、例えば、50〜1000μmの範囲であり、好ましくは、100〜300μmの範囲である。
前記シール材(下基板)1としては、例えば、市販のシール材を用いてもよい。
この例の電気泳動チップにおいて、前記チップ全体の最大厚みは、前記基板(上基板)4および前記シール材(下基板)1の厚みの合計となる。前記チップ全体の最大厚みは、前述のとおりである。
この例の電気泳動チップの製造工程の一例を、下記に示す。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造工程以外の工程で製造されてもよい。
まず、前記基板(上基板)4を作製する。前記基板(上基板)4への前記試料分析用のキャピラリー流路3xの形成方法は、特に制限されず、例えば、前記実施態様1と同様にして形成すればよい。前記基板(上基板)4への前記2つの貫通孔の形成方法も、特に制限されず、例えば、前記実施態様1と同様にして形成すればよい。
つぎに、シール材(下基板)1で前記基板(上基板)4の底面をシールすることで、この例の電気泳動チップを作製できる。
この例の電気泳動チップの構成は、図7の構成に限定されない。例えば、図4等と同様に、複数の電極を有していてもよいし、後述の前処理槽等を適宜有していてもよい。この例の電気泳動チップを用いた電気泳動装置の構成も、特に限定されず、例えば、図5の電気泳動装置と同様の検出器を有していてもよい。さらに、前記電気泳動装置を使用した前記試料の分析方法も、特に限定されず、例えば、図5に示した電気泳動装置を使用した場合と同様の方法で実施できる。
(実施態様4)
図8に、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。この例の電気泳動チップでは、基板が1枚のみであり、前記基板とは別の部材であるキャピラリー管で前記導入槽および前記回収槽が連通されている。前記キャピラリー管は、前記試料分析用のキャピラリー流路3xとなっている。前記導入槽2aおよび前記回収槽2bは、それぞれ、前記基板1上に凹部として形成されている。前記基板1は、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bより内側に直方体状の開口部(窓)9を有する。前記キャピラリー管は、その両端部が、それぞれ、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込まれている。前記基板1には、前記キャピラリー管の両端部をはめ込むための空洞が設けられている(図示せず)。これらを除き、この例の電気泳動チップは、図1に示した電気泳動チップと同様の構成である。
この例の電気泳動チップは、例えば、つぎのようにして製造することができる。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造方法以外の方法で製造されてもよい。
前記基板1としては、例えば、図1に示した電気泳動チップの下基板1と同様の材質から形成されたものが使用できる。
この例の電気泳動チップにおいては、前記基板1の長さ、幅および厚みが、前記チップ全体の最大長さ、最大幅および最大厚みとなる。したがって、前記基板1の長さ、幅および厚みは、前記チップ全体の最大長さ、最大幅および最大厚みと同様とすればよい。
前記キャピラリー管の内径は、前記キャピラリー流路の径のとおりである。前記キャピラリー管の長さは、前記キャピラリー流路の長さのとおりである。
この例の電気泳動チップの製造工程の一例を、下記に示す。ただし、前記電気泳動チップは、下記の製造工程以外の工程で製造されてもよい。
まず、前記基板1を作製する。前記基板1への前記導入槽2a、前記回収槽2bおよび前記開口部(窓)9の形成方法は、特に制限されず、例えば、図6に示した電気泳動チップの導入槽2aおよび回収槽2bと同様の方法で形成できる。前記導入槽2a、前記回収槽2bおよび前記開口部(窓)9は、それぞれ別個に形成してもよいし、全てを同時に形成してもよい。前記導入槽2a、前記回収槽2bおよび前記開口部(窓)9を別個に形成する場合には、どの順序で形成してもよい。前記金型を用いた方法等により、前記導入槽2a、前記回収槽2bおよび前記開口部(窓)9の全てを同時に形成することが、工程が少なくてすみ、好ましい。
つぎに、前記キャピラリー管を、その両端部が、それぞれ、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの底面に位置するように、前記基板1中にはめ込む。このようにして、この例の電気泳動装置を得ることができる。
図9に、キャピラリー電気泳動法用の電極を有するこの例の電気泳動チップを示す。同図において、図4と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動チップでは、前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、前記基板1に埋め込まれている。これを除き、この例の電気泳動チップは、図4に示した電気泳動チップと同様の構成である。前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bは、例えば、前記基板1の製造時に、前記キャピラリー電気泳動法用の電極6aおよび6bの導入孔を前記基板1の側面に形成しておくことで、容易に配置することができる。
図10に、この例の電気泳動チップを含む電気泳動装置の一例を示す。同図において、図5と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動装置では、分析部7が、前記キャピラリー管上に直接配置されている。これを除き、この例の電気泳動装置は、図5に示した電気泳動装置と同様の構成である。この例の電気泳動装置を使用した前記試料の分析も、図5に示した電気泳動装置を使用した場合と同様の方法で実施できる。
(実施態様5)
図11に、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動チップは、導入槽2aの近くに、前記試料の前処理を行う前処理槽100を有する。前記前処理槽100は、前記試料分析用のキャピラリー流路3xとは別の流路3wにより、前記導入槽2aと連通されている。これら以外は、この例の電気泳動チップの構成は、図1の電気泳動チップと同様である。さらに、この例の電気泳動チップの構成は、これに限定されない。例えば、前記電気泳動チップは、図8の電気泳動チップと同様に1枚の基板のみから構成されていてもよい。また、前記前処理槽100を有し、且つ、前記電極法により前記グルコースを分析する場合は、例えば、前記導入槽2aおよび前記回収槽2bの少なくとも一方の槽(例えば、前記導入槽2a)に加え、またはそれに代えて、前記前処理槽100が、前記電極法用の電極(陰極および陽極)および前記グルコース分析用試薬を含んでいてもよい。
この例の電気泳動チップの製造方法も、特に限定されず、例えば、前記実施態様1〜4において説明した製造方法と同様でもよい。この例の電気泳動チップを用いた電気泳動装置の構成も、特に限定されず、例えば、図5または10の電気泳動装置と同様の検出器を有していてもよい。
この例の電気泳動装置を用いた分析方法も特に制限されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、前記試料を、前記前処理槽100に導入する。これにより前処理された前記試料は、前記前処理槽100と前記導入槽2aとを結ぶ流路3wにより、前記導入槽2aへと導入される。なお、前記前処理槽100においては、前記試料が溶血され、且つ希釈される。前記試料の溶血処理は、特に制限されないが、例えば、前記試料を溶血剤で溶血させる処理であってもよい。前記溶血剤は、例えば、後述の試料中の血球成分の血球膜を破壊する。前記溶血剤としては、例えば、前記電気泳動液、サポニン、ナカライテスク(株)製の商品名「Triton X−100」等が挙げられ、特に好ましくは、前記電気泳動液である。前記前処理槽100および前記導入槽2a間において、前記試料を移動させる方法も、特に制限されないが、例えば、各流路内の内圧差、電位差等を利用して前記試料が移動するようにしてもよい。前記内圧差および前記電位差等を生じさせる方法も、特に制限されないが、例えば、各流路の両端にポンプまたは電圧印加手段を接続する方法でもよいし、マイクロバルブを用いる方法等でもよい。
つぎに、図5および図10の電気泳動装置を用いた分析方法と同様に、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に電位差を生じさせ、前記試料を前記導入槽2aから前記回収槽2bまで移動させ、この間に前記分析部7で前記試料を分析する。
(実施態様6)
図12に、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例を示す。同図において、図11と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動チップは、前記前処理槽100の近くに、グルコース分析用試薬を含む試薬槽200を有する。前記グルコース分析用試薬は、前述の酸化還元反応に伴って発色する試薬を含むグルコース分析用試薬と同様である。前記試薬槽200は、前記試料分析用のキャピラリー流路3xとは別の流路3vにより前記前処理槽100と連通されている。前記試薬槽200は、前記導入槽2aとは直接連通されていない。これ以外は、図12の電気泳動チップの構成は、図11の電気泳動チップと同様である。
この例の電気泳動チップの製造方法も、特に限定されず、例えば、前記実施態様1〜4において説明した製造方法と同様でもよい。この例の電気泳動チップを用いた電気泳動装置の構成も、特に限定されず、例えば、図5または10の電気泳動装置と同様の検出器を有していてもよい。
この例の電気泳動装置を用いた分析方法も、特に制限されないが、例えば、前記試料が、途中、前記前処理槽100から前記試薬槽200に移動し、前記試薬槽200において前記グルコースを分析すること以外は、図11の電気泳動チップを用いた電気泳動装置と同様にして行うことができる。
(実施態様7)
図13に、本発明の電気泳動チップのさらにその他の例を示す。同図において、図1と同一部分には、同一符号を付している。図示のように、この電気泳動チップは、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの一端にグルコース分析部300を有する。前記回収槽2bは、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの他端に配置されている。前記導入槽2aが、前記グルコース分析部300と前記回収槽2bとの間に配置され、前記グルコース分析部300と前記導入槽2a、および前記導入槽2aと前記回収槽2bとが、前記試料分析用のキャピラリー流路3xで連通されている。前記試料分析用のキャピラリー流路3xにおける前記導入槽2aと前記グルコース分析部300との間の一部には、疎水領域400が形成されている。前記グルコース分析部300の構成は、特に制限されないが、例えば、前述の電極法用の電極(陰極および陽極)および前記グルコース分析用試薬、または前述の酸化還元反応に伴って発色する試薬を含むグルコース分析用試薬を含んでいてもよい。これら以外は、この例の電気泳動チップの構成は、図1の電気泳動チップと同様である。さらに、この例の電気泳動チップの構成は、これに限定されない。例えば、図8の電気泳動チップと同様に1枚の基板のみから構成されていてもよい。
この例の電気泳動チップの製造方法も、特に限定されず、例えば、前記実施態様1〜4において説明した製造方法と同様でもよい。この例の電気泳動チップを用いた電気泳動装置の構成も、特に限定されず、例えば、図5または10の電気泳動装置と同様の検出器を、前記試料分析用のキャピラリー流路3x上における前記導入槽2aと前記回収槽2bとの間に有していてもよい。
この例の電気泳動装置を用いた分析方法も、特に制限されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、前記試料を、前記導入槽2aに導入する。前記試料の導入方法は、特に限定されないが、例えば、ポンプ、マイクロバルブ等を用いることができる。この試料は、前記グルコース分析部300へ移動し、前記グルコース分析部300で前記グルコースを分析する。前記グルコースの分析方法は、特に制限されないが、例えば、前記グルコース分析部300の構成に応じて、前述の電極法、または酸化還元反応に伴って発色する試薬の発色(色調変化)の測定等を適宜用いることができる。前記導入槽2aから前記グルコース分析部300に前記試料を移動させる方法も、特に制限されないが、例えば、各流路内の両端にポンプを接続して内圧差を生じさせる方法でもよいし、電圧の印加等による方法でもよい。そして、図5および図10の電気泳動装置を用いた分析方法と同様に、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に電位差を生じさせ、前記試料を前記導入槽2aから前記回収槽2bまで移動させ、この間に、図5および図10の電気泳動装置と同様の測定部で前記試料を分析する。
(実施例1)
図1に示した電気泳動チップを、前述の方法により作製した。この電気泳動チップは、PMMA製であり、長さ(前記試料分析用のキャピラリー流路3xに沿った方向の寸法)は70mmであり、幅は30mmであった。前記導入槽2a中心から前記回収槽2b中心までの距離は46mmであり、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの長さ(全長)は40mmであった。前記試料分析用のキャピラリー流路3xは、幅および深さが40μmの正方形であった。
つぎに、この電気泳動チップを用いて図5に示した電気泳動装置を構成し、それを用いて、HbA1cの分析を行った。すなわち、まず、試料分析用のキャピラリー流路3xに、電気泳動液を、毛細管作用によって充填した。前記電気泳動液としては、100mM fumaric−Arg+0.8%chondroitin pH4.8を用いた。
つぎに、導入槽2aに試料を導入した。前記試料としては、5mg/mL Hb(HbA1c含有率10.5質量%(市販のコントロール(BML社製))を用いた。ついで、前記電極6aに1kVの電圧を印加し、前記電極6bには電圧を印加しないことで、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に電位差を生じさせた。これにより、前記試料8を、前記導入槽2aから、前記回収槽2b側に移動させた。このとき、前記分析部7により、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に対する電圧印加開始時からの経過時間と吸光度との関係を測定した。なお、前記導入槽から前記分析部7までの部分における前記試料分析用のキャピラリー流路3xの長さ(分離長)は20mmであった。また、分析部7の具体的な構造としては、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの下からLEDにより光照射し、フォトダイオードにより吸光度を測定した。
(実施例2)
図8に示した電気泳動チップを、前述の方法により作製した。この電気泳動チップは、PMMA製であり、試料分析用のキャピラリー流路3xは、ガラス製のキャピラリー管を埋め込んで作製した。この電気泳動チップの長さ(前記試料分析用のキャピラリー流路3xに沿った方向の寸法)は76mmであり、幅は26mmであった。前記導入槽2a中心から前記回収槽2b中心までの距離は46mmであり、前記試料分析用のキャピラリー流路3xの長さ(全長)は40mmであった。前記試料分析用のキャピラリー流路3xは、内径が50μmの円形であった。
つぎに、この電気泳動チップを用いて図10に示した電気泳動装置を構成し、それを用いて、実施例1と同様の方法によりHbA1cの分析を行った。なお、前記導入槽から前記分析部7までの部分における前記試料分析用のキャピラリー流路3xの長さ(分離長)は20mmであった。
これら実施例1および2の結果を、図14のグラフに併せて示す。同図において、(A)は実施例2の結果であり、(B)は実施例1の結果である。同図において、縦軸は、吸光度(相対値AU)および傾斜であり、横軸は前記試料分析用のキャピラリー流路3xの両端に対する電圧印加開始時からの経過時間である。同図において、実線で示した曲線は、測定された吸光度を示し、破線は、前記吸光度を微分処理した後の傾斜値を示す。同図において、「A0」および「A1c」は、それぞれ、HbA0およびHbA1cのピークを示す。図示のように、本実施例においては、試料中のHbA1cを、短時間でHbA0と効率よく分離し、かつ精度よく検出することができた。
本発明の電気泳動チップは、チップの小型化および簡略化が可能で、且つ、高精度で試料の分析が可能なものである。さらに、本発明の電気泳動チップは、構造が簡潔なため、分析の簡略化および分析時間の短縮にもつながる。本発明の電気泳動チップは、例えば、臨床検査、生化学検査、医学研究等の試料を分析する全ての分野に適用することができ、その用途は限定されず、広い分野に適用可能である。

Claims (16)

  1. 基板、導入槽、回収槽およびキャピラリー流路を含むキャピラリー電気泳動チップであって、
    前記キャピラリー流路は、試料分析用のキャピラリー流路を含み、
    前記基板上に、前記導入槽と前記回収槽とが形成され、
    前記導入槽と前記回収槽とが、前記試料分析用のキャピラリー流路で連通され、
    前記導入槽に分析対象となる試料が導入され、
    前記導入槽と前記回収槽との間に電位差を生じさせることで、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路に前記試料が直接導入され、前記試料分析用キャピラリー流路において、前記試料の分離中も前記試料が連続的に供給されている状態で前記試料の分析が行われることを特徴とする電気泳動チップ。
  2. 前記キャピラリー流路に電気泳動液が充填されている請求項1記載の電気泳動チップ。
  3. 前記キャピラリー流路において、その径が、10〜200μmの範囲であり、その長さが、0.5〜15cmの範囲である請求項1記載の電気泳動チップ。
  4. 前記試料が全血であり、
    さらに、前記試料を溶血剤で溶血させ、且つ希釈するための前処理槽を含み、前記前処理槽と前記導入槽とが連通されている請求項1記載の電気泳動チップ。
  5. 前記試料分析用のキャピラリー流路の一端にグルコース分析部が形成され、
    前記回収槽が、前記試料分析用のキャピラリー流路の他端に形成され、
    前記導入槽が、前記グルコース分析部と前記回収槽との間に形成され、
    前記グルコース分析部と前記導入槽、および前記導入槽と前記回収槽とが、前記試料分析用のキャピラリー流路で連通されている請求項1記載の電気泳動チップ。
  6. 前記基板が、上基板と下基板とを含み、
    前記上基板には、2つの貫通孔が形成されており、
    前記下基板上には、溝が形成され、
    前記下基板上に前記上基板が積層されており、
    前記上基板に形成された2つの貫通孔の底部が、前記下基板で封止されることで形成される空間が、それぞれ、前記導入槽および前記回収槽となり、
    前記下基板上に形成された溝の上部が、前記上基板で封止されることで形成される空間が前記試料分析用のキャピラリー流路となる請求項1記載の電気泳動チップ。
  7. 前記基板上に、2つの凹部および溝が形成され、
    前記基板表面が、前記2つの凹部に対応した位置に穴のあいたシール材でシールされ、
    前記基板上に形成された2つの凹部が、前記導入槽および前記回収槽となり、
    前記基板上に形成された溝の上部が、前記シール材で封止されることで形成される空間が前記試料分析用のキャピラリー流路となる請求項1記載の電気泳動チップ。
  8. さらに、シール材を含み、
    前記基板には、2つの貫通孔が形成されており、
    前記基板の底面には、溝が形成され、
    前記基板の底面が、前記シール材でシールされ、
    前記基板に形成された2つの貫通孔の底部が、前記シール材で封止されることで形成される空間が前記導入槽および前記回収槽となり、
    前記基板の底面に形成された溝の下部が、前記シール材で封止されることで形成される空間が前記試料分析用のキャピラリー流路となる請求項1記載の電気泳動チップ。
  9. 前記基板とは別の部材であるキャピラリー管で前記導入槽および前記回収槽が連通され、前記キャピラリー管が前記試料分析用のキャピラリー流路となる請求項1記載の電気泳動チップ。
  10. 前記導入槽および前記回収槽の容積が、それぞれ、1〜1000mmの範囲である請求項1記載の電気泳動チップ。
  11. 前記導入槽および前記回収槽が、それぞれ、キャピラリー電気泳動法用の電極を有する請求項1記載の電気泳動チップ。
  12. 電気泳動チップと分析部とを含む電気泳動装置であって、
    前記電気泳動チップが、請求項1記載の電気泳動チップである電気泳動装置。
  13. キャピラリー電気泳動法による試料の分析方法であって、
    請求項1記載の電気泳動チップまたは請求項12記載の電気泳動装置を用い、
    前記導入槽に前記試料を導入する導入工程と、
    前記導入槽と前記回収槽との間に電位差を生じさせて、電気泳動により、前記試料分析用のキャピラリー流路に前記試料を直接導入し、前記試料分析用キャピラリー流路において、前記試料の分離中も前記試料が連続的に供給されている状態で前記試料の分析を行う分析工程とを含む分析方法。
  14. 前記導入工程において、前記導入槽に、前記試料を電気泳動液で希釈した希釈試料を導入し、前記試料:前記電気泳動液(体積比)が、1:4〜1:99の範囲である請求項13記載の分析方法。
  15. 前記分析工程において、前記試料の分析を、前記試料の吸光度の演算処理により行う請求項13記載の分析方法。
  16. 前記吸光度の演算処理が、微分処理および差分処理の少なくとも一方の処理であり、前記処理によりフェログラムを作成し、前記フェログラムのピークの高さおよびピークの面積の少なくとも一方を求めることで、前記試料中の成分比率を求める請求項15記載の分析方法。
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