JP2014134000A - 節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭およびその構築方法・構築用鋼管 - Google Patents

節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭およびその構築方法・構築用鋼管 Download PDF

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Abstract

【課題】 現場の土の状態に影響されることなく品質の安定した地盤補強用のコンクリート系杭を簡易に構築することができ、かつ構築されたコンクリート系杭の杭周面抵抗力が大きい節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法を提供する。
【解決手段】 この構築方法は、地盤15に杭構築用鋼管10を回転させながら進入させ、杭構築用鋼管10を引き抜くときに内部にコンクリートまたはモルタルMまたはセメントミルクを流し込む方法である。杭構築用鋼管10として、下側が狭まる円すい台形の鋼管11と、その下端部に設けられた掘削刃12とを有し、この掘削刃12の鋼管11中心から先端までの距離が鋼管11の上端の半径よりも短いものを用いる。これにより、下側が狭まる円すい台形の杭本体21と、この杭本体21の下部の外周に突出する螺旋状の節22とを有し、螺旋状の節22の外径が杭本体21の上端の外径よりも小さい杭を構築する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、建物の基礎を支えるために地中に現場打ちで構築されるコンクリート系杭、特に外周面に螺旋状の節を有する節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭、およびこの杭の構築方法、およびこの構築方法に用いる節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管に関する。
軟弱な地盤の上に建物を建てる場合、柱状改良工法、小口径鋼管杭を埋設する工法等により地盤を補強することが行われている。柱状改良工法は、地盤に杭孔を掘削しながら、掘削した土に固化材を混入して撹拌することにより、土を固化材で固めた柱状改良杭を築造する工法である。
また、上記柱状改良工法に代わるものとして、特許文献1に、先端に掘削爪を有する掘削オーガにより地盤に杭孔を掘削し、その杭孔にセメント等からなる水硬性固化材液を充填し、その後、掘削オーガを地盤から引き上げることにより、水硬性固化材液が固化した置換コラムを築造する工法が提案されている。
特開2011−106253号公報 特開2010−059603号公報
前記従来の柱状改良工法は、次のような問題がある。
・現場の土と固化材を現場で混合撹拌するため、現場の土質、施工者の違い等により、築造された柱状改良杭の品質にばらつきが生じる。
・固化不良や撹拌不良による強度不足を回避するために、多量の固化材スラリーを注入する必要がある場合があり、環境への負荷が大きい。
・土質によっては、六価クロム等の有害な物質が溶出する可能性がある。事前に六価クロム等が溶出するか否かを試験して、溶出が無いことを確認することは可能であるが、それには費用と期間を要する。
小口径鋼管杭を埋設する工法は、次のような問題がある。
・小口径鋼管杭の先端を比較的硬い地盤(一般的にN値≧10)に支持させる必要があるため、地盤によっては適用できない場合がある。
・小口径鋼管杭の腐食による劣化が懸念される。そのため、予め腐食しろを見込んで設計している。
特許文献1の方法は、現場の土を固化材と混合させないので、従来の柱状改良工法の各問題が生じない。しかし、特許文献1の方法は、水硬性固化材液が固化して形成された置換コラムの外周面が節の無い円筒状であるため、置換コラムの外周面と周囲の地盤とのせん断抵抗があまり大きくなく、その分、置換コラム径を大きくしなければならない。
そこで、本発明者等は、これらの問題を解決するものとして、図6に示すような現場打ちコンクリート杭の築造方法を提案している(特願2012−188723号)。この築造方法は、鋼管31の下端に先端掘削刃32が取外し可能に取付けられた掘削刃取付け鋼管30(図6(A)参照)を準備する過程と、掘削刃取付け鋼管30を、鋼管31の中心軸回りに一定方向に回転させつつ押し下げることによって、先端掘削刃32により下方に掘削しかつ鋼管31の外周の土に螺旋状の溝36を形成しながら地盤35に挿入する過程(図6(A),(B))と、鋼管31内にモルタルまたは生コンクリートを充填する過程(図6(C))と、鋼管31のみを地盤35から引き抜いて、鋼管30の抜き跡となる杭孔37および螺旋状の溝36に鋼管31内のモルタルまたは生コンクリートを流し込む過程(図6(D),(E))とを含む方法である。
この築造方法によると、螺旋状の溝36を壊さずに、鋼管31のみを地盤35から引き抜くことができる。このように形成された杭孔37および螺旋状の溝36にモルタルまたは生コンクリートが流し込まれ、そのモルタルまたは生コンクリートが硬化することで、螺旋状の節付きコンクリート杭が現場打ちで築造される。その結果、従来の柱状改良工法のように、現場の土と固化材を混合攪拌することがなく、現場の土の状態に影響されることなく、常に品質の安定した地盤補強用のコンクリート杭を築造することができる。また、土質によって六価クロム等の有害な物質が溶出する心配もない。
また、杭孔37の周囲の土が鋼管31によって周囲に押しやられて地盤35が締め固められる。さらに、築造されたコンクリート杭は、外周面に螺旋状の節を有するので、杭周面のせん断抵抗が大きい。これらのことから、コンクリート杭の杭周面抵抗を大きくとれ、それだけ杭径を小さくできる。
しかし、上記した提案例の場合、掘削刃取付け鋼管30の鋼管31が上下に渡って同一径の柱状であり、大きな力のかからない杭下部も上部と同じ径となるため、コンクリート杭の材料量が多くなるばかりか、地盤35への掘削刃取付け鋼管30の挿入を容易にするために先端部分の形状に工夫が必要である。また、掘削刃取付け鋼管30の地盤35への挿入時に螺旋状の溝36を形成することは、杭孔37の孔壁が崩れやすいことから容易ではないという問題も残る。
この発明の目的は、材料量が少なくて済み杭周面抵抗力の大きい節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭を提供することである。
この発明の他の目的は、現場の土の状態に影響されることなく品質の安定した地盤補強用のコンクリート系杭を簡易に構築することができ、かつ構築されたコンクリート系杭の杭周面抵抗力が大きい節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、上記節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法に用いられてその施工性を向上させることができる節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管を提供することである。
この発明の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭は、モルタルまたはコンクリートまたはセメントミルクにより現場で構築される杭であって、下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部のみの外周に突出して設けられた螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径が前記杭本体の上端の外径よりも小さいことを特徴とする。
この節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭によると、杭本体が、下側が狭まる円すい台形であって大きな力のかからない下部が小径であるため、材料量が少なくて済む。また、杭本体の下部の外周に地盤内に食い込んだ螺旋状の節を有するので、杭周面のせん断抵抗が増大し、杭周面抵抗力が大きくなる。これにより、材料量が少なくて済み杭周面抵抗力の大きい節付き現場打ちコンクリート系杭とすることができる。
この発明の節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法は、地盤に杭構築用鋼管を回転させながら進入させ、この杭構築用鋼管を引き抜くときに内部にコンクリートまたはモルタルまたはセメントミルクを流し込む杭の構築方法であって、前記杭構築用鋼管として、下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離が前記鋼管の上端の半径よりも短い杭構築用鋼管を用いることにより、下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部の外周に突出する螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径が前記杭本体の上端の外径よりも小さい杭を構築することを特徴とする。
この節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法によると、用いる杭構築用鋼管の鋼管が下側が狭まる円すい台形であるため、地盤への鋼管の挿入が容易である。また、杭孔の孔壁が崩れにくく、杭孔の下部周面に螺旋状の節を形成するための溝を容易に形成できる。その結果、現場の土の状態に影響されることなく品質の安定した地盤補強用のコンクリート系杭を簡易に構築することができ、かつ構築されたコンクリート系杭の杭周面抵抗力を大きくできる。
この発明の節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管は、下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離が前記鋼管の上端の半径よりも短いことを特徴とする。
この節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管によると、下側が狭まる円すい台形の鋼管下端部に掘削刃を設けてなるので、地中に貫入し易く、しかも土を押し広げるため、廃土なく簡易に施工することができ、上記杭構築方法に用いられてその施工性を向上させることができる。
この節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管において、前記円すい台形の鋼管は、下端の外径を上端の外径の略1/2とし、前記掘削刃の前記鋼管の外周面から突出する高さを20mm以上としても良い。
この発明の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭は、モルタルまたはコンクリートまたはセメントミルクにより現場で構築される杭であって、下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部のみの外周に突出して設けられた螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径を前記杭本体の上端の外径よりも小さくしたため、材料量が少なくて済み杭周面抵抗力の大きい節付き現場打ちコンクリート系杭とすることができる。
この発明の節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法は、地盤に杭構築用鋼管を回転させながら進入させ、この杭構築用鋼管を引き抜くときに内部にコンクリートまたはモルタルまたはセメントミルクを流し込む杭の構築方法であって、前記杭構築用鋼管として、下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離が前記鋼管の上端の半径よりも短い杭構築用鋼管を用いることにより、下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部の外周に突出する螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径が前記杭本体の上端の外径よりも小さい杭を構築することとしたため、現場の土の状態に影響されることなく品質の安定した地盤補強用のコンクリート系杭を簡易に構築することができ、かつ構築されたコンクリート系杭の杭周面抵抗力を大きくすることができる。
この発明の節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管は、下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離を前記鋼管の上端の半径よりも短くしたため、上記節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法に用いられてその施工性を向上させることができる。
この発明の一実施形態にかかる節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭が構築された地盤の断面図である。 図1に示す節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭を構築する施工装置の一例の全体構成を示す側面図である。 (A)は節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管の一例の斜視図、(B)は同鋼管の他の例の斜視図である。 (A)は節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管の一例の下端を示す模式正面図、(B)は同鋼管の他の例の下端を示す模式正面図である。 図3(A)に示す鋼管を用いて行う節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法の各過程を示す説明図である。 節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法の提案例の説明図である。
この発明の節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法を図1ないし図5と共に説明する。
この節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法は、杭構築用鋼管を含む施工装置によって、図1に一例を示す節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20を構築する方法である。構築された節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20は、下側が狭まる円すい台形の杭本体21と、この杭本体21の下部のみの外周に突出して設けられた螺旋状の節22とを有する。螺旋状の節22の外径は、最大径の部分においても杭本体21の上端の外径よりも小さく設定されている。
図2は、上記節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20を構築する施工装置の一例の全体構成を示す側面図である。図示の施工装置1は、杭打ち装置1aとモルタル供給装置1bと杭構築用鋼管10とで構成される。
杭打ち装置1aは、自走可能な作業車両2にガイド柱3が傾斜変更可能に支持され、このガイド柱3に沿って昇降自在な昇降ヘッド4に、杭構築用鋼管10の上端が保持される。杭構築用鋼管10は、昇降ヘッド4に設けた回転モータ5により回転させることが可能である。また、昇降ヘッド4には、杭構築用鋼管10に対して振動を与えるバイブレータ6が設けられている。
モルタル供給装置1bは、モルタルの入ったタンク7と、このタンク7内のモルタルを送り出すホース8とを有する。タンク7は、前記作業車両2とは別車両からなる。
前記杭構築用鋼管10は、図3(A)に一例を示すように、下側が狭まる円すい台形の鋼管11と、この鋼管11の下端部に取り付けられた掘削刃12とでなる。掘削刃12の鋼管中心から先端までの距離r1は、鋼管11の上端の半径r2よりも短く設定されている。具体的には、円すい台形の鋼管11は、図4(A)に示すように、下端の外径Aを上端の外径(例えば190.7mmφあるいは216.3mmφ)の略1/2(190.7/2mmφ=95.35mmφあるいは216.3/2mmφ=108.15mmφ)とし、掘削刃12の鋼管11から突出する長さBを20mm以上で鋼管11の上端の外縁まで(〜47.7mmあるいは〜54.1mm)とするのが好ましい。
なお、杭構築用鋼管10の他の例として、図3(B)に示すように、鋼管11の形状を、その上部が上下に渡って均一径の円筒形で、下半部のみが下側が狭まる円すい台形としても良い。また、図3や、図4(A)および図5に示す杭構築用鋼管10の例では、掘削刃12が、鋼管11の下端の外周面に互いに背中合わせとなって配置される2つの刃体12aからなる場合を示したが、このほか図4(B)に示すような螺旋状の刃体(オーガ)を掘削刃12として用いても良い。この場合も、円すい台形の鋼管11の下端の外径Aおよび掘削刃12の鋼管11から突出する高さBを、図4(A)の例の場合と同様に設定するのが好ましい。
上記図3(A)に示す杭構築用鋼管10を用いて行う節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法を説明する。
まず、図2のように、施工装置1の昇降ヘッド4で鋼管11の上端を保持することで、杭構築用鋼管10を準備する。この杭構築用鋼管10が地盤15の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭構築箇所の真上に位置するように、作業車両2で位置調整する。
この状態で、回転モータ5を駆動して杭構築用鋼管10を鋼管11の中心軸回りに所定回転方向(例えば右回り)に回転させつつ、ガイド柱3に沿って昇降ヘッド4を一定速度で下降させて杭構築用鋼管10を押し下げる。これにより、鋼管11の下端の掘削刃12で下方に掘削し、かつ鋼管11の外周の土に螺旋状の溝16を形成しながら、杭構築用鋼管10が地盤15に挿入される。このとき、掘削刃12が回転することにより、杭構築用鋼管10全体に対して下向きへの推進力が働き、これにより間隔が一定した規則的な形状の螺旋状の溝16が形成される。
上記動作を継続して、図5(A)のように杭構築用鋼管10が地盤15に地表から定められた深さまで挿入されると、回転モータ5の駆動および昇降ヘッド4の下降を停止する。このとき、鋼管11は下側が狭まった円すい台形であることから、挿入途中に鋼管11の外周の土に形成された螺旋状の溝は、鋼管11による外側への押し付け力により押し潰される。
次いで、モルタル供給装置1bのホース8を杭構築用鋼管10の鋼管11内に上端側から挿入し、ホース8の先端を鋼管11の下端付近まで延ばす。そして、ホース8(図2)の先端からモルタルMを吐出させて、鋼管11内の上端までモルタルM(図5(B)参照)を充填する。
モルタルMの充填が完了したら、モルタル供給装置1bのホース8を鋼管11から抜き取り、その後、回転モータ5を逆回転方向に駆動させつつ昇降ヘッド4を一定速度で上昇させる。図5(B)のように杭構築用鋼管10を下降時とは逆回転方向(例えば左回り)に回転させながら引き上げることにより、下部の外周にのみ螺旋状の溝16が形勢される。さらに、杭構築用鋼管10を引き上げることにより、図5(C)のように、杭構築用鋼管10のみが地盤15から引き抜かれ、杭構築用鋼管10の抜き跡となる杭孔17および前記螺旋状の溝16に鋼管11内のモルタルMが流れ込む。杭構築用鋼管10を引き上げる際にバイブレータ6(図2)により鋼管11に振動を与えることで、モルタルMが締め固められ、杭孔17および螺旋状の溝16の隅々までモルタルMを隙間無く行き渡らせることができる。
図5(C)のように、杭構築用鋼管10を完全に引き抜いたら、その後、杭孔17および螺旋状の溝16に流し込まれたモルタルMの頭頂部Maを平滑に均す。これにより施工が完了する。モルタルMが硬化することにより、図1に示す節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20となる。
この節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20は、下側が狭まった円すい台形の杭本体21の下部外周に螺旋状の節22を有し、この螺旋状の節22が地盤15に食い込んでいる。また、杭構築用鋼管10を地盤15に挿入する過程において、杭孔17となる部分の上半部の土が鋼管11によって周囲に押しやられて地盤15が締め固められる。そのため、杭周面のせん断抵抗が増大し杭周面抵抗力を大きくすることができる。また、杭周面抵抗力が大きいと、それだけ杭本体21の外径を小さくすることができ、さらに杭本体21の下部は螺旋状の節22の地盤15への食い込み効果により外径をさらに小さくすることができる。その結果、節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20の構築に要する材料量を削減できコストを低減できる。杭本体21の下部は大きな力がかからないため、小径であっても必要な強度が確保される。また、材料量を少なくできることから、環境負荷を低減することができる。また、杭周面抵抗力が大きいと、杭先端地盤のN値が比較的小さいところでも支持することができ、杭長を短くすることができる。
この節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法は、従来の柱状改良工法のように、現場の土と固化材を混合撹拌することがないので、現場の土の状態に影響されることなく、常に品質の安定した地盤補強用の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20を構築することができる。また、土質によって六価クロム等の有害な物質が溶出する心配がない。
上記構築方法では、節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20の材料としてモルタルMを使用しているが、モルタルMの代わりに生コンクリートまたはセメントミルク(セメントと水の混合)を使用しても良い。
また、上記構築方法に用いられる杭構築用鋼管10は、その鋼管11が下側が狭まった円すい台形であるため、地中に貫入しやすく、しかも土を押し広げるため、廃土なく簡易に施工することができる。
上記実施形態の構築方法により構築される節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20の一例に要するコストを、図6に示した提案例の構築方法により構築される節付き現場打ちコンクリート系杭40の一例に要するコストと比較した結果を、次の表1に示す。
Figure 2014134000
同表において、左端の円柱の欄は、図6に示す提案例の構築方法により構築される節付き現場打ちコンクリート系杭40(円柱径190.70mmφ)の各データを示し、その右隣の円すい台の欄は、上記実施形態の構築方法により構築される節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20(上部径190.70mmφ)の各データを示している。また、その右隣の円柱の欄は、図6に示す提案例の構築方法により構築される別の節付き現場打ちコンクリート系杭40(円柱径216.30mmφ)の各データを示し、その右隣の円すい台の欄は、上記実施形態の構築方法により構築される別の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20(上部径216.30mmφ)の各データを示している。その結果、体積比で約40%減となる。杭の節部分の寸法については未検討である。
この比較結果から、この実施形態の節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭20では、提案例の場合に比べて、材料費を大幅に削減できていることが分かる。
10…杭構築用鋼管
11…鋼管
12…掘削刃
15…地盤
16…螺旋状の溝
17…杭孔
20…節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭
21…杭本体
22…節
M…モルタル

Claims (4)

  1. モルタルまたはコンクリートまたはセメントミルクにより現場で構築される杭であって、
    下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部のみの外周に突出して設けられた螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径が前記杭本体の上端の外径よりも小さいことを特徴とする節付き現場打ちテーパ形コンクリート系杭。
  2. 地盤に杭構築用鋼管を回転させながら進入させ、この杭構築用鋼管を引き抜くときに内部にコンクリートまたはモルタルまたはセメントミルクを流し込む杭の構築方法であって、
    前記杭構築用鋼管として、
    下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離が前記鋼管の上端の半径よりも短い杭構築用鋼管を用いることにより、
    下側が狭まる円すい台形の杭本体と、この杭本体の下部の外周に突出する螺旋状の節とを有し、この螺旋状の節の外径が前記杭本体の上端の外径よりも小さい杭を構築することを特徴とする、
    節付き現場打ちコンクリート系杭の構築方法。
  3. 下側が狭まる円すい台形の鋼管と、この鋼管の下端部に設けられた掘削刃とを有し、この掘削刃の鋼管中心から先端までの距離が前記鋼管の上端の半径よりも短いことを特徴とする節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管。
  4. 請求項3に記載の節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管において、前記円すい台形の鋼管は、下端の外径を上端の外径の略1/2とし、前記掘削刃の前記鋼管の外周面から突出する長さを20mm以上とした節付き現場打ちコンクリート系杭構築用鋼管。
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