JP2014066010A - 杭頭部周囲の地盤改良工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】杭頭部周囲の掘削した土砂と流動性固化材との攪拌混合が十分に行えて、杭頭部周囲の地盤を改良し、既製杭の水平抵抗力を増強することが可能な、杭頭部周囲の地盤改良工法を提供する。
【解決手段】埋設された杭10の杭頭部を含む杭上部の外周面に嵌め合わせることが出来且つこの嵌め合わせた状態で杭頭部を含む杭上部の軸方向に沿って移動可能な内径を有し、外面側に掘削された土砂と流動性固化材とを攪拌混合する攪拌混合翼21と、流動性固化材の注入管を有した円筒状の攪拌混合用管体20を、杭頭部を含む杭上部にかぶせ、次いで、攪拌混合用管体20を、杭10を中心に回転させつつ、杭頭部を含む杭上部に案内されながら地盤中の所定の深さまで往復移動を繰り返し、往復移動中に注入管から流動性固化材を掘削された土砂に吐出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、埋設された杭の杭頭部を含む杭上部を中心にその周辺の地盤を改良する、杭頭部周囲の地盤改良工法に関する。
基礎杭の設計においては、杭の断面寸法が垂直支持力では決まらず、杭の水平抵抗力で決まることが多い。それは地震時や暴風時に杭頭に作用する水平力によって杭頭部付近に大きな曲げモーメントが生じるので、杭頭部の応力度や変位量によって杭の断面寸法が決定されているからである。
特に、杭頭部付近の地盤が軟弱な場合や、翼付き回転貫入鋼管杭のように杭径に比べて垂直支持力が大きい場合では、杭の断面寸法が杭の水平抵抗力で決まる傾向が強い。
水平抵抗力を増加させるために杭の断面寸法(杭径)をその全長わたって大きく設定することがあるが、それは杭自体のコストアップや施工コストアップにつながり、得策とはいえない。
そこで、杭頭部の杭径を拡大する施工方法及び施工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、実質的に杭頭部の杭径を拡大するだけなので、杭の断面寸法(杭径)をその全長わたって大きく設定する場合に比して杭自体のコストアップにつながるおそれがないことは勿論のこと、施工コストを低く抑えることが可能となる。
特開平07−279171号公報
上述した施工法では、(a)側面に流通口とスパイラル翼を有し、底部掘削爪を有する鋼管、(b)鋼管を回転させるための回転軸、(c)前記回転軸を回転させるためのモータ、(d)前記鋼管の内部下方に設けられたモルタルまたはセメントミルク吐出口、(e)前記吐出口までモルタルまたはセメントミルクを運ぶ配送管および(f)前記回転軸を回転させるための回転手段よりなる施工装置を使用し、杭頭部の周辺を同心円状に所定の深さまで掘削してから、モルタルまたはセメントミルクを掘削部底部より注入撹拌することにより、杭頭部の径を拡大するものである。
しかし、(1)側面に流通口とスパイラル翼を有する鋼管と既に埋設された杭(以下、既製杭と記す)との間の空間の土壌(土砂)をモルタルまたはセメントミルク(以下、流動性固化材と記す)と撹拌混合する機能がないため、均質な地盤改良柱体を造成できない。
上記特許文献1の段落番号0018には、「セメントミルクは、掘削された土壌の一部と、・・・案内ロッド35や爪部材31により充分撹拌され、ソイルセメント(杭周固定コンクリート)の層41へと変化する。」旨の記載がある。しかし、この案内ロッド35は鋼管22の側壁とで爪部材31を固定し、また爪部材31は既製杭21の外周に凹凸または溝31を形成するものであって、元々掘削された土壌(土砂)とセメントミルクとを攪拌混合する目的で設けられたものではない。したがって、セメントミルクと掘削された土壌(土砂)の一部とが案内ロッド35や爪部材31により攪拌混合されたとしても、それは十分なものとはいえない。
(2)外面についている連続したスパイラル翼は、掘削と土壌(土砂)の上方移動の機能は有するが、スパイラル翼の性質から撹拌混合の機能は極めて小さい。
(3)セメントミルク(流動性固化材)を先端から吐出しながら下から上に徐々に引き上げるだけで、鋼管を上下動させないため、十分に撹拌混合できない。
(4)先端から吐出されたセメントミルク(流動性固化材)は、下方の流通口から管外に出やすく、上方の流通口からは出にくい。その結果、均質なソイルセメントの層41(地盤改良柱体)はできにくい。
(5)既製杭と鋼管の間の間隔を一定に保持する機能がないため、ソイルセメントの層41(地盤改良柱体)の厚さが上下左右方向で不均一になる。
したがって、ソイルセメントの層41(地盤改良柱体)の強度は十分とはいえない場合があり、またばらつきがあり、既製杭の水平抵抗力を向上させることが難しい。
本発明は杭頭部を含む杭上部の周囲の掘削した土砂と流動性固化材との攪拌混合が十分に行えて、杭頭部周囲の地盤を改良し、既製杭の水平抵抗力を増強することが可能な、杭頭部周囲の地盤改良工法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の杭頭部周囲の地盤改良工法は、埋設された杭の杭頭部を含む杭上部を中心にその周辺の地盤を所定の深さまで掘削し、流動性固化材を注入し、掘削された土砂と該流動性固化材とを攪拌混合して、前記杭頭部を含む杭上部の周囲に土砂と流動性固化材との混合物からなる地盤改良柱体を形成する、杭頭部周囲の地盤改良工法であって、前記杭頭部を含む杭上部の外周面に嵌め合わせることが出来且つこの嵌め合わせた状態で該杭頭部を含む杭上部の軸方向に沿って移動可能な内径を有し、外面側に前記掘削された土砂と流動性固化材とを攪拌混合する攪拌混合翼を有し、且つ前記流動性固化材の注入管を有した円筒状の攪拌混合用管体を、前記杭頭部を含む杭上部にかぶせ、次いで、前記攪拌混合用管体を、前記杭を中心に回転させつつ、前記杭頭部を含む杭上部に案内されながら前記地盤中の所定の深さまで往復移動を繰り返し、前記往復移動中に前記注入管から前記流動性固化材を前記掘削された土砂に吐出することを特徴とする。
本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法によれば、杭頭部周囲の掘削した土砂と流動性固化材との攪拌混合が十分に行えて、杭頭部周囲の地盤を改良し、既製杭の水平抵抗力を増強することが可能である。
本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第1実施例を示す、施工時における要部の概略縦断面図である。 図1の地盤改良工法に使用される攪拌混合用管体の概略縦断面図である。 図3(a)は図2中の攪拌混合翼の変形例に示す攪拌混合用管体の平面図、図3(b)は同部分正面図、図3(c)は図2中の攪拌混合翼の別の変形例に示す攪拌混合用管体の平面図、図3(d)は同部分正面図、図3(e)は図3(c)の図面左側から見た攪拌混合翼の側面図、図3(f)は図3(c)の図面右側から見た攪拌混合翼の側面図である。 図4(a)はずれ防止部材を設けた、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第2実施例を示す、施工後における杭頭部周囲の平面図、図4(b)は同縦断面図である。 図5(a)は地盤改良柱体中に鉄筋籠を圧入した、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第3実施例を示す、施工後における杭頭部周囲の平面図、図5(b)は同縦断面図、図5(c)は鉄筋籠の代わりに鋼管を圧入した変形例を示す、施工後における杭頭部周囲の平面図、図5(d)は同縦断面図である。 図6(a)〜(f)は、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の施工過程を示す概略説明図である。
本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法では、例えば図1、図2に示す攪拌混合用管体20を使用するが、これに限定されるものではない。また、既製杭として例えば図1に示す回転貫入鋼管杭10を使用する。回転貫入鋼管杭10の円筒状杭本体11の下端側外周面にほぼ一巻きの螺旋翼12が設けられる。なお、既製杭としては、図1に示す回転貫入鋼管杭10に限定されるものではなく、通常の鋼管杭やコンクリート杭であってもよい。
以下、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第1実施例について説明する。
図1は本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の施工時の状態を示し、同図に示すように、前記既設杭10(杭本体11)の杭頭部に、中心軸20aが杭本体11の中心軸11aと一致するようにして円筒状の攪拌混合用管体20がかぶせられる。この攪拌混合用管体20は、図2に示すように、その頭部がキャップ31を介して杭打ち機械のオーガモータ30に接続され、該オーガモータ30によって回転駆動される。
前記攪拌混合用管体20は、図1に示すように、前記既製杭10の杭頭部の外周面に嵌め合わせることが出来且つこの嵌め合わせた状態で回転させつつ前記杭頭部を含む前記既製杭10の杭上部の軸方向に沿って支障なく移動可能な状態となる内径を有する鋼管などから構成される。
前記攪拌混合用管体20の内径は、例えば、前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部における外径よりも10mm〜50mm程度大きいのが望ましい。10mmよりも小さくすると、施工時、攪拌混合用管体20を回転させつつ前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部に沿って軸方向に往復移動させる際に、攪拌混合用管体20の僅かな揺れでも攪拌混合用管体20の端部が前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部の外周面にあたり、場合によっては攪拌混合用管体20の端部が前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部の外周面をかじってしまい、攪拌混合用管体20の円滑な回転と複数回の往復移動とが出来なくなるおそれがあるからである。また、50mmよりも大きくすると、攪拌混合用管体20の内周面と前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部の外周面との隙間に掘削された土砂が入り込んでかたまり、攪拌混合用管体20の円滑な回転と複数回の往復移動とが出来なくなるおそれがあるからである。10mm〜50mmの範囲内ならば何ら支障なく攪拌混合用管体20の円滑な回転と複数回の往復移動が可能となる。なお、前記10mm〜50mmの隙間に土砂が侵入して攪拌混合用管体20の上下往復運動がしにくい場合は、当該管体20に複数個の孔を設けて隙間に侵入した土砂が管外に出やすくするとよい。
前記攪拌混合用管体20の外周面には、攪拌混合翼21が軸方向に適宜間隔をあけて複数配置される。攪拌混合翼21の配置数、配置箇所、形状、寸法などは、前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部周囲の地盤の性状、施工時における攪拌混合用管体20の回転数や往復移動回数、あるいはオーガモータ30の能力(杭打ち機械の能力)などによって選択される。
前記攪拌混合翼21の形状としては、例えば、板状翼(図3(a)、(b)参照)、棒状翼、L字状翼(図3(c)、(d)、(e)参照)、T字状翼(図3(c)、(d)、(f)参照)などがある。なお、板状翼は、平板状に限らず、らせん状にしたものであってもよい。
板状翼からなる攪拌混合翼21を鉛直方向に向けて配置すると、攪拌混合用管体20の回転による撹拌作用が強くなり、水平方向に向けて配置すると上下動による撹拌作用が強くなる。鉛直面に対して角度を付けて配置すると回転と上下動の両方の撹拌作用が得られる。L字状翼やT字状翼からなる攪拌混合翼21は、鉛直と水平の両方向を向いているため、両方の撹拌作用が得られる。具体的にどのように配置するかは、上述したように、杭頭部11a周囲の地盤の性状、施工時における攪拌混合用管体20の回転数や往復移動回数、あるいは前記オーガモータ30の能力(杭打ち機械の能力)などによって変わる。
前記攪拌混合用管体20には、流動性固化材の注入管22が配置される。具体的には、注入管22は、攪拌混合用管体20の頭部中央から攪拌混合用管体20の外側に突き出してそこから攪拌混合用管体20の外周面に沿って延び、攪拌混合用管体20の下端付近まで配管される。注入管22の上端は、前記オーガモータ30に内蔵されたスイベル(図示せず)に接続される。注入管22として、例えば、直径40mm〜60mm程度の小径鋼管が使用される。
前記注入管22の下端には流動性固化材の吐出弁22aが配置される。この吐出弁22aは逆流防止機能を備えたものが望ましい。また、施工時に吐出弁22aが固い地盤に当たって損傷することを防止するため、後述する推進翼23の上側に配置することが望ましい。
前記吐出弁22aを介して掘削された土砂に吐出され、土砂と攪拌混合される、流動性固化材としては、例えば、セメントやセメント系あるいは石灰系地盤改良材を水で溶いたミルク、あるいはこれらに砂を混ぜたモルタルなどで、施工中は流動性を有し、時間の経過とともに固化する材料が使用される。
前記攪拌混合用管体20の外面下端寄り箇所には上述した推進翼23が配置される。この推進翼23は、攪拌混合用管体20を、前記既製杭10(前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部)を中心に一方向に回転させると地盤中に進行(回転推進)する推進力が、また反対方向に回転させると地盤から推進力が生じる。
前記推進翼23は、地盤貫入時に変形しないように、例えば厚鋼板などを加工して形成する。推進翼23の具体的形状としては、例えば、1周分のらせん状翼形状、あるいは半周分のらせん状翼形状である。半周分のらせん状翼形状の推進翼23を用いる場合には、攪拌混合用管体20の外周面をほぼ一周するように2個用いられる。
次に、図6(a)〜(f)を参照して前記攪拌混合用管体20を使用して行う杭頭部周囲の地盤改良工法の施工手順を説明する。
図6(a)は杭打ち機械(図示せず)によって地盤中に既製杭10が埋設された状態を示している。杭打ち機械のオーガモータ30(図2参照)は前記杭頭部を含む既製杭10の杭上部から外されている。
次いで、図6(b)に示すように、攪拌混合用管体20を、その中心軸20a(図1参照)が既製杭10の杭本体11の中心軸11a(図1参照)と一致するようにして、埋設された既製杭10の杭頭部周囲の地面に置いて、攪拌混合用管体20の頭部を、キャップ31(図2参照)を介して既製杭10の埋設時に使用した杭打ち機械のオーガモータ30(図2参照)に接続し、また注入管22(図2参照)の上端をオーガモータ30に内蔵されたスイベル(図示せず)に接続する。このように準備をした後、オーガモータ30により攪拌混合用管体20を回転駆動すると、推進翼23(図2参照)が地盤に食い込み、推進翼23の回転推進力により攪拌混合用管体20が杭頭部を含む既製杭10の杭上部にガイドされながら地盤中への回転貫入(下降)を開始する。この際、攪拌混合用管体20は、杭頭部を含む既製杭10の杭上部によってガイドされて、安定した状態で回転しつつ既製杭10の軸方向に移動する。
次いで、図6(c)に示すように、攪拌混合用管体20を予定深度(地盤改良範囲の下端領域)まで回転貫入させる。攪拌混合用管体20が予定深度まで下降したら、吐出弁22a(図2参照)から流動性固化材の吐出を開始する。
次いで、図6(d)に示すように、流動性固化材を吐出させつつ、攪拌混合用管体20を、回転させて既製杭10の杭頭部を含む杭上部でガイドしながら杭頭部の高さ位置まで徐々に引き上げる。この引き上げの際、攪拌混合翼21によって掘削された、杭頭部を含む既製杭10の杭上部周囲の地盤中の土砂と、流動性固化材とが攪拌混合される。なお、攪拌混合用管体20の回転方向は、下降時と同じ方向でもあるいは逆方向でもよい。地盤の固さ、攪拌混合翼21の形状、杭打ち機械のオーガモータ30(図2参照)の回転能力(回転トルク)等を考慮して決めればよい。
次いで、図6(e)に示すように、攪拌混合用管体20が既製杭10の杭頭部の高さ位置に達したら、今度は攪拌混合用管体20を再び地盤中に下降させる。攪拌混合用管体20の上下移動(往復移動)回数は、地盤の性状、固さなどにより異なるが、10往復以上が望ましい。
10往復以上したら、図6(f)に示すように、攪拌混合用管体20を地盤中から引き上げる。これにより攪拌混合用管体20を使用して行う杭頭部周囲の地盤改良工法の施工が完了する。
以上の施工手順で杭頭部を含む既製杭10の杭上部周囲の地盤中には地盤改良柱体40が形成される。この地盤改良柱体40は、現場の土砂と流動性固化材を撹拌混合して造成されるソイルセメントのドーナツ状柱状体で、施工後時間の経過に伴って固化する。その寸法は、地盤条件や荷重条件により変わるが、例えば、直径は既製杭10の杭径の2〜4倍程度、長さは杭頭部11aの10〜30倍程度である。
上記第1実施例によれば、オーガ(杭打ち機械)及び杭頭部を含む既製杭10の杭上部でガイドしながら攪拌混合用管体20を回転しつつ10回以上上下動(往復移動)させるので、掘削された土砂と流動性固化材とを十分に攪拌混合して地盤改良柱体40を形成することができ、地盤改良柱体40は均質となり、地盤改良柱体40の寸法は上下左右方向において均一である。このため、地盤改良柱体40の強度を増強させ、地盤改良柱体40により既製杭10の水平抵抗力を大幅に向上させることが可能となる。
次に、現場試験結果について説明する。
試験条件は以下の通りである。
地盤 地表から支持層上端までは軟弱な粘性土
既成杭 鋼管杭 外径φ165.2 mmの回転貫入鋼管杭
撹拌用管体 外径190.7 mm、内径176.5 mmの鋼管 長さ4m
撹拌混合翼 6枚のらせん状板材を管体に溶接で取り付けた
地盤改良 流動性固化材としてはセメントミルクを用いた
ソイルセメント外径450 mm 長さ3m
管体の回転 小型杭打機搭載のオーガモータで管体を回転するとともに、改良区
間を15回上下に往復させた。
試験結果は以下の通りである。
水平載荷試験の結果
水平抵抗の増強効果を確認するために、地盤改良を施した杭と施さない杭を2本施工して、杭頭部にジャッキで水平力を加える水平載荷試験を実施した。地盤改良を行わない杭と比べて地盤改良を施した杭の杭頭変位量は1/4になり、大きな地盤改良効果あることが確認された。
掘り出し試験の結果
載荷試験後の杭と地盤改良柱体とを掘り出して、地盤改良柱体を詳細に調査した結果、撹拌混合しにくい粘性土であったにもかかわらず、完全な円筒状に形成されているとともに、セメントと土は良く混合されていることが確認された。また、地盤改良柱体にボーリングでコアを多数採取して一軸圧縮試験を実施した結果、所定の強度を得るとともに強度のバラつきも少なかった。
以下、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第2実施例について図4(a)、(b)を参照して説明する。なお、図4(a)、(b)中、図1に示す部分と同一構成部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第2実施例では前記既製杭10の杭頭部を含む杭上部に、予め(施工前に)ずれ止め部材50として例えば鉄筋や丸鋼をリング状に曲げ加工した部材を巻き付けて溶接等で固着する点が上述した第1実施例と異なるだけで、それ以外については同様である。
このずれ止め部材50は、施工後に杭頭部を含む既製杭10の杭上部周囲の地盤中に形成される地盤改良柱体40が既製杭10に対して軸方向(上下方向)にずれるのを防止するもので、既製杭10の外周面と対向する地盤改良柱体40の箇所に食い込んだ状態になる。
なお、ずれ止め部材50を巻き付けて固着した箇所の既製杭10の外径は、攪拌混合用管体20の内径よりも小さく且つ攪拌混合用管体20が、施工時に杭頭部を含む既製杭10の杭上部をガイドにして回転しつつ軸方向の往復移動を複数回繰り返すのに支障がないように設定される。
本第2実施例によれば、ずれ止め部材50により既製杭10と地盤改良柱体40との一体性が確保され、その結果、既製杭10の水平抵抗力がさらに向上する。
なお、ずれ止め部材50は、上述した鉄筋や丸鋼をリング状に曲げ加工した部材を巻き付けるもの以外に、例えば板片を前記既製杭10の杭頭部を含む杭上部に溶接等で固着するものであってもよい。ずれ止め部材50は、地盤改良柱体40に食い込み、既製杭10と地盤改良柱体40との一体性を確保するものであれば、その形状、既製杭10への固着方法などは問わない。
以下、本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法の第2実施例について図5(a)、(b)を参照して説明する。なお、図5(a)、(b)中、図1に示す部分と同一構成部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第3実施例では、撹拌混合作業が終了して攪拌混合用管体20を地盤中から引き上げた後、杭頭部を含む既製杭10の杭上部周囲の地盤中に形成された地盤改良柱体40が固化する前に、鉄筋籠60を圧入する(埋め込む)点が上述した第1実施例と異なるだけで、それ以外については同様である。
鉄筋籠60は、例えば、鉄筋や丸鋼を使用してリング状と棒状の部材を複数本準備し、これら部材を溶接して、軸方向両端が開口した筒状の籠に形成してなるもので、地盤改良柱体40を補強するものである。鉄筋籠60の外径は既製杭10の外径と地盤改良柱体40との間の寸法に設定され、また鉄筋籠60の軸方向の寸法は地盤改良柱体40の軸方向の寸法と同程度に設定される。
地盤改良柱体40は、既製杭10の杭上部周囲の地盤を掘削して生じた土砂とセメントとを攪拌混合して構成されるもので、強度的にはばらつきがあり、また強度が十分とはいえない場合がある。このため、既製杭10に大きな曲げモーメントが作用すると、地盤改良柱体40に割れが生じ、水平抵抗力を減じるおそれがある。鉄筋籠60を固化前の地盤改良柱体40中に圧入(埋め込む)ことで、固化後の地盤改良柱体40を補強して割れ難くし、たとえひび割れが生じても割れが広がらないようにする。その結果、水平抵抗力の低下が抑えられる。
本第3実施例によれば、鉄筋籠60により地盤改良柱体40の強度を保ち、地盤改良柱体40に割れが生じるのを可及的に回避することが可能となる。
図5(c)、(d)は鉄筋籠60の代わりに鋼管60aを圧入した変形例を示す。なお、図5(c)、(d)中、図1に示す部分と同一構成部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
この変形例では、鋼管60aは、既製杭10の外径と地盤改良柱体40の外径との間の寸法を有する素材の鋼管を選択する。
上記第3実施例において、地盤改良柱体40内に鉄筋籠60、鋼管60aを1個(1本)埋め込んだ場合を示したが、同心円状に複数個(複数本)埋め込んでもよい。
本発明の杭頭部周囲の地盤改良工法は、既製杭の杭頭部付近の地盤が軟弱な場合などにおいて、既製杭の水平抵抗力を向上させるのに適用される。
10 既製杭
11 杭本体
20 攪拌混合用管体
21 攪拌混合翼
22 注入管
22a 吐出弁
23 推進翼
30 オーガモータ30
31 キャップ
40 地盤改良柱体
50 ずれ止め部材
60 鉄筋籠
60a 鋼管

Claims (4)

  1. 埋設された杭の杭頭部を含む杭上部を中心にその周辺の地盤を所定の深さまで掘削し、流動性固化材を注入し、掘削された土砂と該流動性固化材とを攪拌混合して、前記杭頭部を含む杭上部の周囲に土砂と流動性固化材との混合物からなる地盤改良柱体を形成する、杭頭部周囲の地盤改良工法であって、
    前記杭頭部を含む杭上部の外周面に嵌め合わせることが出来且つこの嵌め合わせた状態で該杭頭部を含む杭上部の軸方向に沿って移動可能な内径を有し、外面側に前記掘削された土砂と流動性固化材とを攪拌混合する攪拌混合翼を有し、且つ前記流動性固化材の注入管を有した円筒状の攪拌混合用管体を、前記杭頭部を含む杭上部にかぶせ、
    次いで、前記攪拌混合用管体を、前記杭を中心に回転させつつ、前記杭頭部を含む杭上部に案内されながら前記地盤中の所定の深さまで往復移動を繰り返し、
    前記往復移動中に前記注入管から前記流動性固化材を前記掘削された土砂に吐出することを特徴とする、杭頭部周囲の地盤改良工法。
  2. 請求項1記載の杭頭部周囲の地盤改良工法において、
    前記攪拌混合用管体の外面下端側に、前記攪拌混合用管体を、前記杭を中心に回転させると前記地盤中に進行する推進力と前記地盤中から抜け出る推進力とが生じる、推進翼を設けたことを特徴とする、杭頭部周囲の地盤改良工法。
  3. 請求項1又は2記載の杭頭部周囲の地盤改良工法において、
    前記杭頭部を含む杭上部の外面に、前記地盤改良柱体の固化後、該地盤改良柱体が前記杭頭部を含む杭上部に対して軸方向に移動するのを防止するずれ防止部材を予め設けておくことを特徴とする、杭頭部周囲の地盤改良工法。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載の杭頭部周囲の地盤改良工法において、
    前記地盤改良柱体の固化前に、該地盤改良柱体中に鉄筋籠または鋼管を埋め込むことを特徴とする、杭頭部周囲の地盤改良工法。
JP2012209966A 2012-09-24 2012-09-24 杭頭部周囲の地盤改良工法 Pending JP2014066010A (ja)

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