JP2014130552A - タクシーサービス支援システム - Google Patents

Abstract

【課題】タクシーの需要と供給とのミスマッチを解消するための、タクシーサービス支援システムを提供する。
【解決手段】情報解析部３４では、タクシーセンサ情報収集部３１、乗客位置情報収集部３２、ウェブ情報収集部３３のうち少なくとも一つ以上の収集部から各種情報を取り込み、必要に応じて前処理を行ってデータ変換を行って、データマイニングを行う。ドライバー向け情報提供部３５は、情報解析部で求めた乗車見込みのあるエリアを求めて、タクシー情報端末アプリケーション部３７が、タクシードライバーに乗車見込みの或るエリア情報を提供する。
【選択図】図３

Description

本発明は、タクシーサービスを効率良く提供するためのタクシーサービス支援システムに関する。

従来からタクシーの需要と供給とのミスマッチを解消する手法として、色々な解決策が検討されている。しかしながら、東京など大都市部でのタクシーは、流し、つじまちが９０％以上、実車率４０％以下で６０％は機会損失になっているという統計上の資料がある。駅前、空港、ロータリーなどタクシー乗り場には、需要を大幅に上回るタクシーが待機している。その間、ドライバーは長時間待たなければならなし、その間、エアコンのためのエンジン稼働によるＣＯ₂排出の問題がある。またタクシー乗り場付近の渋滞にも影響を与えている。

また、都市中心部では、顧客を拾えそうな通りを運転しながら、流し、を行いドライバー自身の勘と経験による見込みの顧客獲得確率に依存した営業を行っており、空車での無駄な運転と渋滞への影響を及ぼしていることを踏まえ、ＣＯ₂を無駄に排出していると考えられる。

一方、長期的な景気後退が続き業界全体の需要減に対して、近年の自由化による新規参入で、タクシー台数は急増し、更なる競争激化による給与水準の低下が続いている。長時間労働と相まって、社会的課題と考えられる。

本発明は、タクシーの需要と供給とのミスマッチを解消するための、タクシーサービス支援システムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、タクシーに配備されている車載ネットワークと、タクシードライバー及びタクシーユーザがそれぞれ使用する各情報通信端末装置と、に接続され、タクシードライバー及びタクシーユーザに対して各種情報を配信する、タクシーサービス支援システムにおいて、
車載ネットワーク上の車載センサ情報その他の各種情報を収集するタクシー情報収集部と、
タクシードライバーが使用する情報通信端末装置から送信された、乗客位置情報を含むタクシーの運行に関する情報を収集する乗客位置情報収集部と、
交通情報、催し情報、緊急情報その他のウェブ情報を収集するウェブ情報収集部と、
タクシー情報収集部、乗客位置情報収集部、ウェブ情報収集部から各種情報を蓄積し、蓄積した各種情報を基にしてタクシー乗車が見込まれるロケーションを求める情報解析部と、
を備えることを特徴とする。

上記構成において、情報解析部により求めた当該ロケーションと各タクシーの現在位置とから、マップ情報を参照して、ドライバー向けの需要を予測する、ドライバー向け情報提供部と、情報解析部により求めた当該ロケーションと各タクシーの現在位置とから、タクシーユーザへ提供する情報であってタクシーの所在に関する情報を求める、乗客向け情報提供部と、をさらに備えることが好ましい。

好ましくは、乗客位置情報収集部は、タクシードライバーから情報通信端末装置を経由して、顧客に関する情報として、新たな待機場所に関する情報、流す場所に関する情報、顧客が待機している状況に関する情報、その他のタクシードライバー個人の仕事上の情報を収集する。

好ましくは、ドライバー向け情報提供部は、ドライバー向けの需要として、タクシー乗車が見込まれるエリアと、当該エリアでの見込み乗車人数、タクシーの現在位置からの到達時間、到達後から乗車まで待ち時間の何れか一又は複数と、を求める。

好ましくは、乗客位置情報収集部は、タクシーユーザから情報通信端末装置を経由して、タクシーユーザが希望する乗車位置情報を収集し、情報解析部は、乗客位置情報収集部が収集した、タクシーユーザが希望する乗車位置情報を加味してタクシー乗車が見込まれるロケーションを求める。

本発明によれば、タクシーユーザにはタクシーが居るエリアを提供し、タクシードライバーにはタクシーユーザの乗車見込みエリアが提供されるため、タクシーの需要と供給のミスマッチが解消し、タクシー乗車率の改善、渋滞緩和及びＣＯ₂排出量低減に寄与すると共に、タクシードライバーの労働環境が改善される。

本発明のコンセプトを説明した図である。 本発明の実施形態に係るタクシーサービス支援システムを用いたシステム構成図である。 タクシーサービス支援システムの構成図である。 （ａ）及び（ｂ）は、タクシーユーザの情報通信端末装置への情報提示の一例をそれぞれ示す図である。 （ａ）及び（ｂ）は、タクシードライバーの情報通信端末装置への情報提示の一例をそれぞれ示す図である。

以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。

〔本発明のコンセプト〕
本発明のコンセプトを説明する。図１は本発明のコンセプトを説明した図である。
タクシーサービス支援システムには、タクシーに配備されている車載ネットワークと、タクシードライバーが使用する情報通信端末装置とを、ネットワーク接続手段を経由して、各種情報が入力される。ここで、ネットワーク接続手段は、公衆のネットワーク（例えばインターネット）にアクセスできる手段であればよい。

例えば、タクシーに配備された車載ネットワークであるＣＡＮ（Controller Area Network）から車載センサ情報が入力される。車載センサ情報は、車載ネットワーク上に流れる情報であり、自動車に取り付けられているスイッチを含む各種センサから出力される情報を含んでいる。車載センサ情報の一例としては、エンジン、車輪、アクセルペダル、ブレーキペダルなどに取り付けられている各種センサ、ドライブモードの切換え、ドア開閉のスイッチなどが挙げられ、これらは、例えばＣＡＮ情報と呼ばれているＣＡＮから車載センサ情報を得るためには、ＯＢＤＩＩ端子などの外部接続端子といった接続部から取り出して情報通信端末装置を用いて転送すればよい。

タクシードライバーが使用する情報通信端末装置としては、スマートフォン、タブレット等の各種携帯情報通信端末装置が挙げられ、インターネットにアクセス可能な状況にある。情報通信端末装置にはＧＰＳ機能、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサが搭載されているため、緯度、経度、高度といった位置情報と時間、加速度情報、角速度情報、地磁気情報をネットワーク上にアップロードすることができる。このアップロード処理は使用者の意思により行ってもよいし、またアプリケーションにより自動化してもよい。

ここで、車載センサ情報は多種かつ多量であるため、転送装置、タクシードライバー用の情報通信端末装置にフィルタリング機能を持たせ、当該フィルタリング機能が必要な情報だけをタクシーサービス支援システムにアップロードするようにすることが望ましい。これにより、膨大な車載センサ情報のうち、不必要なものまでをアップロードしないで済む。

また、車種等に応じて、車載センサ情報の項目を特定するＩＤが異なる。そこで、転送装置又はタクシードライバー用の情報通信端末装置の何れかに変換部を備え、この変換部にＩＤと項目とを対応させるための情報、例えば参照テーブルを配備することにより、変換後の情報を、タクシーサービス支援システムにアップロードすることが望ましい。変換部は、デバイス的なものに限らず、アプリケーションソフトウェアでもよい。このようなソフトウェアはタクシーサービス支援システムからダウンロード可能とし、又は転送装置、情報通信端末装置に予め内蔵させていてもよい。これにより、車載センサ情報をシステム側から特定することができ、特定した一又は複数の項目を、タクシーサービス支援システムにアップロードすることができる。このような構成を採用することにより、車種が異なってもサービス支援システムにおいて、後述するようなデータマイニングの処理が可能となる。なお、車種等によるＩＤ等の相違を吸収する処理については、クラウド側で行ってもよい。

タクシーサービス支援システムには、このようなタクシー及びタクシードライバーからの情報の入力の他に、Ｗｅｂ上の各種Ｗｅｂ情報が入力される。Ｗｅｂ情報としては、公共交通情報、天気情報、催し情報（イベント情報）などがある。

タクシーサービス支援システムがネットワーク中に構築されていることにより、データ通信を用いて、例えば公衆回線を経由して、タクシーサービス支援システムにアップロードすることができる。

このように、タクシーから情報発信するタクシーによる車載センサ情報を、各タクシー間でインターネット上のサーバによる処理、すなわちクラウド処理を用いて共有することができる。

インターネット上のサーバ、所謂クラウドでは、情報収集プラットフォームと分析プラットフォームにより、タクシー乗車の増加が見込まれるイベントが発生しそうなロケーションを求め、ロケーション毎に乗車人数（量）、現在地からの到達時間を求める。そのため、サーバでは、例えばセンサからの検出信号のようなデータのみでなく、本サービスのシステムの運用を重ねるたびに多種多量な蓄積されたデータを統計分析やパターン認識、機械学習、人工知能などの技術を用いることによって、そのデータ中に潜んでいる価値ある情報や知識を掘り出して需要予測するデータ処理技術（一般に、データマイニングと呼ばれている。）を用い、解析・評価を行う。

このようにして求まった結果を、タクシードライバー、タクシーユーザが使用する各自の情報通信端末装置に送信する。

〔システム構成〕
図２は、本発明の実施形態に係るタクシーサービス支援システムを用いたシステム構成図である。タクシーサービス支援システム（以下、単に「システム」という。）１は、タクシーに配備されている車載ネットワーク１０と、タクシードライバー及びタクシーユーザがそれぞれ使用する各情報通信端末装置２１，２５と、に接続され、タクシードライバー及びタクシーユーザに各種情報を送受信する。

車載ネットワーク１０は、システム１に対して、車載ネットワーク１０に接続される外部接続端子１１と、外部接続端子１１に接続される転送装置１２と、情報通信端末装置２１とを経由して接続される。外部接続端子１１には、例えばＯＢＤ（On Boarｄ Diagnosis System）II端子が挙げられるが、車載ネットワーク１０上の車載センサ情報を外部に取り出すことができれば別の端子でもよい。また、転送装置１２は、無線でも有線でもその組み合わせでもよい。ここで、外部接続端子１１から無線で情報通信端末装置２１に送信する形態のみならず、外部接続端子１１からＵＳＢケーブルなどの有線で情報通信端末装置２１に接続することにより有線にて送信する形態であってもよい。このように有線で接続することにより、データの送受信のみならず給電をするのに用いてもよい。その際、情報通信端末装置２１のクレードルを用いてもよい。クレードルとは、タブレットなどの端末を固定すると共に充電、データ通信を行う手段である。

車載ネットワーク１０は、自動車の組立製造時に構築されるネットだけでなく、タクシー会社の意向で後付けしたネットと組み合わせてもよい。また、車両インストルメントパネル等に設置されているカーナビゲーションシステムからのデータについてもシステム１に対して接続するようにしてもよい。

このようにシステム１が外部と接続されることにより、タクシー及びタクシードライバーは、タクシーに搭載されている車載センサ情報をシステム１にリアルタイムにアップロードすることができる。タクシードライバーは、情報通信端末装置２１から各種データや情報を入力することにより、システム１にアップロードすることができる。一方、タクシードライバーは、情報通信端末装置２１を用いてシステム１からデータや情報を入手することができる。

図３は、タクシーサービス支援システム１の構成図である。タクシーサービス支援システム１は、公衆のネットワークに接続可能に、各種の機能が分散して配備されて構築される。

タクシーサービス支援システム１は、タクシーセンサ情報収集部３１、乗客位置情報収集部３２、ウェブ情報収集部３３及び情報解析部３４を備えており、ドライバー向け情報提供部３５、乗客向け情報提供部３６、タクシー情報端末アプリケーション部３７及び乗客情報端末アプリケーション部３８の何れか又は複数の各部を備えていることが望ましい。

タクシーセンサ情報収集部３１は、車載ネットワーク１０から送信された車載センサ情報その他の各種情報を収集する。収集される情報としては、第１に、自動車に装着された各種センサからセンサデータがありドライブやパーキングなどのドライブモード、ドアの開閉、速度、方向指示器、アクセル、ブレーキ操作、ワイパー動作、四輪のそれぞれの回転数などが挙げられる。第２に、タクシードライバーが使用する情報通信端末装置２１で取得した情報それ自体であって、ＧＳＰセンサから取得した位置情報、地磁気センサから取得した方位などが挙げられる。タクシー情報収集部３１は、車載ネットワーク１０から外部接続端子１１を経由して有線や無線で転送される車載センサ情報を収集する。

タクシーセンサ情報収集部３１には、タクシードライバー毎又はタクシー毎に、ＩＤ番号、タクシーの位置情報など各種データがアップロードされるため、車載センサ情報からタクシーの状況を把握することができる。既に述べたように、情報通信端末装置２１にアプリケーションとしてダウンロードされている参照テーブルやフィルタリング機能などを用いて必要な車載センサ情報だけがアップロードされるようにすることが望ましい。

このような参照テーブルなどが情報通信端末装置２１にダウンロードされていない場合には、変換データベースを有した変換部３１ａが、タクシー情報収集部３１の入力側に設けられてもよいし、タクシー情報収集部３１が参照可能に設けられてもよい。これにより、タクシーの製造会社、型式等による違いを吸収する。なぜなら、タクシーの製造会社、型式に応じて、割り当てのＩＤ番号、入力される各データ項目の定義付けの一方又は双方が異なっていることが多いからである。フィルタリング機能についても、タクシー側や情報通信端末装置２１側ではなく、システム１側に設けてもよい。

タクシーの状況としては、タクシーのＧＰＳ情報、タクシーの車載センサ情報として、車速、方向指示器、ドアの開閉、タクシーの車体に加わる荷重など各種情報があることから、タクシー乗車人数、乗車時間、顧客数、顧客乗車位置及び時間、顧客下車位置及び時間等を把握することができる。

車載ネットワーク１０上の車載センサ情報は、外部接続端子１１から転送装置１２を経由して、Bluetooth（登録商標）、ＷｉＦｉなどの近距離無線通信技術によりタブレット、スマートフォンなどの情報通信端末装置２１をさらに経由してタクシーセンサ情報収集部３１に送信される。

タクシーセンサ情報収集部３１にデータを含めた情報を収集する際、予め転送装置１２又は情報通信端末装置２１にダウンロードしたプログラムが実行されたり、変換部３１ａにて変換処理されたりすることにより、車両毎に異なるＣＡＮのＩＤアサインデータベースをデータ変換する。このような事前処理を行うことによりデータマイニングをすることが可能となる。

乗客位置情報収集部３２は、タクシードライバーが使用する情報端末装置２１から送信された、タクシーの運行に関する情報を収集する。タクシーの運行に関する情報には、乗客の位置情報などが含まれる。営業成績の良いタクシードライバーが、情報通信端末装置２１を経由して、顧客に関する情報として、新たな待機場所に関する情報、流す場所に関する情報、顧客が待機している状況に関する情報、その他のタクシードライバー個人の仕事上の情報、を入力してシステム１にアップロードすることにより収集することが可能となる。これにより、営業成績の良くないタクシードライバーに、有益な情報を提供することができる。これを実現するためには、営業成績の良いタクシードライバーへ情報提供料を支払うようにすることが望ましい。

ウェブ情報収集部３３は、公共交通情報、催し情報、緊急情報その他のウェブ情報を収集する。インターネット上にある気象情報、お祭り、展示会などのイベント情報、渋滞情報をクラウドで処理を行い、効率的で最適な配車情報を提供する。ここでのウェブ情報により、乗客位置についての分散化を図り、一か所への集中などを避けることができる。

例えば、ウェブ情報収集部３３には、Ｗｅｂから、気温、湿度、気圧を含めた天気状況に関するデータ、鉄道運行状況などの他の交通機関の状況に関するデータ、イベント情報を取り込むこともできる。よって、情報解析部３４は、これらのウェブ情報を加味して、タクシーユーザの乗車予測をすることができる。

情報解析部３４は、タクシーセンサ情報収集部３１、乗客位置情報収集部３２、ウェブ情報収集部３３から各種情報を蓄積し、蓄積した各種情報を基にしてタクシー乗車が見込まれるロケーションなどを求める。

情報解析部３４では、タクシーセンサ情報収集部３１、乗客位置情報収集部３２、ウェブ情報収集部３３のうち少なくとも一つ以上の収集部から各種情報を取り込み、必要に応じて前処理を行ってデータ変換を行って、データマイニングを行う。そして、例えば、タクシーが顧客を乗車させた位置、エリアを基準にして、各位置・エリア毎に各タクシーからの乗車確率を算出し、気象状況、他の交通機関の状況、時間など乗車との因果関係にある項目で解析を行う。そして、乗車予測位置又は乗車位置エリアを時間単位で予測して解析し評価を行う。このようにして、タクシー乗車が見込まれるロケーションを予測する。このようにして、或る時間帯での乗車確率が閾値を超えていれば、当該ロケーションを求めることができる。

このような解析を行う際には、オープンソース、市販のデータ解析ソフト、データマイニング専用のソフトウェアを利用して、データマイニングの機械学習など様々なアルゴリズムを用いることができる。

ドライバー向け情報提供部３５は、情報解析部３４より求めた当該ロケーションと各タクシーの現在位置とから、マップ情報を参照して、ドライバー向けの需要を予測する。トライバー向け情報提供部３５は、必要に応じてＷｅｂ情報収集部３３からマップ情報を入手する。そのマップ情報には道路情報が含まれている。その道路情報には、例えば駅前のタクシー乗車位置の情報も含まれている。各タクシーの現在位置から、タクシー会社が違っても情報を共有し合う会員メンバーの他のタクシーの数がエリア毎に把握できる。これらに基づいてドライバー向けの需要を予測する。例えば駅前のエリア毎での、タクシー乗車の見込みがあるか、見込みが有る場合には見込み台数を予測する。

乗客向け情報提供部３６は、情報解析部３４により求めた当該ロケーションから、タクシーユーザに提供する情報であって空車のタクシーの所在に関する情報を求める。すなわち、情報解析部３４が求めたロケーションをベースに、タクシーユーザに対してどこら辺に行けば、送迎料金なしに乗車できるかを分析して、空車タクシーの存在エリアを求める。その際、タクシー乗車が見込まれるエリアが情報解析部３４により求まるので、マップ上の複数の任意の地点でのタクシー乗車の見込みエリアの確率を求めれば、タクシーユーザに対する情報も求めることができる。

タクシー情報端末アプリケーション部３７は、タクシードライバーが使用する情報通信端末装置２１からタクシードライバーの現在位置の入力を受けると、ドライバー向け情報提供部３５が求めた情報から、タクシードライバーの現在位置のエリアに近い一又は複数のエリアに関する情報を抽出して、情報通信端末装置２１に送信する。これにより、タクシードライバーに、現在のタクシードライバーの位置からどのエリアに向けてタクシーを走行すれば、タクシーユーザに遭遇するかに関する情報を提供することができる。

乗客情報端末アプリケーション部３８は、タクシーユーザが使用する情報通信端末装置２５からタクシーユーザの現在位置の入力を受けると、乗客向け情報提供部３６が求めた情報から、タクシーユーザの現在位置に近い一又は複数のエリアに関する情報を抽出して情報通信端末装置２５に送信する。これにより、タクシーユーザに、現在のユーザ位置から、タクシーに遭遇しそうなエリアに関する情報を提供することができる。

なお、タクシー情報端末アプリケーション部３７、乗客情報端末アプリケーション部３８は、システム１上のものであり、これに対応するアプリケーションプログラムが各利用者の情報通信端末装置２１，２５にダウンロードされていることが前提となる。そして、各情報通信端末装置２１，２５においてアプリケーションプログラムが実行されることにより、情報通信端末装置２１，２５のＧＳＰ位置情報の入力があると、タクシー情報端末アプリケーション部３７、乗客情報端末アプリケーション部３８が各処理を開始する。

このようなシステム構成とすることにより、顧客獲得数、営業成績の良いドライバーの情報、ノウハウを共有することで、ドライバー全体のボトムアップ、業務効率化を図ることができる。また、情報提供者へは、後述するような成功報酬制を採用すればモチベーションを図ることができる。

また、タクシードライバーの顧客獲得ノウハウと、Ｗｅｂ情報などとが連動することにより、クラウド上でデータマイニングして、スマートフォン、タブレット、カーナビなどの情報通信端末装置２１，２５に表示することができる。

システム１を次のように変更してもよい。乗客位置情報収集部３２は、タクシーユーザから情報通信端末装置２５を経由して、タクシーユーザが希望する乗車位置情報を収集するようにしてもよい。この場合、情報解析部３４は、乗客位置情報収集部３２が収集した乗車位置情報をも加味してタクシー乗車が見込まれるロケーションを求めることもできる。

システム１をこのように変更するために、一般のタクシーユーザに対しては、情報通信端末装置２５として無償のスマートフォン、タブレット向けアプリケーションプルグラムを提供する。このアプリケーションには、タクシーを利用したいときには自分のＧＰＳ情報の提供を許可し、クラウドを介して、個人情報を特定する項目を削除して自分の居場所に関する情報を提供することで、当該情報が、ネットワークを介して最寄りのタクシードライバーに提供され、最寄りのドライバーが自発的に向かう。これにより、迎車扱いによる別途迎車料金がユーザ負担となることを避けることができる。また、同時にユーザには最寄りのタクシーの居場所がわかり、自身のＧＰＳ情報を提供しなくてもタクシーを見つけることができる。

これにより、タクシードライバーとタクシーユーザの双方の利便性が向上する。すなわち、タクシーユーザは、タクシーがいる場所に向かうとともに、タクシーも個客が居る場所に集まってくるようになる。

また、システム１の構成によれば、情報解析部３４などでは、各部のデータ蓄積が進むにつれ、マイニングや機械学習による、需要予測、レコメンドの精度が高まる。その結果、ユーザが必要な時間、場所にタクシーを最適配置することができ、流し、つじまちの時間が軽減される。よって、タクシードライバーの勤務時間の最適配分による労働環境の改善、無駄なエンジン稼働が減りＣＯ₂削減、無駄な配車が減り渋滞緩和につながる。

次にタクシードライバーにとっての利点について説明する。タクシードライバーは、効率的に顧客を獲得することができる。特に営業成績の良いタクシードライバーは、比較的効率的に顧客を獲得するノウハウを得ているため、そのノウハウを用いて、配送中であっても、タクシー待ちのユーザに遭遇する。そのような場合には、情報通信端末装置２１を用いて、或る地点にタクシーユーザが存在するといった情報を顧客位置情報収集部３２にアップロードする。これにより情報解析部３４等の処理によりシステム１が他のタクシードライバーに有益な情報を提供した場合には、情報提供者には情報提供料を支払うようにする。さらに、他のタクシードライバーがそれにより他のタクシーユーザを得た場合には更に成功報酬を支払うようにする。このような料金体系とすることで、システム１をスムーズに機能させることができる。

営業成績の良いタクシードライバーは、効率的に顧客を獲得しても、乗車できる顧客は１件であるため、例えば顧客を乗せる際に他に何名待っているかを簡単な操作でシステム１に通知する。すると、システム１は、当該情報と、ＧＰＳにより他にそのタクシーの後に待っているタクシーの数をカウントし、供給可能台数を算出してスマートフォン、タブレット、カーナビなどの地図上に表示させることができる。タクシー乗り場等で沢山タクシーが集まっている場合は、それぞれの車のパーキングからドライブへの入り替えタイミングによる流動性の推測を行い、供給可能台数、ドライバーの待ち時間の予測など情報提供を行うこともできる。

このように価値のある情報提供を行うタクシードライバーは、情報を受けたドライバーの売り上げの一部を報酬として受け取る。従来からあるようなＷｅｂの成功報酬型ワンクリックと、課金メータとの連動を図ることにより、当該タクシードライバーの売り上げ料金に対して従量制を採用することもできる。

課金される側のタクシードライバーからは、情報通信端末装置２１を用いてタクシーセンサ情報として、ドアの開閉、ＰａｒｋｉｎｇからＤｒｉｖｉｎｇへの操作、方向指示器による左方向指示、顧客の乗車などの状態を、当該状態をキャッチするセンサにより検知され、これらのセンサ情報がタクシーセンサ情報収集部３１にアップロードされる。顧客の乗車などは、車体に取り付けた重量センサや加速度センサにより分かる。アップロードされた車載センサ情報から、情報を受けたドライバーで且つその後ある一定時間内に顧客を乗車させたエビデンス情報として利用することができる。

ところで、現在料金メータは別システムになっているが、このシステム１と課金システムとを統合することにより、情報提供したドライバーに料金を支払うことができる。これにより、インセンティブを自由に設定することも、顧客獲得のための情報予測の精度向上と効率化が図れる。

次に、タクシーユーザ及びタクシードライバーのそれぞれが使用する情報通信端末装置２１，２５に情報がどのように提供されるかについて説明する。

〔タクシーユーザへの情報の提供〕
タクシーユーザへの情報の提供の仕方について説明する。タクシーユーザの情報通信端末装置２５にはＧＰＳセンサが搭載されており、情報通信端末装置２５は、ＧＰＳセンサの所在の緯度及び経度などを測定して液晶画面にマップと共にマーカー等を付すことにより、マップ上の位置が示されている。このような状態で、タクシーユーザが、自己の情報通信端末装置２５に内蔵したアプリケーションプログラムを起動して乗客情報端末アプリケーション部３８にアクセスする。

すると、乗客情報端末アプリケーション部３８は、乗客向け情報提供部３６に対し、ユーザの位置情報と共に問い合わせ指令を送信する。その問い合わせ指令は、ユーザの位置の周辺においてタクシーが存在する一又は複数の領域と、領域にあるタクシーの台数に関する問い合わせである。

乗客向け情報提供部３６は、情報解析部３４と連携して、例えば、タクシーが存在するエリア毎に、タクシーが存在する台数が整理されて随時更新する。よって、乗客情報端末アプリケーション部３８からの上記問い合わせ指令を受けると、その指令と共に受信した位置情報から特定される範囲を選択し、当該範囲中のエリア毎のタクシー台数が、情報通信端末アプリケーション部３８に対して送信され、タクシーユーザの情報通信端末装置２５に送信される。

この送信を受けたタクシーユーザの情報通信端末装置２５には、表示されているマップ上に、タクシーが存在しているエリアと、エリア毎のタクシー台数が表示される。

図４（ａ）及び（ｂ）は、タクシーユーザの情報通信端末装置２５への情報提示の一例をそれぞれ示す図である。図４（ａ）に示すように、地図上に、オーバーレイでタクシーのアイコンと待機台数とを表示する。情報通信端末装置２５の画面に、選択した範囲が表示され、図４（ａ）に星マークやタクシーのアイコンで示す部分が「その範囲内での各エリア」を示し、台数が星マーク内に表示される。アイコン数を増やすことで台数を表示してもよい。

図４（ｂ）に示すように、地図上に、オーバーレイでタクシーのアイコンとその待機台数とを表示する。その際、待機台数の大きさに従って、タクシーの形状をしたアイコンのサイズを変更して表示してもよい。情報通信端末装置２５の画面に、選択した範囲が表示され、図４（ｂ）にタクシーのアイコンで示す部分が「その範囲内での各エリア」を示し、台数がアイコンに重ねて表示される。なお、図４（ａ），（ｂ）の何れも、道路やビル名、店名等は省略している。また、待機台数は１０台単位での概算数でもよい。

〔タクシードライバーへの情報の提供〕
次に、タクシードライバーへの情報の提示の仕方について説明する。タクシードライバーの情報通信端末装置２１にはＧＰＳセンサが搭載されており、情報通信端末装置２１は、ＧＰＳセンサの所在の緯度及び経度を測定して、液晶画面にマップと共にマーカーを付すことで、マップ上の位置が示される。このような状態で、タクシードライバーが、自己の情報通信端末装置２１に内蔵したアプリケーションプログラムを起動してタクシー情報端末アプリケーション部３７にアクセスする。

すると、タクシー情報端末アプリケーション部３７は、ドライバー向け情報提供部３５に対し、タクシードライバーの位置情報と共に問い合わせ指令を送信する。その問い合わせ指令は、タクシードライバーの位置の周辺において乗車が見込まれる一又は複数の領域と、見込み人数とに関する問い合わせである。

ドライバー向け情報提供部３５は、情報解析部３４と連携して、例えば、乗車が見込まれる領域毎に、見込み人数又はボリュームが整理されて、随時更新する。よって、タクシー情報端末アプリケーション部３７から上記問い合わせ指令を受けると、その指令と共に受信した位置情報から特定される範囲を選択し、当該範囲中の見込み領域（単に「見込みエリア」と呼んでもよい。）毎の見込み人数やボリュームが、タクシー情報端末アプリケーション部３７に対して送信される。

その際、ドライバー向け情報提供部３５は、タクシーの位置と見込み領域とから、タクシーが各見込み領域に到達に要する時間や、到達した後どの程度待つとタクシーユーザを載せて発車することができるかといった情報も、Ｗｅｂ情報、特に道路情報、混雑情報を加味して求めてもよい。これらの情報も、タクシー情報端末アプリケーション部３７に送信されてもよい。

タクシー端末情報アプリケーション部３７は、ドライバー向け情報提供部３５から送信された情報を取捨選択して、タクシードライバーの情報通信端末装置２１に送信する。すると、情報通信端末装置２１の液晶画面にはタクシードライバーが現にいるエリアのマップが表示されているので、そのマップ上に、タクシー乗車が見込まれる領域、人数、到達時間、待ち時間等が表示される。

図５（ａ）及び（ｂ）は、タクシードライバーの情報通信端末装置２１への情報提示の一例をそれぞれ示す図である。図５（ａ）に示すように、地図上に、オーバーレイで、円等のマークと、待ち人数、到達時間、待ち時間が表示される。特定の者には円等のマークだけでもよく、システムの会員に所属する者には待ち人数、到達時間、待ち時間も表示されてもよい。そして、タクシードライバーにより一つのマークが選択されると、図５（ｂ）に示すように、マークの領域を小さくし、エリアを特定し易くして、待ち時間、到達時間、待ち時間を表示するようにしてもよい。なお、図５（ａ），（ｂ）の何れも、道路やビル名、店名等は省略している。

このようにタクシードライバーに情報提供がなされ、タクシーがユーザを乗せてサービスの提供を開始したとき、次のような操作及び処理をすることにより、システム１に最新の情報をアップロードすることができる。顧客乗車時に、ＧＰＳでそのエリアでの滞在時間が自動計算される。またタクシードライバーによりタクシーを待っている顧客人数が入力されることにより、情報通信端末装置２１から、滞在時間と顧客人数とがシステム１にアップロードされる。また、タクシードライバーが自己の位置をシステム１にアップロードされ続けるようにする。すると、乗客位置情報収集部３２は、アップロードされた最新の情報により乗客位置情報を更新することができる。同じ会社のタクシー、この支援システムの会員間では、顧客の乗車時に自動で現在位置と待ち時間とをアップロードするようにしてもよい。

次に、このような情報提供者に対する恩恵について説明する。
自己の情報をシステム１に常にアップロードし、システム１から常に情報の提供を受けるような場合には、タクシードライバーには定額を支払う。当然ながら、情報の提供の質及び量に応じて額を変えてもよい。

システム１に対して情報を時々提供する場合には、成功報酬型を採用することもできる。他のタクシードライバーからシステム１にアクセスがあった際に、例えば、大きなサイズで見込みエリアを複数提示し、そのエリアでの待機台数、乗車回転率、現時点での顧客数などを表示している。ここで、乗車回数とは顧客乗車の間隔であり、パーキングモードからドライブモードに変更があったという情報、加速度センサの情報などの車載センサ情報から求められる値である。そして、これらの情報を受けたタクシードライバーが顧客を乗せたことに関しては、車載センサ情報やタクシードライバーが情報通信端末装置２１に入力してシステム１に通知する。これにより、システム１がタクシードライバーによる顧客のキャッチを把握することができるので、このエリアに関する情報を提供したタクシードライバーに、それ相応の料金を支払う。

このように、本発明の実施形態では、タクシードライバーやタクシーユーザをはじめ一般の人からも、タクシーサービス支援システムに対してタクシーの需要動向を把握するために必要な情報を提供してもらい、タクシーサービス支援システムが必要な情報とＷｅｂ情報や過去の経験などに基づいてタクシー需要を予測して、タクシードライバーやタクシーユーザに提供する。そして、タクシーの状況を車載センサ情報で入手することができ、タクシードライバー、タクシーユーザがそれぞれ使用する情報通信端末装置から現在の周りの状況についての情報がアップロードされる。そのため、タクシーサービス支援システムは、タクシードライバーが見込みエリアを選択して当該見込みエリアにおいてタクシーユーザをキャッチしたこと、又はタクシーユーザが見込みエリアからタクシーに乗車したことについても把握することができる。よって、タクシーサービス支援システム１の情報解析部３４に因果関係解析機能を設け、当該因果関係解析機能により情報提供者とタクシーサービスを提供した者又はタクシーサービスを受けた者との間に因果関係の有無を判断するようにしてもよい。情報解析部３４が因果関係有りと判断した場合には、情報提供者に対してポイントや料金面で各種の優遇を図ることができる。このように情報提供者に成功報酬を与えることにより、情報提供者には、有益な情報をシステムに送信するというインセンティブが働き、従来、個人プレーであったタクシードライバーに対して互恵や助け合いの精神が芽生え、このシステムによりタクシーサービスの支援の質が向上する。

以上説明したように、本発明のタクシーサービス支援システムによれば、タクシーユーザにはタクシーが居るエリアを提供し、タクシードライバーにはタクシーユーザの乗車見込みエリアが提供される。これにより、タクシーの需要と供給のミスマッチが解消し、タクシー乗車率の改善、渋滞緩和及びＣＯ₂排出量低減に寄与すると共に、タクシードライバーの労働環境を改善することができる。

本発明の実施形態は、上述した場合に限らず、社会環境の変化、情報通信技術の進歩に応じて適宜変更してもよい。また、情報解析部３４による解析手法については新しい手法を適宜用いてもよい。

情報解析部３４によるタクシーの需要予測については、現時点の解析結果だけではなく、過去に蓄積されたデータをデータマイニング技術を用いて、支援サービスを提供する日時や場所に応じて、これまでの実績からタクシー需要を見込むなどしてもよい。

１：タクシーサービス支援システム
１０：車載ネットワーク
１１：外部接続端子
１２：転送装置
２１，２５：情報通信端末装置
３１：タクシーセンサ情報収集部
３１ａ：変換部
３２：乗客位置情報収集部
３３：ウェブ情報収集部
３４：情報解析部
３５：ドライバー向け情報提供部
３６：乗客向け情報提供部
３７：タクシー情報端末アプリケーション部
３８：乗客情報端末アプリケーション部

Claims (5)

1. タクシーに配備されている車載ネットワークと、タクシードライバー及びタクシーユーザがそれぞれ使用する各情報通信端末装置と、に接続され、タクシードライバー及びタクシーユーザに対して各種情報を配信する、タクシーサービス支援システムにおいて、
   上記車載ネットワーク上の車載センサ情報その他の各種情報を収集するタクシー情報収集部と、
   タクシードライバーが使用する上記情報通信端末装置から送信された、乗客位置情報を含むタクシーの運行に関する情報を収集する乗客位置情報収集部と、
   交通情報、催し情報、緊急情報その他のウェブ情報を収集するウェブ情報収集部と、
   上記タクシー情報収集部、上記乗客位置情報収集部、上記ウェブ情報収集部から各種情報を蓄積し、蓄積した各種情報を基にしてタクシー乗車が見込まれるロケーションを求める情報解析部と、
   を備えることを特徴とする、タクシーサービス支援システム。
2. 前記情報解析部により求めた当該ロケーションと各タクシーの現在位置とから、マップ情報を参照して、ドライバー向けの需要を予測する、ドライバー向け情報提供部と、
   前記情報解析部により求めた当該ロケーションと各タクシーの現在位置とから、タクシーユーザへ提供する情報であってタクシーの所在に関する情報を求める、乗客向け情報提供部と、
   をさらに備える、請求項１に記載のタクシーサービス支援システム。
3. 前記乗客位置情報収集部は、タクシードライバーから前記情報通信端末装置を経由して、顧客に関する情報として、新たな待機場所に関する情報、流す場所に関する情報、顧客が待機している状況に関する情報、その他のタクシードライバー個人の仕事上の情報を収集する、請求項１に記載のタクシーサービス支援システム。
4. 前記ドライバー向け情報提供部は、ドライバー向けの需要として、タクシー乗車が見込まれるエリアと、当該エリアでの見込み乗車人数、タクシーの現在位置からの到達時間、到達後から乗車までの待ち時間の何れか一又は複数と、を求める、請求項２に記載のタクシーサービス支援システム。
5. 前記乗客位置情報収集部は、タクシーユーザから前記情報通信端末装置を経由して、タクシーユーザが希望する乗車位置情報を収集し、
   前記情報解析部は、前記乗客位置情報収集部が収集した、タクシーユーザが希望する乗車位置情報を加味してタクシー乗車が見込まれるロケーションを求める、請求項１に記載のタクシーサービス支援システム。