JP6176520B2 - 自律分散型交通情報提供システム及び交通情報提供方法 - Google Patents

自律分散型交通情報提供システム及び交通情報提供方法 Download PDF

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Description

本発明は、交通情報を車両の運転者等に提供する交通情報提供システムに関する。特に、都市交通における交通情報を提供し、運転者等に最適移動ルートを選択させる交通情報提供システムに関する。
昨今、車両内の検知機から得られる各種の情報(以下、プローブデータ)の活用が注目されている。プローブデータとは、一台一台の車両をセンサーとみなし、車両に搭載したプローブ車載器が、車両の位置、速度、その他の車両制御情報を車外の情報センターへモバイル通信によって送信するデータのことである。このプローブデータを収集し、道路交通システムに活用する方法が多数提案されている。例えば、特許文献1には、車載機からの計測情報の収集を交通状況やデータ収集メディアに応じて効率的に行えるプローブカーシステムが記載されている。また、特許文献2には、プローブデータや統計情報に基づいて、OD(Origin Destination)交通量を推定する交通状態シミュレーション装置が記載されている。
特開2004−227317号公報 特開2009−259158号公報
上記の特許文献1、2に記載の技術は、プローブデータを道路交通システム上に集積させることにより、より詳細な交通状況の把握、又はそれを応用した交通流の分析を目指したものであるが、現在の道路交通システムには以下のような課題が存在する。
現在の道路交通システムは、管理者(警察等)を中心とする、供給側での複雑なネットワーク上にいる利用者(車両)の動きを信号機等で全体的に「制御」する管制システムと、需要側である車両への情報提供による「誘導(緩やかな制御)」によって効率化を目指しており、主に供給側での管制が中心的な役割を果たしている。供給側が中心となった道路交通システムは、道路上に設置したセンサーからの音波や画像などで道路情報を収集し、道路上の信号機を制御することによって、全体最適(大域的最適化)を目指している。
しかしながら、このような供給側の中央管制システムでは、これ以上の全体最適を実現することは困難と考えられる。例えば、動的に変化する需要を反映した全体最適を実現するためには、膨大な量の計算を行う必要があり、現実的なサービスを提供することができない。全体を最適に計算するためには、予めすべての自動車の行き先や道路状態を把握する必要があり、既存路側センサーからの情報だけではなく、より細かな情報がないと実現できない。更に、より細かい情報の取得を行えばデータ処理能力の限界のため、狭い範囲での管制システムが乱立し、全体最適を実現できなくなる。また仮に、最適な経路を導出できてもそのルートに沿った行動をさせるためには、自動車を個別に制御する方法が必要になり、現時的には費用対効果の面から実現は難しい。
一方の需要側のTDM(Transportation Demand Management)と呼ばれる有効性が期待されるアプローチである流入規制、パークアンドライド(以下「P&R」と略す)、ライドシェア(相乗り)、カーシェアリング、ロードプライシングの導入などでは、需要側の情報が必要であるが、供給側からのプローブデータの情報だけでは実現できない。
既存の交通管制システムは、このように、中央でデータ収集して判断する「中央管制型」の制御方式で、信号機と情報提供で制御する交通システムであり、データ収集をプローブで代行しても、信号機や中央管制システムは削減できず、費用対効果の改善には限界がある。したがって、プローブデータを中心に据えた新しい交通システムのコンセプトは、中央管制型でなく、自律分散型の交通調整を基盤とした交通システムが有力な候補になる。
したがって、本発明では、上記のような課題に鑑み、プローブデータを中心に据えつつも、中央管制型でない自律分散型の新しい交通システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の自律分散型交通情報提供システムは、以下のような解決手段を提供する。
請求項1に記載の発明は、車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、前記道路交通再現サーバは、多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、前記出発予定日時までの間、所定時間ごとに繰り返し前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、を備え、前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする。
上記の構成によれば、自律分散型交通情報提供システム(以下、「本システム」と呼ぶ)において、車両の運転者、同乗者、車両の運行管理者(以下、「利用者」と呼ぶ)が所持する利用者端末から、出発地点、目的地点、出発予定日時又は到着希望日時、及び移動において優先したい優先条件を入力する。道路交通再現サーバは、多数のプローブカーからの位置情報を収集しており、道路リンクごとに現在の交通量を再現する。また、プローブデータの変化動向から近い将来(数時間〜数日後)の交通量を予測する。この予測には、利用者が利用者端末から入力した個別情報に基づいた移動予定経路の情報も反映される。再現された現在及び所定時間後(近い将来)の経路ごとの交通量、及び変化は、利用者の経路マップ上に再現されて利用者端末に提示される。利用者は、提示された情報を参照して最適な経路を自らの意志で選択する。本システムでは、利用者の判断のために必要な情報は提供するが、車両を制御・誘導したり、ルート案内したりすることはしない。
このようにすることで、従来のように中央集約型の交通管制システムではなく、利用者が各自の判断で最適ルートを選択し、選択した結果を本システムに送信することで、本システムは、その選択結果を交通量の予測に反映させ、更に、その更新された予測交通量を利用者にフィードバックする、利用者は、更にその更新された結果を見て判断材料にする、といったことを繰り返す。このようなサイクルを多数の利用者が行うようになることで、部分最適から全体最適につながるような自律分散型の交通情報提供システムを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、前記道路交通再現サーバは、多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、目的地以外の目的である特定の施設やスポットのこだわり条件の変化を前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、を備え、前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、前記道路交通再現サーバは、多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、前記利用者によって移動経路が取り消された場合に、前記取り消された移動経路の情報を前記交通量の予測に反映させ、前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、を備え、前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明において、前記再現交通情報提示部が提示する経路情報は、鉄道、バス、パークアンドライド、カーシェアリングを含む他の移動手段を利用した場合の経路情報を含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、移動経路を自己の車両による移動手段だけに限定せず、鉄道、バス(定期便バス又はデマンドバス)、パークアンドライド(以下、「P&R」と呼ぶ)、カーシェアリングなど他の交通移動手段の情報も提供できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明において、前記個別情報収集部は、利用者の車両の利用形態別に入力画面を構成することを特徴とする。
上記の構成によれば、利用者の車利用の利用形態に合わせて個別情報の入力画面を構成するので、利用者の入力負担を減少させ、より多くの利用者から個別情報を取得することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載の発明において、前記個別情報の前記優先条件は、移動経路上の施設又はスポットに関する条件を含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、経路自体の情報だけでなく、経路上の施設、スポットに関する情報もネット上の外部のサイトから双方向で取得して提供できるので、様々な利用者の移動目的に応えることができる。
請求項7に記載の発明は、車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムにおける交通情報提供方法であって、前記道路交通再現サーバが、多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するステップと、前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して個別情報DBに格納するステップと、道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納するステップと、前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現するステップと、前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出するステップと、前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者の経路マップに表示し、前記出発予定日時までの間、所定時間ごとに繰り返し前記利用者端末に提示するステップと、前記提示された情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映するステップと、を実行することを特徴とする。
上記請求項7の発明は、請求項1に記載の自律分散型交通情報提供システムを、コンピュータシステムが実行する交通情報提供方法の発明と捉えたものであり、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏する。
本発明によれば、プローブデータを中心に据えつつ、中央管制型ではない利用者の自律的な選択に基づく自律分散型の交通情報提供システムを構築することができる。
本発明が目指す新しい自律分散型交通情報提供システムの基本概念を示す図である。 本発明の自律分散型交通情報提供システムの一実施形態として、中核となる道路交通再現サーバ200の機能ブロックを示す図である。 本発明の一実施形態における道路交通再現サーバ200の基本的な処理の流れを示す図である。 再現交通情報の提示画面の一例を示す図である。 再現交通情報の提示画面の別の例を示す図である。 個別情報入力画面の一例(例1)を示す図である。 再現交通情報の提示画面の別の一例を示す図である。 個別情報入力画面の別の例(例2)を示す図である。 個別情報入力画面の更に別の例(例3)を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。また、機能ブロック間の矢印は、データの流れの方向を表している。
図1は、本発明が目指す新しい都市交通システム(自律分散型交通情報提供システム)の基本概念を示す図である。自律分散型交通情報提供システムの背景には、交通行動は分散型協調問題が背景にあるため、個々人が全体を知った上で最適な状況判断(部分最適)をし、それを全体に反映させることで全体最適化がされると考える。また、個々人は状況に応じて、個々人が許容できる範囲での利他的行動をすることで全体の効率性が更に上がることが考えられる。
そのために、自律分散型交通情報提供システムは、個々人に下記のような選択手段を提供する。
1)最適ルートの選択:スマートフォンなどの高機能かつ簡易端末を通じた個々人にとっての最適な交通ルート(運転方法)の選択
2)最適な交通手段の選択:パークアンドライド、デマンドバス、カーシェアリング、マルチモーダルナビ等の選択
3)交通行動の転換:出発時間の変更、ライドシェア等の選択
そして、自発的な行動(個別選択)を支えるために、自律分散型交通情報提供システムは、下記のような情報を提供する。
1)収集したプローブデータに基づいて現状の道路交通の状態を再現することで、道路交通情報として提供する。
2)個々人の選択などを反映し、未来の交通状況を予測し、現状の交通情報へフィードバックする。
図2は、本発明の自律分散型交通情報提供システムの一実施形態として、中核となる道路交通再現サーバ200の機能ブロックを示す図である。
本実施形態の自律分散型交通情報提供システムは、プローブを搭載したプローブカー100と、プローブカーの利用者(運転者、同乗者、運行管理者)が所持する利用者端末110とが、道路交通再現サーバ200と主にモバイルネットワークで接続される。更に、道路交通再現サーバ200は、道路管理者側が提供する道路管理情報システム300、鉄道・バスなどの公共交通機関の運行情報を提供する公共交通機関情報提供システム310、カーシェアリングシステムの利用可能情報を提供するカーシェア情報提供システム320、パークアンドライド(P&R)の情報を提供するP&R情報提供システム330、及びその他旅行関係の情報サイト等、ネットワーク上の様々な外部のシステムと接続される。
プローブカー100からは、主に車両の時々刻々の位置情報が道路交通再現サーバ200に自動的に送信され、現在及び近い将来の道路交通量把握のため活用される。車両内の検知器を備えていない車両であっても利用者が携帯するGPS機能付のスマートフォン等で車両の位置情報を代用させてもよい。
利用者端末110は、主に車両の運転者又は同乗者が操作する端末であって、カーナビ(車載型又はモバイル型いずれであってもよい)、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PC(Personal Computer)、業務用専用端末など、本システムとモバイルネットワーク接続が可能であれば任意の端末であってよい。ただし、利用者端末110は、タッチボタン、音声入力等の大多数の人間が情報を簡単に入力できるように、可能な限り簡便な入力手段を備えるものが好ましい。なお、PCは、デスクトップ型であってもよく、自宅等でデータを入力して、別途モバイル端末と連携できるものであればよい。
利用者は、これらの利用者端末110から、自己の車両の移動に関する情報(以下、「個別情報」と呼ぶ)を送信し、プローブデータ及び個別情報に基づいて再現された交通情報の提供を受けて、提供された再現交通情報を参照して、自己の目的への経路の選択や出発時刻の選択等(以下、「個別選択」と呼ぶ)を自己の判断で行うものとする。利用者端末110は、必ずしも利用者が携帯したり、車両に同乗させたりする必要はない。例えば、車両に乗車する前であっても、自宅等から個別情報を入力してもよい。個別情報は、後述するように、出発地点、目的地点、経由地、出発予定日時、到着予定日時等の基本データと、それらに関連する優先条件等を入力する。
図示するように、道路交通再現サーバ200は、内部の機能ブロック構成として、主に、プローブデータ収集部201、個別情報収集部202、道路管理情報取得部203、交通情報再現部204、交通情報変化検出部205、再現交通情報提示部206、及び外部情報取得部207から構成され、主なデータベース(DB)として、プローブデータDB210,個別情報DB220,道路マップDB230、及び再現交通情報DB240を備えている。
プローブデータ収集部201は、プローブカーの車種、現在の位置情報、及び必要であれば、速度、加速度等のデータを取得し、日時情報と共に、プローブデータDB210に逐次格納していく。収集されたプローブデータは一定期間保存されて交通情報解析のために利用される。各車両の位置情報及び速度は、道路上にマップされ(道路上の位置に対応させて)、その道路の交通量が求められる。車種は、燃費の計算や車幅等の判断のために用いられる。
個別情報収集部202は、利用者端末110から、利用者の個別情報(利用者入力データ)を受け付け、個別情報DB220に格納する。ここで利用者が入力するデータは、出発地点、目的地点、出発予定日時、到着希望日時、優先条件、その他条件等、出発地点から目的地点までの移動ルートに関する様々な情報である。
道路管理情報取得部203は、道路管理者等が提供する道路管理情報システム300から、道路管理情報(道路センサー側から取得できる渋滞情報、有料道路の料金情報、工事情報、事故情報、道路幅・車線等の情報)を取得して、道路マップと対応付けて、後述の道路マップDB230に格納する。
交通情報再現部204は、プローブデータDB210,個別情報DB220,道路マップDB230に格納された情報に基づいて、対象とする地域における交通情報を日時情報とともに、道路リンク(交差点間の道路)ごとに再現して再現交通情報DB240に格納する。VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)等、既存の道路交通情報システムから情報が得られる道路については、それら情報も再現交通情報DB240に含めてもよい。また、将来の予測のために過去の日時の統計情報を含めてもよい。
更に交通情報再現部204は、現時点での交通量だけでなく、近い将来の交通量を、多数のプローブデータの動向、及び利用者の個別情報の入力データから予測することができる。プローブデータから、道路リンクにおける過去及び現時点の車両の台数と、その変化率から交通量の予測をすることができるが、更に利用者端末110から個別選択された経路のデータを予測値に加える。例えば、ある道路リンクにおける1時間後の車両の台数は、この道路リンクに隣接されたリンクの車両の台数、及びその道路リンクへの通行を希望する(経路選択した)車両台数から求められる。道路リンク情報及び車両の現在及び予測位置情報から、交通量を予測する方法については、既存の公知技術(例えば、特開2003−208698、特開2005−377606等)を利用するものとし、本明細書では具体的な説明は省略する。
交通情報変化検出部205は、各道路リンクにおける所定時間ごとの交通量の変化を検出し、その変化率を算出する。すなわち、道路リンクごとの現時点での交通量と予測交通量から、所定時間間隔ごとの交通量の変化を変化率として求め、その道路リンクが更に混雑する方向に向かっているのか、混雑が緩和される方向に向かっているのかを検知し、利用者に提供することを目的としている。このことによって、例えば、単に「渋滞○キロ」とか「渋滞通過時間○分」のように、渋滞の量を知らせるだけでなく、自分がこれから向かうおうとする道路の渋滞が解消する方向に向かっているのか、更に増大する方向に向かっているのかを利用者に事前に知らせることができ、利用者が個別選択する際の有力な判断材料とすることができる。
再現交通情報提示部206は、再現交通情報DB240に格納された道路リンクごとの交通量から、利用者のごとの経路マップ上に再現して、利用者端末110に送信する。ここで、「経路マップ」とは、出発地点から目的地点までルートに関するマップであり、カーナビのように車の進行と共に常に表示が変化していく道路マップではなく、目的地までのルートをより視覚的・直感的に表現した、図形、シンボル及び音声等を含む簡易的なマップである。更に、再現交通情報提示部206は、利用者端末110に対して、交通情報変化検出部205が算出した変化率の情報を送信して提示する。ここで提示される交通情報は、車で移動できる道路情報だけではなく、出発地点から目的地点に到達することが可能な他の代替交通手段(電車、バス、タクシー等の情報)も提示される。具体的に提示される表示画面については後述する。
外部情報取得部207は、公共交通機関情報提供システム310から、鉄道、バス等の公共交通機関の運行スケジュール、各区間の移動時間、料金、乗換に必要な時間等を取得することができるものとする。また、カーシェア情報提供システム320、P&R情報提供システム330等のネットワーク上の外部システム又は外部サイトからも利用者の求めに応じて必要な情報を取得することができ、取得した情報を再現交通情報提示部206へ受け渡す。
道路マップDB230は、デジタル道路データベースであり、例えば、(財)日本デジタル道路地図協会が作成しているDRM(Digital Road Map)を利用する。既存の道路情報センターにおいては、このDRMのデータをベースにして、いくつかのDRMリンクが構成されている。DRMリンクは、主に道路幅が5.5m以上の基本道路を格納した基本DRMリンクと、3.0m以上〜5.5m未満の細道路のデータも含めた全DRMリンクがあるが、本システムでは、プローブデータを基に、道路側センサーが設置されていない道路も対象とすることができるため、後者を利用することが望ましい。
なお、道路マップDB230には、DRMだけでなく、道路管理情報システム300から、取得した道路の状態に関する情報、具体的には、各道路の現在及び一定期間の渋滞情報、事故情報、工事情報、有料道路の料金等の情報もDRMリンクに対応付けて、別途保管するものとする。
再現交通情報DB240は、交通情報再現部204によって道路リンクごとに再現された現在及び近い将来の予測交通量を格納するためのDBであり、このDBの内容が利用者端末110の求め又は自動・半自動的に、再現交通情報提示部206によって、編集され、利用者端末110に送信される。
上記の道路交通再現サーバ200の機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能部を更に分割したり、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成したりしてもよい。各機能部は、サーバ装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)またはハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
図3は、本発明の一実施形態における道路交通再現サーバ200の基本的な処理の流れを示す図である。
道路交通再現サーバ200のプローブデータ収集部201は、ステップS20において、独立プロセスとして、常に交信可能なプローブカーすべてからのプローブデータを収集している。
利用者は、まず利用者端末110から、所定のHPを開くか、又は専用アプリケーションボタンをタップするなどして、道路交通再現サーバ200とのアクセスを開始する(ステップS10)。アクセスが開始されると、所定の個別情報入力画面が表示され、出発地点、目的地点等の入力されたデータが道路交通再現サーバ200に送信される(ステップS11)。
道路交通再現サーバ200の個別情報収集部202は、ステップS21において、常に多数の利用者端末110から個別情報の収集を行っており、交通情報再現部204は、現在の交通情報を道路リンクごとに再現し、再現交通情報提示部206は、経路に関する選択肢と共に、利用者端末110に送信する(ステップS22)。利用者端末110では、受信した再現交通情報を画面に表示する(ステップS12)。
利用者は、表示された再現交通情報を見て個別選択の結果を送信する。個別選択とは、再現された交通情報の中の選択肢から利用者が自らの意志で選択した情報である。例えば、出発地点から目的地点までの経路の選択、その経路に伴う移動手段の選択等がある。なお、既に述べたように、ここでいう移動手段には、車以外の移動方法を含み、鉄道、バス、タクシー、シェアカー、P&R、徒歩などが含まれ、出発時刻の変更も含まれる。
道路交通再現サーバ200の交通情報再現部204は、個別選択を受信すると(ステップS23;Y)、ステップS24において、選択された情報を基に、利用者が選択した経路、及び予測される通過日時を予測し、再現交通情報DB240に反映する。すなわち、具体的には、選択された経路情報、日時情報を基に、通過予定の道路リンクごとに、通過予定の時間帯の車両台数をカウントアップする。利用者が経路を変更した場合には、該当する道路リンクのカウントを増減させる。
また、道路交通再現サーバ200の再現交通情報提示部206は、再通知条件を指定した端末があれば(ステップS25:Y)、その端末に対して、再通知条件が成立したかどうかを判断し、再通知条件が成立していれば、最新の再現交通情報を送信する(ステップS26)。例えば、利用者が1時間ごとに、最新の再現交通情報を求めていたとすると、1時間ごとの再現交通情報の送信を出発予定時間または到着希望時間までの間、繰り返す。道路交通再現サーバ200の各機能部は、以上のステップS21〜S26の処理を再帰的に繰り返す。
図4は、再現交通情報の提示画面の一例を示す図である。図の上段(a)には現在の道路状況を示した経路マップ400が、図の下段(b)には、道路交通再現サーバ200の交通情報再現部204が、プローブデータ及び多数の利用者が入力した個別情報を基にして予測した近い将来の道路状況を示す経路マップ410が表示されている。
図4の上段、下段とも図示するように、利用者が入力した出発地点10から目的地点20に至る複数の経路(ルート)が経路マップ上に表示され、渋滞している個所が表示される。目的地点までのルートに関係のない道路の情報は省略してもよい。ここでは、更に、優先条件(時間優先、距離優先、費用優先、走り易さ優先等)に最もマッチするルート情報401,411が表示される。優先条件ごとにランク付けしてルートを表示してもよい。
優先条件中の「費用優先」とは、単に有料道路の料金のみならず、プローブデータに含まれる車種から求められる燃費費用も含むものとする。また、「走り易さ優先」とは、車種から求められる車幅と道路管理者から得られる道幅のデータや、右折待ち時間の多い交差点のデータ等から、なるべくその車にとって走り易いルートを選択するものである。
また、図示するように、ルート情報401,411の各ルートには、それぞれの変化率が表示されている。例えば、図4上段(a)では、現時点では最も短い時間で行けるルートは、出発地点10からh−i−j−20を結ぶルートであるが、このときの変化率は+25%となっており、これは、これからこのルートの混雑度が増す方向に向かっていることを示している。一方、a−b−c−20を結ぶルートは、現在の変化率―10%となっており、これは、逆にこのルートの混雑度が緩和する方向に向かっていることを示している。図4下段(b)のように、○時間後の予測道路状況では、この変化率が示す通り、a−b−c−20を結ぶルートが最も短時間で行けるルートと予測されている。
時間優先とは異なり、距離優先、費用優先、走り易さ優先の場合では、一般的には変化率はゼロと考えられるが、ETC割引のような、曜日や時間帯によって料金が変動する場合や、時期、時間帯によって道路の走り易さが異なるような場合には、同様の仕組みが適用できる。
図5は、再現交通情報の提示画面の別の例を示す図である。この図では、現在の道路状況に加えて、近い将来の予測道路状況を別の方法で表示したものである。図の例では、利用者が現在の道路状況を見た上で判断し選択したルートが、太い矢印で示されている。また、そのルートを走行したと仮定した場合の利用者の車両の予測位置が★印で示されている。このように自己の選択したルートの近い将来における状況の変化を、時々刻々にビジュアルに表示することが可能なので、利用者にとって、ルート選択の判断がよりしやすくなる。もちろん、利用者は、この予測を見て先に選択したルートを変更することができる。
このように、道路交通再現サーバ200は、現時点での情報だけでなく近い将来の予測情報も提供して、利用者が出発時間に合わせて最も自分に適したルートを選択したり、あるいは出発時刻そのものを変更したりするための判断材料を提供する。なお、このような選択肢の中から利用者が実際に選んだルートは、本システムに送信され、再現交通情報DB240に格納されて、以降の予測に反映されることはいうまでもない。
図6は、個別情報入力画面の一例(例1)を示す図である。図示する個別情報入力画面500では、まず基本データ501として、出発地点、目的地点、出発予定日時、到着希望日時を指定する。出発地点、目的地点は、一度入力しておけば自動的に登録され、登録地ボタン501aを押すと登録地点一覧から選択することができる。出発予定日時を省略すると、現在の日時が指定されたものとする。到着希望日時は省略可能である。個別情報入力には、簡易音声入力手段を備えることが望ましい。例えば、登録地点であれば、「登録1」などと発声するだけで、出発地点又は登録地点が入力されるようにする。
優先条件502は、目的地点までのルートの道路状況を検索するための優先条件を指定する。図の例では、時間優先、距離優先、費用優先、走り易さ優先等、利用者が移動に際して優先したい条件を選択する。なお、「他の交通機関も含める」を選択すると、電車、バスなど他の移動手段の利用した場合の経路も選択肢に加えることができる。
再通知条件503は、目的地までのルートの道路状況を継続的に見たい場合等に、更新情報を通知する条件を予め指定しておくことができる。例えば、指定時間後に再度同じルートの状況を表示することや、指定した日時にその時点のルートの最新状況を表示することができる。道路状況は、刻一刻と変化するので、例えば、車で出かける数時間前に予定ルートの道路状況を確認しておき、実際に車に乗って出発する直前に再度状況を確認したいような場合に便利である。利用者端末110が、スマートフォンや携帯電話の場合には、車に乗る前に予め検索しておき、その端末を車に持ちこむことで検索を車内でも繰り返すことが容易である。あるいは、デスクトップPCの大きな画面で入力した検索条件等をネット上の専用スペースに保存しておき、保存された検索条件等を車内でスマートフォンやカーナビ等から読み出すようにしてもよい。なお、再通知の場合に限らないが、利用者は、一度選択したルートをいつでも取り消すことが可能である。もちろん、取り消されたルートの情報は、交通情報の再現予測にも反映される。
再通知条件503の「変化率指定」とは、ある状況が変化したとき、その変化率が指定した値以上になったときのみに変化後の結果を表示させるための機能である。例えば、選択したルートの混雑度(移動予想時間)が交通状況の変化により20%以上変化したとき、あるいはその変化が予想されるときのみ、そのルートの道路状況を再度、利用者端末110に自動的に通知する。このような機能をもたせることで、例えば、出発時には混雑していないルートを選んだつもりであっても、その後、状況変化があった場合、そのことを早期に知らせることができる。
図7は、再現交通情報の提示画面の別の一例を示す図である。この図は、再現交通情報の提示画面に、自己の車での移動経路だけでなく、他の交通機関を利用した場合の移動経路を重ねて表示した例である。ここでは、図4の下段(b)に示したような未来の再現道路状況は省略している。図7では、図示するように、鉄道の路線30が経路マップ420上に表示され、出発地点10と目的地点20に最も近い、或いは最も利便性が高いB駅、C駅が表示されている。また、B駅まではP&Rで移動する際の、B駅に近いA駐車場の位置も表示されている。また、バスでB駅まで移動する際の、出発地点10近辺のバス停留所Dも表示されている。
他の交通機関情報430には、図示するように、他の交通手段(徒歩、カーシェアリング、ライドシェア、タクシーを含む)を利用した場合のそれぞれの移動時間及び移動費用が同時に表示できる。図の例では、費用優先の場合と時間優先の場合とが同時に表示されている。このようにすることで、利用者は、自分の車での移動だけにこだわらずとも、他の代替移動手段の中から最適な手段を自発的に選択することができる。
図8は、個別情報入力画面の別の例(例2)を示す図である。個別情報入力画面510は、通勤や通学等の移動で、経路選択や時間選択の自由度が少ない利用者のための入力画面の一例を示している。
基本データ511での出発地点、目的地点の指定は、図6の場合と同様である。しかし、出発予定時刻又は到着希望時刻には、曜日ボタン511aが用意され、曜日ごとにそれぞれ時刻が指定できる点が図6の場合と異なる。通勤や通学の場合は、毎日同じ時間に目的地点に到着するようにすることが普通であるが、勤務先や大学などの都合で、日によって始業時間が異なる場合や、季節により(サマータイムなど)出社時間が異なる場合も考えられるので、曜日、場合によっては月ごとに異なる出発予定時刻又は到着希望時刻を指定することを可能にする。図の基本データ511の例では、毎週月曜日に朝礼があるため、他の曜日よりも15分早く出社するように設定した場合を示している。
優先条件512は、図6の場合と基本的には同様であるが、通勤等では、移動手段の選択自由度は大きくないため、普段、車で走っているルートの混雑度の変化率が通常の曜日に比べ、再通知条件で指定した割合以上になったときのみ鉄道など他の交通機関の情報を提示するように設定することができる。このようにすることで、本システムが不要な検索をすることを少なくすることができる。
再通知条件513の指定項目は、図6の場合と同様であるが、指定日時を通勤等の開始時刻に合わせて設定しておくことが好ましい。普段通り慣れたルートでも突然予想外の渋滞が発生することがあるからである。なお、変化率指定は、自分の通勤時間の余裕度に合わせて自己責任で設定しておく。
上記の個別情報入力画面510は、通勤・通学に車を利用する利用者の場合を説明したが、業務で定常的に車を使用する利用者にとっても基本的には同様である。本システムでは、利用者の車の利用形態ごとに個別の入力画面を提供するものとする。例えば、レジャー用、通勤・通学用、業務用、趣味用などの入力画面を別々に用意しておき、ユーザが更にカスタマイズできるようにしてもよい。
また、バスやトラック等定期便の車両の運転者等、選択の余地がまったくない利用者であっても入力が負担にならないようなユーザインターフェースを備えることが望ましい。例えば、運転者が利用者端末110(この場合は、業務用の専用端末であってもよい)の所定のボタンをタッチするか、端末に向かって、「通常どおり」と音声で発するだけで、通常運行のルート、運行スケジュールが本システムに自動的に送信されるようにする。或いは、事故や天災などで、通常とは異なる経路を走行せざるを得ないような場合のみ、端末からの入力を求めるようにしてもよい。当然、この入力は、運転者ではなく管理者が行ってもよい。
本システムが近い将来の道路状況を予測して再現するためには、プローブデータに加え、多数の個別情報の入力データが必要であるが、車を利用するのは、連休前後等の特別の期間を除けば、業務利用が最も多いと考えられるので、これらの利用者の情報をできるだけ簡単に入力できる工夫を備えることが重要である。
図9は、個別情報入力画面の更に別の例(例3)を示す図である。個別情報入力画面520は、図6や図8の場合のように目的地点が明確な場合と違って、目的地自体は漠然としており、それ以外の目的(こだわり条件)を優先する利用者のために用意された入力画面である。目的地以外の目的とは、目的地はある程度幅があり、ぶらり旅、ドライブ、写真撮影、食べ歩き、名所めぐり等のように特定の施設やスポットが目的の移動である。図の例では、ルート途中に温泉があるルートをこだわり条件として指定している。
そのため、この場合の再通知条件の「変化率」は、今までのように道路状態の変化ではなく、こだわり条件の対象そのものに変化があった場合のみと指定するようなこともできる。例えば、こだわり条件で指定した温泉宿が休業や廃止となったような場合にのみ通知するように設定することができる。このような交通手段以外の情報であっても、ネット上の既存の様々な情報提供サイト(旅行、観光情報提供サイト等)を本システムと連動させることで、実現は可能である。このように交通情報以外の情報を提供する目的は、このことによって利用者が増え、利用者が増えれば増えるほど本システムが提供する再現道路情報の信頼度が上がり、そのことによって更に利用者が更に増えるといった好循環を期待するからである。
このように、本発明の自律分散型交通情報提供システムは、プローブカーの普及、スマートフォンやタブレット端末など高機能でかつ入力が容易な端末の進化・普及を見据え、また、ネット上に提供される様々な情報提供サイトを活用し、都市交通の交通量の調整を中央集約型の制御ではなく、交通情報は提供しつつも最終的な移動経路等の選択は利用者にまかせ、利用者が選択した部分最適を、全体最適へとつなげる自律分散型の交通システムを実現するものである。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 プローブカー
110 利用者端末
200 道路交通再現サーバ
201 プローブデータ収集部
202 個別情報収集部
203 道路管理情報取得部
204 交通情報再現部
205 交通情報変化検出部
206 再現交通情報提示部
207 外部情報取得部
210 プローブデータDB
220 個別情報DB
230 道路マップDB
240 再現交通情報DB
300 道路管理情報システム
310 公共交通機関情報提供システム
320 カーシェア情報提供システム
330 パークアンドライド(P&R)情報提供システム
400,410,420、430,440,450 経路マップ
401,411 ルート情報
430 他の交通機関情報
500,510,520 個別情報入力画面
501,502、523 基本データ
502,512、522 優先条件
503,513,523 再通知条件

Claims (7)

  1. 車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、
    前記道路交通再現サーバは、
    多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、
    前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、
    道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、
    前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、
    前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、
    前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、前記出発予定日時までの間、所定時間ごとに繰り返し前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、
    を備え、
    前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする自律分散型交通情報提供システム。
  2. 車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、
    前記道路交通再現サーバは、
    多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、
    前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、
    道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、
    前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、
    前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、
    前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、目的地以外の目的である特定の施設やスポットのこだわり条件の変化を前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、
    を備え、
    前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする自律分散型交通情報提供システム。
  3. 車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムであって、
    前記道路交通再現サーバは、
    多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するプローブデータ収集部と、
    前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して前記個別情報DBに格納する個別情報収集部と、
    道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納する道路情報取得部と、
    前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現する交通情報再現部と、
    前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出する交通情報変化検出部と、
    前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記移動経路における前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者ごとの経路マップに表示し、前記利用者によって移動経路が取り消された場合に、前記取り消された移動経路の情報を前記交通量の予測に反映させ、前記利用者端末に提示する再現交通情報提示部と、
    を備え、
    前記交通情報再現部が提示した情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映することを特徴とする自律分散型交通情報提供システム。
  4. 前記再現交通情報提示部が提示する経路情報は、鉄道、バス、パークアンドライド、カーシェアリングを含む他の移動手段を利用した場合の経路情報を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の自律分散型交通情報提供システム。
  5. 前記個別情報収集部は、利用者の車両の利用形態別に入力画面を構成することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の自律分散型交通情報提供システム。
  6. 前記個別情報の前記優先条件は、移動経路上の施設又はスポットに関する条件を含むことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の自律分散型交通情報提供システム。
  7. 車両の運転者又は同乗者が操作する利用者端末と、前記利用者端末に道路交通情報を提供する道路交通再現サーバとがモバイルネットワークで接続された自律分散型交通情報提供システムにおける交通情報提供方法であって、
    前記道路交通再現サーバが、
    多数の車両から、当該車両の位置情報、速度情報を含むプローブデータを収集して道路上の位置に対応させてプローブデータDBに格納するステップと、
    前記利用者端末から、当該車両の出発地点、目的地点、出発予定日時、及び移動経路に関する優先条件を含む個別情報を収集して個別情報DBに格納するステップと、
    道路管理者側が提供する道路管理情報システムから、道路管理情報を取得し、道路マップDBに格納するステップと、
    前記道路マップDBと、前記プローブデータDBと、前記個別情報DBとに基づいて、当該車両の移動経路に対する現在及び数時間から数日後の近い将来を含む所定時間後の交通量を予測して道路リンクごとに再現するステップと、
    前記現在の交通量と前記所定時間後の交通量との変化を検出するステップと、
    前記車両の移動経路に対する経路情報と、前記所定時間後の交通量及び利用者の車両の1又は複数時点での予測位置と、前記交通量の変化とを含む情報を利用者の経路マップに表示し、前記出発予定日時までの間、所定時間ごとに繰り返し前記利用者端末に提示するステップと、
    前記提示された情報に基づいて当該車両が選択した移動経路に対する選択結果を、前記利用者端末から受信し、前記所定時間後の交通量の予測に反映するステップと、
    を実行することを特徴とする交通情報提供方法。
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