JP2014128666A - ゴルフボール - Google Patents

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Masashi Minamiuma
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Abstract

【課題】マーク耐久性に優れると共に、色ムラのない均一な外観を有し、生産性にも優れるゴルフボールの提供。
【解決手段】コアと1、コア1を被覆する少なくとも1層のカバー2とを有するゴルフボールにおいて、カバー2の最外層を形成する材料に含まれる基材樹脂及び着色用マスターバッチの比重を適正化すると共に、脂肪酸の金属塩の配合量を適正化した。
【選択図】図1

Description

本発明はマーク耐久性に優れると共に、色ムラのない均一な外観を有し、生産性にも優れるゴルフボールに関するものである。
最近では、白色系のゴルフボールだけではなく、ゴルファーの嗜好に応じて様々な色のゴルフボールが製造され、市場に出回っている。このようなゴルフボールは、一般に最外層のカバーを形成する材料に顔料や染料等の着色剤を配合することにより着色される。通常、上記のカバーは、基材樹脂や各種添加剤、着色剤等を所定の配合比率で射出成形機に供給し、それらを成形機内で混練して所定の金型内に射出することにより形成される。しかし、この時、樹脂、各種添加剤及び着色剤の比重が異なると、射出成形機内で均一に混ざりにくく、成形後のカバーに色ムラを生じることがある。このような場合、あらかじめ着色剤を基材樹脂に混ぜ込んでマスターバッチを作製することにより対処しているが、品質をより安定させるためには更なる改善が必要である。
また、品質を安定させると同時に、ボールの製造コストを下げることも重要であり、そのためには製造時のトラブル発生を可及的に抑制し、安定して生産できる条件を見出すことが求められる。更に、製造されたボールには、優れたマーク耐久性も必要で、プレー中にマークがかすれたりすることなく良好な外観を保つことも求められている。
なお、本発明の先行文献として、特開2012−105725号公報(特許文献1)、特開2012−081111号公報(特許文献2)、特開2012−081110号公報(特許文献3)等を例示することができる。
特開2012−105725号公報 特開2012−081111号公報 特開2012−081110号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、マーク耐久性に優れると共に、色ムラのない均一な外観を有し、生産性にも優れるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、カバーの最外層を形成する材料に含まれる基材樹脂及びマスターバッチの比重を適正化すると共に、脂肪酸の金属塩の配合量を適正化することにより、優れたマーク耐久性を有し、均一で色ムラがなく、生産性にも優れるゴルフボールが得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のゴルフボールを提供する。
[1]コアと、該コアを被覆する少なくとも1層のカバーとを有するゴルフボールにおいて、上記カバーの最外層が
(A)熱可塑性樹脂、及び
(B)着色用マスターバッチ
を含有する樹脂組成物で形成され、上記(B)着色用マスターバッチが、
(b−1)熱可塑性樹脂、
(b−2)着色剤、
(b−3)酸化チタン、
(b−4)脂肪酸の金属塩、及び
(b−5)分散剤
を含有し、上記(b−4)成分を、上記(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対して0.3〜1.4質量部含有すると共に、
上記(A)成分の比重と上記(B)成分の比重との比(B)/(A)が0.8〜1.2であり、
上記(A)成分及び上記(b−1)成分の重量平均分子量(Mw)が100,000以上である樹脂組成物で形成されていることを特徴とするゴルフボール。
[2]上記(A)熱可塑性樹脂が、
(a−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、
(a−3)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体、
(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である[1]記載のゴルフボール。
[3]上記(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、及び/又は、上記(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物が、その共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の30質量%以上が金属イオンによって中和されたものである[2]記載のゴルフボール。
[4]上記(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、及び/又は、上記(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物が、金属イオンとしてLi+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む[2]又は[3]記載のゴルフボール。
[5]上記(b−1)熱可塑性樹脂が、
(b−1−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
(b−1−2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[4]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[6]上記(b−1)熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)が5〜60g/10minである[1]〜[5]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[7]上記(b−2)着色剤が、赤色系、青色系、黄色系、橙色系、緑色系、紫色系及び黒色系よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[6]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[8]上記(b−4)脂肪酸の金属塩が、炭素数16〜30の脂肪酸の金属塩である[1]〜[7]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[9]上記(b−4)脂肪酸の金属塩の脂肪酸成分が、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、及びモンタン酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[8]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[10]上記(b−4)脂肪酸の金属塩の金属イオンが、Li+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[9]のいずれか1項記載のゴルフボール。
[11]上記(B)成分を上記(A)成分100質量部に対して3〜25質量部含む[1]〜[10]のいずれか1項記載のゴルフボール。
本発明によれば、プレー中にマークがかすれることがなく耐久性に優れると共に、色ムラのない均一な外観を有するゴルフボールを提供することができる。また、このゴルフボールは、脱型性に優れ、安定して生産することができるので、生産性にも優れるものである。
本発明に係るゴルフボールの構造の一例を示した概略断面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、カバーの最外層を互いに比重が近い熱可塑性樹脂と着色用マスターバッチとを配合した特定の樹脂組成物で形成したものである。その構造は、コアと1層以上のカバーとを備えていればよく、本発明の目的を逸脱しない範囲において適宜設定し得る。図1に本発明のゴルフボールの構造の一例を示した。図1に示したゴルフボールGは、コア1と、該コアを被覆するカバー2とからなるツーピースソリッドゴルフボールである。そして、上記カバー2の表面には、通常、多数のディンプルDが形成されている。なお、この図においてコア1及びカバー2は、それぞれ単層に形成されているが、いずれも複数層とすることができる。
以下、図1を参照しながら、本発明のゴルフボールについて詳述する。
まず、上記コア1を形成するための材料について説明する。上記コア1は、ゴム材を主材とするゴム組成物を加硫することにより得られる。具体的には、基材ゴム、架橋開始剤、共架橋剤等を含有するゴム組成物を用いることができる。
上記ゴム組成物の基材ゴムとしては、特に制限されるものではないが、ポリブタジエンを用いることが好ましい。そして、このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンを好適に用いることができる。また、この基材ゴム中には、所望により該ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等を適宜配合することができる。
架橋開始剤としては、本発明では、有機過酸化物を好適に用いることができる。有機過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)−メタ−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等が挙げられる。なお、有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パーヘキサC−40、パーヘキサ3M−40及びパークミルD(日油社製)、トリゴノックス29−40(化薬アクゾ社製)等を挙げることができる。これら、架橋開始剤の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、5質量部以下、好ましくは2質量部以下とすることができる。
共架橋剤としては、本発明では、メタクリル酸、アクリル酸等の不飽和脂肪酸の金属塩、例えば、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等やトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステル化合物を配合することができ、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら共架橋剤の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、10質量部以上、好ましくは15質量部以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、50質量部以下、好ましくは40質量部以下とすることができる。
上記組成物中には、更に、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、硫黄、老化防止剤、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩及びステアリン酸亜鉛等を配合することができる。これら添加剤の配合量は、特に制限されるものではない。
上記コアの直径は、特に制限されるものではないが、好ましくは32.0mm以上、より好ましくは33.0mm以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは42.0mm以下、より好ましくは41.0mm以下とすることができる。また、コアの色調についても特に制限はない。
次に、上記カバー2を形成する材料について説明する。
本発明において、カバー形成用材料は
(A)熱可塑性樹脂、
(B)着色用マスターバッチ
を含有する樹脂組成物で形成される。
上記(A)成分の熱可塑性樹脂は、特に制限されるものではないが、
(a−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、
(a−3)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体、
(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を好適に使用することができる。また、本発明では、更に(a−5)ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン及びゴム状弾性体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を配合することもできる。
上記(A)成分の(a−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体において、上記オレフィンが有する炭素数は通常2以上であることが好ましく、その上限は通常8以下、特に6以下であることが好ましい。このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特に、エチレンが好適に用いられる。また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
上記(a−2)成分は、上記(a−1)成分に含まれる不飽和カルボン酸を金属イオンで中和したものである。上記の不飽和カルボン酸を中和する金属イオンは、Li+、Na+、K+、Mg++、Ca++、Zn++、Cu++、Ba++、Pb++及びAl+++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属イオンであることが好適であり、特にLi+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属イオンで中和されていることが好ましい。
また、特に制限されるものではないが、上記(a−2)成分は、その共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の30質量%以上が金属イオンによって中和されていることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上が中和されていることが推奨される。
上記(a−3)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体において、オレフィンと不飽和カルボン酸は、上記(a−1)成分と同じものを挙げることができる。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルを好適に用いることができる。より具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。特に、アクリル酸ブチル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル)が好適に用いられる。
上記(a−4)成分は、上記(a−3)成分に含まれる不飽和カルボン酸を金属イオンで中和したものである。上記の不飽和カルボン酸を中和する金属イオンとしては、上記(a−2)成分と同様のものを例示することができる。より具体的には、Li+、Na+、K+、Mg++、Zn++、Cu++、Ba++、Pb++及びAl+++よりなる群から選ばれる金属イオンであることが好適であり、特にLi+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる金属イオンで中和されていることが好ましい。
また、特に制限されるものではないが、上記(a−4)成分は、上記(a−2)成分と同様に、その共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の30質量%以上が金属イオンによって中和されていることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上が中和されていることが推奨される。
(a−5)成分は、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン及びゴム状弾性体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の成分である。これらは公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、特に上記のゴム状弾性体としては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、水素添加スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、水素添加スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン結晶共重合体(SEBC)、水素添加オレフィン結晶−エチレン・ブチレン−オレフィン結晶共重合体(CEBC)等を挙げることができる。
上記(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、100,000以上であり、好ましくは110,000以上とすることができる。また、その上限は、特に制限されるものではないが、200,000以下とすることが好ましく、より好ましくは190,000以下とすることができる。重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、材料の流動性が高くなりすぎて、射出成形時に材料の不均一化を招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となることがある。また、重量平均分子量(Mw)が大きすぎると、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。
また、上記共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比は、特に制限されるものではないが、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上とすることができる。また、その上限は、特に制限されないが、好ましくは10.0以下とすることができ、より好ましくは9.5以下とすることができる。
ここで、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算にて算出されるものである(以下、同様。)。GPC分子量測定に関して述べると、2元共重合体及び3元共重合体は、分子中の不飽和カルボン酸基により、その分子がGPCのカラムに吸着されるため、そのままではGPC測定ができない。通常、不飽和カルボン酸基をエステル化後にGPC測定を行い、ポリスチレン換算した平均分子量Mw及びMnを算出する。
上記(A)成分は、市販品を使用することができ、具体例として以下のものを例示することができる。
(a−1)成分としては、ニュクレルN1035、ニュクレルN1525、ニュクレルN1560、ニュクレルN1050H、ニュクレルN1110H、及びニュクレルN2050H(三井・デュポンポリケミカル社製)等のエチレン−メタクリル酸共重合体や、プライマコア5980I(ダウ・ケミカル社製)等のエチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
(a−2)成分としては、ハイミラン1601(Na)、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)、及びハイミランAM7329(Zn)(三井・デュポンポリケミカル社製)等が挙げられる。また、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、及びサーリン7940(Li)(デュポン社製)等が挙げられる。更に、アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、及びアイオテック7030(Zn)(エクソンモービル化学社製)等が挙げられる。
(a−3)成分としては、ニュクレルAN4318、及びニュクレルAN4319(三井・デュポンポリケミカル社製)や、ニュクレルAE(デュポン社製)、プライマコアAT310、及びプライマコアAT320(ダウ・ケミカル社製)等を挙げることができる。
(a−4)成分としては、ハイミランAM7327(Zn)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミラン1856(Na)、及びハイミランAM7331(Na)(三井・デュポンポリケミカル社製)等が挙げられる。また、サーリン6320(Mg)、サーリン8320(Na)、及びサーリン9320(Zn)(デュポン社製)、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)(エクソンモービル化学社製)等の3元共重合体のアイオノマー樹脂が挙げられる。
なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn及びMg等は、中和金属イオンの種類を示している。
(a−5)成分として、以下の市販品を挙げることができる。
まず、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレンであるUBEポリエチレンR300、UBEポリエチレンF120N、及びUBEポリエチレンJ1019(宇部丸善ポリエチレン社製)等が挙げられる。また、熱可塑性ポリウレタンとしては、パンデックスT8180、パンデックスT8195、パンデックスT8290、パンデックスT8295、及びパンデックスT8260(ディーアイシーバイエルポリマー社製)や、レザミン2593、及びレザミン2597(大日精化工業社製)等が挙げられる。ゴム状弾性体としては、水添ポリマーであるダイナロン6100P、及びダイナロン6200P(JSR社製)等が挙げられる。
上記(A)成分の比重は、特に制限されるものではないが、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.15以下とすることができる。
また、上記の(A)成分のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、射出成形時の流動性、成形加工性を良好なものにする観点から、JIS K−7210に準拠して、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下で測定した場合に、好ましくは0.1g/10min以上、より好ましくは0.5g/10min以上、更に好ましくは0.8g/10min以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは30g/10min以下、より好ましくは25g/10min以下、更に好ましくは20g/10min以下であることが推奨される。(A)成分のMFRが大きすぎる場合、材料の流動性が高くなりすぎて、射出成形時に材料の不均一化を招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となることがある。一方、(A)成分のMFRが小さすぎる場合、流動性が低くなりすぎて良好な成形性が得られないことがある。
(B)成分の着色用マスターバッチは、着色剤を公知の樹脂及び添加剤と混練したものであり、本発明では下記(b−1)〜(b−5)成分、
(b−1)熱可塑性樹脂、
(b−2)着色剤、
(b−3)酸化チタン、
(b−4)脂肪酸の金属塩、及び
(b−5)分散剤
を含有する樹脂組成物を好適に採用し得る。
(b−1)成分の熱可塑性樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、特に制限されるものではないが、
(b−1−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
(b−1−2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体
よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を好適に使用することができる。
上記(b−1−1)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体は、上記(a−1)成分と同様のものを例示することができる。この場合、(b−1−1)成分に含まれるオレフィンが有する炭素数は通常2以上であることが好ましく、その上限は通常8以下、特に6以下であることが好ましい。このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特に、エチレンが好適に用いられる。また、不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
上記(b−1−2)成分のオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体は、上記(a−3)成分と同様のものを例示することができる。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルを好適に用いることができる。より具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができる。特に、アクリル酸ブチル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル)が好適に用いられる。
上記(b−1)成分の重量平均分子量(Mw)は、100,000以上であり、好ましくは110,000以上とすることができる。また、その上限は、特に制限されるものではないが、200,000以下とすることが好ましく、より好ましくは190,000以下とすることができる。重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、材料の流動性が高くなりすぎて、射出成形時に材料の不均一化及び色ムラを招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となる。また、重量平均分子量(Mw)が大きすぎると、流動性が低くなりすぎて、良好な成形性が得られなくなると共に、着色剤の分散性が悪くなり、色ムラを生ずることがある。
また、上記共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比は、特に制限されるものではないが、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上とすることができる。また、その上限は、特に制限されないが、好ましくは10.0以下とすることができ、より好ましくは9.5以下とすることができる。
上記(b−1)成分は、市販品を使用することができ、具体例として以下のものを例示することができる。
(b−1−1)成分としては、ニュクレルN1035、ニュクレルN1525、ニュクレルN1560、ニュクレルN1050H、ニュクレルN1110H、及びニュクレルN2050H(三井・デュポンポリケミカル社製)等のエチレン−メタクリル酸共重合体や、プライマコア5980I(ダウ・ケミカル社製)等のエチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
(b−1−2)成分としては、ニュクレルAN4318、及びニュクレルAN4319(三井・デュポンポリケミカル社製)や、ニュクレルAE(デュポン社製)、プライマコアAT310、及びプライマコアAT320(ダウ・ケミカル社製)等を挙げることができる。
(B)成分における上記(b−1)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、10質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、99.9質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは99.7質量%以下、更に好ましくは99.5質量%以下である。(b−1)成分の含有量が少なすぎると、着色用マスターバッチを調製する際に適切な形状のペレットを得ることができず、カバーを成形する際に成形機への投入が困難となる場合がある。一方、(b−1)成分の含有量が多すぎると、(A)成分及び(B)成分の含有量に対する(b−1)成分の割合が多くなり、ゴルフボールとして十分な反発性を得ることが困難となる場合がある。
また、上記の(b−1)成分のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、射出成形時の流動性、成形加工性を良好なものにする観点から、JIS K−7210に準拠して、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下で測定した場合に、好ましくは5g/10min以上、より好ましくは7g/10min以上、更に好ましくは10g/10min以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは60g/10min以下、より好ましくは55g/10min以下、更に好ましくは50g/10min以下であることが推奨される。(b−1)成分のMFRが大きすぎる(流動性が高すぎる)場合、射出成形時に材料の不均一化及び色ムラを招くことが多い。かつ、ゴルフボールとして十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となることがある。一方、(b−1)成分のMFRが小さすぎる(流動性が低すぎる)場合、良好な成形性が得られなくなると共に、着色剤の分散性が悪くなり、色ムラを生ずることがある。
(b−2)成分の着色剤は、ボールの色彩を調整するために配合するものである。本発明では、公知の顔料又は染料を用いることができ、耐変色性の観点から顔料を好適に用いることができる。上記の着色剤は、赤色系、青色系、黄色系、橙色系、緑色系、紫色系、黒色系からなる群から適宜選択される。より具体的には、赤色系としてキナクリドン系、ペリレン系、アンスラキノン系、青色系としてフタロシアニン系、群青系、黄色系として複合酸化物系、ポリアゾ系、複合環系、紫色系として紫群青系、黒色系としてカーボンブラック等を例示することができる。これらを配合することにより高級感のある色彩を表現することができる。なお、これらの着色顔料又は染料は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、その組み合わせや配合量は、ボールの仕様等に応じて適宜設定し得る。上記の着色顔料又は染料は、市販品を用いることができ、具体例として、商品名「クロモファイン」(大日精化社製)、「タイペークイエロー」(石原産業社製)、「トーカブラック」(東海カーボン社製)等を例示することができる。(B)成分における(b−2)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、0.1質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、90質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。(b−2)成分の配合量が少なすぎると、十分な発色が得られないことがある。一方、(b−2)成分の配合量が多すぎると、適切な形状のペレットを得ることができず、カバーを成形する際に成形機への投入が困難となる場合がある。また、ゴルフボールとして、十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となる。
(b−3)成分の酸化チタンは、公知の酸化チタンを用いることができ、例えば、市販品として、商品名「タイペーク」(石原産業社製)等を好適に使用することができる。(B)成分における(b−3)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、0.01質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、30質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
(b−4)成分の脂肪酸の金属塩は、特に制限されるものではないが、炭素数が16〜30の脂肪酸の金属塩を好適に用いることができる。また、脂肪酸の金属塩に含まれる金属イオンとしては、Li+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を選択し得る。例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸及びモンタン酸等のナトリウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及びリチウム塩等を挙げることができる。本発明においては、特にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、モンタン酸マグネシウム等を好適に用いることができる。(B)成分における(b−4)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、1.8質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは2.4質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、29.0質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは27.0質量%以下、更に好ましくは25.0質量%以下である。
また、上記(b−4)成分は、カバー形成用材料全体における配合量を、上記(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対し、0.3質量部以上とすることが必要であり、好ましくは0.4質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上とすることが推奨される。また、その上限は、1.4質量部以下とすることが必要であり、好ましくは1.3質量部以下、より好ましくは1.2質量部以下とすることが推奨される。(b−4)成分の配合量が少なすぎると、十分な脱型性が得られない場合がある。一方、(b−4)成分の配合量が多すぎると、マーク耐久性が低下するおそれがある。
(b−5)成分の分散剤は、公知の分散剤を用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、カチオン基含有アクリルポリマー等を好適に使用することができる。(B)成分における上記(b−5)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、0.01質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上とすることができる。また、その上限も特に制限されるものではないが、10.0質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。(b−5)成分の含有量が少なすぎると、マスターバッチ中の着色剤及び酸化チタンの分散性が悪くなる場合がある。一方、(b−5)成分の含有量が多すぎると、着色用マスターバッチを調製する際に適切な形状のペレットを得ることができず、カバーを成形する際に成形機への投入が困難となる場合がある。また、ゴルフボールとして、十分な反発性及び衝撃耐久性を得ることが困難となる場合がある。
上記(B)成分の比重は、特に制限されるものではないが、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.15以下とすることができる。
また、上記(A)成分の比重と上記(B)成分の比重との比((B)/(A))は、0.8以上とすることが必要であり、より好ましくは0.85以上とすることができる。また、その上限は、1.2以下とすることが必要であり、より好ましくは1.15以下とすることができる。上記比重比が上記の範囲を逸脱した場合、材料が均一に混ざらず、成形後のカバーに色ムラを生じるおそれがある。
カバー形成用材料における(B)成分の配合量は、特に制限されるものではないが、上記(A)成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上であり、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、その上限も特に制限されるものではないが、25質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは23質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。(B)成分の配合量が少なすぎると、材料が均一に混ざらず、成形後のカバーに色ムラを生じるおそれがある。また、(B)成分の配合量が多すぎると、(A)成分及び(B)成分の含有量に対する(b−1)成分の割合が多くなり、ゴルフボールとして十分な反発性を得ることが困難となる場合がある。
上記(B)成分の着色用マスターバッチは、公知の方法で調製することができ、例えば、加圧ニーダーと強制フィーダー付き二軸−単軸押出機(ニーダールーダー含む)、タンデム型押出機、二軸押出機等の混練機を用いて混練することにより得ることができる。なお、これらの装置の構成は特別なものではなく、既存の押出機で十分である。
その他、上記カバー形成用材料には、UV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸、上記以外の無機充填材等の各種添加剤を適宜配合することができる。
上記の(A)成分及び(B)成分を含む樹脂組成物を調製する場合は、公知の混合装置を採用することができ、例えば、単軸押出機や2軸押出機を用いることができる。本発明では2軸押出機を用いることがより好ましい。また、これら押出機の連結型でも良く、例えば、単軸押出機−2軸押出機、2軸押出機−2軸押出機などが挙げられる。これらの装置の構成は特別なものではなく、既存の押出機で十分である。また、上記樹脂組成物を使用してカバーを成形する方法についても、特に制限されるものではなく、例えば、射出成形法やコンプレッション成形法等を採用することができる。射出成形法を採用する場合には、射出成形用金型の所定位置に予め作製したコアを配置した後、上記樹脂組成物を該金型内に導入する方法を採用できる。また、コンプレッション成形法を採用する場合には、予め射出成形法等により上記樹脂組成物で一対のハーフカップを作り、このカップで対象物をくるみ、金型内で加圧加熱する方法を採用できる。なお、加圧加熱成形する場合、成形条件としては、120〜170℃、1〜5分間の条件を採用することができる。
カバー1層あたりの厚さについては、製造するゴルフボールの構造や材質等に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、4mm以下、好ましくは3mm以下とすることができる。
なお、コアの周囲に2層以上のカバーを形成したマルチピースソリッドゴルフボールを作製する場合、カバーの最外層以外の層(中間層)を形成する材料は、特に制限されるものではなく、公知の樹脂材料を用いることができる。
上記のゴルフボールにおいて、表面に形成されるディンプルの形状、個数及び配列等は、ボールの仕様に応じて適宜設定し得るものであり、特に制限されるものではない。例えば、ディンプルの形状については、円形に限られず、非円形の多角形、涙形、楕円形等から適宜選択することができる。また、上記ディンプルの直径については、特に制限されるものではないが、0.5〜6mmの範囲とすることが好ましい。そして、ディンプルの深さについても特に制限されるものではないが、0.05〜0.4mmの範囲とすることが好ましい。
また、ディンプルがボール表面に占める表面占有率については、特に制限されるものではないが、空気力学的特性の観点から70%以上にすることが好ましく、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上とされる。
ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでのたわみ量は、特に制限されるものではないが、好ましくは2.5mm以上とすることができる。また、該たわみ量の上限も、特に制限されないが、好ましくは7mm以下とすることができる。
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、重さ45.93g以下に形成することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜10、比較例1〜3〕
表1に示した配合のゴム組成物を調製し、ニーダー又はロールにて混練りした後、155℃、17分間の条件で加硫して直径38.55mmのコアを作製した。
Figure 2014128666
表1に示した各成分の詳細は以下の通りである。
ポリブタジエンゴム:JSR社製「BR01」
酸化亜鉛:堺化学工業社製
硫酸バリウム:堺化学工業社製「沈降性硫酸バリウム100」
酸化チタン:石原産業社製「タイペークR550」
老化防止剤:大内新興化学工業社製「ノクラックNS−6」
アクリル酸亜鉛:日本蒸留工業社製
有機過酸化物1:日油社製「パークミルD」、ジクミルパーオキサイド
有機過酸化物2:日油社製「パーヘキサC−40」、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを無機充填剤で40%に希釈、155℃の半減期が約50sec
次に、表2に示した配合の着色用マスターバッチ又はマスターバッチを調製した。
Figure 2014128666
表2に示した各成分の詳細は以下の通りである。
ニュクレルN1035:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸2元共重合体、Mw168,000、MFR35g/10min
ニュクレルN1050H:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸2元共重合体、Mw61,000、MFR500g/10min
酸化チタン:石原産業社製「タイペークR550」
ポリエチレンワックス:三洋化成社製「サンワックス161P」
ステアリン酸マグネシウム:日油社製「マグネシウムステアレートG」
そして、上記で得られたコアの周囲に、表2に示した着色用マスターバッチ又はマスターバッチと表3〜表5に示した各成分を含むカバー形成用材料を射出成形して厚さ2.07mmのカバーを形成し、更に、その表面に会社のロゴマークを熱転写印刷した。なお、ここでは特に説明しないが、全ての実施例及び比較例のゴルフボールの表面には、同一の態様で多数のディンプルが形成されている。
Figure 2014128666
*マスターバッチに含まれている(b−4)ステアリン酸マグネシウムの量を、(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対する配合量に換算した値。
Figure 2014128666
*マスターバッチに含まれている(b−4)ステアリン酸マグネシウムの量を、(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対する配合量に換算した値。
Figure 2014128666
*マスターバッチに含まれている(b−4)ステアリン酸マグネシウムの量を、(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対する配合量に換算した値。
表3〜表5に示した各成分の詳細は以下の通りである。
ハイミラン1601:三井・デュポンポリケミカル社製、ナトリウム中和、エチレン−メタクリル酸2元共重合体のアイオノマー樹脂、酸含量10質量%、Mw157,000、MFR1.3g/10min
ハイミラン1557:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛中和、エチレン−メタクリル酸2元共重合体のアイオノマー樹脂、酸含量12質量%、Mw94,600、MFR5.5g/10min
ハイミラン1605:三井・デュポンポリケミカル社製、ナトリウム中和、エチレン-メタクリル酸2元共重合体のアイオノマー樹脂、酸含量15質量%、Mw152,000、MFR2.8g/10min
ハイミラン1706:三井・デュポンポリケミカル社製、亜鉛中和、エチレン-メタクリル酸2元共重合体のアイオノマー樹脂、酸含量15質量%、Mw144,000、MFR0.9g/10min
ニュクレルAN4319:三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル3元共重合体、Mw127,000、MFR60g/10min
上記で得られた各実施例及び比較例におけるカバー及びゴルフボールの物性について下記の基準に従って評価し、その評価を表3〜表5に示した。
・ボールのたわみ量
ボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)を測定した。
・脱型性
ゴルフボール最外層成形時の金型からの脱型性を以下の基準で評価した。
○:金型に成形物が付着することがなく、型離れが良い。
×:金型に成形物が付着してしまい、型離れが悪い。
・マーク耐久性
ゴルフボールの表面に印刷されたマークの外観を目視で観察すると共に、下記の磨耗試験を行った。
磨耗試験
内容量8リットルの磁性のボールミルにゴルフボールを10個とバンカー用の砂3リットルを入れ、144時間ミキシングし、砂磨耗による、マークの欠け具合、表面の傷付き度合い、光沢減少の度合い、及び砂の付着の度合いを目視により調べた。
評価基準は以下の通りである。
○:マークの剥がれ及び欠けが無い。
△:マークの剥がれは無いが、磨耗試験にてわずかな欠けが見られる。
×:マークの剥がれが有り、かつ磨耗試験にて大きな欠けが見られる。
・色の均一性
ゴルフボール全体の外観を肉眼にて観察し、以下の基準で評価した。
○:カバー全体が均一に着色されている。
×:色ムラがある。
1 コア
2 カバー
G ゴルフボール
D ディンプル

Claims (11)

  1. コアと、該コアを被覆する少なくとも1層のカバーとを有するゴルフボールにおいて、上記カバーの最外層が
    (A)熱可塑性樹脂、及び
    (B)着色用マスターバッチ
    を含有する樹脂組成物で形成され、上記(B)着色用マスターバッチが、
    (b−1)熱可塑性樹脂、
    (b−2)着色剤、
    (b−3)酸化チタン、
    (b−4)脂肪酸の金属塩、及び
    (b−5)分散剤
    を含有し、上記(b−4)成分を、上記(A)成分及び(b−1)成分の合計100質量部に対して0.3〜1.4質量部含有すると共に、
    上記(A)成分の比重と上記(B)成分の比重との比(B)/(A)が0.8〜1.2であり、
    上記(A)成分及び上記(b−1)成分の重量平均分子量(Mw)が100,000以上である樹脂組成物で形成されていることを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記(A)熱可塑性樹脂が、
    (a−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
    (a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、
    (a−3)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体、
    (a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物
    よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、及び/又は、上記(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物が、その共重合体に含まれる不飽和カルボン酸の30質量%以上が金属イオンによって中和されたものである請求項2記載のゴルフボール。
  4. 上記(a−2)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体の金属イオン中和物、及び/又は、上記(a−4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体の金属イオン中和物が、金属イオンとしてLi+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項2又は3記載のゴルフボール。
  5. 上記(b−1)熱可塑性樹脂が、
    (b−1−1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体、
    (b−1−2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体
    よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
  6. 上記(b−1)熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)が5〜60g/10minである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 上記(b−2)着色剤が、赤色系、青色系、黄色系、橙色系、緑色系、紫色系及び黒色系よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
  8. 上記(b−4)脂肪酸の金属塩が、炭素数16〜30の脂肪酸の金属塩である請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
  9. 上記(b−4)脂肪酸の金属塩の脂肪酸成分が、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、及びモンタン酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
  10. 上記(b−4)脂肪酸の金属塩の金属イオンが、Li+、Na+、Mg++、Ca++及びZn++よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜9のいずれか1項記載のゴルフボール。
  11. 上記(B)成分を上記(A)成分100質量部に対して3〜25質量部含む請求項1〜10のいずれか1項記載のゴルフボール。
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