JP2014126447A - 電池劣化予測方法、電池劣化予測装置及びプログラム - Google Patents

電池劣化予測方法、電池劣化予測装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測する
【解決手段】まず、予測対象となり所定原理で作動する二次電池について所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTの関係式で求められるS値を取得する(ステップS100)。一方で、予め、上述した所定原理で作動しS値の異なる複数の二次電池を用いてS値と電池劣化との相関関係を求めておく。そして、予測対象となる二次電池のS値をこの相関関係に照らすことにより予測対象となる二次電池の電池劣化を予測する(ステップS110)。そして、電池劣化の予測結果を表示する(ステップS120)。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池劣化予測方法、電池劣化予測装置及びプログラムに関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、携帯電話やノートパソコンなどの電源として広く普及しているが、最近は小型携帯機器だけでなく、電気自動車などのパワーソースとしての用途も拡がりつつある。その際課題となるのは二次電池の耐久性と出力特性である。特にハイブリッド車や電気自動車などの二次電池を考えた場合、車両の加速・減速時などでは、比較的大きな電流が短時間に繰り返し通電される場合がある。このようなパルス的な電流が二次電池に繰り返し通電されると、二次電池の内部抵抗値が急激に上昇し、二次電池から入出力電力を取り出し難くなってしまう課題が発生する。
そこで、二次電池の内部抵抗値を測定して、その測定値に基づいて二次電池を制御することが行われている。例えば、特許文献1では、二次電池の充電に際して、初期の内部抵抗と、充電時に測定した内部抵抗との比率によって劣化係数を算出し、算出した劣化係数に応じて充電条件を変化させることで、二次電池の劣化を抑制することが提案されている。
特開2009−112113号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、測定した内部抵抗に応じた制御を行うものであるため、内部抵抗を測定した時点で既に内部抵抗が上昇して二次電池が劣化していることも考えられる。二次電池が劣化した状態では、二次電池から入出力電力を取り出し難くなってしまうため、劣化して使用できなくなる前に対処する必要がある。このため、二次電池の劣化を予測することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測することを主目的とする。
本発明者らは、二次電池について、所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTで表されるS値と、二次電池の劣化との関係を調べたところ、両者の間には、相関関係があることがわかった。このような新たな知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電池劣化予測方法は、
予測対象となり所定原理で作動する二次電池について所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTの関係式で求められるS値を取得し、
予め、前記所定原理で作動しS値の異なる複数の二次電池を用いてS値と電池劣化との相関関係を求めておき、前記予測対象となる二次電池の前記S値をこの相関関係に照らすことにより該予測対象となる二次電池の電池劣化を予測するものである。
この電池劣化予測方法によれば、ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測することができる。なお、本発明において、ハイレートとは、公称容量値の電流(1C)より大きな電流値をいうものとする。
また、本発明の電池劣化予測装置は、
予測対象となり所定原理で作動する二次電池について所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTの関係式で求められるS値を取得するS値取得手段と、
予め、前記所定原理で作動しS値の異なる複数の二次電池を用いて求められたS値と電池劣化との相関関係を記憶する記憶手段と、
前記予測対象となる二次電池の前記S値を前記記憶手段に記憶された前記相関関係に照らすことにより前記予測対象となる二次電池の電池劣化を予測する予測手段と、
を備えたものである。
この電池劣化予測装置では、予測対象となる二次電池のS値を、S値の異なる複数の二次電池を用いて求められたS値と電池劣化との相関関係に照らすことにより、予測対象となる二次電池の劣化を予測する。したがって、ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測することができる。
また、本発明のプログラムは、上述した電池劣化予測方法を1又は複数のコンピュータに実現させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、電送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに分担して実行させれば、上述した電池劣化予測方法と同様の効果を得ることができる。
電池劣化予測装置10の概略構成図である。 電池劣化予測処理ルーチンのフローチャートである。 S値と電池劣化との相関関係の一例を示す説明図である。 実験例1の電池を24C放電したときの放電曲線である。 実験例1の電池の充放電を繰り返したときの繰り返し数Nと内部抵抗との関係を示すグラフである。 実験例1〜27の電池のS値と繰り返し数Nを示すグラフである。
次に、本発明の電池劣化予測方法を実現する好適な実施の形態の一例として、電池劣化予測装置を用いる方法を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態である電池劣化予測装置10の概略構成図である。
電池劣化予測装置10は、キーボード12と、充放電装置14と、ディスプレイ16と、コンピュータ20とを備えて構成されている。コンピュータ20は、各種処理を実行するCPU22や、各種処理プログラムを記憶したROM24、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM26、データを書込消去可能なフラッシュメモリ28などを備えており、図示しないバスによって情報のやり取りが可能なように構成されている。なお、ROM24には、後述する電池劣化予測処理ルーチンなどの各処理プログラムが記憶されている。また、フラッシュメモリ28には、後述する相関関係が記憶されている。
CPU22は、オペレータによるキーボード12の操作によって電池劣化予測処理の開始が入力されると、ROM24から電池劣化予測処理ルーチンを読み出し、これを実行する。図2は、電池劣化予測処理ルーチンのフローチャートである。
CPU22は、電池劣化予測処理ルーチンが開始されると、充放電装置14に対して、予測対象となる二次電池を所定のハイレートの電流値Is(A)で下限電圧V0(V)まで放電させる指示を送信する。そして、放電が終了すると、CPU22は、充放電装置14から放電時の電圧V(V)と時間T(秒)とを読み出し、S=∫(V−V0)dTの値を導出することにより、予測対象となる二次電池のS値を取得する(ステップS100)。ここでは、ハイレートの電流値Isは24Cに相当する電流値とする。下限電圧V0は、予測対象となる二次電池の種類などに応じて好適な値を適宜設定すればよい。
続いて、CPU22は、予測対象となる二次電池の電池劣化を予測する(ステップS110)。予測は、S値の異なる複数の二次電池におけるS値と電池劣化との相関関係に照らして行う。図3は、こうしたS値と電池劣化との相関関係の一例を示す説明図である。図3の相関関係は、例えば、以下のようにして求めることができる。まず、S値の異なる複数の二次電池を用意する(詳しくは後述する)。そして、これらの二次電池について、予測対象となる二次電池と同様にしてS値を求める。続いて、これらの二次電池について、ハイレートの電流値In(A)での放電と、予め定めた所定条件での充電とを繰り返し行い、内部抵抗値が所定の閾値R(Ω)を超えるまでの繰り返し数N(回)を求め、これを電池劣化の指標とする。ここでは、ハイレートの電流値Inは10Cに相当する電流値とする。内部抵抗値の閾値Rは、例えば、予測対象となる二次電池の電池電圧が下限電圧V0となったときの内部抵抗値を事前に測定しておき、その内部抵抗値を閾値として設定するものとする。こうしてS値の異なる複数の二次電池についてS値と繰り返し数Nとを求め、得られたデータから近似曲線を導出する。こうして得られた近似曲線が、S値と電池劣化との相関関係としてコンピュータ20のフラッシュメモリ28に記憶されている。なお、近似曲線の種類は特に限定されないが、決定係数が0.8以上となるものが好ましく、0.85以上となるものがより好ましい。そして、CPU22は、フラッシュメモリ28に記憶された図3の近似曲線を読み出し、これにステップS100で取得した予測対象となる二次電池のS値を当てはめることで、予測対象となる二次電池が劣化するまでの電流値Inでの放電の繰り返し数Nを予測する。
ステップS110で予測が完了すると、CPU22は、その結果をディスプレイ16に表示して(ステップS120)、予測処理を完了する。
予測対象となる二次電池と、相関関係を求める際に用いる二次電池とは、同じ作動原理で作動するものを利用する。こうした二次電池としては、リチウムを吸蔵放出可能な正極と、リチウムを吸蔵放出可能な負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導可能なイオン伝導媒体とを備えたリチウムイオン二次電池としてもよい。
こうしたリチウムイオン二次電池において、正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、遷移金属としてニッケル・コバルト・マンガンを含むリチウム遷移金属複合酸化物(NCM系材料)、Li(1-x)MnO2(0<x<1など)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、NCM系材料、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、扁平状黒鉛)、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性、密度の調整の容易性などの観点より、アセチレンブラックや扁平状黒鉛が好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体を除く電極の空隙率は28〜48%が好ましく、31〜43%がより好ましい。空隙率の調整は、活物質や導電材や結着材のサイズを調整したり、成形圧力を調整したりすることなどにより行うことができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
こうしたリチウムイオン二次電池において、負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられるが、このうち炭素質材料が安定性の面から見て好ましい。この炭素質材料は、特に限定されるものではないが、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などの黒鉛であることが、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり、電解質塩としてリチウム塩を使用した場合に自己放電を抑え、且つ充電時における不可逆容量を少なくできるため、好ましい。負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
こうしたリチウムイオン二次電池において、イオン伝導媒体は、支持塩を有機溶媒に溶かした非水電解液や、イオン性液体、ゲル電解質、固体電解質などを用いることができる。このうち、非水電解液であることが好ましい。支持塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.4〜1.5Mであることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)など従来の二次電池やキャパシタに使われる有機溶媒が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどを用いることができる。ゲル電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデンやポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリルなどの高分子類またはアミノ酸誘導体やソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてなるゲル電解質が挙げられる。固体電解質としては、無機固体電解質や有機固体電解質などが挙げられる。無機固体電解質としては、例えば、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
こうしたリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、二次電池の使用範囲に耐え得る組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。こうしたリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。
こうしたリチウム二次電池において、S値を異なるものとする方法としては、例えば、正極や負極における活物質や導電材、結着材の材質を変えたり、正極や負極における活物質と導電材と結着材との比率を変えたり、正極や負極の空隙率を変えたり、イオン伝導媒体の種類を変えたり、イオン伝導媒体における支持塩の濃度を変えたりすることが挙げられる。これらを変えても、正極及び負極においてリチウムの吸蔵放出がなされることにより充放電されるという原理は変わらない。なお、活物質の材質を変えてS値を異なるものとする場合、活物質はできるだけ似た材質や結晶構造のものであることが好ましい。活物質の材質や結晶構造が似ていれば、その活物質によるリチウムイオンの吸蔵放出の原理が同じであることが多いからである。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のCPU22が本発明のS値取得手段及び予測手段に相当し、フラッシュメモリ28が記憶手段に相当する。なお、本実施形態では、電池劣化予測装置10の動作を説明することにより本発明の電池劣化予測方法の一例も明らかにしている。
以上説明した電池劣化予測装置10によれば、予測対象となる二次電池のS値を、S値の異なる複数の二次電池を用いて求められたS値と電池劣化との相関関係に照らすことにより、予測対象となる二次電池の劣化を予測する。したがって、ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、電池劣化予測装置10は、充放電装置14を備えたものとしたが、充放電装置14を備えていなくてもよい。その場合でも、オペレーターが、電池劣化予測装置には含まれない充放電装置を用いて予測対象となる電池のS値を導出し、その値をキーボード12を押下して入力すれば、CPU22は、入力されたS値を取得することができる。
上述した実施形態では、電池劣化の指標として繰り返し数Nを用いたが、これに限定されない。例えば、S値の異なる複数の二次電池について、ハイレートの電流値Inでの放電と、予め定めた所定条件での充電とを繰り返し行い、内部抵抗値が所定の閾値Rを超えるまでの時間T(秒)を求め、これを電池劣化の指標としてもよい。
上述した実施形態では、S値を導出するときのハイレートの電流値Is(A)を24Cに相当する電流値としたが、1Cより大きい電流値であればよい。このうち、10Cに相当する電流値以上であれば、電池ごとのS値の差が大きくなりS値と電池劣化との相関関係が明確になるため好ましく、20Cに相当する電流値以上であれば、電池ごとのS値の差がより大きくなるため好ましい。また、繰り返し数Nを求めるときのハイレートの電流値Inは10Cに相当する電流値としたが、1Cより大きい電流値であればよい。このうち、5Cに相当する電流値以上が好ましく、10Cに相当する電流値以上がより好ましい。こうした電流値では、二次電池において特に劣化が特に生じやすいため、ハイレートで使用することのある二次電池の劣化を予測する必要性が高い。
上述した実施形態では、リチウムイオン二次電池としたが、リチウムイオン二次電池に限定されない。例えば、ナトリウムイオン二次電池や、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池などとしてもよい。
以下では、正極活物質としてNCM系材料を、負極活物質に黒鉛を、電解液に非水溶液電解液を使用したリチウムイオン二次電池の電池劣化の予測可能性について検討した具体例について説明する。
[実験例1〜27]
1.S値の異なる二次電池の作製
正極は、以下のように作製した。正極活物質としてのNCM系材料であるLiNi1/3Co1/3Mn1/32と、第1導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業HS100)と、第2導電材としての扁平状黒鉛(スイス、ティムカル社製 KS4,KS6,KS6L,KS15)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業製KFポリマ)とを、正極活物質/第1導電材/第2導電材/結着材の比率が表1に示す比率となるように混合し、正極合材を得た。得られた正極合材約7400mgを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)で分散させたペーストを、厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗工乾燥させ、ロールプレスして54mm×450mmのシート状としたものを正極として用いた。正極の空隙率は、ロールプレス時の圧力によって表1に示す値となるように調整した。
Figure 2014126447
負極は、以下のように作製した。負極活物質としての黒鉛と、増粘材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)と、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)とを、負極活物質/増粘材/結着材の質量比が98/1/1となるように混合し、負極合材を得た。得られた負極合材約4800mgを水で分散させたペーストを、厚さ10μm銅箔の両面に塗工乾燥させ、ロールプレスして56mm×500mmのシート状としたものを負極として用いた。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の体積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を表1に示す濃度となるように添加したもの6mLを用いた。
上述した正極、負極を、ポリエチレン(PE)製のセパレータ(厚さ25μm、幅58mm)を介してロール状に捲回し、これを18650型電池缶に挿入し、上述した電解液を注入した後に、トップキャップをかしめて密閉して、各二次電池を作製した。
こうして作製した各二次電池について、0.2Cレートで4.1Vまで定電流充電したのち0.2Cレートで3.0Vまで定電流放電し(1サイクル目)、0.2Cレートで4.1Vまで定電流定電圧充電したのち0.2Cレートで3.0Vまで定電流定電圧放電し(2サイクル目)、2Cレートで4.1Vまで定電流充電したのち2Cレートで3.0Vまで定電流放電するサイクルを3サイクル繰り返し(3〜5サイクル目)、コンディショニングを行った。その後、以下に示す、S値の導出及びハイレート耐久性能の確認を行った。
2.S値の導出
実験例1の二次電池を実使用時の中心SOC(State of charge)を約60%に調整した後、0.5Cの電流レートで下限電圧V0(=1V)まで放電した。こうしたSOCの調整と放電とを、放電電流レートを、1C,5C,10C,15C,20C,24C,28Cの順に大きくし、放電試験を行い、各レートでのS値を導出した。図4は、実験例1の二次電池について、24Cで放電した際の電圧−時間線図である。こうした電圧−時間線図から、網掛け部分の面積S(S=∫(V−V0)dT)を求めた。実験例2〜27の二次電池についても同様にして各レートでの面積Sを導出した。
3.ハイレート耐久性能の確認(繰り返し数Nの確認)
実験例1の二次電池をSOC60%に調整した。そして10Cのレートで10秒間放電して5秒間休止した。続いて2.5Cのレートで40秒間充電することによりSOCを60%に戻した後、5秒間の休止を入れた。こうした操作を繰り返し実施する充放電試験を行い、二次電池が劣化するまでの繰り返し数Nを求めた。ここでは、二次電池の内部抵抗が0.27mΩを超えるときを電池劣化のタイミングとした。図5は、実験例1の二次電池の繰り返し数と内部抵抗値との関係を示すグラフである。このグラフから、10Cで放電したときの二次電池が劣化するまでの繰り返し数Nを求めた。実験例2〜27の二次電池についても同様にして10Cで放電したときの二次電池が劣化するまでの繰り返し数Nを求めた。
4.S値と繰り返し数Nとの相関関係の確認
図6に、実験例1〜27の各二次電池における、24C放電でのS値と、10C放電での繰り返し数Nとの関係を示した。図6より、S値と繰り返し数Nとの間には相関関係があることが確認された。具体的には、N=221.0S1.444で表される近似曲線で近似可能であり、そのときの決定係数はR2=0.96であった。なお、詳細な実験結果は省略するが、例えば24Cや28Cなどの大きな放電電流レートで放電するほど、電池間のS値の差が大きくなり、S値と繰り返し数Nとの相関関係が明確になった。なお、繰り返し数Nが22000を超える実験例については、実験の都合上途中で試験を中断したため、図6には反映していないが、こうしたものはS値が22.63以上と大きな値であった。こうしたことから、繰り返し数Nが22000を超えるものについても、S値との相関関係が認められるものと推察された。
5.考察
S値とNの値との間に相関関係が認められた理由は、以下のように推察される。二次電池に繰り返しハイレートパルスが通電されると、まず、電極の厚さ方向にLi塩の濃度分布が発生する。続いて、こうしたLi塩の濃度分布が電極平面方向に拡散する。こうして、Li塩の濃度分布が大きくなると、塩濃度が極めて低い部分が生じ、そうした部分で内部抵抗が上昇する。このようなハイレートパルスが繰り返し通電されることにより、徐々に二次電池の内部抵抗が増加していき、最終的には出力が取り出せなくなる。
ここで、塩濃度分布の発生・拡散のしやすさは、電極の「イオン供給性」と「電子伝導性」に依存していると考えられる。すなわち「電子伝導性」は塩濃度分布発生の駆動力に相当し、「イオン供給性」は塩濃度分布拡散のしやすさに対応し、これらのパラメータが良好な電池・電極では、ハイレート耐久性に優れると考えられる。一方、二次電池の放電曲線について考察すると、初期の電圧降下は「電子伝導性」に対応し、放電末期の伸びは「イオン供給性」に対応している。このため、S=∫(V−V0)dTで表されるS値とハイレート耐久性能を示すNの値との間に相関関係があるものと推察される。
本発明は、ハイレートで使用することのある二次電池を用いる産業分野に利用可能である。
10 電池劣化予測装置、12 キーボード、14 充放電装置、16 ディスプレイ、20 コンピュータ、22 CPU、24 ROM、26 RAM、28 フラッシュメモリ。

Claims (3)

  1. 予測対象となり所定原理で作動する二次電池について所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTの関係式で求められるS値を取得し、
    予め、前記所定原理で作動しS値の異なる複数の二次電池を用いてS値と電池劣化との相関関係を求めておき、前記予測対象となる二次電池の前記S値をこの相関関係に照らすことにより該予測対象となる二次電池の電池劣化を予測する、
    電池劣化予測方法。
  2. 予測対象となり所定原理で作動する二次電池について所定のハイレートで下限電圧V0まで放電を行ったときの電圧Vと時間TからS=∫(V−V0)dTの関係式で求められるS値を取得するS値取得手段と、
    予め、前記所定原理で作動しS値の異なる複数の二次電池を用いて求められたS値と電池劣化との相関関係を記憶する記憶手段と、
    前記予測対象となる二次電池の前記S値を前記記憶手段に記憶された前記相関関係に照らすことにより前記予測対象となる二次電池の電池劣化を予測する予測手段と、
    を備えた電池劣化予測装置。
  3. コンピュータに請求項1に記載の電池劣化予測方法を実現させるためのプログラム。
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