JP2014125438A - 1,2−ジクロロエタンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 オキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び空気によるオキシ塩素化反応を行い1,2−ジクロロエタンを製造する際に、少なくとも2塔以上の固定床流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応プロセスを用い、該直列式オキシ塩素化触媒反応プロセスの最下流側の固定床流通式触媒反応塔に、担体に少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×109s−1未満の金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(1)を充填し、オキシ塩素化反応を行う1,2−ジクロロエタンの製造方法。
【選択図】 図2
Description
該オキシ塩素化触媒(1)は、中空円筒形状を有するものであり、中空円筒形状の範疇に属する形状であれば如何なる形状を有することも可能であり、その中でも、特に安定性、活性に優れるオキシ塩素化触媒となることから、外径2〜8mm、内径1〜7mm、長さ2〜8mm、肉厚0.5〜3.5mmの中空円筒形状であることが好ましく、特に外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mm、肉厚0.5mm〜2.5mmの中空円筒形状であることが好ましい。ここで、中空円筒形状以外の形状、例えば球状、円柱状、角状等の形状である場合、得られる触媒は、オキシ塩素化反応の際の安定性、活性に劣るものとなる。
該オキシ塩素化触媒(2)は、中空円筒形状を有するものであり、中空円筒形状の範疇に属する形状であれば如何なる形状を有することも可能であり、その中でも、特に安定性、活性に優れるオキシ塩素化触媒となることから、外径2〜8mm、内径1〜7mm、長さ2〜8mm、肉厚0.5〜3.5mmの中空円筒形状であることが好ましく、特に外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mm、肉厚0.5mm〜2.5mmの中空円筒形状であることが好ましい。
中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm)に水を十分に吸収させた。CuCl2=144mmol/l、それぞれの金属カチオンの塩化物(金属カチオン=Na+、Mg2+、K+、Cs+)=140mmol/lの濃度の浸漬液をそれぞれ用意し、それぞれの浸漬液81mlに前記のアルミナ担体30gを浸漬させた。室温で2時間浸漬した後、浸漬液からアルミナ担体を取り出し、マッフル炉を用いて100℃以上の温度で乾燥させた。その後、150〜400℃で5時間焼成し、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒をそれぞれ調製した。
金属成分の定量は蛍光X線(XRF、理学製、(商品名)ZSX PrimusII)を用い、管球Rh、管電圧50kV、管電流60mA、測定域はCuが45.00deg、Naが48.00deg、Mgが39.46deg、Kが136.64deg、Csが11.45degの測定条件で行った。調製したそれぞれのオキシ塩素化触媒の物性評価結果を表1に示す。
充填剤として、(商品名)PorapakQ(Waters社製)および(商品名)MS−5A(GLサイエンス社製)を装着したガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−14B)により分析した。
1,2−ジクロロエタンの製造は図1に示す2塔の固定床気相流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応装置において行った。
下流側の第2塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−MgCl2を含むオキシ塩素化触媒(1−2)を30cc充填した以外は実施例1と同様の直列式オキシ塩素化反応装置とした。
上流側の第1塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−CsClを含むオキシ塩素化触媒(2−2)を30cc充填した以外は実施例1と同様の直列式オキシ塩素化反応装置とした。
上流側の第1塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−CsClを含むオキシ塩素化触媒(2−2)を30cc充填し、下流側の第2塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−MgCl2を含むオキシ塩素化触媒(1−2)を30cc充填した以外は、実施例1と同様の直列式オキシ塩素化反応装置とした。
下流側の第2塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−KClを含むオキシ塩素化触媒(2−1)を30cc充填した以外は実施例1と同様の直列式オキシ塩素化反応装置とした。
1,2−ジクロロエタンの製造は図2に示す3塔の固定床気相流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応装置において行った。
下流側の第3塔目の固定床気相流通式触媒反応塔に調製例1により得られたアルミナ担体にCuCl2−KClを含むオキシ塩素化触媒(2−1)を30cc充填した以外は、実施例5と同様の直列式オキシ塩素化反応装置とした。
Claims (10)
- オキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び空気によるオキシ塩素化反応を行い1,2−ジクロロエタンを製造する際に、少なくとも2塔以上の固定床流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応プロセスを用い、該直列式オキシ塩素化触媒反応プロセスの最下流側の固定床流通式触媒反応塔に、担体に少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×109s−1未満の金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(1)を充填し、オキシ塩素化反応を行うことを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- オキシ塩素化触媒(1)が、上記金属カチオンのハロゲン化物として塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシウムを含んでなるオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項1に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- オキシ塩素化触媒(1)が、少なくとも担体55〜91重量%、塩化銅8〜26重量%及び上記金属カチオンのハロゲン化物1〜20重量%よりなるオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- 最下流側の固定床流通式触媒反応塔にてオキシ塩素化反応を行う際の分子状酸素/エチレン(モル比)が0.5以上の条件下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- 最下流側以外の固定床流通式触媒反応塔に、担体に少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×109s−1以上の金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(2)を充填し、オキシ塩素化反応を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- オキシ塩素化触媒(2)が、298Kにおける配位水交換反応速度が1×109s−1以上の金属カチオンのハロゲン化物として、塩化カリウム及び/又は塩化セシウムを含んでなるオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項5に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- オキシ塩素化触媒(2)が、少なくとも担体55〜91重量%、塩化銅8〜26重量%及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×109s−1以上の金属カチオンのハロゲン化物1〜20重量%よりなるオキシ塩素化触媒であることを特徴とする請求項5又は6に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- 最下流側以外の固定床流通式触媒反応塔にてオキシ塩素化反応を行う際の分子状酸素/エチレン(モル比)が0.5未満の条件下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
- 2つ固定床流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応プロセスを用い、上流側の第1塔目の固定床流通式触媒反応塔に、オキシ塩素化触媒(2)として、担体に少なくとも塩化銅と塩化カリウム及び/又は塩化セシウムとを含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を充填し、更に、下流側の第2塔目の固定床流通式触媒反応塔に、オキシ塩素化触媒(1)として、担体に少なくとも塩化銅と塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシウムとを含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を充填することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法
- 3つ固定床流通式触媒反応塔を有する直列式オキシ塩素化反応プロセスを用い、上流側及び中流の第1塔目、第2塔目の固定床流通式触媒反応塔に、オキシ塩素化触媒(2)として、担体に少なくとも塩化銅と塩化カリウム及び/又は塩化セシウムとを含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を充填し、更に、下流側の第3塔目の固定床流通式触媒反応塔に、オキシ塩素化触媒(1)として、担体に少なくとも塩化銅と塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシウムとを含む中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を充填することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法
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JPN6016025596; HELM, Lothar, et al.: Chem. Rev. 105, 2005, 1923-1959 * |
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