JP2014120721A - 炭化珪素基板の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反りが抑制された炭化珪素基板を製造することが可能な炭化珪素基板の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素からなるベース基板10を準備する工程と、ベース基板10をサセプタ6上に接触して配置する工程と、ベース基板10においてサセプタ6と接触する側とは反対側の表面上にエピタキシャル成長膜を形成する工程とを備えている。サセプタ6においてベース基板10と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素からなるベース基板10を準備する工程と、ベース基板10をサセプタ6上に接触して配置する工程と、ベース基板10においてサセプタ6と接触する側とは反対側の表面上にエピタキシャル成長膜を形成する工程とを備えている。サセプタ6においてベース基板10と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化珪素基板の製造方法および製造装置に関するものであり、より特定的には、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することが可能な炭化珪素基板の製造方法および製造装置に関するものである。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められている。炭化珪素は、従来より半導体装置を構成する材料として広く用いられている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
このような半導体装置に用いられる炭化珪素基板は、たとえば炭化珪素からなるベース基板上にエピタキシャル成長膜を形成することにより製造される。また、より高品質な半導体装置を高効率に製造するという観点からは、炭化珪素基板の厚みのばらつきや反りなどを抑制することが必要となる。たとえば特開2009−111296号公報(以下、特許文献1という)では、厚みのばらつきが抑制された半導体(シリコン)ウェーハを製造することが可能なエピタキシャル膜形成装置が開示されている。
特許文献1において開示されているエピタキシャル膜形成装置では、ウェーハの厚みのばらつきを抑制することが可能である一方、基板の反りを抑制することが困難であるという問題がある。そのため、高品質な半導体装置を高効率に製造するという観点から、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することが可能な製造装置や製造方法が必要となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することが可能な炭化珪素基板の製造方法および製造装置を提供することである。
本発明に従った炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素からなるベース基板を準備する工程と、ベース基板をサセプタ上に接触して配置する工程と、ベース基板においてサセプタと接触する側とは反対側の表面上にエピタキシャル成長膜を形成する工程とを備えている。サセプタにおいてベース基板と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている。
本発明者は、ベース基板上にエピタキシャル成長膜を形成して炭化珪素基板を製造する際、その炭化珪素基板に反りが発生する原因について詳細な検討を行った。その結果、ベース基板においてエピタキシャル成長膜を形成する側の表(おもて)面とその反対側の裏面との間に大きな温度差が生じており(裏面の温度>表面の温度)、これに起因して当該表面と裏面とにおけるベース基板の熱伸縮量にも差が生じ、その結果炭化珪素基板の反りが増大していることを見出し、本発明に想到した。
本発明に従った炭化珪素基板の製造方法では、複数の凹凸部が分散して形成されたサセプタの支持面上にベース基板が配置され、当該ベース基板上にエピタキシャル成長膜を形成することにより炭化珪素基板が製造される。そのため、凹凸部が分散して形成されていない支持面(たとえば平坦面)上にベース基板が配置される場合に比べて、ベース基板とサセプタとの接触面積をより低減することができる。これにより、たとえばサセプタを介してベース基板が加熱される場合、ベース基板においてサセプタに接触する側の裏面が表(おもて)面に対して過剰に加熱されることが抑制され、当該表面と裏面との温度差をより低減することができる。その結果、ベース基板の表面と裏面とにおける熱伸縮量の差も小さくなり、これに起因した炭化珪素基板の反りの発生を抑制することができる。したがって、ベース基板が反った状態でエピタキシャル成長膜が形成されることを抑制することができるため、本発明に従った炭化珪素基板の製造方法によれば、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することができる。
上記炭化珪素基板の製造方法において、支持面には、複数の上記凹凸部が全面にわたり形成されていてもよい。これにより、ベース基板とサセプタとの接触面積をさらに低減することができる。その結果、ベース基板における表面と裏面との温度差がさらに低減され、炭化珪素基板の反りをより効果的に抑制することができる。
上記炭化珪素基板の製造方法において、上記凹凸部は、支持面に形成された穴部を含んでいてもよい。また、上記凹凸部は、支持面に形成された突起部を含んでいてもよい。また、上記凹凸部は、支持面に沿って延びるように形成された溝部を含んでいてもよい。このようにすることにより、ベース基板とサセプタとの接触面積を低減させるために、支持面に上記凹凸部を形成することがより容易になる。
本発明に従った炭化珪素基板の製造装置は、炭化珪素からなるベース基板を接触して配置するためのサセプタと、ベース基板上にエピタキシャル成長膜を形成するためにベース基板を加熱する加熱部とを備えている。サセプタにおいてベース基板と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている。
本発明に従った炭化珪素基板の製造装置では、ベース基板が配置されるサセプタの支持面において、複数の凹凸部が分散して形成されている。そのため、支持面に凹凸部が分散して形成されていない場合(たとえば平坦面である場合)に比べて、ベース基板とサセプタとの接触面積をより低減することができる。これにより、たとえばサセプタを介してベース基板が加熱される場合、ベース基板においてサセプタに接触する側の裏面が表(おもて)面に対して過剰に加熱されることが抑制され、当該表面と裏面との温度差をより低減することができる。その結果、ベース基板の表面と裏面とにおける熱伸縮量の差も小さくなり、これに起因した炭化珪素基板の反りの発生を抑制することができる。したがって、ベース基板が反った状態でエピタキシャル成長膜が形成されることを抑制することができるため、本発明に従った炭化珪素基板の製造装置によれば、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することができる。
上記炭化珪素基板の製造装置において、支持面には、複数の上記凹凸部が全面にわたり形成されていてもよい。これにより、ベース基板とサセプタとの接触面積をさらに低減することができる。その結果、ベース基板における表面と裏面との温度差がさらに低減され、炭化珪素基板の反りをより効果的に抑制することができる。
上記炭化珪素基板の製造装置において、上記凹凸部は、支持面に形成された穴部を含んでいてもよい。また、上記凹凸部は、支持面に形成された突起部を含んでいてもよい。また、上記凹凸部は、支持面に沿って延びるように形成された溝部を含んでいてもよい。このようにすることにより、ベース基板とサセプタとの接触面積を低減させるために、支持面に上記凹凸部を形成することがより容易になる。
以上の説明から明らかなように、本発明に従った炭化珪素基板の製造方法および製造装置によれば、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
まず、本発明の一実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置の構成について説明する。図1および図2を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置であるCVD(Chemical Vapor Deposition)装置1は、炭化珪素からなるベース基板10上にエピタキシャル成長膜を形成して炭化珪素基板を製造するための装置である。CVD装置1は、石英管2と、加熱部としてのRF(Radio Frequency)コイル3と、断熱材4と、発熱体5と、サセプタ6とを主に備えている。
図1を参照して、石英管2は、円筒形状を有し、ベース基板10上にエピタキシャル成長膜を形成するための反応室2aが内部に形成されている。石英管2は、一方の開口部(図中左側)からエピタキシャル成長のための反応ガスが反応室2a内に供給され、他方の開口部(図中右側)から当該反応ガスが排出されるように構成されている(図1中矢印)。
断熱材4は、反応室2aと石英管2の外部とを断熱するための部材であって、石英管2の内周面2bに沿うように配置されている。断熱材4は、たとえばカーボン製である。
発熱体5は、ベース基板10および反応室2a内に供給された反応ガスを加熱するための部材であって、断熱材4の内周面4aに沿うように配置されている。すなわち、石英管2、断熱材4および発熱体5は、石英管2の径方向(中心から外周部に向かう方向)において、発熱体5、断熱材4、石英管2の順に配置されている。発熱体5は、RFコイル3を用いた誘導加熱により加熱可能な導電性材料からなっており、たとえばカーボンからなっている。発熱体5の一方の端部には、軸方向に突出する突出部5bが形成されている。また、図2を参照して、発熱体5の内周面5aを含む部分には、サセプタ6を配置するための凹部5cが形成されている。
図2を参照して、サセプタ6は、支持面6aにおいてエピタキシャル成長膜を形成する対象であるベース基板10を接触して配置するための部材である。サセプタ6は、たとえばカーボンからなり、その表面は炭化珪素(SiC)やタンタルカーバイド(TaC)などによりコーティングされている。サセプタ6は、発熱体5の凹部5c内に配置されている。
図2および図3を参照して、サセプタ6においてベース基板10の裏面10bと接触する支持面6aには、複数の凹凸部6dが分散して形成されている。より具体的には、支持面6aには、当該支持面6aに沿って延びるように形成された溝部6bと平坦部6cとを含む凹凸部6dが全面にわたり形成されている。
図3を参照して、複数の溝部6bの各々は、一方向に延びるように形成されていてもよいし、図3に示すように互いに交差(たとえば直交)するように形成されていてもよい。また、複数の溝部6bの各々は、支持面6aの一方の端部から他方の端部にまで到達するように直線状に形成されている。これにより、ベース基板10を支持面6a上に配置する場合に、ベース基板10下に溝部6bを位置させることが容易になる。また、一方向に延びる複数の溝部6bの各々は、互いに等間隔に形成されていてもよい。これにより、ベース基板10を支持面6aにおいて安定に保持することが容易になる。なお、溝部6bの数、幅、深さ、形状などは特に限定されるものではなく、適宜選択することが可能である。たとえば、溝部6bは、図2に示すように断面形状が矩形であってもよいし、他の形状(たとえば断面形状がV字形状)であってもよい。
図1および図2を参照して、RFコイル3は、ベース基板10の表(おもて)面10a上にエピタキシャル成長膜を形成するためにベース基板10を加熱するための部材であって、石英管2の外周面2cに巻き付けられるように配置されている。RFコイル3は、高周波誘導加熱により石英管2の内部に配置された発熱体5を加熱する。より具体的には、電源(図示しない)からRFコイル3に高周波電流を供給することによりRFコイル3の周囲に変化する磁力線が発生し、当該磁力線の変化によりカーボン製の発熱体5に渦電流が流れる。そして、渦電流が流れることにより抵抗熱が発生し、発熱体5が加熱される。これにより、サセプタ6上に配置されたベース基板10、および反応室2a内に供給された反応ガスが加熱され、ベース基板10上にエピタキシャル成長膜を形成することができる。
以上のように、本実施の形態に係るCVD装置1は、炭化珪素からなるベース基板10を接触して配置するためのサセプタ6と、ベース基板10上にエピタキシャル成長膜を形成するためにベース基板10を加熱するRFコイル3とを備えている。そして、サセプタ6においてベース基板10と接触する支持面6aには、溝部6bを含む複数の凹凸部6dが分散して形成されている。
本実施の形態に係るCVD装置1では、ベース基板10が配置されるサセプタ6の支持面6aにおいて、複数の凹凸部6dが分散して形成されている。そのため、たとえば支持面が平坦面である場合など、支持面に凹凸部が分散して形成されていない場合に比べて、ベース基板10とサセプタ6との接触面積をより低減することができる。これにより、サセプタ6を介してベース基板10が加熱される際、ベース基板10においてサセプタ6に接触する側の裏面10bが表(おもて)面10aに対して過剰に加熱されることが抑制され、表面10aと裏面10bとの温度差をより低減することができる。その結果、ベース基板10の表面10aと裏面10bとにおける熱伸縮量の差も小さくなり、これに起因した炭化珪素基板の反りの発生を抑制することができる。したがって、ベース基板10が反った状態でエピタキシャル成長膜が形成されることを抑制することができるため、本実施の形態に係るCVD装置1によれば、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することができる。
また、本実施の形態に係るCVD装置1において、サセプタ6の支持面6aには、複数の凹凸部6dが全面にわたり形成されていてもよい。ここで、「全面にわたり形成される」とは、支持面6aにおいて局所的に凹凸部6dが形成された状態ではなく、図3に示すように支持面6aにおいて均一に凹凸部6dが形成された状態を意味する。これにより、ベース基板10とサセプタ6との接触面積をさらに低減することができる。その結果、ベース基板10における表面10aと裏面10bとの温度差がさらに低減され、炭化珪素基板の反りをより効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態に係るCVD装置1において、支持面6aに形成される凹凸部6dは溝部6bを含むものであってもよいが、本発明の炭化珪素基板の製造装置はこれに限定されるものではない。すなわち、図4を参照して、サセプタ6の支持面6aには、穴部6eと平坦部6cとを含む凹凸部6dが全面にわたり形成されていてもよい。また、図5を参照して、サセプタ6の支持面6aには、突起部6fと平坦部6cとを含む凹凸部6dが全面にわたり形成されていてもよい。このように、溝部6bに代えて穴部6eや突起部6fを支持面6aに形成した場合でも、同様にベース基板10とサセプタ6との接触面積を低減することができる。その結果、ベース基板10の表面10aと裏面10bとにおける温度差が低減され、これに起因した炭化珪素基板の反りを抑制することができる。なお、穴部6eおよび突起部6fの数、形状あるいは大きさなどは特に限定されるものではなく、適宜選択することが可能である。たとえば、穴部6eおよび突起部6fの平面形状は、図4および図5に示すように円形状であってもよいが、他の任意の形状(たとえば多角形状や楕円など)であってもよい。
図6を参照して、CVD装置1は、ベース基板10の端部を押さえるための重り7をさらに備えていてもよい。重り7は、ベース基板10の外周に沿った形状を有し、たとえば円環状の形状を有している。このように、重り7を用いてベース基板10の端部を上方から押さえることにより、基板の反りをより効果的に抑制することができる。
図7を参照して、重り7は、ベース基板10の表面10aに対して90°未満の角度を成す斜面7a,7bを有していてもよい。これにより、石英管2の反応室2a内(図1参照)に供給された反応ガスは、重り7の斜面7a,7bに沿って滑らかに表面10a上を流れることができる(図7中矢印)。その結果、重り7をベース基板10に配置することによりエピタキシャル成長のための反応ガスの流れが乱れることを抑制することができる。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法について説明する。本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法は、上記本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造装置としてのCVD装置1を用いて実施される。図8を参照して、まず、工程(S10)として、ベース基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、図9を参照して、たとえば4H型の六方晶炭化珪素からなるインゴット(図示しない)をスライスすることにより、炭化珪素からなり、表(おもて)面10aおよび裏面10bを有するベース基板10が準備される。
次に、工程(S20)として、ベース基板配置工程が実施される。この工程(S20)では、図1および図2を参照して、上記工程(S10)において準備されたベース基板10が、CVD装置1のサセプタ6の支持面6a上に接触するように配置される。ここで、図1および図2に示すように、サセプタ6の支持面6aには溝部6bと、平坦部6cとを含む凹凸部6dが分散して形成されている。そのため、ベース基板10は、裏面10bの全面が支持面6aに接触することなく(すなわち、ベース基板10とサセプタ6との間に隙間が形成された状態で)支持面6a上に配置される。
次に、工程(S30)として、エピタキシャル成長膜形成工程が実施される。この工程(S30)では、図1を参照して、まず、RFコイル3に高周波電流を供給することにより発熱体5が加熱される。これにより、反応室2aおよび反応室2a内に配置されたベース基板10が所定の温度にまで加熱される。次に、石英管2の一方の開口部から反応室2a内に反応ガスが供給される。反応ガスは、水素(H2)などのキャリアガス、シラン(SiH4)およびプロパン(C3H8)などの原料ガス、および窒素(N2)などのドーパントガスを含んでいる。次に、反応室2a内に供給された反応ガスが加熱されることにより、反応ガス中に含まれるシラン、プロパンおよび窒素が熱分解される。この結果、図10に示すようにベース基板10の表面10a上に窒素がドープされたエピタキシャル成長膜11が形成される。このようにして上記工程(S10)〜(S30)が実施されることにより、ベース基板10とエピタキシャル成長膜11とを有する炭化珪素基板20が製造され、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法が完了する。
以上のように、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素からなるベース基板10を準備する工程(S10)と、ベース基板10をCVD装置1のサセプタ6上に接触して配置する工程(S20)と、ベース基板10においてサセプタ6と接触する側とは反対側の表面10a上にエピタキシャル成長膜11を形成する工程(S30)とを備えている。そして、サセプタ6においてベース基板10と接触する支持面6aには、溝部6bを含む複数の凹凸部6dが分散して形成されている。
本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法では、複数の凹凸部6dが分散して形成されたサセプタ6の支持面6a上にベース基板10が配置され、当該ベース基板10上にエピタキシャル成長膜11を形成することにより炭化珪素基板20が製造される。そのため、凹凸部が分散して形成されていない支持面(たとえば平坦面)上にベース基板が配置される場合に比べて、ベース基板10とサセプタ6との接触面積をより低減することができる。これにより、サセプタ6を介してベース基板10が加熱される場合、ベース基板10においてサセプタ6に接触する側の裏面10bが表(おもて)面10aに対して過剰に加熱されることが抑制され、表面10aと裏面10bとの温度差をより低減することができる。その結果、ベース基板10の表面10aと裏面10bとにおける熱伸縮量の差も小さくなり、これに起因した炭化珪素基板20の反りの発生を抑制することができる。したがって、ベース基板10が反った状態でエピタキシャル成長膜11が形成されることを抑制することができるため、本実施の形態に係る炭化珪素基板の製造方法によれば、反りが抑制された炭化珪素基板20を製造することができる。
なお、上記凹凸部は、溝部6b、穴部6eまたは突起部6fを含む形状を有するものに限定されず、たとえば研磨加工や機械加工などによりランダムな形状を含むものであってもよい。また、上記凹凸部は、溝部6b、穴部6eおよび突起部6fのうちから選択される少なくとも二種を組み合わせた形状を有していてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の炭化珪素基板の製造方法および製造装置は、反りが抑制された炭化珪素基板を製造することが要求される炭化珪素基板の製造方法および製造装置において、特に有利に適用され得る。
1 CVD装置、2 石英管、2a 反応室、2b,4a,5a 内周面、2c 外周面、3 コイル、4 断熱材、5 発熱体、5b 突出部、5c 凹部、6 サセプタ、6a 支持面、6b 溝部、6c 平坦部、6d 凹凸部、6e 穴部、6f 突起部、7 重り、10 ベース基板、10a 表面、10b 裏面、11 エピタキシャル成長膜、20 炭化珪素基板。
Claims (10)
- 炭化珪素からなるベース基板を準備する工程と、
前記ベース基板をサセプタ上に接触して配置する工程と、
前記ベース基板において前記サセプタと接触する側とは反対側の表面上にエピタキシャル成長膜を形成する工程とを備え、
前記サセプタにおいて前記ベース基板と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている、炭化珪素基板の製造方法。 - 前記支持面には、複数の前記凹凸部が全面にわたり形成されている、請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
- 前記凹凸部は、前記支持面に形成された穴部を含む、請求項1または2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
- 前記凹凸部は、前記支持面に形成された突起部を含む、請求項1または2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
- 前記凹凸部は、前記支持面に沿って延びるように形成された溝部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造方法。
- 炭化珪素からなるベース基板を接触して配置するためのサセプタと、
前記ベース基板上にエピタキシャル成長膜を形成するために前記ベース基板を加熱する加熱部とを備え、
前記サセプタにおいて前記ベース基板と接触する支持面には、複数の凹凸部が分散して形成されている、炭化珪素基板の製造装置。 - 前記支持面には、複数の前記凹凸部が全面にわたり形成されている、請求項6に記載の炭化珪素基板の製造装置。
- 前記凹凸部は、前記支持面に形成された穴部を含む、請求項6または7に記載の炭化珪素基板の製造装置。
- 前記凹凸部は、前記支持面に形成された突起部を含む、請求項6または7に記載の炭化珪素基板の製造装置。
- 前記凹凸部は、前記支持面に沿って延びるように形成された溝部を含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載の炭化珪素基板の製造装置。
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