JP2014118550A - エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
スラリー重合に対するプロセス適性に優れ、モルフォロジーが良好な、LDPEの良成形加工性と、HDPEおよびLLDPEの機械強度を併せ持つを提供する。
【解決手段】密度(kg/m)が935以上960以下であることから剛性に優れ、かつ、数平均分子量(Mn)が1,000以上150,000未満の成分の長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0個以上0.05個以下であり、Mnが150,000以上10,000,000以下の成分の長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.20個以上3.0個未満である事により、加工性に優れ、かつ、Mnが15,000以上10,000,000以下であることから耐衝撃性に優れることを特徴とするエチレン系重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、長鎖分岐を有するエチレン系重合体に関するものである。
高圧ラジカル法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は分岐型ポリオレフィンであり、その側鎖は非線状な樹状構造である。このような構造は溶融流動性、溶融張力等の成形加工性に優れ、ポリマーを溶融加工する際には利点となるが、一方では固体ポリマーの機械的強度を低下させるという欠点がある。
このため固体ポリマーの機械的強度を必要とする用途では、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で得られる直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が一般的に使用されている。しかし、LDPEの利点である良成形加工性をこれらのHDPEおよびLLDPEは有していない。
HDPEおよびLLDPEの成形加工性をエチレン系重合体の製造方法により改良する手法としては、例えば(イ)従来のチーグラー触媒を用いた多段重合法により分子量分布を広げる方法(例えば、特許文献1〜3参照。)、(ロ)伝統的なCr系触媒を用いて長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法、(ハ)非共役ジエンの存在下エチレンを重合し長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法(例えば、特許文献4参照。)、(ニ)マクロモノマーとエチレンの共重合により長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法(例えば、特許文献5参照。)、(ホ)特定の触媒でエチレンを重合することにより長鎖分岐を有する分子量分布の狭いエチレン系重合体を製造する方法(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。しかし、これらの方法で得られるエチレン系重合体の成型加工性は未だ十分ではない。また、(イ)、(ロ)および(ニ)の方法で得られるエチレン系重合体に関しては、分子量分布が広がることにより、機械強度が低下するという問題点がある。さらに、(ハ)の方法で得られるエチレン系重合体に関しては、溶剤に対して不溶、加熱に対して不融の複雑な架橋体が含まれ、機械強度が低下するという問題点がある。さらに、(ハ)の方法で得られるエチレン系重合体に関しては、低密度エチレン系重合体では長鎖分岐を有することで加工性に優れるが機械強度に劣り、高密度化すると、機械強度は向上するが、長鎖分岐数が減少し、成型加工性に劣るという問題点がある。
また、長鎖分岐を有し、成型加工性に優れるエチレン系重合体として、特定のマクロモノマーの合成と同時に、エチレン、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンを共重合したもの(例えば、特許文献7参照。)や特定のマクロモノマーを合成した後、エチレン、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンを共重合したもの(例えば、特許文献8参照。)が提案されているが、これらの重合体は分子量分布の制御がされておらず、長鎖分岐を分子量10万以上の割合が高いため、高粘度となり、長鎖分岐による高粘度化との相乗効果により成形加工性が著しく悪化する問題が生じた。
特開平2−53811号公報 特開平2−132109号公報 特開平10−182742号公報 特開平9−227626号公報 特開2004−346304号公報 特開2011−105934号公報 特開2004−346304号公報 特開2006−321991号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、LDPEの良成形加工性とHDPEおよびLLDPEの機械強度を併せ持つエチレン系重合体、およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。
すなわち本発明は、下記特徴(i)〜(iv)を有するエチレン系重合体およびその製造方法に関するものである。
(i)エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であり、
(ii)密度(kg/m)が935以上960以下であり、
(iii)GPCによる分子量測定において2つのピークを示す内、分子量分別した際の低分子量ポリエチレン成分[A]と高分子量ポリエチレン成分[B]の重量比が、95/5〜80/20の範囲にあり、
(iv)低分子量ポリエチレン成分[A]の数平均分子量(Mn)が1,000以上150,000未満、末端ビニル数が主鎖1000炭素数あたり0.10個以上3.0個未満、長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0個以上0.05個以下であり、
(v)高分子量ポリエチレン成分[B]のMnが150,000以上10,000,000以下、末端ビニル数が主鎖1000炭素数あたり0個以上0.05個以下、長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.20個以上3.0個未満である。
本発明のエチレン系重合体の密度(kg/m)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した値であり、935以上960以下であり、好ましくは940以上960以下であり、特に好ましくは945以上960以下である。エチレン系重合体の密度が935未満だとエチレン系重合体の剛性が低下し、960を超えると低温加工性が低下する。
本発明のエチレン系重合体は、GPCによる分子量測定において2つのピークを示す。ピークトップ分子量(Mp)はGPC測定によって得られた分子量分布曲線を後述の方法で2個のピークに分割し、高分子量側のピークと低分子量側のピークのトップ分子量を評価し、その差が100,000以上である場合を2つのMpを有するとした。100,000未満である場合は、実測された分子量分布曲線のトップ分子量を1つのMpとした。
分子量分布曲線の分割方法は以下のとおりに行った。GPC測定によって得られた、分子量の対数であるLogMに対して重量割合がプロットされた分子量分布曲線のLogMに対して、標準偏差が0.30であり、任意の平均値(ピークトップ位置の分子量)を有する2つの対数分布曲線を任意の割合で足し合わせることによって、合成曲線を作成する。さらに、実測された分子量分布曲線と合成曲線との同一分子量(M)値に対する重量割合の偏差平方和が最小値になるように、平均値と割合を求める。偏差平方和の最小値は、各ピークの割合がすべて0の場合の偏差平方和に対して0.5%以下にした。偏差平方和の最小値を与える平均値と割合が得られた時に、2つの対数正規分布曲線に分割して得られるそれぞれの対数分布曲線のピークトップの分子量をMpとした。この2つの対数分布曲線の分子量の低い方を低分子量ポリエチレン成分[A]、分子量の高い方を高分子量ポリエチレン成分[B]とする。
本発明のエチレン系重合体の分子量分別した際の低分子量ポリエチレン成分[A]と高分子量ポリエチレン成分[B]の重量比は、95/5〜80/20であり、好ましくは95/5〜85/15であり、特に好ましくは95/5〜90/10である。エチレン系重合体の分子量分別した際の高分子量ポリエチレン成分[B]が5%未満だと耐衝撃性が低下し、20%を超えると流動性が低下する。
本発明のエチレン系重合体の分子量分別した際の低分子量ポリエチレン成分[A]に有する長鎖分岐数は、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐の数であり、1,000個の炭素原子当たり0個以上0.05個以下であり、好ましくは0個以上0.03個以下である。エチレン系重合体の低分子量ポリエチレン成分[A]の長鎖分岐数が0.05個を超えると、エチレン系重合体の溶融流動性が低下する。
本発明のエチレン系重合体の分子量分別した際の高分子量ポリエチレン成分[B]に有する長鎖分岐数は、13C−NMR測定で検出されるヘキシル基以上の分岐の数であり、1,000個の炭素原子当たり0.10個以上3.0個未満であり、好ましくは0.25個以上3.0個未満であり、さらに好ましくは0.30個以上3.0個未満である。エチレン系重合体の高分子量ポリエチレン成分[B]の長鎖分岐数が0.10個以下だと、エチレン系重合体の成型加工性が低下する。3.0個以上だと、高粘度となりエチレン系重合体の成型加工性が低下する。
本発明におけるエチレン系重合体のMw/Mnは、3.0から6.0の範囲であることが好ましく、特に好ましくは3.0以上5.0以下であり、さらに好ましくは3.0以上4.0以下である。
本発明におけるエチレン系重合体のMnは、15,000以上10,000,000以下が好ましく、エチレン系重合体のMnが15,000以上であるとエチレン系重合体の耐衝撃性が良好である。
本発明のエチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)(g/10分)は0.1以上100以下であることが好ましく、特に好ましくは1.0以上100以下であり、さらに好ましくは10以上100以下である。
本発明で用いられる炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等を例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
本発明のエチレン系重合体は、エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であり、エチレン、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンを共重合することによって製造できる。特定のマクロモノマーを合成した後、エチレン、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンを共重合する方法、特定のマクロモノマーの合成と同時に、エチレン、必要に応じて炭素数3以上のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
本発明のエチレン系重合体は、一般式(1)
Figure 2014118550
(式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。)
で表される遷移金属化合物(A)、有機化合物で処理された変性粘土化合物(B)および有機アルミニウム化合物(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いて製造することができる。
一般式(1)中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。以下に、X、R、R及びRの具体例を挙げる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基やそれらの異性体置換基、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ビフェニレニル基等を例示することができる。炭素数1〜20のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等を例示することができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基等を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基等を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したものとしては、メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等を例示することができる。炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものとしては、ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基などが挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものとしては、トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等を例示することができる。 本発明に用いる一般式(1)で表される遷移金属化合物の具体的な例として、次に挙げる化合物を例示することができる。遷移金属化合物(A)の具体例として、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−メトキシ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−ジメチルアミノ−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−トリメチルシリル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−イソプロピル−7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−フェニル−7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−メトキシ−7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−ジメチルアミノ−7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−トリメチルシリル−7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(3,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,3,4,7−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3,4−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(4−フェニル−7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物、ジルコニウム原子をチタン原子、ハフニウム原子に変えた化合物や上記遷移金属化合物のジクロロ体をジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体に変えた化合物などを例示することができるが、これらに限定するものではない。有機変性粘土化合物(B)は、以下の一般式(2)
Figure 2014118550
(式中、R〜Rは各々独立して炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルキルシリル基、上記炭素数1〜18の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部を炭素数1〜30のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、かつ、R〜Rのうち1つを炭素数18の置換基とすると、残りの置換基は炭素数が10以下であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
で表される有機化合物にて変性したものであり、有機化合物の具体的な例としては、次に例示することができる。
一般式(2)において、R、RおよびRの炭素数1〜18の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ゲラニル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、フェニル基等を例示することができる。
炭素数1〜18のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基、フェノキシ基等を例示することができる。
炭素数1〜18のアルキルアミノ基は、前記炭素数1〜18の炭化水素基を置換基として有するアミノ基であり、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基等を例示することができる。
炭素数1〜18のアルキルシリル基は、前記炭素数1〜18の炭化水素基を置換基として有するシリル基であり、トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基、ジtert−ブチルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等を例示することができる。
上記炭素数1〜18の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したものとしては、メトキシメチレン基、エトキシメチレン基等を例示することができる。
上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部を炭素数1〜18のアルキルアミノ基に置換したものとしては、ジメチルアミノメチレン基、ジエチルアミノメチレン基等を例示することができる。
上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものとしては、トリメチルシリルメチレン基、tert−ブチルジメチルシリルメチレン基等を例示することができる。
そして、R〜Rのうち1つを炭素数18の置換基とすると、残りの置換基は炭素数が10以下であり、例えば、Rがn−オクタデシル基である場合、R、Rは共にn−デシル基よりも炭素数の少ない置換基でなければならない等の関係性を例示することができるが、これらに限定するものではない。
は、周期律表第15族の原子であり、窒素原子またはリン原子を例示することができる。Mが窒素原子である場合の一般式(2)で表される有機化合物の具体例としては、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、n−プロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、n−ブチルアミン塩酸塩、イソブチルアミン塩酸塩、tert−ブチルアミン塩酸塩、n−ペンチルアミン塩酸塩、イソペンチルアミン塩酸塩、2−メチルブチルアミン塩酸塩、ネオペンチルアミン塩酸塩、tert−ペンチルアミン塩酸塩、n−ヘキシルアミン塩酸塩、イソヘキシルアミン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、n−ノニルアミン塩酸塩、n−デシルアミン塩酸塩、n−ウンデシルアミン塩酸塩、n−ドデシルアミン塩酸塩、n−テトラデシルアミン塩酸塩、n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、n−オクタデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリ−n−ブチルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、2−アミノヘプタン塩酸塩、3−アミノヘプタン塩酸塩、n−ヘプチルアミン塩酸塩、1,5−ジメチルヘキシルアミン塩酸塩、1−メチルヘプチルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、tert−オクチルアミン塩酸塩、ノニルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ウンデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ペンタデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、ヘプタデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロヘプチルアミン塩酸塩、2−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、3−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、4−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロドデシルアミン塩酸塩、2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン塩酸塩、ゲラニルアミン塩酸塩、N−メチルヘキシルアミン塩酸塩、ジヘキシルアミン塩酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)アミン塩酸塩、ジオクチルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、N−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−エチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−tert−ブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−アリルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、トリヘキシルアミン塩酸塩、トリイソオクチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩、トリイソデシルアミン塩酸塩、トリドデシルアミン塩酸塩、N−メチル−N−オクタデシル−1−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ピペリジン塩酸塩、2,5−ジメチルピロリジン塩酸塩、2−メチルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,3−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、2−エチルピペリジン塩酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−メチルピロリジン塩酸塩、1−メチルピペリジン塩酸塩、1−エチルピペリジン塩酸塩、1−ブチルピロリジン塩酸塩、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン塩酸塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩等の芳香族アミンの塩酸塩および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
がリン原子であるものとしては、P,P−ジメチル−オクタデシルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−オクタデシルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−オクタデシルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
[A]はアニオンであり、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、有機変性粘土(B)に用いる粘土化合物は、スメクタイト族ヘクトライトに属するものである。
有機化合物にて処理された変性粘土化合物は、粘土化合物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成する。
粘土化合物の有機化合物処理においては、粘土化合物の濃度は0.1〜30重量%、処理温度は0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、有機化合物は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により有機化合物の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土化合物と有機化合物の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。処理溶媒としては、ペンタン、ヘキサンもしくはヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエン等の芳香族炭化水素類、エチルアルコールもしくはメチルアルコール等のアルコール類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたは水等を用いることができるが、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
また、本発明で用いる有機変性粘土化合物(B)の粒径は特に制限されるものではないが、小さすぎると沈降しづらく触媒調製を効率よく行えなくなり、大きすぎると触媒をスラリーで移送する際に途中の配管に詰まったりするため、1〜100μmであることが好ましい。粒径を調節する方法も特に制限されず、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は未変性の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
粉砕や造粒の方法も特に制限されず、粉砕ならばインパクトミル、回転ミル、カスケードミル、カッターミル、ケージミル、衝撃式粉砕機、コニカルミル、コロイドミル、コンパウンドミル、ジェットミル、振動ミル、スタンプミル、チューブミル、ディスクミル、タワーミル、媒体攪拌ミル、ハンマーミル、ピンミル、フレットミル、ペブルミル、ボールミル、摩砕機、遊星ミル、
リングボールミル、リングロールミル、ロッドミル、ローラーミル、ロールクラッシャー等を、造粒としては転動造粒、流動層造粒、攪拌造粒、圧縮造粒、押出造粒、破砕造粒、溶融造粒、噴霧造粒等いずれの方法を用いてもよい。
有機アルミニウム化合物(C)は、本発明のエチレン系重合体製造用触媒の構成成分であり、遷移金属化合物(A)、および有機変性粘土(B)と共に用いられる。
有機アルミニウム化合物(C)は、下記一般式(3)
Figure 2014118550
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であり、Rは各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基、水素原子または塩素原子である。)
で表される。R、Rの炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記X、R、R及びRで例示したものと同様のものが挙げられる。有機アルミニウム化合物(C)としては、遷移金属化合物をアルキル化することが可能な化合物が好ましく、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
本発明における遷移金属化合物(A)の最長原子間距離は、遷移金属化合物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成させる有機変性粘土化合物(B)の層間距離よりも大きくなることが好ましい。遷移金属化合物(A)の最長原子間距離はCAChe/MM3計算により最適化した構造での最長原子間距離を用い、有機変性粘土化合物(B)の層間距離はXRDにて低角度の範囲に存在する001回折線の2θの値から、粘土板の厚みを差し引いた値を用いた。
本発明における遷移金属化合物(A)((A)成分)と遷移金属化合物(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成させる有機変性粘土化合物(B)((B)成分)、および有機アルミニウム化合物(C)((C)成分)の比に制限はないが、次に示す比であることが望ましい。
(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A成分):(C成分)=100:1〜1:100000の範囲にあり、特に1:1〜1:10000の範囲であることが好ましく、(A)成分と(B)成分の重量比が(A成分):(B成分)=10:1〜1:10000にあり、特に3:1〜1:1000の範囲であることが好ましい。
本発明のオレフィン重合用触媒は、担体に担持させてなる固体触媒として用いて重合を行ってもよい。担体に特に制限がないが、無機酸化物であることが好ましい。無機酸化物の具体的な例としては、マグネシア、カルシア等のアルカリ土類金属の酸化物、アルミナ、シリカ等の典型元素の酸化物、酸化セリウム、酸化サマリウム等のランタニド系稀土類元素の酸化物、酸化アクチニウム、酸化トリウム等のアクチニド系稀土類の酸化物、チタニア、ジルコニア、酸化銅、酸化銀等の遷移金属元素の酸化物、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア等の複合酸化物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
(A)成分、(B)成分および(C)成分からなるオレフィン重合用触媒を調製する方法に関して制限はなく、調製の方法として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、各成分を2種以上用いてオレフィン重合用触媒を調製することも可能である。
本発明における触媒は、通常の重合プロセス、すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重合、塊状重合のいずれのプロセスにも使用できる。
本発明において重合とは単独重合のみならず共重合も意味し、これら重合により得られるエチレン系重合体は、単独重合体のみならず共重合体も含む意味で用いられる。
本発明におけるエチレン系重合体の重合は、気相でも液相でも行うことができ、特に気相で重合を行う場合には、粒子形状の整ったポリオレフィンを効率よく安定的に生産することができる。また、重合を液相で行う場合、用いる溶媒は、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンそれ自身を溶媒として用いることもできる。
本発明に用いるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、スチレンおよびスチレン誘導体、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエン、シクロブテン等の環状オレフィン等が挙げられる。さらに、エチレンとプロピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセンとスチレン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボルネンのように、3種以上の成分を混合して重合することもできる。
本発明の方法を用いてエチレン系重合体を製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100〜300℃、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜3000kg/cmGの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるエチレン系重合体は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
本発明で製造されるエチレン系重合体は、例えば耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知添加剤を配合することができる。
本発明で製造されるエチレン系重合体は、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもでき、例えばHDPE、LLDPE、LDPE、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等と混合することができる。
本発明によれば、スラリー重合に対するプロセス適性に優れ、モルフォロジーが良好な、LDPEの良成形加工性と、HDPEおよびLLDPEの機械強度を併せ持つエチレン系重合体を経済的に製造することができる。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
有機変性粘土の粉砕にはジェットミル(セイシン企業社製(商品名)CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製(商品名)MT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)およびピークトップ分子量(Mp)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
密度は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
MFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
分子量分別は、カラムとしてガラスビーズ充填カラム(直径:21mm、長さ:60cm)を用い、カラム温度を130℃に設定して、サンプル1gをキシレン30mLに溶解させたものを注入する。次に、キシレン/2−エトキシエタノールの比率が5/5のものを展開溶媒として用い、留出物を除去する。その後、キシレンを展開溶媒として用い、カラム中に残った成分を留出させ、ポリマー溶液を得る。得られたポリマー溶液に5倍量のメタノールを添加しポリマー分を沈殿させ、ろ過および乾燥することにより、Mnが10万以上である成分を回収した。
長鎖分岐数は、日本電子(株)製JNM−GSX400型核磁気共鳴装置を用いて、13C−NMRによってヘキシル基以上の分岐数を測定した。溶媒はベンゼン−d6/オルトジクロロベンゼン(体積比30/70)である。主鎖メチレン炭素(化学シフト:30ppm)1,000個当たりの個数として、α−炭素(34.6ppm)およびβ−炭素(27.3ppm)のピークの平均値から求めた。
溶融張力の測定用試料は、サンプルに耐熱安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガノックス1010TM;1,500ppm、イルガフォス168TM;1,500ppm)を添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
溶融張力の測定は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)を溶融張力とした。
実施例1
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸15.0g及びN,N−ジメチルミリスチルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM14D)29.0g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより122gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。XRD測定から算出した層間距離は5.2Åであった。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.6Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5116g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.72wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を75.10mg(固形分14.30mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを3.6g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:500ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで44.4gのポリマーを得た(活性:3,110g/g触媒)。このポリマーのMFRは13.6g/10分、密度は946kg/m3であった。また、数平均分子量は15,800、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は4.0であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は88.6/11.4であった。ポリエチレン成分[A]のMnは12,400であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.37個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.02個であった。また、分子量分別した際のポリエチレン成分[B]のMnは181,000であり、末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.39個であった。溶融張力は67mNであった。
実施例2
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸18.8g及びN,N−ジメチルパルミチルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM16D)40.4g(150mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより135gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。XRD測定から算出した層間距離は6.9Åであった。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.6Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5123g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.90wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を65.83mg(固形分12.31mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを3.6g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:500ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで72.7gのポリマーを得た(活性:5,900g/g触媒)。このポリマーのMFRは19.4g/10分、密度は947kg/m3であった。また、数平均分子量は15,300、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.7であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は90.2/9.8であった。ポリエチレン成分[A]のMnは11,900であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.32個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.03個であった。また、分子量分別した際のポリエチレン成分[B]のMnは167,000であり、末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.35個であった。溶融張力は63mNであった。
実施例3
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸12.5g及びN,N−ジメチルステアリルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンDM18D)29.8g(100mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより118gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。XRD測定から算出した層間距離は8.6Åであった。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.6Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5123g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.90wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を51.87mg(固形分8.91mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを3.6g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:500ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで57.0gのポリマーを得た(活性:6,400g/g触媒)。このポリマーのMFRは15.8g/10分、密度は946kg/m3であった。また、数平均分子量は15,500、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は4.0であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は89.5/10.5であった。ポリエチレン成分[A]のMnは12,700であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.35個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.01個であった。また、分子量分別した際のポリエチレン成分[B]のMnは173,000であり、末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.34個であった。溶融張力は57mNであった。
実施例4
(1)粘土の変性
実施例1の(1)と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.8Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5123g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.90wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を65.83mg(固形分12.31mg相当)加え、85℃に昇温後、1−ブテンを3.6g加え、分圧が0.90MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:500ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで72.7gのポリマーを得た(活性:5,900g/g触媒)。このポリマーのMFRは10.7g/10分、密度は947kg/m3であった。また、数平均分子量は18,400、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は4.2であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は84.2/15.8であった。ポリエチレン成分[A]のMnは13,800であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.14個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.01個であった。また、分子量分別した際のポリエチレン成分[B]のMnは194,000であり、末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.21個であった。溶融張力は44mNであった。
比較例1
(1)粘土の変性
1Lのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製(商品名)エキネンF−3)300mL及び蒸留水300mLを入れ、濃塩酸12.5g及びN−メチルジオレイルアミン(ライオン株式会社製(商品名)アーミンM2O)64.3g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mLで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより118gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。XRD測定から算出した層間距離は20.4Åであった。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.6Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジトリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5201g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.90wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を38.83mg(固形分6.67mg相当)加え、85℃に昇温後、分圧が0.90MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで108gのポリマーを得た(活性:16,200g/g触媒)。このポリマーのMFRは22.3g/10分、密度は950kg/m3であった。また、数平均分子量は12,100、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.2であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は100/0であった。ポリエチレン成分[A]のMnは12,100であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.31個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.01個であった。溶融張力は12mNであった。
比較例2
(1)粘土の変性
比較例1の(1)と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.8Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを0.4406g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.4wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を52mg(固形分6.4mg相当)加え、80℃に昇温後、1−ブテンを6.0g加え、分圧が0.85MPaになるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に供給した(エチレン/水素混合ガス中の水素の濃度:590ppm)。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで61.8gのポリマーを得た(活性:9,700g/g触媒)。このポリマーのMFRは15.4g/10分、密度は948kg/m3であった。また、数平均分子量は12,700、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.0であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は100/0であった。ポリエチレン成分[A]のMnは12,700であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.11個、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.01個であった。溶融張力は14mNであった。
比較例3
(1)粘土の変性
実施例1の(1)と同様に行った。
(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mLのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108mL入れ、次いで計算化学によって算出された2原子間の最長距離が9.2Åであるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドを0.5201g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mLを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mLのヘキサンにて5回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:15.90wt%)。
(3)重合
2Lのオートクレーブにヘキサンを1.2L、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0mL、(2)で得られた触媒懸濁液を38.83mg(固形分6.67mg相当)加え、85℃に昇温後、分圧が0.90MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで108gのポリマーを得た(活性:16,200g/g触媒)。このポリマーのMFRは20.1g/10分、密度は945kg/m3であった。また、数平均分子量は11,400、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.8であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は97.3/2.7であった。ポリエチレン成分[A]のMnは8,500であり、末端ビニル数は1,000炭素あたり0.21個、長鎖分岐数は検出されなかった。ポリエチレン成分[B]のMnは14,800であり、末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり0.04個であった。溶融張力は13mNであった。
比較例4
高圧ラジカル重合法で得られた低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205、MFR3g/10分、密度924kg/m3)の数平均分子量は18,200、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は7.1であった。分子量分別した際のポリエチレン成分[A]と[B]の重量比は93.3/6.7であった。ポリエチレン成分[B]の末端ビニル数は検出されず、長鎖分岐数は1,000炭素あたり7.5個であった。溶融張力は90mNであった。
Figure 2014118550
(1):ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド
(2):ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド
(3):ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(4):ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド
(B−1):N,N−ジメチルミリスチルアミン塩酸塩変性ヘクトライト
(B−2):N,N−ジメチルパルミチルアミン塩酸塩変性ヘクトライト
(B−3):N,N−ジメチルステアリルアミン塩酸塩変性ヘクトライト
(B−4):N−メチルジオレイルアミン塩酸塩変性ヘクトライト

Claims (4)

  1. 下記特徴(i)〜(v)を有するエチレン系重合体。
    (i)エチレン単独重合体、またはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であり、
    (ii)密度(kg/m)が935以上960以下であり、
    (iii)GPCによる分子量測定において2つのピークを示す内、分子量分別した際の低分子量ポリエチレン成分[A]と高分子量ポリエチレン成分[B]の重量比が、95/5〜80/20の範囲にあり、
    (iv)低分子量ポリエチレン成分[A]の数平均分子量(Mn)が1,000以上150,000未満、末端ビニル数が主鎖1000炭素数あたり0.10個以上3.0個未満、長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0個以上0.05個以下であり、
    (v)高分子量ポリエチレン成分[B]のMnが150,000以上10,000,000以下、末端ビニル数が主鎖1000炭素数あたり0個以上0.05個以下、長鎖分岐数が主鎖1000炭素数あたり0.20個以上3.0個未満である。
  2. 重量平均分子量(Mw)とMnの比である、Mw/Mnが3.0から6.0の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体。
  3. Mnが15,000以上10,000,000以下であることを特徴とする請求項2に記載のエチレン系重合体。
  4. 一般式(1)
    Figure 2014118550
    (式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。R2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に窒素を導入したものまたは炭素数1〜20の炭化水素基の炭素と炭素の結合間にケイ素を導入したものである。)
    で表される遷移金属化合物(A)、スメクタイト族ヘクトライトに属する粘土化合物が一般式(2)
    Figure 2014118550
    (式中、R〜Rは各々独立して炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルキルシリル基、上記炭素数1〜18の炭化水素基の炭素と炭素の結合間に酸素を導入したもの、上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部を炭素数1〜18のアルキルアミノ基に置換したもの、上記炭素数1〜18の炭化水素基の一部の炭素をケイ素に置換したものであり、かつ、R〜Rのうち1つを炭素数14〜18の置換基とすると、残りの置換基は炭素数が10以下であり、Mは周期表第15族の原子であり、[A]はアニオンである。)
    で表される有機化合物で処理された変性粘土化合物(B)及び有機アルミニウム化合物(C)を含むオレフィン重合用触媒により得られる、請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
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