JP2014116273A - ナトリウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたナトリウム二次電池を提供する。
【解決手段】ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な正極、ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な負極、およびナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池である。前記負極がピロリン酸スズ(Sn227)を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクル特性に優れたナトリウム二次電池に関する。
ナトリウムイオンの挿入および脱離反応を用いるナトリウム二次電池は、現在、広範に使用されているリチウム二次電池よりも、ナトリウムの資源の優位性から、コスト性に優れた二次電池として期待されており、電極材料や電解質材料に関する研究開発が進められている。
松浦らは、非特許文献1において、有機電解液中でハードカーボンを負極とし、電流密度25mA/gの充放電の場合、約250mAh/gの30サイクルにわたり安定な放電容量を示すことを報告している。また、スズを負極として用いた場合、5回という少ないサイクル回数であるものの、初回放電容量は550mAh/gと高いことが記載されている。
松浦ら,第13回化学電池材料研究会ミーティング講演要旨集,2−23(2011)97.
上記のように、放電容量がリチウム二次電池に比べ低い場合、十分なサイクル特性が得られないという問題があった。そこで本発明は、上記の課題に対して、サイクル特性に優れたナトリウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の課題を解決するための手段の一例は、ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な正極、ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な負極、およびナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であって、前記負極がピロリン酸スズ(Sn227)を含むことを特徴とするナトリウム二次電池である。
ここで、前記負極は、ピロリン酸スズをカーボン粒子と混合して、ボールミル処理を行った材料を含むことが好ましい。この場合、より優れた電池を作製することができる。
また、前記電解質は、ナトリウムイオンを含む有機電解液、ナトリウムイオンを含む水系電解液、ナトリウムイオンを通す固体電解質、或いはナトリウムイオンを通すポリマー電解質であることが好ましい。
本発明によれば、サイクル特性に優れたナトリウム二次電池を提供することができる。
本発明のナトリウム二次電池の原理を示す概念図である。 本発明のナトリウム二次電池の構成例を示す概略縦断面図である。 図2で示した構成例のナトリウム二次電池の充放電曲線を示す図である。
以下に、本発明によるナトリウム二次電池の実施形態の一例を説明する。
本発明のナトリウム二次電池は、正極、負極および電解質を含む。
正極はナトリウムイオンの挿入および脱離が可能であり、負極はナトリウムイオンの挿入および脱離が可能であり、電解質はナトリウムイオン導電性を有するものである。なお、本発明のナトリウム二次電池およびその構成材料は、例えば以下のような手段により作製することができるが、本発明はこれらに限定されない。
正極の材料としては、例えばアセチレンブラック粉末やケッチェンブラック粉末などのカーボンブラック類のようなカーボン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤粉末、およびナトリウム複合酸化物などの正極活物質を混合したものを用いることができる。このような正極の材料を混合し、次いでロールプレス機により圧延し、所定サイズに切り抜いてペレット状に成型することにより、正極を作製することができる。
あるいは、前述のカーボン粉末、結着剤粉末、および正極活物質の混合物を有機溶剤(例えばNMP)等の溶媒中に分散してスラリー状にした後、例えばアルミ箔のような金属箔上に塗布し、乾燥することによっても、正極を作製できる。
負極の材料としては、ピロリン酸スズ(Sn227)に対して、例えばアセチレンブラック粉末などのカーボンブラック類のようなカーボン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤粉末を混合したものを用いることができる。このような負極の材料を混合し、次いでロールプレス機により圧延し、所定サイズに切り抜いてペレット状に成型することにより、負極を作製することができる。あるいは、前述のカーボン粉末、結着剤粉末、およびピロリン酸スズの混合物を有機溶剤(例えばN−メチル−2ピロリドン(NMP))等の溶媒中に分散してスラリー状にした後、例えば銅箔のような金属箔上に塗布し、乾燥することによっても、負極を作製できる。
電解質は、ナトリウムイオン導電性を有する物質で電子導電性を有しない物質であれば、ナトリウムを含む有機電解液、ナトリウムイオンを含む水系電解液を使用することができる。また、ナトリウムイオンを含む固体電解質やポリマー電解質などの固体状の電解質も使用することができる。
有機電解液としては、ナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF6)などのナトリウムイオンを含む金属塩を、例えば炭酸エチレン(EC)および炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、ECおよび炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒、または炭酸プロピレンのような単独溶媒に溶解した有機電解液を挙げることができる。水系電解液としては、NaOH水溶液、Na2SO4水溶液、NaClO4水溶液などのナトリウムイオンを含む金属塩を水に溶解した水溶液(水系電解液)を挙げることができる。
他の電解質として、ナトリウムイオン導電性を有する固体電解質(例えば、75Na2S・25P25などのガラス状物質やNa3Zr2Si2PO12などのNASICON)、ナトリウムイオン導電性を有するポリマー電解質(例えば、上記有機電解質とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質)などをあげることができる。
本発明のナトリウム二次電池は、セパレータ、電池ケース等の構造材料などの他の要素を更に含むこともできる。これらの要素についても、従来公知の二次電池に用いられる各種材料が使用でき、特に制限はない。
本発明のナトリウム二次電池の形状は、コイン形、円筒形、ラミネート形など従来の形状を採用することができる。そして、ナトリウム二次電池の製造方法も従来と同様の方法を用いることができる。
本発明のナトリウム二次電池は、例えば、図1に示すような、正極および負極と、これら両極に接する電解質から形成することができる。図1には明記していないが、正極および負極の間にセパレータが含まれていてもよい。有機電解質または水系電解質を電解質として用いる場合には、例えば、セパレータに電解質を含浸させて使用することができる。有機電解質または水系電解質は、ポリマー電解質等に含浸させてもよい。固体電解質またはポリマー電解質等を用いる場合には、両極がこれらに接するように配置すればよい。さらに、本発明のナトリウム二次電池は、正極、負極、電解質、セパレータ等を被う電池ケース等を含むことができる。
より具体的な一実施形態としては、ナトリウム二次電池として図2に示されるようなコインセル型ナトリウム二次電池を用いることができる。この二次電池は、正極1および負極3を含み、これらの電極の間に電解液を含有したセパレータ2をさらに含む。さらにこの二次電池は、正極ケース4、ガスケット5、および負極ケース6を含む。この二次電池は、例えば、上記の正極1、負極3、および電解液を含有したセパレータ2を、正極ケース4および負極ケース6に所望の通りに配置し、両ケースを固定することで作製することができる。
本発明では、セパレータに代えてまたは加えて、上述したような固体電解質またはポリマー電解質等を使用することができる。
以下に図面を参照して、本発明のナトリウム二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されず、本発明およびその趣旨の範囲内において適宜変更して実施できるものである。
[実験例1]
対極に金属ナトリウムシートを用いて、ピロリン酸スズ単独の性能評価を行った。
(i)性能評価用テストセルの作製
性能評価用テストセルは、以下の手順で作製した。
対極は、市販の試薬であるナトリウム塊(関東化学製)を、0.8mmの厚さまでプレスし、直径15mmの円形シート状に成型することによって作製した。
作用極は、次のように作製した。まず、市販試薬のピロリン酸スズ粉末(アルドリッチ製)、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン社製)を、70:25:5の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕・混合し、次いでロール成形してシートペレット状の電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径15mmの円形に切り抜いた。
電解液は、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を1mol/Lの濃度でポリカーボネート(PC)に溶解した溶液(キシダ化学株式会社製)を用いた。
セパレータは、リチウム二次電池用のポリプロピレン製のもの(セルガード社製)を用いた。
性能評価用テストセルは、図2に示すような2320コイン型のものを製造した。作用極として上記のペレット電極をケースにセットし、チタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)で覆い、その周縁部をスポット溶接により固定した。対極として別のケースにチタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)をスポット溶接で固定し、その上にナトリウムシートを圧着することにより固定して調整した。次に、ペレットを固定したケースに、セパレータをセットし、さらにセパレータに電解液を注入し、ナトリウムシートを固定したケースを被せ、コインセルかしめ機で2つのケースをかしめることにより、ポリプロピレン製ガスケットを含むコインセルを作製した。なお、性能評価用テストセルの作製は、露点が−85℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(ii)充放電試験
性能評価用テストセルの放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製)を用いて、作用極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cm2を通電し、充電終止電圧4.0V、放電終止電圧0.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
本実験例で作製した性能評価用テストセルの充放電曲線を、図3に示す。図3より、ピロリン酸スズは充放電が可能であり、初回放電容量377mAh/g(ピロリン酸スズ粉末重量当たりで規格化)、平均放電電圧1.3Vを示した。第1表に、30サイクル目、50サイクル目の放電容量維持率を示す。第1表より、1サイクル当たり約0.7%程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有していることが分かる。
上記のように、本実験例により、ピロリン酸スズを使用したナトリウム二次電池は、サイクル特性に優れ充放電可能であることが分かった。
Figure 2014116273
[実験例2〜6]
対極に金属ナトリウムシートを用いて、ピロリン酸スズ単独の性能評価を行った。
ピロリン酸スズ粉末とアセチレンブラック粉末を、ボールミル(BM)で粉砕して混合すること(ボールミル処理)により、電池性能の改善を試みた。
ピロリン酸スズ粉末とアセチレンブラック粉末(重量比70:25)をミキサー中で数分程度、混合した。この混合物に、直径7mmのジルコニア製ボールを加え、3時間[実験例2]、6時間[実験例3]、9時間[実験例4]、12時間[実験例5]、15時間[実験例6]のBM処理を行った。なお、いずれのBM処理の場合も、ピロリン酸スズ−アセチレンブラック混合物とボールの混合比率は、重量比で1:10、BM処理時の回転速度は300rpmとした。
得られたBM処理後のピロリン酸スズ−アセチレンブラック混合物は、PTFEバインダーを更に加え、らいかい機で混合し、実験例1と同様にして作用極ペレットを作製した。このペレットを用いて、実験例1と同様にして、コインセルを作製した。また、充放電試験も、実験例1と同様に行った。
充放電試験の結果を、第1表に示す。BM処理時間が、9hまでは特性が改善した。また、9hのBM処理において、50サイクル後の放電容量維持率も97%の高い値を達成した。これは、BM処理により、ピロリン酸スズ粉末とアセチレンブラック粉末の接触性が向上し、粉末間の界面抵抗が減少したためであると推察される。一方、15hのBM処理では、放電容量などの電池性能は低下した。これは、BM処理時の局所的な熱の発生により、ピロリン酸スズの変性が起こったためであると考えられる。このように、ピロリン酸スズをBM処理することにより、電池性能が改善することが明らかとなった。ただし、BM処理については、試料の粒子サイズや使用するボールの材質や大きさによって最適条件が異なるため、それぞれの場合で最適化を行う必要があると考えられる。
[実験例7]
(i)ナトリウム二次電池の作製
正極にNaCrO2を用い、負極にピロリン酸スズを用いて、次のようにナトリウム二次電池を作製した。
正極は、市販試薬の炭酸ナトリウムNa2CO3(関東化学製)10.6gと酸化クロムCr23(関東化学製)15.2gを混合し、1000℃で6時間、アルゴン雰囲気中で焼成することによりクロム酸ナトリウムNaCrO2を合成し、これを正極活物質として利用した。NaCrO2と、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン社製)を、70:25:5の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕して混合し、次いでロール成形して、シートペレット状の電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径15mmの円形に切り抜いた。
負極としては、実験例4の条件で作製したピロリン酸スズ/アセチレンブラック混合物を用いた。
電解液は、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)を1mol/Lの濃度でポリカーボネート(PC)に溶解した溶液(キシダ化学株式会社製)を用いた。
セパレータは、リチウム二次電池用のポリプロピレン製のもの(セルガード社製)を用いた。
ナトリウム二次電池は、性能評価用テストセルと同様に図2に示すような2320コイン型のものを製造した。正極ケース4に上記のペレット電極をセットし、チタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)で覆い、その周縁部をスポット溶接で固定することにより正極を作製した。負極ケース6にチタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)をスポット溶接で固定し、その上にナトリウムシートを圧着することにより固定して負極を調整した。次に、上記ペレット電極を固定した正極ケース4に、セパレータ2をセットし、さらにセパレータ2に電解液を注入し、ナトリウムシートを固定した負極ケース6を被せ、コインセルかしめ機で正極ケース4および負極ケース6をかしめることにより、ポリプロピレン製ガスケット5を含むコインセルを作製した。なお、ナトリウム二次電池の作製は、露点が−85℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(ii)充放電試験
ナトリウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製)を用いて、負極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cm2を通電し、充電終止電圧4V、放電終止電圧0.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
第1表に、初回サイクルの平均放電電圧と放電容量、30サイクル目、50サイクル目の放電容量維持率を示す。本発明によるナトリウム二次電池は充放電が可能であり、初回サイクルの放電容量385mAh/g(負極活物質重量当たりで規格化)、平均放電電圧2.0Vを示した。第1表に、30サイクル目、50サイクル目の放電容量維持率を示す。表より、1サイクル当たり約0.3−0.5%程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有していることが分かる。
上記のように、本実験例によるナトリウム二次電池は、サイクル特性に優れ充放電可能であることが分かった。
[実験例8]
正極材料として実験例7で用いたNaCrO2、負極には実験例4の条件で作製したピロリン酸スズ−アセチレンブラック混合物、固体電解質としてNASICON(Na3Zr2Si2PO12)を用いた。NASICONディスクは、ZrO(NO32・8H2O(関東化学株式会社),NH42PO4(関東化学株式会社),Na2SiO3・9H2O(関東化学株式会社)を、Na:Zr:Si:P=3:2:2:1となるように混合し、850℃で仮焼成を行った。得られた粉末は、ペレット成型機でディスク状に成型し、1100℃で24時間の本焼成を行い作製した。
実験例7と同様にして、コインセルを作製した。なお、固体電解質はコインセル内に収まるようにディスク(厚さ:約1mm)状に作製し、図示したセパレータ部分にセットした。また、正極/固体電解質/負極のそれぞれの界面に隙間ができないように、コインセルケースに任意の厚さのコインセルと同材質のディスク状のスペーサの溶接を行って用いた。
電池の放電試験は、実験例7とほぼ同様に、充放電測定システムを用いて、負極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cm2を通電し、充電終止電圧4.0V、放電終止電圧0.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を、第1表に示す。実験例7と比較して、正極/電解質および負極/電解質の界面の接触抵抗が増大するために、電圧は0.3Vの減少を示し、若干ではあるが放電容量も減少する。しかしながら、放電容量で示されるサイクル安定性に大きな変化は見られなかった。本実験例により、固体電解質を含む本発明のナトリウム二次電池が作動可能であることが確認された。
[実験例9]
正極材料として実験例7で用いたNaCrO2、負極には実験例4の条件で作製したピロリン酸スズ−アセチレンブラック混合物、電解質としてPEO系高分子電解質膜を用いた。
PEO系高分子電解質膜(厚さ:約2mm)は、PEO(Aldrich,Mw=6×105)と溶質であるNaTFSI(キシダ化学)がNa/O=1/18になるように10wt%のBaTiO3フィラーとともにアセトニトリル溶媒(キシダ化学)に添加した。なお、BaTiO3は、アルドリッチ製市販試薬(粒子径:<0.2μm)を用いた。一晩、攪拌した後に、PTFE板上に塗布し、完全にアセトニトリルを揮発させた。その後、真空下で90℃、12時間乾燥することによって作製した。
実験例7と同様にして、コインセルを作製した。なお、高分子電解質膜はコインセル内に収まるようにディスク状に切り抜き、図示したセパレータ部分にセットした。また、正極/固体電解質/負極のそれぞれの界面に隙間ができないように、コインセルケースに任意の厚さのコインセルと同材質のディスク状のスペーサの溶接を行って用いた。
電池の放電試験は、実験例7とほぼ同様に、充放電測定システムを用いて、負極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cm2を通電し、充電終止電圧4.0V、放電終止電圧0.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を、第1表に示す。実験例7と比較して、正極/電解質および負極/電解質の界面の接触抵抗が増大するために、電圧は0.2Vの減少を示し、若干ではあるが放電容量も減少する。しかしながら、放電容量で示されるサイクル安定性に大きな変化は見られなかった。本実験例により、高分子電解質を含む本発明によるナトリウム二次電池が作動可能であることが確認された。
[比較例]
比較例として、スズを負極材料に用いたナトリウム二次電池を作製した。
コインセルは、本発明による実験例7と同様にして作製および評価を行った。その結果を、第2表に実験例7と比較して示す。
本比較例による電池は、実験例7と比較して、初期特性においては、電圧や放電容量について優れた特性を示した。しかしながら、サイクルによる容量減少は著しく、50サイクル後には、初期の約5%の放電容量しか得られなかった。
一方、実験例7の場合、比較例よりも電圧や放電容量などの初期性能は劣るものの、50サイクル後でも約78%放電容量が維持されており、安定性が高いことが分かった。これは、スズの場合、放電の際に、ナトリウムとの合金化により膨張し、電極からの剥離などにより失活したために、容量が減少したのではないかと考えられる。
以上のように、本発明によるピロリン酸スズを使用したナトリウム二次電池は、安定した充放電サイクル特性を有した高性能電池あることが分かった。
Figure 2014116273
本発明により、サイクル特性に優れたナトリウム二次電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源等として使用することができる。
1 正極
2 セパレータ(電解質を含浸)
3 負極
4 正極ケース
5 ガスケット
6 負極ケース

Claims (6)

  1. ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な正極、ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な負極、およびナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であって、
    前記負極がピロリン酸スズ(Sn227)を含むことを特徴とするナトリウム二次電池。
  2. 前記負極は、ピロリン酸スズをカーボン粒子と混合して、ボールミル処理を行った材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のナトリウム二次電池。
  3. 前記電解質は、ナトリウムイオンを含む有機電解液であることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
  4. 前記電解質は、ナトリウムイオンを含む水系電解液であることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
  5. 前記電解質は、ナトリウムイオンを通す固体電解質であることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
  6. 前記電解質は、ナトリウムイオンを通すポリマー電解質であることを特徴とする請求項1または2に記載のナトリウム二次電池。
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