JP2014114976A - スーツブロワ作動時のボイラ制御方法およびボイラ制御装置 - Google Patents

スーツブロワ作動時のボイラ制御方法およびボイラ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】送気を実施する再熱式の蒸気プラントを安定稼働させる。
【解決手段】主蒸気4と再熱蒸気8bとによって駆動されるタービン6と、給水3を加熱して主蒸気4を生成するとともにタービン6から排出された蒸気8aを加熱して再熱蒸気8bを生成するボイラ2とを備え、主蒸気4を他のプラントに送気5することが可能なプラントにおけるスーツブロワ作動時のボイラ制御方法であって、送気5される主蒸気4の量に基づいてスーツブロワ作動時のボイラ2の制御パラメータを設定する、スーツブロワ作動時のボイラ制御方法が提供される。
【選択図】図5

Description

本発明は、スーツブロワ作動時のボイラ制御方法およびボイラ制御装置に関する。
スーツブロワは、ボイラ内の伝熱管に灰や煤が付着して熱伝達率が低下した場合に、伝熱管に向けて蒸気などを噴射することによって付着物を除去する装置である。スーツブロワが作動すると低下していた熱伝達率が急激に回復するため、ボイラで生成される蒸気の温度が急激に上昇する。これを抑制して蒸気温度を一定に保つために、一般的にスーツブロワ作動時には通常時とは異なる方法でボイラを制御することが求められる。
そこで、スーツブロワ作動時のボイラ制御に関する技術が種々提案されている。こうした従来の技術では、例えば特許文献1,2に記載されているように、スーツブロワ作動時の急激な蒸気温度の変化に対応するために、スーツブロワの作動と同時に、または作動に先行してボイラ制御の設定が変更される。また、制御の手法としては、例えば特許文献3に記載されているようにスーツブロワ作動時のゲインなどの制御パラメータを通常時とは独立して設定したり、特許文献4に記載されているように排ガスの再循環量と減温器でのスプレー散水量とを適切なタイミングで変更したりすることが知られている。
特開昭62−217006号公報 特開平1−114611号公報 特開昭62−245009号公報 特開2001−263606号公報
ところで、上記の特許文献1,3,4にも記載されているように、ボイラで生成された高圧蒸気(主蒸気)をタービンに供給して仕事(発電)をさせるとともに、タービンから排出される低圧蒸気(再熱蒸気)をボイラで再熱して再びタービンに供給する再熱式の発電プラントは、蒸気の有効利用のために広く用いられている。一方、主蒸気をタービンに供給するとともに、必要に応じて他のプラントなどに送気することも一般的である。発電プラントの場合、発電出力を安定化させるために、送気を実施する場合にもタービンには一定量の主蒸気を供給する必要がある。それゆえ、送気を実施する場合には、送気される蒸気量の分だけボイラへの給水量を増加させ、主蒸気の生成量を増加させる。
しかしながら、上記の2つの技術を組み合わせ、再熱式の発電プラントにおいて主蒸気の送気を実施することは、容易ではない。なぜならば、主蒸気の生成量を増加させる場合、ボイラで主蒸気を生成する過熱器により多くの熱を与えるために、供給される燃料の量が増加する。一方、上記の通り、送気の有無にかかわらずタービンには一定量の主蒸気が供給されるため、タービンから排出される再熱蒸気の量も送気の有無にかかわらず一定である。従って、送気の実施によってボイラに供給される燃料の量が増加すると、再熱蒸気を加熱する再熱器に対しては過剰な熱が与えられ、再熱蒸気の温度が上がりすぎてしまう。
従って、再熱式の発電プラントにおいて主蒸気の送気を実施する場合には、従来とは異なる方法でボイラを制御することが求められる。スーツブロワ作動時のボイラ制御についても、上記の特許文献1〜4に記載されたような従来の技術をそのまま適用したのでは、再熱蒸気の温度を安定的に制御することができず、プラントの安定稼働の妨げになったり、再熱蒸気の温度が配管の材料強度などを考慮して設定された許容値を超過してしまったりする可能性がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、主蒸気の送気を実施する再熱式の蒸気プラントを安定稼働させることが可能な、新規かつ改良されたスーツブロワ作動時のボイラ制御方法およびボイラ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、主蒸気と再熱蒸気とによって駆動されるタービンと、給水を加熱して主蒸気を生成するとともにタービンから排出された蒸気を加熱して再熱蒸気を生成するボイラとを備え、主蒸気を他のプラントに送気することが可能なプラントにおけるスーツブロワ作動時のボイラ制御方法であって、送気される主蒸気の量に基づいてスーツブロワ作動時のボイラの制御パラメータを設定するスーツブロワ作動時のボイラ制御方法が提供される。
送気される主蒸気の量に基づいてスーツブロワ作動時のボイラの制御パラメータを設定することによって、送気によって再熱蒸気の主蒸気に対する流量比が変動した場合でも、主蒸気の生成量を基準にした加熱の制御によって再熱蒸気の温度が不安定になることが防止される。
スーツブロワ作動時に再熱蒸気の温度上昇を抑制するにあたり、送気される主蒸気の量が多いほど温度上昇の抑制幅が小さくなるように制御パラメータを設定してもよい。より具体的には、スーツブロワ作動時にボイラから排出される高温ガスの再循環量を減少させることによって再熱蒸気の温度上昇を抑制するにあたり、送気される主蒸気の量が多いほど再循環量の減少幅が小さくなるように制御パラメータを設定してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、主蒸気と再熱蒸気とによって駆動されるタービンと、給水を加熱して主蒸気を生成するとともにタービンから排出された蒸気を加熱して再熱蒸気を生成するボイラとを備え、主蒸気を他のプラントに送気することが可能なプラントにおけるボイラ制御装置であって、送気される主蒸気の量に基づいてスーツブロワ作動時のボイラの制御パラメータを設定するボイラ制御装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、送気を実施する再熱式の蒸気プラントを安定稼働させることができる。
本発明の一実施形態が適用される再熱式発電プラントを示す図である。 図1に示す再熱式発電プラントにおいて、他のプラントへの送気がない場合の例を示す図である。 図1に示す再熱式発電プラントにおいて、他のプラントへの送気がある場合の例を示す図である。 図1に示す再熱式発電プラントにおける再熱蒸気の主蒸気に対する流量比と発電出力との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるスーツブロワ作動時のGR量の制御を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るGR量の制御回路の例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態が適用される再熱式発電プラントを示す図である。再熱式発電プラント1では、ボイラ2が、給水3を過熱器(SH:Superheater)2aで加熱して主蒸気4(過熱蒸気)を生成する。ここで、再熱式発電プラント1では、主蒸気4の一部を、送気5として他のプラントに供給することが可能である。
送気5を除いた主蒸気4は、タービン6(高圧タービン6a)に供給される。タービン6が駆動されると、タービン6に接続された発電機7が電力を生成する。タービン6で仕事をした主蒸気4は、低温再熱蒸気8aとしてタービン6から排出される。ボイラ2は、低温再熱蒸気8aを再熱器(RH:Reheater)2bで加熱して高温再熱蒸気8bにし、再びタービン6(低圧タービン6b)に供給する。つまり、再熱式発電プラント1において、タービン6は、主蒸気4と高温再熱蒸気8bとによって駆動される。なお、以下の説明では、低温再熱蒸気8aと高温再熱蒸気8bとを区別する必要がない場合、これらを総称して再熱蒸気8という。
かかる再熱式発電プラント1では、発電機7の出力(発電出力)を安定させるために、送気5の有無にかかわらず、タービン6に一定量の主蒸気4を供給する必要がある。従って、送気5が実施される場合には、その分だけ給水3の量が増加し、主蒸気4の生成量も増加する。主蒸気4の生成量が増加する場合、過熱器2aにより多くの熱を与えるために、ボイラ2に供給される燃料の量も増加する。
また、発電出力を安定させ、配管などの設備を保全するためには、タービン6に供給される主蒸気4および高温再熱蒸気8bの温度および圧力を所定の範囲に保つことも必要である。そのため、ボイラ2に供給される燃料の量は、上記の通り主蒸気4の生成量に応じて増減されるのに加え、主蒸気4の圧力測定値のフィードバックに基づいて制御される。また、過熱器2aの出口温度は、過熱低減器(DeSH:Desuperheater;図示せず)によるスプレー注水で所定の温度になるよう制御されている。
また、ボイラ2には、スーツブロワ9が設けられている。スーツブロワ9は、上述したように、ボイラ2内にある過熱器2aや再熱器2bの伝熱管に灰や煤が付着して熱伝達率が低下した場合に、伝熱管に向けて蒸気などを噴射することによって付着物を除去する装置である。スーツブロワ9は、例えば過熱器2aおよび再熱器2bが配置される領域に複数が配置されるが、図では簡単のため1ヶ所だけを図示している。
さらに、ボイラ2には、火炉の上部から後部煙道を通って排出される高温ガスを、火炉の底部に導気して再循環させるガス再循環(GR:Gas Recirculation)ライン10が設けられている。GRライン10は、ボイラ2から排出される高温排ガスを火炉の底部に導気するガス再循環ファン(GRF:GR Fan)と、再循環する高温排ガスの量を調整するダンパとを含む。高温再熱蒸気8bの温度は、主にGRライン10におけるガスの再循環量(GR量)によって調節される。GR量が多いほど、ボイラ2の後段を流れるガスの温度が上昇し、この部分に設けられる再熱器2bによって加熱される高温再熱蒸気8bの温度も上昇する。加えて、再熱器2bの出口温度は、再熱低減器(DeRH:Dereheater)11によるスプレー注水で所定の温度になるように制御されている。
上記のように、再熱式発電プラント1では、燃料の供給量、GR量、過熱低減器および再熱低減器11での注水量などを調節することによってボイラ2が制御されている。かかる制御は、例えば、発電出力、主蒸気4の生成量および圧力、燃料種(石炭であれば炭種)、過熱器2aおよび再熱器2bのそれぞれの出口温度などを入力値として用いて、GR量や注水量などを調節するための制御パラメータ、具体的にはPID制御器のパラメータや関数のパラメータなどを適切に設定することによって実現される。
しかしながら、再熱式発電プラント1では、送気5の量(送気量)によって主蒸気4の生成量が変動するため、上記のような従来から用いられてきた制御の入力値だけでは、ボイラ2を適切に制御することが困難である。以下、この点について、図2〜図4を参照してさらに説明する。なお、これらの図に示した蒸気量などの数値は一例であり、本発明の適用範囲を限定するものではない。
図2は、図1に示す再熱式発電プラントにおいて、他のプラントへの送気がない場合の例を示す図である。図示された例では、120t/hの給水3がボイラ2の過熱器2aで加熱され、120t/hの主蒸気4が生成される。送気5は実施されない(0t/hである)ため、120t/hの主蒸気4は、そのままタービン6に供給される。タービン6からは、95t/hの低温再熱蒸気8aが排出される。なお、図示された例では、給水3の予熱などのために25t/hの蒸気がタービン6において抽気されているため、供給される主蒸気4の量よりも排出される低温再熱蒸気8aの量の方が少ない。低温再熱蒸気8aは、ボイラ2の再熱器2bで加熱されて95t/hの高温再熱蒸気8bになり、再びタービン6に供給される。なお、このときの発電機7の出力(発電出力)は40MWである。
図3は、図1に示す再熱式発電プラントにおいて、他のプラントへの送気がある場合の例を示す図である。図示された例では、主蒸気4のうちの60t/hが、送気5として他のプラントに供給される。従って、送気5がない場合と同じ量(120t/h)の主蒸気4をタービン6に供給して発電出力(40MW)を維持するために、180t/hの給水3が過熱器2aで加熱され、180t/hの主蒸気4が生成される。この結果、タービン6には図2の例と同じ120t/hの主蒸気4が供給され、95t/hの低温再熱蒸気8aがタービン6から排出される。
上記の図3の例において、主蒸気4の生成量(180t/h)は、送気5がない場合(120t/h)と比べて増加している。一方、再熱蒸気8の量は送気5がない場合と同じ(95t/h)である。従って、再熱蒸気8の主蒸気4に対する流量比(再熱蒸気流量/主蒸気流量)は、送気5がない場合に比べて小さくなる(95/120→95/180)。それゆえ、ボイラ2に供給される燃料の量が主蒸気4の生成量を基準にして増加した場合、再熱器2bに与えられる熱が、再熱蒸気8の量に対して過剰になってしまう。この点について、以下で図4を参照してさらに説明する。
図4は、図1に示す再熱式発電プラントにおける再熱蒸気の主蒸気に対する流量比と発電出力との関係を示すグラフである。各系列に付された数値は、送気量を示す。送気量0t/hの場合(送気5がない場合)、ボイラ2で生成された主蒸気4がすべてタービン6に供給されるため、発電出力の変化に対して主蒸気4の流量と再熱蒸気8の流量とが同じ割合で変化する。従って、再熱蒸気8の主蒸気4に対する流量比は、発電出力にかかわらずほぼ一定である。それゆえ、送気5がない場合には、発電出力に基づいてボイラ2に供給される燃料の量などを制御すれば、主蒸気4と再熱蒸気8との両方について温度を適切な範囲に保つことができた。
ところが、送気量20t/h〜100t/hの場合(送気5がある場合)、上記で図3を参照して説明したように、ボイラ2で生成された主蒸気4の一部が送気5として他のプラントに供給されるため、再熱蒸気8の主蒸気4に対する流量比が、送気量0t/hの場合に比べて小さくなる。また、送気量20t/h〜100t/hの場合は、発電出力が増加すると、タービン6に供給される主蒸気4の量が増加することによって再熱蒸気8の量も増加するため、再熱蒸気8の主蒸気4に対する流量比は大きくなる。
このように、再熱式の発電プラント1では、送気5の量(送気量)が、再熱器2bで加熱された高温再熱蒸気8bの温度に大きく影響する。従って、例えばGR量や再熱低減器11での注水量といった、高温再熱蒸気8bの温度に関する量を調節するための制御パラメータは、発電出力や再熱器2bの出口温度といった従来の入力条件に加えて送気量にも基づいて設定することが望ましい。
本発明の実施形態は、そのようなボイラ2の制御の中でも、特に、スーツブロワ作動時の制御に関する。以下で、図5および図6を参照して、本発明の実施形態に係るスーツブロワ作動時のボイラ2の制御についてさらに説明する。
図5は、本発明の一実施形態におけるスーツブロワ作動時のGR量の制御を模式的に示す図である。図では、「初期状態」、「スーツブロワ作動前」および「スーツブロワ作動後」のGR量が示されている。GR量は、例えばGRライン10にあるダンパの開度によって調節される。なお、図示された例において、発電出力は一定であるものとする。
「初期状態」は、例えば再熱式発電プラント1が操業を開始したときの状態である。このとき、ボイラ2内にある過熱器2aや再熱器2bの伝熱管の表面には灰や煤がほとんど付着していないため、熱伝達率は高い。その後、プラントの操業とともに伝熱管の表面に灰や煤が付着し、熱伝達率が徐々に低下していく。そして、「スーツブロワ作動前」の状態に至る。
「スーツブロワ作動前」は、熱伝達率の低下や操業開始から所定の時間が経過したことを条件として、または運転員の操作によって、スーツブロワを作動させることが決定されたときの状態である。「スーツブロワ作動前」の状態において、伝熱管の表面の灰や煤の付着は図示した3つの状態のうちで最も多くなっており、熱伝達率は最も低くなっている。ここで、ボイラ2は再熱蒸気8の温度を維持するように自動制御されているため、「スーツブロワ作動前」の状態において、GR量は3つの状態のうちで最も多く、ボイラ2の後段を流れるガスの温度は最も高くなっている。
「スーツブロワ作動後」は、スーツブロワが作動して伝熱管の付着物を除去し、熱伝達率が回復したときの状態である。従って、このとき、「スーツブロワ作動前」の状態と比べて、伝熱管の熱伝達率は急激に上昇している。再熱器2bの伝熱管の熱伝達率も急激に上昇するため、温度測定値に基づく通常のフィードバック制御を実施していたのでは、再熱蒸気8の急激な温度上昇を防止できない。そこで、スーツブロワ作動時には、例えばゲインなどのパラメータに通常時とは異なる値を設定してフィードバック制御を実施したり、先行制御によってGR量を強制的に変更したりして、再熱蒸気8の急激な温度上昇を防止している。
本発明の一実施形態では、かかるスーツブロワ作動時の制御によるGR量の減少幅が送気5の量(送気量)に応じて変更されるように、フィードバック制御や先行制御における制御パラメータが設定される。その結果、例えば、図示されているように、送気量0t/hの場合の減少幅をd1、送気量30t/hの場合の減少幅をd2、送気量60t/hの場合の減少幅をd3、送気量100t/hの場合の減少幅をd4としたときに、d1>d2>d3>d4になる。つまり、本実施形態では、スーツブロワ作動時のGR量の減少幅が、送気量が多いほど小さくなる。
これは、送気量が多い場合、再熱蒸気8の量(一定)に比較して主蒸気4の生成量が多いため、ボイラ2に供給される燃料の量も多く、従って再熱蒸気8の温度も上がりやすい状態にあるためである。この状態を反映して、スーツブロワ作動前まで(通常時)の温度測定値に基づくフィードバック制御では、送気量が多いほどGR量が少なく設定されている。
ここで、仮に、送気の有無にかかわらず同じ制御パラメータを設定してスーツブロワ作動時の制御を実施すると、例えば先行制御によるGR量の変更幅が大きすぎたり、フィードバック制御で再熱蒸気8の温度変化にかかるゲインが大きすぎたりして、スーツブロワ作動時のGR量が適切なGR量とは大きく異なる値になる可能性がある。例えば、図示されているように、送気量60t/hの場合、スーツブロワ作動時に送気量0t/hの場合(一般的な再熱式発電プラントの場合)と同じ変化量d1だけGR量が減少すると、適切なGR量を大きく下回ってしまう。この場合、GR量が少なすぎ、再熱蒸気8の温度が下がりすぎてしまう。
このようにGR量が適切なGR量と大きく異なっていると、その後の制御で適切なGR量に到達するまでに時間がかかり、結果として発電出力が不安定になったり、高温再熱蒸気8bの温度が許容値を逸脱してしまったりする可能性がある。そこで、本実施形態では、スーツブロワ作動時の制御によるGR量の減少幅を送気量に応じて調節し、より適切なGR量を設定することによって、上記のような問題を解決する。
なお、図5は、スーツブロワ作動時のボイラ制御方法を模式的に示す図であって、必ずしも実際の操業に際して図示された通りのGR量の制御がされるとは限らない。例えば、各送気量でのスーツブロワ作動後のGR量は初期状態とほぼ同程度であるように図示されているが、実際には異なる値になることが多い。一般にスーツブロワは、過熱器2aおよび再熱器2bの近傍に複数が設置されて順次作動するため、伝熱管での熱伝達率が一度に初期状態に近い値まで回復するわけではないためである。
また、ここではスーツブロワ作動時のGR量の制御について説明したが、スーツブロワ作動時の再熱低減器11での注水量の制御など、他の量の制御についても、スーツブロワ作動時の制御パラメータを送気量に基づいて設定することで、再熱蒸気の温度が不安定になることを防止することができる。より具体的には、スーツブロワ作動時に再熱蒸気の温度上昇を抑制するにあたり、送気量が多いほど温度上昇の抑制幅が小さくなるように制御パラメータを設定することで、再熱蒸気の温度が下がりすぎてしまうことを防止することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係るGR量の制御回路100の例を示す図である。制御回路100は、例えば図1に示したような再熱式発電プラント1において、GRライン10に設けられるダンパの開度を制御することによってGR量を調節するために設けられる。この場合、制御回路100には、発電機7の出力(発電出力)や、送気5の量、再熱器2bの出口温度、燃料種などの各種の値を取得するための計測手段または入力手段が接続される。
なお、図中、「Fx」は関数(演算)を表し、「T」はスイッチを表す。また、実線は通常時の回路を表し、破線はスーツブロワ(SB)作動時に選択される回路を表し、太線は送気量をスーツブロワ作動時の制御パラメータの設定に反映させるための回路を表す。
ここで、制御回路100では、スーツブロワ作動時の制御パラメータが、送気量に基づいて設定される。より具体的には、例えば、PID制御器のパラメータを決定するための入力値の1つとして送気量が与えられてもよく、発電出力や燃料種に基づくPID制御器の入力値を算出するための関数のパラメータに送気量が反映されてもよい。これによって、例えば、上記の図5に示したようなGR量の制御が実現される。
まず、通常時の制御回路について説明する。図示された例では、制御のための入力条件として、発電出力101、送気量103、再熱器出口温度の測定値107、および燃料種111が用いられる。発電出力101から関数102によって算出された値と、送気量103から関数104によって算出された値を加算器105で加算して、再熱器出口温度の目標値106が算出される。目標値106と再熱器出口温度の測定値107との差分が減算器108で算出され、この差分がPID制御器109に入力される。
一方、発電出力101から関数110によって算出された値もPID制御器109に入力される。同様に、燃料種111から関数112によって算出された値もPID109に入力される。これらの値は、PID制御器109が再熱器出口温度の目標値106と測定値107との差分を入力としてGRダンパ開度を出力する際のゲインなどのパラメータを設定するために用いられる。
さらに、上記の再熱器出口温度に基づく制御とは別に、先行制御信号113によって決定される値が、PID制御器109が出力した値に加算器114で加算され、GRダンパ開度115が決定される。
スーツブロワ作動時には、伝熱管の熱伝導率が急激に変化するため、上記の関数やPID制御器のうちの少なくとも一部が、異なる演算や異なる制御を実行するものに置き換えられる。例えば、発電出力101を入力とする関数110は、スイッチ116によって関数117に置き換えられうる。また、燃料種111を入力とする関数112は、スイッチ118によって関数119に置き換えられうる。さらに、先行制御信号113による入力は、スイッチ120によって、関数121による演算を経て加算器114に入力されうる。PID制御器109も、スイッチ122によってPID制御器123に置き換えられうる。PID制御器123は、例えばPID制御器109よりも高いゲインが設定され、再熱器出口温度の変化に対して迅速に対応可能なものでありうる。
本発明の一実施形態では、スーツブロワ作動時に選択される関数117、関数119、関数121、またはPID制御器123のうちの少なくとも1つに、送気量103が入力として与えられることによって、送気量に基づく制御パラメータの設定が実現される。どの関数またはPID制御器に送気量103を入力として与えるかは、制御回路の具体的な構成に応じて適宜設計されうる。
なお、ここではGR量を調節するための制御回路について説明したが、再熱低減器11での注水量など他の量を調節するための制御回路についても、同じようにして送気量103に基づく制御パラメータの設定を実現することが可能である。また、GR量の制御回路についても、上記の例は一例にすぎず、他にもさまざまな制御回路の構成が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 再熱式発電プラント
2 ボイラ
3 給水
4 主蒸気
5 送気
6 タービン
7 発電機
8a 低温再熱蒸気
8b 高温再熱蒸気
9 スーツブロワ
10 GRライン
11 再熱低減器

Claims (4)

  1. 主蒸気と再熱蒸気とによって駆動されるタービンと、給水を加熱して前記主蒸気を生成するとともに前記タービンから排出された蒸気を加熱して前記再熱蒸気を生成するボイラとを備え、前記主蒸気を他のプラントに送気することが可能なプラントにおけるスーツブロワ作動時のボイラ制御方法であって、
    前記送気される主蒸気の量に基づいてスーツブロワ作動時の前記ボイラの制御パラメータを設定することを特徴とする、スーツブロワ作動時のボイラ制御方法。
  2. 前記スーツブロワ作動時に前記再熱蒸気の温度上昇を抑制するにあたり、前記送気される主蒸気の量が多いほど前記温度上昇の抑制幅が小さくなるように前記制御パラメータを設定することを特徴とする、請求項1に記載のスーツブロワ作動時のボイラ制御方法。
  3. 前記スーツブロワ作動時に前記ボイラから排出される高温ガスの再循環量を減少させることによって前記再熱蒸気の温度上昇を抑制するにあたり、前記送気される主蒸気の量が多いほど前記再循環量の減少幅が小さくなるように前記制御パラメータを設定することを特徴とする、請求項2に記載のスーツブロワ作動時のボイラ制御方法。
  4. 主蒸気と再熱蒸気とによって駆動されるタービンと、給水を加熱して前記主蒸気を生成するとともに前記タービンから排出された蒸気を加熱して前記再熱蒸気を生成するボイラとを備え、前記主蒸気を他のプラントに送気することが可能なプラントにおけるボイラ制御装置であって、
    前記送気される主蒸気の量に基づいてスーツブロワ作動時の前記ボイラの制御パラメータを設定することを特徴とするボイラ制御装置。
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