JP4117733B2 - ボイラの再熱蒸気温度制御方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、事業用或いはIPP用などの火力発電プラントにおける、ボイラの蒸気温度制御方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気温度制御に燃焼排ガス再循環方式とパラレルダンパ方式を併用しているボイラにおいては、図3に示すように燃焼排ガスの一部は排ガス再循環用ファン42および排ガス再循環量調節ダンパ43を経由して再循環されて火炉底部44より導入され、バーナ45と二段燃焼用空気口46とで燃焼される燃焼ガスと火炉47内で混合される、混合後の燃焼ガスは二次過熱器6と三次過熱器8を経て、二つの流路に分割された再熱器10と節炭器2の列及び一次過熱器4と節炭器2の列を通過後、排出される。
一次過熱器4と節炭器2の列及び再熱器10と節炭器2の列の後流側にはそれぞれ排ガス分配流量調節用のガス分配ダンパ14、14が設けられている。
【0003】
なお、図3に示す各過熱器4、6、8、再熱器10及び節炭器2の火炉内での配置位置は一例に過ぎず、その他の配置の仕方でも良い。
【0004】
図3に示すボイラの通常運転中において、過熱器4、6、8、再熱器10、節炭器2の伝熱管の表面には燃焼ガス中に含まれる灰が付着するため、熱吸収量が経時的に低下する。これを是正するためボイラにはスートブロワ(煤吹き機)を設置し、定期的に前記伝熱管表面の灰を除去し、熱吸収性能の低下防止を図っている。
【0005】
しかしながら、このスートブロワを実施した場合、前記伝熱管表面の灰が短時間で除去され、当該伝熱管の熱吸収量が急激に増加し、出口蒸気温度が急上昇する。
【0006】
図2に蒸気温度制御にスプレ方式とパラレルダンパ方式とを併用している従来のボイラの概略系統図を示す。蒸気の流路内に直接ボイラ給水を注水するスプレ方式の蒸気温度制御方式は、応答時間が早く即効性が高い。図2においては、一次過熱器4と二次過熱器6とのそれぞれの後流に過熱蒸気低減器5、7を設け、ボイラ給水を抽水したスプレ水を蒸気流中にスプレ注水することにより過熱器4、6の出口蒸気温度を制御している。
【0007】
上記構成の蒸気温度制御において過熱蒸気系ではスプレ水は常時注水で運用されるため特に問題ないが、再熱蒸気系では間けつ注水となるため、蒸気管やスプレーノズルに急冷による熱衝撃が発生することから、通常運転時の再熱蒸気の温度制御にはスプレ方式を用いずに、応答時間が長く即効性の小さいガス分配ダンパ14又はガス再循環により再熱蒸気温度を制御することが望ましい。しかしながら、この場合、直接注水するスプレ方式とは異なり、ガス側による間接的な制御となるため、再熱蒸気系では再熱器出口蒸気温度の過上昇が問題となる。
【0008】
なお、図2の再熱蒸気温度制御系統では、代表例としてガス分配ダンパ14による再熱蒸気温度の制御系統を示し、ガス再循環により再熱蒸気温度制御系統を省略している。
【0009】
給水ポンプ1でボイラ内に供給される給水は、節炭器2、火炉水冷壁3、一次過熱器4、二次過熱器6、三次過熱器8を経て順次昇温され、所定の温度、圧力の過熱蒸気となり、高圧タービン9で発電機用に使用される。該高圧タービン9で仕事をした蒸気は再度ボイラ内に戻り、再熱器10で再熱されて得られた再熱蒸気は低・中圧タービン11で仕事をする。図2には火炉の後部伝熱部の概略構成図も示しており、火炉の後部伝熱部は隔壁100によって仕切られて、一次過熱器4と節炭器2が並んで配置されたガス流路と再熱器10と節炭器2が並んで配置されたガス流路に分けられ、該流路へのガス流量の分配制御はガス分配ダンパ14、14で行われる。
【0010】
このとき、上記系統においては一次過熱器4と二次過熱器6の間には一次過熱蒸気低減器5が、二次過熱器6と三次過熱器8の間には二次過熱蒸気低減器7がそれぞれ配置される。再熱蒸気温度制御としては、高圧タービン9で使用された後であって、再熱器10に供給される前の蒸気の温度を低減させるための再熱蒸気低減器31が設けられている。
【0011】
一次過熱蒸気低減器5と二次過熱蒸気低減器7では節炭器2の出口の加熱されたボイラ給水が用いられ、それぞれ第一スプレ制御弁12、第二スプレ制御弁13でスプレ量が制御される。
【0012】
第一スプレ制御弁12でのスプレ量は二次過熱器出口温度設定器15で設定された二次過熱器出口温度と二次過熱器出口温度検出器16での二次過熱器出口温度検出値の偏差を減算器17で算出し、該偏差に応じた値を調整器18で調整し、一次過熱蒸気低減器5に供給する。
【0013】
同様に、第二スプレ制御弁13でのスプレ量は三次過熱器出口温度設定器19で設定された三次過熱器出口温度と三次過熱器出口温度検出器20での三次過熱器出口温度検出値の偏差を減算器21で算出し、該偏差に応じた値を調整器22で調整し、二次過熱蒸気低減器7に供給する。
【0014】
また、再熱蒸気低減器31では給水ポンプ1の中段から抽水する等節炭器2入口の給水が用いられ、再熱器スプレ制御弁32でスプレ量が制御されるが、そのスプレ量は再熱器出口温度設定器23で設定された再熱器出口温度と再熱器出口温度検出器24での再熱器出口温度検出値の偏差を減算器25で算出し、該偏差に応じた値を調整器26で調整し、再熱蒸気低減器31にスプレ水を供給する。
【0015】
再熱器出口温度検出器24での再熱器出口温度検出値と、再熱器出口温度設定器29(分配ダンパ制御用に設定する)で設定された再熱器出口温度とが減算器28に送られ、該減算器28での偏差値が調節器30を経由して関数発生器27に送られ、ガス分配ダンパ14、14の開度が決められる。
【0016】
上記図2に示す従来技術の再熱蒸気温度制御系統では、再熱器出口蒸気温度と当該温度設定値との差によりガス分配ダンパ14、14の配分を調整し、再熱器出口蒸気温度を制御している。このガス分配ダンパ14、14による制御は応答時間が長いため、非常用として応答時間の比較的短い再熱器10の入口蒸気(高圧タービン9の出口蒸気)に給水をスプレする再熱蒸気低減器31により行っており、急激な再熱器出口蒸気温度の上昇に応答するようになっている。
【0017】
上記従来技術は、再熱器10の出口蒸気温度のフィードバック制御となっていることが特徴となっている。
また、前記図2の従来技術を改良した発明に特開昭62−217006号公報記載の方法がある。この方法はスートブロア作動時に過熱器スプレー又は再循環ガスを先行的に調整して、蒸気温度の急変動を防止するものである。そのほかにも同様にスートブロア作動時に蒸気温度の急変動を防止するために予め過熱器などの蒸気温度を低下させておき、スートブロアを始めることを開示した発明がある(特開昭60−226604号公報、特開昭61−72915号公報)。
【0018】
【特許文献1】
特開昭62−217006号公報
【0019】
【特許文献2】
特開昭60−226604号公報
【0020】
【特許文献3】
特開昭61−72915号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記図2に示す従来技術においては、再熱器スートブロワ実施による再熱器出口蒸気温度の過上昇を再熱蒸気低減器31でのスプレ水に頼っていたため、下記に示す問題があった。
▲1▼応答時間の長い(即効性の小さい)ガス分配ダンパ14、14のみでは、再熱器10の出口蒸気温度の急上昇を抑制できず、制限値を超過する場合が発生する。
▲2▼非常用の再熱蒸気低減器31でのスプレ水を使用した場合、再熱蒸気系統の系外からの冷却水で蒸気温度を下げるため、タービン効率が低下する。
▲3▼非常用の再熱蒸気低減器31でのスプレ水を使用した場合、再熱蒸気低減器31の温度変化が急激であるため、寿命消費が発生するが、再熱蒸気低減器31の使用頻度が多い場合は再熱蒸気低減器31の損傷に至る場合がある。
【0022】
また、前記特開昭60−226604号公報と特開昭61−72915号公報記載の発明は、過熱器のスートブロワ実施の前に予め過熱器出口蒸気を低下させておき、該過熱器出口蒸気温度が低下してからスートブロアを実施することで、蒸気温度の急上昇を防ぐという発明である。
【0023】
また、特開昭62−217006号公報記載の方法は、再熱器10のスートブロワを実施する前にスートブロア実施時の再熱蒸気温度の変化特性に基づき、発電機出力をベースにした再循環ガスの入口ダンパ14の補正関数により再循環入口ダンパ14の開度を求めておき、再熱器10のスートブロア実施時の再熱蒸気温度の急上昇を防ぐという発明である。
【0024】
しかし、これらの従来技術では、再熱器10と過熱器4、6又は8の両方を備えたボイラのスートブロア実施時における再熱器10への燃焼排ガスの通過量を減少させるためにガス分配ダンパ14に減バイアスを付加した際の再熱器出口蒸気のフィードバック制御による引き戻しが掛かることに対する対策はなされていなかった。
【0025】
本発明の課題は前記従来技術の再熱蒸気温度制御系統の問題点を解決する制御手法を提案し、信頼性の向上を図るものである。
本発明のより具体的な課題は、スートブロワによる再熱器出口蒸気温度の過上昇抑制を、非常用の再熱蒸気低減器を極力使用せずに行う再熱器出口蒸気温度制御方法と装置を提案することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、再熱器のスートブロワにより再熱器出口蒸気温度が急上昇するので、それを避けるため、スートブロワ実施前にボイラ火炉後部伝熱部に設けられる再熱器と過熱器に対する燃焼排ガスの通過ガス流量をガス分配ダンパで調整する先行信号として付加し、再熱器側の通過ガス流量を減少させて熱吸収量を少なくし、再熱器出口蒸気温度を予め下げる制御を行い、再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロア起動指令を遅らせることにより、再熱器出口蒸気温度が急上昇するのを防ぐことができる。
【0027】
本発明の構成は次の通りである。
(1)ボイラ燃焼排ガス流路内に過熱器及び再熱器が配置されており、過熱器により主蒸気を発生させ、得られた主蒸気を利用した後の蒸気を用いて再熱器により再熱蒸気を発生させ、さらに過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロアを間欠的に実施しながら、前記再熱器と前記過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量をガス分配手段により分配制御するボイラの再熱蒸気温度制御方法において、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加して再熱器出口温度を低下させ、再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロアの起動を遅らせるボイラの再熱蒸気温度制御方法。
【0028】
(2)ボイラ燃焼排ガスを用いて主蒸気を発生させる過熱器と、得られた水蒸気を利用機器で利用した後ボイラの燃焼排ガスにより再熱蒸気を発生させる再熱器と、過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロア群と、再熱器と過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量を分配するガス分配手段と、該ガス分配手段の開度を制御するガス分配手段の開度制御装置と、スートブロア群の起動を制御するスートブロア制御装置とを備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置において、ガス分配手段の開度制御装置は、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないように再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加する制御を行う機能を備え、さらにスートブロア制御装置は、前記ガス分配手段及び再熱器出口蒸気温度設定値に減バイアスを付加する機能により再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロア起動指令を遅らせる制御を行う機能を備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置。
【0029】
(3)ボイラ燃焼排ガス流路内に過熱器及び再熱器が配置されており、過熱器により主蒸気を発生させ、得られた主蒸気を利用した後の蒸気を用いて再熱器で再熱蒸気を発生させ、さらに過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロアを間欠的に実施しながら、前記再熱器と前記過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量をガス分配手段により分配制御し、さらにボイラから排出した燃焼ガスをボイラの底部から再循環させて再熱蒸気温度制御を行うボイラの再熱蒸気温度制御方法において、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加し、さらにボイラの底部から導入する燃焼排ガスの再循環量にも減バイアスを付加することで再熱器出口温度を低下させ、再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロアの起動を遅らせるボイラの再熱蒸気温度制御方法。
【0030】
(4)ボイラ燃焼排ガスを用いて主蒸気を発生させる過熱器と、得られた水蒸気を利用機器で利用した後ボイラの燃焼排ガスにより再熱蒸気を発生させる再熱器と、過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロア群と、再熱器と過熱器に対する再循環燃焼排ガスの通過流量を分配するガス分配手段と、該ガス分配手段の開度を制御するガス分配手段の開度制御装置と、スートブロア群の起動を制御するスートブロア制御装置と、ボイラから排出した燃焼排ガスをボイラ底部から再循環させる量を調節する排ガス再循環量制御装置とを備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置において、ガス分配手段の開度制御装置は、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加する機能を備え、さらに排ガス再循環量制御装置はボイラの底部から導入する燃焼排ガスの再循環量に減バイアスを付加する制御を行う機能を備え、さらにスートブロア制御装置は、前記ガス分配手段、再熱器出口蒸気温度設定値、及び燃焼排ガスの再循環量に減バイアスを付加する機能により再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロア起動指令を遅らせる制御を行う機能を備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1に本発明になる再熱蒸気温度制御系統を示す。代表例としてガス分配ダンパによる再熱蒸気温度を適用している場合を示す。
給水ポンプ1でボイラ内に供給される給水は、節炭器2、火炉水冷壁3、一次過熱器4、二次過熱器6、三次過熱器8を経て順次昇温され、過熱蒸気となり、高圧タービン9で発電機用に使用される。該高圧タービン9で使用された蒸気は再度ボイラに戻り、再熱器10で再熱されて低・中圧タービン11で使用される。火炉の後部伝熱部は隔壁100によって仕切られて、一次過熱器4と節炭器2が並んで配置されたガス流路と再熱器10と節炭器2が並んで配置されたガス流路に分けられ、該流路へのガス流量の分配制御はガス分配ダンパ14、14で行われる。
【0032】
このとき、一次過熱器4と二次過熱器6の間には一次過熱蒸気低減器5が、二次過熱器6と三次過熱器8の間には二次過熱蒸気低減器7がそれぞれ配置される。また、高圧タービン9で使用された後に再熱器10に供給される前の蒸気の温度を低減させるための再熱蒸気低減器31が設けられている。
【0033】
一次過熱蒸気低減器5と二次過熱蒸気低減器7では節炭器2出口の加熱されたボイラ給水が用いられ、それぞれ第一スプレ制御弁12、第二スプレ制御弁13でスプレ量が制御される。
【0034】
第一スプレ制御弁12でのスプレ量は二次過熱器出口温度設定器15で設定された二次過熱器出口温度と二次過熱器出口温度検出器16での二次過熱器出口温度検出値の偏差を減算器17で算出し、該偏差に応じた値を調整器18で調整し、一次過熱蒸気低減器5に供給する。
【0035】
同様に、第二スプレ制御弁13でのスプレ量は三次過熱器出口温度設定器19で設定された三次過熱器出口温度と三次過熱器出口温度検出器20での三次過熱器出口温度検出値の偏差を減算器21で算出し、該偏差に応じた値を調整器22で調整し、二次過熱蒸気低減器7に供給する。
【0036】
また、再熱蒸気低減器31では節炭器2入口の給水が用いられ、再熱器スプレ制御弁32でスプレ量が制御されるが、そのスプレ量は再熱器出口温度設定器23で設定された再熱器出口温度と再熱器出口温度検出器24での再熱器出口温度検出値の偏差を減算器25で算出し、該偏差に応じた値を調整器26で調整した量である。
【0037】
バイアス信号発生器37からのバイアス信号又はゼロ信号が切替器35で選択されて減算器33に入力され、この値と減算器33での再熱器出口温度設定器29で設定された再熱器出口温度との偏差値と、再熱器出口温度検出器24での再熱器出口温度検出値との偏差が減算器28で算出される。該減算器28で得られた値は、調節器30及び加算器34を経由して関数発生器27に送られ、該関数発生器27で得られた値によりガス分配ダンパ14、14の開度が決められる。前記加算器34にはバイアス信号発生器38からのバイアス信号又はゼロ信号とのいずれかとの偏差が切替器36を介して入力される。
【0038】
ここで、スートブロア起動指令信号が一定時間オン信号を発生するワンショットタイマ39に送信され、切り替え信号により切替器35と切替器36を切り替えることができる。前記ワンショットタイマ39は通常はゼロを出力し、ワンショットオンになると、一定時間バイアス信号発生器37の出力に切り替える。従って、この間は非常時対応の制御を行うことができる。ワンショットタイマ39の設定時間は結果等から適宜決める。すなわち、再熱器スートブロアの起動信号が入力されたら切り替える。
【0039】
なお、バイアス信号発生器37からのバイアス信号は、温度に関するバイアスであり、該バイアス信号の出力により設定温度を下げる。また、バイアス信号発生器38からのバイアス信号は、ダンパの開度に関するバイアスであり、該バイアス信号の出力により再熱側のダンパの開度を小さくする。
また、スートブロア起動指令信号が一定時間オン信号を遅らせるオンデレイタイマ40に送信されてスートブロア制御回路へ送られる。
【0040】
このように、再熱器出口温度と当該温度設定値との差によりガス分配ダンパ14、14の配分を調整し、再熱器出口温度を制御していること、及び非常用としてスプレ制御を設置していることは従来技術と同様であるが、本発明になる再熱蒸気温度制御回路では、再熱器10のスートブロワ実施を考慮して下記回路が追加されている。
【0041】
▲1▼スートブロワ起動指令により、ガス分配ダンパ14、14の再熱器10の側の開度指令に減バイアスを、また過熱器側開度指令に増バイアスを付加し、再熱器10の出口蒸気温度を低減する。
【0042】
▲2▼▲1▼項のみでは再熱器出口蒸気温度設定値と再熱器出口蒸気温度との偏差によるフィードバック制御にて引き戻しが掛かり、再熱器出口蒸気温度は元に戻ってしまうため、▲1▼と同時に再熱器出口温度設定値にも減バイアスを付加する。
【0043】
▲3▼再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロワ起動指令を遅らせるタイマ40を設置する。
【0044】
上記▲1▼〜▲3▼に示す回路の追加により、スートブロワ実施前に再熱器出口温度を一時的に低減することで、非常用スプレを使用することなく当該温度の過上昇抑制が可能となる。
【0045】
【他の実施の形態】
図3に示すボイラ火炉47の底部44から燃焼ガスを再循環させて再熱蒸気温度制御を行うボイラにおいては、スートブロワ起動指令にてガス再循環量調節ダンパ43に減バイアスを、また再熱器出口蒸気温度の設定値にも減バイアスを付加し、再循環ガス流量を少なくして、ボイラ火炉における熱吸収を大として再熱器蒸気温度を一時的に低減させることで、スートブロワ実施による再熱器出口蒸気温度の過上昇を、非常用スプレを使用することなく抑制可能となる。
【0046】
【発明の効果】
上記に示す通り、スートブロワ実施による再熱器出口温度の過上昇抑制が、非常用スプレを使用することなく可能となることにより、信頼性の向上及びタービン効率の低下抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる再熱蒸気温度制御系統図である。
【図2】 蒸気温度制御にスプレ方式とバラレルダンパ方式とを併用している従来のボイラの概略系統図である。
【図3】 再熱蒸気温度制御に燃焼排ガス再循環方式とパラレルダンパ方式を併用しているボイラの概略構成図である。
【符号の説明】
1 給水ポンプ 2 節炭器
3 火炉水冷壁 4、6、8 1、2、3次過熱器
5、7 1次、2次過熱蒸気温度過熱蒸気
9 高圧タービン 10 再熱器
11 中・低圧タービン 12、13 第1、2スプレ制御弁
14 ガス分配ダンパ
15、19 第2、3次過熱器出口温度設定器
23、29 再熱器出口温度設定器
16、20 第2、3次過熱器出口温度検出器
24 再熱器出口温度検出器
17、21、25、28 減算器 18、22、26、30 調節器
27 関数発生器 31 再熱蒸気低減器
32 再熱器スプレ制御弁 33 減算器
34 加算器 35、36 切替器
37、38 バイアス信号発生器
39 ワンショットタイマ(一定時間オン信号を発生)
40 オンディレイタイマ(一定時間オン信号を遅らせる)
Claims (4)
- ボイラ燃焼排ガス流路内に過熱器及び再熱器が配置されており、過熱器により主蒸気を発生させ、得られた主蒸気を利用した後の蒸気を用いて再熱器により再熱蒸気を発生させ、さらに過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロアを間欠的に実施しながら、前記再熱器と前記過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量をガス分配手段により分配制御するボイラの再熱蒸気温度制御方法において、
再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加して再熱器出口温度を低下させ、再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロアの起動を遅らせることを特徴とするボイラの再熱蒸気温度制御方法。 - ボイラ燃焼排ガスを用いて主蒸気を発生させる過熱器と、得られた水蒸気を利用機器で利用した後ボイラの燃焼排ガスにより再熱蒸気を発生させる再熱器と、過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロア群と、再熱器と過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量を分配するガス分配手段と、該ガス分配手段の開度を制御するガス分配手段の開度制御装置と、スートブロア群の起動を制御するスートブロア制御装置とを備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置において、
ガス分配手段の開度制御装置は、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないように再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加する制御を行う機能を備え、
さらにスートブロア制御装置は、前記ガス分配手段及び再熱器出口蒸気温度設定値に減バイアスを付加する機能により再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロア起動指令を遅らせる制御を行う機能を備えたことを特徴とするボイラの再熱蒸気温度制御装置。 - ボイラ燃焼排ガス流路内に過熱器及び再熱器が配置されており、過熱器により主蒸気を発生させ、得られた主蒸気を利用した後の蒸気を用いて再熱器で再熱蒸気を発生させ、さらに過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロアを間欠的に実施しながら、前記再熱器と前記過熱器に対する燃焼排ガスの通過流量をガス分配手段により分配制御し、さらにボイラから排出した燃焼ガスをボイラの底部から再循環させて再熱蒸気温度制御を行うボイラの再熱蒸気温度制御方法において、
再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加し、さらにボイラの底部から導入する燃焼排ガスの再循環量にも減バイアスを付加することで再熱器出口温度を低下させ、再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロアの起動を遅らせることを特徴とするボイラの再熱蒸気温度制御方法。 - ボイラ燃焼排ガスを用いて主蒸気を発生させる過熱器と、得られた水蒸気を利用機器で利用した後ボイラの燃焼排ガスにより再熱蒸気を発生させる再熱器と、過熱器と再熱器の内、少なくとも再熱器への付着物を除去するスートブロア群と、再熱器と過熱器に対する再循環燃焼排ガスの通過流量を分配するガス分配手段と、該ガス分配手段の開度を制御するガス分配手段の開度制御装置と、スートブロア群の起動を制御するスートブロア制御装置と、ボイラから排出した燃焼排ガスをボイラ底部から再循環させる量を調節する排ガス再循環量制御装置とを備えたボイラの再熱蒸気温度制御装置において、
ガス分配手段の開度制御装置は、再熱器への付着物を除去するスートブロアを実施する前に、再熱器側への燃焼排ガスの通過量を減少させるために、ガス分配手段に減バイアスを付加し、且つ再熱器出口蒸気温度のフィードバック制御による引き戻しが掛からないよう、再熱器出口蒸気温度設定値にも減バイアスを付加する機能を備え、
さらに排ガス再循環量制御装置はボイラの底部から導入する燃焼排ガスの再循環量に減バイアスを付加する制御を行う機能を備え、
さらにスートブロア制御装置は、前記ガス分配手段、再熱器出口蒸気温度設定値、及び 燃焼排ガスの再循環量に減バイアスを付加する機能により再熱器出口温度が低下する時定数分、スートブロア起動指令を遅らせる制御を行う機能を備えたことを特徴とするボイラの再熱蒸気温度制御装置。
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