JP2014110457A - 弾性波素子、分波器および通信モジュール - Google Patents

弾性波素子、分波器および通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】歪波の影響を抑制できる弾性波素子を提供する。
【解決手段】IDT電極55は、圧電基板53を伝搬するSAWの伝搬方向に延びて互いに対向して配置された一対の第1、第2バスバー電極61A,61Bと、第1バスバー電極61Aから第2バスバー電極61Bに向かって延びて、第2バスバー電極61Bに対して第1ギャップ67Aを有する位置に先端が位置している複数の第1電極指63Aと、第2バスバー電極61Bから第1バスバー電極61Aに向かって延びて、第1バスバー電極61Aに対して第2ギャップ67Bを有する位置に先端が位置している複数の第2電極指63Bとを有する。圧電基板53の上面のうち、第1ギャップ67Aの領域には凹部69が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子等の弾性波素子、分波
器および通信モジュールに関する。
圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)とを
有する弾性波素子が知られている。このような弾性波素子は、例えば、分波器の送信フィルタ、受信フィルタなどに利用されている。
弾性波素子において、素子の非線形性によって発生する電気的な歪波によって電気特性が低下することがある。例えば、弾性波素子を用いた分波器においては、送信帯域および受信帯域の帯域外の妨害波と、送信波とが混合されて、受信帯域内に含まれる歪波が生る。この歪は相互変調歪(IMD:Inter-Modulation Distortion)と呼ばれ、無線装置の通信品質を低下させる原因の一つとなっている。この他、送信波の整数倍の周波数を持つ高調波歪が発生し、これが他の無線装置の通信を妨害するといった問題も生じる可能性がある。
そこで歪波によるSN比の低下を抑制するために、分波器を構成するラダー型フィルタの直列共振子または並列共振子を静電容量を変えずに分割する方法が知られている(例えば、特許文献1)。これは直列共振子または並列共振子を分割することによって、その共振子に印加される電圧を分散させて歪波を抑制するものである。
特開2007−074698号公報
しかしながら、静電容量を変えずに共振子を分割すると分割前に比べて、共振子が大型化し、ひいては弾性波素子が大型化してしまう。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、共振子を大型化することなく、歪波の影響を抑制できる弾性波素子、分波器および通信モジュールを提供することである。
本発明の一態様の弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置した少なくとも1つのIDT電極とを有する弾性波素子であって、前記IDT電極は、前記圧電基板を伝搬する弾性波の伝搬方向に延びて互いに対向して配置された一対の第1および第2バスバー電極と、前記第1バスバー電極から前記第2バスバー電極に向かって延びて該第2バスバー電極に対して第1ギャップを有する位置に先端が位置している複数の第1電極指と、前記第2バスバー電極から前記第1バスバー電極に向かって延びて該第1バスバー電極に対して第2ギャップを有する位置に先端が位置している複数の第2電極指と、を有し、前記圧電基板の上面のうち、前記第1ギャップの領域には凹部が設けられている。
本発明の一態様に係る分波器は、アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナに出力する送信フィルタと、前記アンテナからの受信信号をフィルタリングする
受信フィルタと、を備え、前記送信フィルタは、上記のいずれか一の弾性波素子を備える。
本発明の一態様に係る分波器は、アンテナ端子と、送信端子と、受信端子と、前記アンテナ端子と前記送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記アンテナ端子と前記受信端子との間に接続された受信フィルタとを備えた分波器であって、前記送信フィルタは、上記の弾性波素子を備える。
本発明の一態様に係る通信モジュールは、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された上記の分波器と、該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
上記の構成によれば、弾性波素子を大型化することなく歪波の影響を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る通信モジュールの信号処理系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る分波器の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態に係るSAW素子を示す平面図である。 図3のSAW素子の作用を説明するための図である。 図3のSAW素子の作用を説明するための図である。 図3のSAW素子の凹部の変形例を示す断面図である。 図3のSAW素子の凹部の変形例を示す平面図である。 図3のSAW素子の製造方法を示す断面図である。 図3のSAW素子の別の製造方法を示す断面図である。 シミュレーションに使用した基準解析モデルの断面図である。 シミュレーションの計算結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係るSAW素子および分波器について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同一または類似する構成については、既に説明された実施形態と同一の符号を付し、説明を省略することがある。
<通信モジュール>
図1は、本発明の実施形態に係る通信モジュール101の要部を示すブロック図である。通信モジュール101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器1は、通信モジュール101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信モジュール101において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC103によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器1に入力される。そして、分波器1は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信
号(送信信号TS)を無線信号(電波)に変換して送信する。
また、通信モジュール101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器1に入力される。分波器1は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC103によって周波数の引き下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。
なお、送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組み合わせのいずれであってもよい。回路方式は、図1では、ダイレクトコンバージョン方式を例示したが、それ以外の適宜なものとされてよく、例えば、ダブルスーパーヘテロダイン方式であってもよい。また、図1は、要部のみを模式的に示すものであり、適宜な位置にローパスフィルタやアイソレータ等が追加されてもよいし、また、増幅器等の位置が変更されてもよい。
<分波器>
図2は、本発明の実施形態に係る分波器1の構成を示す回路図である。分波器1は、図1において通信モジュール101に使用されているものである。
分波器1は、増幅器107からの送信信号TSが入力される送信端子3と、送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去して出力する送信フィルタ5と、送信フィルタ5からの信号が入力されるアンテナ端子7とを有している。アンテナ端子7は、アンテナ109に接続される。
また、分波器1は、アンテナ109からアンテナ端子7を介して入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して出力する受信フィルタ9と、受信フィルタ9からの信号が入力される受信端子11とを有している。受信端子11は、増幅器111に接続される。
送信フィルタ5は、例えば、ラダー型SAWフィルタによって構成されている。すなわち、送信フィルタ5は、その入力側と出力側との間において直列に接続された1以上(本実施形態では3)の第1直列共振子15A−1〜第3直列共振子15A−3と、その直列のラインと基準電位部との間に設けられた1以上(本実施形態では2)の並列共振子15Bとを有している。なお、以下では、第1直列共振子15A−1〜第3直列共振子15A−3を単に「直列共振子15A」といい、これらを区別しないことがあり、また、直列共振子15Aおよび並列共振子15Bを単に「共振子15」といい、これらを区別しないことがある。
第1直列共振子15A−1は、送信フィルタ5においてアンテナ端子7に最も近い共振子15である。また、送信フィルタ5、受信フィルタ9とアンテナ端子7の間には、インピーダンスマッチング用の回路が挿入されてもよい。
受信フィルタ9は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子15Cとを有している。なお、本実施形態において、多重モードは、2重モードを含むものとする。
<SAW素子>
図3は、本発明の実施形態に係るSAW素子51の平面図である。SAW素子51は、図2に示した分波器1において、第1直列共振子15A−1を構成するものである。
なお、SAW素子51は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側(図3の紙面手前側)を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
SAW素子51は、例えば、1ポートSAW共振子として構成されており、圧電基板53と、圧電基板53の上面53aに設けられたIDT電極55および反射器57を有している。なお、SAW素子51は、上記の他、IDT電極55および反射器57の上面に配置される付加膜、IDT電極55および反射器57と圧電基板53との間に介在する接着層、圧電基板53の上面53aをIDT電極55および反射器57の上から覆う保護層等を有していてもよい。図3では、IDT電極55に信号の入出力を行うための配線およびパッドは図示を省略している。
圧電基板53は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板である。より具体的には、42°±10°Y−XカットのLiTaO、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO基板などを使用することができる。圧電基板53の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。
IDT電極55は、圧電基板53の上面53aに形成された導電層からなり、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを有している。なお、以下では、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを単に櫛歯電極59といい、これらを区別しないことがある。また、第1櫛歯電極59Aを構成する部材については、「第1バスバー電極61A」のように、「第1」および「A」を付すことがあり、第2櫛歯電極59Bを構成する部材については、「第2バスバー電極61B」等のように、「第2」および「B」を付すことがある。また、第1櫛歯電極59Aおよび第2櫛歯電極59Bを構成する部材で対応するもの同士をまとめて称するときは、「第1」、「第2」、「A」、および「B」を省略することがある。
第1櫛歯電極59Aは、第1バスバー電極61Aから第2バスバー電極61Bに向かって延びた複数の第1電極指63Aを有する。隣接する第1電極指63Aの間には、第1ダミー電極指65Aが設けられている。
第2櫛歯電極59Bは、第2バスバー電極61Bから第1バスバー電極61Aに向かって延びた複数の第2電極指63Bを有する。隣接する第2電極指63Bの間には、第2ダミー電極指65Bが設けられている。
一対の櫛歯電極59は、複数の電極指63が互いに噛み合うように配置されている。換言すれば、第1電極指63Aと第2電極指63Bとはx方向に沿って交互に配置されている。
なお、SAWの伝搬方向は複数の電極指63の向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、SAWの伝搬方向を基準として、複数の電極指63が延びている方向等を説明することがある。
第1、第2バスバー電極61A、61Bは、例えば、長尺状であり、一定の幅でSAW
の伝搬方向(x方向)に直線状に延びている。第1バスバー電極61Aと第2バスバー電極61Bは、SAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)において対向している。また、第1バスバー電極61Aと第2バスバー電極61Bは、例えば、互いに平行であり、両者の間の距離は、SAWの伝搬方向において一定である。
複数の第1、第2電極指63A,63Bは、概ね一定の幅でy方向に直線状に延びている。複数の第1、第2電極指63A,63Bは、SAWの伝搬方向(x方向)に沿って一定の間隔で配列されている。複数の電極指63は、そのピッチpが、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。ピッチpは、例えば、隣接する第1電極指63Aと第2電極指63Bとの中心間距離によって規定される。SAWの波長λは、例えば、1.5μm〜6μmである。
第1、第2電極指63A,63Bの長さおよび幅wは、例えば、互いに同等である。なお、これらの寸法は、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。電極指63の幅wは、例えば、電極指63のピッチpに対して0.4p〜0.7pである。
第1ダミー電極指65Aは、複数の第1電極指63A間の中央に配置されている。同様に第2ダミー電極指65Bは、複数の第2電極指63B間の中央に配置されている。第1、第2ダミー電極指65A、65Bの幅(x方向)は、例えば、電極指63の幅wと同等である。ダミー電極指65の長さ(y方向)は、電極指63よりも短い。
第1電極指63Aの先端は、第2ダミー電極指65Bの先端と第1ギャップ67Aを介して対向している。また、第2電極指63Bの先端は、第1ダミー電極指65Aの先端と第2ギャップ67Bを介して対向している。
複数の第1ギャップ67Aの数は、複数の第1電極指63Aの本数と同数である。同様に複数の第2ギャップ67Bの数は、複数の第2電極指63Bの本数と同数である。また、複数の第1、第2ギャップ67A,67Bの幅は、複数の第1、第2電極指63A,63Bの幅wと同等である。複数の第1、第2ギャップ67A,67Bの長さl(y方向の大きさ。以下、ギャップの長さを「ギャップ長」と称することがある。)は、ギャップ67同士で互いに同一である。ギャップ長lは、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。例えば、ギャップ長lは、0.1λ〜0.6λである。
IDT電極55は、例えば、金属によって形成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極55は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極55の厚みは適宜に設定されてよい。
IDT電極55によって圧電基板53に交流電圧が印加されると、圧電基板53の上面53a付近において上面53aに沿ってx方向に伝搬するSAWが誘起される。また、SAWは、電極指63によって反射される。そして、電極指63のピッチpを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指63によって取り出される。このようにして、SAW素子51は、共振子もしくはフィルタとして機能する。
反射器57は、圧電基板53の上面53aに形成された導電層によって構成されており、平面視において格子状に形成されている。すなわち、反射器57は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する一対のバスバー電極およびこれらバスバー電極間においてSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に延びる複数の電極指を有している
。反射器57の複数の電極指は、IDT電極55の複数の電極指63と概ね同等のピッチで配列されている。
SAW素子51は、上記の基本的な構成に加え、歪波がSN比に及ぼす影響を抑制するための構成として、凹部69を有している。
凹部69は図3に示すように圧電基板53の上面53aのうち、ギャップ67の領域に形成されている。SAW素子51において、凹部69はギャップ67とほぼ一致する領域に形成されており、その開口面の形状は例えば矩形状である。ギャップ67の領域に凹部69を設けることによって歪波を抑制することができる。凹部69を設けることによって歪波を抑制することができる理由を図4および図5を用いて説明する。
図4は図3に示すIDT電極55の一部分を抜き出した図である。図4において、第1櫛歯電極59Aが第2櫛歯電極59Bよりも電位が高い状態にあるとする。このとき圧電基板53の第1櫛歯電極59Aと第2櫛歯電極59Bとの間の領域には、主として矢印で示した方向の電場が発生している。すなわち、電極指63の交差領域(第1電極指63Aと第2電極指63BとがSAWの伝搬方向において隣り合う領域)では、SAWの伝搬方向(x方向)に沿った電場Exが発生し、ギャップ67の領域ではSAWの伝搬方向に直交する方向(y方向)に沿った電場Eyが発生する。
このような電場が発生すると圧電体からなる圧電基板53が有する非線形性によって歪電流が発生する。歪電流のうち、2次の非線形性に起因する電流は電場の2乗に比例する。すなわち、I2=αE2
なる式で表される歪電流I2が発生する。この式で、αは圧電基板の結晶方位に依存する係数である。歪電流I2は電場Eの2乗に比例するため、電場Eの極性に寄らず圧電基板の結晶方位に対して同じ方向に流れる。つまり、図4に示したように、x方向の電場Exに対してはx方向の歪電流I2xが流れ、y方向の電場Eyに対してはy方向の歪電流I2y(第1ギャップ67Aにおける歪電流をI2yA、第2ギャップ67Bにおける歪電流をI2yBとする。)が流れる。なお、ここではαが正の定数である場合について説明したが、実際のαは圧電基板の材料および結晶方位に依存する複素数となる。
ここでx方向に沿った歪電流I2xに着目すると、第1電極指63Aの両側において歪電流I2xの向きは、第1電極指63Aを基準にして逆方向であるため打ち消しあって0になる。このため、歪電流I2xに基づく歪波がSAW素子51の外部に出力されることは基本的にはない。第2電極指63Bの両側においても同様に歪電流I2xは打ち消し合う。よってIDT電極55の交差領域全体における歪電流Iは打ち消しあってSAW素子51の外部に歪波として出力されることはない。
一方、y方向に沿った電場Eyに着目すると、第1ギャップ67Aにおける歪電流I2yA、第2ギャップ67Bにおける歪電流I2yBはいずれも第1電極指63Aを基準にして同方向であるため、これらの歪電流I2yは打ち消し合わない。
このように打ち消し合わずに残ったギャップ67における歪電流I2yが歪波の発生要因の1つになっていると考えられる。これは本願発明者等が歪波に関する種々の実験を行い、考察を重ねた結果、初めて見出したものである。
なお、ここでは電場Eに起因する歪波について説明したが、この他、SAWの振動に起因する歪波も存在している。SAWの振動に起因する歪波も、電場Eに起因する歪波と同様にギャップ67における歪電流が発生要因になっていると考えられる。なお、電場Eに起因する歪波は圧電体の誘電率の非線形性に起因するものであり、SAWの振動に起因す
る歪波は圧電体の弾性定数の非線形性に起因するものである。
図5は、ギャップ67付近をy方向に沿って切断したときの断面図であり、(a)はギャップ67に凹部69が形成されていない状態のもの、(b)はギャップ67に凹部69を形成した状態のもの(SAW素子51)である。なお、図5においても図4と同様に第1櫛歯電極59Aが第2櫛歯電極59Bよりも電位が高い状態を示している。
図5(a)のように凹部69が形成されていない場合、上述したように圧電基板53のギャップ67の直下の領域において電場Eyが生じている。この電場Eyは、電極指63に近い圧電基板53の上面側ほど大きい。
一方、図5(b)に示すように圧電基板53の上面53aのうち、ギャップ67の部分に凹部69を設ければ、圧電基板中に大きな電場Eyが発生していた部分が存在しなくなり、結果としてギャップ67の直下の領域に発生する電場Eyを小さくすることができる。上述のようにギャップ67に発生する電場Eyが歪波の発生要因の1つであると考えられるため、この電場Eyを弱めることによって歪波が抑制されることとなる。また、従来の方法のように共振子を分割するものではなく、IDT電極55の大きさは変わらないためSAW素子51が大型化することもない。
凹部69の断面形状は、図5(b)のように例えば矩形状である。また、凹部69の深さd(圧電基板53の上面53aから底面までの寸法)は、例えば、0.1μm〜2μmである。より好ましくは、凹部69の深さdをギャップ長lと同等にすることである。後述するシミュレーション結果によれば、凹部69の深さdを大きくしていくとギャップ67の直下領域に生じる電場Eyの抑制効果も大きくなっていくと考えられるが、深さdがギャップ長lと同等になるとその抑制効果は変わらなくなるからである。
図6に凹部69の断面形状の変形例を示す。凹部69の断面形状は、例えば、図6(a)に示すように下に向かうほど狭まる傾斜面を有するものであってもよいし、図6(b)に示すように下に凸の曲面を有するものであってもよい。また、図6(c)および(d)に示すように凹部69の一部が電極指63およびダミー電極指65の直下に位置するような形状であってもよい。具体的には、図6(c)のように下に向かうほど広がる傾斜面を有する凹部69であってもよいし、図6(d)のように凹部69の開口面がギャップ67よりも大きいものであってもよい。特に、図6(c)および図6(d)のように凹部69の一部が電極指63およびダミー電極指65の直下に位置する形状であれば、ギャップ67の直下に生じる不要な電場Eyの抑制効果を高めることができる。また、図6(e)に示すように凹部69の幅がギャップ67の幅よりも狭いものであってもよい。
図7は凹部69の平面形状の変形例を示す図であり、IDT電極55の一部分の平面図である。図7に示す変形例では凹部69は開口面がギャップ67の領域からはみ出すようにして凹部69が形成されている。具体的には、凹部69の開口面のSAWの伝搬方向(x方向)の幅は、そのギャップ67の両隣に位置する電極指63まで広がっている。換言すれば、図7に示す凹部69の変形例の幅は、隣り合う第1電極指63A間の間隔または隣り合う第2電極指63B間の間隔と同等である。このように凹部69の開口面の幅を電極指63の幅よりも広くすることによって、歪波の発生要因となる電場Eyの抑制効果を高めることができる。
凹部69の開口面は図3および図7に示したように矩形状のものに限られず、円状、楕円状、多角形状など任意の形状が可能である。
以上、図2における第1直列共振子15A−1を構成するSAW素子51について説明
したが、第1直列共振子15A−1以外の第2、第3直列共振子15A−2、15A−3、第1、第2並列共振子15B−1、15B−2および補助共振子15Cの構成は、凹部69が設けられていない点を除いて、第1直列共振子15A−1(SAW素子51)と概ね同様である。なお、これらの共振子15においても、第1直列共振子15A−1と同様に凹部69が設けられてもよい。また、多重モード型SAWフィルタ17においても、同様の凹部69が設けられていてもよい。
相互変調歪は送信端子3から入力される送信波と、アンテナ端子7から入力される妨害波が、同時にSAW共振子に印加されることによって発生するため、送信波および妨害波の双方の強度が大きい第1直列共振子15A−1が最も強い歪波を発生させることが多い。このため、第1直列共振子15A−1に凹部69を設けることが、分波器全体の相互変調歪を抑制することに最も効果がある。ただし、その他の共振子、特にアンテナ端子7に近い第1並列共振子15B−1、補助共振子15Cもある程度の歪波の発生源になるため、これらの共振子にも凹部69を設けることで、更なる歪波の抑制を図ることができる。
多重モード型SAWフィルタ17は、図2において模式的に示すように、例えば、縦結合型のものであり、SAWの伝搬方向において配列された複数(本実施形態では3つ)のIDT電極55と、その両側に配置された反射器57とを有している。また、多重モード型SAWフィルタ17は、例えば、入力された不平衡信号を平衡信号に変換して出力する不平衡入力−平衡出力型のものである。
複数の共振子15および多重モード型SAWフィルタ17は、例えば、1つの圧電基板53の上面53aに共に設けられている。
次に図8を用いてSAW素子51の製造方法の一例について説明する。図8(a)〜(d)はSAW素子51の製造プロセス順に並べた断面図であり、図3のA−A’線における断面に相当する。SAW素子51の製造方法に対応する図5(a)〜(d)の工程は、いわゆるウエハプロセスにおいて実現される。すなわち、分割されることによって圧電基板53となる母基板を対象に、薄膜形成やフォトリソグラフィー法などが行われ、その後、ダイシングされることにより、多数個分のSAW素子51または分波器1が並行して形成される。ただし、図5(a)〜(d)では1つのSAW素子51に対応する部分のみを図示する。
図5(a)に示すように、まず、圧電基板53の上面53a上には、IDT電極55が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法によって、上面53a上に金属層が形成される。次に
、金属層に対して、縮小投影露光機(ステッパー)およびRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いたフォトリソグラフィー法等によりパターニングが行われる。パターニングにより、IDT電極55が形成される。なお、図示を省略するが、IDT電極55が形成された後に酸化ケイ素等からなる保護層が形成される。保護層はスパッタリング法等の薄膜形成法により保護層となる薄膜が形成された後、ギャップ67が露出するようにRIE等によって薄膜の一部が除去されることにより形成される。
次に図8(b)に示すように、レジスト層21が形成される。レジスト層21は、ギャップ67が露出するようにパターニングされる。
レジスト層21を形成した後、図8(c)に示すように、RIEやウェットエッチングなどによって圧電基板53の上面のうちレジスト層21から露出しているギャップ67の部分を所定の深さになるように削り取る。これによってギャップ67の部分に凹部69が形成される。なお、レジスト層21のパターニング形状、エッチングの条件などを変える
ことによって、凹部69を所望の形状にすることができる。
その後、図8(d)に示すようにレジスト層21を除去することによってSAW素子51が完成する。
図9はSAW素子51の製造方法の別の例を示す図であり、図8と同様に図3のA−A’線における断面に相当する。
図8に示した例では、IDT電極55を形成した後に凹部69を形成したが、図9に示す製造方法はIDT電極55を形成する前に凹部69を形成するものである。
具体的には、まず図9(a)に示すように圧電基板53の上面53aにレジスト層21を形成する。そして、圧電基板53の上面53aのうち、凹部69が形成される部分が露出するようにレジスト層21をパターニングする。
次に図9(b)に示すように、RIEやウェットエッチングなどによって圧電基板53の上面のうちレジスト層21から露出している部分を所定の深さまで削り取る。これによって凹部69が形成される。
その後、図9(c)に示すようにスパッタリング法、蒸着法またはCVD法等の薄膜形成法によって、上面53a上に金属層を形成する。
最後に図9(d)に示すようにフォトリソグラフィー法等により金属層をパターニングすることによってIDT電極55が形成され、SAW素51が完成する。
凹部69を圧電基板53の上面53aに設けることによって、歪波を低減させることができることをシミュレーションによって確かめた。
図10はそのシミュレーションに用いたSAW素子の基準解析モデルSである。基準解析モデルSにおいて、圧電基板53の材料はタンタル酸リチウム単結晶とした。また圧電基板53の上は空気層49とした。各部分の寸法は図10に示したとおりである。基準解析モデルSについて、凹部69を設けていないものと凹部69の深さdが異なる3種類(d=0.25μm、d=0.5μm、d=1.0μm)について圧電基板53における電場の最大値Emaxと静電容量Cを計算した。
ここでIDT電極55に、電場の振幅がE1、E2である2つの正弦波の交流電圧が印加された場合、圧電基板53の誘電性によって流れる電流Iは、次の(1)式によって表される。
I=aε{E1sin(ω1t)+E2sin(ω2t)}+bε2{E1sin(ω1t)+E2sin(ω2t)}2+・・・ (1)
(1)式において、a、bは定数、εは誘電率、ε2は2次の非線形誘電率である。また、簡単のために3次以上の非線形の項は省略し、SAWの振動に起因する歪波(圧電体の弾性定数の非線形性)は考慮しないものとする。さらに(1)式を展開すると次のようになる。
I=aε{E1sin(ω1t)+E2sin(ω2t)}+bε2{E12sin2(ω1t)+2E1E2sin(ω1t)sin(ω2t)+E22sin2(ω2t)}+・・・
この式において、{E12sin2(ω1t)+2E1E2sin(ω1t)sin(ω2t)+E22sin2(ω2t)}が2次の歪電流であり、そのうちの第1項と第3項が2次の高調波歪、第2項が相互変調歪である。
(1)式から圧電基板中の電場と歪波との間には相関があるといえる。なお、(1)式において、2次の非線形項であるε2項には電場Eの2乗が含まれることから、電場Eが大きくなると発生する歪波は急速に大きくなる。このため、圧電基板中の電場Eの最大値Emaxが歪波の発生強度の指標となる。
またギャップ67の部分は、電極指63、バスバー電極61および両者の間の圧電基板(誘電率をεとする)からなる一種のキャパシタと考えることができるが、この場合、キャパシタに蓄えられる静電エネルギーEngは、次の(2)式で表される。
Eng∝∫ε|E|2dv (2)
(2)式からわかるように、静電エネルギーEngは電場Eの2乗を電場Eのある領域全体にわたって積分したものに比例しているので、電場Eの2乗に比例する2次の歪波と相関があると考えられる。
一方、キャパシタに蓄えられる静電エネルギーEngは、静電容量Cを用いて次の(3)式によっても表すことができる。
Eng=CV2/2 (3)
(2)式および(3)式から静電容量Cは電場Eの2乗平均に比例するといえるため、静電容量Cを調べれば、結果的に歪波(2次の高調波歪および相互変調歪)の強度を調べることができる。
シミュレーション計算の結果、図11(a)および(b)に示すように、電場の最大値Emaxおよび静電容量Cのいずれも凹部69の深さdが大きくなるにつれて減少していく
ことが確認できた。したがって、凹部69を形成することによって歪波を低減できると考えられる。また、計算結果からして凹部69の深さdがギャップ長lgと同程度の1μm以上になると電場の最大値Emaxおよび静電容量Cはそれ程大きくならないと考えられる
ため、凹部69の深さdはギャップ長lgと同程度あれば十分といえる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
弾性波素子は、例えば、保護層の厚さが比較的大きい弾性境界波素子であってもよい。
IDT電極55の形状は、図示したものに限定されない。例えば、IDT電極55は、いわゆるアポダイズが施されたものであってもよいし、ダミー電極指65が設けられないものであってもよい。また、IDT電極55は、バスバー電極61が傾斜もしくは屈曲するものであってもよいし、バスバー電極61の弾性波の伝搬方向に直交する方向(y方向)の大きさが変化するものであってもよい。また、IDT電極55は、電極指63のピッチが一定でなく、狭くなる部分が設けられてもよい。また、電極指63またはダミー電極指65は、その先端の角部が面取りされていてもよいし、先端の幅(x方向)が大きくされていてもよい。
また上述した実施形態では、凹部69が第1ギャップ67Aおよび第2ギャップ67Bの両方に設けられたSAW素子51について説明したが、凹部69は第1ギャップ67Aおよび第2ギャップ67Bの少なくとも一方のギャップに設けられていればよく、例えば、第1ギャップ67Aのみに凹部69を設けるようにしてもよい。また、複数のギャップ67の全てに凹部69が設けられていなくてもよく、複数のギャップ67の一部だけに凹部69を設けるようにしてもよい。
51…SAW素子
53…圧電基板
53a…上面
55…IDT電極
59A…第1櫛歯電極
59B…第2櫛歯電極
61A…第1バスバー電極
61B…第2バスバー電極
63A…第1電極指
63B…第2電極指
67A…第1ギャップ
67B…第2ギャップ
69…凹部
このような電場が発生すると圧電体からなる圧電基板53が有する非線形性によって歪電流が発生する。歪電流のうち、2次の非線形性に起因する電流は電場の2乗に比例する。すなわち、I =αE
なる式で表される歪電流I が発生する。この式で、αは圧電基板の結晶方位に依存する係数である。歪電流I は電場Eの2乗に比例するため、電場Eの極性に寄らず圧電基板の結晶方位に対して同じ方向に流れる。つまり、図4に示したように、x方向の電場Exに対してはx方向の歪電流I 2x が流れ、y方向の電場Eyに対してはy方向の歪電流I 2y (第1ギャップ67Aにおける歪電流をI 2y A、第2ギャップ67Bにおける歪電流をI 2y Bとする。)が流れる。なお、ここではαが正の定数である場合について説明したが、実際のαは圧電基板の材料および結晶方位に依存する複素数となる。
ここでIDT電極55に、電場の振幅がE 、E である2つの正弦波の交流電圧が印加された場合、圧電基板53の誘電性によって流れる電流Iは、次の(1)式によって表される。
I=aε{E sin(ω t)+E sin(ω t)}+bε {E sin(ω t)+E sin(ω t)} +・・・ (1)
(1)式において、a、bは定数、εは誘電率、ε は2次の非線形誘電率である。また、簡単のために3次以上の非線形の項は省略し、SAWの振動に起因する歪波(圧電体の弾性定数の非線形性)は考慮しないものとする。さらに(1)式を展開すると次のようになる。
I=aε{E sin(ω t)+E sin(ω t)}+bε {E sin (ω t)+2E sin(ω t)sin(ω t)+E sin (ω t)}+・・・
この式において、{E sin (ω t)+2E sin(ω t)sin(ω t)+E sin (ω t)}が2次の歪電流であり、そのうちの第1項と第3項が2次の高調波歪、第2項が相互変調歪である。
(1)式から圧電基板中の電場と歪波との間には相関があるといえる。なお、(1)式において、2次の非線形項であるε 項には電場Eの2乗が含まれることから、電場Eが大きくなると発生する歪波は急速に大きくなる。このため、圧電基板中の電場Eの最大値E max が歪波の発生強度の指標となる。
またギャップ67の部分は、電極指63、バスバー電極61および両者の間の圧電基板(誘電率をεとする)からなる一種のキャパシタと考えることができるが、この場合、キャパシタに蓄えられる静電エネルギーE ng は、次の(2)式で表される。
ng ∝∫ε|E| dv (2)
(2)式からわかるように、静電エネルギーE ng は電場Eの2乗を電場Eのある領域全体にわたって積分したものに比例しているので、電場Eの2乗に比例する2次の歪波と相関があると考えられる。
一方、キャパシタに蓄えられる静電エネルギーE ng は、静電容量Cを用いて次の(3)式によっても表すことができる。
ng =CV /2 (3)
(2)式および(3)式から静電容量Cは電場Eの2乗平均に比例するといえるため、静電容量Cを調べれば、結果的に歪波(2次の高調波歪および相互変調歪)の強度を調べることができる。
シミュレーション計算の結果、図11(a)および(b)に示すように、電場の最大値E max および静電容量Cのいずれも凹部69の深さdが大きくなるにつれて減少していく
ことが確認できた。したがって、凹部69を形成することによって歪波を低減できると考えられる。また、計算結果からして凹部69の深さdがギャップ長l と同程度の1μm以上になると電場の最大値E max および静電容量Cはそれ程大きくならないと考えられる
ため、凹部69の深さdはギャップ長l と同程度あれば十分といえる。

Claims (7)

  1. 圧電基板と、該圧電基板の上面に位置した少なくとも1つのIDT電極とを有する弾性波素子であって、
    前記IDT電極は、前記圧電基板を伝搬する弾性波の伝搬方向に延びて互いに対向して配置された一対の第1および第2バスバー電極と、前記第1バスバー電極から前記第2バスバー電極に向かって延びて該第2バスバー電極に対して第1ギャップを有する位置に先端が位置している複数の第1電極指と、前記第2バスバー電極から前記第1バスバー電極に向かって延びて該第1バスバー電極に対して第2ギャップを有する位置に先端が位置している複数の第2電極指とを有し、
    前記圧電基板の上面のうち、前記第1ギャップの領域には凹部が設けられている弾性波素子。
  2. 前記凹部の一部は、前記第1電極指および前記第2バスバー電極の少なくとも一方の直下に位置している請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記第1電極指が延びている方向を第1方向とし、該第1方向と直交する方向を第2方向としたときに、前記凹部の開口面の前記第2方向における幅は、前記第1電極指の前記第2方向における幅以上である請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 前記第2バスバー電極は、前記第1バスバー電極に向かって延びた複数のダミー電極指を有し、
    該ダミー電極指の先端と前記第1電極指の先端とが前記第1ギャップを介して対向している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  5. 前記圧電基板の上面のうち、前記第2ギャップの領域にも凹部が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  6. アンテナ端子と、送信端子と、受信端子と、前記アンテナ端子と前記送信端子との間に接続された送信フィルタと、前記アンテナ端子と前記受信端子との間に接続された受信フィルタとを備えた分波器であって、
    前記送信フィルタは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の弾性波素子を備える分波器。
  7. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項6に記載の分波器と、
    該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信モジュール。
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