JP2014109022A - フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトリソグラフィーにおいてレジストパターンの現像欠陥やフォトリソグラフィー用樹脂の保存安定性低下を招く要因となる、フォトリソグラフィー用樹脂に含まれる未反応モノマーや重合開始剤等の低分子量不純物をより効果的に除去できる、フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法を提供する。
【解決手段】本発明によるフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法は、操作(a):良溶媒と貧溶媒を含む溶液中に樹脂が分散しているスラリーを撹拌する操作、次いで、操作(b):該スラリーに貧溶媒を追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げた後に、樹脂と溶液を分離する操作、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法およびその精製方法を含むフォトリソグラフィー用樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、重合反応後の重合液を精製する操作を含むフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法およびその精製方法を含むフォトリソグラフィー用樹脂の製造方法に関する。
フォトリソグラフィーにおいては、集積度の増大に伴い、より微細なパターンの形成が求められており、現在ではKrFエキシマレーザー光(波長248nm)やArFエキシマレーザー光(波長193nm)によるフォトリソグラフィー技術が量産で使用されている。また、エキシマレーザーと液浸リソグラフィー技術を組み合わせることにより50nm程度以下のレベルでの微細加工が可能といわれている。さらに波長の短いF2エキシマレーザー光(波長157nm)や、これらエキシマレーザーより短波長のEUV(極紫外線)やX線、また、電子線によるフォトリソグラフィー技術についても研究開発が進んでいる。
このようにパターンの微細化が進行する中、フォトリソグラフィーに用いる樹脂にはより高度な品質が要求されている。例えば、樹脂の中に未反応のモノマーや重合開始剤由来化合物などの低分子量不純物を含んでいると、レジストパターンの現像欠陥や樹脂の保存安定性低下を招く要因となるため、これを除去することが望まれる。低分子量不純物を除去する方法としては、ラジカル重合反応により得られた脂環基を有する酸分解性樹脂を含有する反応溶液に、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、該反応溶液の5倍未満の体積量で接触させることにより樹脂固体を析出させる方法(特許文献1)が知られている。また、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性機能を発現する基を有するモノマー単位を含むポリマーを有機溶媒による沈殿に付した後、さらに水性溶媒による再沈殿、リンスまたはリパルプ操作に付す方法(特許文献2)が知られている。さらに、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂を含む溶液(a)に貧溶媒を含む溶媒(b)を添加して溶液(c)を調製し、この溶液(c)を貧溶媒を含む溶媒(d)に添加して、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂を析出させる方法(特許文献3)などが知られている。しかし、特許文献1および特許文献2の方法は低分子量不純物の除去性能が十分であるとはいえず、これを補うには精製回数を増やすことなどが必要なため、工程数や使用する溶剤量など製造コストを増大させる問題があった。また、特許文献3の方法は、樹脂が析出しない範囲で重合溶液に貧溶媒を滴下する工程があるが、このように大量の樹脂溶液に対し滴下等の方法により貧溶媒を添加する操作では、目視で確認し難い粘着質の樹脂が析出し、器壁等に付着してしまう恐れがある。
特開2005−002236号公報 特開2006−070167号公報 特開2008−127462号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、精製が不十分な樹脂(「粗製樹脂」ということがある)から未反応モノマーと重合開始剤等の低分子量不純物をより効果的に除去できる、フォトリソグラフィー用樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、樹脂の構成単位となるモノマーと重合開始剤を有機溶媒に溶解して溶液状態で重合した後、この重合液を貧溶媒に投入して樹脂を析出させてろ過し、さらに析出した樹脂を溶媒で洗浄することで低分子量不純物を除去する工程において、その手順を工夫することでより効果的に精製ができることを見出した。
すなわち、本発明の一態様によれば、
操作(a):良溶媒と貧溶媒を含む溶液中に樹脂が分散しているスラリーを撹拌する操作、次いで、
操作(b):前記スラリーに貧溶媒を追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げた後に、樹脂と溶液を分離する操作、
を含むことを特徴とするフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法が提供される。
本発明の態様においては、操作(a)における樹脂が、重合反応後の重合液から得られたものであってもよい。
本発明の態様においては、操作(a)が、重合反応後の重合液を貧溶媒と接触させて樹脂を析出させたスラリーを撹拌する操作であってもよい。
本発明の態様においては、操作(a)が、重合反応後の重合液を貧溶媒と接触させて樹脂を析出させたスラリーを撹拌する操作であり、操作(b)においてスラリーに追加する貧溶媒の量が、操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の20質量%以上であってもよい。
本発明の態様においては、操作(a)が、重合反応後の重合液と貧溶媒との接触により析出させた樹脂を固液分離して得られた樹脂と、良溶媒と貧溶媒を含む溶液と、を混合したスラリーを撹拌する操作であってもよい。
本発明の態様においては、操作(a)が、重合反応後の重合液と貧溶媒との接触により析出させた樹脂を固液分離して得られた樹脂と、良溶媒と貧溶媒を含む溶液と、を混合したスラリーを撹拌する操作であり、操作(b)において追加する貧溶媒の量が、操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の40質量%以上であってもよい。
本発明の態様においては、操作(b)で追加する貧溶媒が水を含んでなるものであってもよい。
本発明の態様においては、前記樹脂が粉体状であってもよい。
また、本発明の他の態様によれば、上記のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法を含む、フォトリソグラフィー用樹脂の製造方法が提供される。
本発明によれば、より少ない作業量と溶媒使用量で、低分子量不純物をより効果的に除去できる、フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法を提供することができる。さらに、該精製方法を含むフォトリソグラフィー用樹脂の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(フォトリソグラフィー用樹脂の製造方法)
本発明のフォトリソグラフィー用樹脂の製造方法は、下記のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法を含むものである。本発明のフォトリソグラフィー用樹脂の製造方法においては、フォトリソグラフィー用樹脂の構造や重合工程は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
本発明の製造方法により製造されるフォトリソグラフィー用樹脂は、特に限定されないが、レジスト用樹脂、下層膜用樹脂、反射防止膜用樹脂、トップコート用樹脂、およびギャップフィル用樹脂などが挙げられる。
例えば、化学増幅ポジ型レジスト用樹脂は、カルボキシル基やフェノール性ヒドロキシル基などのアルカリ可溶性基を、アセタールや3級炭化水素基など酸の作用で解離する基(以下、「酸解離性溶解抑制基」と言うことがある)で保護した構造を有する繰り返し単位を有するものが挙げられる。露光源としてKrFエキシマレーザーを用いる場合、ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位、あるいはヒドロキシスチレン由来のフェノール性ヒドロキシル基を酸解離性溶解抑制基で保護した繰り返し単位を有するものが好ましい。また、露光源としてArFエキシマレーザーを用いる場合、193nmの波長に対する吸光係数が小さい(α−アルキル)アクリル酸由来のカルボキシル基を酸解離性溶解抑制基で保護した繰り返し単位等を有するものが好ましい。また、半導体基板等に対する密着性を高めたり、リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整したりするために、ラクトン構造やヒドロキシル基等の極性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。さらに必要に応じて、リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整するために、アルカリ現像液への溶解を抑制すると共に酸の作用で解離しない基(以下、「酸安定性溶解抑制基」と言うことがある)を有する繰り返し単位等を有しても良い。
例えば、反射防止膜用樹脂は、248nmや193nmの波長に対する吸光係数や屈折率を高めるための官能基として、ベンゼン環、ナフタレン環、およびアントラセン環等の芳香環を有する繰り返し単位を有するものが挙げられる。さらに必要に応じて、レジスト膜との混合を避けるために、硬化剤などと反応して硬化可能なアミノ基、アミド基、ヒドロキシル基、およびエポキシ基等の反応性官能基を有する繰り返し単位を有しても良い。
これらの樹脂は、スチレン系、アクリレート系、およびノルボルネン系などのエチレン性二重結合を有する骨格に種々の置換基が付いても良いモノマー等から合成することができる。 なお、エチレン性二重結合を有するスチレン系の骨格とは、例えば、スチレンやビニルナフタレン等を挙げることができ、エチレン性二重結合を有するアクリレート系の骨格とは、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、あるいはそれらから誘導されるアクリレートやメタクリレート等を挙げることができ、エチレン性二重結合を有するノルボルネン系の骨格とは、例えば、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン等を挙げることができる。
アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、ヒドロキシフルオロアルキル基、スルホ基等が挙げられ、中でもカルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基、ヒドロキシフルオロアルキル基が好ましい。これらの基を有する繰り返し単位を与えるモノマーとして、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、2−トリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカルボン酸類;p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン等のフェノール性ヒドロキシル基を有するモノマー;p−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)スチレン、5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)メチル−2−ノルボルニル−(メタ)アクリレート、5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)メチル−2−ノルボルネン等のヒドロキシフルオロアルキル基を有するモノマー等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基としては3級炭化水素基やアセタール構造を形成する基が望ましく、具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等の含酸素炭化水素基等が挙げられる。
アルカリ可溶性基を酸解離性溶解抑制基で保護した構造を有する繰り返し単位は、前記アルカリ可溶性基を有するモノマーにおいてアルカリ可溶性基の水素原子が酸解離性溶解抑制基で置換された構造を有するモノマーを重合することにより得ることができる。あるいは、アルカリ可溶性基を有するモノマーを重合した後、酸触媒存在下でビニルエーテルやハロゲン化アルキルエーテルと反応させてポリマーに酸解離性溶解抑制基を導入することもできる。
半導体基板等に対する密着性を高めるための極性基としてはラクトン構造を有する基、アルコール性ヒドロキシル基、エーテル構造を有する基、ニトリル基等が挙げられ、中でもラクトン構造を有する基やアルコール性ヒドロキシル基が好ましい。ラクトン構造を有する基の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン等のラクトン構造を含む置換基が挙げられる。また、アルコール性ヒドロキシル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル基等のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
酸安定性溶解抑制基としては、具体的には、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、ベンジル基、9−アントラセンメチル基等が挙げられる。リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整するための酸安定性基を有する繰り返し単位は、前記アルカリ可溶性基を有するモノマーにおけるアルカリ可溶性基の水素原子が酸安定性溶解抑制基で置換された構造を有するモノマーを重合することにより得ることができる。
その他、酸安定性溶解抑制基を有する繰り返し単位と同様の効果を有する繰り返し単位として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、インデン、アセナフチレン、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン等のエチレン性二重結合を有する非極性モノマーを重合することにより得られる構造を挙げることができる。
(重合工程)
本発明の製造方法における重合工程は、特に限定されないが、ラジカル重合、カチオン重合、リビングアニオン重合、および開環重合など、従来公知の重合方法を適用することができる。
ラジカル重合による方法の場合、原料モノマー、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤等を溶媒に溶解した状態で、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、加熱撹拌することにより行われる。例えば、モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等すべての原料を溶媒に溶解して重合温度に加熱するいわゆる一括重合法や、モノマーを溶媒に溶解し重合温度に加熱した後で重合開始剤等を添加する方法、また、モノマーや重合開始剤などを溶媒に溶解した溶液を、重合温度に加熱した溶媒に滴下するいわゆる滴下重合法などにより実施することができる。中でも滴下重合法は、製造ロット毎の再現性が高いため好ましく、特にモノマーとラジカル発生源である重合開始剤を別々に滴下するいわゆる独立滴下法が好ましい。なお、モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等はそれぞれ予め一部を重合系内に供給しておくことができる。滴下法においては、重合系内の単量体の濃度および組成、ラジカル濃度等に応じてそれぞれの供給液の組成や供給速度を変化させることにより、共重合体の分子量分布や組成分布を制御することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系重合開始剤を使用することができる。アゾ系重合開始剤は取り扱いの安全性が優れることから好ましい。ただし、アゾ系重合開始剤の中には金属不純物が多量に含まれているものもありレジスト性能等に悪影響を及ぼすこともあるので、その場合は、予め重合開始剤を有機溶剤等に溶解させた溶液を、水溶媒で抽出、あるいはイオン交換樹脂や金属を捕捉する機能を持つフィルターに接触させるなどして、金属不純物を除去しておくことが望ましい。
連鎖移動剤は、連鎖移動剤として公知のものを、必要に応じて用いることができる。中でもチオール化合物が好ましく、公知のチオール化合物の中から幅広く選択することがでる。連鎖移動剤の使用量は、目的とする分子量や、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤および溶媒等の種類、繰り返し単位組成、重合温度や滴下速度等に応じて選択することができる。
重合反応に用いる溶媒は、モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤、および重合反応生成物を安定して溶解し得る溶媒であれば特に制限されない。重合溶媒として、水、ケトン類、アルコール類、エーテルアルコール、エステル類、エーテルエステル類、エーテル類、芳香族炭化水素類、他、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等、種々の溶媒を使用することができる。これらは、単独または2種以上を混合して用いることができる。
重合溶媒の使用量には特に制限はないが、溶媒の使用量があまりに少なすぎると単量体が析出したり高粘度になりすぎて重合系を均一に保てなくなったりする場合があり、多すぎると単量体の転化率が不十分であったり共重合体の分子量が所望の値まで高めることができなかったりする場合がある。通常、単量体1重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
反応槽内に初期に張り込む重合溶媒(以下、初期張り溶媒と言うことがある)の量は、攪拌が可能な最低量以上であればよいが、必要以上に多いと、供給できる単量体溶液量が少なくなり、生産効率が低下するため好ましくない。通常は、最終仕込み量(即ち、初期張り溶媒と、滴下する単量体溶液および開始剤溶液の総量)に対して、例えば容量比で1/30以上、好ましくは1/20〜1/2、特に好ましくは1/10〜1/3の範囲から選択する。なお、初期張り溶媒に単量体および/または重合開始剤の一部を予め混合しても良い。
滴下時間は、短時間であると分子量分布が広くなりやすいことや、一度に大量の溶液が滴下されるため重合液の温度低下が起こることから好ましくない。逆に、長時間であると共重合体に必要以上の熱履歴がかかることと、生産性が低下することから好ましくない。従って、通常0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間、特に好ましくは2〜8時間の範囲から選択する。
また、滴下終了後は、一定時間温度を維持するか、若しくは更に昇温する等して熟成を行い、残存する未反応単量体を反応させることが好ましい。熟成時間は長すぎると時間当たりの生産効率が低下すること、共重合体に必要以上の熱履歴がかかることから好ましくない。従って、通常12時間以内、好ましくは6時間以内、特に好ましくは1〜4時間の範囲から選択する。
重合温度は、溶媒、単量体、連鎖移動剤等の沸点、重合開始剤の半減期温度等によって適宜選択することができる。好ましくは40〜160℃、特に好ましくは60〜120℃の範囲で選択する。重合温度は、共重合体の分子量や共重合組成に大きく影響するので、精密に制御する必要がある一方、重合反応は一般的に発熱反応であるため一定温度に制御することが難しい。このため、目標とする重合温度に近い沸点を有する少なくとも1種以上の化合物を重合溶媒として含有させ、且つ、重合温度を、該化合物の重合圧力における初留点以上に設定することが好ましい。この方法によれば、重合溶媒の気化潜熱によって重合温度の上昇を抑制することができる。
重合圧力は、適宜設定することができるが、開始剤からラジカルが発生する際に、アゾ系の場合は窒素ガスが、過酸化物径の場合は酸素ガスが発生することから、重合圧力の変動を抑制する為に、重合系を開放系とし大気圧近傍で行うことが好ましい。
(フォトリソグラフィー用樹脂の精製方法)
本発明のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法は、操作(a):良溶媒と貧溶媒を含む溶液中に樹脂が分散しているスラリーを撹拌する操作、次いで、操作(b):前記スラリーに貧溶媒を追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率(良溶媒/貧溶媒)を下げた後に、樹脂と溶液を分離する操作、を含むことを特徴とするものである。本発明の精製方法によれば、より少ない作業量と溶媒使用量で、重合溶媒、未反応モノマー、オリゴマー、重合開始剤や連鎖移動剤、およびこれらの反応副生物等の低分子量不純物を効果的に除去できる。通常、重合して得られた樹脂はこれらの低分子量不純物を含んでおり、精製によって除去することで、微細なパターンを形成するリソグラフィーにおいて好適に使用できる。本発明の精製方法においては、操作(a)および操作(b)を、下記の沈殿精製に適用しても良いし、下記の洗浄精製に適用しても良いし、両方に適用しても良い。
(沈殿精製)
沈殿精製では、重合反応液と貧溶媒を接触させて樹脂を析出させ、不純物を貧溶媒層に抽出したのち、析出した樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で液体から分離する。本発明では上記の操作(a)および操作(b)を含む沈殿精製によって低分子量不純物を除去することができる。具体的には、操作(a):重合反応後の重合液を、必要に応じて良溶媒を加えて希釈した後、貧溶媒と接触させて樹脂を析出させたスラリーを撹拌して、不純物を貧溶媒相に抽出する。次いで、操作(b):操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の20質量%以上、好ましくは20質量%以上80質量%以下の貧溶媒をスラリーに追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げた後に、析出した樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で溶媒から分離する。
沈殿精製における貧溶媒の使用量は、樹脂を低分子量不純物と分離できれば特に制限されないが、なるべく樹脂が粉体状に析出することが好ましく、析出物が凝集したりべたついたりせず、濾過等の分離操作が容易にできるような条件で行うことが望ましい。そのために、使用する貧溶媒の適量を知ることは重要である。以下に、沈殿精製に使用する貧溶媒量の目安を求める実験手順1〜5を示す。
(実験手順)
1.蓋付きのガラス製容器を複数用意し、使用する粗製樹脂溶液量の2倍から5倍、あるいは2倍から10倍の範囲で量を変化させた貧溶媒を入れる。
2.所定量(数g程度)の粗製樹脂溶液を手順1の容器それぞれに添加し、蓋をして激しく撹拌して樹脂を析出させる。
3.大きな粒子が存在する場合、匙などで樹脂を細かく粉砕する。
4.精製作業を行う温度下に1日静置させ、樹脂の様子を下記の評価で目視観察する。
評価A:粉体状の樹脂は凝集していない。上澄み液はほぼ透明である。
評価B:粉体状の樹脂の一部が凝集している。
評価C:樹脂が凝固している。
評価D:静置開始から30分以内に樹脂が凝固する。
評価E:樹脂が粉体状に析出せず、塊状に析出する。
評価F:析出量が明らかに少ない。
評価G:液が乳化する。
5.評価Aをとれる貧溶媒量によって、実際の沈殿精製に使用する貧溶媒量を計算する。
傾向としては、貧溶媒の量が多いほど紛体状の樹脂が析出しやすく、樹脂の凝集も起こりにくい。一方、貧溶媒の量が少ないほど樹脂が凝集・凝固しやすい、あるいは乳化する。
さらに、後に続く濾過の作業性の面からは濾過面の目詰まりを防止するために、沈殿精製の貧溶媒を多く使用して、析出する樹脂が凝集していない方が好ましい。一方、経済性の面からは溶媒量が少ない方が好ましいので、前記実験で評価Aをとれる最少量の貧溶媒を用いることが望ましい。
本発明を適用した沈殿精製は、始めに、上記手順1〜5で求めた貧溶媒量の一部、具体的には前記実験で評価BあるいはCに相当する量の貧溶媒を精製槽に投入する。精製槽の貧溶媒を十分に撹拌しながら重合液を貧溶媒に投入して樹脂を析出させ、重合液の投入が終わった後も撹拌は続ける。これにより、貧溶媒量が前記評価BあるいはC相当でも、樹脂が沈降、凝集するのを防ぐことができる。一定時間スラリーを撹拌したのち、前記評価A相当になるまでスラリーに貧溶媒を追加投入する。追加の貧溶媒を投入している間、また、投入が終わった後も一定時間は撹拌し続けるのが望ましい。析出した樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で溶媒から分離することで、ウェットケーキが得られる。
(洗浄精製)
前記沈殿精製により得られたウェットケーキは、さらなる低分子量不純物の低減のために、さらに貧溶媒で洗浄することが好ましい。なお、この洗浄精製に用いる貧溶媒は該樹脂の良溶媒を含んでも良い。本発明では上記の操作(a)および操作(b)を含む洗浄精製によって低分子量不純物を除去することができる。具体的には、操作(a):重合反応後の重合液と貧溶媒との接触により析出させた樹脂を固液分離して得られた樹脂と、良溶媒と貧溶媒を含む溶液と、を混合したスラリーを撹拌して、不純物を貧溶媒相に抽出する。次いで、操作(b):操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の40質量%以上、好ましくは(40)質量%以上(80)質量%以下 の貧溶媒をスラリーに追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げた後に、樹脂を濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で溶媒から分離する。
本発明を適用した洗浄精製は、沈殿精製後のウェットケーキを精製槽に戻し、始めに、貧溶媒を投入してスラリー状態で撹拌しているところに良溶媒を投入してさらに一定時間撹拌し続ける。この時の良溶媒の貧溶媒に対する比率は、先述の沈殿精製において樹脂をはじめに析出させた際の比率を目安にするとよい。一定時間スラリーを撹拌したのち、さらに貧溶媒を追加投入する。これも先述の沈殿精製で貧溶媒を追加投入した後の良溶媒の貧溶媒に対する比率と同じか、あるいはそれよりもやや小さい比率になるよう貧溶媒を追加投入する。追加の貧溶媒を投入している間、また、投入が終わった後も一定時間は撹拌し続けるのが望ましい。スラリー中の粉体状の樹脂は濾過、デカンテーション、遠心分離等の方法で貧溶媒から分離する。
本発明の精製方法における沈殿精製および/あるいは洗浄精製によって、樹脂中の低分子量不純物を効果的に除去できる。その理由は、沈殿精製においては、良溶媒の貧溶媒に対する比率が高い状態で樹脂を析出させるため、樹脂が大きな粒子として析出して中に低分子量不純物を取り込んでしまうのを防ぎ、十分に不純物の溶媒抽出ができること、また、洗浄精製についても良溶媒の貧溶媒に対する比率が高い状態で樹脂の洗浄を行うことで十分に不純物の溶媒抽出ができること、などが推察される。そしていずれも固液分離の前に貧溶媒を追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げることで、樹脂のべたつきや凝集を防ぎ、その後の濾過等の作業を容易に行うことができる。
本明細書における貧溶媒とは、樹脂1gを溶媒10gに溶解させた時の樹脂溶解量が0.2g以下である溶媒をいう。貧溶媒の種類は、樹脂を析出させ低分子量不純物と分離できれば特に制限されない。樹脂の貧溶媒への溶解度、重合に用いた溶媒の種類と量、不純物の種類と量等に応じて適宜選択することができる。貧溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、乳酸エチル等の水酸基を有する化合物、ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロペンタン、エチルシクロヘキサン等の直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素類、若しくは、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で若しくは2種以上を混合して用いることができる。
本明細書における良溶媒とは、貧溶媒よりも樹脂の溶解性が優れる溶媒をいう。良溶媒の種類は、前述の重合溶媒や後述する塗膜形成用溶媒で例示する溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で若しくは2種以上を混合して用いることができる。
精製工程の温度は、樹脂の重量平均分子量、分子量分布、低分子量不純物の除去率、更にはリソグラフィーにおける様々な特性等に大きく影響するため、厳密に制御する必要がある。精製工程の温度は、低すぎると精製溶媒への不純物の抽出が不十分となり、不純物の除去が十分に行われないため効率的でなく、逆に高すぎると共重合体が精製溶媒に溶出し、共重合体の低分子領域における組成バランスが崩れたり、収率が低下したりするため好ましくない。このため、精製工程は温度0〜40℃の範囲で、好ましくは0〜30℃の範囲で実施することが好ましい。
精製後の樹脂は、乾燥し粉体として取り出すか、再度良溶媒に樹脂を溶解させた後、リソグラフィー樹脂組成物に適した塗膜形成用溶媒に置換しても良い。置換の方法は、樹脂溶液を減圧下で加熱して精製に用いた溶媒などの低沸点物質を留去させ、ここに塗膜形成用溶媒を供給しながら更に初期の溶媒と供給した溶媒とを一緒に留去させることによりおこなう。
減圧加熱時の温度は、共重合体が変質しない温度であれば特に制限されないが、通常100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、更に好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下である。
また、溶媒を置換する際に、後から供給する塗膜形成用溶媒の量は、少なすぎると低沸点化合物が十分に除去できず、多すぎると置換に時間がかかり、共重合体に必要以上に熱履歴を与えるため好ましくない。その供給量は、通常、仕上がり溶液の溶媒として必要な量の1.05倍〜10倍、好ましくは1.1倍〜5倍、特に好ましくは1.2倍〜3倍の範囲から選択できる。
塗膜形成用の溶媒としては、共重合体を溶解するものであれば特に制限されないが、通常、沸点、半導体基板やその他の塗布膜への影響、リソグラフィーに用いられる放射線の吸収を勘案して選択される。塗膜形成用に一般的に用いられる溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、乳酸エチル、メチルアミルケトン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノール等の溶媒が挙げられる。
さらに共重合体から金属不純物を除去する工程を行うことが好ましい。この工程は、共重合体溶液を、カチオン交換能を有するフィルターや、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂などの正のゼータ電位を有する物質を含むフィルターに通液させる工程である。また、これらの工程は組み合わせて実施することができる。
ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂などの正のゼータ電位を有する物質を含むフィルターとして、具体的には、(以下、商標)キュノ(株)製ゼータプラス40QSHやゼータプラス020GN、あるいはライフアシュアEFシリーズ等を例示できる。
さらに、レジストのパターン欠陥の原因となるため好ましくないハイポリマー等のマイクロゲルを除去するために、共重合体溶液(あるいは上記の塗膜形成用溶液)をフィルターでろ過することが好ましい。フィルターの濾過精度は、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.05μm以下である。フィルターの材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルなどの極性基含有樹脂、フッ化ポリエチレンなどのフッソ含有樹脂を挙げることができ、特に好ましくはポリアミドである。ポリアミド系フィルターの例としては、(以下、商標)、日本ポール(株)製のウルチプリーツP−ナイロン66、ウルチポアN66、キュノ(株)製のライフアシュアPSNシリーズ、ライフアシュアEFシリーズなどを挙げることができる。ポリオレフィン系フィルターとしては、日本インテグリス(株)製のマイクロガードプラスHC10、オプチマイザーD等を挙げることができる。これらのフィルターはそれぞれ単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても良い。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例に用いた単量体を以下に示す。
E: 2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート
I: 2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート
C: 1−メチル−1−シクロペンチルメタクリレート
Ad:(2−アダマンチルオキシ)メチルメタクリレート
Na:3,5−ノルボルナンラクトン−2−イル アクリレート
N: 3,5−ノルボルナンラクトン−2−イル メタクリレート
G: γ−ブチロラクトン−α−メタクリレート
O: 3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート
(樹脂中の残存モノマー濃度)
重合液あるいは樹脂中の残存モノマーの濃度は高速液体クロマトグラフィーで分析した。重合反応後の重合液あるいは精製の各工程で得られるウェットケーキ0.10gをテトラヒドロフラン1mlに溶解して分析用試料を調製した。装置への試料注入量は5μlとした。
装置:東ソー製GPC8220
検出器:示差屈折率(RI)検出器
カラム:東ソー製TSKgel SuperHZ1000(×4本)
溶離液:テトラヒドロフラン
(樹脂の重量平均分子量および分散度)
樹脂の重量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準品としてゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた。重合反応終了時の重合液の分析は、重合液0.10gをテトラヒドロフラン1mlに溶解して分析用試料を調製した。装置への試料注入量は60μlとした。精製・乾燥後の樹脂の分析は、粉体0.02gをテトラヒドロフラン1mlに溶解して分析用試料を調製した。装置への試料注入量は60μlとした。
装置:東ソー製GPC8220
検出器:示差屈折率(RI)検出器
カラム:昭和電工製KF−804L(×3本)
溶離液:テトラヒドロフラン
(樹脂の共重合組成)
樹脂の共重合組成は13C−NMRで分析した。精製・乾燥後の樹脂1gとCr(III)アセチルアセトナート0.1gを、重アセトン1.5gとメチルエチルケトン0.5gの混合溶媒に溶解して分析用試料を調製した。
装置:ブルカー製AVANCE400
核種:13
測定法:インバースゲートデカップリング
積算回数:6000回
測定チューブ径:10mmφ
合成例1
モノマーNa(ノルボルナンラクトンアクリレート)156gおよびモノマーE(2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート)186gをメチルエチルケトン440gに溶解し、均一なモノマー溶液を調製した。また、2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル8.6gをメチルエチルケトン90gに溶解し、均一な重合開始剤溶液を調製した。攪拌機と冷却器を備え付けたパイレックス(登録商標)製の2L4つ口フラスコ反応容器にメチルエチルケトン300gを仕込み、窒素雰囲気とした後、温度79℃に加熱した。室温(約25℃)に保ったモノマー溶液および重合開始剤溶液を、それぞれ定量ポンプを用いて、一定速度で4時間かけて、79〜81℃に保った反応容器中にそれぞれ滴下供給した。滴下終了後、79〜81℃を保持したままさらに2時間熟成させた後、室温まで冷却して重合液を取り出した。この重合液の一部をサンプリングしてGPC分析した結果、Mw=8100、Mw/Mn=2.05であった。
さらにこの重合液の一部を使って、沈殿精製に使用する貧溶媒の量を決定するための試験を行った。蓋付きスクリュー管瓶4個に貧溶媒としてメタノールをそれぞれ4g、6g、8g、10g(処理する重合液の2倍量、3倍量、4倍量、5倍量)入れ、それぞれに合成例1の重合液2gを添加して激しく振り混ぜて樹脂を析出させ、大きな粒子はさらに金属さじで細かく砕いた。室温で1日静置させた後の樹脂の様子を観察した。メタノール4gの場合樹脂がひとかたまりに凝集した。メタノール6gの場合は樹脂の一部が凝集した。メタノール8gおよび10gの場合、紛体状の樹脂は沈降していたが凝集は認められなかった。よって沈殿精製には貧溶媒として重合液の4倍量のメタノールを使用する。
実施例1
(沈殿精製)精製容器にメタノール440gを入れ攪拌機で撹拌しながら、合成例1の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、そのまま15分間撹拌した。そのあとメタノール360gを追加してさらに15分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、メタノール160gとメチルエチルケトン40gを順に注いで15分間撹拌したのち、さらにメタノール200gを追加し15分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
比較例1
(沈殿精製)精製容器にメタノール800gを入れ、攪拌機で撹拌しながら合成例1の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、そのまま30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、メタノール360gとメチルエチルケトン40gを順に注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
合成例2
モノマーG(ガンマブチロラクトンメタクリレート)82g、モノマーN(ノルボルナンラクトンメタクリレート)71g、モノマーAd((2−アダマンチルオキシ)メチルメタクリレート)140g、モノマーO(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)57gを、メチルエチルケトン480gに溶解し、均一なモノマー溶液を調製した。また、2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル18.4gをメチルエチルケトン80gに溶解し、均一な重合開始剤溶液を調製した。攪拌機と冷却器を備え付けたパイレックス(登録商標)製の2L4つ口フラスコ反応容器にメチルエチルケトン237gを仕込み、窒素雰囲気とした後、温度79℃に加熱した。室温(約25℃)に保ったモノマー溶液および重合開始剤溶液をそれぞれ定量ポンプを用い、一定速度で3時間かけて、79〜81℃に保った反応容器中にそれぞれ滴下供給した。滴下終了後、79〜81℃を保持したままさらに2時間熟成させた後、室温まで冷却して重合液を取り出した。この重合液の一部をサンプリングして分析した結果、Mw=9300、Mw/Mn=2.04、残留モノマー量3.33質量%であった。
さらにこの重合液の一部を使って、沈殿精製に使用する貧溶媒の量を決定するための試験を行った。蓋付きスクリュー管瓶4個に貧溶媒としてヘキサンをそれぞれ4g、6g、8g、10g(処理する重合液の2倍量、3倍量、4倍量、5倍量)入れ、それぞれに合成例1の重合液2gを添加して激しく振り混ぜて樹脂を析出させ、大きな粒子はさらに金属さじで細かく砕いた。室温で1日静置させた後の樹脂の様子を観察した。ヘキサン4gの場合樹脂がひとかたまりに凝集した。ヘキサン6gの場合は樹脂の一部が凝集した。ヘキサン8gおよび10gの場合、紛体状の樹脂は沈降していたが凝集は認められなかった。よって沈殿精製には貧溶媒として粗製樹脂(重合液)の4倍量のヘキサンを使用する。
実施例2
(沈殿精製)精製容器にヘキサン440gを入れ攪拌機で撹拌しながら、合成例2の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、そのまま15分間撹拌した。そのあとヘキサン360gを追加してさらに15分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、ヘキサン160gとメチルエチルケトン40gを順に注いで15分間撹拌したのち、さらにヘキサン200gを追加し15分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
比較例2
(沈殿精製)精製容器にヘキサン800gを入れ、攪拌機で撹拌しながら合成例1の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、そのまま30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、ヘキサン360gとメチルエチルケトン40gを順に注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
合成例3
モノマーG(ガンマブチロラクトンメタクリレート)110g、モノマーO(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)68gをメチルエチルケトン300gに溶解し、均一なモノマー溶液を調製した。また、2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル16.6gをメチルエチルケトン90gに溶解し、均一な重合開始剤溶液を調製した。攪拌機と冷却器を備え付けたパイレックス(登録商標)製の2L4つ口フラスコ反応容器にメチルエチルケトン200gとモノマーI(2−イソプロピル−2−アダマンチルメタクリレート)226gを仕込み、均一な溶液とし窒素雰囲気とした後、反応容器内の溶液を79℃に加熱した。およそ25℃に保ったモノマー溶液および重合開始剤溶液をそれぞれ別の貯蔵槽から定量ポンプを用い、一定速度で3時間かけて、79〜81℃に保った反応容器中にそれぞれ滴下供給した。滴下終了後、79〜81℃を保持したままさらに2時間熟成させた後、室温まで冷却して重合液を取り出した。この重合液の一部をサンプリングして分析した結果、Mw=7300、Mw/Mn=2.09、残留モノマー量は19.0質量%であった。
さらにこの重合液の一部を使って、沈殿精製に使用する貧溶媒の量を決定するための試験を行った。蓋付きスクリュー管瓶5個に貧溶媒としてメタノールをそれぞれ4g、6g、8g、10g(処理する重合液の2倍量、3倍量、4倍量、5倍量)、およびメタノール/水(重量比9/1)8gを入れ、それぞれに合成例1の重合液2gを添加して激しく振り混ぜて樹脂を析出させ、大きな粒子はさらに金属さじで細かく砕いた。メタノール4gの場合、すぐに樹脂がひとかたまりに凝集した。残りは室温で1日静置させた後の樹脂の様子を観察した。メタノール6gの場合、樹脂がひとかたまりに凝集した。メタノール8gの場合は樹脂の一部が凝集した。メタノール10gおよび水/メタノール(重量比9/1)8gの場合、紛体状の樹脂の凝集は認められなかった。よって沈殿精製には貧溶媒として粗製樹脂(重合液)の4倍量のメタノール/水(重量比9/1)を使用する。
実施例3
(沈殿精製)精製容器にメタノール640gを入れ攪拌機で撹拌しながら、合成例3の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、15分間撹拌した。別の容器にメタノール80gと水80gを混合し、発熱したため室温まで冷却した。このメタノール/水混合溶液160gを前記スラリーに追加してさらに15分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、メタノール600gを注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
比較例3
(沈殿精製)精製容器にメタノール720gと水80gを入れ、混合により発熱したため室温まで冷却した。このメタノール/水混合液を攪拌機で撹拌しながら、合成例3の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、そのまま30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、メタノール600gを注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を測定した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
合成例4
モノマーC(1−メチル−1−シクロペンチルメタクリレート)99g、モノマーG(ガンマブチロラクトンメタクリレート)57g、モノマーO(3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート)54g、及び2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル7.15gをメチルエチルケトン391gに溶解し、均一な滴下溶液を調製した。攪拌機と冷却器を備え付けたパイレックス(登録商標)製の2L4つ口フラスコ反応容器にメチルエチルケトン98g及び2,2−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.79gを仕込み、窒素雰囲気とした後、反応容器内の溶液を79℃に加熱した。およそ25℃に保った滴下液を、定量ポンプを用い一定速度で4時間かけて、79〜81℃に保った反応容器中に滴下供給した。滴下終了後、79〜81℃を保持したままさらに1時間熟成させた後、室温まで冷却して重合液を取り出した。この重合液の一部をサンプリングして分析した結果、Mw=11300、Mw/Mn=1.98、残留モノマー量は8.21質量%であった。
実施例4
(沈殿精製)精製容器にヘキサン80gとメチルターシャリーブチルエーテル520gを入れ攪拌機で撹拌しながら、合成例4の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、25分間撹拌した。そのあとヘキサン120gとメチルターシャリーブチルエーテル80gを追加してさらに5分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、ヘキサン450gとメチルエチルケトン150gを順に注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を分析した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
比較例4
(沈殿精製)精製容器にヘキサン200gとメチルターシャリーブチルエーテル600gを入れ攪拌機で撹拌しながら、合成例4の重合液200gを注いで粉体状の樹脂を析出させ、30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC1とした。
(洗浄精製(1回目))ウェットケーキWC1を再度精製容器に戻し、ヘキサン450gとメチルエチルケトン150gを順に注いで30分間撹拌した。これを濾過して得られたウェットケーキをWC2とした。
(洗浄精製(2回目))洗浄精製(1回目)と同様の操作を行った。得られたウェットケーキをWC3とした。
沈殿精製、洗浄精製(1回目)、および洗浄精製(2回目)に用いた貧溶媒の添加量を表1に示す。
ウェットケーキWC1、WC2、WC3はそれぞれ一部をサンプリングしてLC分析により各工程における樹脂中の残留モノマー量を測定した。分析結果を表2に示す。また、ウェットケーキWC3は減圧下、40℃で乾燥させ、乾燥樹脂を得た。得られた樹脂のモノマー組成比、Mw、Mw/Mnの分析結果を表3に示す。
Figure 2014109022
Figure 2014109022
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本発明の方法によれば、従前と同じ溶媒量あるいは工程数で樹脂中の残存モノマー量を半分以下に減らすことができる。あるいは、残存モノマー量が従前のレベルで良いのであれば、精製回数を減らすことができ、製造コストを下げることが可能になる。

Claims (9)

  1. 操作(a):良溶媒と貧溶媒を含む溶液中に樹脂が分散しているスラリーを撹拌する操作、次いで、
    操作(b):前記スラリーに貧溶媒を追加して良溶媒の貧溶媒に対する比率を下げた後に、樹脂と溶液を分離する操作、
    を含むことを特徴とするフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  2. 操作(a)における樹脂が、重合反応後の重合液から得られたものである、請求項1に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  3. 操作(a)が、重合反応後の重合液を貧溶媒と接触させて樹脂を析出させたスラリーを撹拌する操作である、請求項1または2に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  4. 操作(a)が、重合反応後の重合液を貧溶媒と接触させて樹脂を析出させたスラリーを撹拌する操作であり、操作(b)においてスラリーに追加する貧溶媒の量が、操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の20質量%以上である、請求項1または2に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  5. 操作(a)が、重合反応後の重合液と貧溶媒との接触により析出させた樹脂を固液分離して得られた樹脂と、良溶媒と貧溶媒を含む溶液と、を混合したスラリーを撹拌する操作である、請求項1または2に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  6. 操作(a)が、重合反応後の重合液と貧溶媒との接触により析出させた樹脂を固液分離して得られた樹脂と、良溶媒と貧溶媒を含む溶液と、を混合したスラリーを撹拌する操作であり、操作(b)において追加する貧溶媒の量が、操作(a)および操作(b)で使用する貧溶媒総量の40質量%以上である、請求項1または2に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  7. 操作(b)で追加する貧溶媒が水を含んでなる、請求項1〜6の何れか一項に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  8. 前記樹脂が粉体状である、請求項1〜7の何れか一項に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のフォトリソグラフィー用樹脂の精製方法を含む、フォトリソグラフィー用樹脂の製造方法。
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