JP2014107278A - 半導体装置の製造方法、基板処理システム、及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】n層を形成するための加速器の使用時間を短くする。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、加速器を使用して粒子線を基板に照射する照射工程(S10)と、基板にn層を形成するために、水素を含むプラズマで基板を処理するプラズマ処理工程(S12)と、を備える。本方法は、プラズマ処理工程の後に基板をアニールするアニール工程(S14)を備えてもよい。加速器は、円形加速器又は線形加速器であってもよい。粒子線は軽イオンを含んでもよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理システム、及び基板処理装置に関する。
ウェハの底面に所定の深さ及び濃度まで水素を注入してnバッファ層を形成するステップを有するIGBTの製造方法が知られている。水素は、注入量が次第に減少しエネルギーが次第に増加する連続した複数の別個のステップで注入される。
特表2003−533047号公報
近年、ある種の半導体装置においては、高濃度で厚いn層を設けることが望まれることがある。IGBTはその代表的な例である。n層を形成する処理には、加速器を使用して水素を基板に注入する工程が含まれる場合がある。目的とするn層が高濃度で厚いほど水素の注入量が多くなり、加速器を使用する時間は長くなる。加速器は運転コストが比較的高い。そのため、加速器の使用時間が長くなると、結果として得られるデバイスの製造コストも高くなる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、n層を形成するための加速器の使用時間を短くすることができる半導体装置の製造方法、基板処理システム、及び基板処理装置を提供することにある。
本発明のある態様によると、加速器を使用して粒子線を基板に照射する照射工程と、前記基板にn層を形成するために、水素を含むプラズマで前記基板を処理するプラズマ処理工程と、を備える半導体装置の製造方法が提供される。
前記加速器は、円形加速器又は線形加速器であってもよい。前記粒子線は軽イオンを含んでもよい。
前記プラズマ処理工程は、150℃から600℃の高温雰囲気で前記基板を前記プラズマにさらすことを含んでもよい。前記プラズマ処理工程は、大気圧環境で前記基板を前記プラズマにさらすことを含んでもよい。
本方法は、前記プラズマ処理工程の後に前記基板をアニールするアニール工程を備えてもよい。
前記照射工程における深さ方向のイオン濃度ピークは、前記プラズマ処理工程における深さ方向の水素濃度ピークよりも深くてもよい。
前記粒子線は電子を含んでもよい。
本発明のある態様によると、粒子線を基板に照射するための加速器を備える粒子線照射装置と、前記基板にn層を形成するために、水素を含むプラズマで前記基板を処理するプラズマ処理装置と、を備える基板処理システムが提供される。
本発明のある態様によると、プラズマを大気圧環境で生成する大気圧プラズマ源と、前記プラズマ源に水素を含む原料ガスを供給する気体供給部と、前記プラズマに対し基板を搬送するための搬送部と、を備えることを特徴とする基板処理装置が提供される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、n層を形成するための加速器の使用時間を短くすることができる。
本発明のある実施の形態に係る製造システムの概略構成を模式的に示す図である。 本発明のある実施の形態に係る粒子線照射装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明のある実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を模式的に示す図である。 本発明のある実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の一例を示す図である。 図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の他の一例を示す図である。 図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の他の一例を示す図である。
図1は、本発明のある実施の形態に係る製造システム1の概略構成を模式的に示す図である。製造システム1は、半導体基板(以下では単に基板と呼ぶこともある)に水素を導入するために使用される基板処理システムである。製造システム1は、粒子線照射装置2とプラズマ処理装置3とアニール装置4とを備える。製造システム1は、まず粒子線照射装置2で基板を処理し、次にその基板をプラズマ処理装置3で処理し、さらにその基板をアニール装置4で処理する。
製造システム1において処理される半導体基板は、最終的にいわゆる縦型の半導体デバイスが形成される基板(例えばウェハ)である。縦型のデバイスとは一般に、基板の一方の表面(以下、前面ともいう)と他方の表面(以下、背面ともいう)との間で縦方向に電流経路を有するデバイスであり、典型的には電力制御の用途で使用される。こうした縦型デバイスには例えばIGBTや電力制御用のダイオードなどがある。なお本実施形態に係る水素導入方法は任意の半導体基板に適用することが可能であり、上述の特定のデバイスの製造工程での使用には限られない。
製造システム1における水素導入処理に先立って、半導体基板の前面には通例、配線を含む素子構造が既に形成されている。製造システム1において基板を処理することにより、詳しくは後述するが、基板の背面側のある深さ範囲にn層が形成される。
図2は、本発明のある実施の形態に係る粒子線照射装置2の概略構成を模式的に示す図である。粒子線照射装置2は、加速器10を使用して粒子線Bを基板Wに照射するよう構成されている。粒子線照射装置2は、粒子線源としての加速器10と、粒子線Bの照射のために基板Wを保持し搬送する基板搬送装置12と、加速器10から出射された粒子線Bを基板搬送装置12へと導くビーム輸送ダクト14と、を備える。後述するように、粒子線Bは水素イオンを含む。
加速器10は、荷電粒子を加速し、荷電粒子線を出射する。本実施形態では加速器10はサイクロトロンである。基板搬送装置12は、搬送プレート16に搭載されている基板Wに粒子線Bを照射するための照射チャンバ18と、照射チャンバ18において搬送プレート16を移動する移動機構20と、を備える。搬送プレート16は、複数の基板Wを搭載する。移動機構20は、一つの搬送プレート16に搭載されている全ての基板Wに粒子線Bを順次照射するよう搬送プレート16を移動する。移動機構20は、照射処理済みの搬送プレート16を照射チャンバ18から搬出し、次の搬送プレート16を照射チャンバ18に搬入する。また、ビーム輸送ダクト14の途中には、内部を真空に維持する真空ポンプやビームの方向を補正する電磁コイル等が設けられている。
図3は、本発明のある実施の形態に係るプラズマ処理装置3の概略構成を模式的に示す図である。プラズマ処理装置3は、プラズマPを大気圧環境で生成する大気圧プラズマ源(以下では単にプラズマ源と呼ぶ)30と、プラズマ源30に水素を含む原料ガスを供給する気体供給部32と、プラズマPに対し基板Wを搬送するための搬送部34と、を備える。
プラズマ源30は、気体供給部32から供給された原料ガスのプラズマPを生成するためのプラズマ放電管を備える。このプラズマPは、搬送部34に保持された基板Wの幅方向に延びるライン状のプラズマである。プラズマ源30は搬送部34の搬送コンベア48を横断するように設置されており、プラズマPが延びる長手方向は基板Wの搬送方向に垂直である。プラズマ源30は、基板Wの全幅にわたる範囲にプラズマPを生成する。
プラズマ源30は、プラズマ放電管に電力を供給するための電源36に接続されている。プラズマ源30を冷却するための冷却系38が設けられており、冷却系38はプラズマ源30に冷却水を循環させるよう構成されている。また、プラズマ源30は、プラズマPと基板Wとの距離を調整するための調整機構40を備える。調整機構40は、プラズマ源30の高さを調整するために設けられており、例えばネジ式の高さ調整機構である。
気体供給部32は、プラズマ源30と搬送部34上の基板Wとの間の空間に原料ガスを供給する。気体供給部32は、水素ガス源42と希釈ガス源44とを備える。希釈ガスは例えばアルゴンである。また、気体供給部32は、水素ガスと希釈ガスとを所望の濃度で混合した原料ガスをプラズマ源30に供給するための供給配管系46を備える。なお、プラズマ処理装置3は、供給された原料ガスを適切に排気するための排気装置(図示せず)を備えてもよい。このような排気装置は、プラズマ処理装置3における水素濃度を安全な範囲に維持することに役立つ。
搬送部34は、複数の基板WをプラズマPへと順次搬送するための搬送コンベア48を備える。搬送部34には、基板Wの搬送速度を調整するための搬送制御部50が設けられている。また、搬送部34は、基板Wを所望の温度に加熱するためのヒータ52を備える。ヒータ52は搬送コンベア48の下方に設けられている。なお、ヒータ52とは異なる任意の加熱装置によってプラズマ処理中に基板Wに高温雰囲気が提供されてもよい。
このようにして、プラズマ処理装置3は、水素を含むプラズマPで基板Wを処理するよう構成されている。原料ガスのプラズマPが基板W上方の非真空環境で生成され、基板WがプラズマPにさらされる。プラズマPから基板Wに水素が導入される。したがって、プラズマ処理装置3は真空機器を要しないので、比較的低コストに装置を構成することができる。
図1を参照して既に述べたように、製造システム1はアニール装置4を備える。アニール装置4は、プラズマ処理装置3によるプラズマ処理がなされた基板Wをアニールする。アニール処理によって基板Wの水素導入層が電気的に活性化される。こうして基板Wにn層を形成することができる。なおアニール装置4としては公知の適切な任意のアニール装置を用いることができる。
ところで、水素を用いて半導体基板にn層を形成する典型的な手法は、基板への水素イオン注入とそれに続いて行われるアニール処理とからなる。この場合一般に、アニール処理で所定のキャリア(例えば電子)濃度に達するように水素イオン注入の処理時間が設定される。処理時間を長くするほどキャリア濃度が高くなる傾向がある。そのため、厚く濃度の高いn層を形成するためには、長い処理時間が必要になる。
水素イオン源の1つとして上述のようにサイクロトロンがある。ところが、サイクロトロンは運転コストが比較的高い。したがって、厚く濃度の高いn層を形成する場合にはとりわけ、サイクロトロンの運転コストがデバイスの製造コストに大きく影響する。よって、n層を形成するための製造工程において、サイクロトロンの運転時間を短くすることが望まれる。
水素を用いて半導体基板にn層を形成するためには、目的とする深さ範囲に水素と格子欠陥の両方を有することが必要であると考えられている。本発明者の知見によると、サイクロトロンを使用して水素イオンビームを基板に照射するとき、目的の深さ範囲に水素と格子欠陥とが導入される。水素イオン一個あたりに複数の格子欠陥が形成される。そのため、ある基準量に到達するまでの所要時間は、格子欠陥のほうが水素よりも短い。
したがって、既存の水素イオン注入から欠陥形成処理を切り分けることにより、サイクロトロンの使用時間を短くすることが可能となる。すなわち、格子欠陥の形成のためにサイクロトロンを使用し、その後、サイクロトロンを使用せずに追加的に水素を基板に導入することで、サイクロトロンの使用時間を短くすることができる。
図4は、本発明のある実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。この方法は、基板Wにn層を形成するための方法である。図4に示されるように、この方法は、照射工程(S10)と、プラズマ処理工程(S12)と、アニール工程(S14)と、を含む。
照射工程(S10)においては、粒子線照射装置2(図1及び図2参照)が使用される。粒子線照射装置2は、加速器10を用いて粒子線Bを基板Wに照射し、基板Wの内部に格子欠陥を形成する。本実施形態では、粒子線Bは水素イオンビームである。したがって、加速器10は水素イオンを加速し、水素イオンビームを基板Wに照射する。このとき、基板Wの背面に水素イオンビームが照射されるように基板Wは保持されている。
水素イオンビーム照射の結果、基板Wに格子欠陥が形成されるとともに、いくらかの水素が基板Wに注入される。この注入量は、n層を形成するための水素イオンの必要量に満たない量でよいので、既存の方法に比べて水素イオンビームの照射時間を短くすることができる。
また、水素イオンビームの照射によってある程度の水素イオンを基板Wに注入することができるので、次に行う水素含有プラズマ処理の所要時間を短くすることもできる。
プラズマ処理工程(S12)においては、プラズマ処理装置3(図1及び図3参照)が使用される。水素イオンビームに照射された基板Wが粒子線照射装置2からプラズマ処理装置3へと、作業者によって又は適切な搬送手段によって、搬送される。プラズマ処理装置3は大気圧環境で水素を含むプラズマPを生成する。プラズマPは基板Wの上方で基板Wに隣接する空間に生成される。基板Wはその背面をプラズマPに露出させている。基板WはプラズマPにさらされながらプラズマPの下方を移動する。こうして、n層を形成するための水素イオンの必要量を満たすように、プラズマPから基板Wの背面側に水素イオンが注入される。
このように大気圧環境で基板WにプラズマPを接触させて水素を注入することは、処理後の基板Wの表面の荒れを低減するために有効である。真空環境で行う一般的なプラズマ処理を用いる場合には、放電痕や熱ダメージなどによって、基板Wの表面の荒れが比較的大きくなりうる。
プラズマ処理工程(S12)においては、基板Wは、ヒータ52によって150℃から600℃(好ましくは300℃から500℃、より好ましくは350℃から450℃)の範囲から選択される温度に加熱された状態でプラズマPにさらされる。この温度範囲の下限は水素導入層の活性化をもたらすよう定められている。温度範囲の上限は基板Wの前面に既に形成されている素子構造への損傷防止を保証するように(例えば配線に使用される金属(例えばアルミニウム)の融点より低温に)定められている。このような高温雰囲気でのプラズマ処理は、基板Wの浅い部分でのキャリア濃度を高くするのに役立つ。なお基板Wは室温でプラズマ処理されてもよい。
アニール工程(S14)においては、アニール装置4(図1参照)が使用される。水素含有プラズマによって処理された基板Wがプラズマ処理装置3からアニール装置4へと、作業者によって又は適切な搬送手段によって、搬送される。アニール装置4は、欠陥/水素導入層を活性化するための熱処理を基板Wに施す。プラズマ処理後のアニール処理は、基板Wの深い部分でのキャリア濃度を高くするのに役立つ。このようにして、基板Wの背面側に、比較的厚みのあるn層を形成することができる。例えば、基板Wの背面から最大深さ1μmないし50μmの深さ範囲にn層が形成される。このn層は例えば、IGBTのn層に適する。
なお、プラズマ処理工程(S12)を経た基板Wの表層部分には上述のように水素が導入されている。よって、アニール工程(S14)を経て形成されたn層は水素を含み得る。しかし、水素はアニール工程(S14)によって基板Wから除去される場合もある。したがって、アニール工程(S14)を経て形成されたn層は水素を含まないこともあり得る。
図5は、図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の一例を示す図である。図5の縦軸はキャリア濃度を示し、横軸は基板Wの背面からの深さを示す。よって、図5において横軸に沿って右に行くにつれて背面から前面に近づくことを表す。照射工程(S10)による水素イオン注入を破線Aで示し、水素含有プラズマ処理工程(S12)を実線Bで示し、アニール工程(S14)を経て本方法により得られたn層のキャリア濃度分布を一点鎖線Cで示す。
図5は、照射工程(S10)による水素イオン注入と水素含有プラズマ処理工程(S12)とで注入深さを揃えた場合に得られるn層のキャリア濃度分布を概念的に例示する。つまり、照射工程(S10)により基板Wに導入された水素イオン濃度がピークをとる深さが、プラズマ処理工程(S12)により基板Wに導入された水素イオン濃度がピークをとる深さに合わせてある。したがって、結果として得られるキャリア濃度のピークも同様の深さに現れる。また、基板Wの背面側の表層部分において深さ方向に厚みをもつキャリア濃度分布が得られることがわかる。
図6は、図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の他の一例を概念的に表す図である。図5とは異なり、図6においては、照射工程(S10)における深さ方向の水素濃度ピークPAが、プラズマ処理工程(S12)における深さ方向の水素濃度ピークPBよりも深くなっている。このようにすると、より大きな厚さをもつキャリア濃度分布を得ることができるので、特に厚いn層を形成することができる。
図7は、図4に示す方法により得られるキャリア濃度分布の他の一例を概念的に表す図である。図7には、得られたn層のキャリア濃度分布を示す。図示されるように、基板Wの背面から深さ方向に単調に減少する濃度分布を得ることができる。すなわち、基板Wの背面においてキャリア濃度が最大であり、背面から深さが増すにつれてキャリア濃度が減少する分布が得られる。このような単調減少の分布を得られる要因の1つは、プラズマ処理が基板の表面処理であり、深い領域よりも浅い領域への作用が大きいことにあると考えられる。
本実施形態によると、サイクロトロンの運転時間を例えば半減させることができる。一例として、上述の典型的な水素イオン注入においてサイクロトロンの運転時間がおよそ4分であった場合に、それと同様のn層を形成するために要する本方法の水素イオンビーム照射工程(S10)の所要時間はおよそ2分で充分である。新たに追加したプラズマ処理工程(S12)に要するコストはサイクロトロンの運転コストの1/10以下であると見積もられるので、コスト面での影響は軽微である。このようにして、本実施形態によると、厚く濃度の高いn層の形成におけるサイクロトロンの運転コストを半減させることができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施形態では、n層を基板に新たに形成する処理について説明したが、本実施形態に係る方法は、既にn層が形成されている基板に適用することもできる。このようにすれば、既にn層が形成された基板のキャリアの濃度を増大させることも可能である。したがって、ある実施形態に係る半導体装置の製造方法は、既にn層が形成されている基板に加速器を使用して粒子線を照射する照射工程と、水素を含むプラズマで前記基板を処理するプラズマ処理工程と、を備えてもよい。
上述の実施形態では、水素イオンビームを利用することにより基板Wの欠陥形成処理中にもいくらかの水素イオンを注入しているが、水素イオン以外のイオンを使用することにより欠陥形成処理と水素導入処理とを完全に分離することも可能である。この場合、粒子線Bは、ネオンよりも軽い軽イオンを含んでもよい。軽イオンには例えばヘリウムイオンがある。よって、例えば、照射工程(S10)においては、基板Wの内部に格子欠陥を形成するために、加速器10を用いてヘリウムイオンビームが基板Wに照射されてもよい。この場合、ヘリウムイオンのほうが水素イオンよりも重いため、イオン一個あたりの欠陥生成率が大きくなり、欠陥形成処理の所要時間を短くすることができる。
ある実施形態においては、粒子線Bは、電子を含んでもよい。照射工程(S10)においては、基板Wの内部に格子欠陥を形成するために、加速器10を用いて電子線が基板Wに照射されてもよい。この場合、加速器10を電子線照射装置と呼ぶこともできる。電子線は基板Wの(フィルムやプラスチックなどの)包装を開封することなく照射することができるので、基板Wの取り扱いが容易となり便利である。
ある実施形態においては、粒子線Bは、中性子を含んでもよい。照射工程(S10)においては、基板Wの内部に格子欠陥を形成するために、加速器10を用いて中性子線が基板Wに照射されてもよい。この場合、粒子線照射装置2は、加速器10から出射された荷電粒子線を受けて中性子線を発生させるターゲットをビーム輸送ダクト14の上流に備えてもよい。
加速器10はサイクロトロンには限られない。加速器10は、サイクロトロン以外の円形加速器(例えばシンクロトロン)であってもよい。あるいは、加速器10は、加速粒子が線形に加速される線形加速器(例えばタンデグラフ、タンデムなど)であってもよい。よって、粒子線照射装置2は、高エネルギーイオン注入装置であってもよい。
1 製造システム、 2 粒子線照射装置、 3 プラズマ処理装置、 4 アニール装置、 10 加速器、 30 プラズマ源、 32 気体供給部、 34 搬送部。

Claims (10)

  1. 加速器を使用して粒子線を基板に照射する照射工程と、
    前記基板にn層を形成するために、水素を含むプラズマで前記基板を処理するプラズマ処理工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記加速器は、円形加速器又は線形加速器であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記粒子線は軽イオンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記プラズマ処理工程は、150℃から600℃の高温雰囲気で前記基板を前記プラズマにさらすことを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記プラズマ処理工程は、大気圧環境で前記基板を前記プラズマにさらすことを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記プラズマ処理工程の後に前記基板をアニールするアニール工程を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記照射工程における深さ方向のイオン濃度ピークは、前記プラズマ処理工程における深さ方向の水素濃度ピークよりも深いことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  8. 前記粒子線は電子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  9. 粒子線を基板に照射するための加速器を備える粒子線照射装置と、
    前記基板にn層を形成するために、水素を含むプラズマで前記基板を処理するプラズマ処理装置と、を備えることを特徴とする基板処理システム。
  10. プラズマを大気圧環境で生成する大気圧プラズマ源と、
    前記プラズマ源に水素を含む原料ガスを供給する気体供給部と、
    前記プラズマに対し基板を搬送するための搬送部と、を備えることを特徴とする基板処理装置。
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