JP2013124206A - ウエハ切断方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】狙い通りの厚みで切断し、切断に際して生じる切り代を低減することができるウエハ切断方法および切断装置を提供する。
【解決手段】シリコンのインゴット1を準備し、レーザ光2を加工する面に垂直方向から照射することによりシリコン結晶内部にアモルファス層3を形成する。つづいて、レーザ光2を照射した方向と同じ方向から水素イオンを照射すると、イオン照射後に、水素によって形成される脆弱層から剥離が生じる。入射イオンのドーズ量が低い場合には,処理後に、ランプヒータなどにより再加熱を行い、ヒートショックを与えることによって剥離を促進することもできる。最後に、切り出したウエハ5を取り出す。
【選択図】図1
【解決手段】シリコンのインゴット1を準備し、レーザ光2を加工する面に垂直方向から照射することによりシリコン結晶内部にアモルファス層3を形成する。つづいて、レーザ光2を照射した方向と同じ方向から水素イオンを照射すると、イオン照射後に、水素によって形成される脆弱層から剥離が生じる。入射イオンのドーズ量が低い場合には,処理後に、ランプヒータなどにより再加熱を行い、ヒートショックを与えることによって剥離を促進することもできる。最後に、切り出したウエハ5を取り出す。
【選択図】図1
Description
本発明は、インゴットからウエハを切断する方法および装置に関するものであり、特に切断に伴う材料ロスを低減する方法と装置に関するものである。
電子デバイスを作成するための基板となるウエハは、単結晶や多結晶からなるインゴットを作成した後に所定の厚みに切断することにより作成される。基板として用いる材料はシリコン、化合物半導体、SiCなど用途によって様々である。いずれの材料においても高精細なデバイスを作成するためには平坦に精度良く切断する必要がある。
従来の例を、図4と図5を用いて説明する。インゴット1の切断方法は、図4に示すように、ワイヤ6を用いる方法が一般的である。多数のワイヤ6によりインゴット1を、複数のウエハ5へと同時に切断するなど、生産性向上の工夫がなされて来た。ワイヤ6による切断では、ワイヤ6の直径が一般的に100〜200μmであるため、線径以上の切り代が必要となる。近年、デバイスのコストを低減しようとする中で、このような材料ロスが、問題になってきている。地球上に豊富に存在するシリコンですら、材料費の高騰が生じており、ウエハ5厚みを薄くすることによるコストダウンなどが試みられている。しかし、ウエハ5の厚みを薄くしても切断のためのワイヤ6の径が変わらなければ、材料歩留まりとしてはより悪化することになる。よって、今後、ウエハ5の厚みが薄くなるに従って、より一層切り代を低減する技術が求められるようになる。
ワイヤ6の代わりに、レーザを用いる方法がある(特許文献1)。しかし、レーザのみで加工するには、高い出力のレーザが必要で、レーザの集光が十分に小さくできないことから、レーザ照射の範囲が限定できず、大幅な切り代の低減は困難である。
ワイヤ6の代わりに、イオンビームを用いる方法がある(特許文献2)。これはインゴット1の切断面と垂直な方向から、水素イオンなどのビームを照射してウエハ内部で共有結合を生じさせることで、材料を切断させるものである。もし、イオンの入射深さを精密に制御できれば、この方法では、非常に薄い切り代で、切断をすることができる。しかし、この方法には入射深さを制御することについて大きな課題がある。この方法では、入射粒子には水素が用いられる。水素を用いる理由は、水素はシリコンと結合をすることでシリコン間の結合を効果的に弱めることができることと、切断後の表面に残留しても酸素などと異なり脱離しやすく、デバイスへの影響も小さいと考えられることによる。また、水素の原子半径が小さいことから、シリコンの表面より深い位置にまで侵入させやすいことも利点である。しかし、一方、原子半径が小さすぎるため、シリコンの結晶格子間を通り抜けて、狙いの深さで停止させにくい。これは、イオン注入技術ではチャネリング現象として知られている。図5に、シリコンの結晶構造を示す。結晶中ではシリコンである原子7が規則的に並んでいるため、特定の方向には原子7が全く見えない位置があり、水素が過剰に直進してしまう。例えば、シリコンの場合(100)面は原子が重なって見え、水素が通り抜けやすくなることが理解できる。このような状況では水素の打ち込み深さの幅が広がり、精度良い切断ができなくなり、切り代を小さくできない。
上記説明は水素に関して行ったが、原子種を特定するものではなく、他の元素や化合物についても同様の課題が生じている。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ウエハをインゴットから切り出す場合に、切り代を小さくすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明では、結晶に粒子を照射しウエハを切り出す方法であって、前記結晶の表面にレーザを照射し、前記結晶内部に、アモルファスの層を形成するレーザ照射工程と、前記結晶の表面に、原子、イオン、ラジカルのいずれか1つ、または、これらを組み合わせた粒子を照射し、前記アモルファスの層に前記粒子を吸収させる粒子照射工程とを含むことを特徴としたウエハ切断方法を用いる。
また、結晶に、水素の分子、原子、イオン、ラジカルのいずれか、あるいは、これらを組み合わせた粒子を照射する粒子照射手段と、前記結晶にアモルファス層を形成するためのレーザを照射するレーザ照射手段と、を備えたウエハ切断装置を用いる。
本発明のウエハ切断方法によれば、赤外領域の波長を持つレーザ光を用いて、シリコンインゴット内部で集光させ、アモルファス層を形成する。その後に、粒子をシリコンインゴットに照射し、そのアモルファス層に粒子を集中させ、狙い通りの厚みで切断を行うことができる。この方法では、切断に際して生じる切り代を、低減することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるウエハ切断方法を示す図である。本発明の実施例においては、インゴット1にレーザ光2を照射し、その後、水素イオンを注入することによって切断を行う。
図1は、本発明の実施の形態1におけるウエハ切断方法を示す図である。本発明の実施例においては、インゴット1にレーザ光2を照射し、その後、水素イオンを注入することによって切断を行う。
図1においては,シリコン単結晶からなるインゴット1、レーザ光2、インゴット1の内部に生成されたアモルファス層3、水素原子4、切り出されたウエハ5からなる。
図1(a)では、シリコンのインゴット1は切断面と平行な面が設けられ、この面に垂直な方向から加工が行われる。
インゴット1は、シリコン単結晶からなる塊であり、使用するウエハサイズに対応する直径を持ち、円筒棒状をしている。
レーザ光2は、赤外領域の波長を持つレーザから照射される光線であって、アモルファス層3を形成するためのエネルギー源として用いられる。
アモルファス層3は、インゴット1の内部に形成される層で、単結晶の原子の構造が崩れた層のことを示す。
水素原子4は、インゴット1の内部に注入された原子であって、近傍のシリコン原子と結合を生じることにより、シリコン同士の結合を弱める。
ウエハ5は、この方法で剥離されたウエハ5である。
(レーザ照射)
はじめに、図1(a)で、シリコンのインゴット1を準備する。そして、図1(b)のようにレーザ光2を、加工する面に垂直方向から、照射することによりシリコン結晶内部にアモルファス層3を形成する。アモルファス層3の厚みは、レーザの照射条件による。例えば、波長1064nm、50ns幅、50μJ/パルスで照射した場合、20μmから50μm程度の厚みで形成できる。レーザ単独で加工までするのではないので、出力を小さくでき、レーザ光2を小さい範囲に集光できる。
はじめに、図1(a)で、シリコンのインゴット1を準備する。そして、図1(b)のようにレーザ光2を、加工する面に垂直方向から、照射することによりシリコン結晶内部にアモルファス層3を形成する。アモルファス層3の厚みは、レーザの照射条件による。例えば、波長1064nm、50ns幅、50μJ/パルスで照射した場合、20μmから50μm程度の厚みで形成できる。レーザ単独で加工までするのではないので、出力を小さくでき、レーザ光2を小さい範囲に集光できる。
アモルファス層3は、レーザ光2の集光による熱により生成される。アモルファス層3の位置は、レーザ光2の集光位置を変えることで調節される。インゴット1のシリコンに対する透過率が十分に高い場合は、数百μmの進入深さがある。レーザ光2として、赤外線を用いることができ、集光度を高くでき、平面性の高いアモルファス層が形成される。集光能力は光学系の回折条件に依存するが、最大、数μm程度の厚みにまで設定できる。結果、形成されるアモルファス層3は、熱の伝達距離により、約20から50μm程度になる。インゴット1であるシリコンへのレーザ光2の進入深さは、先述の通り数百μmあり、必要なウエハ5の厚みに合わせて調整できる。例えば、300μmに設定する時、アモルファス層3の20から50μmが、切断時に切りしろとして用いられることになる。なお、シリコンのインゴット1は、単結晶で均質であり、レーザ光2もレーザ照射手段を移動しながら照射を繰り返えしても、厚み誤差は、おおむね10μm以下になる。
レーザ光2の波長は、シリコンのインゴット1の内部に光が進入できるように選択する必要がある。図2は、光の波長と単結晶のシリコンの透過率との関係を示す。図2に示すようにシリコンの場合、バンドギャップである1.1eVに相当する波長(約1130nm)よりも長い領域では透過率が大きくなる。1000nm以上であれば、3分の1以上が、内部に侵入することが可能となり集光させることでシリコンを局所加熱することが可能である。例えば、YAGレーザによるパルス光源を用いればよい。アモルファス化するためにはレーザ光は集光する必要があるため、切断面に平行なアモルファス層3を形成するためには複数回の照射を繰り返す必要がある。アモルファス層3をより薄くするためには、単パルス高パワーレーザでエネルギー密度を上げると良いと考えられる。fsやns程度のパルス幅で良い。例えば、波長1064nm、50ns幅、50μJ/パルスで全体に均質に照射すれば、例えば300μmの深さに20から50μm幅のアモルファス層を形成できる。レーザ光は十分集光されたとしても熱伝播により周囲は溶解しアモルファス化される。このため、点状のスポットの集光であっても、縦横、深さ方向に、アモルファス層の領域が繋がり、アモルファス層が形成される。また、繋がりの度合いは集光条件によって変化する。
アモルファス層3は、面を形成するように作成することが好ましいが、必ずしも全面に形成しなくとも切断は可能である。おおむね面内の平面方向で50%以上の領域がアモルファス化していれば効果を得ることができる。
平面方向、面内に50%以上の領域のアモルファス化により、後で説明する水素イオンの注入により、50%より広い領域が、脆弱層となる。さらに、その後の切断での剥離のきっかけにより剥離が進み、この程度の領域のアモルファス化でも剥離ができる。
レーザ照射時にガスを供給することで加工速度を向上させる技術もあるが、これは、レーザ照射とガス供給が同時になされるものであり、本発明の切断方法とは異なる。また、供給されたガスは被加工材の表面のみに、供給されるため、本発明のような結晶内部を加工する効果はない。
(イオン注入工程)
次に、図1(c)に示すように、レーザ光2を照射した方向と同じ方向から水素イオンを照射する。イオン照射の条件は切り出すウエハの厚みにもよるが、例えば、700keV、1.5×1017ions/cm2で照射を行う。イオンビーム源は加速器、イオン注入装置、イオンドーピング装置、プラズマを用いたイオン源などで良い。
次に、図1(c)に示すように、レーザ光2を照射した方向と同じ方向から水素イオンを照射する。イオン照射の条件は切り出すウエハの厚みにもよるが、例えば、700keV、1.5×1017ions/cm2で照射を行う。イオンビーム源は加速器、イオン注入装置、イオンドーピング装置、プラズマを用いたイオン源などで良い。
加速機のようなビーム源を用いると一般的にビームスポットは狭いが、本発明によれば、アモルファス層3がイオンの吸収層として機能するため、イオンビームはエネルギー幅を狭く保つ必要がない。このため、プラズマから面全体にイオンを引き込むような安価なイオンビーム源を用いることが可能であり、また、ビームスポットも広く設定しやすくなることから処理時間を短縮することもできる。
なお、レーザ光2の照射後、イオン注入工程までの時間は、短時間内である必要はない。レーザ光2により、熱的にアモルファス層3が形成されるので、非可逆的であり、時間が経過しても変化はない。ただし、照射されるインゴット1の表面が酸化や、コンタミなどが生じると、イオン注入がうまくできないためよくない。このため、レーザ光2の照射直後に、イオン注入するのがよい。
(剥離工程)
イオン照射後に、水素によって形成される脆弱層から剥離が生じるが,入射イオンのドーズ量が1.0×1016ions/cm2などと低い場合には,処理後に、ランプヒータなどにより再加熱を行い、ヒートショックを与えることによって剥離を促進することもできる。例えば500℃より高い温度に、保てばよい。また、おおむね1.5×1017ions/cm2以上の照射を行えば熱処理なしで、剥離を生じさせることが可能である。
イオン照射後に、水素によって形成される脆弱層から剥離が生じるが,入射イオンのドーズ量が1.0×1016ions/cm2などと低い場合には,処理後に、ランプヒータなどにより再加熱を行い、ヒートショックを与えることによって剥離を促進することもできる。例えば500℃より高い温度に、保てばよい。また、おおむね1.5×1017ions/cm2以上の照射を行えば熱処理なしで、剥離を生じさせることが可能である。
(取り出し工程)
最後に、図1(d)に示すように切り出したウエハ5を取り出す。上記のステップを繰り返すことによりウエハ5を製造することが可能となる。
最後に、図1(d)に示すように切り出したウエハ5を取り出す。上記のステップを繰り返すことによりウエハ5を製造することが可能となる。
なお、切断後、半導体、太陽電池などの製造に使用する場合、ウエハ5の表面をエッチング等の処理が必要である。また、この方法では、イオン注入、レーザ照射といった従来からの半導体プロセスでの処理をしているので、ウエハ5に対するダメージは少なく、半導体、太陽電池などの製造に使用できる。
(効果)
上記の方法によれば、入射エネルギー幅が広がっている安価なビーム源による照射を用いても、エネルギー幅の狭い加速器を用いた場合での処理に近い表面状態で、切断をすることが可能である。
上記の方法によれば、入射エネルギー幅が広がっている安価なビーム源による照射を用いても、エネルギー幅の狭い加速器を用いた場合での処理に近い表面状態で、切断をすることが可能である。
注入する粒子種はイオンのみではなく、中性の原子やラジカルとの複合でも良い。例えば、イオンの代わりに全量原子とし、700keV、1.5×1017ions/cm2で照射を行う。これによれば、チャージアップの問題がなくなり、異常放電などを防止できることができる。なお、中性粒子のビームはイオンビーム源に中性化装置を加える方法や、プラズマから引き出したイオンが、グリッドを通過するときに中性化する方法など、種々の方式が知られている。
また、ラジカルを用いれば反応性が高いため効率的な処理ができる。例えば、イオンを30%、原子を50%、ラジカルを20%などと組み合わせて照射を行うことでできる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるウエハ切断装置の概要を示す図である。
図3は本発明の実施の形態2におけるウエハ切断装置の概要を示す図である。
(構成)
ウエハ切断装置は、処理室チャンバ8と、ウエハ保管用チャンバ10と、これらを仕切るゲート9と、ウエハケース11と、移載機構12と、ゲートバルブ13と、真空ポンプ14とからなる。
ウエハ切断装置は、処理室チャンバ8と、ウエハ保管用チャンバ10と、これらを仕切るゲート9と、ウエハケース11と、移載機構12と、ゲートバルブ13と、真空ポンプ14とからなる。
処理室チャンバ8は、ゲートバルブ13を通して真空ポンプ14で高真空まで排気される。
ウエハ保管用チャンバ10は、ウエハ5を保管するチャンバであり、真空に保つための真空排気系を備えている(図示せず)。
ゲート9は、処理室チャンバ8とウエハ保管用チャンバ10とを仕切るゲートであり、開閉できる。
ウエハケース11は、作製されたウエハ5を保管する、持ち運び可能な容器である。
移載機構12は、作製されたウエハ5を、処理室チャンバ8から、ウエハ保管用チャンバ10へ搬送するもので、インゴット1の搬送もできる。
ゲートバルブ13は、処理室チャンバ8に設けられた開閉可能なバルブである。
真空ポンプ14は、処理室チャンバ8を真空にするためのポンプである。
処理室チャンバ8には、ウエハ5を処理するチャンバであり、レーザ照射手段15と、イオン照射機構17とが設置されており、それぞれレーザ発振機16と高周波電源18に接続されている。
イオン照射機構17は、イオンを発射する装置であり、そこからウエハ5へイオンを発射する。広面積用のイオンビーム源を用いる。入射エネルギーや入射角度に多少分布があっても、本発明の方法によればアモルファス層3で吸収されるのでよい。照射する粒子として、水素の分子、水素の原子、水素のイオン、水素のラジカルのいずれか、あるいは、これらを組み合わせた粒子を照射してもよい。これらを照射する粒子照射手段を用いることができる。
高周波電源18は、イオン照射機構17に電圧を供給するもので、その電圧により、イオン照射機構17では、イオンを加速し、イオン照射をする。
レーザ発振機16は、レーザ源であり、レーザを発振するところである。YAGレーザによる短パルスレーザを用いると良い。波長はシリコンの透過領域である波長を選択し、例えば、1064nmなどを用いる。
レーザ照射手段15は、レーザ発振機16からのレーザ光2を、インゴット1へ照射する手段である。しかし、この場合、シリコンのインゴット1に照射するレーザ光2の位置を、変化させて処理を行う必要があるため、レーザ照射手段15から、レーザ照射位置移動手段19により、シリコンのインゴット1表面にレーザ光を誘導する。
レーザ照射位置移動手段19は、光ファイバーにより構成すれば良く、ファイバー位置を移動させることで照射位置を変更できる。また、ミラーなどの機構を用いれば高速に照射位置を変更させることができる。なお、イオン照射時にはイオンビームの妨げとなるため、レーザ照射位置移動手段19をイオンビームの通り道から退避させる。
また、イオン照射機構17は、大型の機構であるので、固定し、イオン照射機構17とウエハ5(固定)との間に、レーザ照射位置移動手段19が入り込み、ウエハ5へレーザを照射する。
(工程)
処理の手順は、以下の通りである。まず、シリコンのインゴット1をステージ20に設置し、処理室チャンバ8を真空引きする。1×10―4Pa程度の高真空に到達した後に、レーザ照射位置移動手段19により、シリコンのインゴット1の表面からレーザ光2を照射する。シリコン内部に侵入したレーザ光2は、集光位置で非常に高密度になり、非線形吸収効果により、シリコンのインゴット1を加熱する。照射位置を変えて処理を繰り返すことにより、シリコンの内部にアモルファス層3を形成することが可能となる。次に、レーザ照射位置移動手段19を退避させ、イオン照射機構17により、シリコンのインゴット1の表面に、水素イオンを照射する。水素イオンを加速する電圧は、表面から進入させる距離によって、変える必要があり、例えば、1kVから1MVに設定される。照射された水素イオンは、シリコンのインゴット1の内部に形成されたアモルファス層3に選択的に吸収され、SiHの結合を形成する。照射が進行し、SiH層が、十分形成されるとアモルファス層3の上下の結合力が低下し剥離が生じ、切断が起こる。
処理の手順は、以下の通りである。まず、シリコンのインゴット1をステージ20に設置し、処理室チャンバ8を真空引きする。1×10―4Pa程度の高真空に到達した後に、レーザ照射位置移動手段19により、シリコンのインゴット1の表面からレーザ光2を照射する。シリコン内部に侵入したレーザ光2は、集光位置で非常に高密度になり、非線形吸収効果により、シリコンのインゴット1を加熱する。照射位置を変えて処理を繰り返すことにより、シリコンの内部にアモルファス層3を形成することが可能となる。次に、レーザ照射位置移動手段19を退避させ、イオン照射機構17により、シリコンのインゴット1の表面に、水素イオンを照射する。水素イオンを加速する電圧は、表面から進入させる距離によって、変える必要があり、例えば、1kVから1MVに設定される。照射された水素イオンは、シリコンのインゴット1の内部に形成されたアモルファス層3に選択的に吸収され、SiHの結合を形成する。照射が進行し、SiH層が、十分形成されるとアモルファス層3の上下の結合力が低下し剥離が生じ、切断が起こる。
切断されたウエハ5は、移載機構12により、ゲート9を開けて、ウエハ保管用チャンバ10に搬送され、ウエハケース11に収納される。
ゲート9を閉じた後、以上のステップを繰り返し行うことによりシリコンのウエハ5を作成することが可能である。インゴット1が無くなった場合、移載機構12により、新しいインゴット1をステージ20にセットし、上記を繰り返す。
(効果)
本発明によればイオン源を簡易なものにすることができるため装置を簡略なものにすることが可能である。また、処理室チャンバ8やウエハ保管用チャンバ10へのワークの出し入れはロードロック室を設けることにより連続処理が可能となる。従来のワイヤによる切断と異なり、ドライ処理であるため装置のメンテナンスも容易であり連続運転もしやすい。従来のワイヤ6での加工では、切代が最低でも、約100μm必要であったが、この発明では、上記の条件下で、その切代が約30μmで済み、材料ロスを3分の1に低減できる。例えば、300μmのウエハを切り出す場合、25%のロスが約9%に低減できる。
本発明によればイオン源を簡易なものにすることができるため装置を簡略なものにすることが可能である。また、処理室チャンバ8やウエハ保管用チャンバ10へのワークの出し入れはロードロック室を設けることにより連続処理が可能となる。従来のワイヤによる切断と異なり、ドライ処理であるため装置のメンテナンスも容易であり連続運転もしやすい。従来のワイヤ6での加工では、切代が最低でも、約100μm必要であったが、この発明では、上記の条件下で、その切代が約30μmで済み、材料ロスを3分の1に低減できる。例えば、300μmのウエハを切り出す場合、25%のロスが約9%に低減できる。
なお、インゴット1が、シリコンの場合で説明したが、化合物半導体、SiCの場合でも、レーザの波長などを適宜変更することで応用できる。
本発明の成膜装置および方法は、結晶インゴットを切断しウエハを作成する各種装置に用いることができる。
1 インゴット
2 レーザ光
3 アモルファス層
4 水素原子
5 ウエハ
6 ワイヤ
7 原子
8 処理室チャンバ
9 ゲート
10 ウエハ保管用チャンバ
11 ウエハケース
12 移載機構
13 ゲートバルブ
14 真空ポンプ
15 レーザ照射手段
16 レーザ発振機
17 イオン照射機構
18 高周波電源
19 レーザ照射位置移動手段
20 ステージ
2 レーザ光
3 アモルファス層
4 水素原子
5 ウエハ
6 ワイヤ
7 原子
8 処理室チャンバ
9 ゲート
10 ウエハ保管用チャンバ
11 ウエハケース
12 移載機構
13 ゲートバルブ
14 真空ポンプ
15 レーザ照射手段
16 レーザ発振機
17 イオン照射機構
18 高周波電源
19 レーザ照射位置移動手段
20 ステージ
Claims (9)
- 結晶に粒子を照射しウエハを切り出す方法であって、
前記結晶の表面にレーザを照射し、前記結晶の内部にアモルファスの層を形成するレーザ照射工程と、
前記結晶の表面に、原子、イオン、ラジカルのいずれか1つ、または、これらを組み合わせた粒子を照射し、前記アモルファスの層に前記粒子を吸収させる粒子照射工程と
を含むことを特徴としたウエハ切断方法。 - 前記結晶がシリコン材料であり、前記粒子が、水素の分子、水素の原子、水素のイオン、水素のラジカルのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ切断方法。
- 前記レーザの波長が1000nm以上の赤外光であることを特徴とする請求項1または2に記載のウエハ切断方法。
- さらに、熱処理により前記結晶から前記ウエハを剥離する剥離工程を含む請求項1から3のいずれか1項に記載のウエハ切断方法。
- 結晶を保持する保持手段と、
前記結晶に、水素の分子、水素の原子、水素のイオン、水素のラジカルのいずれか、あるいは、これらを組み合わせた粒子を照射する粒子照射手段と、
前記結晶にアモルファス層を形成するためのレーザを照射するレーザ照射手段と、を備えたウエハ切断装置。 - 前記粒子照射手段と前記レーザ照射手段とが同じチャンバ内に配置された請求項5記載のウエハ切断装置。
- 前記保持手段と、前記粒子照射手段との間を、前記レーザ照射手段が移動し、レーザを照射する請求項5または6記載のウエハ切断装置。
- 前記結晶がシリコン材料であり、前記粒子が、水素の分子、水素の原子、水素のイオン、水素のラジカルのいずれか1つであることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のウエハ切断装置。
- 前記レーザの波長が1000nm以上の赤外光であることを特徴とした請求項5から8のいずれか1項に記載のウエハ切断装置。
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