JP5985362B2 - イオン注入装置及びイオン注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン注入に関し、より詳しくは、イオン注入装置及びイオン注入方法に関する。
太陽電池製造のためのビームラインイオン注入装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この装置においては、イオン源から引き出されたイオンビームは、質量分析器、分解アパーチャ、角度補正磁石をもつビームラインを経てエンドステーションへと運ばれる。不所望のイオン種は、分解アパーチャを通過せずに、マスキング電極によりブロックされる。
特表2011−513997号公報 米国特許出願公開第2010/0197126号明細書
原理的にはイオン注入を適用し得るプロセスであっても、経済的な理由からイオン注入が適用されていないプロセスがある。既存のイオン注入装置が比較的高額であるために、こうしたプロセスでは、そのプロセスで生産されるデバイスに求められる生産コストにイオン注入が見合わない。
そのようなプロセスの代表的な例には、太陽電池基板を製造するためのいくつかのプロセスがある。これらのプロセスにイオン注入を適用することによって、太陽電池基板に注入する不純物のドーズ量や深さ方向の分布を精度よく制御することができる。それにより、太陽電池の性能向上が期待される。しかし、注入のためのイオンビーム電流が要求される水準に達していない。そのため、イオン注入は、太陽電池基板の製造に十分な生産性を与えていない。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、いくつかのプロセスの生産性向上に役立つ高ビーム電流を与えるイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することにある。
本発明のある態様によると、プラズマ室と、前記プラズマ室にプラズマを生成するためのプラズマ源と、長尺ビーム断面を有するイオンビームを前記プラズマ室から引き出すための引出電極系と、を備えるイオン源と、前記イオン源に隣接して設けられ、前記引出電極系から前記イオンビームを受け入れる処理室であって、イオンビーム照射領域を通る基板移動経路に沿って基板を移動させるための基板移動機構を備える処理室と、前記イオン源のイオンビーム生成条件を制御するための制御部と、を備え、前記イオンビームは、前記イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム電流を有し、前記イオンビームは、前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に、前記ビーム電流を保持して直接照射されることを特徴とするイオン注入装置が提供される。
本発明のある他の態様によると、イオン源のイオンビーム生成条件を制御することと、前記イオン源の引出電極系を通じてイオンビームを引き出すことと、前記イオン源から前記イオンビームを処理室に受け入れることと、前記処理室のイオンビーム照射領域を通るよう基板を移動させることと、を備え、前記イオンビームは、前記イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム電流を有し、前記イオンビームは、前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に、前記ビーム電流を保持して直接照射されることを特徴とするイオン注入方法が提供される。
本発明のある他の態様によると、イオンビームを引き出すための引出電極系を備えるイオン源と、前記イオン源から前記イオンビームを受け入れる処理室であって、イオンビーム照射領域を基板に通過させるよう構成されている処理室と、を備え、前記イオンビームは、前記イオン源のイオンビーム生成条件に従って決定される特性を有し、かつ、前記イオンビーム照射領域を基板が通過する間に前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域へと前記特性を保持して、前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に直接照射されることを特徴とするイオン注入装置が提供される。
本発明のある他の態様によると、イオン源の引出電極系を通じてイオンビームを引き出すことと、前記イオン源から前記イオンビームを処理室に受け入れることと、前記処理室のイオンビーム照射領域を基板に通過させることと、を備え、前記イオンビームは、前記イオン源のイオンビーム生成条件に従って決定される特性を有し、かつ、前記イオンビーム照射領域を基板が通過する間に前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域へと前記特性を保持して、前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に直接照射されることを特徴とするイオン注入方法が提供される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システム、プログラムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、生産性向上に役立つイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することができる。
本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置を概略的に示す図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置の一部を概略的に示す斜視図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置の引出電極系を概略的に示す図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置のビーム測定系を概略的に示す平面図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置により得られる注入プロファイルを示す図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置のためのインライン型の真空チャンバシステムを概略的に示す平面図である。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入方法を表すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置は、基板へのイオン注入段階でのイオンビームの特性を、イオンビームの生成段階で制御するよう構成されている。イオンビームの生成段階とは、イオンの供給源であるプラズマの生成からイオンの引き出しまでをいう。イオンの引き出しによってイオンビームが生成される。引き出されたイオンは基板に注入される。
こうして、制御されたビーム特性をもつイオンビームが基板に直接的に照射される。イオン引き出しからイオン注入までのビームラインをごく短くすることができるので、輸送中のイオンの損失を最小にすることができる。よって、引き出されたときの高ビーム電流で基板にイオンを注入することができるので、高い生産性をもつイオン注入装置を提供することができる。
図1は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10を概略的に示す図である。図1は、イオン注入装置10を側方から見た図である。図2は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10の一部を概略的に示す斜視図である。図2には、図1において紙面に平行な平面によるイオン注入装置10の一部の断面も示されている。図2において断面領域に斜線を付してある。
イオン注入装置10は、イオンビーム12を基板Sに照射するよう構成されている。イオンビーム12は長手方向(図1において紙面に垂直な方向)に延びる長尺ビーム断面を有する。以下ではイオンビーム12をリボンビーム12と呼ぶことがある。リボンビーム12は、その断面に相当するイオンビーム照射領域(以下、イオンビーム領域ともいう)14をプロセスチャンバ26に形成する。ある特定の時点においてイオンビーム領域14は基板Sの表面上の特定の部分にある。理解の容易のために図2においてイオンビーム領域14に細かいドットを付してある。プロセスチャンバ26において基板Sは、基板移動経路Aに沿ってイオンビーム領域14を通過する。こうして基板Sの表面の広い範囲にイオン注入をすることができる。
この実施形態においては、基板Sは、太陽電池用の基板または太陽電池セルである。したがって、イオン注入装置10は、太陽電池基板の製造のために使用される。基板Sはたいていの場合平板形状をもつ半導体部材であるが、基板Sはその他の任意の形状及び材質を有する被処理物であってもよい。基板Sは、1枚の大型基板であってもよいし、複数枚の小型基板であってもよい。基板Sが複数の基板を指し示す場合、基板Sは、これら基板を平面に(例えばマトリックス状に)配置するためのトレイなどの容器を含んでもよい。このトレイは例えば4列以上のマトリックス配置の基板に各列同時に注入処理できるよう構成されていてもよい。また、基板Sはマスクで覆われる場合もある。以下では説明の便宜上、こうした基板、容器、マスク、及びその他の被処理物を総称して基板Sと呼ぶことがある。
図1に示すように、イオン注入装置10は、リボンビーム12を生成するよう構成されているイオン源18を備える。イオン源18は、リボンビーム12を中央チャンバ16に与える。イオン源18は、プラズマ室20と、プラズマ室20にプラズマ21を生成するためのプラズマ源22と、リボンビーム12をプラズマ室20から引き出すための引出電極系24と、を備える。また、イオン注入装置10は、イオン源18及び中央チャンバ16に所望の真空環境を提供するための真空排気系(図示せず)を備える。
イオン注入装置10は、中央チャンバ16を備える。中央チャンバ16は、イオン源18からリボンビーム12を受け取るようイオン源18に接続されている。中央チャンバ16は、リボンビーム12を用いて基板Sのイオン注入処理をするためのプロセスチャンバ26を備える。また、中央チャンバ16は、プロセスチャンバ26に接続されている上流バッファチャンバ28及び下流バッファチャンバ30を備える。なお図面を不必要に複雑にするのを避けるために、図2には中央チャンバ16を図示していない。
中央チャンバ16は、基板移動経路Aに沿って基板Sを移動させるための基板移動機構(図6参照)を備える。基板移動経路Aは、リボンビーム12の長手方向に垂直な方向に延びる直線的な経路であり、上流バッファチャンバ28、プロセスチャンバ26、及び下流バッファチャンバ30を通る。基板移動経路Aは、プロセスチャンバ26においてイオンビーム領域14を通る。この基板移動機構は、基板移動経路Aに沿って基板Sを連続的に移動させるよう構成されている。基板移動機構は、基板Sを実質的に一定の速度で移動させることができる。こうしたインライン式の真空チャンバの構成については、詳しくは図6を参照して後述する。
プロセスチャンバ26は、イオン源18に隣接して設けられている。プロセスチャンバ26は、イオン源18(正確には、引出電極系24)から出たリボンビーム12を受け入れる。従ってプロセスチャンバ26はその内部にイオンビーム領域14を有する。プロセスチャンバ26のイオンビーム領域14から見て、引出電極系24は露出されている。
イオン注入装置10は、イオン注入装置10を制御するための制御部32を備える。特に、制御部32は、イオン源18のイオンビーム生成条件を制御するために設けられている。イオンビーム生成条件は例えば、引出電極系24のイオンビーム制御条件、及び/または、プラズマ源22のプラズマ制御条件を含む。イオンビーム制御条件は、引出電極系24のイオンビーム引出条件を含む。イオンビーム引出条件は例えば、引出電極系24の引出電圧を含む。イオンビーム制御条件は、プラズマ制御条件を含んでもよい。よって、制御部32は、プラズマ源22及び引出電極系24の少なくとも一方を制御するよう構成されている。制御部32は、イオン源18及び基板移動機構を含むイオン注入装置10の全体を制御するよう構成されていてもよい。
リボンビーム12は、イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム特性を有する。このビーム特性は例えば、リボンビーム12のビーム電流、リボンビーム12のイオン組成、及び/または、リボンビーム12の断面における均一性を含む。プロセスチャンバ26がイオン源18に隣接しているので、リボンビーム12は、引出電極系24からイオンビーム領域14に直接照射される。そのため、リボンビーム12の特性は、引出電極系24を通じて引き出された段階で既に決定されており、引出電極系24からプロセスチャンバ26へのビーム輸送空間においてビーム特性は保持される。したがって、基板S上で得られるイオン注入特性(例えば、注入ドーズ量、注入エネルギー、及び/または、注入プロファイル)は、イオン源18のイオンビーム生成条件に従って決定される。
そこで、制御部32は、詳しくは後述するように、基板Sへの所与の注入条件(例えば注入ドーズ量)及び所与の基板移動速度のもとで、イオンビーム生成条件を制御して(例えばイオンビーム引出条件を変更して)リボンビーム12のビーム電流を調整する。また、ある実施形態においては、制御部32は、プラズマ源22のプラズマ制御条件を変更することにより、イオンビーム12のイオン組成を制御する。例えば、基板Sに注入されるべきイオン種のモノマーイオン及びダイマーイオンの比率が制御される。こうして、注入ドーパント電流を制御することができる。
イオン注入装置10は、イオン源18をプロセスチャンバ26に接続するビームガイド34を備える。したがって、プロセスチャンバ26は、ビームガイド34を介してイオン源18に隣接する。ビームガイド34はリボンビーム12を囲む筒状の部材であり、リボンビーム12を輸送するための真空環境をイオン源18とプロセスチャンバ26との間に提供する。リボンビーム12を妨げないように、ビームガイド34はその内壁面がリボンビーム12の外周部から離れている。ビームガイド34の内壁面には、パーティクルを防止するための防着板(例えば、グラファイト製のライナー)が取り付けられていてもよい。
図2に示されるように、イオン注入装置10は、プラズマ室20とビームガイド34との間に取り付けられている高電圧インシュレーター48を備える。高電圧インシュレーター48は、ビームガイド34をプラズマ室20から絶縁する。従ってプロセスチャンバ26もプラズマ室20から絶縁されている。高電圧インシュレーター48は、引出電極系24を囲むように設けられている。
このようにして、イオン注入装置10は、直線ビームラインを有する。この直線ビームラインは、引出電極系24により引き出されたイオンビーム12をそのままプロセスチャンバ26へと輸送するためにイオン源18とプロセスチャンバ26との間に介在する。ビームラインはごく短く、イオンビーム12のビーム特性(例えばビーム電流)に作用するビームライン構成要素を有しない。例えば、イオン注入装置10は、一般的な装置とは異なり、質量分析器を有しない。こうして、イオンビーム12が基板Sに直接照射される。イオン注入装置10はこのように単純な構成のビームラインをもつので、その製造コストを小さくすることができる。
イオン源18について図1及び図2を参照して更に説明する。プラズマ室20は、生成されたプラズマ21を保持し収容するための空間を提供する。プラズマ室20は、その壁部またはその近傍にプラズマ21を閉じ込めるためのマグネット(図示せず)を有する。このプラズマ収容空間は例えば直方体形状を有しており、その上側にプラズマ源22が設けられており、下側に引出電極系24が設けられている。
図2に示されるように、プラズマ室20は、プラズマ21を外部に取り出すための複数の出口開口50を有する。出口開口50は引出電極系24に関連して設けられている。こうして、引出電極系24及び出口開口50にプラズマ源22が対向している。
複数の出口開口50は、互いに隣接して形成されており、各々が基板移動経路Aに垂直な方向に延びる長尺形状を有する。複数の出口開口50は、互いに平行に等間隔に配列されている。プラズマ室20は、複数の出口開口50の一部または全部を開閉するためのビームシャッター(図示せず)を備えてもよい。ビームシャッターが開かれているときプラズマ室20からイオンビーム12を引き出すことが可能であり、ビームシャッターが閉じられているときイオンビーム12の引き出しは物理的に遮断され、イオンビーム量を減じることができる。
図1に戻る。プラズマ源22は、プラズマ室20にソースガスを供給するためのガス供給源36を備える。ソースガスは、基板Sに注入されるべき所望のイオン種を含む。例えば、基板Sに注入するイオン種がリン(P)である場合には、ソースガスは例えば、Hで希釈されたPHである。基板Sに注入するイオン種がボロン(B)である場合には、ソースガスは例えば、Hで希釈されたBである。また、基板Sの水素パッシベーションのために、ソースガスはHであってもよい。ソースガスは、必要に応じて、Hとは異なる任意の希釈ガス、プラズマの着火性を改善するためのアシストガス、及び/または、その他の希ガスを含んでもよい。
ガス供給源36は、ガス配管38を介してプラズマ室20に接続されている。ソースガスは、ガス配管38を通じてプラズマ室20に供給される。プラズマ室20に導入されるソースガスの濃度及び/または流量を調整するために、ガス供給源36及び/またはガス配管38にガス調整部(例えばマスフローコントローラ)が設けられていてもよい。
プラズマ源22は、プロセスチャンバ26においてソースガスからプラズマ21を生成するための高周波プラズマ励起源、例えばRFアンテナ40を備える。また、プラズマ源22は、RFアンテナ40への給電のためのRFマッチングボックス42及びRF電源44を備える。RFアンテナ40はプラズマ室20の中に設けられ、RFマッチングボックス42及びRF電源44はプラズマ室20の外に設けられている。RFマッチングボックス42はプラズマ室20の外側に取り付けられている。こうして、イオン源18は、RFプラズマ励起型のイオン源として構成されている。
図2に示されるように、プラズマ源22は、複数のRFアンテナ40と複数のRFマッチングボックス42とを備える。RFマッチングボックス42はRFアンテナ40ごとに設けられている。複数のRFアンテナ40は、プラズマ室20の出口開口50に沿って配列されている。これにより、出口開口50に沿って長尺のプラズマ21をプラズマ室20に生成することができる。このように、イオン源18はバケット型のイオン源である。
図1に示されるように、プラズマ源22は、ソースボックス46を備える。ソースボックス46はガス供給源36とRF電源44とを収容する。プラズマ室20及びソースボックス46には、例えば後述する電源装置70(図3参照)によって、所望の注入エネルギーに対応する電圧が印加される。したがって、プラズマ室20の出口開口50には、所望の注入エネルギーに対応する電圧を印加することができる。
制御部32は、プラズマ制御条件に従ってプラズマ源22を制御する。それにより、ガス供給源36からプラズマ室20にソースガスが供給され、RF電源44からRFアンテナ40に電力が供給される。その結果、所望のイオン種を含むプラズマ21がプラズマ室20に励起される。
プラズマ制御条件は、プラズマ21を制御するための1つ又は複数のプラズマ制御パラメタを含む。プラズマ制御パラメタには例えば、ソースガスの濃度(例えば水素希釈率)、ソースガスの流量、イオン源18のトータルRFパワー、各RFアンテナ40のRFパワー、各RFアンテナ40の位置、所望の注入エネルギーに対応する印加電圧があり、これらには限られない。プラズマ制御パラメタを調整または変更することにより、プラズマ21を制御することができる。プラズマ21を制御することにより、例えば、リボンビーム12のビーム電流をいくらか調整することができる。
あるいは、プラズマ室20に導入されるソースガスの濃度、流量、及びRFパワーを調整することにより、プラズマ21中のモノマーイオンとダイマーイオンの比率を制御することができる。ドーパントがリンである場合には、モノマーイオンPH とダイマーイオンP との比率を制御することができる。同様に、ドーパントがボロンである場合には、モノマーイオンBH とダイマーイオンB との比率を制御することができる。したがって、制御部32は、プラズマ制御条件を変更することにより、注入ドーパント電流及び/または基板Sの注入プロファイルを制御することができる。
図3は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10の引出電極系24を概略的に示す図である。引出電極系24は、プラズマ電極52と引出加速電極部54とを備える。プラズマ電極52には上述の複数の出口開口50が形成されている。プラズマ電極52は、プラズマ室20の内部を外部から仕切る底板である。引出加速電極部54は、引出電極56とサプレッション電極58とグランド電極60とを備える。よって引出電極系24は4つの電極を備える。
引出電極系24の4つの電極、すなわち、プラズマ電極52、引出電極56、サプレッション電極58、及びグランド電極60は、イオン源18からプロセスチャンバ26に向かう方向にこの記載の順序で配設されている。これら電極は各々がスリット付きの平板であり、互いに平行に配列されている。プラズマ電極52と引出電極56との間隔は、引出電極56とサプレッション電極58との間隔よりも狭い。引出電極56とサプレッション電極58との間隔は、サプレッション電極58とグランド電極60との間隔よりも広い。
引出電極系24は、プラズマ電極52の複数の出口開口50に対応する複数のスリットを有する。すなわち、プラズマ電極52の複数の出口開口50と同様の形状及び配置で、引出電極56、サプレッション電極58、及びグランド電極60はそれぞれ、複数の第2スリット62、複数の第3スリット64、及び複数の第4スリット66を有する。よって引出加速電極部54の各電極には、互いに隣接する複数の長尺開口が形成されている。これら長尺開口は基板移動経路Aに垂直な方向に沿って形成されている。プラズマ電極52の出口開口50を引出電極系24の第1スリットと呼ぶこともできる。
第1ないし第4スリットはプラズマ室20から引き出されるイオンビームのための直線的なスリット経路を与える。個々のスリット経路を通じて長尺イオンビーム68が引き出される。複数のスリット経路に対応する複数の長尺イオンビーム68によって、リボンビーム12が形成される。このようにして基板移動経路Aに沿って複数のスリット経路を設けることにより、幅広のリボンビーム12(即ち、幅広のイオンビーム領域14)を得ることができる。こうしたスリット構成はリボンビーム12の大面積化に役立つ。引出電極系24は、リボンビーム12の長手方向に(少なくとも基板Sの幅にわたって)均一性を有するリボンビーム12を引き出すことができるように設計されている。
引出電極系24は、各電極に電圧を与えるための電源装置70を備える。電源装置70は、プラズマ電極52、引出電極56、及びサプレッション電極58に関連して、引出電源72、加速電源74、及びサプレッション電源76を備える。これら電源は電圧可変の直流電源であり、制御部32によって制御される。
引出電源72は、正の引出電圧Vexをプラズマ電極52に印加するようプラズマ電極52と引出電極56との間に接続されている。加速電源74は、正の加速電圧を引出電極56に印加するよう引出電極56とグランド電極60との間に接続されている。サプレッション電源76は、負のサプレッション電圧をサプレッション電極58に印加するようサプレッション電極58とグランド電極60との間に接続されている。グランド電極60は接地されている。
制御部32は、イオンビーム引出条件に従って引出電極系24を制御する。その引出条件に従って電源装置70が引出電極系24に電圧を印加すると、リボンビーム12がプラズマ室20から引出電極系24を通じて連続的に引き出される。引き出されたリボンビーム12はビームガイド34を通過してそのままプロセスチャンバ26に入射する。
したがって、引出電極系24により引き出されたリボンビーム12のイオン組成はプラズマ21に由来する。上述のようにプラズマ21は基板Sに注入されるドーパントのモノマーイオン及びダイマーイオンを含むから、リボンビーム12もまた、モノマーイオンとダイマーイオンとを含む。リボンビーム12は質量分析器を経由せずにプロセスチャンバ26に入射するので、イオンビーム領域14は、モノマーイオンとダイマーイオンの両方を受けることが許容されている。
イオンビーム引出条件は、引出電極系24を制御するための1つ又は複数の引出制御パラメタを含む。引出制御パラメタには例えば、引出電圧Vex、サプレッション電圧、出口開口50の形状、プラズマ電極52と引出電極56との間隔、プラズマ電極52と引出電極56との間隔のビーム長手方向分布があり、これらには限られない。引出制御パラメタを調整または変更することにより、リボンビーム12を制御することができる。
例えば、制御部32は、注入エネルギーを一定に保つように引出電圧Vex及び/またはサプレッション電圧を変更することにより、引出ビーム電流を制御してもよい。あるいは、制御部32は、出口開口50の形状を調整することにより、引出ビーム電流を制御してもよい。そのために、プラズマ電極52は可変の出口開口を有してもよい。
制御部32は、引出電極系24の少なくとも1つの電極の位置及び/または形状を変えることにより、引出ビーム電流を制御してもよい。そのために、例えば、プラズマ電極52と引出電極56との間隔を調整するためのアクチュエータが、プラズマ電極52及び/または引出電極56に設けられていてもよい。プラズマ電極52と引出電極56との間隔のビーム長手方向分布を調整するために、プラズマ電極52及び/または引出電極56を移動及び/または変形させるためのアクチュエータが設けられていてもよい。
図4は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10のビーム測定系78を概略的に示す平面図である。図1及び図4を参照してビーム測定系78を説明する。
なお、図1とは異なり、図4に示す基板Sとリボンビーム12との位置関係はイオン注入前の状態である。基板Sは基板走査速度Vsでリボンビーム12に向かって移動している。基板Sはリボンビーム12に重なっておらず、イオン注入がまだ開始されていない。ここで、基板Sは、多数の基板及びそれらを載せるトレイであってもよい。図4においては、7行5列のマトリックス状の基板配置を可能とするトレイが示されている。5列の基板に同時にリボンビーム12が照射される。
図1に示されるように、ビーム測定系78は測定チャンバ80に収容されている。測定チャンバ80は、プロセスチャンバ26の下方にある。つまり、測定チャンバ80とイオン源18とは、プロセスチャンバ26に対して互いに反対側にある。測定チャンバ80は、プロセスチャンバ26を通じてイオン源18からリボンビーム12を受け入れるよう構成されている。よってビーム測定系78は基板Sよりもビーム経路の下流側にある。
ビーム測定系78は、リボンビーム12の特性を測定するよう構成されている。ビーム測定系78は、スキャンファラデー82、固定ファラデー84、及び質量分析器86を備える。スキャンファラデー82、固定ファラデー84、及び質量分析器86は、リボンビーム12の輸送方向に沿ってこの記載の順に配設されている。よって質量分析器86はビーム経路の終端に位置する。
スキャンファラデー82、固定ファラデー84、及び質量分析器86はそれぞれ測定結果を制御部32に出力することができる。スキャンファラデー82及び/または固定ファラデー84は、基板Sへの注入前及び/または注入中に注入ビーム電流を測定するよう構成されている。
スキャンファラデー82は、リボンビーム12の長手方向に移動する高速移動式プロファイルモニターである。スキャンファラデー82は、可動式のビーム電流測定器であり、例えばファラデーカップである。スキャンファラデー82は、リボンビーム12の長手方向のビーム電流の均一性を測定するために設けられている。図4に示すように、スキャンファラデー82は、リボンビーム12の長手方向の幅を含む可動範囲Cを走査しながらリボンビーム12のビーム強度を測定する。可動範囲Cの複数の位置で測定することにより、リボンビーム12のビーム電流均一性を測定することができる。
スキャンファラデー82の可動範囲Cはリボンビーム12の長手方向端部に達している。リボンビーム12は長手方向幅が基板Sよりも広いので、リボンビーム12の端部は基板Sがリボンビーム12に進入したときであっても基板Sの側方を通過する。そのため、スキャンファラデー82は基板Sがリボンビーム12に進入したときにもリボンビーム12のビーム電流を(ビーム端部で)測定することができる。よって、スキャンファラデー82は、注入前後だけでなく注入中にもビーム電流を測定することができる。
ビーム電流均一性の測定結果を用いて、制御部32は、リボンビーム12の長手方向におけるビーム電流均一性を制御してもよい。例えば、制御部32は、ビーム電流均一性を改善するために、複数のプラズマ励起源(例えばRFアンテナ40)の各々への入力パワーを調整してもよい。あるいは、ビーム電流均一性を改善するために、プラズマ電極52及び/または引出電極56を移動及び/または変形させて、プラズマ電極52と引出電極56との間隔のビーム長手方向分布が調整されてもよい。
なお、ビーム電流均一性を測定する測定器は可動式でなくてもよい。例えば、ビーム長手方向に配列された多数の測定器を用いてビーム電流均一性を測定することもできる。このビーム電流測定器は、次に述べる固定ファラデー84を含んでもよい。
固定ファラデー84は、固定式のビーム電流測定器であり、例えばファラデーカップである。固定ファラデー84は、平均的なビーム強度を測定するために設けられている。固定ファラデー84は例えば3つ設けられており、そのうち2つはリボンビーム12の両端に配置され、残りの1つはリボンビーム12の中央に配置されている。両端の固定ファラデー84は、基板Sがリボンビーム12に進入したときにもリボンビーム12のビーム電流を測定することができるように配置されている。よって、固定ファラデー84もまた、注入前後だけでなく注入中にビーム電流を測定することができる。中央の固定ファラデー84は例えば注入前のビーム電流測定に使用される。従って制御部32は複数(例えば3つ)の固定ファラデー84の測定値の平均を注入前ビーム電流として使用することができる。
質量分析器86は、イオンの種類ごとにイオン電流を測定する。リボンビーム12には、ソースガス組成に由来して、少なくともドーパントイオンと水素イオン(H )とが含まれる。ドーパントイオンにはモノマーイオンとダイマーイオンとが含まれる。したがって質量分析器86は、モノマーイオン、ダイマーイオン、水素イオン、及び(存在する場合には)その他のイオンのイオン電流をそれぞれ測定することができる。質量分析器86によって、リボンビーム12のビーム電流に対するドーパントイオン電流の割合(即ち、ドーパント比率Fd)を測定することができる。質量分析器86は、リボンビーム12のイオン組成を測定することができる。
リボンビーム12は基板Sと質量分析器86とを選択的に照射する。つまり、質量分析器86は、基板Sがリボンビーム12で照射されているときにはリボンビーム12を受けない場所に配置されている。したがって、質量分析器86は、複数の基板についての連続的な注入処理においてある基板とその次の基板との処理の合間にビーム質量分析計測をする。
イオン注入装置10はインライン型に構成されているので、リボンビーム12を複数の基板が連続して順次通過する。これら複数の基板の各々の処理時間は一定にすることが望まれる。従って、その一定処理時間に適合する一定の基板走査速度Vsで複数の基板を移動させることが望まれる。しかし、基板によってイオン注入条件が異なる場合がある。
そこで、制御部32は、基板Sへの所望の注入ドーズ量D及び基板走査速度Vsのもとで、引出電圧Vexを制御してリボンビーム12のビーム電流Jを調整する。ビーム電流Jは、引出電圧Vexの関数としてJ(Vex)と表すことができる。注入ドーズ量D及び基板走査速度Vsとビーム電流J(Vex)とを関連付けることができる。そうした関連付けの一例を次式に示す。ここで、qeは電子電荷、αは比例定数である。比例定数αは例えばビーム測定系78に依存して決定される。
上述のようにソースガスの濃度、流量、及びRFパワーからプラズマ21の状態が決定される。これらのプラズマ制御パラメタを一定に保つときプラズマ状態は一定に保たれ、ドーパント比率Fdは一定となる。注入ドーズ量D、電子電荷qe、及び比例定数αもまたすべて定数であるから、上式は、基板走査速度Vsとビーム電流J(Vex)との関係を与えている。
したがって、制御部32は、与えられた条件に合わせて注入前にビーム電流J(Vex)及び引出電圧Vexを設定することができる。すなわち、制御部32は、所望の注入ドーズ量Dを与えかつ一定の基板走査速度Vsを維持するように引出電圧Vexを制御することができる。制御部32は、基板Sへの注入前に上記関係式の右辺からビーム電流Jを導出し、その電流値に対応する引出電圧Vexに引出電源72を設定する。その結果、引出電圧Vexに応じたビーム電流J(Vex)を有するリボンビーム12が基板Sに照射される。
引出電圧Vexに代えて、又は引出電圧Vexとともに、制御部32は、サプレッション電圧を制御してもよい。このようにしても同様に、注入ドーズ量D及び基板走査速度Vsを実現することができる。このとき制御部32は、注入ドーズ量Dを得るとともに所定の注入プロファイルを保持するようにイオンビーム引出条件を制御してもよい。
ある実施形態においては、制御部32は、ビーム電流Jのフィードバック制御を実行してもよい。制御部32は、注入前及び/または注入中のビーム電流測定結果に基づいて注入前及び/または注入中にビーム電流Jを制御してもよい。例えば、制御部32は、測定されるビーム電流が目標ビーム電流に一致するようにイオンビーム引出条件(例えば引出電圧Vex)を制御してもよい。目標ビーム電流は例えば上記関係式の右辺により与えられる。また、ある実施形態においては、制御部32は、注入前及び/または注入中の測定されたビーム電流と注入ドーズ量Dのもとで、基板走査速度Vsを制御してもよい。
また、ある実施形態においては、制御部32は、プラズマ制御条件の変更とイオンビーム引出条件の変更とを組み合わせてイオン源18を制御してもよい。この場合、変更されたプラズマ制御条件によってプラズマ源22が運転され、変更されたイオンビーム引出条件によって引出電極系24が運転される。制御部32は、このような複合制御を用いて最適制御を実行してもよい。例えば、制御部32は、引出ビーム電流及び/またはドーパント注入ビーム電流を最大にするように複合制御を実行してもよい。あるいは、制御部32は、最良のビーム均一性を得るように複合制御を実行してもよい。
さらに、ある実施形態においては、制御部32は、プラズマ源22のプラズマ制御条件を変更することにより、ドーパント比率Fdを制御してもよい。ドーパント比率Fdを制御することにより、注入プロファイルを改善することができる。
図5は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10により得られる注入プロファイルを示す図である。図5において縦軸はドーパント濃度を、横軸は注入深さを示す。図示されるように、イオン注入装置10によると、基板Sのほぼ表面に顕著なピークを持ち、深さが増すにつれてドーパント濃度が単調に減少する注入プロファイルを得ることができる。こうしたプロファイルは太陽電池によって性能上好ましい。このようにプロファイルが改善されるのは、リボンビーム12がドーパントのダイマーイオンを含むためであると考えられる。図5に示す比較例は従来型のイオン注入装置でモノマーイオンのみを注入した場合に得られるプロファイルである。比較例は、実施例に比べて深い場所にピークをもつ。
図6は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置10のためのインライン型の真空チャンバシステム100を概略的に示す平面図である。真空チャンバシステム100は上述のように中央チャンバ16を備え、中央チャンバ16は、プロセスチャンバ26、上流バッファチャンバ28、及び下流バッファチャンバ30を備える。プロセスチャンバ26にリボンビーム12が供給される。
真空チャンバシステム100は、基板移動経路Aに沿って基板Sを移動させるための基板搬送システム102を備える。基板搬送システム102は、基板移動経路Aに沿って一方向に基板Sを搬送し、これにより1スキャンの注入処理が可能である。基板搬送システム102は、中央チャンバ16のための基板移動機構を含む。
真空チャンバシステム100は、中央チャンバ16の上流に第1ロードロックチャンバ104を備え、中央チャンバ16の下流に第2ロードロックチャンバ106を備える。第1ロードロックチャンバ104は、第1ロードロックバルブ108を介して中央チャンバ16の上流バッファチャンバ28に取り付けられている。第2ロードロックチャンバ106は、第2ロードロックバルブ110を介して中央チャンバ16の下流バッファチャンバ30に取り付けられている。
必要とされる場合には、真空チャンバシステム100は、前工程処理部111と、後工程処理部112と、を備える。前工程処理部111は、中央チャンバ16で行う基板Sへのイオン注入処理の前工程を行う。後工程処理部112は、イオン注入処理の後工程を行う。前工程処理部111は、第3ロードロックバルブ114を介して第1ロードロックチャンバ104に取り付けられている。後工程処理部112は、第4ロードロックバルブ116を介して第2ロードロックチャンバ106に取り付けられている。
したがって、基板搬送システム102は、前工程処理部111、第1ロードロックチャンバ104、中央チャンバ16、第2ロードロックチャンバ106、後工程処理部112の順に基板Sを搬送するよう構成されている。図示されるように、基板搬送システム102は、複数の基板Sを連続的に搬送し、インラインでのイオン注入処理を可能とする。中央チャンバ16は、2つの基板Sを同時に収容するよう構成されている。図1及び図6には、イオン注入処理中である基板S1と、その次に処理される基板S2とが示されている。
第1ロードロックチャンバ104及び第2ロードロックチャンバ106は、大気雰囲気と中央チャンバ16の高真空環境との間で基板Sを移送するために設けられている。前工程処理部111及び/または後工程処理部112が中央チャンバ16と同レベルの高真空環境にある場合には、第1ロードロックチャンバ104及び/または第2ロードロックチャンバ106は必要とされないこともある。
ロードロックチャンバ104、106は、中央チャンバ16との基板Sの搬送に際してベント及びラフィングの真空引き動作を行うよう構成されていてもよい。このようにして、ソースガスの外部への漏洩を防止することができる。毒性をもつソースガスが使用されている場合にはこうしたロードロック方式が好ましい。
中央チャンバ16におけるイオン注入処理のためにマスクMが使用されてもよい。そこで、前工程処理部111はマスクMを基板S(例えば太陽電池セルトレイ、本図に関連して以下同様)に装着するよう構成されていてもよい。この場合、マスクMを装着した状態でプロセスチャンバ26にて基板Sへのイオン注入が行われる。後工程処理部112は、処理済みの基板SからマスクMを取り外すよう構成されていてもよい。こうしたマスクMの装着及び脱着のために、マスク装脱着セルトレイ移送機構118が真空チャンバシステム100の外側に設置されていてもよい。この移送機構118は、取り外されたマスクMを再び装着するために搬送するよう構成されていてもよい。
真空チャンバシステム100及び基板搬送システム102を制御するための搬送制御装置120が設けられている。搬送制御装置120は、イオン注入装置10のための制御部32と一体に構成されていてもよいし、制御部32とは別に設けられていてもよい。
搬送制御装置120は、基板搬送システム102における基板走査速度Vsを一定に設定することができる。搬送制御装置120は、基板走査速度Vsを、イオンビーム生成条件及び/または基板Sへのイオン注入条件に応じて設定してもよい。
あるいは、搬送制御装置120は、必要に応じて、基板走査速度Vsを調整してもよい。例えば、搬送制御装置120は、イオンビーム領域14を基板Sが通過する間に基板走査速度Vsを調整してもよい。あるいは、搬送制御装置120は、イオンビーム領域14を基板Sが通過する間と、イオンビーム領域14から基板Sが外れているときとで、基板走査速度Vsを変えてもよい。
基板搬送システム102は、搬送される基板Sのための冷却装置を備えてもよい。この冷却装置は、基板を載置するテーブル及び/またはトレイに冷却液を流通させるよう構成されていてもよい。基板とその載置面との良好な熱接触のために、載置面は例えばRaで30μm程度の表面粗度を有してもよい。載置面は例えばSi溶射等で粗化されてもよい。
イオン注入装置10の動作を説明する。基板Sが、複数枚の太陽電池セルをマトリックス状に載置した太陽電池セルトレイSである場合を例として説明する。まず、所望のイオン注入条件及びインライン真空チャンバ100の走査速度Vsから、プラズマ制御条件及びイオンビーム引出条件を含むイオンビーム生成条件が設定される。
イオンビーム生成条件に従ってイオン源18が運転される。プラズマ制御条件に従ってプラズマ源22が運転され、所望のイオン種を含むプラズマ21がプラズマ室20に励起される。イオンビーム引出条件に従って引出電極系24が運転され、リボンビーム12がプラズマ室20から引出電極系24を通じて連続的に引き出される。引き出されたリボンビーム12はプロセスチャンバ26に直接入射する。このようにして、太陽電池セルトレイSの幅を満たす長尺のリボンビーム12がプロセスチャンバ26に常時照射されている。
太陽電池セルトレイSが前工程から第1ロードロックチャンバ104の前に移送されてくる。必要に応じて太陽電池セルトレイSにマスクMが装着される。第3ロードロックバルブ114が開かれ、第1ロードロックチャンバ104に太陽電池セルトレイSが挿入される。第3ロードロックバルブ114が閉じ、粗引きポンプ(図示せず)により第1ロードロックチャンバ104が粗引きされる。次に、第1ロードロックバルブ108が開き、太陽電池セルトレイSが上流バッファチャンバ28に移送される。第1ロードロックバルブ108が閉じられて、太陽電池セルトレイSが上流バッファチャンバ28に収容される。
太陽電池セルトレイSは、中央チャンバ16内のセルトレイ走査機構102によって走査速度Vsでリボンビーム12の下部を通過しながら下流バッファチャンバ30まで運ばれる。太陽電池セルトレイSがプロセスチャンバ26を移動しているときにリボンビーム12が太陽電池セルトレイSに照射されイオン注入がなされる。イオン注入中に測定結果に基づいて必要に応じてイオンビーム生成条件が変更される。これにより、走査速度Vsのもとで所望の注入がなされる。
図1及び図6には、イオン注入処理中である太陽電池セルトレイS1と、その次に処理される太陽電池セルトレイS2とが示されている。先行するセルトレイS1と後続のセルトレイS2とはともに同一の走査速度Vsで運ばれている。後続のセルトレイS2はある間隔離れて先行セルトレイS1に追従している。セルトレイS1がリボンビーム12を完全に通過するとセルトレイS1への1回のイオン注入処理が完了する。引き続いて次のセルトレイS2がリボンビーム12に進入し、セルトレイS2のイオン注入が開始される。
第2ロードロックチャンバ106の粗引き後に第2ロードロックバルブ110が開かれ、注入済みの太陽電池セルトレイSが第2ロードロックチャンバ106に移送される。第2ロードロックバルブ110が閉じられ、第2ロードロックチャンバ106が大気圧にベントされる。その後、第4ロードロックバルブ116が開かれ、太陽電池セルトレイSは後工程処理部112へと引き渡される。マスクMが取り付けられている場合には太陽電池セルトレイSからマスクMが取り外される。マスクMはマスク装脱着セルトレイ移送機構118により前工程処理部111に戻される。
図7は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入方法を表すフローチャートである。このイオン注入方法は、制御部32及び/または搬送制御装置120により実行される。図7に示されるように、この方法は、イオンビーム生成ステップ(S10)と、イオン注入ステップ(S20)と、を備える。
イオンビーム生成ステップ(S10)は、イオン源18のイオンビーム生成条件を設定及び/または制御することと、イオン源18のプラズマ室20にプラズマ21を発生させることと、イオン源18の引出電極系24を通じてイオンビーム12を引き出すことと、を備える。イオンビーム12は、イオンビーム生成条件に従って決定される特性(例えばビーム電流)を有する。
イオン注入ステップ(S20)は、イオン源18からイオンビーム12をプロセスチャンバ26に受け入れることと、プロセスチャンバ26のイオンビーム領域14を通るよう基板Sを移動させることと、を備える。イオンビーム領域14を基板Sが通過する間に、イオンビーム12は、引出電極系24からイオンビーム領域14へと直接照射される。引出電極系24から引き出された段階で決定されているビーム特性がイオンビーム領域14において保持されている。
以上説明したように、本実施形態によると、イオン注入装置10は、大面積で高電流のリボンビーム12のビーム特性を、所望の注入条件及びインライン基板走査に適合させるようにイオン源18において決定し、そのリボンビーム12を基板Sに照射する。このようにして、イオン注入装置10は、高い生産性を低コストで実現することができる。
また、本実施形態によると、上記の代表的な効果に加えて、以下に述べる種々の効果を奏することもできる。
イオン源は、RFによる誘導性放電を利用して高密度プラズマを生成可能であるバケット型イオン源である。それとともに、または、それに加えて、ビーム引出系は、大面積で幅広のビーム引出開口を持つ引出スリット系などで構成されている。そのため、高い注入ドーパント電流のリボンビームを引き出すことができる。さらに、この大面積リボンビームは質量分析なしで基板に直接注入される。したがって、高い生産性を実現することができる。
また、こうした高電流のリボンビームが、インライン方式の製造ラインに組み込まれている。注入処理においては大面積の注入部に常時ビームが照射される。多数の電池基板の配列が連続的に一定速度で一方向にビーム下方を移動する。こうして所望のドーパントドーズの注入が行われる。多数基板の連続処理によって、高い生産性が実現される。また、これら基板はインラインで一方向に移動されるので、真空を保ったまま次工程へ搬送される。工程間の搬送時間が短縮されることも生産性の向上に役立つ。
インライン方式の製造ラインにおいては基板を一定速度で処理することが重要である。そのため、あるドーズ量で基板を処理した直後に、異なるドーズ量のレシピーの基板を連続して処理する場合には、後者の基板の処理を始める前に注入ドーパント電流を適切に調整することが望まれる。本実施形態によると、引出電圧を変更して引出電流を変えることにより、注入エネルギーを変えることなく注入ドーパント電流を変更することができる。引出電圧は高速に変更することができるから、注入ドーパント電流を迅速に調整することができる。したがって、ラインの処理速度を高速に保ちながら、種々のレシピーの基板を連続して処理することができる。こうして、ラインの処理速度を乱さずに円滑なインライン基板処理を実現することができる。
従来の太陽電池セル用の不純物導入装置においては、半導体用のイオン注入装置で採用されているホットカソード型イオン源が使用されているかもしれない。その場合、単一孔からビームが引き出されるので、十分なビーム引出電流を得られず、従って注入ビーム電流も多くは得られない。太陽電池セルに要求される注入深さは浅いので(即ち注入エネルギーが低いので)、この注入エネルギーに対応する引出電圧での引出電流も低くなり、従って注入ビーム電流も低下する。質量分析をすればなおさらビーム電流は低下する。しかし、本実施形態によると、バケットソースを採用して長尺の引き出し開口を設けることにより、引出ビーム電流量を大きくすることができる。それにより、注入ビーム電流が増加し、注入時間が短縮され、高生産性が達成される。
ホットカソード型イオン源に比べてRFプラズマ励起型イオン源は低温で運転されるので、プラズマ生成室の温度を低く保つことができる。そのため、高温で分解しやすいPHやB(これらのガスは300℃程度でHとドーパント原子に分解する)をソースガスとして使用することができる。プラズマ制御条件を調整することにより、ダイマーイオンとモノマーイオンの比率を自由に変えることができる。好ましくは、PH やBH 等のモノマーイオンを抑制し、P やB 等のダイマーイオンを支配的に含むプラズマを生成することができる。こうして実注入電流に対してドーパント注入ビーム電流を大幅に増加させることができるので、注入時間が短縮され、高生産性が達成される。
従来の半導体用注入装置は質量分析器を持ちビームラインが長いので、ビーム輸送系での損失が大きい。そのため注入ビーム電流が低下する。しかし、本実施形態によると、ドーパントガスとしてH希釈されたPH、Bを用い、引出ビームを質量分離せずH を含んだまま注入してもよいため、ビーム輸送系の長さを1/10程度に短くできる。こうして注入ビーム電流を大幅に増加させることができ、注入時間が短縮され、高生産性が達成される。
従来のある装置は同時に二列の基板しか処理することができない。しかし、本実施形態によると、長尺のリボンビーム引き出しを実現しているので、四列以上の太陽電池基板を並べてリボンビームを同時に照射し一定速度で搬送・注入することができる。よって、従来の二倍以上に生産性を向上することができる。
従来のスタンドアローン式の装置とは異なり、本実施形態によると、注入プロセスチャンバの前後にバッファチャンバが設けられている。さらに、必要に応じて、ロードロックチャンバが設けられる。こうして、注入時に一方向で一定速度で搬送・注入するようにしてインライン式の装置を実現することができる。
太陽電池基板の製造において許容される生産コストでイオン注入を適用することができる。既存の手法である、例えば、pn接合や選択エミッター作製のためのリンの熱拡散や、BSFにおけるボロンの熱拡散などを、イオン注入に置き換えることができる。イオン注入によって、不純物ドーズ量や拡散深さを精度よく制御することができるので、太陽電池の性能(例えば変換効率)を向上させることができる。
太陽電池セルにおいてリンやボロンなどの不純物の注入プロファイルは深さ方向に単調に減少することが性能上好ましい。深さ方向にピークがある場合、その深さ位置で不純物濃度が高く、従って電子の移動障壁となる。よって、太陽電池セルの変換効率を低下させることになる。ピークをもつプロファイルを単調減少のプロファイルに改善するには、既存の手法では注入エネルギーの異なる複数回の注入処理を必要とする。質量分離を経てモノマーイオンのみを注入する場合には、図5に示すように、ピークをもつプロファイルとなりがちである。しかし、本実施形態によると、ダイマーイオンを基板に注入することができる。それにより、単調減少の注入プロファイルを1回の注入走査で得ることができる。したがって、セルの変換効率改善とともに生産性を向上することもできる。
ソースガスとしてH希釈されたPH、Bを用いることで注入ビーム中には多量のH が含まれ、これらは所望のイオン種と同時に注入される。この水素注入は、基板のバルクや膜界面の水素パッシベーッション効果を有する。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施形態においては、1つ又は複数のRFアンテナを備えるRFプラズマ励起型の長尺イオン源が使用されているが、これに限られない。ある実施形態においては、イオン源18は、長尺のECRプラズマ室を備えるECRプラズマ励起型のイオン源であってもよい。ある実施形態においては、イオン源18は、長尺の1つ又は複数の加熱陰極を備えるフィラメント式直流放電型または傍熱フィラメント陰極型のイオン源であってもよい。
上述の実施形態においては、基板Sが一方向に搬送され一回の走査で一回のイオン注入処理が完了するとしているが、これに限られない。ある実施形態においては、基板Sはリボンビーム12によって複数回走査されるようにプロセスチャンバ26または中央チャンバ16を往復移動してもよい。このようにして、高ドーズ注入処理を可能としてもよい。
ある実施形態においては、イオン注入装置は、基板(例えばLCD基板)にArイオンを斜め注入するために使用されてもよい。この場合、斜め注入のために、イオン源は基板に対しある角度で設置される。こうして、基板にラビング効果を与えることができる。あるいは、ある実施形態においては、イオン注入装置は、半導体素子のCu配線信頼性向上のためのSi、 Nの同時高ドーズ注入によるCuSiN膜作製用注入装置として使用されてもよい。
以下、本発明の幾つかの態様を挙げる。
ある実施形態に係るイオン注入装置は、
プラズマ室と、前記プラズマ室にプラズマを生成するためのプラズマ源と、長尺ビーム断面を有するイオンビームを前記プラズマ室から引き出すための引出電極系と、を備えるイオン源と、
前記イオン源に隣接して設けられ、前記引出電極系から前記イオンビームを受け入れる処理室であって、イオンビーム照射領域を通る基板移動経路に沿って基板を移動させるための基板移動機構を備える処理室と、
前記イオン源のイオンビーム生成条件を制御するための制御部と、を備え、
前記イオンビームは、前記イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム電流を有し、前記イオンビームは、前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に、前記ビーム電流を保持して直接照射される。
前記イオンビーム生成条件は、前記引出電極系の引出条件及び/または前記プラズマ源のプラズマ制御条件を含んでもよい。前記イオンビーム生成条件は、前記引出電極系の引出電圧を含んでもよい。
前記制御部は、基板への所与の注入ドーズ量及び所与の基板移動速度のもとで、前記イオンビーム生成条件を制御して前記ビーム電流を調整してもよい。前記基板移動機構は、基板を実質的に一定の速度で移動させてもよい。
前記制御部は、前記プラズマ源のプラズマ制御条件を変更することにより、前記イオンビームのイオン組成を制御してもよい。
前記プラズマ源は、PH、B、またはHを含むソースガスを前記プラズマ室に供給するためのガス供給源と、前記ソースガスからプラズマを生成するための高周波プラズマ励起源と、を備えてもよい。
前記プラズマ室は互いに隣接する複数の長尺出口開口を有し、各長尺出口開口は前記移動経路に垂直な方向に沿って形成されていてもよい。前記引出電極系は前記複数の長尺出口開口に対応する複数のスリットを有し、各スリットは前記長尺ビーム断面を有するイオンビームを引き出すために設けられていてもよい。前記移動経路に沿う方向についての前記イオンビーム照射領域の幅が、前記長尺ビーム断面の前記方向の幅よりも広くてもよい。
前記プラズマ源は、基板に注入されるべきイオン種のモノマーイオンとダイマーイオンとを含むプラズマを前記プラズマ室に生成するよう構成されていてもよい。前記引出電極系は、モノマーイオンとダイマーイオンとを含むイオンビームを前記プラズマ室から引き出すよう構成されていてもよい。前記イオンビーム照射領域は、モノマーイオンとダイマーイオンの両方を受けることが許容されていてもよい。
ある実施形態に係るイオン注入方法またはイオン注入装置は、連続式長尺リボンビームイオン注入装置に関連する。本装置は、イオンソースの長尺のプラズマ室内に長尺状のプラズマを生成するよう構成されている。本装置は、長尺状のプラズマから長尺で均一なリボン状イオンビームをソース開口からビーム引出電極系により引き出すよう構成されている。本装置は、引き出されたリボン状イオンビームを、連続して移動している基板または基板群に照射するよう構成されている。本方法または本装置は、イオンソースのプラズマ制御条件及びビーム引出電極系のイオンビーム制御条件のいずれか又は両方を変えることにより、ドーパント注入ビームのビーム電流及び/またはドーパント注入プロファイルを制御可能とする。本方法または本装置は、イオンソース及びビーム引出電極系のプラズマ制御条件及び/またはイオンビーム制御条件を変えることにより、ドーパント注入ビームのビーム電流及び/またはドーパント注入プロファイルを制御可能としてもよい。
ある実施形態においては、イオンソースのイオンビーム制御条件を変えることにより、ドーパント注入ビームのビーム電流を制御可能としてもよい。ある実施形態においては、イオンソースのプラズマ制御条件を変えることにより、ドーパント注入プロファイルを制御可能としてもよい。ある実施形態においては、イオンソースのビーム制御条件およびプラズマ制御条件を同時に変えることにより、ドーパント注入ビームのビーム電流およびドーパント注入プロファイルを同時に制御可能としてもよい。ある実施形態においては、イオンソースのプラズマ生成制御条件(モノマー、ダイマー比率等)は変えないようプラズマ生成条件を変更してもよい。
10 イオン注入装置、 12 リボンビーム、 14 イオンビーム領域、 18 イオン源、 20 プラズマ室、 21 プラズマ、 22 プラズマ源、 24 引出電極系、 26 プロセスチャンバ、 32 制御部、 36 ガス供給源、 40 RFアンテナ、 50 出口開口、 56 引出電極、 120 搬送制御装置、 A 基板移動経路、 S 基板、 Vex 引出電圧、 Vs 基板走査速度。

Claims (12)

  1. プラズマ室と、前記プラズマ室にプラズマを生成するためのプラズマ源と、長尺ビーム断面を有するイオンビームを前記プラズマ室から引き出すための引出電極系と、を備えるイオン源と、
    前記イオン源に隣接して設けられ、前記引出電極系から前記イオンビームを受け入れるインライン型の処理室であって、イオンビーム照射領域を通る基板移動経路に沿って複数の基板を共通の基板移動速度で移動させるための基板移動機構を備えるインライン型の処理室と、
    注入条件と基板移動速度とビーム電流との予め定められた関係に従って、個々の基板への所望の注入条件及び前記共通の基板移動速度のもとでのビーム電流を導出し、導出されたビーム電流を実現するよう前記イオン源のイオンビーム生成条件を制御するための制御部と、を備え、
    前記イオンビームは、前記イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム電流を有し、前記イオンビームは、前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に、前記ビーム電流を保持して直接照射されることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記イオンビーム生成条件は、前記引出電極系の引出条件及び/または前記プラズマ源のプラズマ制御条件を含むことを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記イオンビーム生成条件は、前記引出電極系の引出電圧を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記制御部は、個々の基板への所望の注入ドーズ量及び前記共通の基板移動速度のもとで前記関係に従ってビーム電流を導出し導出されたビーム電流を実現するよう前記イオンビーム生成条件を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイオン注入装置。
  5. 前記基板移動機構は、基板を実質的に一定の速度で移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のイオン注入装置。
  6. 前記制御部は、前記プラズマ源のプラズマ制御条件を変更することにより、前記イオンビームのイオン組成を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のイオン注入装置。
  7. 前記プラズマ源は、PH、B、またはHを含むソースガスを前記プラズマ室に供給するためのガス供給源と、前記ソースガスからプラズマを生成するための高周波プラズマ励起源と、を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のイオン注入装置。
  8. 前記プラズマ室は互いに隣接する複数の長尺出口開口を有し、各長尺出口開口は前記移動経路に垂直な方向に沿って形成されており、
    前記引出電極系は前記複数の長尺出口開口に対応する複数のスリットを有し、各スリットは前記長尺ビーム断面を有するイオンビームを引き出すために設けられており、
    前記移動経路に沿う方向についての前記イオンビーム照射領域の幅が、前記長尺ビーム断面の前記方向の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のイオン注入装置。
  9. 前記プラズマ源は、基板に注入されるべきイオン種のモノマーイオンとダイマーイオンとを含むプラズマを前記プラズマ室に生成するよう構成されており、
    前記引出電極系は、モノマーイオンとダイマーイオンとを含むイオンビームを前記プラズマ室から引き出すよう構成されており、
    前記イオンビーム照射領域は、モノマーイオンとダイマーイオンの両方を受けることが許容されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のイオン注入装置。
  10. イオン源のイオンビーム生成条件を制御することと、
    前記イオン源の引出電極系を通じてイオンビームを引き出すことと、
    前記イオン源から前記イオンビームをインライン型の処理室に受け入れることと、
    前記処理室のイオンビーム照射領域を通るよう複数の基板を共通の基板移動速度で移動させることと、を備え、
    注入条件と基板移動速度とビーム電流との予め定められた関係に従って、個々の基板への所望の注入条件及び前記共通の基板移動速度のもとでのビーム電流が導出され、
    導出されたビーム電流を実現するよう前記イオン源のイオンビーム生成条件が制御され、
    前記イオンビームは、前記イオンビーム生成条件に従って決定されるビーム電流を有し、前記イオンビームは、前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に、前記ビーム電流を保持して直接照射されることを特徴とするイオン注入方法。
  11. イオンビームを引き出すための引出電極系を備えるイオン源と、
    前記イオン源から前記イオンビームを受け入れるインライン型の処理室であって、イオンビーム照射領域を複数の基板に共通の基板移動速度で通過させるよう構成されているインライン型の処理室と、
    注入条件と基板移動速度とビーム特性との予め定められた関係に従って、個々の基板への所望の注入条件及び前記共通の基板移動速度のもとでのビーム特性を導出し、導出されたビーム特性を実現するよう前記イオン源のイオンビーム生成条件を制御するための制御部と、を備え、
    前記イオンビームは、前記イオン源のイオンビーム生成条件に従って決定されるビーム特性を有し、かつ、前記イオンビーム照射領域を基板が通過する間に前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域へと前記特性を保持して、前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に直接照射されることを特徴とするイオン注入装置。
  12. イオン源の引出電極系を通じてイオンビームを引き出すことと、
    前記イオン源から前記イオンビームをインライン型の処理室に受け入れることと、
    前記処理室のイオンビーム照射領域を複数の基板に共通の基板移動速度で通過させることと、を備え、
    注入条件と基板移動速度とビーム特性との予め定められた関係に従って、個々の基板への所望の注入条件及び前記共通の基板移動速度のもとでのビーム特性が導出され、
    導出されたビーム特性を実現するよう前記イオン源のイオンビーム生成条件が制御され、
    前記イオンビームは、前記イオン源のイオンビーム生成条件に従って決定されるビーム特性を有し、かつ、前記イオンビーム照射領域を基板が通過する間に前記引出電極系から前記イオンビーム照射領域へと前記特性を保持して、前記イオンビーム照射領域を移動中の基板に直接照射されることを特徴とするイオン注入方法。
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